○松本(忠)
委員 いまのお話で、よくわかるわけですし、先ほど私から申し上げたように、
計画を立てて、がっちり、その
計画のとおり進んでいけば問題はないわけですけれ
ども、ときどき、いろいろな問題ができるたびに、いま、お話のあった
計画のとおり進むことを私は大いに期待するし、また、そうなってもらわなければ困ると思うわけです。ぜひ、その
計画どおりに工事が進行するように
お願いをしたいと思います。
いまもお話のあったような東武東上の橋脚の問題も、あるいはまた神田川の方の江戸川橋、またその下流の水道橋の問題、こういったものが全面的にでき上がってくれば、まずまず
東京のいわゆる、この年中行事がもうなくなるのではなかろうかと思いまして、私はその点を非常に期待をしているわけでございます。
特に今回、私、
調査をしてみまして、いままでも感じていたのでありますけれ
ども、下水道の
整備という問題と中小都市河川の
整備というものがアンバランスになっているのじゃないか。要するに受けざらができないうちに下水道の方が先にできちゃったということが、やはりアンバランスで、これを解消しないと、なかなか大変じゃないか。いま河川
局長からお話のあった川自体の改修、それは確かにできますけれ
ども、なかなかこの問題は後まで尾を引くのじゃなかろうかということを考えるのです。要するに河川の抜本的な改修というものが先行して、それに連携のとれたところの下水道の
整備というものがなされるべきであろう。ところが、そうではなくて逆になっちゃっている。
特に問題は、都市の道路その他の舗装化、コンクリートとかアスファルトでもう舗装されてしまっている。そういったために雨が降っても水が地下に浸透していかないということがあるわけですね。そのためか、雨が地面の中にしみ込んでいって自然と出ていくのなら問題はないのですけれ
ども、一挙に下水道を伝わって中小河川に流れ込んでしまう。これは私も調べてみますと、私の住んでいる北区で、公立の中学校が二十あるのです。それから公立の小学校が四十六校あるのですが、合計で六十六校のうち土のところは一校しかないわけです。あと六十五校はダスト舗装とかアスファルト舗装というふうになっております。小学校の庭とか
公園とかというところだけは、ぜひとも土の舗装にしておいて、少なくとも、そこだけでも雨がしみ込んでいけるようにしたらば、ずっと違うのじゃなかろうかと思うわけです。確かに、雨が降れば、それが下水道を伝わって一挙にどっといくものですから問題になってしまう。
東京都の
建設局の方の記録も私、調べてみますと、
昭和五年には降った雨の四〇%が流入する、そして、その雨水が隅田川に流れ込むまでには五時間四十分かかると想定した。ところが四十五年には八〇%、二時間二十分、こういうふうに想定されているわけです。現在では、それよりもますます舗装化が進んでおりますので、その率ももっと高くなっているであろうし、時間はもっと短くなっているだろうと思うわけです。
今回の水害を体験された方々の話を聞いてみますと、あれは真夜中でございますから、余り近所が騒ぐので、びっくりして起きてみると川が目の前であふれる瞬間だった。道路よりも少なくとも一メーター五十くらいは障壁ができている。それを越えて出てくるわけですね。そのあふれる瞬間だった。大変だといううちに、どんどん床上浸水になってしまった。ですから一階にあった荷物を二階へ上げることもできない。大体あの辺の家は道路よりも三段ないし四段くらい段々をして、少なくとも川の方の障壁よりも玄関の方が幾らかでも高くなっているような家屋の構造で、毎年毎年被害を受けるものですから全部、自分でそういう防御をやっているわけです。それがまたたく問に水がふえてしまう、こういうことでございます。
それから、もう一つはポンプ場があって、それから下水をくみ出すようになっているところもある。ところが、そのポンプ場の周辺が水がいっぱいになってしまう。そしてポンプの方の能力を超えて、そこに水が押し寄せてきますから、くみ切れない。そこでポンプ場の周辺が浸水してしまう、こういう例もあります。
それからまた、水が逆流してくる。その逆流がどこから来るかというと、ふろ場から来るのです。表から入ってくるのじゃなくて、おふろの流し口のマンホールから、ばあっと黒い水が吹き出すのです。見ているうちに、まず家の中から浸水が始まってしまう。こういう
状況をいっぱい私、見ておりますので、何とか早くしてやりたいと思うのです。いまのお話のように、神田川にしてみても、
昭和の初期には五十ミリの雨に対応できるように改修されていたけれ
ども、現在では三十ミリが限度だ、こうなっていますね。そういうことで、いわゆる都市型の鉄砲水がどっと一度に来るわけです。
こういう問題を直すのには、まず何といっても、いわゆる下水道
整備と中小河川の
整備のアンバランスを直すことがまず先決だ、こういうふうに私は思うわけでございます。私のところにも、いろいろな意見を言ってまいりまして、たとえば道路にしみ込まさないから水が出てくるのだから、しみ込むような舗装にしてはどうだ、こういうことですね。浸透性のある舗装だ、こういうことを言ってくる方もある。ところが、これにもなかなか問題があるわけです。夏場になりますと、べとべとしてしまって、どうにもならなくて、動きがとれなくて転んだなんという人が出てくるわけで、浸透性のある道路というのも、なかなかむずかしい。それからまた公共
施設の地下をため水をするようにプールみたいにしてはどうか、こういう意見も言ってくる。さまざまな意見が寄せられてくるということは、これ自体、都市の中小河川が著しくおくれていることの証拠だと私は思うのですね。
そういうことで緊急を要するところの中小河川の改修事業というものは、いまもいろいろお話がございましたように
計画を一生懸命やっていただけば、それにこしたことはないのですけれ
ども、なかなか
計画どおりにいかない。いろいろな事件が次から次へと出てきて
計画にそごを来す、これが現在の
状態です。
そういうところから考えまして、特に私、御
要望申し上げたい点があるのですが、それは河川
審議会の都市河川小
委員会で
昭和四十六年七月に「都市河川は一時間の雨量五十ミリに対応できるようにすべきである」という趣旨の「都市河川対策の進め方」という中間報告が出ています。現在、各地で実施されている改修も、この報告に準拠して行われているわけでございますけれ
ども、首都
東京においては八年前の
状態と非常に変わってきていることは
大臣も御
承知のとおりと思う。特に都市化が上流地点までかなり進んでいるわけですね。急速に進んでいます。神田川の例も申し上げましたけれ
ども、五十ミリ対応が現在は三十ミリ対応の機能しか果たせない。こういうところから、いまの中間報告の全国一律五十ミリ対応という基準を、特に都市化の顕著なところについては見直しを図るべきではないかというふうに思うわけなんです。ですけれ
ども、これも、いまも答弁もありましたし、この前、二月二十一日に私、
質問したときの御答弁の中にもあったのですが、全国の中小河川の
整備率というものは一四%です。特に
東京のような都市化の進んだところの神田川、石神井川においても三〇%だという
整備率から考えると、ひとまず、その
段階までやらなければならない。その後さらにさらに進めなければならぬ。それはわかるのでありますけれ
ども、とにかく
整備の達成というものに対して
大臣がどれほど熱意を持っていらっしゃるのか。もちろん、それは
東京都知事にも現場として責任もあるでしょうけれ
ども、
建設行政、河川行政の大元締めである
大臣として、どのようにお考えであるかを、ひとつお伺いして、この問題について終わりたいと思う。