○原(茂)
委員 私の
質問の主意もどなたかが書き間違えたのか、意識的に違ったことを言っています。
総理の答弁は私が今日まで主張してまいりましたことを十分に御存じないための大変遺憾な見当違いな答弁、第一の問題なんかは全然反論する気にもなれません。
第二の問題の一番の
中心は、何といっても実損のない者に支払われているという事実を、国民の貴重な税金をそのような使い方をされていてそれを見逃していいかというところに
中心があるわけですが、その点に対してもぴしっとした御答弁がない。せめて
総理からは、
総理が
官房長官時代に農民と
大臣との間の覚書をつくるあっせんもされた経緯がありますから、もう少しましなというか、当を得た答弁があると思ったのですが、まことに遺憾です。いまの
総理の答弁は答弁にもなっていないし、私のお聞きしょうとした問題点をことさらに避けているという点で、そのまま返上をいたします。次回に機会を見てから、改めてまた申し上げる以外にないようです。
問題の解決は早急にしなければと
考えて、きょうの機会に
総理からもう少し具体的な答弁をと
考えましたし、正鵠を射た問題の把握をと
考えていましたが、期待に反しました。これはやむを得ないと思います。したがって、きょうは時間の関係で、この問題を余り深く御存じない
総理を相手にやりとりをしましても時間のむだですから、そのまま返上をする。一切私の納得のいく答弁ではないということだけ申し上げて、終わりにしたいと思います。
それから次にお伺いしたいのは、
航空機疑惑に関してでございます。
この間、
航空機疑惑問題等防止
対策協議会なるものを
総理の私的機関としておつくりになりました。この問題について、約七点に分けて順次お伺いをしてまいります。
その前に、申し上げるまでもありませんが、一昨年、福田前
総理と灘尾現議長、
大平総理などとともに私も二十五年表彰を受けるというその
意味の親しみを込めて今日まで
総理をずっと見てまいりました。相対してもまいりました。きょうはその気持ちを前提にしながらこれからお伺いをしてまいりますが、現在国民の政治家に対する不信感が大変増大をされております。特にロッキードに次ぐ今回のグラマン汚職に関しまして、そういうことがあればあるほど、議会で古いと言われる
総理も私
どもも、院の表彰を受ければ受けるほどに、
責任を持って、一日も早く国民の政治に対する信頼を回復する。せめてわれわれ政治の場にある者の当然の義務でなければいけないと自覚いたしております。したがって、当面するこの問題、この不信というものに対して可能な限りの防止
対策としての献策や、また
総理の
意向などをお伺いして、何とかして国民の不信を薄らげるように努力したいという趣旨で、いま私のこれが緊急の義務だという前提に立ってお伺いしてまいります。
その第一は、いま申し上げました私的諮問機関の
航空機疑惑防止協といっておるものをつくりまして、一日に初会合を行ったようであります。そこで
総理が一番
中心的に言われておりますのは、私も同感でございますが、政治倫理の確立、これを主眼として提唱をされました。また、政治家には一般
民間人以上の義務、
責任といったものがあるとの見解も同時に述べられております。これは各紙が一斉に報道しているから間違いありません。
そこで、お伺いしたい第一は、今後の政治倫理の確立を
考えるときに、過去、今日までのいわゆる疑惑に関して徹底的な解明がなされなければと思うのですが、どうでしょう。いままではそれでいい、これからが問題なのです、これから政治の倫理を確立するのだというのでは、国民の不信にこたえる道ではありません。過去にあったもの、現在のもの、これに対する疑惑をできる限り私たちの力で一掃をするという前提に立った上で、これからの政治倫理をこう持っていこうではないか、これが当然であります。
こういう前提に立ちますと、少なくともいま問題になっておりますグラマン、日商岩井の疑惑に対しまして、まず
総理が率先、厳正なる態度で政治倫理の確立のために垂範すべきであると信じます。それには、過去の問題としては、ロッキードに関連したと言われ、みずから証人として
出席を望んでいる福永一臣氏の
委員会出席に関して、自民党内の反対でいまだにこれが実現できておりませんが、
総裁として、また政治家には一般
民間人以上に義務、
責任があるとの見解からも、進んで福永氏のいわゆる政治家としての義務、
責任を果たさせてあげるために、当院における証人喚問にみずから進んで出ようというのですからこれを抑えることなく、党の
総裁としてこれが出られるようにしてあげることが、まず過去に対する
総理としての
一つの義務だというふうに私は
考えますが、いかがでしょう。直ちに
出席できるように自民党内をまとめていただきたいと思うのが一点であります。
第二点は、現在の最大の問題点である岸信介氏の証人喚問についてでございますが、東京地検特捜部がなぜか松野氏だけの事情聴取にとどめたのを受けまして、岸氏は、自分は刑事上無関係であったではないか、マスコミは自分に謝罪しろという抗議文を
発表いたしました。御存じだと思います。政治家のゼスチュアとしてはわかりますが、こういう一片の抗議文を出すよりは、福永氏のようにみずから進んで証人として
出席するようにして、政治倫理、義務、
責任のあり方を国
会議員に範をたれてしかるべき大先輩の岸さんなのですから、証人として正々堂々と御自分の政治上、道徳上の身のあかしを立てるのが筋であり、政治に対する国民の不信を取り除く最高の機会でもあると信じますが、いかがでしょう。私なら当然そうしますが、
大平さんだったら一体どう対処をされるでしょうか。岸さんに進んで証人として喚問に応じられるように進言していただきたいと思うが、いかがでしょう。これが
二つであります。
三つ目には、この疑惑防止には、いわゆる
企業献金を厳禁して、党員の党費と同調者のカンパによることを明確にする何らかの法的措置を講じなければいけないのではないかと私は思う。現在のざるのような政治資金規正法に頼るなどということでは、実効は何も上がっていません。るる
指摘をされているとおりです。ここらで本気で防止をしようという
対策をおつくりになるなら、まず選挙と金、政治資金、この資金問題に対して
企業献金は一切厳禁をする、党費あるいは同調者のカンパ、これ以外は絶対いけないという、取ることのできないような、金が流れることのないような法的措置を確立するということが必要だと私は思いますが、いかがでしょうか。
第四に、
総理は選挙制度そのものを何かお
考えになっておりませんか。この種の疑惑を防止しようと
考えるときに、ただ金の面だけでなくて、選挙制度そのものにも何らかの新しい工夫が必要なのではないかというふうに言われておりますが、
総理がこの防止協に対して諮問をなさる心境の裏に、選挙制度に対して何かお
考えになっているのではないか。たとえば小選挙区制でございますとかあるいはまた名簿式の比例代表制というようなもの、何かそういったものをお
考えになっているかどうか、これを第四にお伺いしたい。
第五に、この際、政治倫理や政治家の義務、
責任のあり方を国民に問う
意味で、いまこそあるべき本来の政治家を選び直してもらうという
意味で、
国会の解散、総選挙をやるべきだと私は思う。ややもすると、いま総選挙が云々されておりますが、秋ではないかというようなことが言われていますが、いずれも
大平総理個人の党内における地位を倍増していきたいという派利派略といった感じの前提で解散、総選挙が言われているようにしかとれません。現在のところ大義名分はない。もしあるとすれば、社会党の私
どもが松野偽証による告発あるいは岸喚問等に対して不信任を出すということがあれば、それを受けて解散の機会もあるかもしれません。しかし、仄聞してわかるのですが、このような問題で解散をするということは、自民党にとって有利ではないと思う。自民党に有利でない時期に、有利でないテーマで解散ということは、どうもむずかしいのじゃないかというふうに私は
考えますから、したがって、不信任案等の問題もにわかに決定されるかどうかは疑問だと思います。
しかし、政治家のあるべき自覚、
責任あるいは政治倫理の確立という点で、いまこそ、大きく網を広げて国民に信を問うていまの政界の浄化というものを
考えていくというための解散、総選挙はあってしかるべきだと思いますし、保利さんの
意向はございますが、それにしてもこのようないわゆるテーマがある限り、
日本の政治全体の基本的な問い直しという
意味での解散をあえて
総理がおやりになるということも、いわゆる疑惑防止協に諮問をされる心境の
一つにあってしかるべきだと私は思います。いまこの機会に、これをテーマに解散、総選挙を行って、
わが国の政治そのものの基本的な倫理を確立し、政治家一人一人に負うべき自覚と
責任を選挙を通じてきちっと銘記させるというようなことをおやりになったらどうかと思いますが、いかがでしょうか。
私がこのようなことをお伺いしておりますその心境というのは、先ほ
ども申し上げましたように、いまもいま思うのですが、
大平さん、私
ども議会の古いと言われる君たちが、いまこそ、ただ糊塗をしてその日を暮らすのではなくて、しっかりとして、国民に対する政治の信頼性というものを回復する義務があるという点で、何でやるのか、どうしたらそれができるのかが毎日毎日
考えている問題でございますために、いまのことをお伺いしております。
第六番目には、
会計検査院法の
改正について、後にまた
同僚馬場委員から
総理にも
質問がありますが、疑惑を防止しようという
対策を立てるなら、当然
会計検査院の現在の機能、練熟した技術というものをもう少し
権限を
拡大強化してこれを利用することが、疑惑の防止をする
対策上の第一に挙げるべき問題だと私は思う。われわれはせっかく
会計検査院という世界にまれな優秀な機能を持っているわけですから、この機能をもう少し一歩、二歩突っ込んで十二分に発揮させて、
総理の言う、いわゆる疑惑を防止しようというなら、これをひとつ使っていくという思い切った決意をなさるべきだと思いますが、これに対するお
考えをお聞きいたしたいと思います。
第七に、米国の七七年の
政府倫理法案、もう御存じだと思いますが、二年たちます。このように、徹底した汚職あるいは天下りの一掃を
考えるという
意味で、
政府の公務員すべての個人所得の公開義務、退職後、在任中の地位を利用して私
企業に奉仕する行為の規制、業界との癒着や不明瞭な天下りの一掃を目指しまして、退職後二
年間は、
政府機関と取引のある
企業の代弁者として在任時代の
政府機関に出入り禁止、退職後一
年間は、在任時代の
政府機関との接触は公用、私用を問わず禁止するといった七七年のアメリカにおける倫理規定というようなものを参考にして、
わが国でもこの種の思い切った
考えを実施に移しておきませんと、この面からも残念ながら汚職、疑獄というものに道を通ずる穴があいていると思うのであります。
あと一問ございますがこれは別の問題でございますので、とりあえずその七点に関して
総理の確たる信念をお聞かせいただきたいと思うのです。