○藤原
委員 その点につきましては、後で述べたいと思うわけですけれ
ども、とにかくこの朝日新聞に出ましたものは、大変御迷惑をおかけしていることを深くおわび申し上げます。これにはという理由で、これは全逓労働組合が「時間外労働を拒否しているとか、作業
能率をことさらに低下させ、業務を混乱させる違法な闘争をしているという事情があります。」というのが宣伝をされているということでございます。
この中で、私は先日京都に住むある人から話を聞いたわけですけれ
ども、特に固有名詞は遠慮させていただくわけですが、これは現物も次に紹介するものはあるわけでございます。
一つは、北海道の森町から昨年十二月十九日に差し出された速達現金書留ですね、これがこの人の自宅に着いたのは十二月二十六日の午後一時二十分ごろだった。つまり七日間もかかっているわけなんです。また、北海道の釧路市浪花町から十二月二十六日に差し出された速達郵便は、十二月三十日の午後五時三十分ごろこの人の自宅に届いたわけです。さらには、同じところから十二月二十九日に差し出された電信為替が十二月三十一日に届いた、こういうことです。ほかにもまだ三件あるわけですけれ
ども、時間がありませんので…
とにかく、この人はこれらの郵便物の余りの遅延にがまんができないで、そして配達局の
局長さんに苦情を申し入れに行かれたわけです。その
局長さんもあえて固有名詞は言わないでおきたいと思うわけですが、そのときに、速達料や電信料については返すことになっております、ひどくおくれたときにはお返しすることになっております、返すに当たりましては請求をしてもらわなければだめなんです、こういうふうに応対をされたわけです。この方は、自分ががまんできなくて文句を言いに行ったら、初めてそのことがわかった、文句を言いに行った者だけが申請をして返してもらうというふうなことは、郵便
事業にあってよいものなのかどうかという疑問を私に投げかけられたわけです。こういうことを知らない者あるいは弱い者は泣き寝入りをしてそのままというふうなことでいいのだろうか、こういう疑問があったわけでございます。文句を言いに来たのは自分だけなのか、ほかの方も苦情を言いに来たのはないのか、こういうふうに聞きますと、その
局長さんはこう言われました。たとえば取引先の荷物が着かないで商売ができません、こういう苦情が来ております、家からの送金が着かずに学生が帰省できない、あるいは飛行機の切符が着かないで乗れない、こういろいろ聞いておりますと、大変苦渋の面持ちを示しておられたわけでございます。
こういう中で、私も年末繁忙の
状況、京都の普通郵便局を何カ所か訪問させていただきました。労働者の方々も、話をしてみると、自分たちもいままでどおり年賀状一枚だって残さずに本当は配りたいのだ、一生懸命仕事をしたいのだ、しかしながら、いま闘っている不当労働行為その他いろいろある中で、労働者は団結をして闘う以外に何物もないのだ、こういう
お話でした。同時に、
局長さん及び管理者の方々も、私の目にはもうくたくたになっておられるなと、中間管理職の皆さん方の本当に御苦労といいますか、大変さといいますか、これを強く感じたわけです。ここで私は労使の紛争をとやかくは申しません。それは昨日以来一貫して、十分話し合って早期に解決していきたい、こういうことですから、一日も早い正しい解決
方法を心から願っているわけでございます。
問題ですけれ
ども、ここで私が討論したいと思います問題は、おくれた速達料などにつきましては、料金を返してもらうということを
局長とのやりとりで初めて知った、これが問題だというふうに思うわけです。しかもこの人は、おくれたら請求した者にだけ返すというのは納得がいかぬ、むしろ局がおくれた理由を明記したメモでもつけて、局が頭を下げて持ってくるのが本当ではないか、こう言っておられるわけです。怒り心頭に発しているという感じがしたわけですが、私はそのとおりだ、こう思います。言われるには、自分たちの商売なら、こんなことがあったら、頭を下げて申しわけありませんでしたと金を返しに行かないと、その後商売なんてものはできないのが常識なんだ、こう言っておられます。私は、この方の言い分は、多くの国民の感情を代表した言葉ではないかというふうに思ったわけです。
そこで、聞きっ放しではなくて、私は、どうしてもここでやらなければならないことが
郵政省にあったのではないのか、このことを
お尋ねしたいわけです。国民に広く知らしめよということです。あるいはやり方が余りお役所的ではありませんか、官僚的ではありませんか、こういうことについて
お尋ねをしたいわけです。このような
意見につきまして、
郵政省はどう受けとめていらっしゃるのか、お答えをいただきたいと思います。