○
芳賀委員 結局、前任者の中川一郎大臣さえできなかったことを今度あなたはあえて強行するわけですから、それがどんな結果を生むかということは、これは十分慎重を期してやっていかなければならぬと思うのですよ。
これに関連して、
乳価のプール制というのが
補給金法発足以来ありまして、
制度を基礎にして、都道府県段階においては飲用向け、
加工原料乳向けの販売された乳代というものをプール計算をして、そうして
均衡のとれた形で
生産者に支払いしておるわけです。これは都道府県ごとの
実績表もあるからやっておるということがおおよそわかるわけです。ただ、
法律を審議して、われわれの主張としては、やはり米と同じように、あるいは農安法の農産物と同じように、全国段階で一元的に集荷するとかあるいはプールするというような全国プール組織というものが農協の共販体制の中に実行されぬと、将来混乱を生ずるおそれがあるということを指摘いたしまして、当時この法案を上げた際、附帯決議の第一項にこれが載せてあるわけなんですよ。今度のように
調整分が二十一万トンも出るとか、
限度数量を超えた分に対しては何ら
政府が積極的な
措置を講じないということになると、これはやはり新たな全国的な、
生産者団体等によるそうした共販体制とかプール組織というものが当然必要になると思うのですけれども、こういう点については農林当局として検討を加えておるかどうかという問題。
それからもう
一つ、大臣、もう時間がないから
質問だけ言いますが、この
消費拡大の中で
飲用牛乳の消費が実は水増しになっているのですよ。これは厚生省の食品衛生法の中の乳等省令を見ても、一般の普通
牛乳というのは乳脂肪率が三%以上ということになっておりますね。三%の乳脂率があれば普通
牛乳として販売してもいいということになっておる。ところが、現在においては三・五九%というような高い脂肪率になっているわけですから、この乳肪率三%以上の分は、脱脂乳をまぜて量をふやして、三%の普通乳に
処理して販売するか、あるいは三元分離機にかけて三%以上の脂肪を抽出し、生クリームにして高級菓子等の製品に使用するということになると、水増しをした場合には二八%
牛乳が量的にふえるわけだから、そういうことをさせないように、搾乳したままの濃厚な
生乳というものをそのまま飲用に回すということになれば、そこで量的にはまだまだ飲用の方に回る
数量というのは出てくるわけです。それから、そういうふうに厳格にやれば、
飲用牛乳から三%以上は生クリームをとって高級菓子の原料に使うとかなんとかということをしないで、そういうものが必要であれば
加工原料乳の中から生クリームを製造するということをしないと、ますます値段も水増しで低
乳価、飲用乳も会社本位の、水で薄めて高い
牛乳を売らしておるというような結果になるので、この点については、やはり
消費拡大の基本に関する問題ですから、後で
資料を出してもらいたいと思うが、その点をどうするか。
それから、前回も言いましたとおり、少なくとも輸入税粉の
生乳換算の八十万トン等については大臣も検討すると言っておられたが、この点は速やかに積極的な検討を加えて、よそから安いからといって
脱脂粉乳をどんどん入れて、自分の国で
生産された
バターとか
脱脂粉乳が余ってどうしようもない、そのしわ寄せが
生乳生産の面で米と同じように
生産制限が行われるということになるわけですから、この点についてもはっきりした方策を立ててもらいたい。
それから、国産チーズの問題についても、いろいろむずかしい問題はあるが、やはり
乳製品の製造の
拡大という
意味から見ても、もう思い切って
畜産事業団から助成
措置でも何でも講ずることにして、製造開発を進める。
もう一点は、
酪農家の負債整理対策の一環として、
相当額の
経営改善資金というものを出しておるわけです。最高
限度一戸
当たり八百万ですが、これがちょうどことしから返還の時期に入るわけであって、二月
当たりにすると利子をつけて大体二百万円
程度ことしから五年間償還しなければならぬということになるので、こういう点についても、毎年毎年
乳価は
据え置きとか、今度は
限度数量も制限するというようなことになると、せっかく基盤のできた
酪農家が借金を払いたくても払えぬということにもなるわけですから、この負債整理対策についても抜本的な検討をして、
酪農の正常な伸展ができるようにすべきである。
以上の点について、それぞれ大臣から明快な答弁をしてもらって、それできょうは
質問を終わりたいと思います。