○澁谷国務大臣 ただいま議題となりました
昭和四十二
年度以後における
地方公務員等共済組合法の年金の額の
改定等に関する
法律等の一部を改正する
法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
この
法律案は、地方公務員共済
組合の退職年金等について、別途本国会で御審議をいただいております恩給法等の一部を改正する
法律案による改正内容に準じ、その額の引き上げ等の措置を講ずることとするほか、地方公務員共済
組合の年金制度の現状に顧み、退職年金等の支給開始年齢の引き上げ、高額所得者に対する退職年金の支給制限、退職一時金制度の廃止等の措置を講ずるとともに、地方公務員共済
組合の短期給付についても別途、本国会で御審議をいただいております健康保険法等の一部を改正する
法律案による改正内容に準じ、所要の措置を講じようとするものであります。また、地方議
会議員の退職年金等についてもその額を改定するとともに、地方
団体関係
団体職員の年金制度について地方公務員共済
組合制度の改正に準ずる所要の措置を講じようとするものであります。
次に、この
法律案の概要について御説明申し上げます。
第一は、地方公務員共済
組合制度の改正に関する事項についてであります。
まず、その一は、地方公務員共済
組合が支給する退職年金等について、恩給の増額改定の措置に準じ、その額を引き上げることであります。すなわち、
昭和五十三年三月三十一日以前に給付事由が生じた退職年金等について、本年四月分から平均約三・六%増額するとともに、
昭和五十二
年度の退職者のうち同
年度中に改正が行われた給与条例等の給料に関する規定の適用を受けずに退職したものに係る年
金額の改定について特例措置を講ずることとしております。
その二は、恩給における最低保障額の引き上げ及び老齢加算の改善に伴い、退職年金等の最低保障額を引き上げるとともに年金条例
職員期間等を有する八十歳以上の
老齢者に係る退職年金等の算出率の特例について改善することとしております。
その三は、遺族年金に係る寡婦加算の額を遺族の置かれている特別な事情にかんがみ、年額一万二千円引き上げることとしております。
その四は、退職年金等の支給開始年齢について、年金受給者の高齢化等に対応して、地方公務員共済
組合の将来にわたる年金
財政の健全性の確保を図ること等の見地から、現行の五十五歳を六十歳に引き上げることとしております。
なお、この支給開始年齢の引き上げについては、
組合員の老後の生活設計等も考慮し、段階的に引き上げていくという経過措置を講ずることとしております。
その五は、高額所得を有する退職年金受給者について、年金の一部の支給を停止することとしております。
その六は、減額退職年金の受給を選択できる場合を、原則として、五十五歳からに限定するとともに、減額率についても保険数理に適合するものに改めることとしております。
なお、これらの改正についても、所要の経過措置を講ずることとしております。
その七は、すでに通算年金制度が樹立されていることから、現行の退職一時金制度を廃止することとし、別途、厚生年金の脱退手当金と同様の制度を設けることとしております。
その八は、公庫等に出向する
職員について、現在の厚生年金と共済年金の二重加入の状態を解消するため、五年を限り、公庫等に出向している期間については共済
組合の
組合員とすることとしております。
その九は、長期給付における公的負担について、当分の間の措置として、総財源の一%相当を特別に負担することとしております。
その十は、
職員に該当しない地方公務員で特定の
事務に従事していたものから引き続いて同一の職務に従事する
職員となった者について、時限的に、特例年金制度を創設することとしております。
その十一は、短期給付に関する改正であります。地方公務員共済
組合の短期給付制度については、従来から、健康保険制度に準じて所要の措置を講じてきたところでありますので、このたびの健康保険法等の一部を改正する
法律案による改正内容に準じ、地方公務員共済
組合の医療給付等について同様の改正を行うこととしております。
以上のほか、特別の事情により公務上死亡した者の遺族の範囲の緩和、警察
職員に対する特例年金制度の廃止、掛金及び給付額の算定の基礎となる給料の最高限度額の引き上げ等所要の改正を行うこととしております。
第二は、その他の年金制度等の改正に関する事項であります。
すなわち、地方議
会議員共済会が支給する退職年金等について、その額の増額改定を行うとともに、地方
団体関係
団体職員の年金制度について、地方公務員共済
組合制度の改正措置に準じて所要の措置を講ずることとしております。
以上が、
昭和四十二
年度以後における
地方公務員等共済組合法の年金の額の
改定等に関する
法律等の一部を改正する
法律案の提案の理由及びその内容であります。
何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。