○只松
委員 私は埼玉に住んでおりますから、埼玉のことは多少わかるわけです。埼玉の場合、県知事も社会党でございますから多少の
調査もしていただける、政府の場合は頼んでもいただけないことがありますが。後で埼玉の資料は出します。
大都市近郊の
一つの典型的な例として、埼玉では再び土地買いが私
たちの耳にも頻々と入ってくる。これも経済論争しようとは思いませんけれども、雇用数は減っておったりあるいは総売り上げが減っても会社の利益が、皆さん方から見れば優良
企業ということになりますが、大
企業が純利益を増大しておることは私があえてここで申し上げる必要もない。そういうのは、設備そのものは余っておるわけですから、よほどの新しい発明や発見や開発がなされない限り設備投資というものには向かない。さっきから言うように、株もいまのところではこれ以上そんなに上がらない、下手につかまされちゃう、こういうことになりまして、国債に回っても、国債は先行き値下がりすることこれまた確実。インフレが進むと値下がりする、するからまたこうなって、
最後は悪性インフレに陥るわけですね。そこまでのことは私はまだきょうは断言はいたしませんけれども、とにかく国債が九十九円五十銭で売り出しているのが九十五円を割って九十四円になっておる、これは現実ですよ。論争するどころではなく現実に下がってきておる。これ
一つだって、皆さん方しゃあしゃあと答えているけれども、昔ならこれは腹切りものですよ。売るときに、買っている会社や
個人は損をしているのです。いいですか、株を買って損しているんじゃなくて、政府が発行した政府の一万円札や何かが下がっているのと同じくこれは下がっているのです。さらにこれが九十三円なり九十円に下がっていく可能性は十二分にあるわけですよ。そのときの責任はどなたがおとりになるのですか。
日本国家なるがゆえにしゃあしゃあといる。皆さん方は、官僚と言っては悪いけれども、責任を一向に
感じておられないけれども、それはやはり発行したところが責任を
感じるし、とらなければいけない。そのことは目に見えている。
私はきょうは責任論争や何かをしようとは思わないのだけれども、要するに
最後は行き着くところは徐々に上がりつつある土地に向いていく。現に埼玉あたり土地探しが相当行われている。ところが土地の
税制を緩和しよう。今度の租特にまたお出しになっておる。いろんな働きかけがあったでしょうよ。しかし租税特別措置で緩和しようとされておる。それはなぜかというと、優良な土地、宅地や何かがないからです。私が皆さん方のお手元に参考までに一、二差し上げておりますように、埼玉県で五十二年一月
調査した現在において、未利用地、これはほとんど会社によって買い占められた土地千平米以上、それを
調査した結果、一千万坪、浦和市の約半分の土地がある。市街化区域でも百九十万坪あります。市街化区域で土地がないないと言うが、市街化区域ですよ、百九十万坪買い占められておる。他の都市計画区域という調整区域、ここで七百六十万坪、その他の無指定地域、山林とか林野にわたるところ五十万坪、これだけの一千万坪の土地が買い占められて遊んでおる。この土地をむしろどう使わせるかということが問題であって、いわゆる本来行っておった農地、お百姓さんや何かの持っておる土地をはたき出させてするというのが当面の土地政策ではない、租税特別措置
制度ではない。今度行おうとしておるこういう租税特別措置を行うならばさらに土地は騰貴をする、私が言わんとするのはこういうことなんです。
新しく土地を手放して売りなさい、そういうことではなくて、こうやって土地を買い占められておる。いま埼玉だけで現存して残っておる。これを
日本国じゅう類推いたしますと膨大なものになる。金額で私が若干類推をいたしますと、市街化区域が埼玉においては平均して三十万円ぐらいしているでしょう。二十万円の土地なんてほとんどありません。当時買い上げを仮に十五万円といたしますと二千八百五十億円、調整区域を七万円といたしますと五千三百二十億円、無指定地域は一万円としたって五十億円、合計八千二百二十億円、一兆円に近い金がここに投ぜられている。現実にはこれは全部値上がりしていますから一兆円を大きく超している。埼玉一県でですよ。私は前にこの土地投機に使われた金は約二十兆円である、こういうことを言ったことがある。ところが、いやそんなにない、大体七、八兆だろうとか何とかかんとかいろいろ言われました。しかしこの
大蔵省からいただいた別の資料「土地関係融資について」という資料を見ますと、金融機関の土地関係融資
状況調査、これも、融資残高一億円以上というのを見ましても三兆九千七百四十九億円、約四兆円。これは銀行や信用銀行以上でございますから、そのほかのものをとりますと、大体金融機関で明確に土地、こういうことにされているので五兆円を超します。現実に出ているものは五兆五千億ぐらいになるわけです。そのほかに、皆さん方、特に次官は政治家だから御
承知だろうが、あなた銀行に借りてくれないかと話をすると、そんなら土地を買うのじゃ銀行は貸しやしないから、設備投資としておけとか牧場としておけとか何とかかんとか言われて、名義を聞くとあるいは運転資金というようなことで借りておるところも結構あるわけです。こういうものを私が推計をいたしますと、あるいは埼玉県一県だけで約一兆円近いというものを他の府県にずっと類推いたしましても、十兆を下るものではないということは、
大蔵省の金融機関の融資
状況あるいは埼玉県の土地に投機された
状況というものから見ても決して多くはない、もっと私は膨大なものだろうと思うのですね。最低見積もって十兆、少し過大に見積もれば二十兆近いものが投じられている。その利子たるや大変なものだ。とにかくおれら働いてばからしいよ、とにかく銀行に一生懸命利子持っていくだけがいまおれらの仕事だということを私
たちの年配の者は、会社の役員をいたしておりますが、みんなこぼしておる、そういう
状況であります。
そういう中においてなおかつ今回、こういうふうに土地
税制を緩めていかなければならないという理由はどこにあるのですか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。