○原(茂)
委員 中高年齢層対策に関しては、馬場
委員が専門的に後でお
伺いします。
労働省がこの段階においてどういう対応をするかについて、いま具体的にぴちっとした答えにはなっていないと思うのですが、
大臣のおっしゃったことも必要ですからやっていただくとして、ただ、時間の都合で私はこうしたらということを申し上げませんが、
大臣の言った国会でくぎづけになっているために行政指導ができない、その時間がないというのは、私はもってのほかの
考えだと思います。国会はすなわち行政指導の
あり方の基本的な問題を、
国民を代表してわれわれが
皆さんに注文をつけたり論議しているのですから、ここでの十分な
意見の把握というものが行政指導の
中心にならなければいけない。したがって、民主国会であり議会
中心の今日、
大臣がここにくぎづけになってどうも行政指導する時間がないのだなんと言うことは、これはもってのほかだというふうに
考えます。
そこで、最後にもう一つお
伺いするのですが、英国のチャールズ皇太子がことしの二月ですか、国
会議員や科学者との昼食会の席上の演説で、イギリスの
労働組合は交渉能力を欠いているとは思えない、争議行為の行き過ぎは
労使間の意思疎通のまずさと誤解から生じているのではないか、わが国のいわゆる経営陣は
労使関係に占める人間的な要素の大切さを軽視しているようだと言ってのけて、あっと言わせたわけですよね。要するに、
経営者にもその責任があるぞと。世論調査では、当時
スト権の強さあるいは行き過ぎ、これは少し反省しなければという声が出始めている最中だったので、この皇太子の
意見は
国民をびっくりさせた。これは事実そうらしい。さらに、皇太子は、重役の
皆さんも一般の従業員と食堂を一緒にしてはどうかというところまでやったわけですね。ですから、驚いたことは間違いないと思うのですが、若い世代を含めて
国民に認識させる上では非常に効果があった。労組いじめだけでは問題解決にならないというようなことを結論的には英皇太子は訴えたわけですが、これは世論形成の上で、そうかなという
意味で非常に効果があったようだ。いま申し上げたようなことがありましたが、この
労使関係に占める人間的な要素の大切さ、これは非常に同感なんですが、
大臣はどう思うかが一点。
それから、わが国でも、いまだに重役や政府行政府幹部と一般従業員あるいは職員との食堂を違えているところがいっぱいあるのですよね。
労働省、どうですかね。
局長さんと一般と違っているかどうか知りませんが、電電公社へ行ってもそうですね。違っていますね。そういうところが非常にあるのですよ。
民間の企業にもあるのですね。これは人間的な
関係を非常に重要だと思うならこういう点も
考えろという英皇太子の
考え方は非常に同感なんで、こういう点は、さっきの行政指導じゃないけれ
ども、やはり
労働行政の長としてはこういうことも、まあまあ英皇太子が言ったから言うのじゃないけれ
ども、大事だと思うが、できるだけやれというような指導を、
大臣が率先一般の食堂へ行って飯を食って範を示すとか、そういうようなことはやはりやる必要があるのではないかと思うのですね。
それから、最後になるのですが、
ストがあると処分を発表するのですよね。まあ全逓のマル生なんか大変な量のあれを発表するとかしないとか。冗談じゃねえというので、いま大騒ぎになっていますよ。これはわれわれ、断固すべきじゃないという
立場なんですが、
ストがあると必ず、今度のことだって国鉄があれだけ
ストをやれば、また処罰が行われる。英皇太子の言うのじゃないが、
ストの責任は
労働者ばかりにあるのじゃない。
労働者いじめのような処分をしたから問題がおさまるものではない、経営の側にもやはり責任はあるのだ、英皇太子の言うような観点、私は同感なんだ。そういう点から言うと、マル生の全逓の
ストにしても、一方的に
組合だけ処分する、国鉄の今回の問題でも、国鉄の
組合員に対してだけ処分をする。経営の側に処分をしたと、いままで聞いたことがない。私は、経営の側にも処分をびしっとやることを通じて、当然責任あるのですから、そこまで紛糾させて、問題解決しないで
ストに持っていったのですから。
したがって、今度の場合の
ストなんか、きょうの
ストなんというのはある程度——
労働大臣はそんな
考えはないかもしれないが、いまの政府として、やっぱりやらした方がいい、やらして処分して、だんだん労組の力をそいでいきたいというような
考えがあるんじゃないかなという憶測すらできるほど、とめられたものをやったという
印象です。これは後で、時間がないからいま言いませんが、あれだけ出すなら
ストはとまったのじゃないかという
考えなんですが、これは政府自民党の方針として、やらせる。やらしていく。できるだけ処分をしていく。そうして
組合のきばを抜いていくんだ、力をそいでいくんだというような方針であれをやらしたんだな、きょうの
ストなんか私はそう思っているのです。
しかし、
大臣はそんなことはないと思う。
労働大臣だから、
労働者の側に立っているから、そんなことはないと思うのですが、しかし、
ストの処分を行うというときには、
経営者に何ら責任がないという
立場で
経営者の処分をしないということに対しては、非常に片手落ちである。その
意味では、英皇太子のこの演説というのは非常に同感なんですが、一体
大臣はこれに対してどういうふうにお思いになるかを最後に聞いておきたい。