○川本
説明員 お答えいたします。
先生先ほどからおっしゃっておりますように、
災害が起こりますと
災害復旧、いわゆる改良
復旧という方途も入れまして改良
復旧に広い方面で手を加えていくという方策を立てておるわけでございますが、おっしゃるとおり
災害を未然に防ぐということがまず第一必要でございます。それにつきましてはやはり洪水調節のダムとかあるいは山奥の砂防とかそういったものも含めましていわゆる河川の治水
対策といったものを強力に進めていかなければならないと私
ども思っております。
しかし、現実といたしましては、大河川、中小河川それぞれ暫定目標を立てておりますけれ
ども、それにつきましても
昭和五十一年度末におきましては大河川につきましては五二%の進捗率、中小河川につきましては一四%の進捗率、そういうふうな非常に低い水準でございます。それを何とか挽回したいということで第五次の
治水事業五カ年
計画を五十二年度から発足させまして、ただいまのところ順調に進んでおりまして、
昭和五十四年度におきましては
予算を入れますと進捗率が約五七%近くなるということで順調に進んでおりますが、これをさらに強力に前倒しで促進してまいらなければいけない、そう思っております。
それから、
都市化の進みました河川の流域におきまして、先生おっしゃいましたように流域の開発が非常に進んでおるじゃないか、それに対して河川の
整備がおくれているじゃないかという問題がございます。これにつきましても、私
どもといたしましては河川の
整備をさらにスピードアップさせるということは当然でございます。これは私
どもの役目でございますが、流域全体をひっくるめまして流域の保水機能、遊水機能、そういったものをできるだけ確保し、河川の
整備水準とバランスのとれた方策も考えていかなければいかぬのじゃないかということで、実はこれを私
ども総合治水
対策と称しておりますが、そういった流域全体をひっくるめました総合的な治水
対策、そういったものを何とか
推進していかなければならないのじゃないか、そう思っております。それにつきましては、
昭和五十四年度より河川サイドといたしましては総合治水
対策特定河川
事業というものをスタートさせまして、全国で九河川でございますが、これにつきましても流域の市町村等含めまして流域の協議会をつくりまして、その中で河川の
整備とそれから流域の開発の状況、そういったものをにらみ合わせた総合的な
対策をやっていこうということをスタートさせております。
そういったことで、いろいろな面を含めまして流域の遊水地確保といったようなことでは、たとえば多目的遊水地であるとかあるいは
防災調節池であるとかあるいは雨水貯留、そういう
事業もスタートさせておりますし、いろいろな面で遊水機能の確保を図るための方策をやっていこうとしております。そういった面で今後とも努力していきたい、そう思っております。