○箕輪
説明員 お答えいたします。
将来の世界の原油の見通しということにつきましては、現在の状況では的確にこうであろうということを申し上げることは非常にむずかしいと
思います。
現状を申し上げますと、一九七七年のOPEC全体の生産は大体三千百万バレル・パー・デーくらいの生産をしておりました。それから、昨年の一月から十二月の平均ですと三千万弱の生産をしておったわけでございます。御存じのように、十一月からイランがおかしくなりまして一月からストップしたということで、三月になりまして輸出は再開されたわけでございますが、
現状では、これもきわめて正確であるということではございませんが、各種報道をまとめますと、大体現在三千万バレルぐらいの生産をしておるというふうに考えていいのではないかと
思います。したがいまして、従来の生産から考えますと、大体同じようなレベルの生産をしているというのがOPEC全体の姿でございます。
今後どうなるかということでございますけれ
ども、OPECが公式に言っておりますことは、世界の需要に合わせて、だぶだぶではないけれ
ども供給はきちんと果たしますということを言っておりますので、それが事実行われるのであれば、タイトぎみではありますけれ
ども、世界の
需給というのは確保されるというふうに見てよろしいのではないかと
思います。ただ、御存じのように、産油国と申しますのは政治的あるいは社会的にまだ不安定な国がございます。イランも今後どのように政治的な安定に向かっていくかというのが一つの問題ではないかと考えます。
現状では、新聞紙上で伝えられておりますように、非常に世界的にタイトになってきております。この理由は、各消費国は皆同じでございますけれ
ども、過ぎました一−三という需要期におきましてそれぞれストックを食って
国内供給を果たしてきた。したがいまして、日本もそうでございますが、予定より備蓄が減っているわけでございます。各国とも、日本もそうでございますけれ
ども、次の需要期を目がけましていま備蓄の積み増しということを努力しておるものでございますから、それだけ世界の
需給が逼迫しているというのが
現状でございます。これがスポット
価格の高騰という形であらわれてきておるというわけでございます。したがいまして、OPEC諸国の論理というのは、従来からいまも同じでございますけれ
ども、ほかの国が利益を上げるのであればわれわれがそれをちょうだいする、われわれがまさにその利益を受け取る資格があるのだという考え方でございまして、国際的な
価格の高騰というのが続く限りは、OPECは値上げの理由があるのだというふうに考えていいのではないかと
思います。したがいまして、六月末に予定されておりますOPECの臨時総会におきましては、
価格の値上げが打ち出される危険がございます。これに対抗する手段は消費国というのは実は持っておらないのが
現状でございまして、唯一、節約をする。したがって、これは長期のことは、当然のことですが、石油というのは供給力に限度がございますので、長期的には逼迫してくることは間違いないと考えてよろしいのではないかと
思いますが、当面、ここ一年あるいは半年の間の石油の見方と申しますのは、各国の節約努力がどの程度効果があるかということに一つかかっていることは間違いないのではないかと考えております。
それから、御存じのように、昨年の十二月末にOPECは
価格引き上げを決めたわけでございますが、その後三月末、さらに引き上げを行った。その間、現在もそうでございますが、各産油国はいろいろな形でサーチャージを乗っけてきております。これはばらばら上げてきておるのが
現状でございます。ただいま現在で、各国が値上げをしてまいりました原油の
価格は、日本で平均的にどのぐらい値上げになっているかを試算しますと、大体二五%以上原油
価格が上がっているというのが
現状でございます。