○
佐藤(観)
委員 私は
医師税制の問題について、とりわけきょう、きのうの政治的な動きに絡んで、
大平内閣の姿勢の問題についてお
伺いをしておきたいわけであります。
きょうの夕刊を見ますとどの
新聞も、自民党の方は
医師税制の是正について、三年以内をめどとして見直すことを検討する、衆議院
大蔵委員会で決議をして是正を保証すると新自由クラブに対して回答したというのが伝えられているわけであります。これは先ほど
理事会の中でも、当
大蔵委員会の自民党の
理事の方に聞いてみても、おれ
たちはそんな話は知らぬということだから、そういうことはなかったのかと思いましたけれども、朝日
新聞、毎日
新聞、読売
新聞、どれも同じ内容が出ているわけであります。三紙に同じ内容の提案が書かれているということになると、これは必ずしもうそではないんじゃないかと思わざるを得ぬわけであります。
そこで少しお
伺いをしておきたいのは、当
大蔵委員会でも新自由クラブの西岡幹事長が金子
大蔵大臣に対して、三年ぐらいで見直したらどうかと言ったら、金子
大蔵大臣は、いやそんなことはできませんといった
答弁だったものですから、西岡幹事長も、わずか四十九分で持ち時間を残して
質問が途切れてしまったというような経緯があるわけです。一体いまの
大平さんの
内閣、あるいは
大平さんが総裁をやっている自民党というのは、それは確かに
予算を無傷で通したい、新自由クラブさえ同調してもらえば逆転可決などということはしないでいきたい、
大平内閣ができたばかりで初めての
予算ですからそうしたいということでありますから、なるべく新自由クラブさんを引き入れたいという気持ちはわからぬわけではありませんが、これは事政策に関する問題だと私は思うのであります。もし自民党の方でそのような案が提示をされたというならば、金子
大蔵大臣が当
委員会で、この五段階制の
医師税制というのは
改正する必要はないんだ、とりあえずとにかくこの方式でいくんだと述べられた内容と違うと私は思うのであります。もし
新聞に報じられるように、しかも三紙とも同じような文言で述べられているいま私が読み上げました二項目について提案があったというならば、これは提案はしたけれども新自由クラブが受け入れなかった、したがって引っ込める、こういう性格のものではないと私は思うのであります。こういう提案をしたということは、いまの
医師税制に、もし新自由クラブからの提案があれば、疑問を持っているから三年間で見直そう、こういうことを答えたものである。そしてそういう主張をしながら新自由クラブがそれを受け入れなかったら今度はそれを引っ込める、これでは、一体政策とは何ぞや、
予算を通すためにはあらゆる政策も全くごたごたにしていいのかという疑問を私は持たざるを得ぬのであります。
一体こういった事実があったのかどうなのか。
大平さんといたしましては
責任を持って、いま申しましたような内容というのはなかったのか。そして五段階の
医師税制というのは恒久的な税制としてこれからやっていくつもりなのか。恒久的と申しましても、三十年、四十年という
意味ではなくて、何年が恒久的かわかりません、税制でありますからいろいろな情勢が変われば変わるのが当然でありますけれども、少なくとも
皆さん方の方は自信を持って出されたことなのか。今度の制度がいい悪いの話は別といたしまして、三年間で見直しをして新しい出発点にするのか。新自由クラブに一度提案をしたように
新聞は報じているわけでありますけれども、新自由クラブが納得をしなかったら今度はこれを引っ込めるというのは、私は全く政策を政争の具にしているものだと思うのであります。一体こういう事実があったのかなかったのか、そして
大平さんといたしましては、これは金子蔵相に命じたように、
責任を持ってある程度恒久的にこの五段階制でいくんだというふうに考えていらっしゃるのか、この一点についてお
伺いしたいと思います。