○
加藤(万)
委員 いずれ
交付税の法案を審議する際に、もう少しお互いに討論をしてみたいというふうに思います。
先ほど同僚議員から要綱行政について
意見を述べました。武蔵野市の
課題をとらえてやったわけですが、
大臣は、要綱行政はその存在と必要性は十分わかる、だが、しかし、法の範囲内でこの問題はとらえられるべきだ、こういう御
意見でございました。
私は、
一つ事例を挙げて、こういう場合は
大臣、一体どうしたらよろしいのでしょうという御
意見を聞きたいと思っているのです。
実は、各
都市それぞれ要綱行政で宅地あるいは住宅開発に対する抑えはやっておるわけですが、私の地域に相模原市という市がございます。ここは内陸工業地帯でございます。その結果、たとえば神奈川県の造船業もそうですが、いまあらゆる産業が
減量経営の
方向に行っておりますものですから、従来内陸工業地帯に発注すべき製品製造を自前でやる、いわゆる下請を切り捨てているわけです。あるいは系列の会社が縮小されつつあるわけです。工業地域にある工場が閉鎖をされるわけです。この工業地域の閉鎖された工場を大手の会社が買うわけです。住宅会社が買うわけです。ここヘマンションをつくるわけです。ちなみに数字をちょっと申し上げてみますと、工業地域における住宅開発の
状況ですが、
昭和五十年には件数で二件、二千四百四十九平米。ところが、今度は五十三年になりますと、それが十倍になりまして、件数で十三件、二万四千三百十七平米、しかも現在申請中のものが七件ありまして十三万一千五百五十八平米、事前の協議中のものを入れますと、
昭和五十年から何と実に六十倍です。工業地域が撤退をする、その跡にマンションをつくるのです。しかもこのマンションをつくる会社は、それぞれ大手の住宅建設会社。相模原市にとりますれば、ここは工業地域ですから、できる限り一種住居地域ないしは二種住居地域に工業地域の住民は移動してもらって、ここはできるならば将来は専業工業地域にしたい、そのために地域整備を行う、いろいろな整備を行ってきたわけです。流れが逆になっているのです。一種ないしは二種住宅地域ではきわめて地価が高い。しかも広い面積を確保することができない。そこで工業地域の中小企業が撤退した跡を買って、そこヘマンションをつくるわけです。これを抑える
法律が何もないのです。たとえば、これは
大臣御
承知でしょうが、一種、二種、先ほどの要綱行政でもこういう地域に対する規制は相当厳しいですね。日照権の問題を含め、あるいは
負担金の問題を含め、その他を含めて非常に高いのです。したがって、工業地域へいきますと、これは全部カットされるわけですよ。まずいわゆる日照権の問題は相当緩和されていますね。もちろん工場地帯ですから、日照権の問題なんか言ったら工場なんか建設できませんから。あるいは下水道
負担とかそういうものもずっと緩和されているわけです。その緩和をされていることをいい条件に、次から次にここに移ってくるわけです。そこで市長さんは、こういうものが出てくるものですから抑えるわけです。抑えようがないのですよ。現行法体系の中では、専業工業地域でない限りマンションをつくっても構わないわけです。あるいはいま言ったように、市の
指導要綱は一種、二種住宅地域についてはいろいろありますけれ
ども、工業地域についてはないわけです。また国の、たとえば私は国土利用法で工業地域に線引きしたものは抑えることができるのじゃないか、こういうふうに言いましたら、いわゆる二千平米以上の売買についての国土利用法による制限は、県知事の許可、認可の問題があるわけです。ほかは何もないのですよ。従来工業地域の中に今度は逆流しているわけですから、これを
指導要綱で抑えようといっても、一応の限界があるわけですね。建築確認に対して留保をする、その間にいろいろな詰めをやる、しかし、最終的には建築基準法に基づいても何ら法的には抵触しないということで
首長は許可をせざるを得ない。しかも大手の企業がやるマンションですから、一遍に六百尺四百戸、三百戸というでかいやつですね。人がふえるわけですから、行政費が物すごくかさむわけです。こういう
状況を一体どうして抑制したらよろしいでしょうか。建築基準法ではできないわけですよ。いまこういう
課題が、実は私
どもに限らず先ほど
大臣がおっしゃったように、人口急増地域ではこの形になっているのですよ。
田園都市という
構想は、言葉どおり解釈すればまさに田んぼと緑のある、そこに住民が住みつきたくなる、そういう
都市計画ですね。いまの場合は、工業地域に住民を住まわせようという一方の住宅政策があるものですから、そういう形になっているわけです。
そこで、要綱行政とは国の
法律の範囲内と言うけれ
ども、こういう
法律の網と言ってはおかしいですが、すき間を縫ってできるものに対してはどういう行政
指導を、あるいはこれからそういうものに対しては、たとえばどういう形での
法律上の規制を与えていけば、
自治体の本来あるべき線引きをされた、ここは工業地域あるいは準工業地域、そういうものに沿うような
都市構造というものができるのでしょうか。ひとつ
大臣、所見を伺いたいと思います。