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渡辺(武)
委員 なかなか了解できないところなんですがね。開発がされますと、その付近は当然上がっていくんですよ。物価上昇の何倍という勢いで実は上がっておる。私の近くにもございます。ところが、それが範囲の問題だとか、いろいろなむずかしい問題があるでしょうが、しかし
調査をしておるうちに取引が、申請をしたから、それで見合わしておる、こういうお話でございますが、そういうことが根になって、実は非常な勢いで間接的に土地の値上がりというのを刺激しておることは事実なんですね。だから少なくとも規制区域を指定する場合は、われわれが当初、法律をつくるときに
考えたのは、普通物価上昇以上に地価が値上がりしたときには、これは直ちに発動しろ、こういう
考え方であったはずなのです。それが最近では、物価水準の三倍、四倍というふうに地価が上がっておるにもかかわらず、現実はやはり野放し的な
状態になっておる、こういうことですから、もしも現行の法律でその規制区域が指定しにくければ、もう少し局部的な指定ができないかどうか、そういうことも、法律改正もあわせて
考えていく必要があるのではないか。特に要望をいたしておきたいと思います。
次に、今回の
日本坂トンネルの
事故について御
質問を申し上げたいと思いますが、
安全対策というものは、実は言葉は悪いのですけれ
ども、本来ばかよけ
対策でなければならぬ、こういうふうに言われておるのですね。つまり交通事情に対する知識の大変乏しい人であっても十分対処できるような
対策、これが本当の
安全対策であるべきなんです。今回の
事故を分析いたしていきますと、あれだけ大きな
事故になったのは二次的な災害、つまり当初、実際に
追突事故を起こして炎上いたしましたのはわずか数台の車ですね。それが百数十台に及ぶ後続車が
トンネルの中に入っていってしまった。それによって、いわばはかり知れない、ああいう大災害になった、こういうことですね。つまり後続
車両の
トンネル進入というこのこと自身が実は非常に大きな災害につながっていったわけですよ。
公団側に言わしむれば、
火災発生の通報と同時に
トンネルの外にある電光標示板で
火災発生というふうに知らせたから十分知っておったはずだ、こういうふうにおっしゃっております。しかし、先ほ
どもちょっと話がありましたけれ
ども、
道路上についております電光標示というものの信頼性といいますか、これはドライバーにとっては非常に薄いものになってしまっておる。首都高速なんかでも、よく出ております。渋滞何キロと出ておるが、実際に入っていってみると大して渋滞してない。あるいは
事故処理中と書いてあったけれ
ども、そこを飛んでいってみたら、もう
事故の処理は終わってしまっておった。こういうことが実は間々あるわけですね。しかし、これは実際に情報提供のタイムラグがあって、ある程度やむを得ない面もあろうかと思いますが、そういう
状況の中で、電光標示による警告というものに対するドライバーの信奉性というものが非常に薄くなっていっておる。ましてや
高速道路でございまして、いわば百キロで走っておるわけですから、この百キロで走っておる車を本線上において停止をさせるということは、単に電光標示板の一カ所ぐらいで知らせましても、なかなかそうはいかない。これは私自身もドライバーでございますから実際に経験がございますけれ
ども、ああいう情報提供は、ドライバー自身の心理的には余りにも弱いものだと言わざるを得ないのですね。
そこで、再び
不測の
事故が
発生した場合に二次的な災害を防止するということが非常に必要ではないだろうか。特に
建設省側としては、そういうドライバーの心理面を十分
考えた予防
措置というものを
考えていかなくてはいかぬではないか。私
どもが車を運転しておりまして、道の側面に電光標示板が一カ所ぐらいあったといたしましても、それは本当だろうかというような疑問がまず出てくる。そして一カ所だけならば、どんどんと
車両が走行していれば、それに続いて行ってしまう、こういうことですね。したがって、その情報提供の方法というものも十分に
考えておかなければいかぬ。ましてや
トンネルの直前ぐらいに——この間、見に行きましたけれ
ども、あれは直前にあったのですね。あんな程度では、とてもじゃないがだめだ。少なくとも五キロぐらい前から、そういう勘案をしなければいかぬ。しかも視覚に訴えるだけではなくて、やはり聴覚にも訴えるような警報装置というものを
考えていく必要があるのではないかというふうに
考えるわけです。さらに、警告ランプ等も
考えようとすれば
考えられないことはない。点滅するランプが非常にドライバーの心理に影響して、これは何かあったぞというような警戒の念が発せられるような方法、こういうことが必要ではないだろうか。単に電光標示板があったから、それで
管理上手落ちがなかったと言い切れるかどうかということに対しても実は非常に疑問があるわけですね。
まあ
鈴鹿トンネルの災害を教訓にして、いろいろ
トンネルの設備等を
考えたとおっしゃっておりますが、ああいう普通
道路と
高速道路とでは、おのずから質的に違いがあるわけですね。普通
道路では少なくとも最高時速六十キロ。まあ六十キロを許しているところは、いまほとんどないのです。せいぜい五十キロなんですね。そういうところと百キロで走っているような
高速道路とでは、それは中の
火災が
発生したときの
状況は多少参考になるかもしれぬが、百キロで走って、どんどんと
トンネルの中へ突入していくというような
状況は、これは全然、
鈴鹿トンネルなんかの比ではありませんよ。だから当然それは
鈴鹿トンネルの
火災の教訓を得て十分に
対策をした、そのこと自身に、もはや誤りがあるのではないだろうか。本当の百キロの高速で走っておる
道路の中にある
トンネル、それに対する予防
対策として本当に万全だっただろうかどうか。
公団側は確かに国の基準を満たしておるから
管理上
瑕疵はなかった、こうおっしゃっておるのですがね。それは単なる国の基準であって、その基準が正しかったかどうかという問題が当然あるわけですから、これをあながち完全に
公団側に落ち度はなかったと言い切れるものではない、そういうふうに
考えておるわけですが、そういうような二次的災害
発生のこれからの予防
措置についてはどのようにお
考えになっておるでしょうか。
これは、いま前々の方々の
質問によると、いま
事故調査等をやっておるので、
消防庁や
警察の
調査が済んでから
考えるというのですが、
補償の問題では、それでもいいかもわかりませんけれ
ども、
対策面はそんなことではないと思いますので、当然やはり
考えられておかなくてはいけないのではないか。この辺をまずお聞かせ願いたい。