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1979-04-24 第87回国会 衆議院 商工委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年四月二十四日(火曜日)     午前十時三十三分開議  出席委員    委員長 橋口  隆君    理事 野中 英二君 理事 武藤 嘉文君    理事 山下 徳夫君 理事 渡部 恒三君    理事 岡田 哲児君 理事 渡辺 三郎君    理事 岡本 富夫君 理事 宮田 早苗君       越智 通雄君    鹿野 道彦君       始関 伊平君    島村 宜伸君       辻  英雄君    中西 啓介君       楢橋  進君    原田昇左右君       前田治一郎君    渡辺 秀央君       板川 正吾君    後藤  茂君       上坂  昇君    渋沢 利久君       清水  勇君    田口 一男君       長田 武士君    玉城 栄一君       工藤  晃君    大成 正雄君  出席国務大臣         通商産業大臣  江崎 真澄君  出席政府委員         通商産業政務次         官       中島源太郎君         通商産業大臣官         房審議官    原田  稔君         資源エネルギー         庁長官     天谷 直弘君         資源エネルギー         庁石油部長   神谷 和男君         資源エネルギー         庁公益事業部長 豊島  格君  委員外出席者         消防庁地域防災         課長      中川  登君         商工委員会調査         室長      藤沼 六郎君     ――――――――――――― 四月二十日  出版物再販制廃止反対に関する請願外六十一  件(小川国彦紹介)(第三〇九九号)  同(加藤清二紹介)(第三一〇〇号)  同外一件(川俣健二郎紹介)(第三一〇一号)  同(村山富市紹介)(第三一〇二号)  同外一件(嶋崎譲紹介)(第三一二三号)  同(中村重光紹介)(第三二二五号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  特定ガス消費機器設置工事監督に関する法  律案内閣提出第四九号)(参議院送付)  エネルギー使用合理化に関する法律案(内  閣提出、第八十四回国会閣法第七八号)      ――――◇―――――
  2. 橋口隆

    橋口委員長 これより会議を開きます。  参議院から送付されました内閣提出特定ガス消費機器設置工事監督に関する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。清水勇君。
  3. 清水勇

    清水委員 早速でありますが、通産当局が「ガス消費機器に関する保安確保推進策について」をガス事業大都市対策調査会、これに諮問をしたのはたしか昭和五十年の早々であったと思います。そこで、まず聞きたい点は、その時期に諮問をしたということはどういう社会的な背景があったのか、また行政的にどういう点が課題になっていたのか、まずこの点、お聞かせを願いたいと思います。
  4. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ただいま御質問の点でございますが、当時ガス消費機器がだんだん大型化してきていろいろと事故も起こる、その中で、大型消費機器設置工事が非常に問題であるということが若干起こっておったわけでありますが、五十一年の十一月に行政管理庁におきましてガス消費機器設置に関する規制の強化ということが勧告されまして、その内容としましては、「給排気に関する技術上の基準が定められているガス用器具設置一定の有資格者に行わせることとするなど同基準を遵守させる方策を講ずること。」等々の行管勧告があったということが、一つの当時の情勢ではなかろうかと思います。
  5. 清水勇

    清水委員 行管勧告は、諮問をされた約一年以上後に出ているわけですが、それはそれとして、いずれにしてもすでに四年前に、いま言われるように工事に問題があるあるいは監督者制度などを講ずることによって保安確保を図る必要がある、こういうことが言われており、ガスによる災害が増加の一途をたどっていたこともまた指摘をされているとおりだと思います。ですから、その防止が大きな社会的あるいは行政的課題になっていた、こういうふうに言われるわけであります。  そこで、諮問をした時点以後、現在に至るまでの間に、ガスによる災害が相変わらず多発の傾向があるというふうに伺うわけでありますが、この際に、ガス事故の具体的な状況あるいは傾向、この点について、最近の年次で結構でありますが報告をしていただきたいと思います。
  6. 豊島格

    豊島(格)政府委員 都市ガスについて申しますと、四十六年当時八十件ぐらいガス事故があったわけでございますが、四十八年には百二十二件、それから五十年には百三十九件、五十一年には百六十七件ということでございまして、五十二年には百三十五件と若干減っておりますが、大体四十六年に対して二倍前後にまでふえておるということでございます。  ついで申し上げますと、液化石油ガスにつきましては、四十六年ごろ二百十七件ぐらいでございましたのが、四十八年には三百六十八件、それから五十年には四百九十七件、五十一年は五百八十一件、五十二年は六百三十七件、これは三倍近くに現在ふえておるということでございます。
  7. 清水勇

    清水委員 わかりました。数字としていま報告をされた内容はわかったという意味でありますが、しかし私は率直に言って、いま報告をされた、いわば表にあらわれた数字は、実際の事故件数に対して氷山一角なんじゃないか、こういう見方がありますね。つまり表に出てこない、潜在をしている事故件数というのが非常に大きい。そこに数字的な大きな乖離があるのじゃないかという、そういう指摘が行われているわけでありますが、通産当局としてはいま私が申し上げたような点についてどういうふうにごらんになっておられますか。
  8. 豊島格

    豊島(格)政府委員 確かに先生指摘のとおりでございまして、たとえば本日御審議いただきます法案関連するガス消費機器設置不良設備といいますか、工事が不良であるというものにつきましては、実際問題として都市ガス、それから液化石油ガスを含めまして百三十万件ぐらいどうも工事が不十分といいますか、設備が不十分というものを抱えておるわけでございまして、その中で具体的に事故が起こるというのはごく一部であるということは確かに言えると思います。
  9. 清水勇

    清水委員 いまも答弁の中でちらっと言われているんですけれども通産省の資料によると、ガス事故原因になるいま御指摘のあった給排気設備不備需要家件数、現在都市ガス関係で約八十万件と言われ、LPガス関係で五十四万件と言われております。合わせて百三十四万件、いま言われた数字に上るわけでありますが、これはちょっと聞いておきたいんですが、どういう調査の結果把握された数字でしょうか。
  10. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ガス事業者に対しては、本来の供給設備に対する保安責任のほかにも、ガス消費者使用の方法あるいは設備消費機器がうまく使われているかどうか、設備が完全であるかどうかという点につきまして調査義務法律で課しておりまして、大体三年に一回、都市ガスの場合にはその調査を実施しているわけでございますが、その調査を通じましてそういう不良なものがあるということが判明しておるわけでございます。
  11. 清水勇

    清水委員 言われるようにガス事業法の四十条の二で調査義務を課しているわけですね。ただ、しかし消費機器所有者または占有者承諾を得ることができないときはその限りでないという規定もございます。そこで、実際に事業者がいま調査をして挙げてきている数字百三十四万件、この数字自身もまた全体の消費世帯から言えば氷山一角という数字になるとも類推されるわけですが、その辺の見方はどうなんでしょうか。
  12. 豊島格

    豊島(格)政府委員 先生指摘のように、確かに法律では調査義務ガス事業者に課せられておりますが、私人でございますガス事業者立ち入り権を認めるというために、一応ただし書きとしてそこの消費者承諾を得るということでございます。したがって、その消費者といいますか、使用者が拒否した場合には立ち入ることができないということは事実でございますが、ガス事業者としましてはやはり安全の責任という立場から説得をし、あるいは不在のときにさらに何回も行ってやるということで、実際上大体立ち入りができるという状況になっております。数字的にはごくわずかでございますが、そういう拒否された例もあると思いますが、一応推定としましてはこの百三十万件程度というのはそれほど間違ってないといいますか、その例外が非常にあるというふうには私どもは考えておらないわけでございます。
  13. 清水勇

    清水委員 わかりました。一応そういうことであればこの百三十四万件という数字を根拠にちょっとお尋ねをいたしますが、いずれにせよガス事故に占める給排気設備不備というこの割合が非常に大きいということが言われているわけであります。  そこで、通産当局お尋ねしたいことは、この百三十四万件の不備について、これは現行法においても設置基準適合するよう改善勧告を出すとかあるいは適合命令を出せる、こういうことになっているはずですね。そこで、これまでにこの百三十四万件についてどのような行政指導を行ってきているか、これをお答えをいただきたいと思います。
  14. 豊島格

    豊島(格)政府委員 通産省といたしましては、ガス事業者に対して、先ほど先生の御指摘のありました法律に基づく調査の際に、参りまして、いろいろと技術的基準に不適合といいますか、ちゃんと給排気設備ができてないものについては、それを改善するよう要請しろということを指導いたしております。また冬季等、特にガスを使います需要期におきましては、その安全PRの一環といたしましても、そのような不良設備改善を特に目を光らせて調査をするよう指導しておる次第でございます。
  15. 清水勇

    清水委員 そういう指導の結果、どのような状況になっておりますか。
  16. 豊島格

    豊島(格)政府委員 その指導の結果、ガス消費機器につきましてある程度改善は見られておるということでございます、ただいま数字を持ち合わせておりませんが。ただ、そのような指導をいたしましても、実際改善いたすためには相当な費用がかかる、それから工事やり直し等の点もございまして、必ずしもそういうガス会社改善勧告といいますか、そういう通知というものが十分守られない状態であるということは否定できないと思います。
  17. 清水勇

    清水委員 私はその点が非常に問題だと思うのです。これは大臣にもよく聞いてもらわなければならぬわけでありますが、給排気設備不備が重大なガス事故原因になる、通産当局ではかねがねこれを指摘をされている、業者に命じて調査をさせる、そして百三十四万件も不備だという結果が出てきている、ところが、これを改善するようにいろいろと行政指導をしているが、費用がかかったりしてなかなか進んでいない、これが実情である、こういうお答えなんですね。  しかし問題は、危険な状態をそのまま放置しておくということは、いつ事故が発生するかもしれない、また最近のような状況になりますと、一たびガス爆発などが起こりますと災害が非常に拡散をされる、こういうことでありますから、いわばソフト理解協力消費者に求めるということだけでは済まされないのじゃないか。もうちょっと立ち入った形でその危険性指摘をし、少々費用がかかっても不備な点はこれを改造させる、こういうような状況になりませんと、結局のところは消費者に対していわば危険と背中合わせで生活をさせている、こういう状況に放置をしておくというようなことになるわけですね。ですから、費用がかかるから余り強く直すように言えないのだということは、一面では行政上の責任回避につながるというような感じがしないでもないし、また他面では、改造協力をしないから消費者が悪いのだといって、その責任消費者に転嫁をするというようなことになりはせぬか。この辺のところはもうちょっと一工夫も二工夫もして積極的に対処すべきではないか、こういうふうに思うのでありますが、いかがでしょうか。
  18. 豊島格

    豊島(格)政府委員 先生指摘のように、ガス事業者指導するだけで十分ではないということは、御指摘あるまでもなくわれわれもそのように考えておるわけでございまして、実は集合住宅とか、特に危険性が高いと思われるところにつきましては、私ども地方通産局公益事業部長、所管の部長を通じて、改善するようにという通達といいますか、文書を発しております。そのようにしまして、直接的にも、役所もそこまで立ち入ってやっておるわけでございます。
  19. 清水勇

    清水委員 そこで、この際長官お尋ねいたしますが、諮問をなすった立場、五十二年五月でしたか答申を受けておられる立場、これらを踏まえて私はいま指摘をしたのですけれども、問題は給排気設備不備というもののもたらすガス事故の遠因、こういうものを考えた場合に、諮問に当たってもうちょっとその辺を配慮されてしかるべきだったのじゃないかという気もするのです。  それはそれとして、現実には答申が出ているわけでありますが、答申を受けた立場で、いま私が指摘をしたような点について、新法をいわば立案をなさる場合にどの程度勘案をなすっているのか、少しお聞かせいただきたいと思います。
  20. 天谷直弘

    天谷政府委員 工事監督する人間の資格をよく審査いたしまして、その監督者をして工事をさせるというような、答申の趣旨をよく勘案して法律を立案いたしておる次第でございます。
  21. 清水勇

    清水委員 どうも答えになっていないような感じがするのですが、それでは別な角度でお尋ねをしたいと思います。  これから先、つまり将来を予測すると、次第に省エネルギー意識というものが国民の間にも進んでいくだろうと思います。また、建築物省エネルギー型あるいはサッシ等による気密化が進んでいく、さらに、一面では建築物過密化をしたりあるいは集合住宅に見られるように集中化をしていく、私はそういう傾向になるだろうと思うのですね。そこで問題は、こうした傾向になればなるほど、一たび事故を起こすと災害が広く拡散をされることにつながっていくのだろうと思うのですけれども、この法案において、いま私が申し上げたような点についてどういう配慮を払っておられるか。私、条文をずっと見たわけですけれども余りぴんとこないものですから、明らかにしていただきたいと思います。
  22. 豊島格

    豊島(格)政府委員 この法律ガス消費機器保安を考えておりますのは、主として給排気設備工事がちゃんとできておるかどうかということを確保するために、一定資格ある者に監督をさせて工事をさせる、こういうことを規定しておるわけでございまして、ただいま先生指摘集合住宅における保安の問題、マンションとかいろいろあると思いますが、そういうものにつきましては、たとえば配管の問題とかそのほかいろいろとございまして、そういう問題は必ずしもこの法律だけでは考えられないわけでございまして、もう少し総合的に対処すべきものだ、このように考えております。
  23. 清水勇

    清水委員 それでは、いまの点は私まだ意見がありますから、後で条文に触れながらお尋ねをしていくことにいたします。  そこで、次に、法案の中身に触れて若干問題点をただしてまいりたいと思います。  まず最初に、第二条「(定義)」で、「「特定ガス消費機器」とは、ガスバーナー付ふろがまガス瞬間湯沸器」であるというふうに明示をされておりますが、「その他」についてはどういうお考えですか。
  24. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ただいまの時点におきましては、特に特定消費機器として指定するところまで必要はないのじゃないか、このように考えておりまして、現時点では政令で指定することを考えておりません。
  25. 清水勇

    清水委員 将来必要性が起こった場合には「その他」についても指定をする、そういう含みがあるのですか。
  26. 豊島格

    豊島(格)政府委員 そのとおりでございます。
  27. 清水勇

    清水委員 それでは、第三条の関連でちょっと尋ねておきたいのでありますが、これは先ほどのやりとりにも多少関連があります。  ここで言うガス事業法第四十条の四または液化ガス法第三十八条の二、この規定によって保安基準適合することを確保しようとしているわけでありますが、新設の場合、新しく工事を施工する場合はその確保可能性はあると私は思う。しかし、問題は既設の場合、先ほどもやりとりをいたしましたように、基準適合しているかいないか、調査義務事業者に与えてはおりますけれども消費者調査承諾しなければ調査義務が免除されるといういわばしり抜け規定なのですね。そうなると、消費機器不備があるかどうかを調べることもできないでいて、どうやって保安確保を期することが可能であるのか、こういう点でどうも私は疑問を抱かざるを得ない。いかがですか。
  28. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ただいま先生指摘の点は、既存設備についてどうかという点でございますが、これにつきましては、確かに調査義務技術基準適合しているかどうかということを、調査機会を通じて見て説得するということでございますが、どうしても調査に応じないという場合には、実際上不可能であるということもそのとおりでございます。ただ、この点につきましては、現在のガス事業法のたてまえないしはガス事業者のそもそもの性格として、どうしてもそこまではいけないということでございますが、たとえば集合住宅その他につきましては、管理人とかそういう人を通じていろいろとやるようなことも考えさせておりますし、どうしてもそういう調査を拒否するという場合は、われわれの調査といいますか、ガス事業者から聞いたところではごくわずかである、きわめて例外的だと理解いたしております。  なお、既存設備でございましても、一定耐用年数が参りますと、その場合には当然改良といいますか、改造ないしは取りかえということになりますので、その機会には当然のことながらこの法律規制を受けて、一定の有資格者監督してやるという、不備のない工事が実施されるということになろうかと思います。
  29. 清水勇

    清水委員 そこで、消費者調査協力をしてくれた、さっきの百三十四万件といったような数字が出てくる。そこで今度、第四十条の三で基準適合命令を出すことができる、こういうわけでありますが、どうなんでしょうか、この百三十四万件にばかにこだわるようで申しわけありませんが、こうした不備消費機器を有している者に対して、「技術上の基準適合するように消費機器を修理し、改造し、又は移転すべきことを命ずることができる。」というのですけれども、これは、具体的にどういうふうな手続をとってそれが行われますか。
  30. 豊島格

    豊島(格)政府委員 基準適合命令につきましては、通産大臣がそれを行わなければいけないという場合にはその命令を出せる、消費者に対して直接出せるということになるわけでございますが、それまでの間に、手続といたしましてはいろいろあろうかと思いますが、まず、ガス事業者調査をして、不備であればそれを直すように、勧告といいますか、どういう処置をとったらいいかということを通知いたしまして、それをなかなか聞かないという場合には通産省の方にも連絡が来るということであります。その連絡を受けて大臣命令を発するということになるわけでございます。
  31. 清水勇

    清水委員 実は、いま言われたことは現行法でもできるわけでしょう。改善勧告をすることができる、あるいは適合命令を出すことができる、こうなっているわけでしょう。ところが、まあそれをやるということは費用のかかることだから、いきなりそういうことをやるよりも、できるだけ理解協力を求めるように、ソフトタッチ消費者に申し上げているのだ、これがこれまでの経過だと思いますが、そうすると、今度この法律ができた場合、いままでのようなソフト対応だけではなしに、たとえば勧告を出す、あるいは命令を示すというようなハードな措置をとられるのですか。
  32. 豊島格

    豊島(格)政府委員 先生指摘のように、従来の法律でも消費者に対して技術基準適合義務を課しておるわけでございますが、今度の法律では、工事についてその技術基準を遵守するように、いわゆる特定工事事業者というものに対して指導することができるわけでございまして、そういう観点で、職業として設備を行う人に対して直接に技術基準を守らせるような制度になっておるわけで、それにむしろ反した場合には罰則がかけられるということになるわけでございます。
  33. 清水勇

    清水委員 どうもいまのお答えを聞いていると、いままではやればできないことはなかったけれどもやらなかった、しかしこれからは、状況によっては罰則もかけるという、まあ非常にハードな対応をなさるというような感じに受け取れるのですが、それは間違いありませんか。
  34. 豊島格

    豊島(格)政府委員 先生指摘の点につきまして、最終的にまだ方針を決めておるわけでございませんが、特定工事事業者というのはそれを営業としてやるわけでございまして、自分一人、個人消費機器を持っている場合、もちろん個人消費機器不備の場合でも近所に迷惑をかけるわけでございますので、その点では共通しているかと思いますが、いやしくも業として幾つかの工事をする、消費設備設置するというところが不良な工事をいろいろやるということでは、社会的にも問題でございますので、そのハードさ、ソフトさという点についてはいろいろ見方もあるかと思いますが、おのずから違ってくるのではないか、このように考えております。
  35. 清水勇

    清水委員 いずれにしても、新たに新法を通じて監督制度を発足させようとしておるわけですね。しかし実態として予見をすると、現行法のもとでの対応と比較をして、一体どれほど際立った保安上の実効確保のための措置ができるのか、私はどうも疑わしくてならない。たとえば、事実問題として現行法でも改善勧告するあるいは適合命令を出すことが可能でありながら、それが出せなかった。なぜならば、所有者個人の意思というものを尊重、そんたくせざるを得ない、こういう発想が強くて、事実問題として消費者立ち入りを拒めば調査もようできないというような状況を放置してきたが、これもどうも新法ができても規制するような状況にはならない。そうすると、結局は単に消費者保安意識の高揚を図るとか、あるいは消費者理解協力を求めるといったような程度に事態はとどまってしまうのじゃないか。少なくとも新たな設備設置の場合は保安確保が図り得ても、都市ガスLPガスを含めて三千三百万世帯ガスエネルギー使用していると言われておるわけですけれども、そういう膨大な消費者を対象にしているわりにはどうも少し突っ込みが足らないのじゃないか、こう思いますが、どうでしょう。
  36. 豊島格

    豊島(格)政府委員 これまでちょっと私の御説明が不十分であったかと思いますが、今度新法でねらっておりますのは、そういう消費機器設置するときのスタートの時点から縛って、適正な工事が行われるようにしようということでございます。それで、旧法の場合におきましては、工事そのもの不備なままいつの間にかされて、それを直すということになりますと、場合によってはふろがま全部を取りかえなくてはいけないということで、そういうことで事後的措置ではどうしてもうまくいかない。幾ら技術基準適合するようにあるいは危険であると言っても、危険は使い方によって防げるのじゃないか、そういうことで、金をかけて全部取りかえて直せというところまでいくには、法律上はできるけれども事実問題として非常にむずかしいということでございますが、そもそもそういうことをなくすために、最初に備えつけるときからちゃんとしたものにやれ、しかもそういう設置を業としている事業者を縛ってやらせる、事業者に対しては、当然社会的責任がありますから、それに対してはそれだけのものを問える、こういう体制にすることによって、いままでも法律の体系としては技術基準適合ということは、いずれにしてもできるわけでございますが、その実効を担保するためには今度の法律のような規定が必要であるし、また、それによって新しくできるものにつきましてはほとんど目的を達成するのじゃないか、そのように考えておるわけでございます。
  37. 清水勇

    清水委員 その程度にして次にまいりたいと思いますが、第四条の監督者資格について次に伺いたいと思います。  監督者資格を得る要件は、この条の一項の一を私なりに解すると、ずばり一言で言って、講習を受けた者すべてに与えられるということに受け取ってよろしいのですか。
  38. 豊島格

    豊島(格)政府委員 たてまえといたしまして、講習を受けた者すべてに与えられるわけでございますが、実際に講習を物理的に受けた、いわゆる授業を受けたというだけで果たして効果があるかどうか、その辺は問題でございますので、十分講習を受け、その中身を聞いて理解していたということを確かめるという程度の、最後のテストというものは実施したいと思っておりますので、そういう意味で、講習にさえ出ていれば全部資格があるということでは厳密に言ってないということでございます。
  39. 清水勇

    清水委員 しかし、法文上はいまおっしゃられるようなことには読めないんじゃないですか。現実の問題として、特段受講資格に関する基準が設けられるとか、制限が設けられるとかしているわけではありませんね。たとえば実際上何らの技能も持たない者はだめだとか、年齢で何歳以下はだめだとかなんということも別に制限をされているわけじゃない。ですから、平たく見れば講習を受けた者に監督者資格が与えられる、こういうふうに見ることが正しいんじゃないですか。
  40. 豊島格

    豊島(格)政府委員 この監督者制度の中身となる監督者に要求される問題といたしましては、特に熟練を非常に要するとか、あるいは非常に高度の知識を要するわけでございませんので、先生指摘のように特別な講習を受ける資格についてはないということでございます。
  41. 清水勇

    清水委員 ただ私は、最近のガス事故の重大性という点からして、保安確保を期するための監督者の持つ資質というのは非常に重いと思うのですね。ところが、たとえば何らの経験も問われない。十八歳以上であるなんというような年齢上のことも問われない。極端に言えばだれでも監督者になる講習が受けられ、講習を終了すれば監督者になり得る。私は、いささか安易に過ぎはしないのかという感じがしてなりませんが、そう思いませんか。
  42. 豊島格

    豊島(格)政府委員 先生指摘のような議論も、この法律をつくる上ではいろいろと議論されたことは事実でございますが、いずれにしましても、こういう制度を設ける場合の全体的な他の制度とのバランスその他を考えまして、最終的には一応講習で十分であるという結論に達したわけでございまして、先ほども若干触れたわけでありますが、給排気設備工事不備というものにつきましては、非常に基礎的な知識の欠如といいますか、そういうところが大部分でございまして、技能的にはそれほどむずかしくない。それから、学問的にも非常に高度でむずかしい理論が理解できなければならないということでもない。わりと基礎的なことを十分知ってそのとおりにやる。もちろん判断とか若干の技能は要るわけですが、それにつきまして特に従来経験があるとか、そういうことではなくてもやっていけるという見通しのもとに、このような制度を考えたわけでございます。
  43. 清水勇

    清水委員 それでは、講習のカリキュラムというのは一体どういう内容のものを予定をされておりますか。  あわせてお尋ねをいたしますが、たとえば住宅過密の地帯あるいは集中している地帯、こういう地帯での講習というものについては、何か特段の配慮が払われているのでしょうか。あるいは過疎だとか辺地といったようなところについては、何か違った講習内容でもお考えになっているのですか。私は、いまも申し上げてきているように、一たび事故を起こすとその影響は非常に大きい。ですから、最悪の事態といいましょうか、あるいは住宅過密地帯などというような一番厳しい状況といいましょうか、こういうところでの保安確保というものを維持できるような、そういう前提に立って講習というものが行われてしかるべきだと思っている一人なんですけれども、その辺聞かしてください。
  44. 豊島格

    豊島(格)政府委員 まずどういう講習のカリキュラムであるかという点でございますが、ただいま考えておりますのは、ガス消費機器設置工事関係法令あるいはその構造、機能、それからガスに関する一般知識、それから給排気理論、設置工事基準設置工事技術、その他ガス事故例等をカリキュラムに盛り込むことにいたしております。  第二に、御指摘の、場所その他によってどういうことをしたらいいかという特別な配慮があるのかということでございますが、この中で、工事基準等につきましては、当然現場の判断で煙突の位置あるいは高さ等々につきまして、密集地帯その他につきましてはどういう給排気の位置あるいは高さにするかということは、講習の内容になるものでございます。  なお、寒冷地域とか、その他地域的な差というものも当然織り込むべきであると思いますが、この講習は大体都道府県を単位にいたすことにしてありますので、そのような地域単位の講習の場を通じまして、そのような地域性といいますか、地域の必要性を織り込んでいくことを考えております。
  45. 清水勇

    清水委員 ところで、講習を受けて監督者資格を得た者が施工上のミスをした。重大な――重大でなくてもいいのですけれども事故なり災害を発生させた、こういう場合、監督者資格あるいは工事事業者資格といいましょうか、こういうものに何らかの制裁があるのでしょうか、ないのでしょうか。
  46. 豊島格

    豊島(格)政府委員 監督者技術基準に反するようなことを指示し、あるいは工事を十分監督してないということによって工事が不良でミスをしたという場合につきましては、当然ガス事業法技術基準適合してないことをやったわけでございまして、ガス事業法に戻りまして罰則がかけられるということにしなっております。
  47. 清水勇

    清水委員 資格はどうなりますか。
  48. 豊島格

    豊島(格)政府委員 法律的には資格が剥奪されるという規定にはなっておりません。
  49. 清水勇

    清水委員 そういうことでありますし、また、一面、簡単な講習で監督者資格を得られる者に、本来工事事業者の負うべき責めまで負わされるなんということがあってはならないと思うのでありますが、それにしても施工ミスを行ったような事業者といったものについて、何も私は厳しい社会的制裁をしろということを言わんとしているのではないのですけれども保安確保を図るという意味で、何らかの指導なり措置なりというものが考えられてもいいんじゃないかというような感じがするのですけれども、その辺はどうなんですか。
  50. 豊島格

    豊島(格)政府委員 工事技術基準適合してないことは、当然のことながら工事事業者責任にもなるわけでございまして、この法律でも、工事をしたときにはその施工年月日あるいは特定事業者の名前あるいは監督者の名前というものを記載するといいますか、表示する表示義務を課しておりますので、そういう表示を見まして、どうも特定の監督者事故が、工事を行ったものについていろいろ工事ミスがあるということであれば、当然のことながら工事事業者にも注意をすることができますし、あるいは報告徴収権を用いまして、その実態を調査するということもできるわけでございまして、当然監督者の不十分なる監督ないしは不適当なる監督によって起きた事故というものを防ぐような行政指導ということは十分できると考えております。
  51. 清水勇

    清水委員 そうすると、いまのお答えによると、第七条の「(報告の徴収)」ということとかかわり合いがあるような御説明でありますが、この第七条というのは「災害の発生の防止のため必要があると認めるときは、」云々と規定をされておりますね。いま私が前段に質問をした、事故が発生した以後の報告の徴収ということとは違うんじゃないですか、同じですか。
  52. 豊島格

    豊島(格)政府委員 どちらもやれるのではないかと思いますが、一番通常考えられますのは、特定工事事業者工事事故が起こったというような場合、その工事事業者が行った工事というのを報告させて、それによってどういうところを工事しているか、そこを点検するとか、そういう意味で防止をすることができるということでございますので、やり方によってはいろいろあると思いますが、通常はそのようなことを考えております。
  53. 清水勇

    清水委員 さてそこで、この第七条で報告を徴収をする。その場合通産当局としては、報告を徴収をして、必要な場合には通産当局自体が点検をするとかあるいは特定の手だてを講ずるような、そういう措置まで予定をされているんでしょうか。
  54. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ただいまのところ直接通産省が出ていくところまでは考えておりませんが、たとえばその特定工事事業者工事をしておるところにつきまして、その工事事業者をして点検させるというようなことで、特定工事事業者指導して、その事故を未然に防止するというようなことは当然やるべきことだと考えております。
  55. 清水勇

    清水委員 特定工事事業者から報告を求めるわけでしょう。それに点検をさせるということをいま言われるが、それはそういうことがあってもいいでしょうけれども、どうもこの第七条というのは、報告の聞きっ放しみたいな感じがしてならぬわけでありますが、どうでしょう。
  56. 豊島格

    豊島(格)政府委員 報告を受けて、それに対してとるべき措置というのが十分とられているかどうかという点をチェックいたしまして、必要があればもう少しこういうことをやれというような指示をすることは当然のこととして考えております。
  57. 清水勇

    清水委員 さて、それでは附則に関係することでもありますし、また本法制定の意義にも直接触れることでもありますから、少し聞いておきたいことがありますが、いずれにしても二年六カ月の猶予期間を設けている。これは諮問をして、先ほども言うようにもう四年有余になりますね。答申を受けてからでももうまる二年を迎えようとしている。ガス災害は先ほど報告があるように多発の一途をたどっている。そういうことを総合して考えると、事故の防止対策というものはきわめて緊急性を要するのではないか、さっきお話しのように、行管からも行政監察で指摘を受けたという経過があるようでありますが、いずれにせよ総合的に監督者制度の早期発足ということが要請をされている。にもかかわらず、二年六カ月まで制度の発足を猶予するというのはどうも納得がいかないのですが、どういう根拠に立っておられますか。
  58. 豊島格

    豊島(格)政府委員 御承知のように、現在こういう特定工事をいたしております事業者は八万七千ぐらいございまして、しかもその業種は非常に多岐にわたっている。それで、この監督者というのは一体どのくらいいるのかということで、いろいろな計算ができるわけでございますが、大体二十万人ぐらい、そのうち従来の資格を持っている人で認定を受けられる者が半分ぐらいとなりますと、大体十万人ぐらいの監督者を養成しなければいけないということでございますが、これを一気に行うことは実際上むずかしい。現在、講習する体制は、私ども役所の方でいろいろとやるわけでございますが、受ける方の都合ということも、現に働いておられる零細企業を含めたいろいろな方々がおられるわけですから、こういう方々が全部講習を受けて、十万人ぐらいその資格を与えるというのにはどうしても時間がかかるということで、そういう点を考慮しまして二年六カ月という期間を考えたわけでございますが、     〔委員長退席、渡部(恒)委員長代理着席〕 これは決して安全対策をおろそかにしておるということではなくて、そういうやむを得ない事情によっておるわけでございますので、実際この法律が発足しまして、講習制度を通じて特定監督者が徐々に養成といいますか、資格が与えられているわけでございますので、行政指導によって、工事事業者に対してはその資格を得次第使用するといいますか、利用することによって、工事に万全を期するよう強く要請しよう、このように考えておる次第でございます。
  59. 清水勇

    清水委員 現状を推測するに、受講者が多数に上る、零細規模の事業者も少なくない、だから受講ということは容易ではない、一定の時間が必要だ、こう言われるわけでありますが、実は私も頭の中だけで考えていてもしょうがないものですから、時間を見て関係事業者などとこのことについて若干意見交換をしたような経過がある。いま、現に第三者被害に対する救済制度をどうするかというようなところまで、事業者自体もガス事故というようなものを深刻に受けとめているわけでしょう。まして指摘をされるような状況のもとで、保安確保を図るということのために監督者制度が必要だというのならば、きょう言われてあしたからどうだと言われたってそれは無理だけれども、しかし、できるだけそういう時代の趨勢に応じて、指定された時期に講習を受けるということはやぶさかでない。実際問題としてかなり前向きですよ。だから私は、受講者が多数だといったって東京にだけあるわけじゃない、全国の話ですから、各都道府県にわたって講習の機会が持たれる、そしてできるだけ受けやすいような環境を整備をして講習を持つということになれば、まあ二日間、十五時間程度の講習なんですから、そう受講者が多数に上るから時間がかかるというようなことはないのじゃないか。むしろ講習を執行する側に、あなた方の側にぼくは問題があるのじゃないかという感じがしてならぬわけなんです。ですから、その点、何か二年半の猶予期間を設けるのは受講者の側に問題があるからなんだと言われることは、私はどうも理解ができないので、むしろ皆さんがその気になればもっと早められる、こういうふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
  60. 豊島格

    豊島(格)政府委員 私どもの側と申しますか、講習を行う方といたしましては、もちろん全くの経過期間なしにできるということではございませんが、この点につきまして、講習のやり方が非常に不十分だから受講ができない、資格を取りたい方が取れないということにならないよう、それにつきましては十分配慮もしておりますし、努力もいたすつもりでございます。ただ、先生指摘のように、いろいろ社会的に保安意識も出てきておるのでということでございますが、また実際問題として講習を受ける側といたしましても、当然早く受けようという意思のあられることは大部分だと思いますが、しかし法律によりまして、やはりその資格を持っている人の監督がなければ工事ができないということにきっちり義務づけることにはいささか時間がかかって、なかなか一〇〇%そこまでいくということについては、われわれとしても十分な自信がないといいますか、そこまでやることについてはやはり行き過ぎではないか、こういうふうに考えております。  したがって、先生指摘の御趣旨を十分体しまして、できるだけ早く講習を受けられるよう事実上進め、そのように周知あるいはPRをいたしまして、そしてそれによって資格を得た人を使って工事を行うよう特定工事事業者にも指導していくという点では、全く実態としては先生のお考えと変わらないようにいたしたい、このように、感じております。
  61. 清水勇

    清水委員 それでは、いま予定をしている講習の時期はいつごろでしょうか。
  62. 豊島格

    豊島(格)政府委員 この法律の施行後、早急に体制を整備して実施に移りたいと思っております。
  63. 清水勇

    清水委員 いつごろですか、早急というのは。
  64. 豊島格

    豊島(格)政府委員 この法律の施行は、公布の日から六カ月以内ということにたしか一般規定はなっておると思いますので、それまでの間にもいろいろ準備をしまして、法律が公布されたらできるだけ早く講習に入りたい、このように考えております。
  65. 清水勇

    清水委員 私は、この機会大臣に要望しておきたいのですけれども、これは参議院でもずいぶん議論があったところですね。附帯決議も多分あったと思います。いずれにしてもできるだけ講習の時期を早める、日本語というのは便利なものですから、できるだけ努力したと言われればそれで終わっちゃうのですけれども、そういう抽象的な意味ではなしに、文字どおり可及的速やかにといいましょうか、条件の整備を早めたり、それから事業者ないし工事に従事をする者たちが、全体として必要に応じて受講ができるような体制を、これは通産だけでできるわけではない、都道府県その他とも合議し、またその協力も集めながら、俗に言う環境整備をしながら、早くこの講習の機会を持つ。そして、いずれにしても法律が動き出すのは、これから二年半先だとか三年先だとかというようなことでは、先ほど来申し上げている趣旨から言っていささかこれはマンマンデーに過ぎはしないかという感じですから、この辺少し積極的に短縮ができるような工夫や努力を尽くすべきじゃないか、そんなふうに思うのですが、どうでしょう。
  66. 江崎真澄

    ○江崎国務大臣 法律上はこういう取り決めになってはおりますが、行政指導によりまして早めるということはできると思います。これはおっしゃるように、私さっきから質疑の様子を聞いておりまして大事な点だと思うのですね。やはり便利なものにはある程度の危険が伴う、それは自動車に精巧なブレーキが必要なのと一緒ですし、運転心得が試験制度であるように。ですから、この本来安全であるべき便利なものを、もっとお互いの生活に安全に利用されるというなら、これはやはり資格を与えたり講習を受けたり、当然なことなんですね。たとえば講習を受けない者は入札などのときに不利であるなんというようなことにでもしようものなら、それはもうすぐ受講しなければならぬというので、わっとこれは促進されることだってありますね。まあしかし数が多いということ、それから県などの協力を得なければならないということなどなどの事情で長い期間をとったようでありまするが、いま関係者も、法律はそうであっても実際的には促進措置をとりたいということを私にしかと申しておりまするので、十分御趣旨の点が生きるように措置をしてまいりたいというふうに考えます。
  67. 清水勇

    清水委員 さて、それでは次に、ことしの三月二十八日ですか、都の消防庁の、あれは火災予防審議会でしたか、ここで「超高層建築物における人命安全対策」という答申が出ておりまして、「ガスを熱源とした火気使用設備・器具は、本来その使用を禁止すべきであり、行政機関においては今後、その方向で規制を検討していくべきである。」と述べております。この答申はごらんになっておりますか。
  68. 天谷直弘

    天谷政府委員 答申は拝見しております。
  69. 清水勇

    清水委員 長官答申をごらんになっているそうでありますが、いま私が読み上げた点について、長官としてはどう受けとめられ、また今後具体的にどのような対処をなさろうとしておられるのか、構想があったらお聞かせいただきたいと思います。
  70. 天谷直弘

    天谷政府委員 超高層建築につきましては、タワーリングインフェルノというような映画もございまして、非常にそこの安全ということは細心の注意を払わなければいけない問題であろうかと存じます。したがいまして、東京都の火災予防審議会答申のお考えになっていることも、われわれとして理解できるわけでございます。しかしながら、都市ガスにつきましては、それのすぐれた燃焼性であるとか、あるいはエネルギー効率の面であるとかいう面もございまして、これを、全部都市ガスをたとえば禁止して、電気にしてしまうというようなことでございますと、もちろん安全性という面は非常に高くなってまいりますけれども、他方また不便な面も出てまいりますので、われわれとしましては、現段階におきましては超高層建築物については、ガス事業者に対しまして「高層ビル配管の耐震設計指針」というものを定めておりまして、安全性を確保するように十分注意をしておるところでございます。  それからまた、この超高層建築を設計する設計者なり、それから施主と申しますか、建築主、これらも超高層ビルの保安につきましては重大な関心を持っておりますから、現段階におきましても、たとえば都市ガス使用する場所は、最上層のレストランであるとかあるいは地階の厨房、レストランであるとか、そういうところに限定するということはほぼ常識化しておるわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、耐震設計その他で十分指導はいたしておりますし、それからまた建設省、消防庁等におきましても、保安、火災防止等の見地からいろいろ指導をしておるところでございますので、現段階におきまして法律をもってガス使用を禁止してしまうということまでは考えておらないところでございます。しかし、重要な問題でございますので、今後とも消防庁その他関係のところとよく相談をしてまいりたいと考えております。
  71. 清水勇

    清水委員 それから、最近高級マンション等で、これは庶民には余り関係のない個所でありますが、ガス爆発の危険から逃れる、避けるという立場から、たとえば給湯からこんろに至るまで電気エネルギー使用するという傾向が出てきておる、こういうふうに聞いているわけでありますが、どの程度の実態になっているのでしょうか。
  72. 天谷直弘

    天谷政府委員 まだその実態はよく掌握しておりません。しかし、まだ非常に少数、例外的であろうと存じております。
  73. 清水勇

    清水委員 しかし、いまの都の審議会の答申等と相まって、確かに言われるようにコストは非常に高くつくでしょうけれども、一面ではそういうようなことがあるいはだんだん広がっていくのではないか、こんな感じもするわけでありますが、これからの対応を一応検討しておいてもらいたい、こう思います。  それからついでですが、フランスなどでは高層建築物については法律をもって、たとえば配管を外部配管というふうに義務づけているというふうに聞いております。考えてみると、確かに内部の密閉された個所にガスがたまって、それが爆発事故を起こす可能性というものは想定のできることであります。そうだとすると、現在許可をしている内部配管という工法についても何か再検討をされてしかるべき時期に来ているのではないか、こんな感じがするのでありますが、検討されたことがございますか。
  74. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ただいま御指摘の外部配管につきましては、フランスでは確かにいたしておるわけでございます。ただ、フランスにおきましても、現在法律規制いたしておりますのは新しくつくる場合についてでございます。わが国の場合においては、高層ビルの配管については、先ほど長官お答えしましたように、耐震設計その他を十分考えてやっておるわけでございますが、もちろんこのようなフランスの例というものも十分参考になるということで、現在のところまだ十分な検討はいたしておりませんが、今後こういう点についても十分考慮して検討を進めてまいりたい、このように考えております。
  75. 清水勇

    清水委員 それでは、それはそのようにお願いをしておいて、時間もだんだん少なくなってきましたから急いでいきますが、次に、ガス漏れ警報器というものが最近非常に評価をされるような機運になってきている。現在LPガスの警報器が開発をされている。そのリース事業に対して開銀が、昨年度もあるいは五十四年度も二十九億円の融資枠を設定をしているというふうに聞いておりますが、これはどのように運営をされているのでしょうか、これが一つ。  それからもう一つは、それらを通じて警報器の普及率が現在どの程度まで進んでいるか。正直言って、まだ余り高い普及率を示していないのではないかというような感じがするのですが、そうだとすれば、これを今後急速に普及するためにどういう年次計画なり目標を持っておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
  76. 原田稔

    原田政府委員 万一ガスが漏洩した場合に警報を発しますガス漏れ警報器、これはガス事故を防止する意味で非常に大事な器具でございます。そういう意味で、この数年、このガス漏れ警報器の普及を指導したり、あるいは消費者に対してPRしてまいって普及を図ってきております。現在その普及率は、これはガス漏れ警報器の業界の調べた数字でございますけれども、大体二〇%強ぐらいという状況になっております。  このガス漏れ警報器の普及を図るという意味で、先生が御指摘になりました開銀のリースというものがございます。これは要するに、末端消費者が毎月払う金額をなるべく小さくしまして、それでガス漏れ警報器の普及を図っていこう、こういう制度でございまして、やり方は、ガス漏れ警報器のメーカーがLPGの末端の販売業者に対しまして警報器のリースをする、ガス漏れ警報器のリースを受けた末端の販売業者、これが消費者の家庭に参りましてこれまたリースをする、そうしますと資金負担がメーカーに集中しますから、そのメーカーに対しまして、その資金負担の軽減を図るという意味で、開銀がリース資金を融資をする、こういう制度でございます。末端消費者の毎月の負担は、私どもが現在聞いておるところによりますと、二、三百円程度で、アフターサービス等も非常に進められている、こういう状況であるわけでございます。  私ども、この開銀の融資を積算する場合に、一応の数字等をはじきまして、ガス漏れ警報器の普及率などもはじいているわけでございますが、現在の普及率が二〇%強ということでございますから、今後とも私どもといたしましては、特に消費者に対するいろいろな啓蒙普及関係の仕事、そういったものも強化してまいりますし、それとともに、実は昨年に改正になりましたLPG法がございますが、ここで第二種液化石油ガス器具という制度が設けられたわけでございます。この第二種液化石油ガス器具というものは、これに指定されますと、一定の製造上の技術基準に合致しないといけないということでございまして、器具の品質の保証はそれだけできる、こういうことになります。したがいまして、品質保証を通じてその普及がまたさらに一段と進む、こういうことを考えておるわけでございますが、この第二種液化石油ガス器具にガス漏れ警報器を指定したところでございます。この四月一日から指定になっているわけでございまして、こういったようなものを通じましてガス漏れ警報器の普及を一層図ってまいりたいというふうに考えております。
  77. 清水勇

    清水委員 LPの方はわかりましたが、問題は都市ガスガス漏れ警報器、これが都市ガスの特性からいって開発が容易ではないというふうに仄聞をしております。しかし一面では、警報器が開発をされた場合、事故防止に役立つという機能は非常に大きいのではないか、こういうことが考えられるわけですが、現在国として、都市ガス警報器についての開発研究を助成をするために、どこへどの程度の資金的な手だてを講じているのか、それから実用化段階というのは大体いつごろを見込んでおられるのか、お聞かせを願いたいと思います。
  78. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ガス漏れ警報器の研究開発につきましては、五十三年度から大体年度二千万円ぐらいの予算を計上しまして、日本ガス機器検査協会に委託して調査研究といいますか、開発研究をいたしておるわけでございますが、先生指摘のように、都市ガスにつきましては、いわゆる比重が空気より軽いということもございまして、どうしても警報器の据える位置が上になる。そういたしますと、いろいろな雑ガス、酒気とかたばこの火から酒のおかんまで入るようでございますが、いろいろなものが反応してしまうということで、なかなかむずかしいということのようでございまして、五十四年も引き続き委託をして研究をさしておるわけでございますが、五十四年中に完成するかどうかというところまでには、私どもまだ自信を持っていないところでございます。ただ、いずれにしましてもいろいろな原理あるいは理論というものは実証されつつございますので、そう遠からず開発ができる、このように思っておりますが、今年度中にできるかどうか、そこまでについてはまだ現段階では十分把握しておらないということでございます。
  79. 清水勇

    清水委員 いま検査協会に二千万円ほど委託費を出しておる、こう言われたのですが、これはどうなんですか、十分な助成額であるというふうに解していいのですか。
  80. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ただいまいたしております研究開発としては、一応その程度の金額で足りるというふうに考えております。
  81. 清水勇

    清水委員 次に、実は私も先ほど来消費者保安意識ということについて触れてきておりますが、改めてこの機会に若干の提案などを申し上げながら考え方を聞きたいと思います。  すでに明らかにされているように、ガス事故原因は、事業者の施工ミスによるものあるいは消費者の操作ミスによるもの等々が挙げられておりますが、問題は、後段の消費者の操作ミスによる割合というのが非常に高いというふうに伺っております。そうだとすれば消費者一般の保安意識を高める、このことが非常に強調されることはあたりまえなことだろうと思っておりますが、その割りにはどうも啓蒙活動といいましょうか、保安意識を高揚するPR活動等が十分だとは言えないのじゃないか、こんな感じがするのです。いままでに学校教育の場を活用する、あるいはマスメディアといいましょうか、いろいろテレビその他も活用するというようなことをおやりになっておりますが、どうも事業者にこれを行わせるというようなケースが多くて、政府みずからが取り組む姿勢に欠けるうらみがあるのではないかという感じがしてならないのですが、この点はどうでしょうか。
  82. 原田稔

    原田政府委員 確かに消費者に対する啓蒙事業というのは、ガス事故防止の一番大きな前提になっていると思います。昨年のLPガス法の改正に関連いたしまして附帯決議をちょうだいいたしまして、消費者に対する保安啓蒙事業をもっと一層充実強化すべきであるということでございましたので、予算も本年度につきましては二〇%強の伸びの予算で、新しく、たとえば従来新聞等につきましては中央紙だけでこの保安啓蒙事業をやってきたわけでございますが、これにつきましてはさらに地方紙も加えて、それで保安啓蒙事業をやるといったようなことを一つ予定いたしております。それから学校教育の場におけるPR、保安啓蒙事業も非常に重要でございますから、従来からもこれはやっておりますけれども、さらに五十四年度におきましては新しく映画をつくりまして、その映画を通じて保安啓蒙を進めていくというようなことも考えておるわけでございまして、そういう万般の仕組み、一つは実際の業界と申しますか、そういうものを通ずるPR、それから政府が一定の資金を出して、それでやるPR、そういったもので今後ともこの啓蒙普及事業につきましては一生懸命やっていきたいというぐあいに考えております。
  83. 清水勇

    清水委員 そこで私は、そういう点は大いに強化をしてもらいたいと思いますが、同時に、社会教育の場というものをもうちょっと重視をするように考えてみるべきじゃないか、こう思うのです。消費者団体等といろいろと合議をされてなすっておられるようでありますが、たとえば町内会とか自治会といったようなものがあります。地方地域へ参りますと、地域婦人会だとか農協婦人部だとか、その他御婦人の生活グループというようなものが数々組織されておる。いろいろ生活にかかわり合いのあるような問題について学習や勉強をなすっているわけですね。そういう組織との兼ね合いで、これらの組織の協力を求め、また自発的、自主的に保安意識を高めていくというような気風を助長するといいましょうか、そういった方法を講ずることが、きわめて有効な保安意識を高揚する方法になるのじゃないかという感じがするのですが、どうもそこまでは余りおやりになっていないのじゃないか、こんな感じがするのですが、どうでしょうか。
  84. 原田稔

    原田政府委員 確かに先生の御指摘のように、そこまで、末端までおりてやっているかどうかという点につきましては、なお改善の余地があると思っております。ただ、たとえば農協の関係ですとか、ああいうところで出しているいろいろな雑誌ですとか、農協の中でのいろいろな通信欄ですとか、そういうものには出したりして、なるべく末端への普及を図っていくということをやっております。しかし、先生の御指摘になったそういう点につきましても、私どもそういう方法も通じまして、よりよくPRができますように今後とも検討してまいりたい、かように思っております。
  85. 清水勇

    清水委員 それから、これはちょっと新聞でいえば三面記事的な、皮相な見方になるかもしれませんが、時折ガス事故の記事を新聞で目にすることがございますが、深夜に働いておられる御婦人などが、ついうっかり泥酔状態で操作ミスをやって大事に至るといったようなことがちょいちょい新聞に報道されておりますね。ですから、一面ではいま言うように、一般消費家庭に対して保安意識を高めていただくような努力をする、これはこれでどんどんやっていかなければなりませんが、一面、いまのようなケースが、私は多いのか少ないのか知りませんが、仮に多いのだとすれば、そういう特別な手だてというようなことも、場合によればケース・バイ・ケースで考えていかざるを得ないのではないか、こんなことも感ずるわけですが、何か感じておられるようなことがあったらお聞かせいただきたい。
  86. 原田稔

    原田政府委員 確かにそういう不注意と申しますか、特別なケースもかなりあるかどうかよくわかりませんが、一部にはあるという感じがします。特に、たとえば集合住宅におきましては、特別の標識をつくりまして、ガスの取り扱い方につきましてその標識の中に一応書いてありまして、その標識を張っていただくということをやっておりますが、確かに先生の御指摘のような点もあるわけでございますから、私どもの中での啓蒙普及の内容の問題として、そういうようなものについてもひとつ検討の対象に加えていくということを考えてみたいと思います。
  87. 清水勇

    清水委員 時間が参りますので最後になりますが、LPGの関係は、昨年の法改正を通じていわゆるガス事故にかかわる第三者被害に対する救済制度、これは去年十月から発足をされている。むろんその運営規程などを見ると、中身はなお改善してもらわなければならぬ、あるいはもうちょっと内容的に整備拡充をすべきではないかといった、そんな感じがいたしますが、それはそれとして、ともあれLPガスの関係については、積極的に対応しようとする努力を評価することはやぶさかではありませんが、都市ガスの方はまだこの制度が発足をしておらない。当然通産省としても放置をしておいていい性質のものではないと思うのですが、どのような指導をされ、また現状どういう見通しになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
  88. 豊島格

    豊島(格)政府委員 都市ガスにつきましては、この第三者被害救済制度につきましては、ややLPにおくれをとっておるということは事実でございますが、昨年来その制度の確立につきまして指導いたしておりましたところ、LPの基金制度にのっとったような、あれと同じようなものをつくることをガス事業者の中で大体考え方を固めまして、近くこれを発足させようという段取りになっております。
  89. 清水勇

    清水委員 近くというのは、具体的に言っていつごろになるのでしょうか。また、同時に、都市ガスの場合にはLP事業者と比較して、比較的経営主体が大きいわけですが、そういう面では、これは第三者被害に対する賠償の責めということになりますと、非常にむずかしい複雑な問題が内包されておりますが、それはそれとして、単にLPに準ずるといったようなことではなしに、もうちょっと前向きな、積極的な姿勢をとることが望ましい、また現実に合うのじゃないかという感じがいたしますが、その辺はどうでしょう。
  90. 豊島格

    豊島(格)政府委員 第一の、いつごろどのように決まるのかという点でございますが、この点につきましてはガス協会その他の場を通じて一応方針をほぼ、ほぼといいますか、ある手続までは進んでおりますので、今後手続を踏んで、遠からず、そんなに時間がかからないで発足できるものと思っております。  それから第二の点でございますが、確かに御指摘のように都市ガス事業の方が経営基盤その他も強いわけでございますが、一応第三者救済についての制度につきましては、法律論その他いろいろむずかしいところがありまして、どこまでやるかというところにつきましてはなお検討を要する事項があるわけでございますので、LP並みまではとりあえずスタートする、その後については今後の検討によってさらに充実させていく、こういう方針でおります。
  91. 清水勇

    清水委員 最後の部分については、制度の整備強化という点を云々と言われておりますが、その点は言葉の上だけではなしに、実際にそうしていただくことを期待をして終わりたいと思います。ありがとうございました。
  92. 渡部恒三

    ○渡部(恒)委員長代理 玉城栄一君
  93. 玉城栄一

    ○玉城委員 ただいま提案されております特定ガス消費機器設置工事監督に関する法律案について、まず最初にお伺いをいたしたいことは、昭和五十二年の五月に、エネルギー庁長官の私的諮問機関でありますところのガス事業大都市対策調査会が、ガス消費機器設置工事規制については必要であるという答申をなされておるわけであります。同じく、同年八月、通産大臣諮問機関でありますところの高圧ガス及び火薬類保安審議会も同じような趣旨の答申をされております。並びに行政管理庁からも昭和五十一年の十一月に、同様な趣旨の勧告がされておるわけであります。それぞれその必要性指摘勧告がされておるわけでありますけれども、約二年内外経過をして、ようやく今回この法律案は提案をされておるわけでありますが、そのおくれた理由を御説明いただきたいと思います。
  94. 豊島格

    豊島(格)政府委員 どうして二年もおくれたかということでございますが、その間答申もあったわけでございます。昨年度、私どもといたしましては、こういう法的規制をするかどうか、それからどういう法律体系にするかということを含めまして、一年かけまして実態調査をいたしまして、それに基づいてこういうことをしたらいいということを考えたわけでございまして、そういう実態調査その他に時間を費やしたということでございます。
  95. 玉城栄一

    ○玉城委員 二年もかけて実態調査をされたということでありますが、これは考えようによりましてはちょっと理由にはならないような感じもするわけです。いろいろな御都合があってやっと御提案されたと思うわけであります。  次にお伺いをいたしたいことは、先ほども御質疑の中で大変細かく御論議がされたわけであります。現在既存給排気設備で約百三十四万件、都市ガス関係が八十万件、LPガス関係が五十四万件、合わせて百三十四万件不良設備があることが指摘をされているわけです。これはもう事故発生の予備軍とも言える。いつどういう事故がこの百三十四万件において発生するかわからない、こういう非常に危険な状態に置かれているのではないかと私は思うわけであります。したがいまして、現行法二法に基づきまして改善命令、LP関係については都道府県知事、都市ガス関係については通産大臣改善命令がされる、こうなっているわけです。しかし、先ほどの御答弁をお伺いしておりますと、改善命令が発動されたことはない。これは罰則も伴っておるわけです。ですから、この問題はただそれだけで、こういう状態でいろいろな啓蒙――第一義的には当然これは消費者の安全管理という問題、責任消費者の側にあろうかと思うわけでありますが、ただ早く直せ直せというだけではこれは一向に実効が上がらないと思うわけであります。したがって、もう一回この既存の百三十四万件の不良設備改善策についてお伺いをしたいと思います。
  96. 豊島格

    豊島(格)政府委員 先生一部おっしゃったことと重複するかもわかりませんが、いずれにいたしましても通産省といたしましては、ガス事業法に基づくガス事業者調査義務ということを前提といたしまして、その調査の際に、不良な設備を直すようにいろいろと消費者勧告するよう指導しておるところでございまして、特に冬場の需要期につきまして特別に巡回させたりなんかするわけでございますけれども、そのときには再三注意をさせるよういたしております。  それからさらに、そういうなかなか直さなくて、しかも危険が多いというところにつきましては、われわれにも報告が、特に通産局の担当のところに来ておりますので、どうしても直した方がいいというものにつきましては通産局の方で通牒を出すというところまでいたして、改善を進める説得をいたしておるところでございます。ただ、技術基準に違反しているということで改善命令を出すところまで行きますには、いろいろと消費者立場もございまして、そこまでどうしてもやらなくちゃいけないという場合に限定したいと思っておりますので、できることならそういう命令という前の段階の、通牒その他で大体消費者の納得といいますか、了解、協力を得るということが、ただいままでの実際上の行政の中身でございます。
  97. 玉城栄一

    ○玉城委員 当然おっしゃいますとおり、その消費者側の納得、御理解を得なくてはならぬわけですが、そこでやはりいろいろこれが実効あるような形で、改善命令の発動といいますか、そういうことで罰則をかけるというようなことは、これはちょっといまのような時代において少し問題があろうと思うのですね。  そこで考えられますことは、費用の問題だと思うのです。やはりこの百三十四万件の方々、現在の不良設備を安全なものに改めるためには費用がかかるわけですから、一番問題はそこだと思うわけですね。ですから、その費用については、やはりいろんなめんどうを見るという言い方は、私はちょっとどういう形でめんどうを見れるかわかりませんが、そこら辺まで具体的にそういう不良設備を抱えている消費者の方々について、きめの細かい親切なそういう事前の指導がなされていかないと、これは私は、そのまま危険な状態に置かれていくのではないかと思うのですね。それで、その費用の問題についてどういうことが考えられるか、そういうことを全く考えたことがないのかどうか、その点をお伺いをいたします。
  98. 豊島格

    豊島(格)政府委員 消費者が、なかなか設備が不良であっても直さないことの理由には、先生指摘のような経済的な問題、費用の問題があるということは事実だと思います。ただ、そういう設備をするときから、そもそも不良のないような工事をしてもらうことが前提になっておるわけでございまして、第一義的には本来ちゃんとした工事をした設備を使うというのが、消費者にとっても本来の責任といいますか、義務でございまして、ちゃんと工事をした人に対しては何もやらない、それから工事をちゃんとしなかった人たちについて、追加的に工事をやるということにつきましては、やや均衡を失するという問題もございましょうし、なかなかそういう細かいところまで一々、本当に業者にだまされてやったのか、自分の責任でやったのか、そういうことまでなかなか追究できない。これがある制度で、そもそも昔は非常にこういうふうにやれと言われていて、法律が変わってというような場合で、たとえば燃料をかえろというような場合であれば、それに伴う問題につきましては費用ということもあるのかと思いますが、なかなか実際上はいかないということで、費用を持てば改善が進むということはわれわれとしてもわかるわけでございますが、それを実行するということにつきましては非常に困難である、このように考えております。
  99. 玉城栄一

    ○玉城委員 重ねてその点今度は大臣にお伺いしたいのですが、この法律案はそういうガスによる事故の発生防止というのが目的で、そのために工事の施工の段階で資格のある監督者を置いて、そういう事故が発生しないように設置の段階からという法律案になっているわけですが、大臣もよく御存じのとおり、現実に約百三十四万件というLP関係あるいは都市ガス関係既存不良設備があるわけですね。これについて、いまおっしゃるとおりいろんなことはよくわかります。よくわかりますが、ただこのままの状態に置いて、この法律設置の段階からでありますけれども、政府として既存のそういう不良設備に対して何らか、一件当たり五万円かかるのか十万円かかるのか、いろんなケースがあろうかと思いますが、その負担の一部なり融資の方法を考えてあげるとか、あるいは長期払いで何らかの改善に要する費用についてはこういうことでも政府としてめんどうを見る、あるいはこういうお世話をしましょうというところまできめ細かく、そういう方々に対して親切な指導を行っていかないと、この問題はなかなか解決していかないで、そういう危険な状態に置かれていくのではないか、このように思うわけでありますけれども大臣としてそういうことを検討なさるお考えはないのかどうか、お伺いをいたします。
  100. 江崎真澄

    ○江崎国務大臣 御指摘の点はきわめて重要な点だと思います。やはり監督者がしっかりしておる、施工業者がしっかりしておる、消費者が安全対策に十分心がけること、そしていまの不良器具をどうするか。これはもとよりそれぞれの任意によってガスを引くわけですから、融資という形がちょっと考えられる一つの便法でございましょうね。そういう点についてはどういうふうにできるのか、またむずかしいものなのか、そのあたりを御趣旨を踏まえながらよく検討してみたいと思います。
  101. 玉城栄一

    ○玉城委員 私、強い要望を大臣に申し上げたいわけですが、金額的にはそんなに莫大な額ではないわけですから、これは事故の発生したときの悲惨さを考えますと、やはり通産省としてはそのくらいの検討は当然されてしかるべきではないか。確かに公的には先ほどの御説明もありましたように、むずかしい点はあろうと思います。しかしこの問題は、災害の発生防止という立場から、ぜひそこまで御検討いただきたいと思うわけであります。大臣も検討してみようということでありますので、期待をいたしまして次にお伺いいたします。  いわゆるガス漏れ警報器の開発状況並びに普及状況について、先ほど御質疑もありまして御答弁があったわけでありますが、都市ガス関係ガス漏れ警報器はまだ開発途上、普及はほとんどゼロの状態にあるわけですね。これも早くその開発が必要だと思うのですが、警報器も大事ですけれども、同時にガス器具そのものの安全性ということ、これもきわめて大事だと思うわけですね。ガスが過流出した場合に自動的にガス栓が締まるなどの安全装置つきの器具や、保安上必要な機器の設置、こういう器具そのものの安全性の開発、この状況はどうなっているのかお伺いをいたします。
  102. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ガス漏れ警報器につきましては先ほど来議論が出ておりますが、都市ガスにつきましては空気より比重が軽いということで、雑ガスと区別してガス漏れだけをやるということはなかなかむずかしい状態でございますが、これにつきましても鋭意開発研究をさせて、できるだけ早く実用化するものをつくり出したいと思っております。  それから、第二の先生指摘の過流出防止装置といいますか、ラムネの玉の原理を利用して、ガスが通常使うよりも急に一度に多量に出るというときには自然にとまるという装置はすでに開発されておりますが、非常に大きなものとなるとか、あるいはガスが非常にカロリーが高くて、非常に細く出る場合にはいいのですが、カロリーが低いガスにつきましてはなかなかうまくいかないとかいうことでございますが、これも開発が進んでおりまして、そう遠からず何らかの実用化が広い範囲でできるのではないかと思っております。  そのほかガス消費機器につきましては、たとえば空だきを防止する装置をつけるとか、あるいはガスを使いますと自然に換気扇に連動する装置をつけるとか、そういうすでに開発されております機能を応用しまして、これをできるだけ技術基準等に盛り込んで、安全な機器にするというようなことも現在考えておりまして、これもまた近く実施に移したい、このように考えております。
  103. 玉城栄一

    ○玉城委員 こういう技術的な問題は、それは一朝一夕にできるものではないと思うのですが、そのために政府とされても助成金を出して開発促進をしておられるわけでありますが、せっかくこういう法案まで準備して出されたからには、万般にわたるそういうものも相並行してやっていただかないと、そのための助成金が必要であればふやしてでも早く開発して、要は、これは安全という問題が大事であるわけですから、この法案と両々相まってそういう助成促進を早急にお願いをしたいと思うわけであります。  次の質問は、これは先般の新聞報道によりますと、現下の急激かつ大幅な経済変化に対応するガス料金のあり方等について、総合エネルギー調査会から報告が出されたということが報道されておるわけですが、そのいきさつと結論についてお伺いをいたします。
  104. 天谷直弘

    天谷政府委員 一昨年から昨年にかけまして、御高承のとおり為替の急激な変動がございまして、そのためにいわゆる差益還元という問題が起こったわけでございます。この差益は、昨年十月から本年三月までの間に、ガス料金の特別割引措置ということで還元をいたしたわけでございますが、この問題に関連いたしまして、今後またこういう急激かつ大幅な経済変化が起こった場合に、一体この料金をどういうふうに直したらいいのかという、こういう問題が起こってまいりましたので、この問題を検討していただきますために総合エネルギー調査会に御審議をお願い申したわけでございます。  総合エネルギー調査会の都市熱エネルギー部会におきまして、昨年十一月からことしの三月三十日まで御検討いただいたわけでございますが、検討の課題といたしましては、第一に、急激かつ大幅な経済変化に対応する料金のあり方、第二番目に、経理を中心とする企業活動の内容の公開及び広報活動のあり方、三番目に、液化天然ガス導入に伴う環境の変化とそれに対応する料金のあり方、四番目が、工事負担金のあり方、この四点につきまして御審議を願いまして、三月三十日に中間報告をいただいております。  中間報告の中身、少し長くなりますが、お答え申し上げますと、第一点が、急激かつ大幅な経済変化によりまして、事業者に過大な利益が発生する場合どうするかということでございますが、この急激かつ大幅な経済変化というのは大体例外的に起こることであって、したがって、そういう例外的な事態に事前に対処方針、対処方法を定めておくということは困難である、したがってケース・バイ・ケースに対処せざるを得ないから、大体はそういう事態が起こった場合には、この調査会の意見を聞いて対処すべきであるという、非常に常識的な結論をいただいております。  第二番目が、企業活動の内容の公開及び広報活動でございますが、消費者、地域住民等の理解を深め、事業の円滑な遂行に資するためには、広報というのは非常に必要でございますが、これにつきましては、事業者が自主的な判断に基づいて積極的に行うべきものであるという結論でございます。  第三番目、LNGの導入促進のために新たな特約料金制度を設定し、主要工業地帯に潜在する良負荷の大口工業用のエネルギー需要を、ガス事業向けに顕在化させるということは望ましいことである。これは、いまのLNGの使用が季節的に非常に偏りがありますので、これをならすためには、大口の工業需要というものを開拓した方が、結局資本費の負担が全体に分布されまして合理化されるということでございます。これは、エネルギー資源の多様化に資するだけではなくて、LNG関係設備使用効率を高めまして、一般需要家の負担軽減にも役立つということでございます。  それから四番目が、既存需要家と新規需要家との間の負担の公平の確保及び新規需要者問におきましてガスを引く後先によりまして不公平ができる、これの是正を図るためには、工事負担額の算定基準の改正及び均等割方式に関しまして、より一層これの弾力的な活用を図っていくことが望ましい、こういう結論をいただいております。
  105. 玉城栄一

    ○玉城委員 この問題は時間がございませんので、また別の機会にいろいろお伺いしたいと思います。  次にこれは大臣にお伺いいたしますが、ガスの原料確保について、最近のイラン情勢等からガスの原料である石油の需給動向が不安定となり、そのためにナフサ、LPG等の確保にも不安がある。安定供給のために大臣はどのような対策、そして今後の方針を持っておられるのか、お伺いをいたします。
  106. 江崎真澄

    ○江崎国務大臣 国民生活に欠くことのできないガスをどうやって安定供給していくか、非常に重要な点だと思います。このため、大手ガス事業者において液化天然ガスの導入促進を図りますとともに、中小ガス事業者につきましては、液化石油ガスの導入を促進する一方において、ナフサ、それから液化石油ガスの併用設備の建設を推進してきたところであります。今後ともガスの安定供給確保のために、やはり原料の多様化を積極的に進めていく必要がある、十分努力をしてまいりたいと考えます。
  107. 玉城栄一

    ○玉城委員 ただいまの問題に関連いたしまして、天然ガスの開発についてお伺いいたしますが、御存じのとおり沖繩県に埋蔵されている水溶性天然ガスについては、昭和三十五年ごろから当時の琉球政府あるいは通産省、工業技術院等によって調査が行われ、その結果、相当量の良質の水溶性天然ガスが埋蔵されていることが明らかにされておるのであります。したがって、その実態、開発計画、見通しと申しますか、今後の方針等についてお伺いをいたします。
  108. 神谷和男

    ○神谷政府委員 沖繩の中南部におきましては、先生指摘のとおり、水溶性天然ガスがかなり豊富に埋蔵されておるというふうに推定されております。推定埋蔵量は百四十億立方メートル程度の究極可採埋蔵量になろうかというふうに考えられまして、原油換算いたしますと千四百万キロリットル程度のものと現時点では推定されております。  ただ、問題が一つございまして、この地域におきます水溶性天然ガスの試掘のために、百五十の鉱区の試掘権設定の出願がなされておるわけでございまして、しかも、これらの鉱区に十五名の出願者が重複して、しかも相互に関係なく出願をしており、かつ、出願の順位も鉱区によって異なっておる、こういう状況にございます。したがいまして、これらがばらばらの試掘権者によって開発されます場合には、その試掘あるいはその後の開発等が効率的に行われないという可能性が非常に強いわけでございますので、現在、沖繩県におきまして、これらの出願人を指導して、共同で一つの法人を設立し、その法人が共同開発をするという方向を目指して努力が行われておるというふうに承知しておるわけでございます。沖繩の総合事務局の通商産業部におきましては、この指導がまとまりまして、出てまいりますのに備えて現在準備をしておる、こういう状況にございます。  国といたしましても、当然できるだけ速やかに、効率よく開発が進められるような体制が整備されることを期待しておりますし、かつ、このような体制が整備されまして、開発に着手されるようになりました場合には、金融措置等を含めまして、所要の支援措置を前向きに検討してまいりたいと考えております。
  109. 玉城栄一

    ○玉城委員 本会議がもうございますので、以上で終わります。ありがとうございました。
  110. 渡部恒三

    ○渡部(恒)委員長代理 午後二時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後零時三十二分休憩      ――――◇―――――     午後二時十一分開議
  111. 橋口隆

    橋口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  第八十四回国会内閣提出エネルギー使用合理化に関する法律案を議題といたします。  提案理由の説明を聴取いたします。江崎通商産業大臣
  112. 江崎真澄

    ○江崎国務大臣 エネルギー使用合理化に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  わが国は、国民生活の安定と、国民経済の円滑な運営に欠くことのできない石油等のエネルギー資源の大半を海外からの輸入に依存していますが、エネルギーをめぐる国際情勢は依然として流動的であり、長期的にも石油の増産限界の到来によるエネルギー供給上の制約要因の強まりが予想されるなど、今後エネルギー供給面で一層不安定な情勢が続くと見られております。  かかる情勢下において、主要先進国の中でもきわめて脆弱なエネルギー供給構造を有しておるわが国としては、各般にわたるエネルギー政策を積極的に推進していくことが不可欠であります。  このため、政府といたしましては、エネルギー供給面において、石油の開発、備蓄、石油代替エネルギーの開発、導入等の安定供給確保対策を一層促進するほか、需要面において、エネルギー使用合理化を図るための施策を鋭意推進することといたしております。  わが国は、米国に次ぐエネルギーの多消費国であり、エネルギー消費の各段階におけるエネルギー使用合理化を可能な限り進めていくことは、わが国の国際的な責務とも言うべき重要な課題であると考えます。  本法案は、かかる観点から、国がエネルギーの消費において大きな比重を占める工場及び事業場、建築物並びに自動車その他のエネルギーを消費する機械器具のそれぞれについて、事業者等がエネルギー使用合理化に取り組むに当たっての判断の基準を示すなど、事業者等の自主的な努力を促進していくための諸措置を講ずることによって、実効的なエネルギー使用合理化を図ろうとするものであります。  次に、この法案の概要について御説明申し上げます。  第一は、広く工場の事業者に対し、その判断の基準となるべき事項を示し、工場におけるエネルギー使用合理化の努力を求めるとともに、エネルギーを多量に消費する工場につきましては、エネルギー管理者の選任の義務づけ及び所要の勧告等により、エネルギー使用合理化の的確な実施を図ろうとするものであります。  第二は、建築物の建築主に対し、その判断の基準となるべき事項を示し、熱の損失の防止のための措置等、エネルギー使用合理化に資するための措置を的確に実施することを求めております。それとともに、建築物の設計、施工に関し、建築主に対する必要な指導、助言を行うこと等により、建築物に係るエネルギー使用合理化を図ろうとしております。  第三は、自動車等の特定の機械器具の製造事業者等に対し、その判断の基準となるべき事項を示し、機械器具のエネルギーの消費効率の向上のための努力を求めるとともに、エネルギー消費効率に関する表示制度の導入及び所要の勧告等により、機械器具に係るエネルギー使用合理化を図ろうとするものであります。  このほか、国は、エネルギー使用合理化を促進するために、金融上及び税制上の措置、科学技術の振興を図るための措置、国民の理解を深めるための教育活動、広報活動に関する措置等を講ずるよう努めなければならないことといたしております。  また、本法の制定に伴い、熱管理法を廃止することとしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
  113. 橋口隆

    橋口委員長 以上で提案理由の説明は終わりました。本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。      ――――◇―――――
  114. 橋口隆

    橋口委員長 引き続き、特定ガス消費機器設置工事監督に関する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。岡本富夫君。
  115. 岡本富夫

    ○岡本委員 最初にお聞きいたしたいことは、五十一年の十一月に、行管から都市ガスあるいはまた液化石油ガスの安全確保に関するところの勧告が出ておりますが、これに対してその後どういう措置をとったか、あるいはこの事故をどうして防止するように考えておるのか、この結果をひとつ御報告願いたいと思うのです。
  116. 豊島格

    豊島(格)政府委員 行管指摘に対しまして、「消費機器に関する周知及び調査の充実・強化」につきましては、管内のガス事業者に、消費機器に関する周知調査義務の励行を通達いたしますとともに、各通産局が自主的に開催しているガス主任技術会議、冬季保安対策の聴取等の場を通じまして、ガス事業者に対してその趣旨の徹底を図っております。そのほか、日本瓦斯協会あるいは簡易ガス協会において、同様の会議等の場を通じて周知徹底を図っておるわけでございます。  それから、そのほかに通産局の監査立ち入り等における周知徹底状況等につきましても、行管から言われておるわけでございますが、これにつきましても同様の指示をいたしております。  そのほかいろいろございますが、御指摘の点につきまして、それぞれの立場に立ちまして、みずからまたは通産局を通じて指示をいたしておるということでございます。
  117. 岡本富夫

    ○岡本委員 ガス事故が各所で起こっておる、あるいはまたガス事故がありますと大きなものは報告をされておるけれども、小さいものは報告されてない。小さいと言ってもやはりこれは人命に大きく影響するものであります。それで、これは消費者の不注意もございましょうが、ここに指摘されておるようなことは、一番よく調査をしておるところというのは消防庁なのです。これは消防署です。この消防白書にも出ておりますけれども通産省としては、消防庁にこういった横のつながりと申しますか、そういう意見あるいはまた消防庁に対して、発生した事故の実態、こういうものが、どうも縦割り行政であるために実態の把握ができていないのではないか。そこに行管からこういった勧告を受ける――日本の国の行政が非常に縦割り行政で、通産局なら通産局、通産局も現地へ参りますと、これを取り扱っている人数が非常に少ないわけですよ。それを、これだけのものを全部、消費者からあるいはガス使用しているガス事業者事業者は知れていますけれども、あるいはLPガスの販売業者、こういうものはほとんど一人か二人の通産局では把握ができないと思うのですね。それで私は、こういうのを実態調査をしていろいろやっているのが消防庁であると思うのです。どうやって消防庁の意見を聞き、またどうやってうまく事故を防ぐために、意見といいますか、どういうふうにやっていくか、これは新しい提案でありますけれども、今後これをやらなければ私は事故は防げないと思うのです。何ぼ法律をつくりましても、行管指摘のように、実行していなければ事故は防げないと思うのですね。ただ通達やあるいはまた集めて話をしただけでは事故は防げない、こう思うのですが、消防庁との間はどういうような関係にあるのか、これをひとつお聞きしたいと思うのです。
  118. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ガス事故につきましては、ガス事業者に対して、ガスに伴います中毒とか爆発その他の火災、事故及びそれが人身事故あるいは負傷につながるもの、それからそれに伴う物損等につきましては報告をとっておるわけでございますが、いわゆる消防庁のとっております統計との間には相当な差があるわけでございまして、たとえば消防庁の場合は、ガスの使い方が必ずしも悪いわけじゃないのですが、ガス原因で物に燃え移って火事になったとか、あるいはたとえばガスの若干使い方の不注意等によりまして気持ちが悪くなる、それで救急車が呼ばれたというような場合、すべて広範にとっておられるわけで、必ずしもわれわれが考えておりますように、相当大きな問題があるというものでないものでも、救急車発動その他については全部把握しておられるわけでございます。  それで私どもといたしましては、そういう従来のガス事業者からの報告だけで十分かどうかという点につきましては、その後も消防庁の統計等と突き合わせをして、現在検討しておるわけでございますが、いずれにいたしましても、従来は消防庁とガス事業を担当しております私どもの方と、必ずしも連絡が密にいっているというわけではなかったわけでございますが、今回この法律を出すに当たりまして、より連絡を緊密にし、情報を交換し、その上で万遺漏のないようにということで両者間で約束をいたしておりますので、今後はその方向で実態の把握というものがさらに進むものと期待しております。
  119. 岡本富夫

    ○岡本委員 大臣、いままでのガス事故原因を見ますと、これはあなたの方の統計ですけれどもガス消費機器自体の不良と消費者使用上の不注意、これで八〇%、それ以外に給排気設備不備、これは今回の法律になるわけですけれども、こういうものの、たとえば新しく建築ができた、建築基準法に基づいて建築の検査の所管は建設省であります。しかし、ガスの方になりますとなかなかきちっとした調査がいかぬわけですね。そういう場合、ちょっと大規模になりますと消防庁、消防署あたりの非常に厳しいチェックがあるわけですよね。そうすると、こことよく話し合いまして、そうして助けてもらうというとおかしいですけれども、これはいずれにしてもそこから火事が出れば消防署が動かなければなりませんのですから、何らかの連携をとって、どこでこれをミックスしてうまく話し合う場所をつくるかが問題です。御承知のように通産局というのは、大阪通産局というと広い範囲を持っていますね。そこに一人か二人がいて、なかなか立入調査といってもこれは無理ですよ。都市ガスですからガス会社もやっていますけれどもガス会社だけに任せておくところにこの問題が起こったわけですよ。中には、不届きなガス会社報告もしていないじゃないか。こんなことでは何ばこうした法律をつくりましても、結局法律ばかりで実践が伴わない、結局そのために事故は減らない、ここを私は恐れるわけでして、これは新しい試みであろうと思いますけれども、何らか消防庁と連絡をとって、検査をどこかで一緒にやっていただくとか、縦割り行政でありますけれども、そうでないと、いままでの通産省に対する報告というのは、重傷者、人身事故があったとか、そういうような一定事故の大規模のものしか報告が来ていない。そこに問題があろうと思うのですが、これをどうするかについて私たちなかなかわかりませんけれども、いまも答弁がありましたが、これはちょっとおざなりの答弁だと思うのです。本当にこの法律を――これまで私たちLPガス法律も国会で審議をしたのです。高圧ガスの方もやった。結局法律はつくったけれども決め手がなかった。そのために、また今度はそれを取りつける方の技術の方のことをやろうということですけれども、結局それも同じことになってしまうということを考えますと、どこかで事故を防ぐためのきちっとした押さえるところがなければならない、こう思うのですが、通産大臣、どうお考えになりますか。
  120. 江崎真澄

    ○江崎国務大臣 御質問の点はもっともですから、いまも事務当局とよく打ち合わせをしたわけでありますが、今度の法律を契機に消防庁と通産省側と、通産局を通じて十分打ち合わせをする、覚書まで実は交わしておるわけです。したがって、また、技術的な問題等についても十分消防庁と連絡をとって万全を期する、こういうふうにいま申しております。したがって、いまおっしゃいました質問の御趣旨を体しまして、やはり万全を期することが必要ですね。おっしゃるように、事故が起これば消防庁もまた点検以上の大変な労力負担をしてもらわなければならぬわけですから、よく打ち合わせて実効の上がるようにいたしたいと思います。
  121. 岡本富夫

    ○岡本委員 それから、最近の都内あるいはまた市内の状況を見ますと、夫婦共かせぎといいますか、そのために家庭にはかぎっ子といいますか、こういう子供さんが家庭を守っておる。ラーメンなんかつくったりして子供が親の帰るのを待っている。こういうことを考えますと、そこからガス漏れあるいはまた親がいない間の事故というのは多いのですね。これは私、学校教育の中にやはりこういったガスの正しい使い方あるいはまたガス事故を未然に防ぐ、そういうものを入れていくことが大事じゃないか。このごろ非常に、特に住宅ローンなんか、共かせぎしている者が多いわけですね。その点についてひとつ提案なんですけれども、これはいかがでしょうか。
  122. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ガス事業法または液化石油ガス法では、それぞれの事業者に対しまして消費者に対するガス使用の安全を図るために、いわゆる周知義務を課しておりまして、啓蒙させておるわけですが、その中でも液化天然ガスにつきましては、たとえば通産省で予算を用意いたしまして、学童用副読本の配付等をやっておるというようなことでございますし、さらに学校の教材につきましても一応は取り上げられているわけでございますが、必ずしも十分でないという点につきまして、私ども通産省の立地公害局長あるいは資源エネルギー庁の次長等から、文部省の局長あてに教材の充実についてお願いする等、学校教育の場を通じてガス使用方法を周知といいますか、安全な使用方法を教えるということに努力しておるところでございます。
  123. 岡本富夫

    ○岡本委員 たとえばガス漏れの対策あるいはまた一酸化炭素の中毒の恐ろしさ、こういうものがもう少し徹底しておると、ああいう留守中の事故というものはなくなってくるのではないか。私はこういう事故に直面したことがあるのですよ。そして、これはもう親たちがいないときにはどうしたらいいのだというぐらいのことは、学校でも、まあ高学年でしょうけれども、少し徹底してやればこういうことはなかったのになという事故に直面したことがあるのです。ひとつそれはまた閣議でもよく打ち合わせして、そして学校教育の中でひとつ子供たちにも徹底していただきたい、こういうように思います。  それで、特定ガス機器の設置工事について法規制をするということでありますけれども、検定制度のようなものをつくるらしいのですが、果たして二日、十五時間ぐらいの研修で、本当に簡単なテストだけで所期の目的が達成できるのか、これをひとつお聞きしたいのですが、いかがですか。
  124. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ガス消費機器設置につきましては、それに必要な講習の内容といいますか、あるいは監督者に要求される内容につきましては、非常に高度な理論とか知識というものではなくて、どういう場所にどういうものを据えつけたらいいか、どういう構造のものをしたらいいかというような、いわゆる基礎的な知識でございますし、それから据えつけ自身につきましてはそれほど熟練度を要するものでもございません。したがいまして、大体二日ぐらいの講習によって十分その役に立つといいますか、資格を得るだけの効果が上げられる、このように考えております。
  125. 岡本富夫

    ○岡本委員 私はそう簡単には、やはり相当周知徹底しなければ、事故が起こったからといってその人たちに責任があるわけでもないだろうし、事故が起こってからどうだったかという後の調査というのは非常にむずかしい。見解の相違もありますしね。ですから、この法律でそれをつくったからといって、一〇〇%間違いなく事故が防げる、こういうふうになかなか私は考えにくいと思うのです。  それはそれとして、ないよりましでしょうが、この講習を受けるに当たってどのくらいの手数料が要るのですか、それからどういうようにやるのか。     〔委員長退席、野中委員長代理着席〕 私はかつて労働省が実施しました植木屋さんのテストを見たのです。ところがそのテストをする人は、これは役所ではもちろん無理ですな。そうしたら、その植木屋さんが、一番りっぱな植木屋さんというのはどの人かわからない、そういう人が最初テストしているわけです。そしてテストされた方は何級かの、一級とか二級とかもらうわけだ。テストした方が今度それを受けると落ちるのだ。そんなばかな、おかしいなと思ったことがあるのですが、役所のやっていることというのは大概そういうのが多いのですね。これはどういうようにやるのか私は疑問なんです。一遍お聞きしたい。
  126. 豊島格

    豊島(格)政府委員 第一の講習料の点でございますが、この点につきましては類似の講習制度がございまして、大体二日ぐらいというのもあるわけでございますから、その辺を勘案して決めたいと思いますが、できるだけ講習者の負担になることを少なくするよう努力したいと思っております。  それから第二の、テストするのが実力があるのができるのかどうか、だれがやるのかということでございますが、私どもとしましては一応日本ガス機器検査協会にこの講習を委託することを考えております。委託といいますか、通産大臣としては指定するということを考えておりますが、日本ガス機器検査協会では消費機器設置に関する技術理論その他につきまして十分蓄積がございますので、決してその講習が不十分なもので終わるということはないものと確信しております。
  127. 岡本富夫

    ○岡本委員 この点はよくひとつ中身を調査してもらわないと、この協会の資金かせぎみたいになるのだ。検査協会の資金かせぎ、こうなって、あとただ免状が入るだけで、本当に効果がない場合がある。これは私は現実に見てきておるわけですから、この点はひとつよく注意をして、こういう法律によっていろいろやったけれども何にもならなかった、こういうことになっては相ならないと思うのです。予算をつけて一生懸命にこうして事故のないように防ごうと思ってやって、それで事故が減らないというのだったら、私は何にもならないと思うのです。  そこで、次には、この事故の起こっておるところはマンションとか共同住宅、ここに非常に多いように見受けられるわけですけれども、建築基準法の中に、五十二年度ですか、改正されて、排気設備が充実されたということを聞いておるのですけれども、新築の場合は最初からこういった給排気設備ができるようにしておきませんと、この法律によって点検したとき、もう一遍やらなければならぬというようなことではぐあいが悪いわけですが、これは、建築基準法によって換気あるいは排気設備というのはちゃんと充実できるようになっておるのかどうか、これをちょっと確かめておきたいと思うのです。
  128. 豊島格

    豊島(格)政府委員 建築基準法では、新築の場合におきましては、その基準法のたてまえから、給排気設備をつけることになっておるわけでございますが、機器を設置する場合においては、私どもの方でもその基準に合致するように、設備をする場合に監督させるというのが今回のわれわれの立場でございます。
  129. 岡本富夫

    ○岡本委員 そこでこういったマンションとか共同住宅で、第三者の行為によって、すなわちガス自殺とか、ぼくもそういう目に遭ったことがあるのですが、そして過失のない第三者の方が被害を受ける、こういう場合、救済制度というものができておるのかどうか。ちょうど私の知っておるのはガス自殺をしたというのです。何かガスがなにしているというので、隣がそういうことがあったというわけですぐ飛び込んだ。電気をつけた途端に爆発して、そうしてその方は亡くなられた。そういう場合、何らかの救済措置というものがないのだろうか。この方は若い人で、生命保険も入ってなかったのです。非常にあとの家族の方が困っておるということがあるのですが、被害者救済制度、こういうものはできておるのですか、どうですか。
  130. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ただいま先生の御質問の件は、ガス自殺その他で死んでしまった、その事故災害で関係のない第三者が損害を受けた、人身災害その他の損害を受けたという場合に、制度的に何かあるかということでございますが、従来ガス事業者に関係のないものにつきましては、一応見舞い金として第三者にもある程度のことはいたしておりますが、必ずしも十分でないということでございますので、LPの場合にありますような第三者損害補償基金制度というようなものを発足させたらということで、かねて指導しておったところでございますが、近く都市ガスについても発足の運びとなっております。
  131. 岡本富夫

    ○岡本委員 それはLPガス業者だけですか。それとも都市ガスも一緒なんですか。
  132. 豊島格

    豊島(格)政府委員 LPガスにつきましては去年の十月一日に基金制度がすでに発足しておりますが、都市ガスにつきましてはこれまでそういう基金制度がございませんでしたが、近く発足させるということにしております。
  133. 岡本富夫

    ○岡本委員 次に、この前の宮城県沖の地震の教訓というものを考えて、地震対策ですね。この地震対策はどういうように指導し、どういうようにやっておるのか、ひとつこれを承っておきたい。
  134. 豊島格

    豊島(格)政府委員 都市ガスの地震対策につきましては、御承知のように、法律によりましてガス事業者に対して、LNGタンクとかガスホルダー等のガス工作物について、構造、材料等の耐震基準を遵守し、設計製作を行わせるとともに、緊急遮断器、消火設備等の設置を義務づけております。また二次災害の拡大を防止するために、ガス事業者に対しまして、震度五以上の地震が発生しました場合には製造所の出口等必要な個所でガス遮断をし、ガスの漏洩状況を確認するよう指導しております。さらに漏洩が続く場合には、遮断されたガスを放散塔で安全に放散させるというようなことをやってきたところでございます。  なお、先生指摘の、先般の宮城県沖地震の被害の分析から、これをもとに現在エネルギー庁長官諮問機関でございますガス事業大都市対策調査会地震対策専門委員会におきまして、耐震基準の見直し、早期復旧対策の確立等を検討しておるわけでございますが、その中にはいわゆる供給を、災害地を隔離して復旧させるというようなことで、ブロック化の問題あるいはさらに復旧資材をどういう体制にしておいたらいいかとか、そういう問題についてもあわせて検討し、実施しているところでございます。
  135. 岡本富夫

    ○岡本委員 これは東京都の防災会議報告をしておるわけですけれども、東京瓦斯の場合、震度六の地震が来た場合ということで調査をしたらしいのですが、この中にはガス本管の破壊、破損あるいはガス本管が非常に古いのがある、それから継ぎ手の緩んだのがある、これは都内で大体五百八十一カ所ぐらいある、こういうような報告があるわけです。こういう点については、これはいま東京瓦斯だけを例にとっておるわけですけれども、どういう指導をし、またどういうふうにこの調査をして、これはただ報告を受けるだけでなくして、やはり立入調査をし、検査をしなければならぬと思うのですが、これも実は通産局にはガスの関係というのは一人か二人。だからたくさん量はできないです。ですから余りなわ張り根性ばかりを残さないで、若干地方自治体、県のそういった部署にも協力を願って、そうしてこれは早急に点検をして、直すべきところは直しておくということにしないと、事故が起きてからでは話にならない、こう思うのですが、権限が公益事業というのは地方自治体におりないのですね。私たちが県やあるいはまた東京都へ行きましても、権限がないからどうしようもないのです、こういう状態なんです。大阪瓦斯へ行きますと、管がどこにどうなっているというのは、枝管のところまでずいぶん調査をしておりました。どこにどういう管があるというきちっとした地図というか、すばらしいものを相当お金をかけてつくっておりましたけれども、私はほかではほとんどそういうものはないのではないかと思うのです。どこにどんな管が走っているか、古いやつはわからない。そういうことを考えると、やはりこれはガス事業者だけでなくして、県とも協力してもらってきちっとした事故対策をしておく必要があるのではないか、こう思うのですが、いかがですか。
  136. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ガス事業法におきましては、ガス保安責任につきまして、第一義的にはガス事業者の自主保安という原則で、ガス事業者自身に責任を持って保安に当たらせるということはいたしておりますが、さらに加えまして、通産省が通産局を通じて定期的な検査を行うということで、さらにその充実を図っているところでございます。先生指摘のように、通産局は十分人手がないのじゃないかというようなお話でございますが、現在の通産局の機構を通じまして、十分そのような検査がやれるものとわれわれは考えておるところでございます。もちろんいろいろな地震その他の災害が起きたときに、いろいろな御協力をいただくということにつきましてはやぶさかではないわけでございますが、一応現在のガス事業法のあり方として、以上のような方式で十分やっていける、このように考えておるわけでございます。
  137. 岡本富夫

    ○岡本委員 ではお聞きしますけれども、この東京都の継ぎ手の緩んだところ、あるいは管の腐ったところ、古いやつ、こういうような状態は全部あなたの通産局の方で握っておりますか。いまの状態で、いまの体制で十分であろう、こうおっしゃいますけれども、十分でないと私は思うのです。通産局に何人おりますか、立入調査をしてそれがどうだったかということを全部調査できる人が。あなた一遍通産局へ行って現状をよく調べてごらんなさい。一人か二人ですよ。東京通産局にしたって大阪通産局にしたって範囲がずいぶん広いですから。だから私は権限争いをするんでなくして、やはり事故対策、こういった事故を未然に防ぐためには、若干地方自治体に、お金もやらぬでやれと言ったって無理かもわかりませんけれども、若干お願いもして、そういったときの対策というものを完全にしておくということが大事だと思うのです。これは、いますぐにではそういたしますとはあなたもなかなか言いにくいかもしれませんが、余りにも権限争いが大き過ぎると思うのです。私が公害対策基本法をやったときにも、この公益事業については通産省が握って放さない。だからいろいろなことが起こっても、そこまで調査がいってないわけですよ。ですからこういう状態になって、ガス事業というのは非常に恐ろしい事業ですから、やはり何も権限を与える必要はないけれども、と言うとおかしいですけれども、御協力願って、そしていろいろな場合にやはり各地方自治体からもいろいろと意見を入れていただく、それによって対策を講じていくということにしませんと、私はぐあいが悪いと思うのですが、通産大臣どうですか、この所見は。私は現実に参りましてそうなんですからね。通産局に一遍行ってごらんなさい。本当にその係の人は一人か二人で、ほかの人はほかの仕事をしたらいかぬわけですから。皆それぞれ部署がありまして、中小企業の金融もあろう、いろいろありますから、ほかの仕事はできないのです。一人で全部できるわけがないのですよ。だからあとは事業者から報告だけ聞いて、ああそうですかと帰るだけです。この行管の意見というものは、立入調査を一遍やったらどうだと、こうなんだ。立入調査ができるだけの手がありません。行っても本社へ行って聞くだけのこと。たまたまどこかのブロックのそういったところへ行ってちょっと聞くだけですから、それだけでも十分効果はあると言えばあるのでしょうけれども、なかなかそうはいかない。これはひとつ御検討願いたいと思うのですが、大臣の御所見を承っておきたい。
  138. 豊島格

    豊島(格)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、ガス事業につきましては一応ガス事業者の自主保安ということでございますが、定期検査における検査を行うほかにも、ガス事業者に対して、こういう場合の処置はどうしろとかあるいは導管の埋没状況については常に把握するようにしろとか、いろいろ指導いたしておるところでございますので、そういう意味で実態もガス事業者をして十分把握させておるわけでございます。  なお先生指摘のように、関係省庁との連絡も十分してやっていけということにつきましてはそのとおりだと思いまして、私どもも今回の法律を出すに当たりまして、消防庁とも常に連絡を密にして、実態を把握していくということをお互いに申し合わせておるような次第でございますし、そういう観点から問題は今後大幅に改善される、むしろ目的は十分達成できるようになるものと私どもは考えておりますが、それ以上に先生のおっしゃったいろいろな点も配慮して、今後万遺漏のなきよう処置したいと思っております。
  139. 岡本富夫

    ○岡本委員 なかなか大臣は答えそうにないのですが、どうですか、私はこれは若干政治的配慮がなければ、役所だけではできないと思うのです。現実に天六のガス爆発事件もありましたし、いろいろ調査しまして、確かにこれは通産省だけではとても大変だと思うのですよ。広いですから。ですから、その点は再考して、いろいろと地方自治体の意見も聞いていけるようなシステムといいますか、それで防災を行っていくということを一遍考えていただきたいと思うが、あなたの答弁をいただきたい。
  140. 江崎真澄

    ○江崎国務大臣 御指摘の点は私もやはり重要だと思います。問題は、災害が発生すればそのガス会社も大きな損害を受けますね。したがって、ガス会社自身においてもそういった災害防止を心がけるということは、これは道義的責任はもとよりですが、会社経営の上から言っても大事なことですから、よく注意喚起をしまして、業界の自主努力、そしてまたわれわれ通産省側においてもそれを積極的に指導徹底していく、安全確保のための指導を一層強めていくという努力をするように、御趣旨を生かしたいと思います。
  141. 岡本富夫

    ○岡本委員 次に、いま地震対策のためにブロック化しておりますね。そしてそのブロック化したのをまたさらに、何メートルだったかちょっと忘れたのですが、その間にバルブをつけておる工事をやっておる。この進捗状況というものが若干遅いのではないか。大阪瓦斯は天然ガスに切りかえるのを利用していまどんどんやっておりますけれども、東京瓦斯は大分進んでおるらしいのですが、これはあなたの方に関係はないけれども、その一つのバルブをつけるところのセクションといいますか、溝を掘ってやっておるのを見ますと、非常に良心的なところはきちっと鉄筋を入れて、何かあったときにはぴしっといけるようになっておる。下請、孫請のところはその鉄筋を抜いてしまって、非常にぐあいが悪いところもあるのですよ。これは通産省の仕事じゃないから、ガス会社の仕事だからここで言う必要ないけれども、そういったことはやはり地方自治体ならすぐわかるわけですよね。ガス会社はわからない。だから私はこういった面もよくひとつ見ますと、一つ一つ点検すると、すぐ横で、目の届くようなところで、若干協力を依頼するというのはおかしいけれども、そういうことも必要だということを考えて、実態の上から申し上げている。これはこのくらいにしておきましょう。  そこで、余り時間がありませんから、次に、この安全というものは大切でありますが、今度は、やはり何と申しましてもエネルギーの原料がなければ話にならぬものですから、エネルギーの長期計画の見直しについて若干お聞きしておきたいと思うのですが、五十二年六月、総合エネルギー調査会が六十年度をめどに作成した石油の安定確保、それから原子力開発の遅延、こういうことによってエネルギーが不足になってくると思うのですが、今後石炭の輸入あるいはLNGの開発輸入、こういうことについてひとつお聞きをしておきたいと思うのです。五月二十一日、二十二日パリで開催されるところの国際エネルギー機関、すなわちIEAの閣僚理事会に江崎通産大臣天谷資源エネルギー庁長官が出席をされる。また園田外務大臣も出席されるんだということをうわさされておるのですが、これについて江崎通産大臣は大平総理と協議する、そして最終的な方針を決めるんだということでありますけれども、このことについてどういうような内容なのか。やはり原料がなければ話になりませんので、ちょっとお聞きしておきたいと思うのですが、いかがですか。
  142. 江崎真澄

    ○江崎国務大臣 IEAの、とりあえずわれわれは五%節約の徹底を現在行っておるわけでありまして、先ごろこの徹底をなお全国的に、国民的レベルで推進できるような対策を打ち出したわけであります。これを受けまして、今度IEAの閣僚レベルの会議が五月二十一、二日にパリにおいて開かれます。したがいまして、これには私も担当大臣としてぜひ出たい、また総理もぜひ出席をしてもらいたい、こういうことでございました。したがって、まず第一には節約の徹底ということがありましょう。  それから第二には、今後のいわゆる石油にかわるエネルギー源をどういうふうに求めていくのか。これについては、もとより埋蔵量が二百年分以上もあると言われる石炭を中心に、積極的な見直しが行われるというふうに認識をいたしております。そのほか、石油にかわる代替エネルギーとしては原子力があるわけでありますが、アメリカにおいてはきわめて初歩的なミスといわれるようなミスがありました。そうかといって、これを初歩的というので簡単に片づけるわけにはまいりません。したがって、われわれ日本としてもこれを十分他山の石としてと申しまするか、いわゆる前車の轍の覆るを見て、再びこういうことのないようにという厳しい態度で、現在原子力発電所等のその機器について点検をいたしておるところであります。したがって、今後の原子力開発についても議論が展開されるであろう。その他、代替エネルギーの方向について積極的な意見が開陳されましょう。もとより次期エネルギーを開発研究する方法、方向等についても、やはり積極的な議論がなされるものというふうに期待をいたしております。
  143. 岡本富夫

    ○岡本委員 いまお話のIEAの閣僚理事会で、これは新聞報道ですけれども、大体五項目にわたって採択されるのではないか。それについて、石炭液化の実用化、これは相当日本でも昔やりかけたのですけれども、石油がどんどんいったものですから中止しておったと思うのですが、この石炭液化の実用化についてどういうような見通しといいますか、あるいはまたそういった実用化は何年ごろになったらできるのかというような見通しを、ひとつお聞きしたいと思うのです。
  144. 天谷直弘

    天谷政府委員 石炭は、日本では唯一と言っていいくらいの国産のエネルギー資源でございますし、それからまた、日本の周辺を見ますと、中国、オーストラリア、アメリカ、カナダ等々に石炭の賦存がたくさんございます。また全世界的に見ましても、石油と比べまして石炭の方は圧倒的な埋蔵量を誇っておるというような状況でございます。したがいまして、今後石油の供給が逼迫していく場合に、石炭がきわめて有力な代替エネルギーになるということは衆目の一致するところでございます。ただ石炭につきましては、それが固体であるということのために、輸送上非常に不便があるとか、あるいは燃やした場合に粉じんが出るとか、あるいはSOxとかNOxが出る、公害が余計でる、あるいは灰を捨てる場の問題を生ずるというようなことがありまして、その解決のために液化ということが非常に重要視されている次第でございます。  液化技術の開発につきましては、日本におきましてはいわゆるサンシャイン計画におきまして直接液化、それから溶剤処理液化、ソルボリシス液化という三方式を取り上げまして、昭和六十五年度までに実用化することを目指して、これから開発を進めていこうということになっております。昭和五十四年度におきましては、直接液化につきましては二・四トン・パー・デー・プラントの詳細設計、それから溶剤処理液化につきましては一トン・パー・デー・プラントの建設、ソルボリシスにつきましては一トン・パー・デー・プラントの運転研究の継続及び四十トン・パー・デー・プラントの設計を行うということになっております。これらの自主的な技術研究開発に加えまして、石炭液化につきましては国際的な協力も進めていくということになっております。国際的な協力のうち一番大がかりなものが、アメリカと西ドイツと日本の一国の協力で行うところの、いわゆるSRCⅡの開発でございまして、これは六千トン・パー・デー・プラントの建設を三国で七億ドルの金をかけて行おうというものでございます。それからまた民間ベースでございますが、日本の経済界とアメリカのエクソンとの間でEDS法というものの開発も共同研究で進めるということになっております。  これの実用化の時期でございますが、おおむね一九九〇年ごろくらいが実用化の一つのめどということではないかと思いますが、実用化は、もちろん経済性がございますので、石油の値段がどういうふうに国際的に動いていくかということと密接な関係がございます。石油の値上がりが非常に激しいということであれば、石炭液化の実用化というものも早まるのではないかと考えられます。
  145. 岡本富夫

    ○岡本委員 申し合わせの時間があれですが、そうしますと石炭液化の実用化というのはちょっと、一九九〇年といいますとまだ十一年ございますから、それまでの間、石油の値段も上がるかもわかりませんし、また石油の入手というものがどうなるかわかりませんけれども、LNG、液化天然ガスがいま非常に使われておるわけですが、アラスカとかインドネシア、まだ埋蔵量が非常に多いところもありますけれども、これの輸入の状況、何ぼでも輸入できるのかどうか、それから相手国の技術開発の援助、LNGの備蓄計画、こういうものについてひとつお聞きしておきたいと思うのですが、いかがですか。
  146. 神谷和男

    ○神谷政府委員 LNGにつきましては、御指摘のとおり石油にかわります代替エネルギーの重要な一つの柱といたしまして、その積極的な導入を図ってまいるという方針で進めております。五十三年度のわが国のLNGの輸入量は千百万トン強でございますけれども、将来、六十年にはこれを三千万トン程度まで引き上げてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。現在すでに契約済みのものは、先生指摘のアラスカ、ブルネイ、それからアブダビのダス島、インドネシアといった四地域から入ってきておりまして、契約量だけでも千五百万トン程度までいっております。そのほか現在計画中のもので、インドネシアの増量の問題、三百二十万トン程度の話がございますし、イランは若干混乱しておりますので現在一応様子を見ておるところではございますが、カリンガスで二百六十万トン、あとマレーシアのサラワクのLNGも具体化しております。それ以外にも検討中のものといたしまして、アブダビの陸上、オーストラリア、カタール、ソ連のヤクーチャというようなものも検討されておりますので、将来三千万トン、さらには六十五年四千四百万トンという目標を達成することは可能であろうと考えておりますし、輸出国あるいはわが国の輸入相手国の多様化もかなり可能であると考えております。  これらを進めるに当たりまして、先方の国において液化技術その他の技術協力あるいは援助等が要請される場合には、日本側のプロジェクト当事者と十分検討し、前向きに処理していく姿勢で当たりたいと思っております。  ただ、LNGの備蓄につきましては、先生指摘のとおり、エネルギーの中に占めますウエートが高まりますと、備蓄という問題がどうしても出てまいりますけれども、非常に揮発性が強く、かなりの超低温、高圧でございませんと液化の状態が保てないこと、その場合でもなおかつ徐々に揮発していくというような技術上の問題がございますので、技術面、コスト面で非常にむずかしい問題がございます。したがいまして、LNGを使用するものの相互融通であるとか、他の燃料との燃焼転換が可能になるような設備を備えるといったようなことをまず第一義的に考え、さらに本件の備蓄あるいはこれにかわり得るものの備蓄といったようなことを、将来の問題として考えてまいりたいと思っております。
  147. 岡本富夫

    ○岡本委員 最後に、サウジアラビアの石油の生産の将来ということを考えて、それからまた日本に対する値上げが二〇%というようなことを言ってきておるわけですが、こういうものと五十四年度のガス料金、これは政府が据え置きという公約をされたわけですけれども、この点はどうなのか、さらにガス料金の体系についてシビルミニマムを導入する考えはないか、この二点をお聞きして、終わりたいと思うのです。
  148. 豊島格

    豊島(格)政府委員 第一点のガス料金の問題でございますが、これにつきましては、ガスの原料の中には石油系以外にLNGその他もございますが、LNGにつきましても、必ずしも全部ではございませんが、石油価格の値上がりに見合って上がっておる、物によってはスライドされておるというものもございます。したがいまして、五十四年度の都市ガスの経営につきましては、非常に苦しいといいますか、相当緊迫したものとなるわけでございますが、いずれにいたしましても、今後大幅なプレミアムがさらにつくとか、六月のOPEC総会で再度大幅な値上げがあるというような特別の事態のない限り、従来どおり五十四年度中は現行料金を据え置くという方針でおります。  それから第二の点につきまして、ガス料金についてシビルミニマムをつくる必要があるのじゃないか、あるいは省エネルギーの観点からも料金体系を見直す必要があるのじゃないか、こういうような御指摘ではなかったかと思います。  シビルミニマムにつきましては、すでにガスの料金につきまして、ある程度消費量の少ない人に対して安くなっておるということが現実の問題としてございますし、ガスの場合には、使用量と所得水準というのがなかなかスライドしないというようなこともございまして、これまでいろいろな学者先生の御意見を承っても、この際電力と同じようなものをつくる必要はないだろうということが一応言われておりますので、現在のところそのような考えはございません。  それから、省エネルギー料金体系の問題でございますが、仮にガスというものを考えましたときに、他の競合燃料、石油系のものがあるわけでございまして、ガスの値段を高くしたらそっちへ行ってしまうということもございまして、むしろ考え方によっては、LNGという、直接石油を使わない燃料源としては、都市ガスというのは相当すぐれておる。そういう意味で脱石油という点から考えて、必ずしもガスを節約すること自身が全体のエネルギーの節約にならないという場合も考えられるわけでございますので、その辺総合的に考えて、料金体系というのは考えなくてはいけないのじゃないか、このように考えております。
  149. 岡本富夫

    ○岡本委員 これで終わりますけれども、いま聞いていると、ガスを節約することによって石油を節約するのじゃないのだから、別にそれにシビルミニマムのものをつくらなくてもいいのだというように聞こえたのですが、エネルギーを節約するということによって、たとえば石油の代替もきくわけですから、あなたがいまおっしゃったのは、そこのところがどうも納得できないのだけれども、もう一遍お聞きしておきたい。
  150. 豊島格

    豊島(格)政府委員 シビルミニマムの点につきましては、必ずしもエネルギー節約ということでは関係がないと思います。料金体系として、すでに少量消費者のためにはある程度現在のガス料金は有利になっておるということでございまして、これ以上有利にする必要があるかどうかということは考えておらないということでございます。  それから、料金体系の問題が出ましたので、私やや早合点いたしたのかもわかりませんが、ガス料金自身を体系を変えることによって、仮にたとえば高くするということで省エネルギーができるかという御議論があればと思ったわけですが、そういう場合に、それが都市ガスを使わないで、ほかの燃料に行ってしまうということでは、その目的が達成できない場合もあり得るのではないかということを申し上げただけでございますので、どうもお答えが必ずしも御質問の趣旨に沿ってなかったということのようでございますが、その点はおわびいたします。
  151. 岡本富夫

    ○岡本委員 終わります。
  152. 野中英二

    ○野中委員長代理 宮田早苗君。
  153. 宮田早苗

    ○宮田委員 特定ガス消費機器設置工事監督に関する法律案の具体的な質疑に入ります前に、まず都市ガス液化石油ガス全般に関しまして若干質問をいたします。  都市ガス液化石油ガスとも、近年著しく需要が増加しているわけでございますが、産油国の価格引き上げ、さらには原子力発電そのものの見直し機運等々、世界のエネルギー情勢は、四十八年の石油ショックをしのぐ環境にあると思うのでございます。このような環境の中で、原料の大半を海外に依存しておりますガス業界の、中期的な需給バランスなり価格問題を見直すことも必要なことではないか、こう思います。ナフサ、それからLNG、またLPGの国内外におきます需給等についてまずお伺いをいたします。
  154. 神谷和男

    ○神谷政府委員 LNG、LPG、ナフサにつきましての中期的な需給の概観を申させていただきたいと思いますが、LNGにつきましては、昭和六十年度の需要量を約三千万トンというふうに見込んでおります。電力関係がその四分の三程度使用し、都市ガス関係が四分の一程度使用することになると推定されるわけでございますが、これらの需要に対します供給につきましては、現在すでに導入しております四プロジェクトが順調に進んでおりますほか、計画中のものといたしましてインドネシアの増量、イランのカリンガス、マレーシアのサラワクというものがございますし、そのほかアブダビ、オーストラリア、カタール、ソ連等が検討をされておりますので、量的にこの中期見通しを達成することは十分可能であろうというふうに考えております。  LPGにつきましては、昭和五十四年度から五十八年度に関する石油供給計画におきまして、最終年度の五十八年度の需要量を千七百万トン強というふうに見ております。五十三年から五十八年までの伸び率は平均伸び率年五・九%、約六%弱という比較的高い伸びを見込んでおるわけでございますが、これに対します供給面におきましては、一部を国内の石油精製の過程で生産いたします国産のLPガスによっておりますが、かなりの部分、六割以上のものを輸入に頼っており、その輸入はほとんど随伴ガス、構造ガス、両方からとっておりますけれども、必然的に産油国ということになりますので、サウジアラビアに五割程度を依存しておる、こういう状況にあります。ただLPガスにつきましては、産油国におきましてその利用度、活用度が非常に低いわけでございまして、現在発生しておりますガスの三割程度LPガスとして回収しており、その他は燃やしたり放散しておる、こういう状況でございますので、各産ガス国と申しますか、産油国におきましていろいろ増産計画がございますので、必要量はそういう面から確保はできるというふうに考えております。  ナフサにつきましては、先ほど同様お示ししました五十八年度に至る石油供給計画によりますと、五十八年度の需要量は四千五百万キロリットル弱というふうに見ておりまして、伸び率は年平均五・一%というものを見込んでおります。この需要に対します供給は、現在御承知のようにナフサの供給は輸入と国産で賄っておりますが、五十八年に至る伸びの部分のほとんどは国内生産で対処したいと考えておりますし、一応現在それは可能というふうに考えております。  それから御質問のLNG、LPG、さらにはナフサの今後の価格動向でございますが、ナフサは当然でございますけれども、LNG、LPG等もほぼ基本的には原油価格と同様の動きをしていくことになろうかと考えております。
  155. 宮田早苗

    ○宮田委員 エネルギー源の多様化はエネルギー政策の根幹でございますが、家庭用ガスにおいてもまた当然のことだ、こう思っております。  そこで、LNGの導入促進がよく言われるわけでございますが、大手の都市ガス三社のLNG化、これはどのように進捗しておるか、あわせてお願いいたします。
  156. 豊島格

    豊島(格)政府委員 大手三ガス会社につきましては、東京瓦斯がアラスカからのLNGを導入しましたのを初めといたしまして、その後ブルネイ、それからアブダビ、さらにインドネシア等の導入が進捗しておりまして、現在大体LNGの比率は、大手三社では五〇%ぐらいになっております。
  157. 宮田早苗

    ○宮田委員 東京瓦斯、これは昭和六十年半ばまでにLNG化を完了する計画と聞いておるわけでございますが、この都市ガス会社のほかに電力会社、さらに工業用としてのLNGの需要拡大を見込むのはいいわけでございますけれども、海外のLNG開発プロジェクト、さっきもちょっと御答弁があったようでございますが、もう一度ひとつ説明を願いたいということ、あわせてこれもLNGの中期的な備蓄体制、ちょっとお答えのようでございますが、できるならばLPGとあわせて御説明願いたい、こう思います。
  158. 神谷和男

    ○神谷政府委員 LNGの開発につきまして、さらに内容立ち入りまして御説明させていただきます。  先ほど御説明いたしましたすでに契約済みの四プロジェクトと申しますのは、アラスカ、ブルネイ、アブダビ、インドネシアでございまして、契約量は千五百万トン強ということになっております。そのほか一番期近と申しますか、検討が熟しておりますものは、インドネシアの増量でございまして、これが三百二十万トンということで、インドネシアのプルタミナと現在ガス会社、電力会社等が鋭意折衝中でございます。そのほかにマレーシアのサラワクが六百万トン程度のものを計画いたしておりまして、いずれ実現はほぼ間違いないと思っております。そのほかイランのカリンガスが二百八十万トンという計画を持っておりますが、これにつきましては、御承知のようなイランの状況でございますので、現在イランの状況をウオッチしておるということで、計画はやや足踏みでございますが、ただ、イラン政府としては、カリンガスについても計画を進めるという基本方針を変えたというふうにはまだ了解しておりませんので、これも計画の中にカウントしてまいりたいと思っております。  以上が比較的具体化いたしております計画でございますが、そのほか、産油国におきましてかなり検討が進んでおるものといたしましては、アブダビの陸上、オーストラリア、カタールといったようなもの、さらにはソ連のヤクーチャの計画も逐次固まりつつございます。これらの検討中のものは、トータルで千数百万トン程度のものが予定ができますので、全体といたしまして開発は順調に進み得るものと期待をいたしております。  また、LPGについてもという御指摘でございますが、LPGにつきましては、主として産油国が液化をいたしましたものを購入するというような形でございまして、LNGのような、合弁形態その他で日本のユーザーが乗り出していって計画をするという形態はまだ少ないわけでございますが、産油国、あるいは産ガス国といった方が正確なのかもしれませんが、これらの国ではかなりのLPガス化計画というものがございますので、国内の受け入れ体制、タンクの増強あるいは需要の確定といったようなものがなされれば、相当の輸入増は可能であろう、こういうふうに考えております。  それから備蓄についてでございますが、ともに、やはり比重が高まりますと、備蓄問題というのはどうしても重視せざるを得なくなるわけでございますが、LNGにつきましては非常に技術的にむずかしいということで、本来、低温高圧で保管いたしましても、相当圧力の高いタンクで保管いたしましても、さらにベーパで抜けていくものが相当ございますし、長期の保存は非常にむずかしい、こういう状況にございます。  LPGは、これに比べますと比較的備蓄は技術的にも経済的にも可能であるというふうに考えられておりますが、現時点ではタンクの増強等が十分行われておりませんので、LPGのタンクの能力増を図りながら、LPGの備蓄対策について今後真剣に考えてまいりたい、こういうふうに考えております。
  159. 宮田早苗

    ○宮田委員 もう一つ、東京ガスについて昭和六十年半ばまでにLNG化を完了する、こういうことを聞いておるわけでございますが、その点はどうですか。
  160. 豊島格

    豊島(格)政府委員 東京ガスにつきましては、六十年度までにガスの成分につきまして、専門的に13Aと申しますが、いわゆるLNGと同じ熱量の性質の組成のものに統一するということでございます。ただ、この場合、その原料を全部LNGに依存するということは、設備の運営上といいますか、実際上困難でございまして、これは、御承知のとおりガスは冬に非常にピークでございまして、夏は少ないということでございますので、全部LNGにかえるわけにいかない、したがって、LNGにかわるSNGといいますか、同じ成分のものを別途つくりまして、そのピークに合わせるというようなことをいたしますので、原料としては、大体七割ないし八割の間にLNGがなる、このようにお考えいただいたらいいのではないかと思います。
  161. 宮田早苗

    ○宮田委員 アメリカの原子力発電所の事故が、わが国の原発にも影響をしておると思うのですが、これで夏の電力供給に不安をもたらすのじゃないか、こう思うわけです。そこで、この夏の電力ピークの緩和策の一つとして、ガス冷房の普及が以前から言われておるわけでございますが、この推進のため、通産省はどのような手を打っておいでになるか、この点をお聞きいたします。
  162. 豊島格

    豊島(格)政府委員 御指摘のように夏のピーク需要におきましては、冷房需要が一番多いわけでございまして、夏のピークにおいてどうするかということが問題であるわけでございますが、たまたまガスにつきましては、冬がピークで夏が使用量が少ないというオフピークでございます。したがいまして、夏、ガスによる冷房需要を喚起するということは、電源対策としても重要な意味を持っておるわけでございますので、冷房用の特約料金という冷房用料金を設定することによってガス冷房の普及を図っておるわけでございまして、大型といいますか、大規模のものにつきましては、新築のビル等においては、最近東京では大体五割くらいはガス冷房になるという傾向になっております。ただ、中規模以下のものにつきましては、やはりガス冷房を使うということはいまだ技術的にも確立されておりませんので、この辺のところにつきましては、今後業界におきまして機器を開発するということを奨励いたしておるわけでございます。
  163. 宮田早苗

    ○宮田委員 家庭用ガスの消費量ですが、都市ガス、LPGとも、過去十年間に飛躍的に伸びているわけです。これはガス器具の普及が主たる要素と思いますが、一世帯当たりの消費量は、わが国の住宅事情等から見ましてどのあたりが量的マキシマムとなるか、この点についてのお考えがございましたならば、お聞かせ願いたいと思います。
  164. 豊島格

    豊島(格)政府委員 先生の御質問、大変むずかしいわけでございますが、ガスの消費量につきましては、気温その他もございまして必ずしも一定しておらないわけでございまして、ことしの冬あたりは非常に伸び率が低かったわけでございますが、これは暖冬の影響も非常に多かったのじゃないかと思います。家庭用の一軒当たりの使用量を規定する要因といたしましては、器具の普及率とそれから一台当たりの消費量というものが前提となるわけでございますが、器具につきましては、炊飯器とか小型湯沸かし器等も大体飽和状態になっております。さらに他の燃料との競合という問題も、都市ガスについては起こってまいりまして、そういう意味でなかなか大きな伸びはないわけでございますが、しかし新しい機器が出てまいりますとその辺は伸びるのじゃないか、それから機器が出てまいりましても、一台当たりの消費量につきましては、核家族ということから大体余りふえないということでございます。したがって、全体的に見まして、一世帯当たりの消費量というのは余り大きな伸びは期待できないわけでございますが、生活様式その他の進歩といいますか、向上とともに、ある程度はやはり伸びていくのではないかというふうにわれわれは考えております。
  165. 宮田早苗

    ○宮田委員 関連するわけでございますが、エネルギーの限界時代を目前にいたしまして、膨大に出ております各種ガス器具の省エネルギー、これは本日のあれじゃございませんが、これを促進しなければならぬと思いますし、そういうことについて通産省の方のお考えがございましたらお聞かせ願いたいと思います。
  166. 豊島格

    豊島(格)政府委員 現在の厳しいエネルギー事情のもとにおきまして、ガス消費機器の製造メーカーにおきましても十分自覚を持っておりまして、ガス消費機器の安全性を確保しつつ、省エネルギーの観点から消費効率のよいガス機器の開発が進められておりますが、私ども通産省といたしましても、安全性は大前提でございますが、やはり省エネルギーに資する消費機器の開発、普及の促進を図るよう、消費機器メーカーを指導してまいりたいと思っております。
  167. 宮田早苗

    ○宮田委員 ガス消費機器設置工事監督者資格問題についてお伺いするわけですが、この資格要件が三つあるわけでございますが、それぞれでどの程度監督者を考えておいでになるか、その点をまずお伺いします。
  168. 豊島格

    豊島(格)政府委員 大体ガス消費機器設置監督者の数といたしましては、二十万人ぐらいの資格を付与することが必要ではないかと思っています。その中で、大体十万人ぐらいは液化石油ガス設備士の資格を持っている方に自動的に与えられる。これは、液化石油ガス設備士の試験ないしは講習の中に、本法で考えております内容を包含しておりますので、大体十万人程度はその辺で確保できるということでございますので、あと残りの十万につきましては、この法律で行います講習あるいはそれと同等の資格を有する者に資格を与える、こういうことになろうかと思います。
  169. 宮田早苗

    ○宮田委員 いまおっしゃいましたように、液化石油ガス設備制度、これが四月からスタートしたわけでございますが、この設備士は自動的に監督者になれるということですね。そうして、今後数年間に両制度をどのようにして運営していくかということ、この点についてはどうですか。
  170. 原田稔

    原田政府委員 まず、液化石油ガス設備士でございますが、これは昨年の法改正によりまして新しくできた制度でございまして、ガスの配管工事の中で、管切り工事であるとか、そういう固い管の接続関係ですとか、技術的にある程度高度の作業を要するようなものにつきまして、作業独占という形で新しく制度をつくったわけでございます。したがいまして、こういう工事をやる場合には、これはもう当然のことといたしまして、今回の消費設備監督者に要求されるような、一応のガスにつきましての安全についての基礎的な知識、これは要求されるわけでございますから、したがいまして、液化石油ガス設備士の方が要求される知識の範囲が広い、こういう意味で、この液化石油ガス設備士の資格を持つ者は当然に今回の監督者資格を持つ、こういうことになったわけでございます。したがいまして、実際の運用におきましても、私ども感じでは、この液化石油ガス設備士が工事をするというような場合には、恐らく同時に消費設備設置するという例が多いのではないかという感じがしますので、両者はその意味で一体的な運用が十分に可能であるというぐあいに考えております。
  171. 宮田早苗

    ○宮田委員 監督者制度は、中小零細企業者に過重な負担をかけるものではない、こういうふうに通産省の出しておられます資料にはうたってあるわけでありますが、逆の見方をいたしますと、さっきも質問にありましたように、二日間程度の講習で本当に大丈夫なのだろうかという疑問も持つわけなんでございますが、経験年数あたりもある程度考慮されてのことか、また二日間という程度の講習で十分間に合うというふうにお考えの上か、そういう点をあわせてお答え願いたいと思います。
  172. 豊島格

    豊島(格)政府委員 特定消費機器設置に関します監督者資格といたしましては、それほど高度な理論は要らないことはもちろんでございまして、いわゆる給排気設備設置に必要な、基礎的な知識があれば足りるわけでございますし、他方、工事そのものにつきましてもそれほど熟練度が要らないということで、経験年数は特にこの際問う必要はないんではないかということでございます。したがって、講習を受けて資格を取得できる者は、経験年数は必ずしも必要としない、こういう運用にいたしたいと思っています。
  173. 宮田早苗

    ○宮田委員 もう一遍監督者ということについてお問いするわけでございますが、監督ということになりますと、文字どおり現場で指示することというふうにみな思っておるわけでございますが、この制度だと、工事完了後の検査に当たればいいんじゃないかというふうに解釈もできるわけでございますが、そういう点についてはどのような措置をお考えか、お聞きをいたします。
  174. 豊島格

    豊島(格)政府委員 監督者の仕事といたしましては、まず、消費機器設置するのに、どういう構造にその辺がなっておるのかというところを含めまして、どのような給排気設備をつけたらいいか、あらかじめ工事の事前の段階で指示することが必要でございますし、さらに、現場におきましての判断というのが要るわけでございまして、近くの建物の関係とか隣接地域の関係を見まして一定の指揮をする、監督をする。さらに、工事中でなければ見れないところもあるわけでございまして、その辺の監督もいたすわけです。それからさらに、工事が完了した場合に、果たして当初の計画どおりあるいは技術基準にマッチした工事が行われたかどうかという最終チェックをするわけでございまして、事前、工事中それから工事後ということを含めて監督に当たる、こういうことになるわけでございます。
  175. 宮田早苗

    ○宮田委員 そうしますと、有資格者が直接自分でやった方がかえっていいんじゃないかということになるわけでございますが、そうなりますと膨大な有資格者というのが必要になると思いますけれども、そういう考え方はどうですか。
  176. 豊島格

    豊島(格)政府委員 御指摘のように監督者が自分でやる場合もあるわけですが、必ずしも監督する立場にある者が工事の施工に関する技能といいますか、工事そのものを直接やらなければ目的は達せられないわけではないわけでございますし、それから幾つかの近くの工事を全般的に見るということで、工事自身はほかの者にやらせて、それを監督するということも当然考えられるわけでございまして、必ずしも監督者と実施者というのは一対一で常にくっついてやっているわけでもございませんので、その辺は当然監督するだけというのと、あるいは監督者が実施する場合と両方あるわけでございますが、われわれとしては両方あってよろしい、むしろ監督して実施者が異なる場合というのもいろいろとある、このように理解しております。
  177. 宮田早苗

    ○宮田委員 最後にお聞きいたしますけれども事故の問題についてです。  ガス事故原因の多くが消費者側の知識不足にあることは、これまで再三再四指摘されてきたことでございますが、そのための事故防止策があれこれ講じられてはきましたけれども、学校教育の場を通じての安全に対する啓蒙も一つの方法ではないかと思っております。さらに、テレビとか新聞、雑誌といったマスメディアを通してのPR、これも欠かせないんじゃないかと思います。ところが、マスメディアでは従来、ともいたしますとガスの消費拡大とかあるいは各種機器の宣伝、これが主体となっておる。こういう傾向が強いわけでございますが、これからの方策について十分その点をお考えになっていただかなければならぬと思いますが、何かそういう方策をお持ちかどうか。あれば御説明願いたいと思います。
  178. 豊島格

    豊島(格)政府委員 先生指摘のように学校教育の場を使ってやるということは当然のことでございまして、すでに御説明していようかと思いますが、予算をとりまして学校教育用の副読本をつくるとか、映画を制作する、説明会を開催するというようなことをいたしておりますし、教材についてもその中身を充実するよう通産省は申し入れているところでございます。  なお、ガスの安全性につきまして、マスメディアを通じてやるということにつきまして、すでにガス事業者で相当の金額の金を使いましてテレビ、ラジオその他を含めてやっておるわけでございますが、今後はその内容といたしましても、ガスの普及だけでなくて、むしろ省エネルギーの観点からのPRあるいはガスの安全性に係るPRという面をさらに充実させていくことが必要かと思いまして、その辺は十分事業者指導していきたいと思っております。
  179. 宮田早苗

    ○宮田委員 大臣に要望しておきたいことがございますのは、この種の関係といいますのは需要がますます増大してまいりますし、それに比例して事故ということも大きいわけでございます。そのために監督者制度というものを特別に御配慮された法律ということで、歓迎はするわけでございますが、監督者自体をつくる場合、余りかたくしても事業者は困ると思いますし、それかといってただ形式的でも困るわけでございますから、その辺の運用が大変むずかしいと思いますが、十分にひとつ御配慮願いたいということ。  それからもう一つは、省エネルギーということに対しましても、この大衆需要家が非常に大きいわけでございますので、この点は省エネの法案審議のときにもいろいろ御質問いたしましょうけれども、格段の御配慮ということが必要じゃないかと思っておりますので、その点だけを要望しておいて終わります。     〔野中委員長代理退席、山下(徳)委員長代     理着席〕
  180. 江崎真澄

    ○江崎国務大臣 御趣旨の点は全く同感でございますので、御趣旨に沿うように努力いたします。
  181. 山下徳夫

    ○山下(徳)委員長代理 工藤晃君。
  182. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) 日本共産党・革新共同を代表しまして、本法案に対して質疑を行いますが、まず最初の問題は、保安対策の問題ですから、ガス事故の把握を通産省としてどうやられているかという問題について伺いたいわけです。  と申しますのは、私は昨年四月十二日当委員会におきまして液化石油ガス保安確保、取引の適正化法改正案の質疑で、消防白書の五十二年版、このときはLPガスに限ってでありますが、消防白書の記録した、LPガスによって火災事故となった件数と、通産省の発表した事故が大分違う、通産省の方と比べて消防白書の方が倍以上であった、なぜこういう食い違いがあるのかということで質問をしました。結論として納得いく答弁がいきませんでした。左近立地公害局長が「少し実情を調査させていただきたいと思います。」と言って、もっと詳しい説明のためには時間が要るというようなことを言われたわけであります。  去る三月二十二日、参議院の商工委員会でも、安武参議院議員が東京消防庁のガス燃焼機器による中毒事故の実態、これは特に中毒事故というのに焦点が当てられているわけですが、また時期的には四十七年一月から四十八年六月末の一年半でありますが、約五百四十八件を報告している。これは特に東京の管内であるにもかかわらず、通産省の全国的な数字と比べて余りにも少ない。ここに記録ございますが、豊島公益事業部長の答弁がありましたが、どうも私、これを読んでまだ納得が得られないわけであります。  さて、そういうことで消防白書の五十三年版を見ますと、これはガス災害について、五十二年中ということになっておりますが、「ガス災害出動状況」となっていますが、都市ガスでは六千三百七十六件、LPガスの方で言うと五千九百十八件あります。通産省の方の事故の件数によりますと、都市ガスは百三十五件、LPガスは六百三十七件、合わせても七百七十二件、これは相当開きが大きいのですね。けたも違うわけでしょう、七百七十二件。片一方はそれこそ一万二千件を超えるような件数であります。なぜこういう大きな違いが出るのか、いろいろこれまでやられた行政官庁の立場からの説明がいただきたいわけなので、きょうは消防庁おいでになっていますね。――消防庁来ていただきましたので、消防庁の方からこの辺の違いがどうして出てきているのかということについて、消防庁としてはどうしてこういうかなり大きな数が出るのか、その説明をしていただきたいと思います。
  183. 中川登

    ○中川説明員 消防白書に出ておりますガス災害の件数は、一般住民からの火災、その他の災害に関する通報または要請に基づくガスにかかわる消防機関の出動状況を集計したものをあらわしてあるわけでございます。
  184. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) そうしますと、消防庁としては一般住民から火災が起きたとか、そういうことで通報を受けて出動しますね。あるいはガス中毒だというようなことで救急車が行く。そういうやつも入るわけですね。しかし、いずれにせよ火災で実際の原因がどうであるかということは、消防庁としていろいろ調査されて、原因別に火災もAとBというふうに分かれますね。そこまでよろしいと思うのですが、火災Aと火災Bはガス事故に限って言うとどういう違いがあるのか、それをちょっと説明してください。
  185. 中川登

    ○中川説明員 ガス火災といいますものは二つありまして、まず一つはガス器具、ガスの燃焼器具、ガスこんろ等から火災が上がった場合と、ガスそのものが漏れましてそれに直接着火した場合と、両方あるわけでございます。ガス火災Aというのはガスに引火した場合でございます。ガス火災Bというものはガスを燃料とする器具等から、過熱その他によって出火した場合ということになっております。
  186. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) もう一つ伺っておきたいのですが、たとえば消防庁としては火災の後でいろいろ判断しますね。それで結局これは火災のAである。Aの場合は漏れてですか。ガス管が漏れていた、そして、どこかでたばこの火あるいはマッチをすったのでそれが引火したというのがAになるわけですね。Bの場合は器具から過熱して、これもいろいろあって、上からふきんが落ちてきて火事になったとか、余りにもガス器具を木の壁の近くに置き過ぎたので過熱したとか、そういう原因が明らかになってA、Bと区別されるわけですね。そうしますと、その場合どうなんですか。通産省がとっている報告の場合ですと、ガス事業者報告することになるのですが、三カ月、四カ月たって原因がわかったというときに、そういうガス事業者にまでそれが行って、ガス事業者通産省報告されるかどうか、そこまで確かめることはやってないわけですか。どうなんですか。
  187. 中川登

    ○中川説明員 特にそういうことはやっておらないと思います。
  188. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) そうしますと、結局、いま言いました火災AとBで、都市ガスの場合でも火災Aが二百八十五、これだけでも通産省の百三十五を上回りますし、火災B二千六百七十七、これはもちろん百三十五件を上回るという、こういう大きな違いが出てくるわけです。しかも二カ月か三カ月たって、原因としてやっぱりこれはガス漏れであった、あるいはともかくガス器具が原因になった火事であるということがわかったとしても、これが業者の方に知らされないとすれば、これは通産省の方に行かないんじゃないかと思いますが、その辺はどうでしょうか、豊島さん。
  189. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ただいま先生の御質問の点でございますが、通産省においてはどういうのをガス事故として報告するかということにつきまして、消費機器使用に伴って発生した死亡または中毒、それからガス消費機器から漏洩したガスに引火し、発生した負傷、物損等について報告を受けることになっております。いま先生の御指摘になりました火災Aにつきましては、ガス消費機器そのものが発火点ではないわけでございますので、これは仮にそういう事故が起きても報告にはならないんじゃないかと思いますが、そういうことが事前にわかるかどうかということにつきましては、私どもも、連絡がなければ原因はわからないという点も、十分そのようなことがあるのではないかと思います。ただ、いろいろなこういう事故につきましては、わりと速報としてわれわれのところに入ってきておりますので、その点では一応のガス会社の判断で来ておるものもある程度あるんじゃないかと思います。
  190. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) 私が言ったのは、当てはまらないというのはどういうことかよくわからないのですが、通産省としては、ガス消費機器から漏洩したガスが引火し発生した負傷または物損事故、それで負傷とはというふうになりますね。そうしますと漏洩した、漏れてそれに着火というのは火災Aだなんというのは、それにまさに当てはまるわけなので、当てはまらないわけはないと思います。  それからもう一つは、さっき特に消防庁に伺いましたように、実は原因が二カ月たってあるいは三カ月たって初めてわかったという場合に、消防庁としては、それを特に業者に対してこうであったということを督促してないとすれば、通産省として督促しているわけですか。
  191. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ガス事故につきましては、われわれとしてはできるだけ早い機会に情報をとっておりまして、たとえば東京の池袋で何か事故があったというようなときには、直ちにそれを報告さしておりますので、その原因につきましても、よくわからないときには督促はいたしておりまして、毎日というわけにはいきませんが、どうなったかということは十分督促しておるところでございます。
  192. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) 先ほどの答弁では、業者が判断されてやるからというようなことを言ったんですが、今度は大分督促するというので、少しニュアンスが変わってきました。督促するにこしたことはないわけですから、私は督促が悪いということは言ってないのですが、しかし余りにも事故の件数、違いが大き過ぎますね。百三十五件と六千三百七十六件というもの。これは通産大臣もよく聞いておいてくださいよ。LPの方でいくと六百三十七と五千九百十八件と、余りにも違いが大き過ぎます。やはり通産省でも保安対策をやる目的は、通産省行政官庁として安全を守っていくわけですから、事故のとらえ方というのは、より全面的、より詳しくなったのにこしたことはないわけですね。ここだけが自分の守備範囲だから、あとは知らなくていいんだというような態度じゃそもそもできないんじゃないかと私は思います。  そういう点で、そういうことではちょっと困ると思ったんで、また行政管理庁の都市ガス液化石油ガスの安全確保等に関する行政監察結果に基づく勧告というのを私持っておりますが、ここでも同様の勧告がされたと私は思いますし、それに対する通産省の回答というものが、先ほどのいわゆる勧告は五十一年十一月、通産省の回答は五十二年四月二日にありますが、その一つの問題を言いますと、第一の点として、これは勧告文で言いますと、ガス事業者報告のところで、「ガス事業者の中には、一部のガス事故をはあくしていないものがあり、また、調査した百九ガス事業者の中にはガス事故の発生を承知しながら報告を怠っているものが六事業者二十九件ある。」という行管報告もあるわけですね。だから、やっぱりガス事業者報告だけに頼っているということに一つ消防庁との大きな違い――消防庁の方は、ともかく何とかしてくれと言って呼びますからね、消防車でも、事故が起きたと。そういうものと、やはりガス事業をやっていて、ガス事業者が余り事故が起きたということがたくさん報告されることは、いろいろ監督されてということ、利害関係の出てくる事業者報告に頼るということとの違いがあると思うし、あると思うだけでなしに、行管のこの中にもこういう答えが出てきますし、それからそれに加えて、時間も余りありませんのでもう一つ聞いておきたいのは、この行管勧告の中にも、通産省としての事故の把握状況がどうも狭いんじゃないか、人身事故に限っているのは狭いのではないかという勧告もあります。もちろん、この狭いのではないかという勧告に対しまして、私先ほど挙げましたところの通産省の翌年四月の回答ですか、この回答よりも、通産省が翌年三月二十九日に通達を出す中に、いわゆる人身事故だけでなしに物の破損ですか、そういうものは入れたと思うのですが、この一九七七年三月二十九日の通達のまた翌年に、実はこの問題で、ガス事業大都市対策調査会、これは七七年五月でありますが、その中でやはりこの問題が取り上げられてきまして、もっと、「報告の対象とするべきガス事故の範囲を広げるとともに、ガス事業者における事故情報の収集活動を更に巾広く行うよう指導するべきであろう。」とありますね。だから、行管で言われて、通産省がその翌年通達を出して、それからすぐ間もなく、このガス事業大都市対策調査会の方ではまだ狭いと言っているんですが、それはその後どうなったんですか、広くしましたかどうか。
  193. 豊島格

    豊島(格)政府委員 行管勧告に基づきます物損を加える点につきましては、先ほど先生の御指摘のありましたように通達を出しておりますが、それ以上に広げることにつきましては、まだ現在の時点では報告対象を広げるということはいたしておりません。
  194. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) これはずいぶんおかしいんですね。今度の法案は、やはりこの調査会の報告を受けて今度の改正をやると言って、その趣旨はぼくは賛成で、大いにやらなければいけないと思うんだけれども、こういう大事なところを受け入れない、大事なところはこれ以上やりませんという答弁であります。それではさっき私が言ったような、消防庁とそれから通産省とに余りにも大きな開きが出てきて、それじゃ通産省として本当にいまのガス事故の全面的な把握とか、それに対して何を打たなければいけないかというのは出てこないんじゃないですか。そういうことで、さっき言った、この行管の方で、特にガス事業者に対して、ガス事業者の中には明らかに報告を怠っている者があると言ったけれども、この点に関して言えばその後どういう対策がとられましたか。改善がどういうふうに行われましたか。
  195. 豊島格

    豊島(格)政府委員 行管勧告によりますと、事故のあったことを知っていながら報告をしなかった事業者がいたわけでございますが、これに対しては通達を出して、当然そういうものを厳守すべきであるということを強く言っております。さらに加えまして、消費者にも働きかけまして、実態を十分ガス事業者自身もつかむようにということも、重ねてガス事業者に対して通達で指導しておる次第でございます。
  196. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) あくまで業者を通じて消費者に呼びかけて、広く徴収せよというのでは、やはりいつも業者が真ん中になってくるので、私、時間があれば通産省消費者との関係を後で伺いたいと思うのですが、その前にもう一つこの行管の中で指摘されましたところの、この二十八ページの中にありますが、要するに地方機関、これは通産局あるいは場合によれば都道府県になりますが、それと消防機関の把握と警察機関の把握がずいぶん食い違っておる。食い違っているから、そういうことをなくすためにはもっと連携とかいろいろ体制をとるべきではないかということを行管からも指摘されていますが、これは一体どのようにやられているんですか。これがやられていればああいう大きな違いがいつまでも続くというのはちょっとわからないわけであります。
  197. 豊島格

    豊島(格)政府委員 先生指摘の、消防庁と通産省との統計が非常に違うという点につきましては、先般参議院でも同じような御指摘がございまして、私どもその点を十分チェックをいたしておるわけでございますが、その中には、通産省事故報告として必ずしも従来行政目的としてとらなくてもいいんじゃないか、こう思っておったものがいろいろあるわけでございまして、たとえば具体的に申しますと、救急車を呼んだけれども、別にそれほど大したことじゃなかったというようなものがあるわけでございます。しかし、いずれにしましても、事故の実態の把握を充実させるということは非常に重要なことでございまして、この法律を提出するに当たりまして、消防庁ともいろいろな点で御相談をいたしたわけでございますが、今後、消防庁との間では情報交換をさらに密にしていこうということを申し合わせたところでございます。なお、その情報交換を通じまして、通産省として従来ガス事業者を経由してとっておりました事故報告内容が、これで十分であるかどうかという点についても私ども前向きで検討をいたし、すべて消防庁の統計と同じことになるのがいいかどうか、この辺のところはこれからの検討でございますが、少なくとも通産省として把握すべきものについては十分把握できるようなことにいたしたい、このように考えております。
  198. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) その点についてもうちょっと伺いますが、その前に、消防車を呼んだりしたが、中には大したことなかったのがあると言ったが、それは当然だと思うのです。だけれども、だれでも火事になっては困ると思って呼ぶわけであります。しかし、ともかくさっき言いましたように、通産省と消防庁との違いというのは、火災A、火災Bとしても、確実に火災までいって原因調査までされたものでも非常に大きく、けた違いに違うわけですから、それは空で消防車が呼ばれておるわけじゃありませんから、そのことを指摘しておきます。  もう一つ、行管の問題でその後どうなったか押えておきたいのは、通産省の方の統計で、原因調査が、原因となった消費機器の品目について集計しているのみで、ガス事故についての原因消費機器状況等が明らかにされていない、この辺は相当改善されたわけですか。
  199. 豊島格

    豊島(格)政府委員 その後機器別に原因を究明いたしておりますので当然行管指摘の点は改善されておると思います。
  200. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) 実は原因をやるのに、どこまでが利用者、消費者責任でというところあたりで、通産省のとらえ方にかなり疑問を感じておりますから、時間があれば後で伺いますが、じゃあともかく、先ほど豊島さん御答弁になった点なんですが、消防庁と同じところまでいかないまでもと言って、それは積極的でいいと思うのですが、しかし、ともかくこれまでの消防庁の集計とガス事業者からの報告とを具体的に突き合わせて、相当漏れているとかあるいは実際どこまできちっと報告がされているのか、こういうことを一つは突き合わせて本当に調査してもらいたいし、するのかどうかというこういう点ですね。それと同時に、いまさっき言いましたように、もともと業者から求める対象そのものを非常に狭くしているんでなしに、もう少し広くとるとか、そういう検討もするのかどうか、その辺についてもう少しはっきりしていただきたいわけです。
  201. 豊島格

    豊島(格)政府委員 消防庁との数字の食い違いにつきましては、参議院でも御指摘がございましたので現在すでに突き合わせをいたしております。それによって、どういうところがわれわれの事業者からの報告によって報告が出てないかということも大体判明しておりますが、しかしその中でも原因不明のところがありますので、さらにその点はよく調べてみたいと思います。  それから、今後報告書の内容をどうするのかということでございまして、消防庁は消防庁としてのお立場からとっておられますが、われわれのとっております過去の事故報告が、消費者の安全ということから見て、十分行政目的にかなったものであるかどうかという点につきましては、この際もう一度見直して、追加すべきものがあれば追加していくという考えであることには変わりありません。
  202. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) いずれにせよ私は行管勧告と、その後のガス事業大都市対策調査会で出された方向がまだ十分やられていない、そこの辺での努力をしていただかなければならないと思うし、とりわけ火災の場合なんかですと何カ月かたって原因がわかる、そういう原因がわからないうちは、事業者報告しないで済まそうと思えば済んでしまいますから、そういうところまで原因がわかれば消防庁の方からもちちゃんと通知が行って、それがまた業者から報告が行くとか、そういう体制というのが要ると思います。  そこで、もう時間がありませんので次の問題を申しますが、要するに先ほど私挙げましたガス事業大都市対策調査会の五十二年五月の答申、この中で「ガス消費機器の安全性の向上に関する対策」と、「ガス消費機器設置に関する保安対策」、それから「ガス消費機器使用・管理に関する保安対策」と、一応三つ出たんですが、まん中の2の「ガス消費機器設置に関する保安対策」、これを今度法律化したというふうに理解しておりますが、そうだとするとその他の対策は一体今後どうなるのか、伺いたいと思います。
  203. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ガス事故原因でございます三つの点でございますが、消費者のミスということによって生じる事故につきましては、消費者に対する安全性のPRを周知徹底を進めるということが一番大事である、このように考えております。それからガス用品につきましては、やはり事故の起こらないようなガス機器というものをつくっていくことが必要なわけでございまして、これは消費者が使う場合に、消費者に余り過大な神経といいますか、注意を払わなくても事故が起こらないようにするということが肝心でございまして、すでにガス機器の中には口火安全装置等がついているものもございますが、さらに空だき防止装置とか、換気扇と連動するような装置をつけるというようなことで、技術基準といいますか、そういうものを強化する方向で現在検討しておりまして、ほぼ成案を得ておるところでございます。
  204. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) 私が伺ったのは、この答申の中で、特にガス消費機器の安全性の向上に関する対策と、使用、管理に関する保安対策、それを含めて三つ出されたうちの、ガス消費機器の安全性と使用、管理に関する保安対策というのがどう具体化されていくのかということを伺ったのですが、最後の点の御答弁がなかったのですが、きょうこれは省きます。  いま言いましたガス機器のもので空だき防止とか言いましたが、これもさっき言った行管勧告の中の二十三ページですね。LPGのふろのバーナーなどは空だき防止装置を義務づけているけれども都市ガス用にはまだ義務づけていない。空だき事故は大変多いわけですね。なぜ義務づけていないのか、行われてないのか、こういうことや、あるいはこの中の二十ページから二十一ページにありますが、たしか検定品目の中にも不良器具があるけれども、しかし検定品目外のこんろ、ゴムホース、ガス漏れ警報器なども不良器具がある、あるいは検定品目よりもっと構造が複雑なもので検定品目とされてないものがある、時間がないからいろいろ言いませんが、具体的に指摘されています。たとえばこういう行管指摘を受けてもう二年半たっていますね。それが今度成案を得たというのですが、少々やっていることが遅いのではないだろうか。これはさっき言いましたガス事業大都市対策調査会の中にも対象品目を拡大せよというのが真っ先にありますね。そういうことで、これも答申が出てから二年たっているのですが、どうも対応が遅いように思われてしょうがないのです。それで伺ったのですが、これをどのように急いでいくのか、その後どうしようとしているのか、もう少し具体的に答弁いただきたいと思います。
  205. 豊島格

    豊島(格)政府委員 ただいま御指摘の、空だき防止装置とか換気扇への連動装置等につきましては、すでに行政指導でやっておりまして、空だき防止装置につきましては事実上つけております。それで、これを法律上強制するための準備はほぼ完了しておりますので、近く法律的にも実施できる、このように考えております。  それから品目につきましては、行政管理庁から指摘されるまでもなく、いろいろと問題があるものもございまして、現在追加について同様検討しておりまして、これもなるべく早く必要なものは追加していくということで処理したいと思っております。
  206. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) それでは、時間も参りましたので最後に一問だけちょっとやらしていただきたいのですが、経済企画庁が委託調査した、都市ガスLPガス保安に関する消費者の意識調査通産省は御存じですか。そして、それでどういうことをお感じになっているか、それだけちょっと最後に聞かしていただきたい。
  207. 豊島格

    豊島(格)政府委員 大変申しわけございませんが、私現在覚えておりません。
  208. 工藤晃

    ○工藤(晃)委員(共) 私これで質問を終わりますが、通産大臣も聞いていただきたいのです。  これは企画庁として、消費者団体、全国地域婦人団体連絡協議会に委託した調査で、やはり官庁としてやったものなんです。さっき言ったように、業者だけを通じていろいろと情報をとる、業者から消費者に呼びかけさせるという姿勢でなしに、こういうところでどういうことが消費者の問題になっているか、せっかくやられているのが利用されてないというのは大変残念なことで遺憾である。そういうことで、ここらあたりにこの法律ができたとしても進める上での問題点がありますので、きょうは時間がないのでこれで終わりますけれども、重々こういう点を注意していただきたいということを最後に述べまして、私の質問を終わらしていただきます。
  209. 江崎真澄

    ○江崎国務大臣 ただいま部長からは、よく知らない、いま記憶しない、こういうことですが、当然これは役所間で係同士の間の関連はあるわけでございまして、恐らく質問の御通告がありませんでしたために、部長自身は的確に把握していないと申しましても、やはり下部の方では当然重要な資料としてそれが利用されておるというふうに私考えます。よく実情を調べましてまた御答弁申し上げます。
  210. 山下徳夫

    ○山下(徳)委員長代理 次回は、明二十五日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十六分散会      ――――◇―――――