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天谷政府委員 一昨年から昨年にかけまして、御高承のとおり為替の急激な変動がございまして、そのためにいわゆる差益還元という問題が起こったわけでございます。この差益は、昨年十月から本年三月までの間に、
ガス料金の特別割引
措置ということで還元をいたしたわけでございますが、この問題に
関連いたしまして、今後またこういう急激かつ大幅な経済変化が起こった場合に、一体この料金をどういうふうに直したらいいのかという、こういう問題が起こってまいりましたので、この問題を検討していただきますために総合
エネルギー調査会に御審議をお願い申したわけでございます。
総合
エネルギー調査会の都市熱
エネルギー部会におきまして、昨年十一月からことしの三月三十日まで御検討いただいたわけでございますが、検討の
課題といたしましては、第一に、急激かつ大幅な経済変化に
対応する料金のあり方、第二番目に、経理を中心とする企業活動の
内容の公開及び広報活動のあり方、三番目に、液化天然
ガス導入に伴う環境の変化とそれに
対応する料金のあり方、四番目が、
工事負担金のあり方、この四点につきまして御審議を願いまして、三月三十日に中間
報告をいただいております。
中間
報告の中身、少し長くなりますが、
お答え申し上げますと、第一点が、急激かつ大幅な経済変化によりまして、
事業者に過大な利益が発生する場合どうするかということでございますが、この急激かつ大幅な経済変化というのは大体例外的に起こることであって、したがって、そういう例外的な事態に事前に対処方針、対処方法を定めておくということは困難である、したがってケース・バイ・ケースに対処せざるを得ないから、大体はそういう事態が起こった場合には、この
調査会の意見を聞いて対処すべきであるという、非常に常識的な結論をいただいております。
第二番目が、企業活動の
内容の公開及び広報活動でございますが、
消費者、地域住民等の
理解を深め、事業の円滑な遂行に資するためには、広報というのは非常に必要でございますが、これにつきましては、
事業者が自主的な判断に基づいて積極的に行うべきものであるという結論でございます。
第三番目、LNGの導入促進のために新たな特約料金
制度を設定し、主要工業地帯に潜在する良負荷の大口工業用の
エネルギー需要を、
ガス事業向けに顕在化させるということは望ましいことである。これは、いまのLNGの
使用が季節的に非常に偏りがありますので、これをならすためには、大口の工業需要というものを開拓した方が、結局資本費の負担が全体に分布されまして
合理化されるということでございます。これは、
エネルギー資源の多様化に資するだけではなくて、LNG関係
設備の
使用効率を高めまして、一般需要家の負担軽減にも役立つということでございます。
それから四番目が、
既存需要家と新規需要家との間の負担の公平の
確保及び新規需要者問におきまして
ガスを引く後先によりまして不公平ができる、これの是正を図るためには、
工事負担額の算定
基準の改正及び均等割方式に関しまして、より一層これの弾力的な活用を図っていくことが望ましい、こういう結論をいただいております。