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大出委員 この資料をちょっと回していただきたいのです。——いま私が差し上げましたのは、これは
松野さんにも差し上げていただいてありますから。例の海部八郎さんがお書きになったものです。筆跡鑑定を非公式に依頼をいたしましたが、こういうふうに返事が戻ってきております。海部八郎の自作と断定された二枚の海部
メモと同一人物によって書かれたものとの結果を得た。その根拠は、防、海、機、話などの漢字の崩し方が独特で、同一の特色を持っていること。ました、に、などのひらがなの筆跡が、酷似でなくて極似している。字のつなぎ方が同一であること。願ひました、などと願ひになっているわけでありますが、旧かな遣いを使っていることなどである。したがって、これは新しい海部
メモという書き方を新聞がいたしておりましたが、海部本人が作成したものと断定して差し支えない。
公式に筆跡鑑定を求めますと二カ月かかります。前回私が
予算の
理事会を通じて三人に鑑定依頼をいたしましたが、あの二枚の海部
メモと同じ時期に同じ方法で
日商岩井から外部に出ました。そしてそれがこれでございます。このほかにも、いま
アメリカにおいでになります週刊ポストの記者の安田弘道さん等々が指摘をいたしております海部氏からの西川
社長あての
メモ、あるいは海部氏から「
松野頼三先生侍史」あるいは海部氏から「中村長芳先生侍史」、こういう書数が指摘されておりますが、調べてみましたが、同じ時期に
日商内部から外に出ております。前の二枚の鑑定をいただきましたのも実はそこに一つの根拠があったわけでありますが、あれは三人の鑑定家の方々が同一の人である、海部さんであるということを科学的に
結論づけておいでになります。これ見ていただければ、海部
メモをごらんになった方ならば、ごらんになればすぐわかります。御本人の字です。海部さんの字です。読ましていただきます。
「西川
社長殿」西川政一
日商岩井社長「
防衛庁最高幹部
人事更迭運動遂に成功し」ちょうどこれは四十二年七月の末にお書きになっているようでありますが、このときは海原さんは国防
会議事務
局長で出ていってしまう。牟田さんが空幕長の跡は継いでおられる。この牟田さんが早期退陣の話があったのが明年八月まで延びた。これでファントム
人事ができたと
日商の
航空磯部は祝杯を上げたというときの
メモでございます。「
防衛庁最高幹部
人事更迭運動遂に成功し海原氏は
防衛庁を出て国防
会議へ転出、田中空幕副長は管区司令官、」ついに人望ある副長は空幕長にならなかった。牟田空幕長は「明年八月迄留任と
決定し、伊藤忠派課長級に到る迄移動され、」
ノースロップ、伊藤忠。海原さんもあるいはそっちの方だったかもしれませんが、「移動され、PHANTOMに対する
人事はこれにて出来上りました。これは
松野頼三、岸先生、」これは大変恐縮なんですが、
増田さんの名前が出てまいりますが、私が書いたのではなくて、後から申し上げますのでお許しをいただきます。田中六助さんも出てまいりますが、これまたひとつお許しをいただきます。
真相解明をしたい、そういう気持ちでお読みいただいているわけでありますから。「合作劇であり海原も大分抵抗し、相当なものの様で、岸先生も大分佐藤を動かした様です。機会があれば
社長よりも御礼申して下さい。伊藤忠の受ける打撃相等なものと思はれます。」少しこれは浮かれ調子で書いておりますが、時期が時期ですから出然でしょう。「有森君の件については、これは我儘でサラリーマンが嫌で、もう何年も以前より止めたいと言って居り、橋本専務とも話した様ですが、止むを得ない、恩を知らぬ労と思ひます。父親の方」有森中将閣下でございましょうが、「父親の方は大
反対ですが本人が頑張る横様です。これは辞職止むなしと思ひます。」ここから下のところ、大変これは恐縮で、
増田先生は、先ほど私申し上げましたように高潔な方でございまして、
日商君井の自治省届け出を見ましても、びた一文
政治献金が行っているわけでもありません。しかし、これはこう書いてあるので、ひとつそういう
意味で御勘弁を願いたいと思います。田中六助さんについては、どうも千四百万ぐらい十年間でありますから、まあがまんしていただきたいと思うのであります。しかし、他意は全くないんで、
松野さんについてお聞きしたいと思って出します。「尚、今回の件に関し
松野、六助、
増田氏には多少挨拶したいと思ひます。」あいさつというのは、山村謙二郎
証人のときに、あいさつとして
政治献金を決めると、こういうふうに国会で答えておりまして、気になるのでありますけれども、そういう
趣旨でございますので、
増田先生あるいは田中六助さんには御勘弁を願いたいと存じます。
松野先生はこれは五億円というのがございますので、ひとつこれは御勘弁をいただきたいのですが、ここに書いてあるの、これ私全く違わないんですね。
松野さんにもさんざん
質問をし、ファントム問題も
増田さんにももう
質問を続けてきました、長いこと。
予算委員会でもやりました。裏の方のことについても逐一いろいろ言ったこともあります。
防衛庁の黒い墓標から、葬送行進曲から、海原の隻句から、みんな読んで聞いてまいりました。喜ぶだろうと思います、これができれば。だから私は大筋はこういうことではないか。全く否定なさいますか、
松野さん。