○
金子(一)
国務大臣 ただいま
議題となりました
外国為替及び
外国貿易管理法の一部を
改正する
法律案につきまして、
提案の
理由及びその
内容を御説明申し上げます。
政府は、最近における国際経済情勢及び開放経済を目指すわが国の基本的姿勢にかんがみ、対外取引を
原則自由とする法制に改めるとともに、対外取引の一層の自由化と手続の簡素化を図ることとし、ここにこの
法律案を提出した次第であります。
以下、この
法律案につきまして、その大要を申し上げます。
第一に、対外取引が自由に行われることを基本
原則とする旨を
法律の目的に規定することといたしております。
第二は、資本取引の
原則自由化であります。
資本取引につきましては、
現行の
原則禁止のたてまえを改め、特段の定めがある場合を除き、自由に行い得るものとするとともに、制限し得る資本取引の範囲及び要件を明確にするものといたしております。すなわち、わが国の国際収支の均衡を維持することが困難になるとき、円相場の急激な変動をもたらすことになるときまたはわが国の
金融、資本市場に悪影響を及ぼすことになるときには、このような事態に適切に対処するため、資本取引に対して制限を課することができることといたしております。また、一定の貸し付け、証券の発行、募集等特定の資本取引について事前届出制とすることとし、国際
金融市場に悪影響を及ぼし、またはわが国の国際的信用を失うことになるなど、一定の要件に該当する例外的なものに限り、その
内容の変更の勧告等を行うことができることといたしております。
第三は、役務取引等の
原則自由化であります。すなわち、
現行の
原則禁止のたてまえを改め、鉱産物の加工等ごく一部のものを除き、自由に行い得ることといたしております。
第四は、対内直接投資等の
原則自由化であります。すなわち、
現行の外資に関する
法律を
廃止して
外国為替及び
外国貿易管理法に統合するとともに、対内直接投資等及び技術導入契約の締結等につきまして、
現行の許認可制を改め、事前届出制とすることといたしております。この場合におきまして、わが国経済の円滑な運営に著しい悪影響を及ぼすようなもの等につきましては、その
内容の変更の勧告等
所要の
措置を講じ得ることといたしております。
第五は、支払い等の
原則自由化であります。すなわち、支払いまたは支払いの受領につきまして、
現行の
原則禁止のたてまえを改め、
原則自由とすることといたしておりますが、勘定の貸記または借記等特殊な方法によるものにつきましては許可を要することといたしております。このほか支払い手段等の輸出入及び債権回収義務についても
原則として自由とすることといたしております。
第六は、
外国為替等
審議会の設置であります。すなわち、
外国為替及び対内直接投資等に関する重要事項を調査
審議するため、大蔵省の付属機関として
外国為替等
審議会を置くことといたしております。
以上、
外国為替及び
外国貿易管理法の一部を
改正する
法律案につきまして、その
提案の
理由及びその
内容の大要を申し上げました。
何とぞ御
審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。