○松沢(俊)
委員 この問題は、いずれ御本人も
大臣のところへ来ると思いますので、なおお話を聞きまして対処をしてもらいたい、こう思っておるわけです。
時間がございませんから、さっきの食管の問題、それから米消費拡大の問題、私は米が過剰になる一番大きな原因というのは、米と小麦、穀類の中では競合するのですよ。小麦というのは、さっきの質問にもございましたように、どんどんふえてきておるわけなんでありますから、勢い米というのが過剰になっていく。これはだれが見てもわかると思うのです。もちろん嗜好の変化もある。これは十分理解ができるわけでありますけれども、しかし穀類全体が食
生活の変化によって、ただ米だけでなしに、小麦なんかにしましても消費は減少しておるというふうに私は見ておるわけなんです。
そこで問題は、さっき酒の話が出ましたが、それは嗜好と、もう
一つは
価格の問題だ、こういうお話でございます。
昭和十八年に三条の政令が変わってアルコール添加をやっても差し支えない、こうなったわけですが、
大臣の酒に対する認識は大間違いだと思うのです。ねばねばするというのでしょう。ねばねばするというのは、別に米でつくったからねばねばするんじゃありませんよ。
委員長の
佐藤さんと私の地元に越乃寒梅という
日本一いい酒がございますけれども、この酒は余りアルコール添加をやっていません。さらさらしていますよ。東の横綱と言われるんです。だから、そういう点では、ねばねばしているなんというのは大間違いなんでありまして、米でつくったやつは確かにうまいのです。そして、やはり相当のそれなりの技術というものも持っていなければならぬわけでございます。
そこで問題は、要するに、どうしてアルコール添加を変えることができないのかということです。やはりさっき言われましたように、原価が高くなる、こういうことだと私は思うのです。そこで、原価が高くなるというのも、いろいろ調べてみますと、確かに酒屋さんにとってはそんな高いところの材料というのは使いたくない、こうお
考えになるのは当然だと思うのです。酒の一級、特級なんて書かれているところに成分の内容というのが出ておりますけれども、これによりますと、米、こうじ、それから醸造用アルコール、醸造用糖類、こう書かれているわけです。その糖類というのはきわめて安いのです。それは一キロ百五、六十円で手に入るんじゃないですか。アルコールもこれまたうんと安いので、リッターで二十円足らずじゃないですか。そういうものをまぜて、そうして酒だとして売る。これは確かに酒屋さんは米と変えるわけにはいかぬということになるじゃないですか。しかもそのアルコール、糖類というもののほとんどが外国から入ってきているわけなんです。だから、いま
日本の
農業の危機だと言われるんだけれども、その危機だと言われるところの最大の原因というのは、酒に混入するところのそういうアルコール、ブドウ糖までが全部外国物だということなんです。これが要するに
日本の酒を本当の酒にさせないところの原因ということになっているのじゃないですか。その辺をやはりもう一度検討してもらう必要というのがあるのじゃないか、こう思うわけでありますが、
大臣はどうお
考えになっているか。
それからもう
一つ、食管の問題につきまして御質問申し上げます。
さっきの質問では、食管の根幹というのは、
食糧管理法の第一条を読み上げられまして、そしてこれが根幹なんだ、こういうお話でございます。でありますけれども、
価格の面をちゃんとあれすることになっているでしょう、「
価格ノ調整並二配給ノ統制ヲ行フ」となっているのです。
価格というのは一体幾つありますか。
政府米
価格というのが
一つあります。それから自主流通米、
価格というよりもこれは相場ですね。それから超過米、それから、さっき問題になっておりましたところのやみ米ということになるんじゃないですか。これは四つありますよ。この調整を図っておられるのですか。図っておられないと思うのです。だから、四つの調整を図っているのであれば、やみ米の
価格までも調整を図っているということになるわけであって、これはおかしいと私は思うのですよ。それから、
消費者の
価格、その問題につきましても、いま農協の方で一万五千円ぐらいで集荷しているのが、私も追跡
調査してみましたけれども、大体都会の消費地では、白米にして十キロ四千五百円くらいしていますから、玄米に直しますと、一万五千円ぐらいで出したのが二万五千円ぐらいになっているのじゃないですか。こういう状態になっております。いままでは三千円ですか、
消費者の指導
価格が四・二%上がったわけですからね。だけれども、その指導
価格どおりに買っているところの
消費者がいるかということになりますと、聞いてみますと、ほとんど買っていないという実績も出てきているわけなんであります。そうなりますと、一ころわれわれの言っていたところの、食管を守るとか、食管の根幹だとか、こういうものとは異質のものになりつつあるのじゃないか、現実は。この現実をどういうふうにしていまの食管のところに戻していくかという努力がこれからのわれわれの大きな
仕事なんじゃないか。
政府の方としても、そういう面に対するところの検討というのはどういうふうにして行われておるのか、そういう点をひとつ御答弁を願いたいと思います。
それから、在庫がふえるというのは大変困った問題でありますが、しかし、ふえるわけなんですね。たとえば新潟県で百十二の市町村があります。粟島という島がありまして、これはほとんど米は出していないわけですから、実際上は百十一ということになる。ことし新潟県で、そのうちの四十九カ町村が限度数量を余したのです。ペナルティーがどうとかこうとかということでおどかされましたけれども、ペナルティーの一番問題点というのは、限度数量を減らされるかどうかという問題だったわけです。ところが、現実は四十九カ町村が限度数量を余してしまっているという状態です。だとすると、不作であったからという県あたりの話でありますけれども、不作だということになりますと、県内の反収ベストテン、それを見ましたところが、ほとんど限度数量を余したところの町村というのは、そのベストテンの中に入っているのです。だから、他の町村と比較して作はよかったということになるわけでしょう。にもかかわらず、限度数量は余すという現象が出ている。これは一体どういうことなんだろうかということなんです。そういうような状態ということは、結果的には在庫米をだんだんふやしていくということになるのじゃないですか。そうすると、これに対するところの
対策をどうするかという問題が
一つあるはずなんであります。そういう点は一体どうお
考えになっているか。
それから、時間がありませんから皆質問しますけれども、たとえば逆ざや解消五カ年計画ということで、ことしは三年目ですか、そういうことで、この前の米価審議会で四・二%、二月一日から上げるということを
政府が決められましたね。この逆ざやを全面的に解消してしまった場合、一体食管というのはどうなるのだろうか。食管を守るということになれば、やはり逆ざやというのはあってもやむを得ないのじゃないかと私は思うのです。ところが、それをみんな一緒にしてしまうということになれば、どこへ売ろうと同じだということになりますから、ますます食管の混乱ということを引き起こすことになるのじゃないか、こういう点はどうお
考えになっているか。
それから最後に、
農地法の問題も聞きたいのですが、もう時間がありませんからやめますが、これは当然渡辺
大臣は
考えておられると思います。大平総理
大臣も言っておられますけれども、防衛力というものは必ずしも軍事力だけではないのだ、やはりいろんな
食糧の問題なんかも含めましたところの総合的な防衛力、こう言っておられるわけなんであります。私もやはりそのとおりだと思うのです。
そこで、防衛庁の方で分析したもの、これを見られましたか。これは
昭和五十一年九月一日、「
食糧輸入量に関する研究」、海上幕僚監部防衛部防衛課分析班、こういう班で分析したわけでありますけれども、それによりますと、沿洋漁業が現在の五〇%減、原油輸入が現在の五〇%減、そして
食糧の輸入が五〇%減になった場合においては千百九十九カロリーという状態になる。ところが、
昭和二十三年のあの
食糧難時代のカロリーは千八百五十五だ、だから
終戦直後よりもっと悪くなる。だから、これはやはり十分対処して
考えていかなければいかぬじゃないか、こういう分析が行われているわけなんであります。
そういうことになりますと、いまの
食糧の自給率、特に穀類の場合におきましては三七%と言われておるわけでありまするが、先進国の中でこんなに低いところの自給率は
日本だけであります。ですから、この自給率を高めていく必要があるのじゃないか。とりわけ最近の国際情勢、大変厳しい状態に入っているわけなんであります。そういう中で
日本の民族、
日本の
国家を守るという立場に立って
考えるならば、これは何とかしてもらわなければならないし、また
考えていかなければならないし、
食糧を供給するところの農林水産省としては、とりわけこの問題は十分
考えていかなければならぬのじゃないか。そこで、
考えるとするならば、それはどういうふうにして、いつごろまでにこういうふうにしていくという計画を立てられるのか、その点を明確にしてもらいたい。
以上であります。