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1979-03-20 第87回国会 衆議院 決算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十四年三月二十日(火曜日)    午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 加藤 清二君    理事 宇野  亨君 理事 北川 石松君    理事 國場 幸昌君 理事 津島 雄二君    理事 馬場猪太郎君 理事 原   茂君    理事 林  孝矩君       天野 光晴君    玉生 孝久君       西田  司君    野田 卯一君       楯 兼次郎君    春田 重昭君       安藤  巖君    田川 誠一君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 白浜 仁吉君  出席政府委員         郵政大臣官房長 林  乙也君         郵政大臣官房電         気通信監理官  寺島 角夫君         郵政大臣官房電         気通信監理官  神保 健二君         郵政省郵務局長 江上 貞利君         郵政省貯金局長 佐藤 昭一君         郵政省簡易保険         局長      浅尾  宏君         郵政省電波監理         局長      平野 正雄君         郵政省人事局長 守住 有信君         郵政省経理局長 河野  弘君  委員外出席者         外務省経済局外         務参事官    遠藤  実君         大蔵省主計局司         計課長     石井 直一君         郵政大臣官房首         席監察官    吉田  実君         郵政大臣官房資         材部長     浅川 泰治君         会計検査院事務         総局事務総長官         房検定審議官  小野光次郎君         会計検査院事務         総局第二局長  藤井健太郎君         会計検査院事務         総局第五局長  岩井  毅君         日本電信電話公         社総裁     秋草 篤二君         日本電信電話公         社監査局長   小澤 春雄君         日本電信電話公         社営業局長   西井  昭君         日本電信電話公         社業務管理局長 浅原 巌人君         日本電信電話公         社資材局長   小原  明君         決算委員会調査         室長      黒田 能行君     ————————————— 委員異動 三月二日  辞任         補欠選任   林  孝矩君     二見 伸明君   安藤  巖君     正森 成二君 同日  辞任         補欠選任   二見 伸明君     林  孝矩君   正森 成二君     安藤  巖君 同月三日  辞任         補欠選任   西田  司君     田村  元君   矢野 絢也君     春田 重昭君 同日  辞任         補欠選任   田村  元君     西田  司君 同月四日  委員保利茂君が死去された。 同月五日  辞任         補欠選任   西田  司君     海部 俊樹君   春田 重昭君     二見 伸明君 同日  辞任         補欠選任   海部 俊樹君     西田  司君   二見 伸明君     春田 重昭君 同月六日  辞任         補欠選任   春田 重昭君     正木 良明君 同日  辞任         補欠選任   正木 良明君     春田 重昭君 同月七日  辞任         補欠選任   春田 重昭君     正木 良明君   安藤  巖君     不破 哲三君 同日  辞任         補欠選任   正木 良明君     広沢 直樹君   不破 哲三君     安藤  巖君 同日  辞任         補欠選任   広沢 直樹君     春田 重昭君 同月十四日  委員麻生良方君が退職された。 同月二十日  理事林孝矩君同月一日委員辞任につき、その補  欠として林孝矩君が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  昭和五十一年度一般会計歳入歳出決算  昭和五十一年度特別会計歳入歳出決算  昭和五十一年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和五十一年度政府関係機関決算書  昭和五十一年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和五十一年度国有財産無償貸付状況計算書  (郵政省所管日本電信電話公社)      ————◇—————
  2. 加藤清二

    加藤委員長 これより会議を開きます。  理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い、現在理事が一名欠員になっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 加藤清二

    加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長林孝矩君を理事に指名いたします。      ————◇—————
  4. 加藤清二

    加藤委員長 この際、御報告申し上げます。  本委員会委員でありました保利茂君が、去る四日、逝去されました。まことに痛惜の念にたえません。  ここに、謹んで委員各位とともに哀悼の意を表し、御冥福を祈るため、黙祷をささげたいと存じます。  御起立願います。——黙祷。    〔総員起立黙祷
  5. 加藤清二

    加藤委員長 黙祷を終わります。御着席を願います。      ————◇—————
  6. 加藤清二

    加藤委員長 昭和五十一年度決算外二件を一括して議題といたします。本日は、郵政省所管及び日本電信電話公社について審査を行います。  まず、郵政大臣から概要説明を求めます。白浜郵政大臣
  7. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 一般会計郵政事業特別会計郵便貯金特別会計及び簡易生命保険及び郵便年金特別会計昭和五十一年度決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  一般会計歳出予算現額は、百九十四億八千八百二十九万余円でありまして、これに対する決算額は百九十一億六千九百六十九万余円となっております。  郵政事業特別会計歳入予算額は、二兆六千三百五十八億六千九百六十六万余円、歳出予算現額は二兆六千五百十四億九千三百二十万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では二兆五千七百五十九億七千七百三十二万余円、歳出では二兆五千三百七十五億八千六百三万余円となっております。この中には、収入印紙等の売りさばきによる収入及びこれらの収入関係法令に基づき他の会計へ繰り入れる等のため必要とする支出借入金建設費等資本的収入支出が含まれていますので、これらを除きました事業運営による歳入歳出は、歳入では一兆四千八百三十八億六千七十六万余円、歳出では一兆三千七百八十二億一千九百六十一万余円となっております。  郵便貯金特別会計歳入予算額は二兆一千十三億二千五百二万円、歳出予算現額は三兆一千三百三十五億六千八十五万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では二兆一千三百三十四億六千百九十八万余円、歳出では二兆一千三百三十四億六千百九十八万余円となっており、歳入歳出差額はありませんでした。  簡易生命保険及び郵便年金特別会計につきましては、保険勘定歳入予算額は二兆三千四百九十九億八千四十八万余円、歳出予算現額は九千八百三十八億四千九百二十三万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では二兆二千七百八十八億三千五百六万余円、歳出では八千六百五十五億九千六百六十五万余円となっており、差額一兆四千百三十二億三千八百四十一万余円は法律の定めるところに従い積立金として積み立てることといたしました。  年金勘定歳入予算額は二十七億八千七百十一万余円、歳出予算現額は二十七億八千七百十一万余円でありまして、これに対する決算額は、歳入では二十二億三千九百七十七万余円、歳出では二十二億三千九百七十七万余円となっており、歳入歳出差額はありませんでした。  最後に、会計検査院昭和五十一年度決算検査報告において不当事項として、工事一件、物件一件及び不正行為五件合わせて七件の指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存じます。  今後、この種事例発生未然に防止するため、より一層指導監督の徹底を図る所存であります。  以上をもちまして、昭和五十一年度決算概要についての説明を終わります。  引き続きまして、昭和五十一年度日本電信電話公社決算について、その概要を御説明申し上げます。  昭和五十一年度における日本電信電話公社決算は、損益計算上、一千四百二十五億九百八十四万余円の欠損を生ずるに至りました。昭和五十一年度におきましては、電信電話料金改定が、当初予定していた六月一日から五カ月余りおくれて成立したことに伴い、補正予算においても欠損を見込むこととなっていたところであります。  収入支出決算内容勘定別に申し上げますと、まず、損益勘定におきましては、収入済額は、二兆四千八百八億三百四十万余円で、予算額に比べ百四十九億八千八百四十万余円の増収となりました。一方、支出済額は、二兆四千三百二十七億六千七百六十万余円でありまして、支出予算現額二兆四千七百億五千六百五十四万余円に比べ三百七十二億八千八百九十三万余円下回りました。  次に、資本勘定におきましては、収入済額は二兆百五十六億四千七百二十八万余円、支出済額は二兆八億二千百七十三万余円であり、また、建設勘定におきましては、支出済額は、一兆三千六百十八億一千四百二十五万余円であり、これにより一般加入電話百九十九万五千加入の増設を初めとする建設工事実施し、年度末の一般加入電話の積滞数は前年度末に比べ二十五万二千加入減少し、二十二万九千加入となりました。  最後に、昭和五十一年度予算の執行につきましては、会計検査院から不当事項一件、是正改善処置を要求された事項として一件、合わせて二件の指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存じます。  今後、この種の事例発生未然に防止するよう日本電信電話公社指導監督してまいる所存であります。  以上をもちまして、昭和五十一年度決算概要についての説明を終わります。  何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  8. 加藤清二

  9. 藤井健太郎

    藤井会計検査院説明員 昭和五十一年度郵政省決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明申し上げます。  検査報告掲記いたしましたものは、不当事項七件でございます。  検査報告番号四一号は、通信衛星用地アンテナ設置等工事の施行に当たり、アンテナ組み立て及び据えつけ調整費等積算が適切でなかったために、契約額割り高になったものでございます。  この事態は、郵政省電波研究所におきまして、通信衛星用地アンテナ設置及び付帯工事工事費積算する際に、アンテナ組み立て及び据えつけ調整費土木工事設計費等について、いずれもアンテナを製造した工場技術者がこれらの作業に当たるものとして工場技術者賃金単価により直接労務費を算出し、これに複雑かつ高度な加工を要する機器を製造する場合に適用する乗率を乗じて得た間接経費等を加算するなどして積算しておりますが、このアンテナ組み立て据えつけ作業工場ですでに試験調整済みアンテナを現地で組み立てて据えつけた上、簡単な調整を行うにすぎないものであることなどから見まして、これらの費用積算に当たりこのような乗率を用いるのは適切でないと認められるなど、積算が適切に行われなかったために、契約額割り高になったと認められるものでございます。  検査報告番号四二号は、配達地図原図購入に当たりまして、補修正の工賃の積算が適切でなかったために、購入価額割り高になったものでございます。  この事態は、近畿郵政局におきまして新入職員の訓練及び非常勤職員集配業務等に使用する配達地図原図予定価格積算に当たり、この原図作成作業のうちの世帯主の移動に伴う世帯主名等補修正につきましてこれに要する時間の算定が適切でなかったために、購入価額割り高になったと認められるものでございます。  検査報告番号四三号から四七号までの五件は、職員不正行為により損害を生じたものでございます。  これらの事態は、川崎郵便局ほか四郵便局におきまして、郵便貯金または簡易生命保険の募集及び集金事務に従事している外務員が、定額郵便貯金預入金を受領しながらこれを受け入れ処理をしなかったり、定額郵便貯金証書を預けかえの名目で預金者から預かりこれを払い戻しの手続をして現金を受領しながら預入金として受け入れ処理しなかったりするなどの方法によりまして、現金を領得したことによって生じたものでございます。  なお、以上のほか、昭和五十年度決算検査報告掲記いたしましたように、「簡易生命保険契約適正化等について」及び「OCR用シート購入方法について」、それぞれ処置を要求いたしましたが、これらに対する郵政省処置状況についても掲記いたしました。  以上、簡単でございますが説明を終わります。
  10. 加藤清二

  11. 岩井毅

    岩井会計検査院説明員 昭和五十一年度日本電信電話公社決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明申し上げます。  検査報告掲記いたしましたものは、不当事項一件、意見を表示しまたは処置を要求した事項一件、本院の注意により当局において改善処置を講じた事項一件及び特に掲記を要すると認めた事項一件でございます。  まず、不当事項について説明いたします。  検査報告番号六六号は、洞道新設工事施工に当たり、埋め戻し工事費積算を誤ったため、契約額割り高になったものでございます。  この事態は、道路を開削して洞道を築造した後に埋め戻す土量算定に当たりまして、掘削量から埋め戻しの要がない洞道躯体容積と内空部分容積を差し引くべきところ、誤って内空部分容積を差し引かなかったなどのために積算額が過大となり、ひいては契約額割り高となったと認められるものでございます。  次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について説明いたします。  これは、導入溝費積算について処置を要求したものでございます。  この導入溝といいますのは、道路等地下管路洞道等を築造する際、掘削深度がある程度深くなりますと、土どめ工として鋼矢板等を打ち込みますが、この鋼矢板等の打ち込みに先立ち地下埋設物等有無等を確認するため、幅〇・八メートル、深さ一・五メートルのみぞを人力により帯状に掘りますが、このみぞ導入溝と称しております。  公社では、この導入溝鋼矢板等の打ち込み区間すべてにわたって施工することとしてその工事費積算しておりますが、田畑、埋立地等であったところにバイパス等を造成する工事先行または並行して管路洞道等を築造する十五工事につきましては、事前に道路管理者等地下埋設物有無位置等を照会すれば、埋設物が全く存在していないことや、存在していても一部の区間を横断などしているにすぎないことが明らかになるので、すべての区間について導入溝施工することとして積算しているのは適切ではないと判断したものでございます。  公社においては、市街地における設備が充足してくるのに伴い、地下管路洞道等工事市街地周辺で行われるものが今後増加してくる状況にありますので、導入溝費施工個所状況に即して積算することができるよう積算要領等を改めるなどして予定価格積算の適正を期する要があると認められましたので、その改善について処置要求したものでございます。  次に、本院の注意により当局において改善処置を講じた事項について説明いたします。  これは、電話局舎の新増築に伴う通信機械室空気調和機設置に関するものでございます。  公社では、電話局の新増築に当たり通信機械室等設置する空気調和機電話通信技術実施方法等によって開局時または開局後間もなく通信機械導入する予定機械室だけでなく、開局八年後までに導入が見込まれる機械室全部についても、各室ごと個所のパッケージまたはユニット方式空気調和機をあらかじめ設置することとして、設置費を計上しておりました。  しかし、この空気調和機個別方式のものですから、基礎設備ができておれば必要の時期に設置することができるものであり、また、近年における加入電話の需要の鈍化等によって通信機械導入が直ちに行われることはないので、開局後相当の期間通信機械導入見込みがない機械室設置することとしている空気調和機二十五台分につきましては、この間遊休することとなり適切でないと認められましたので、当局の見解をただしたところ、公社では、通達を発し、通信機械設置予定開局二年後(搬送、無線機械室については開局時)までにない場合は、通信機械設置される時期に合わせて空気調和機設置することとし、五十二年十一月以降契約する工事から適用するよう処置を講じたものでございます。  次に、特に掲記を要すると認めた事項について説明いたします。  これは、電報事業運営に関するものでございます。  公社における電報事業について見ますと、近年、電話加入電信等普及発展に伴い、年間電報通数は三十八年度の九千四百六十万余通を最高として逐年減少しておりまして、五十一年度は四千百八十九万余通とほぼ半減しております。  また、危篤通知などのいわゆる緊急用電報の占める割合も五十一年度では一%程度であるのに対し、儀礼的な慶弔電報は六五%程度を占めているなど、利用内容が大きく変化してきております。  このように電報通数やその役割りが変わってきているのに、全国くまなく二十四時間サービスが要望されていることもありまして、全国に一万九千余の取扱局や多数の人員を配置しておかなければならないため、きわめて効率の低い運営を余儀なくされている状況でございます。この結果、電報事業営業損益は毎年損失を計上しており、五十一年度末までの損失額の合計は一兆円を上回るに至っております。  このため、公社でも電報中継作業全国機械化電話による受付を行っている取扱局の統廃合をしたり、配達業務を民間に委託したり合理化に努める一方、四十七年以降二回にわたり料金改定を行っておりますが、いずれも収支改善のための決め手とはなっておらず、このままで推移すると今・後も電報事業収支をさらに悪化させ、損失は累増の一途をたどることとなります。このような事態にかんがみ特に掲記したものでございます。  なお、以上のほか、昭和五十年度決算検査報告掲記しましたように、C四六〇形標準局における予備電源装置設計について処置を要求しましたが、これに対する公社処置状況についても掲記いたしました。  以上、簡単でございますが説明を終わります。
  12. 加藤清二

  13. 秋草篤二

    秋草説明員 昭和五十一年度事業概要につきまして御説明申し上げます。  昭和五十一年度は、電信電話拡充第五次五カ年計画の四年度目に当たり、一般加入電話架設等、各種のサービス拡充改善に努力してまいりました。また、電話及び電報料金改定され、多年の懸案でありました財政基盤の確立の目途を立てることができました。  当初予算では、昭和五十一年六月からの料金改定を織り込み、利益金予定しておりましたが、その改定が十一月からになったことなどにより、収支状況は、総収益が二兆五千百八十一億八千百二十八万円余となったのに対しまして、総費用は二兆六千六百六億九千百十三万円余となり、その結果一千四百二十五億九百八十四万円余の欠損金を計上することになりました。  公社といたしましては、料金改定実施が遅延したことにより、事業計画を変更し予算補正を行うとともに、経費につきまして厳しい節減を行ったものの、決算におきましてこのような欠損を生じたものであります。  しかしながら、昭和五十一年十一月からの料金改定により、欠損金の額は前年度より減少し、収支状況改善の方向へ転じました。  以下、昭和五十一年度決算内容につきまして御説明申し上げます。  損益勘定収入におきましては、補正後の予算額二兆四千六百五十八億一千五百万円に対しまして、収入済額は二兆四千八百八億三百四十万円余となり、百四十九億八千八百四十万円余上回りました。その内訳は、電話収入で八十四億七千六百十九万円余、電信収入等で六十五億一千二百二十一万円余のそれぞれ増となっております。  支出におきましては、補正後の予算額に前年度からの繰越額及び予算総則規定による経費増額を加えた予算現額二兆四千七百億五千六百五十四万円余に対しまして、支出済額は二兆四千三百二十七億六千七百六十万円余となっております。  また、建設勘定におきましては、補正後の予算額に前年度からの繰越額及び予算総則規定による経費増額等を加えた予算現額一兆四千六百五十億一千六百七十九万円余に対しまして、支出済額は一兆三千六百十八億一千四百二十五万円余となり、翌年度繰越額は九百十一億七千七百六十三万円余となっております。  なお、建設勘定支出及び債務償還等の財源に充てるため、電信電話債券及び借入金により一兆一千七百八十三億八千六百十万円余、設備料として一千四百二十八億二千七百三十一万円余の受け入れを行い、一方、債券及び借入金等につきまして六千六百九十二億七千七百四十五万円余の償還を行いました。  次に、昭和五十一年度実施いたしました主な建設工程内容につきまして御説明申し上げます。  一般加入電話は約百九十九万五千加入地域集団電話は約三千四百加入公衆電話は約五万七千個の工程をそれぞれ実施いたしました。その結果、昭和五十一年度末におきまして、電話の申し込みを受けてなお架設できないものは約二十二万九千となり、前年度末に比べ約二十五万二千下回りました。  昭和五十一年度事業概要は以上のとおりでありますが、今日、加入電話は広く普及し、巨大な電気通信システムとして国民生活にますます深いかかわりを持つようになっているところでありますので、電話及び電信サービスにつきましては一層その維持向上並びに拡充に努め、国民の福祉に寄与するよう努めたいと存じております。  最後に、昭和五十一年度決算検査報告指摘を受けました事項につきまして申し上げます。  不当事項として一件の指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存じております。  これは関東電気通信局が施行いたしました所沢局舗装先行工事におきまして、埋め戻し工事費積算を誤ったため契約額割り高になったものでありますが、割り高額につきましては請負人と協議の上徴収済みであります。  今後は十分注意いたします。  是正改善処置を要求されました導入溝工事費積算につきましては、積算要領等の検討を加え改善を図りました。  以上、簡単でありますが概略御説明申し上げました。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  14. 加藤清二

    加藤委員長 ちょっと記録をとめてください。     〔速記中止
  15. 加藤清二

    加藤委員長 記録を始めてください。  これにて説明の聴取を終わります。     —————————————
  16. 加藤清二

    加藤委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北川石松君。
  17. 北川石松

    北川委員 本日質問の機会を与えていただきまして、深く感謝いたします。  質問通告では、私は主に、東京サミットに向かって、電電公社が独自の考えで外国からの購入が三十数億しかないと言われておることを重点に質問いたしたいと思ったのでありますが、いま郵政大臣の五十一年度郵政省所管決算における説明をお聞きいたしまして、郵政事業特別会計歳入予算額が二兆六千三百五十八億六千余万円、こういう膨大な決算の報告の中で、郵政事業というものが国民に果たしてまいりましたところの大きな役割りを痛感するとともに、国民の全般が郵政事業の中で受けておるその受益と、そしてこのようにしてほしいということが幾多の問題として出てくるんじゃないかということを考えるのでございますが、郵政大臣は、先ほど会計検査院の御指摘あった点、そういう点について今後どのようにお考えでございましょうか。お聞きいたします。
  18. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 御指摘のとおり、郵政事業は現代生活を送る上においての国民の生活に密着した種々の事業をやっておるのでありますけれども、私ども、十分注意しながら事業運営をやっておりましてもなおいろいろ手違いがありまして、御指摘を受けたような間違いを犯していることに対しまして、まことに申しわけないと存じておる次第であります。今後十分注意して、間違いのないように指導していきたいと考えておりますので、御了承のほどをお願い申し上げます。
  19. 北川石松

    北川委員 郵政大臣から、前向きで指摘を受けた点は改めていく、こういう御答弁をちょうだいいたしまして意を強うするものでございます。ただ、やはり信頼される上に立っていくことにおいて、たとえば郵政局、郵便局等に対する国民の預貯金、何兆円に及ぶ預貯金がふえていっておる、こういうこともやはり郵政事業に対する国民の信頼のあらわれであろうと思う。国民の信頼を裏切るようなことがあっては、私はこれはよくないと思うのですね。  そういう点を考えますときに、たとえば、いま会計検査院指摘なされたところの電電公社に対する工事におけるところの積算の誤り、あるいはそういうことについて郵政大臣は聴取されたことがありますかどうか、ひとつお聞きいたしたいと思います。
  20. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 私も就任日浅くして、御承知のとおり年末から年始にかけてのいろいろなことで皆様方に御迷惑をおかけしているというふうな過程でございまして、いま御指摘されたようなことを私は残念ながら耳にしていない、これは正直に申し上げますので、御了承をお願い申し上げます。
  21. 北川石松

    北川委員 白浜郵政大臣が正直に申し上げると申されまして、郵政大臣は仁吉というお名前であるし、私は石松という名前でございますので、どちらもが一つのことに燃えていき、一つのことにやはり正しさを追求する、こう私みずからが解釈いたしておるのでございますが、そういう点におきまして、国内の特に国民の利益に関することには、これから前向きでがんばっていただきたいとお願いいたしておきたい。  ただ一つそういう点について、仁吉親分と言うとけったいでございますが、郵政大臣に特にお願いをいたしたいことがございますので、あなたの見解を聞きたい。  それはいま申しました電信電話の随意契約の中で、恐らく東京サミットといいますか、そこで問題が出てくるであろうと思いますのは、電電公社の外国の資材調達の予算は三十六億ぐらいでございますね。あるいはもう少し大きいか、私ちょっとめがねをかけておらぬので数字が誤っておるかもわからぬのですが、日本の電電公社は外国から資材を購入する額が非常に少ない、こういう指摘を受けております。これはわれわれの耳に入ってきておる点でありまして、直接そういう何にみずからタッチしたのではありませんが、そういうところで、今後六月の会議においてアメリカあるいはEC諸国からの指摘と同時に、日本の総理を初めとする、この会議に列席される、その要に当たる人にある点で強く追ってくる事態が生じるのではないかと思うのであります。こういう点について郵政大臣として御出席になるのかどうか、このことをひとつお聞きいたしたいと思います。
  22. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 いま御指摘の問題については、政府全体として対処の仕方について非常に協議がなされている、私どもはそういうふうに承知をいたしておるわけでありますが、アメリカ側の真意がどこにあるかということをいろいろ推定しながら話し合いを進めているところでありますけれども、電電公社のそうした、いま御指摘の立場についても、私どもなるべく事実に即した理解を深めていきたいということでいま努力をしている最中であります。  各国のこうしたいろんな電気通信関係の調達契約にしましても、言われるとおりただ門戸開放的な競争入札というふうなことが各国とも行われていない。そういうような実態などがどうもアメリカ側と日本側あるいはアメリカとEC側のそうしたやりとりにおいても理解がされていない。アメリカの議会側の空気が非常に強いというふうなことから、私ども与党の関係の議員の先生方などにいろいろとまた御協力を願ってアメリカ側とも折衝をし、また外務省のそうした折衝の中においても、技術関係者を同行させていろいろ説明をして理解をしてもらうというふうなことで、いませっかく努力中であります。  何しろ特殊な機械であり、同時に電電公社が中心になって関係の業者と申しますか、そういうような人たちと一緒になって開発をして、そして今日の日本の電気通信関係のこうした世界に冠たる事業をなし遂げた、私どもはそういうふうに理解をいたしておるわけでありますから、国民の皆様方に満足のいくように、しかも安定した経済的な、そういうふうなことで今後の電気通信の発達も考えていかなければならぬというそのさなかに、どういうふうに対処したらいいかということをいま検討いたしているわけであります。  大体いまの予算にも御承知のとおり、電信電話、これは私が少し間違ったら後で総裁に訂正してもらいますけれども、六千億前後の調達をしなければならぬというふうなその中に、私ども聞いておりますところでは、ほんのわずかしかアメリカから輸入をしてないというふうなことが大分アメリカ側のかんにさわったといいますか、そういうようなことを感じているようでありますけれども、アメリカ側の一番大きい電信電話会社にしましても、ほとんど八割五分ぐらいは随意契約で自分の子会社から買っている、そういうふうな実態でありますから、当然その残余のものは日本から買うというふうなことをやっておると、こう申しておりましても、一割五分のものを全部日本から買っているわけではないようでありますので、そういうような点などもあわせ考えて、十分説明をしておいた方がいいだろうと、私もそのことを考えて、業界の方にもアメリカに御苦労してもらう。先ほどから申し上げましたように、わが党からの代表の方々からもまたいろいろ説明をしていただくためにアメリカに足を運んでもらうというふうな、そうしたことをやりながら理解を深めていきたいというふうにして、いま努力をしている最中であります。なかなかしかしこれは厳しい問題でありますので、いま外務省を通じて、せっかく日米の間がいままで友好的に運んできていることでありますから、私どもも外交折衝を通じて円満に話し合いがつくようにということを期待している。  長々とおしゃべりしましたけれども、至らぬ点はまた総裁から説明をさせますので、ひとつ御了承をお願いしたいと思います。
  23. 秋草篤二

    秋草説明員 ただいまの北川先生の御質問に限って、ガットのいまの問題いろいろございますけれども、単純に、現在先進国と称せられる米国あるいはECグループ、大体十ぐらいの大きな電話の先進国がございます。そこでは外国製品をどの程度買っているのかということを申し上げれば、ただそれだけについて申し上げれば、電電公社の買っている二、三十億という、総購入資材額の〇・五%ぐらいでございますが、これは決して電電公社だけが少ないんではなくて、恐らくどの国もせいぜい一%かあるいは〇・何%程度しか買っておりません。これは一般の食料品とか自動車とか家電と違いまして、万事自国の通信設備というものを自分の国の技術によって守るという精神から、どこと約束したわけではございませんけれども、全部そういうふうな形で現在やっておるのでございます。これは事実でございます。
  24. 北川石松

    北川委員 いま大臣と総裁から御説明を受けたのでありまして、大臣はこの問題について前向きで自分は大いにがんばる。また電電総裁は〇・五%というのは何も日本だけではないというお話でございまして、その点は非常に理解さしていただきたい。ただ、アメリカという国、あるいは今度の東京会談というものは、いろんな形で彼らが迫ってくると言うと変でしょうが、いろいろな形でやはり指摘をし、そして指摘をしながら彼らの言うたことは通そうとする強い圧力を持ってくるんじゃないか、こういう心配を私はするんですね。そこで、国益になるためならば私はあえて彼らの言いなりに屈する必要はないと思う。ただ黒字減らしのためにとかどうとか、そういうことじゃなしに、やはり電電公社という一つの大きな、日本の国を守る、そして国益に大きく参画しているこの電電公社が、ただ彼らの指摘の中に利用されることのないように、私はお願いをしたい。  その点において私は、郵政大臣がやはり総理大臣とかあるいは通産大臣とか、その所管の、特にサミットにおけるところの日本の代言者に、強く決算委員会でこういう要望があったということを申し上げておいていただきたいと思うのでありますが、大臣、いかがでございましょう。
  25. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 まことにありがとうございました。十分関係の大臣にも意のあるところをお伝えして、御協力を願いたいと私も考えております。
  26. 北川石松

    北川委員 そこで、郵政大臣に国益のために電電公社に強い姿勢で言っていただきたいという激励を申し上げたのでありますが、半面、電電公社の今日までの歩みを見てまいりますと、戦後の日本の電話の発達、あるいはいろいろのその道の発展、ともにわれわれも目の当たりに見てきておるのであります。その中で、このようにしてほしいなということを一般の日本の国民あるいは電話を利用した人が痛切に感じたものがあると思うのであります。この点については、先ほど郵政大臣は日もまだ浅いとおっしゃっているのですが、電電公社の総裁はみずからそういうものを国内の電話の中で感じられたことがありますか。あれば、この点は改善したいということを御答弁願いたい。
  27. 秋草篤二

    秋草説明員 なぞのような御質問で……。  ただいま私は、電電公社国民加入者に対するサービスというものは、おかげをもちましてまずまず世界最高のレベルまで来たということを自認して喜んでおるのでございますが、考えてみるとまだまだ至らぬ点は諸所にあろうと思います。いま考えているのでは、これは国会でもしばしば御意見なりおしかりをちょうだいするのでございますが、料金が五十一年の十一月に改正されたものの、遠近格差、つまり都内と、長崎とか広島とか遠いところの電話料金の格差が余りにも大き過ぎやしないかということは、この次の機会には何をおいても是正したい、こういうふうに思っております。  その他、細かいことでは、料金の内訳がはっきりわからないということでお客様からはかけた覚えがないと言われ、電話局では度数料にこう出ているのだということで、非常にむずかしい応答になりますけれども、これもひとつ徐々に解決していきたい。非常に事故は少ないのでございますけれども、一件でもあってはいけないという気持ちに燃えて直していきたい、こんなふうに思っております。  あといろいろの仕事の仕方とか、契約の仕方とか、そういうものについてはまだいろいろ改善して部内の経営の改善に資していきたいということはございますけれども、先生が何をお考えになっているかわかりませんけれども、私としてはそんな気持ちでおります。
  28. 北川石松

    北川委員 資材調達については、東京ラウンドでは強い姿勢で臨んでほしいということを申し上げました。国内の資材調達その他、電電公社の行うところの契約はほとんどが随意契約の観を呈しておる。一体、この随意契約というのは、五十一年度総契約の中の資材調達においては幾らが随意契約であって、工事契約においては幾らが随意契約であったか、ちょっとお聞かせいただきたい。
  29. 小原明

    ○小原説明員 お答え申し上げます。  五十一年度の数字という先生の御指摘でございますので、五十一年度につきましては、私どもの競争契約をやっておりますのは全体で六・四%でございます。残りの九三・六%が随意契約でやっております。それからなお、工事関係につきましてはすべて競争契約でやっております。  以上でございます。
  30. 北川石松

    北川委員 資材関係では九三が随意契約、ということは特殊契約をやっておる、こう見ていいと思うのです。そういう意味で、アメリカとかドイツがいかに日本に追ってきても突っぱねるという——電電公社の特別な機密的ないろいろなものも含まれておるということで、そういうことについてはすべてが好ましいということは私は言い得ないのでありますが、一つの要素になろうと思っております。六・四%だけが競争入札、国内でもこういう形だから、諸外国に対しても東京ラウンドではこれが大きな決め手にはなろうと思います。ただし、国内の競争入札というものをもう少しふやしてもいいという余地があるのではないかと私は思うのですが、この点についてどうですか。
  31. 秋草篤二

    秋草説明員 いま小原資材局長が申し上げました電電の資材の中で九三%ぐらいが随意契約であるということは正しいのでございます。これは、もう一歩も競争契約の余地はないということではなくて、ときどき国会の決算委員会初め逓信委員会でも、もう少し競争契約の道はないかという御質問もございますし、会計検査院からも、こういう品物はもう競争でいいじゃないかという御注意が数年おきぐらいにございまして、できるだけ競争契約のできるものは、規格の統一した影響力の少ないものは、われわれとしてそういうものを見計らって数年前も少し広げたこともございます。したがいまして、努力はしておりまして、そういうものがあれば競争契約の道を開きたい。しかしそれは、いまの電気通信設備の材料、機材を買うには非常にむずかしい問題がありまして、余地がないわけではないけれども、非常にわずかしか努力の余地は私はないと思います。今後もまたそういう努力は続けなくちゃいけないと思います。
  32. 北川石松

    北川委員 いま御説明を得たのではすべてを了解しないのではありますが、そのように電話電信業務の随意契約の必要性を強調しておられる。それは大いに東京サミットでやってもらって結構でありますが、そのようにおっしゃるのなら、たとえば新幹線の電話はいつついたのでありますか。
  33. 西井昭

    ○西井説明員 お答えいたします。  新幹線の開通時から列車公衆電話はついております。新幹線の開通いたしましたのはたしか三十七年ごろだったと思います。
  34. 北川石松

    北川委員 いまなぜそういう点をお聞きしたかというと、資材調達は随意契約だというところで——日進月歩ということがよく言われます。われわれ政治も絶えず進まなくちゃならないのでありますが、あれ以来新幹線の電話のかけ方、通話の仕方、あるいは料金その他において、何らか進んだ点がありましたでしょうか。何らか進んだ点で、新幹線から電話をかけてよかったなとこれを利用される方が思ったかどうか、この点当事者であるあなた方はどうお考えになっておるか、お聞きいたします。
  35. 西井昭

    ○西井説明員 お答えいたします。  新幹線の開通をしてからいままでどのようなサービス改善をしたかという御質問でございます。これは当然のことでございますが、新幹線の線の延長に伴いまして列車公衆のかけられる対地をふやしてございます。それから、同じ開通しております線の中でも、これは通話の関係できわめて若干でございますが、対地数をふやしまして、新幹線の列車公衆からかけられる一般加入電話、あるいは一般加入電話から新幹線におかけになる対地数をふやしてまいったのが実情でございます。
  36. 北川石松

    北川委員 いま局長から説明がありまして、十何年という月日ですかね、長年たっておるのですよ。長年たっておるのですが、新幹線からかけた場合のたとえば大阪、これは一番初めは市内に限っておったのが若干ふえたのですね。これはなるほどふえるべきところの理由があってふえたと思うのです。  ところが、かけ方そのものも料金もほとんど進歩の跡を見ておらぬように私は思う。新幹線から電話をかけようとしたら大変な苦痛を要する。これは、かけられた方がみんな感じておると思う。新幹線から電話を東京のどこへかけよう、大阪のどこへかけようと思ったときに、あるいは名古屋のどこへかけようと思ったときに、大変な苦痛を要しておる。今日非常な発展を来しておるところの電電公社のいろいろの業績の中で、これは私ははなはだ遺憾の意を表したいと思う。本当に遺憾の意を表したいと思う、かけておる当事者だから。  こういう点について私が申し上げましたのは、やはり年々新たにならなくてはいかぬ。電電公社というものはやはり機密も伴うし、新しい機材というものが随意契約によって安定を保っておるんだ、こうおっしゃる。しかし、それがマンネリズムの中の安定を保っておる随意契約であっては国民の期待に沿うていけない、こういう考えを持ちまして新幹線の電話を一つ引用いたしたのでありますが、郵政大臣はどうお思いになりますか。
  37. 西井昭

    ○西井説明員 お答えいたします。  列車公衆電話サービスが余りよくないということは私どもも常々痛感をいたしておるところでございますが、この列車公衆電話サービスと申しますのは、国鉄が自分でつくられております業務用の通信設備を使用して提供しておるところでございまして、現在そのために使われております無線回線が六回線しかないわけでございます。この六回線を国鉄の車掌等の国鉄業務の通話とそれから一般の方がお使いになります公衆通話と共用して使っております関係で、特に列車事故等のありましたときには非常にふくそうをしておりますのが現状でございます。  公社といたしましても、この新幹線の公衆電話につきましては現状のサービス改善しなくてはいけないということを考えておりまして、この無線回線の増設につきまして国鉄側に要請をしてまいっておるところでございます。国鉄さん側といたしましても、その点を認識をしていただきまして、来年度末、五十四年度末を目途にさらに二回線程度増設をして使用できるようにいま計画を進めておられる、このように承っておるところでございます。
  38. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 いま担当の局長からお答え申し上げましたが、果たして北川委員が御満足されたかどうか私もわかりませんが、なお国鉄側と折衝し、話し合いをさせて対処していきたいと思いますので、御了解をお願いいたします。
  39. 北川石松

    北川委員 大臣も、国鉄側と話をする。特にこれは運輸省側が関係しておる、国鉄が関係しておるということでは済まされないと思うのですね。これは日本のこれを利用する人は、国鉄であろうが電電公社であろうが、両方からマッチしてより高いものを生んでもらわなくては困るということですから、大臣のいまの前向きでやるという答弁をいただきまして、大変ありがとうございました。  それから次に、会計検査院の御報告によりますと、表で指摘されたものが二、三ございますね。大まかというか、厳しいような大まかなような御指摘でありますが、こういう指摘を受けたところの工事人、あるいはその後のこれに対しての対処ということでは、ここで総裁は非常に簡単におっしゃっておりますが、総裁はこの点でどういうふうに処置され、またどのようにしていくつもりでございますか。
  40. 秋草篤二

    秋草説明員 工事人としましては、平穏公然とした契約に基づきましてやっておりますから、そう罪悪感というものは持っていないと思いますが、しかし余りにもわかりやすいミスであったということならば、納得ずくで、話し合いの上でそ誤差額だけは、きょう私が申し上げましたように請負者から徴収はできる。しかし、事の次第によってはなかなかそういうことはむずかしいこともあろうと思いますが、今回の問題は話し合いによって徴収をできたということが報告されております。  それから、契約を担当した職員でございますが、これはその程度によりまして処分をしたりあるいは訓告とか戒告をするというようなことは、必ずやっております。これはどういう結果になったかちょっと私記憶がございませんから、担当の者から報告させます。
  41. 小澤春雄

    ○小澤説明員 お答えいたします。  ただいま総裁が申し上げましたように、ちょっと手元に責任者、担当者等の名簿がございませんけれども、訓告、厳重注意等を行っております。
  42. 北川石松

    北川委員 いま手元にないと言われたけれども、きょうは会計検査院決算で報告するのだから——私は名前を聞くつもりはみじんもなかった。しかしその手元にないというようなことを不見識にこの決算委員会の席上で言うということは、決算委員会をどのように考えておるかということを指摘していかなくてはならない。  会計検査院局長さんの御見解を問いたいと思います。
  43. 岩井毅

    岩井会計検査院説明員 ただいま処分のその内訳、だれに対して処分をなされたかというその資料がないということでございますが、これは何せ二年前のことでございますので、それに突然の先生の御質問であったので、実は私の方もちょっとただいま失念をいたしておりまして、公社側としてもきょう御失念になったのはやむを得ないのでないかとは存じますが、今後はひとつ御注意ありたい、かように考えております。
  44. 加藤清二

    加藤委員長 ちょっとこの際、北川さんに申し上げます。  資料がないとか手元に記録がございませんじゃ通過いたしません。したがって、どうなさいます。
  45. 北川石松

    北川委員 委員長からわざわざ御理解のある私に対してのお話がございましたが、何分ともに検査院の局長も申しておりますので、この委員会ではないものを追及してもどうかと思いますし、私に与えられた質問時間があと五分間でございまして、質問に影響が及びますので、後で書類で私にお見せ願ったら結構だ、このように思いますが、そのように取り計らっていただきたいと思います。
  46. 小澤春雄

    ○小澤説明員 大変失礼いたしました。  ただいま手元に随行の者が資料を持ってまいりましたので、お答えいたします。  第一項の処分状況でございますが、五十三年一月十二日付をもちまして、担当の工事事務所長を注意、それから同じく担当の関東通信局の土木工事部の調査役を厳重注意、それから同じく同部の調査員を厳重注意、それから同じく同所の設計積算調査員を厳重注意という処分にいたしております。  大変失礼いたしました。
  47. 北川石松

    北川委員 いま答弁されただけでは、日本全国のいろいろ私たちの耳に入っている点では、率直に言って不満足であります。これはまた、時間がないので改めて当事者の御意見を聞かせてもらうことにして、もう一つ、会計検査院の報告の中で電報の問題について御指摘があります。  非常に赤字で困っておる、こういう御指摘がありまして、本当に一日に一つの電報も扱わない局があるということです。これを郵便局に依頼しておいて、なお赤字でいくのか、民間に与えた場合はどうなるのか、こういう点について、一応検査院の御報告の中の、電報に対する赤字というものが生じておるが、これを今後前向きにやっていくためにはどのように改善をしたらいいか、そのことを先に聞きたいと思います。
  48. 浅原巌人

    ○浅原説明員 お答えを申し上げます。  先ほど検査院の御報告の中にもございましたように、電報につきましては、ピーク時は昭和三十八年であったかと思いますけれども、九千万通以上の通数がございましたものが、今日では三千九百万通を割るというふうな状況になってまいりました。  単年度で申し上げましても、赤字が五十一年度は千百五十億、五十二年度につきましてはすでに出ておりますが、千百十五億でちょっと減っておりますけれども、この間に料金の改定がございまして、収支率におきましても若干の改善を見ております。  この料金の改定の際に、この問題をどういうふうに扱うか、両院の附帯決議がございまして、総裁の諮問委員会で御検討願いました。その際に、この電報通数が減ってきたという理由は、検査院の掲記の中にも書いてございますけれども、電話等がふえてきたことによるものである。この種の代替効果と申しますか、サービスの交代によって減ってきた部分については、出てくる赤字につきましては、ある程度はかわって出てきた電話事業で負担をする、まあ専門家の言葉で内部相互扶助と申しておりますけれども、こういうような形である程度補っていくことはいいけれども、先生御指摘のように、それに甘えていてはいけないのであって、合理化、近代化に努めるように、あるいは料金の適正化に努めるようにという御指摘がございました。  私どもといたしましても、かねてからこの電報運営体制というものは、通数が減ってまいります状態に応じまして改善を加えてきておりまして、たとえて申しますと、電話で受け付けております一一五の受付局と申しますのは、昭和四十六年当時五百局でございましたが、今日では三百局を切っております。なお今後もこういう合理化と申しますか、近代化と申しますか、集約の方向に努力をいたしまして、労働問題がございますので労働組合と話を続けておりますが、大幅にこういう体制の縮小といいますか、近代化をいたしまして、コストの低減に努めてまいりたい。  また、民間の力というお話がございましたが、御指摘のとおりでございまして、特に電報は配達の問題が頭の痛い問題でございますけれども、これももともとは全部電電公社の人間、あるいは郵政省へ委託しております場合には郵政省の方が配達をしておったわけでございますが、第三者委託という制度を設けまして、およそ千五百局の配達局がございましたのを今日ではその半数以下の七百局程度を直営で配達をいたしておりますけれども、これもさらに減らしていくことにしたい。  電報の赤字の大きな原因は、二十四時間待機をしていなければならないというところが問題でございまして、この夜間をどうするかという問題が非常に大きゅうございます。それで、夜間の配達の請負ということを進めてまいりまして、夜間の配達を請負でやっておりますのは——公社の局としては千五、六百局あったのですけれども今日は二百局程度まで減らしてきている。これを今後さらにゼロに近いところまで持っていって、なるべく民間の方の力を借りるように、御指摘のとおりのやり方によりまして、諸外国でも電報事業は赤字でございますのでなかなかむずかしゅうございますけれども、極力努力をしてまいりたい、こういうふうに存じております。
  49. 北川石松

    北川委員 一日に一通で七一%、一日二通のものを合わせると八八・四%、こういうふうになっておる。私は大変改善をしなくてはいけないと思う。これは電話の発達によって生じてきた一つの問題もございます。というて、国民がこれを改善することによって後々不満を来すようなことがあっても困る。ただし、民間に委託すると運営が非常にスムーズにいくという点もあると思うのですね。そういういろいろな点を今後改善していただきたいということを強く要望したい。  ただ、一兆円になんなんとする赤字が出たからといって、赤字減らし赤字減らしということで、政治というものは商売じゃありませんから、赤字減らしのために国民に迷惑をかけるようなことがあっては困ると私は思います。そういう点で、国民の負託にこたえられるような改善を進めていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。  大変ありがとうございました。
  50. 加藤清二

    加藤委員長 この際、北川君に申し上げます。北川君、答弁漏れはありませんか。
  51. 北川石松

    北川委員 それは、時間がありませんので後で文書ということも言っておりますので、また委員長において処置をお願いいたしたいと思います。
  52. 加藤清二

    加藤委員長 それでは、郵政当局並びに検査院の方へお尋ねいたします。  北川石松君の質問に対して答弁漏れがあるようでございまするが、質問者の希望によって後で書面でもって答弁していただけますか。——それでは、可及的速やかに書面をもって答弁をしていただきまするように。もちろん、本委員会における質疑でございまするから、本委員会にも同様の答弁書といいますか書類を御提出願うよう希望しておきます。
  53. 岩井毅

    岩井会計検査院説明員 検査院は答弁漏れはございません。
  54. 加藤清二

    加藤委員長 会計検査院の方には答弁漏れがないようでございますが、北川君、それでよろしいですか。
  55. 北川石松

    北川委員 はい。
  56. 加藤清二

    加藤委員長 次に、楯兼次郎君。
  57. 楯兼次郎

    ○楯委員 私は、時間の関係上、全逓マル生に集約をして質問をいたしたいと思います。  実は昨年の暮れ、十二月九日、十五日、十八日その他の日に私は現地の調査に行ったのです。われわれは郵政当局に十二月中に質問をして、そうして年末年始の配達が円滑に遂行できるようにという念願で行ったのですけれども、とうとう時期を失してしまいましたので、遅まきではありますが、あと一時間ばかり六点にわたって質問を申し上げて、早急に全逓との正常化を図っていただきたい、そういう前提に立って質問をいたします。  私が現地を歩いてみまして、総括的な感想を申し上げますると、こういうことになると思います。  簡単に言いますが、まず第一は、新規採用した場合に、なるべく全逓組合に入らないように指導をしておるということですね。簡単に言うと、全逓組合員以外の先任者が指導をする、それから全逓組合員の多数入っておる宿舎には新規採用者はできるだけ入れない、そういうことをやっております。  それから、全逓組合員は表彰、昇格、昇給、転勤等について非常に不利な扱いを受けておる、これも後で申し上げます。  それから、転勤であるとか転職等の希望を申し出ますと、交換条件として全逓組合脱退が提案をされる。  第四には、もうむやみに処分の乱発が行われておるということです。  それから第五には、管理者は全逓組合を無視してしまっておる。全然全逓組合を無視をして、組合員を弾圧することが管理者の昇進を促進する条件のような風潮を生んでおる。これは本人が自覚してやっておるかどうかわかりませんが、できるだけ不当労働行為的なこと、時間の範囲内で後で申し上げますが、とにかくやっつけることがその人が栄転、昇進をするという条件であるというような風潮が現場一般には流れておる。  それから、われわれが調査に行きますと、管理者は自分の不利なことは全然物を言わないわけですね。あらゆる角度から質問をいたしましても黙して語らずというので、大げさに言えば何時間でも自分の不利なことは発言をしない、こういう状態です。  それから、よく国会には委員会なり本会議質疑応答のとらの巻というのがあるということが言われておるのでありますが、何か管理者がわれわれに答弁をすることは一つのとらの巻があるようです。したがって、管理者が予測をしない問題についてわれわれが質問をいたしますと、それは上部機関、郵政局あるいは本省の指示がなければ物が言えない、現場長はそういう問題についてはロボット的存在である、こういう感を私は非常に強めたわけであります。  これが私が十二月現地を歩きまして感じました総括的な結論である、こういうことをまず冒頭に申し上げておきたいと思います。  それでは今度は、具体的に岐阜県の中津川郵便局、それから岐阜県の各務原郵便局、それから岐阜郵便局で私が見聞をいたしましたこと、山ほどあります。山ほどありますが、一時間以内でありますから、二点ずつピックアップをしてひとつ説明を申し上げたいと思います。  まず、中津川郵便局で起きました人権問題です。これは後で申し上げますが、県の人権擁護委員会に提訴をした事件があります。まず概要を申し上げます。  十二月の二日午前九時十分ごろ、中津川郵便局郵便課外務主任説田君は、背中がぞくぞくし寒けがしたので私物のジャンパーを着用し作業をしていたところ、同局郵便課長が課長代理を立ち会いにして、命令によりそのジャンパーを脱がせた。そのため説田主任は病状が悪化し、以降五日間の安静加療を要した。ここに医師の診断書がありますが、背中がぞくぞくするのでぜひこのジャンパーは着用をしておりたい、こういう本人の申し出があるにもかかわらず、何を言っているか、脱げ、寒いからかぜを引くからぜひひとつ御容赦願いたい、業務命令だ、脱げ、こう言って脱がしてしまったわけです。そして夕方三十九度近く発熱をいたしまして、これは付近の医者で私もよく知っておる医者でありますが、そこへ行って診断を受けたところが、咽頭気管支炎、以降五日間療養を要す、こういうことで休養をせざるを得なくなった、これが概要であります。  私は中津川の郵便局へ十八日に社会党の命によって調査に行ったわけです。それでこの問題を、初め、郵政省の就業規則の二十五条ですか、制服は着なければいけない、服装は正しくしなければいけない、そういう就業規則に基づいて、見苦しい服を着ておるので脱げ、よく事前に話を聞いておらなかったもので、こう言ったんだろうと思ったわけです。  ところが、私と応対しておる局長は、ネクタイを締め上着は着ておるけれども、サンダルをはいておるわけです。サンダルをはいておって別に悪いとは言いませんけれども、どうも就業規則の二十五条の「服装を正しくしなければならない。」というたてまえからいけばちょっとどうか。それから、業務命令だ、脱げと言って脱がした課長は、当日も私が行った十八日もワイシャツ一枚でやっておるわけです。自分たちはどうも常識的な服装をつけておらないのに、なぜそのジャンパーを脱がしたのだろうか。だんだんとどういうわけですかと言って聞いたところが、局長さんは黙っておる。  ところが、組合の人に聞くと、そのジャンパーの胸に全逓という印がある。だからそこで業務命令だ、背中がぞくぞくするので何とかしてもらいたいという言葉を無視して脱がしてしまったというのが事の概要です。おわかりいただいたかどうかわかりませんけれども、ざっと申し上げますとそういう状態です。  では、説田君に制服が貸与されておったかというと貸与されておらないわけです。体が大きくなったかどうかわかりませんが、十日ぐらい前に制服の貸与があった。ボタンがはめられない、着られないので取りかえを申し出てあるのです。それでなかなか更改の制服が来ないので、いろいろの会議ごとにあるいは機会あるごとに早くその制服を貸与してもらいたい、こういう要請をしておるにもかかわらず、脱がされた当時はまだ未貸与であったわけです。  私が質問を申し上げたいのは、本人の請求にもかかわらず所定の制服が未貸与であった。にもかかわらずこういう状態ができたというその責任は、本人が負わなくてはならぬものか。未貸与の責任というのはどこにあるのかということですね。まずこれをひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  58. 守住有信

    守住政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生の御指摘の中津川局の組合ジャンパーを脱がされてかぜを引いたという関係の点でございますけれども、実はこの局は勤務時間中あるいは配達途中組合ジャンパーを着て配達にも出るというふうな風習と申しますか、それがあるところでございましたので、当該局としては長い間かけましていろいろ注意喚起をやっておったところでございますけれども、お尋ねの十二月二日でございますけれども、職員の方が組合ジャンパーを着て局内で仕事をしているので注意をした。そこで多少のやりとりがあったようでございます。このやりとり自体は、私どもとしても管理者としてもっと温かみのある相互関係が必要ではなかったかと思う次第でございますけれども、やはり御本人かぜぎみであったということで、それなりの準備と申しますか下着を厚くするなどのこともお考えおきをいただきたい。また程度がひどければ病休、こういうことになろうかと思うわけでございます。この点、制服ではございませんで防寒衣、制服は制服であるわけでございますが、制服の上に組合ジャンパーを着ておられて、防寒衣というものが御指摘のように号数が合わないために返戻して新しい体に合うものを要求されておったという段階のものというふうに理解をしておるところでございまして、やはり基本的には就業規則にございますように正しい制服を着てやっていただきたい、こういうことが基本でございますけれども、その御本人の受けとめ方、状況、そこで人間的な配慮と申しますか、そういう点が管理者の方に足らなかったということについては一半のものがあろう、こう思っておる次第でございますが、しかしやはり基本の方は制服で勤務時間中も外の配達もやっていただきたい、こういう考え方でおる次第でございます。  それからなお、お尋ねのポイントの、資材へ本人が請求したのに未貸与であったという点でございますが、これにつきましては制服はきちっと着ておるわけでございまして、当時防寒衣がなかった。したがいまして、この課長は、寒いならジャンパーの方を下に着て制服の方を上に着るようにというふうなことも申しておるようでございます。  お答え申し上げました。
  59. 楯兼次郎

    ○楯委員 六問を十分ずつでやろうというので汗を流して説明しておるわけですが、これは現地のことであるので事情がおわかりにならないだろうと思って、前に政府委員室を通じて詳細に私は話してあるのです。だから、ここで何もあなた方の意表をついて質問をして立ち往生をさせよう、こういうつもりでやっておるわけじゃないのです。以下私が質問することは事前に説明がしてある。あなた方から回答をもらった。それに基づいて質問をするのでありまするから、簡単にひとつお答えをいただきたいと思います。  そこで、簡単にお伺いしますが、その全逓という印のついたものを庁内で着てはいけないという根拠を、無理に脱がせるという根拠をひとつ示していただきたいと思います。
  60. 守住有信

    守住政府委員 勤務時間中、職務中は制服を着てやっていただきたいという、お尋ねの就業規則第二十五条というふうに考えております。
  61. 楯兼次郎

    ○楯委員 制服がないのでほかのものを着ざるを得ない、ただ、たまたま全逓という印があったということは、私ども何回もやっておって後でわかったのですが、全逓という印があったので、何を言っておるか、業務命令だ、脱げと言って脱がして、かぜを引かしてしまったというのが現状なんですよ。だから、全逓という印のついたものを郵便局の庁内で着用できない、つまり業務命令によってこれを脱がせるという根拠を簡単に示していただきたいと思います。示してください。
  62. 守住有信

    守住政府委員 制服はあるわけでございますので、根拠はやはり就業規則の二十五条でございます。
  63. 楯兼次郎

    ○楯委員 制服が未貸与の人が着ておるものにそういう全逓という印があったから脱がせるという根拠を示してもらいたいということを言っている。本人には渡っておらぬのです、制服は。要求したが未貸与期間中の出来事である、こういうことです。
  64. 守住有信

    守住政府委員 郵便局外務員としての制服は御本人は着ておられるわけでございまして、その上に冬季着ます防寒衣、雨の場合は雨がっぱでございますけれども、その部分が未貸与であった、こういうことでございます。
  65. 楯兼次郎

    ○楯委員 それではこれは時間がたちますが、私はこんな問題は局長さん本人に、あなた間違ったことをやったんだから謝りなさいと言ったのです。こんな問題を国会まで出てきてやる必要もないと思ったものですから、本人に五日間もかぜを引かせて、無理に脱がせて療養させたんですから、悪いことは悪いんだから一言謝罪したらどうかと言ったのですが、これも黙して語らずで何も言わないのですね。何か自分の都合の悪いことは一言も言わない、こういう問題です。だから、この委員会が終わったら中津川の局長にあなたから、本人に一言謝罪をさせるように慫慂したらどうですか。
  66. 守住有信

    守住政府委員 先ほども申し上げましたように、人間的配慮はいろいろ必要でございますので、そういう意味合いで職場の空気をやわらげるとか本人との人間関係、信頼関係のためにも、これは課長でございますけれども、課長の方から本人に自分の真意と済まなかったということを一言言わせるように指導したいと思っております。
  67. 楯兼次郎

    ○楯委員 次の問題はこういう問題です。中津川局の全逓組合員の処分をその家族に報告して、家庭争議の原因をつくっておる。  これは、中津川郵便局郵便課の今井富政君が昨年十一月二十九日戒告処分を受けた。局長は翌三十日夕方、今井君の父親に電話をして、あなたの息子ははね上がっているので加藤、西尾とともに三人を戒告処分にした、家でもよく本人に注意をしてもらいたいという趣旨の話をしたわけです。その晩今井君が家に帰ってまいりまして、この電話を中心に親子、夫婦げんかが夜遅くまで続いた、簡単に概要を申し上げますとこういうことです。  今井君は十七や十八の子供ではない。すでに一子を持った三十近い人なんです。それで私は、十二月十八日に現地調査の折局長に、それはひどいじゃないか、そんなばかなことをして家庭争議の原因をつくるということは現場長として不穏当ではないか、こういうことを言ったのです。ところが、その中津川の局長さんは、いや家族から意見をしてもらうことは正当であると言って大演説を私の前でやるわけですね。そこで、ではあなたがその電話をしたのですかと言って聞くととたんに態度を変えて、いや私は絶対にかけない、では一体だれがかけたのか、いやそれは知らないということで、これまた追及をすると黙秘権行使で何とも言わないわけです。  したがって、私は十九日にちょうど上京いたしましたので、夕方に政府委員室を通じて、私もこんな問題でこんな深入りをするということはしたくないのですけれども、余り局長自身が固執するものですから、一体家族に本人の処分を通告をするというようなこんなばかなことをだれがやったのか、ひとつ回答をしてもらいたい、こういうことを言いましたら、十二月二十一日に、あなたの方からこういう回答書を持ってきたのです。今井富政官に関して、十一月二十九日、おじ、おいの関係にある中津川市の隣の恵那長島局長が本人を戒めるため、父親に対して忠告をしたんだ、こういうことをあなた方の回答で持ってきたわけです。  そこで私は、私の秘書を今井君の父親のところにやりまして、そして話を聞きました。ところが、今井君の父親は、中津川郵便局長から電話があったのは十一月三十日で、恵那長島局長からこのことについて電話のあったのは十二月二十一日であると言っておるわけですね。あなたの方の回答には、十一月二十九日に、おじ、おいの関係にある恵那長島局長をして父親に電話をした、こういう回答が来たんですが、中津川局長電話をかけたのは、十一月三十日であるわけです。  それで、今井君の父親は、何を言っておるかと、本人も怒っていますよ。おじ、おい関係にある恵那長島の局長ならば、だれと言わなくても、父親と、この恵那長島の局長さんの細君ときょうだいですから、義兄弟ですから、名前なんか言わなくたって電話がかかってくればすぐわかる。ところが、中津川の局長だというので、二回中津川の局長さんですねと言って確認をしておるんです。それから、そのおじさん、恵那長島の局長さんが父親のところへ電話をしてきたのは約一月たった十二月二十一日、おまえのところの息子は何をしたのか、こういう電話があったということを言っておるわけです。  したがって、これを推理いたしますると、中津川の局長は、われわれには少しも回答をよこさなかったわけですが、私が十九日の夕方東京で郵政省の政府委員室を通じてだれがかけたのか回答をせよと言って、二十日にその照会があった。それで中津川の郵便局長と恵那長島の局長が打ち合わせをした結果、十一月二十九日にあなたが電話をかけたことにしてくれ、こういう打ち合わせをして、郵政省の回答として私の方に十一月二十九日に忠告をしたんだ、こういう回答があったと想定をしてまず間違いないと思うのです。  私は、しかし事は人事の問題でありまするから軽々に取り扱ってはいけない、こう思って十二月三十日に恵那長島の局長に会いました。時間の節約上内容は省略をいたしますが、電話をかけたのか、二十九日だ、いや父親が聞いたのは三十日だという、一日違うではないか、あなたはだれから——十一月二十九日に戒告処分を発令すると同時に自動的に恵那長島の局長の耳に入ったという想定になっているわけですが、一体あなたはだれに聞いたのか、中津川の郵便局長に聞いたのかと言うと、恵那長島局長は、いやいや中津川の郵便局長からは聞いておらぬと言って、物すごく否定するわけです。しかし、東京の方で郵政省から私のもらった回答では、中津川郵便局長がそういうことを言っておるがどうか、こういうことを言ったのですが、そのところは、まさか私が恵那長島の局長のところへ自分みずから行くということは予測しなかったのでしょう、打ち合わせ不十分で、そうではない、そうではないと言っておる、こういうのが簡単に申し上げまするとこの概要なんです。  そこで、この中津川の郵便局長が、必要性は強調しながら、自分はかけた者ではないと徹頭徹尾拒否する根拠を一遍示していただきたいと思います。これは当然であるので私がかけて本人のためになるのですよと言うなら、あっさりそれを言えばいいのですね。ところが、家族からの忠告は必要であるということを大演説をしておいて、絶対私はかけぬ、いま簡単に言ったのでおわかりになったかどうかわかりませんが、そういう小細工までやって言い逃れをしようとする態度は、どうも不可解です。  したがって、局長が人の処分を部外に漏らすというようなことは、何かの法律に抵触するのですか。局長さんが徹頭徹尾拒否する、工作までして拒否する根拠は何ですか。
  68. 守住有信

    守住政府委員 お答え申し上げます。  そのこと自体、工作かどうかは別といたしまして、私どもの方で調べたのは先生の方へお出ししておるとおりでございますが、その点は小細工とか言い逃れという点の根拠と申しますか、それが果たして言い逃れ、小細工であるかどうかは別といたしまして、私ども一般的に考えました場合、懲戒処分というのは当該局では知れてしまうわけでございます。しかし一般的には懲戒処分の発令それ自体を積極的に周知をするということは適切ではないのではないか、こういう考え方、職員との関係、労使関係、労使問題の場合、それ以外のもございますけれども、そういう意味で一般的に広く部外に周知することは必ずしも適切ではない。しかしまた、そのこと自体が秘密扱いにしなければならぬというふうな性質のものではない。こういうふうな両面で一般的には私ども受けとめておるわけでございまして、ケース、ケースに応じながら、人事の扱いでございますので、慎重さというものは当然伴わなければならない、このように考えておる次第でございます。
  69. 楯兼次郎

    ○楯委員 余りはっきりとよくわからないのですが、では端的にお聞きしますが、公務員法九十九条、百条にこういう行為は抵触するのかどうか、もう簡単にイエス、ノーでお答えを願いたい。  もし抵触をしないとしても、こういう行為は正しいのかどうか。先ほどの問題のように、もし正しくなかったら、本人に局長は謝罪をしてもらいたいと思うのですが、どうですか。
  70. 守住有信

    守住政府委員 このこと自体が国家公務員法の百条、秘密を守る義務違反とは考えておりませんけれども、事は慎重でなければならぬ、こういう立場、考え方に立っておるところでございます。  ただ、私どもの調べたところでは、事実関係がいろいろ食い違いがあるようでございますし、この恵那長島局長は中津川局長からでなく、いろいろな局の話、うわさとかあるいは特推連の他の特定局長だとか、そういう方面から話を聞いたというふうなことを把握しておる次第でございます。
  71. 楯兼次郎

    ○楯委員 これはこれ以上やろうとは思わぬのですが、あなたの方の回答には、中津川の郵便局長が隣の恵那長島局長に話をして、そこから忠告をしたと回答をしておるのですよ。ところが、恵那長島局長は、私が行って確かめたところ、中津川の局長からは聞いておらないと言っておる。中津川の局長は長島局長に言うて、そこから忠告をさせたと言っており、食い違いがあるということです。  それから十一月の二十九日の午後、本人に処分を発表したら、すぐ電波のように隣の町の恵那長島局長の耳に入るわけがないじゃないですか、常識的に。また、そんなことをやっておるとすれば、たとえ公務員法九十九条、百条に違反しなくとも大変な問題だと思うのですよ、人事管理上。どうですか。局長の見解を一言聞いておきたいと思います。
  72. 守住有信

    守住政府委員 この日は、その御本人だけでなくて、中津川局としては十数名の処分を発令しておるようでございますが、人事と申しますか、労務情報として特推連周辺の、特推連の役員にも情報として知らせておるようでございまして、その辺の流れがどうなったのか細かくは存じておりませんけれども、そういうふうなことから親戚の方だけについて注意という意味での電話があったのではなかろうか、これは私ども、推測でございますけれども、しておる次第でございます。  しかし、いずれにいたしましても、いま最初に申し上げましたように、人事や労務関係、労使関係いろいろございますので扱いは慎重でなければならぬ、このように考えておる次第でございます。
  73. 楯兼次郎

    ○楯委員 私がここで言っておることは、テープを聞き、あいまいな言葉は第三者に聞き、それから秘書並びに私本人が確認をして言っておることですよ、全部これは。だから、私がいま提案した問題ももう一回中津川局へ連絡をしてよく調べてごらんなさい。中津川局で二十九日に発表したのが直観的に電流のように隣の局長のところへ行って、局長がほい来たというので本人の父親を呼んでしかり飛ばす、そんなことはできるかどうか。しかも父親は、事件が起きてから私が東京で政府委員室を通じて回答をもらったその日に、長島の局長は初めてそのことについて電話をかけてきたと言っている。それから、長島の局長は義理の弟ですから、名前を聞かなくたって電話がりんと鳴ればすぐわかるのですよ。ところが中津川の局長だというので、二回そうですかと言って確認をしておると言うのです。だから、私は国会へでもどこへでも行って、幾ら親戚でも事によりけり、いつでも対決をいたしますと本人は言っておるのです。まさかそんなばかげたことは私はやりませんけれども、余りにもわれわれ自体も愚弄していますよ。後からくっつけて、その場限り通ればいいというようなやり方をやっておるということです。  次の問題に入ります。  今度は各務原郵便局です。われわれは十二月の九日に調査に行ったのですが、ところが前日の十二月の八日に利用者代表、各務原の天木清作という人ほか七名が局長に面会を求めた。ところが局へ入っていくと、途端に警察官が四名来た。そこで警察官は天木君ほか七名の顔を見て——天木君というのは私より年配の、おとなしい、市会議員を長年やった人なんです。だから警察官はよく知っておるわけなんです。四名来て、何だあんた方かというので大笑いをして引き揚げたという一幕があるわけです。  そこで、簡潔にお伺いしますが、警察官を局で呼ぶというような、出動を要請するというような場合はどういう場合ですか。どういう場合に要請するのですか。
  74. 守住有信

    守住政府委員 そのような事態は非常に好ましくない、起こっていかぬことでございますけれども、やむを得ない場合——このやむを得ない場合と申しますのが、たとえて申し上げますと、職場内の暴力事件等が起こるような雰囲気である場合等、あるいはまた、多数の方々が職場の中で喧騒にわたって、その後の推移が非常にいろいろな面での秩序紊乱にわたるような、刑法上の問題にまでわたるような場合等々、いろいろなことが考えられると思う次第でございます。
  75. 楯兼次郎

    ○楯委員 それで、何もしないのに、行った途端に四名警察官が来て、本人たちの顔を見て大笑いをして引き揚げた。こういう点について、九日、各務原郵便局長とわれわれが問答したのです。これはあいまいであるといけませんので、テープその他からわれわれの問答をピックアップしてありますが、ちょっと読んでみます。  警察官出動を要請する状況もないのに警官出動を要請したのはなぜか。だれが要請したのか。局長はこう答えております、警官四名が各務原局に入ったことは事実であり、私もその事実を承知しておる。警官を呼んだのは当局者の者であることはほぼ間違いない。それがだれであるかは、現在のところすぐわからない。これは局長の言葉なんですね。  何かちらっと聞いたのですが、次のことを私は確認はしておりません、うわさをちらっと聞いたのですが、八日には東海郵政局の職員が各務原へ来ておった、こういうことをちらっと聞いたのですが、これは私は確認をしておりませんから、もしおわかりならば、十二月八日、各務原局へ東海郵政局の職員が行っておったのかどうか。行っておったとすれば何用で、その用務は何であったか、こういう点をお答えいただきたい。ここで答えられなければ、後刻確認をして私に報告をしていただきたい、こう思います。どうですか。
  76. 守住有信

    守住政府委員 お答え申し上げます。  その八日に郵政局が、だれかが来ておったかどうかはまだ把握いたしておりません。後でまた調べたいと思いますが、一般的には、その時期は非常に郵便物の滞留、混乱の時期でございますので、いろいろな業務面での指導、アルバイトの指導等々を含めまして、郵政局は多数応援に出しておった時期であるということは言えますが、具体的には、また調査いたしまして、御報告申し上げたいと思います。
  77. 楯兼次郎

    ○楯委員 それでは、次の問題。  これは同じ各務原ですが、昨年の十一月十日、十一日、十三日に簡易書留が、十日は二百通、十一日は二百一通、十三日には百九十通来たわけです。これは例の自民党の総裁選挙の投票用紙か何かであろうと想定しておるわけですが、ここの各務原の局長さんはこの簡易書留を優先的単独配達をした。そのためにほかの書留、速達がおくれ、一般郵便物と一緒に配達をしたという事件があるわけです。  ここでお伺いしたいのは、何か自民党の総裁選挙の郵便物は優先配達をせよという通達を本省あたりで出したかどうかということと、速達を一般郵便物と同時に配達することは、これは私は違法だと思うのです。こうした場合には速達料の取り扱いというのはどうなるのか。返済をしたかどうか。簡易書留と速達扱いの配達優先順位をひとつお伺いしたいと思います。
  78. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 第一番目の、自民党の総裁選挙に伴いましての簡易書留について優先取り扱いをするようにというような通達を出したかという点でございますが、優先取り扱いをするようにという通達は出してはおりません。ただ、業務指導といたしまして、これはどの郵便物に限りませず、一般的に重要な郵便物あるいは特殊な業務量の増加が認められる際には注意を喚起するということはございます。この場合には非常に多くの郵便物、簡易書留が見込まれましたので、事前にいろいろな計画も必要でございますので、その意味での通達といいますか、業務指導文書は出しております。  それから第二番目に、速達を普通の配達便にかけることが適法であるかどうかという問題でございますが、これは郵便規則に送達の具体的方法ということについて規定がございます。現場でございますので突発的な事件もいろいろと起こり得るわけでございまして、突然担当の者が休むとかあるいはいろいろな天災地変が起こるとかというようなこともあり得ますので、そのような場合には、速達すると認められるときは通常の方法による場合があるという規定がございます。  なお、料金を還付するかどうかということでございますが、各務原局に到達いたしますまでの間は、これは途中の運送経路その他が最先便をもって到達をいたしておりまして、当日当該局におきましては、速達の担当者が突然朝休みまして、そのことのために通常の配達に入れたということでございまして、午前中に配達は終わっておりますので、一時間ないしは二時間程度のおくれはあったろうと思いますが、十二、三通でございますが、通常の便よりは早く到達をいたしておりますので、料金の払い戻しその他はいたしておりません。
  79. 楯兼次郎

    ○楯委員 この二点について各務原局長は、われわれがそれはいけないんじゃないかと言うたところが、結論を申し上げますると、私の責任においてやったんだ——これは各務原の局長さんですよ。私の責任においてやったんだからすべて私が責任をとります、こう言明されるわけですね。そこで、どういう責任をおとりになりますかと言うと、先ほど申し上げましたように黙秘権ですね。何にも言わないわけです。そうこうするうちに途中で、これは非常に元気な局長さんでしたけれども、ちょっと御無礼しますと言って退席をしたまま帰ってこられませんので、次長さんか庶務課長さんに聞いたら、何か病院へ行ってそのまま帰ってこぬ、こういうことでありますから、われわれは引き揚げてきたわけです。  したがって、もう治って出ておられると思うのですが、この責任をとるというのはどういう責任をとるのかひとつ聞いて、これも私の方へ回答をしていただきたい、こう思います。これはもう答弁要らぬです。回答だけしてもらいます。  それから次に、岐阜郵便局の問題を申し上げます。  ちょっと時間がないので早口に申し上げますが、これはわれわれが十二月八日、九日各務原郵便局に調査に行ったときに、その説明に来た当該組合の支部長です。これをあなた方は戒告処分にしておるのです。十二月の八日、九日各務原に利用者代表、国会議員調査団、これは加藤委員長も行くことになり、組合側責任者である岐阜中央支部長である五島弘君が調査団に組合側事情説明のため休暇届を出し、両日欠勤して調査団と行動をともにした。     〔委員長退席、原(茂)委員長代理着席〕 ところが、十二月の十一日に岐阜郵便局長は就労命令違反として戒告処分を行ったわけです。私はその翌日東京に参りました。十二月の十二日にこのことを聞いて責任を感じてしまったわけです。そこで、いまそこにおられる本省の人事局長さんに電話をして、これは余りにもひどいじゃないかと処分の取り消しを要請いたしました、十二月十二日。人事局長さん記憶あるかどうか知りませんが、電話をかけてお願いしたのです。  そうしておいて、十二月十五日に岐阜郵便局へ調査に行った。で、局長さんにその話をしたのです。先日本省人事局長にも事情を話して処分取り消しを申し入れたが、本省からの調査はあったのか。局長さんは、全然ありませんと言うわけですね。そこで、これはみんなおるからよく知っておりますが、私が、それでは人事局長は忙しいので失念しておるのかもしれない、人事局長さんにちょっと確認をしたいので電話を貸してもらいたい、こういうわけで電話をかけようとしたんですね。そうしたら岐阜の局長さんが手を上げて、電話をかけるのを阻止をするわけですね。私の方がびっくりしちゃったわけですよ。どういうわけだと言ったら、東海郵政局長の許可がなければ電話をするわけにはまいりません、こう言って局長さんががんとして、私があなたのところへお忘れになっておると困ると言って電話をしようというのを阻止をされるわけですね。  私は余りばかばかしいからそのままにしておいたんですが、一体われわれが調査に行って郵政省電話を使うというのはいかぬのですか。そんなはずはないと思うのですよ。ところが阻止をして電話をかけさせないわけです。そこで、もう処分を取り消しなさい、こう言ったところが、全然これも黙秘権で何とも言われないわけです。  そこで東京へ参りまして、これも政府委員室を通じて当局の回答を求めたところ、こういう回答が来たわけです。いろいろあるけれども簡単に読みますけれども、これはあなた方の回答です。「十二月八日午後六時ごろ、十二月九日の年休請求書を郵便課長に「お願いします。」と言って提出したまま、帰ってしまった。」——五島君が。「郵便課長は、この年休請求については、業務に支障があり付与できる状況になかったので、他日振替することとし、この旨を当日本人に通知」をした。「電報」と書いてある。電報で通知をした。「更に、九日当日本人が所定の勤務につかなかったので、再度出勤を命令した。」 これも電報でやった。「しかし、五島支部長は、前日に続いて、九日も勤務を欠いた。郵便課長は、十二月十日、五島支部長が出勤したので、十二月八日及び九日の両日に、就労命令に従わないで欠務するについて特別の事情があったかどうかについての疎明を求めたが、本人は「私の方にはとらなければならない理由があったからとった。なぜ欠務したかと言われて、あえて言えばそれだけだ。」などと申し立てるのみであった。」 したがって戒告処分にした、こういう回答をあなたの方からもらったわけです。  しかし、われわれが考えてみますると、全くむちゃをやっていますね。本人は休暇届を郵便課長のところへ出してお願いしますと言ったと、当局回答でも言うておるんです。年休休暇というのは、大体常識としては冠婚葬祭、旅行に行くというようなときにとるのです。それを、休暇をお願いしますと言って書類を持っていったときには黙っておって、本人が帰ったら、やれない。また朝出勤せよと言って電報を打つ。これはもうどういうやり方ですか。冠婚葬祭、旅行で準備でもしておったら本当に困っちゃうんじゃないですか。  だからこの取り扱いは、本人が無断欠勤したというなら別ですけれども、あすは休暇をお願いしますと言って休暇届を出しておるのに、その場はほうっておいて、後で電報二通も打って出勤を促したが出てこないのでやったんだ。それから出てきたときに、おまえどこへ行っておった——冗談じゃない、われわれ調査団が各務原郵便局へ行くというようなことはもうわかり切ったことじゃないですか。岐阜の局長さんは知っておるじゃないですか。われわれが行ったときには局長さんが休暇とって応対しておったかどうか私は知らぬのですけれども、わかり切ったことを、なぜ休んだか理由を言わないから戒告処分にした。  なぜ休暇届を出したときに都合が悪ければ悪いと言わないのか。それから、十日に出てきたときに、当然われわれの調査団と行動をともにするために休暇をとったということはわかっておりながら、あえて言わなかったから戒告処分にした。ばかばかしくて言えないですよ、そんなわかり切ったこと。これも私が回答を求めた後ででっち上げの回答であると考えてもまず間違いないと思います。なるほど各務原郵便局は岐阜郵便局から離れておりますけれども、全逓組合組織から言えば岐阜中央支部の傘下にあるわけですから、支部長である五島君がわれわれの説明のために休暇届を出して休むのは当然じゃないですか。こういう全く常識では割り切れないやり方をやっている。  だから私は、この回答を持ってみえた人事課長さんに、理由はわかったのであるから処分を取り消しなさい、再三こういうことを言っておいたのですけれども何ら返答がない、こういうことですよ。どうですか、この点は。
  80. 守住有信

    守住政府委員 お答え申し上げます。  当時は広範囲な年休戦術中であったことが一つでございますが、御本人もその八日の日無断欠勤をしておられるわけでございます。そして、九日の夕方、特段の事情を申し立てることなく年休を請求された。したがいまして、当該課の課長といたしましては、業務運行との判断を後で図る必要があるために、その場では判断の時間と申しますか、そういうものが必要であった。本人はすぐ帰られた。したがいまして、判断した後に電報で出勤を要請した。また翌日の朝も要請した。こういう事情であるわけでございます。実は、先生からもお話がございましたので、この点を詳細に調査して事実に即して判断するようにということは申したわけでございますが、私どもの方からも御報告申し上げましたような事実関係であった、こういうことでございます。
  81. 楯兼次郎

    ○楯委員 二回も電報を打って、電報代はどこで支払ったのか知りませんが、でたらめやっていますよ。時間の制約もあるから、これ以上はまたほかの場所で言いますけれども、休暇届にはその場で、あすはだめならだめと言わなければ、冠婚葬祭、旅行にも行けぬじゃないですか。うちでごろ寝しておれば、朝電報が来て出てこいと言えば出てこれるかもわかりませんが、大体有給休暇のとり方を、後からでっち上げの非常識のでたらめですよ、このあなたの方の回答は。こんなもの笑われますよ、よその官庁へ持っていってこんなことを言えば。  それから、もうあと六分しかありませんから簡単に、岐阜の郵便局次長が全逓組合脱退を慫慂した実例を一つ申し上げます。  これは昨年の三月の話ですが、岐阜郵便局の川村久男という人がおるわけですね。この人が前に保険課外務を希望しておいたわけです。時間がないから、家庭の事情は私は言いません。保険課の外務係を希望しておったのだが、家庭の事情でその必要がなくなったので、杉島順一という次長と会いまして、この間配転をお願いしたけれどもこれを取り消してもらいたい、こういう申し入れに行ったのです。そのときに次長はこういうことを言っておる。君も主任に昇格する時期にきているし、主事になれば岐阜局にとどまることはできないだろう、ストライキをやる組合におることがいかんのだから、この時期に考えてみる必要があると思うが、どうか、全逓さんに何か義理があるのか、労金で金でも借りているのか、こういうことを次長が言っておるわけですね。  そこで、その実情はどうかと言ったところが、これも黙して語らずでありまするから、本省の方から、政府委員室から回答書をもらいました。  ところが、その回答書には、「春闘前であったので、違法ストライキに参加しないよう話した。」こういう回答が来たわけですね。回答は短いけれども大体同じですよ。配転の取り消しの申し入れに行ったら組合のことを言っておる。その意味するところは、全逓組合を脱退せよ、脱退すればおまえの要求は聞いてやろう、こう推定をしてもまず誤りではないと思う、だれが読んでも常識的に。  これは一時間でやりましたから、ほんの九牛の一毛です。私は、ここで言っては郵政の名誉のためにも言えないようなこともあると思うのですけれども、これで時間が来ましたのでやめたいと思います。  したがって、私は、郵政の決算については絶対これは不承認である、こう思います。したがって、委員長としても、決算不承認の場合の法律的、政治的の影響について今後研究をしてもらいたい、こういう申し入れをいたしておきます。  それから、これは郵政大臣にお願いをしたいのでありますが、いまの特別な現場長ですね、現場の郵便局長あるいはこれをリモコンをしておる郵政局の幹部あるいはまたこれに指示を与えておる本省の幹部は、それがたとえ善意であろうとも、同一人が円満なる郵政業務を遂行をするための労使の円満な解決はまず不可能であろうと思うのです。したがって、馬謖を切るという言葉もありますが、はなはだしい現場の郵便局の管理者あるいは郵政局の責任者、本省の責任者は速やかに更迭をして早急にこの全逓の紛糾を終止されるように郵政大臣の積極的な決断を要請して、質問を終わりたいと思います。
  82. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 私の答弁は要らないような御意見のようでございますけれども、私にも一言申し上げさせていただきたいと思いましてお願い申し上げます。  いま、るる楯委員からお話がございまして、守住局長からもそれぞれ答弁を申し上げたところであります。長い間の不信と申しますか、そういうふうな中においていろいろ誤解も生じたというふうに思いますし、またいろいろな起こるべくして起こったような背景なども想像されますので、皆様方の御慫慂もありまして、どうしてもこれは両方で話し合いをしなければいかぬ、不信の上に立っていまの郵政事業を推進するということは非常にむずかしいと私もそれなりに考えまして、皆様方の御慫慂も受けて何とか話し合いの糸口をつくろうと思って、いま話し合いをしている最中であります。  いろいろそれなりにやはり経済問題その他についても話し合いができまして、そうして一つ一つ解決していくというふうなことも進んでいるようでありますし、またこれは不当労働行為ではないかという、そういうふうないろいろな多数の案件も出てまいっておりますけれども、それはそれとして、私どもがまたいろいろ調査をし、聞いているところでも、そういうふうに不当労働行為と思われるのかどうかということも非常に疑問に思うところもありますので、そういうふうな点などにつきましても、全逓の組合幹部の諸君とわが郵政省局長あるいはそれぞれの立場の諸君とも話し合いを進めながら解決していかなければならぬと思って、いまその方向で進んでいるところでありますので、時間をかしていただいて、長い目でひとつ見ていただきたい。いずれにしましても、これは両方で社会的な責任を感じながら解決していく以外にないわけでありますから、その点御理解をいただきたいと思います。
  83. 原茂

    ○原(茂)委員長代理 馬場猪太郎君。
  84. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 最初に、郵便局における窓口職員の責任についてということで、昨年の十月二十日付、この時期にあえて異例の意見表示を郵政省になさった動機、どういうわけでこの時期に会計検査院としてこういう意見表示をなさったかについてお伺いをいたしたいと思います。
  85. 小野光次郎

    ○小野会計検査院説明員 お答えいたします。  私どもがこの意見を表示いたしましたのは、この種事件は従来から発生しておりまして、それで先生御指摘のように従来からある問題でございますが、窓口職員の責任につきましては、郵政省にその改善方を従来から強く要望してきたところでございます。それでございますが、現行の郵政省の体制では、部外者が不法に領得した預金通帳等を窓口に提示して貯金の払い戻しや貸し付けを受ける等の犯罪が発生いたしましても、これが出納員でない事務職員の職務の範囲の中にございますので、正当な権利者の確認誤りに起因すると認める場合には、出納員である現金主任の会計法上の責任を追及できないことになっているものでございます。  したがいまして、近年この種犯罪が多発していることでもございますので、会計検査院といたしましては、窓口職員の責任体制を検討いたしまして、会計法の意図する公会計の秩序維持を図る必要があると考えるものでございまして、この制度の改善について意見を表示したものでございます。
  86. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 この意見表示の中身によりますと、五十年から五十二年までの三カ年間に、不法領得通帳等を使用した部外者によるものが七千百六十口、九億九千九百六十四万一千六百四十円、及び局の外務員によるものが五百十二口で八千六百六万九千九百五円、合計七千六百七十二口で十億八千五百七十一万一千五百四十五円もに上る巨額の国の損失を招いているということは、郵政大臣も御承知のとおりですが、いま会計検査院からも言われたように、ずっと長い経過がありながら一向に改善ができない、しびれを切らしてというような感じでこういう意見表示をなさったわけですが、郵政大臣としてはどういうふうにこれをお受け取りになりましたか。
  87. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 郵便局の窓口職員の現在における事務処理体制は、御承知のとおり、長年にわたって行われてきたものでありまして、早急に変更した場合には郵便貯金業務の円滑な運営に与える影響も非常に大きいということで、郵政省といたしましては、今後におきましての貯金事業の円滑な運営を図るということと、公会計の秩序もまた維持できるような方途はないかということを至急に、慎重に検討しながら進んでいきたいと考えておるところでございます。
  88. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 慎重にと言われるのですが、いただきました国損の資料によりますと、四十五年は一億五千万、四十六年は一億九千万台というふうに、年々ずっとふえてきておりますね。そういう状態が十年来続いているにもかかわらず、慎重にが長過ぎるのではないでしょうか。少なくとも内部の監査で郵政監察局あたりもこのことは十分御承知のはずですから、郵政監察局としてはどういう態度をおとりになってきたのか、お伺いしたいと思います。
  89. 吉田実

    ○吉田説明員 お答え申し上げます。  監察といたしましては、このような事件を防止するために、各種の防犯通達が所管局から出ておるわけでございまして、これが十分に守られているかどうか、郵便局の考査等の際に点検して指導するようにいたしておるわけでございます。  また、この種の捜査の過程におきまして、犯罪が発生した遺漏欠陥事項というようなものがわかりますので、その都度、犯罪が発生した郵便局に対しまして、その改善策を指示しておるところでございます。また、その改善結果を報告をさせまして、同種事件が再発しないように配意しておるところでございます。  なお、私どもとしては、毎年秋口に特定郵便局等では防犯打合会というのをやっておるわけでございますけれども、この際にも、こういった問題については大きく議題に取り上げて、その防護策等について打ち合わせをいたしておるところでございます。
  90. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 言葉を非常に慎重に言っておられるのですけれども、確かに重大な過失であるとか故意の問題については、監察局がいろいろ監査なさったことについて厳重にやっておられるのでしょうけれども、そうでない、ここに会計検査院指摘しているような内容については、全然改善されておりませんね。年々ふえていっておりますね。それには制度的な欠陥があるのか、規定の中で欠陥があるのか、あるいは法律が現状に合わないのか、そこらの問題があるわけなんですよ。現在の制度の枠内だけではどうにもならない問題があるからこそ、十年来国の損失がどんどんふえてきておる。後で申し上げますが、国の損失と同時に自己弁済もあるわけでしょう。それについてどうしておられるかということです。
  91. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 お答えいたします。  ただいま先生御指摘のもろもろの犯罪の防止の関係でございますが、まず郵便貯金の詐取の関係でございます。特に窓口で郵便貯金の払い渡しの際に、従来から正当の権利者の確認ということを厳正に行うように指導しております。不法領得通帳等によります郵便貯金の払戻金等の詐取を防止する、この点につきましては、基本的には正当権利者の確認という点が最も重要でございますので、そういった点につきましては機会あるごとに指導しております。また基本的に、職員が採用された場合には、研修所におきます訓練あるいは職場におきます訓練、こういった際におきましても十分に指導しているところでございまして、この点は重ねて今後とも十分に指導してまいりたいと考えております。  それから、先生御指摘外務員による詐取犯罪の点でございますが、この点につきましても、外務員が局外におきまして現在取り扱われるものは、積立貯金の募集、集金、それから満期の払い、それから定期、定額貯金の募集、こういうことになっておりまして、いわゆるその他の一般普通貯金等につきましては扱わないように、通帳をお客様から言われても原則として扱わないようにという指導をしておるわけでございますが、ときに、やむを得ない事情でお客様が局に来られないというような場合に、そういった事情の場合には特に預かってくる。ただし、その場合にはお客様に預かり証をちゃんと渡して預かってくるというふうな指導をしております。  ただ、その場合に窓口へその外務員が来まして、そこで窓口の取り扱い者との間で授受をやる、払い戻しをやるというようなことは厳に禁じているわけでございますが、ときにそういった点、同僚ということの気安さから窓口でその外務員に支払いをやってしまう、それを奇貨として外務員がその現金を詐取する、着服する、こういったような問題がときにございまして、この点は特に十分に内部の監査手続を設けまして、外務員の方がやむを得ず預かってきた場合には必ず内務の責任者にそれを渡して、内務の責任者がそういったやむを得ない事情というものを十分監査し、また、お客様から預かってきた通帳等、その手続が十分行われているかということを監査した上で授受をする、こういうふうなことにいたしまして、窓口の取り扱いというものを厳に戒めているわけでございますが、そういった点がいま申しましたようなことでときに緩むというような点がございますので、この点は今後とも十分に注意をしてまいりたい、かように考えております。
  92. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 私、何もいま外務員のことは聞いてないですよ。まず内務員の話だけしているのです。外務員の話をしていないのに、事前にいろいろ話をしているからお答えがあったのだと思いますが、外務員だけやっても時間がかかると思いますから触れてないのですよ。  そんなことより、ここに指摘してあるように、結局無責任体制になっているところに問題があって、幾ら注意をしても国損がふえつつあるという現実をどうするかということ、それについての対策をお講じになりましたかと言っておるのですよ。いまのところ結局は国損がふえていく原因は、事務主任の責任とそれから現金主任の責任というものがうまくかみ合わないところに問題があるんだというふうに指摘しているわけでしょう。それについては指摘されるまでもなしに、郵政当局の中でそういうことを十分に感じているはずですよね。だから、その点について今日までどういう討議を経て、どういう改革案を検討なさったかということを聞いているのです。
  93. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 お答えいたします。  先ほど大臣からお話しいたしましたとおり、窓口職員の現在におきます体制でございますが、非常に長年にわたって行われてきたものでございます。この場合に窓口出納職員の責任を重くするということになりますと、現在郵便局の窓口で行っております簡便迅速な取り扱い、これが要請されているわけでございますが、この本来のよさといいますか、この本来のサービスを損うことになるおそれがあるわけでございます。したがいまして、郵政省といたしましては、現在やっております庶民に親しまれております便利なこの窓口サービスを確保するということを、第一義ではございませんけれども、常に留意いたしております。一方では、いま先生御指摘いただきましたとおり会計法の定め、これは出納職員として当然の、いやしくも公金を取り扱うわけでございます、これを適正にするべきであるわけでございます。  御指摘ございました、いままで過去におきましていかなる手段を講じ、検討してきたか、私どもこれにつきましては長年、やはりこれに問題があるということは認識しておりましたものの、過去の長い間のことでございますので、そのめどにつきまして明確な回答は得なかったわけでございますけれども、今回この御指摘をいただきましたので、今後積極的にこの改善策につきまして省内におきましても講じますとともに、また検査院あるいは関係省庁とも協議いたしまして、その対応策について何らかの形で早急な結論を得たいというふうに考えている次第でございます。
  94. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 いま局長言われたように、過去に長い歴史があるのでしょう。そうしてそれを検討しておらなければならぬけれども、どうも長い歴史の中で自主的に解決していこうというような姿勢が見られないから、あえてこの時期に会計検査院がここに指摘しているわけでしょう。  ここで指摘している一番終わりの項を見ますと、事務主任と現金主任に両方とも両方の責任を持たせるという方法もあるじゃないか、あるいはまた二つの窓口にする方法もあるじゃないかというようなことも提案していますね。そういうことを具体的に提案しているのだから、それが受けられるような余地があるのか。それは実際上、あなた方はよく慣行、慣行と言われる。そういう慣行上いままでやってきたやり方を変えると大混雑を起こして、現行のままではいまの業務がスムーズにいかないというふうな欠点があって、こういう指示は受けられておるけれども、このとおりにはいけないというふうに考えておられるのかどうか。意見表示は会計検査院初めてですけれども、そういうことはいままでにずっと検討してきたはずなんですね。ですから、この意見表示があって、受け入れられるような体制があるのだったら、ごく近い将来にこういうことは実現できるのでしょう。改革できるのでしょう。しかし、それができないとなれば、意見表示があってもなかなか改革に取り組めないわけですね。そこらのところを具体的に答えてください。
  95. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 ただいま先生御指摘のように確かに長い問題でございまして、私どもも内部的にもこういった制度についてはいろいろと検討し、常に見直しというものはやっておるつもりでございますが、ただいまちょっと御説明も申し上げたかと思いますが、この窓口事務を事務主任と現金主任との二つに分けまして長年やってきているその理由といたしましては、書類事務と現金の受け払い、この事務を二つに分けることによりまして職員相互間の牽制をすることによりまして、事故犯罪の防止を図るということが一つございます。それからもう一つ、職務が分業化されることによりまして職員それぞれもやはりその仕事について非常に効率的に、また正確な処理ができる、こういったことの見地から長年とってきているわけでございます。  そこで、仮に会計検査院から意見表示をされているような措置を講じようとした場合に、ではどういう問題点があるかということでございますが、たとえば事務主任が現在行っております正当権利者の確認の事務を現金主任にも行わせるというふうな場合には、事務主任の事務の主要な部分が現金主任の方に移りまして事故犯罪の防止を図るという相互牽制の効果が減殺されるとともに、現在の体制の処理の手順を基本的に改めなければならないということになるのではないか。また、それでは正当権利者の確認という事務を事務主任と現金主任と両方に行わせるということにした場合どうかと言いますと、これはお客様にとりましても、自分の貯金を払い戻すために二度にわたって同じことを確認される、こういうことで、現在でもしばしば、確認という事務をめぐりましてはお客様と、自分の金をおろすのに何だ、一々やかましいではないかというような面でのトラブルというものも生じる場合がございます。そういった点から考えますと、郵便貯金の払い渡しに当たりまして預金者に与える影響も相当大きいのではないか、また効率的な事務処理という観点からは若干後退ではないか、こういうような問題が考えられるわけでございます。  したがいまして、こういったことをやりますと、いまの組織でねらっております業務の円滑な運営と、それから預金者サービスという面におきまして相当な影響があるのではないかということを私ども考えるわけでございます。したがいまして、検査院から例示されております改善案を含めまして、窓口事務の処理に与えます影響とかあるいは職員やお客様に及ぼす影響等を十分慎重に考えながら、どのような改善策があるかということを十分慎重に検討してまいりたい、現在かように考えておるわけでございます。
  96. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 検査院から意見表示があるまでもなしに、いま言われたように、そうなれば職員の責任も重くなるでしょう、増員も考えなければいかぬということもあるでしょう、あるいはサービスの面も欠けるところができるかもわからぬ、そのとおりだと思うのです。あるいはまた相互牽制装置が崩れる。これはいまに始まったことじゃなしに、十年も十五年も前からずっと来ているわけでしょう。検討して堂々めぐりで今日まで来ているわけでしょう。そしてあえて意見表示があったから取り組むというのは、では、それまでは何もやってなかったということになりますね。やってきたけれども、どうしても結論が出ないということなんです。  結局は、いまここの段階で会計法を変えるか、あなた方の規程を変えるかどっちかでしょう、突き詰めていったら。結論はそういうことなんでしょう。そういう点についてはどういうふうに考えていらっしゃるのですか。
  97. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 お答えいたします。  確かに先生おっしゃいましたとおり、会計法を変えるならば、国の一般行政の出納職員としての形とは変わったものとなるわけでございますけれども、公金であることには変わりないわけでございまして、会計法のらち外に置くということはきわめて問題があろうかと存じます。ただ一方、一般の民間金融機関におきましてどうしているかという点なんかも、私どもこの一年余り会計検査院との協議の段階におきましていろいろ勉強させていただいたわけでございますけれども、社内秘密といいますか、なかなかその実態が把握できない。外国の金融機関につきましても若干の研究もいたしたわけでございますけれども、組合があるとかいろいろな情報はございますけれども、正確なところはございませんでした。  今後の問題といたしまして、出納職員現金を亡失した場合に善管注意を怠ったらいかぬということが現在あるわけでございます。善管注意というものにつきましての範囲につきまして、その職務の態様に応じて必要であり、かつ十分な範囲内で具体的に明示することによりまして、この範囲、責任を明確にしてまいるというようなことでも、現行の法の範囲内で何らかの措置を講じていきたいというように考えているところでございます。
  98. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 いま言われた現行会計法の範囲の中で、運用さえ変えればある程度方法はあるのですか。会計検査院から見られてどうでしょう、そういう範囲内のことで解決のつくような問題でしょうか。
  99. 小野光次郎

    ○小野会計検査院説明員 お答えいたします。  ただいま郵政省の方からお話がございましたように、現行の会計法につきましては、これは当然郵政省だけではなくて現金を扱うすべての職員がこれに縛られるわけでございますので、この点につきましては会計法は非常に厳密に規定してございますので、あとそれをどう規程で運用していくかというのは、これは郵政省のお考えに当たることでございますので、私ども、郵政省の具体的なお考え方が出て初めてそれから検討させていただきたいと考える次第でございます。
  100. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 こうしてせっかく意見表示を出されたからには、会計法の立場からいい、そして検査院の機能からいっても、国の損失をできるだけ少なくしなければならぬ。ところが、今日までこういうことを十分わかっておりながら手がつかなかったところに、いま言われた、果たして運用の改善の余地があるのかどうか。いままであったらなぜやらなかったのだと言えますね。なかなかなかったのじゃないですか。だから今日まで来ているわけでしょう。言葉でそういうことを言っていたのじゃだめだと思うのです。実際に見通しがあるのかないのか、問題点を浮き彫りにして、問題がどうしてもどん詰まりに来て法律改正を伴わなければならないならならないのだという問題提起をしなければ、一歩も進まないと思います。議会の答弁はいつも、善処します、前向きでやりますとか運用の幅を広げますとか言いますけれども、本当にそれだけのことができるならやっているはずなのにやっていなかったら、いままで郵政省としては非常に怠慢だと言われてもしようがないですよ。怠慢だったわけですか。
  101. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 お答えいたします。  できるだけ何とか現在の法律の枠内で、そして現在の要請を満たすような形で何か道はないものか。その必要性について痛感しながらやってきたわけでございます。いままだ完全に絶対ないということでございませんで、何か少しずつでも出納職員のあり方について基本的に、郵政省のように現金を扱います、窓口でお客さんのお金をお預かりいたしますそういう職務、本当に現金そのものに密着している仕事でございます。この特殊性をどういう形で現実にマッチさせていくか、法律にマッチさせていくかという点を、まだこれからもうしばらく時間をおかしいただきまして、また勉強させていただきたい、こう思うわけでございます。
  102. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 相当長期間にわたっての検討課題でしょうから、そう短兵急に出ないかもわかりませんけれども、意見表示がなかったら積極的には実際にはやれないという姿勢ではだめだと思うのです。  ところで今度は、では国損の面を少なくせよと言えば、いままで郵政省が考えていらっしゃった方法はどうも非常に安易じゃなかったでしょうか。たとえばそちらを締めればいわゆる任意弁償の方法をどうも強化していっているような、確かに財政の面から言えば国損はできるだけ少なくなければならぬわけですが、といって改善策がないということで、結局いままでのやり方としては厳しく言えば言うほど任意弁済をふやすような結果が出ているんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
  103. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 任意弁済の問題でございますが、これは先生も御承知のように、出納職員には会計法の規定によりましてそれが出納職員としての注意義務を怠ったために取り扱い現金に不足を生じました場合には、これは弁償責任というものが生じるわけでございます。その場合に規定上は現金亡失報告を提出いたしまして、そこで会計検査院の認定を受けまして、弁償責任を課せられる。    〔原(茂)委員長代理退席、委員長着席〕 あるいはその注意義務の履行の内容によりまして弁償責任を課せられないこともある、こういうふうなことによりまして処理をされているわけでございますが、それに至らない段階で実際の事実上の慣行といたしまして長年にわたってこの任意弁償という問題が行われておるわけでございますが、これは決してそういったものを強制しているわけではなくて、やはり任意弁償の対象となります不足額というものが、非常に多岐にわたりますが大体少額のものが多い、手続も非常に煩瑣であるというような点から行われているものでございます。
  104. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 任意弁済というのは、文字どおり自発的に自分で任意にというふうに言えるのですか。そういうふうな行われ方で行われておりますか。
  105. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 お答えいたします。  これは私どもは本人の自発的な意思によって行われているというふうに承知しております。
  106. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 そんなに本人が自発的に喜んでというか、めんどうな手続をするよりかわずかなことだったら自分でやろうというようなことだったら、いろいろ組合とか従業員、職員の方からも要請が出てないと思うのですよ。みんな一日汗を流して一生懸命やってきてやっと合計をして日締めをやって、そのあげく足らないということでもう一遍やり直さなければならぬというようなときに、喜んでそれをやって自発的にと言えますか。本当に自発的にやったのはそれは明治の中ごろですか、制度ができたときにはそういうことも言えるでしょうけれども、今日は実際にはそうじゃないんじゃないでしょうか、実際にはそんなに自発的にということではなしに、ある程度慣行という名前でむしろ郵政当局が指導しているんじゃないですか。
  107. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 先ほど申し上げましたように、強制というような形のものはないと私ども考えております。ただ、おっしゃいますように長年の慣行という形の中で、それに従うというような気持ちでやる場合もそれはないことはないと思うわけでございますが、あくまで私どもは強制したのではない、私どもの方としては強制はしていない、やはり形としてはいわゆる自発的意思、こういうふうに理解しているわけでございます。
  108. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 強制はしてないけれども、形としてはと言われたのですね。じゃ、形としてではなしに、実質はやはりある程度強制的なものを伴っているのじゃないでしょうか。  いま現在どのくらいの取引があるのですか。いただいた資料によりますと、五十二年度で十億六千六百二十一万一千件の取引があるわけですね。物すごい金の出入りがあるわけでしょう。そしてその中で不足金の発生したのが三十一万九千三百七十三件ありますね。判明したのはたった五千五百二十八件、差し引き三十一万三千八百四十五件で四億二千九百四十五万二千円ですか、これだけ現場の職員の方が任意弁償という形で負担をしているわけでしょう。これは莫大な額だと思いますが、こんなことは当然ですか、そのくらいのことは注意義務として当然ですか。
  109. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 ちょっと私の御説明の仕方が悪かったかと思いますが、形としてはというようなことを申し上げましたのでちょっと表現が悪かったかと思いますが、やはりこれは先ほど申し上げましたように、会計法上出納職員としての注意義務を怠った場合には弁償責任というものが生じる。そこで、その現金の不足金が生じました場合には現金不足報告というものを出さなければならない、亡失報告を出さなければならない。その亡失報告を受けまして会計検査院がその弁償責任というものを認定するという手続があるわけでございまして、この注意義務を怠った場合には結果としてこの弁償責任を免れることができないという制度になっているわけでございますから、任意弁償というのは確かにそれはその手続というものを省略した形でございますが、やはり弁償という形をとっているわけでございます。任意弁償という形をとらないで正規に手続をいたしまして、現金亡失報告を出して認定を受けるという方法はあるわけでございまして、そういう形をとっている例もあるわけでございますが、そういった対象となる金額というものは少額な場合が多い。そこで、手続も非常に煩瑣であるというようなことから、そういう慣行がとられているというのが長年のことでございます。  したがいまして、この問題につきましては、私どもも十分に実態を把握しようということで現在も調査をやっているわけでございますが、そのあり方というものをよく見まして、何か現金不足金事故の対策というものにつきまして、従来よりもよりよい対処の仕方があるかどうかということを検討している最中でございます。
  110. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 結果的には、職員に一方的に負担を強いているような形になっていっていますでしょう。いま仮に新任の現金主任がおりますね。初めて現金主任が現場についたとします。そうすると、そのときにきょうの日締めで金が足らぬといったときにどういう手続をやりますか。そのときに上司に相談に行きますね。上司はどういう指導をやりますか。
  111. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 新しくその職場についた職員の場合に、そういった事故が起こりました場合には、やはり上司なりあるいは同僚と相談をするというようなことも多いと思います。その場合に、こういう慣行があるということを言われる場合もあろうかと思いますが、同時に、これは制度としてはこういう報告を出して認定を受ける制度もある。そういったことでの選択ということはやはり本人の意思にかかわる問題でございますので、それによりましていわゆる任意弁償という形をとる場合もございましょうし、また亡失報告を出しまして正規の弁償責任の認定を受けるという形もある、かように承知しております。
  112. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 いろいろの対応はあるでしょうけれども、やはり新しく任務についた人たちについてはそれぞれの教育もなさっておるのでしょう。そうすると教育過程でもそういう、質問が出るでしょうし、現場についてからもこれはどうしたらいいだろうと、やはり一番先にすぐ直接の上司に相談に行くのが普通でしょう。もし友だち関係だとか同僚関係のところに行って間違った処理をやった場合、だれも責任を負ってくれないのですから。そんな場合には、上司はどんな指導をするのですか。いろいろな場合、並列的にこういう方法もある、こういう方法もあるとずっと並べて、あなたはそれのどれかを選びなさい、そういうやり方でやっているのですか。
  113. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 まず、これは先ほどちょっと申し上げましたが、職員が新しい職場につきます場合には一通りの業務の基礎知識を教えておりますので、その段階でいろいろこういった会計法規のたてまえあるいは事業法規のたてまえというものについても訓練教育をしているわけでございます。したがいまして、その段階で大きな筋、たてまえというものは本人も承知しているわけでございます。  なお、そういった事故が起こりました場合に、やはりいろいろと人によりまして相談する相手も違うと思いますし、そういった相談をした場合に、こういう慣行もあるというようなことも教えられるのじゃないか、かように思っております。
  114. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 それでは、教育機関あたりでは一応たてまえ論を言っているわけですね。たてまえ論ということになれば、どういうことをするのですか。
  115. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 お答えいたします。  いわゆるたてまえ論といいますか、基本的な仕組みの中におきましては、会計法上のそういった善良なる取り扱い者としての義務あるいは注意のあり方等につきましてももちろん指導しますし、また事業法規の中におきましても同様にもろもろの事務の処理の手順、仕組みというものも教えるわけでございますが、同時にそういった現金の過不足というような問題が起こりました場合の責任のあり方ということにつきましても、これは基本的なことでございますが教えているわけでございます。ですから、その段階におきまして、そういった責任の認定の問題ということにつきましても、またその手続につきましても教えている、こういうことでございます。
  116. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 では、正式の場で教えられるというのはたてまえ論だけですね。ということになれば、善管義務ということを教えるというわけでしょう。善管義務を教えるということでいけば、規程の九十一条によって亡失の届出をやるというやり方を教えなければいけないわけですね。実際はそういうコースをたどるわけですね。そういうふうに指導しているのですか。
  117. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 そういう訓練、指導等の場におきましては、これはもちろん正規の定められた取り扱いの手続というようなものを教えておるわけでございまして、そういった慣行というような形のものにつきましては、これは教えていないというふうに私ども理解しております。
  118. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 慣行を教えずに自然に慣行がふえていくということは、どういうことなんでしょう。教えるのはたてまえ論であり、規定どおりだけれども、実際には皆慣行に従っているというのはどういうことなんでしょうか。
  119. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 これはいろいろと職場におきましては、いわゆる慣行と申しますか、こういったものが仕事のやり方として従来からやられている場合に、そういったものがあるぞということで同僚等から教えられれば、やはりそういったものをとるということもあろうかと思うわけでございます。先ほど申し上げましたように、この任意弁償の取り扱いと申しますのは、やはりそういった非常に煩瑣な手続というような感じからいたしまして、少額の場合にはそこで弁償して責任を済ましてしまう、こういったような形がとられる、これは事実行為として従来から長年やられているというのが実態でございます。
  120. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 そういう慣行はいいことなんですか、悪いことなんですか。
  121. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 これは会計法上特に明らかな規定はないわけでございますけれども、そういった欠損が生じた場合に、それを弁償して補てんする、つまり弁償責任を果たすという形では法の趣旨には反していない、かように考えておるわけでございます。
  122. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 法の趣旨を言っているのじゃなしに、いい慣行なのか悪い慣行なのかと言っている。
  123. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 いいか悪いかという評価でございますけれども、長年にわたって行われ、またそれで事実ある程度の事務の簡素化と言っては若干言い過ぎかもしれませんけれども、そういった形で処理がなされているという意味におきましては、まあ認められてきている形というふうに考えております。
  124. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 いや、いいのか悪いのかと言っているのです。
  125. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 特に悪いとは、私ども違反しないという意味におきまして悪いとは考えておりません。
  126. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 法律とか規程にあるから違反する、しない——違反する、しないによって善悪を言うのじゃないでしょう。そういうことがいいことであればどんどん奨励したらいいじゃないですか。いまの消極的な答弁を聞いておりますと、やむを得ず認めているということなんでしょう。そういうふうに受け取っていいんでしょう、どうですか。
  127. 佐藤昭一

    ○佐藤(昭)政府委員 弁償責任を果たすというような意味におきましては合法的なものと考えておりますし、ただその問題は、先生先ほどおっしゃいましたように、運用面で強制するというような形でこれが行われます場合には問題があろうと思いますが、本人の判断において行われる場合にはこれをさらに存続しても差し支えないのではないか、かように考えているわけでございます。
  128. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 ちょうど大臣お戻りになりましたから、大臣、途中で外に出られましたからちょっと経過がわからないと思いますが、国の損失が多くなるということで会計検査院に厳しく言われると、つい軽微なものはできるだけ任意弁償という形がとられていく、そしてそれがいまや年間約四億三千万ぐらい局員の皆さん個人が弁償しておるのですね。結果的には片っ方締めれば片っ方でだれかが負担する。そしていまお聞きのように、別に法律に違反せぬからいいだろうというような消極的なことで、しかも善意の管理者義務といいますか、これは百万件以上の取引量件があるわけでしょう、そんな中でどんどん金が出入りするときに、通常の注意義務以上の注意を払っておっても、亡失なんて出てくるわけですよ。それを一方的にいま職員が負担しているというような、こういう任意弁償制度というのはどういうふうにお考えになりますか。
  129. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 職員の方に全責任を持たせるというふうなやり方がいいか悪いかというような問題もあると思いますが、やはりそうしたことの起こらないような措置を考えなければならぬということにしますと、じゃ法的に何か根拠が要るのかどうか、私もその辺はよくわかりませんけれども、そういうふうなことも含めて至急に検討をしていきたい、そういうふうにいまのお話を承りながら感じておるところでありますので、しばらく研究をさせていただきたい。しばらくといっても、そう長くはかからないと思いますが、そういうふうにお願いしたいところであります。
  130. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 最近になっていろいろのケースを調査しておられる。調査して、何とかしなければならぬと思っているということは、悪いということなんでしょう。決していいことじゃないということなんでしょう。だから、そういうふうに言葉でごまかすのではなしに、よくないことだったらよくないように、改善すべきことはすべきことのように、方針はやはり出すべきじゃないでしょうか。  そういう点で、郵政の人の使い方、労務管理というのはいろいろ疑惑を持たれてもしようがないことが多いのですね。先ほど楯先生のいろいろ御質問の中でも、普通企業あたりでやっているような人事管理が、非常にずさんじゃないかという感じがするのですね。そういう意味で、現金の弁償義務に非常に厳しくやっておられるけれども、一方ではまた非常にずさんなことをやっておられますね。  詳しいことを申し上げませんけれども、すでにこの間の予算委員会でも指摘されましたけれども、たとえば下館郵便局の公金不正事件の問題、これについてはずいぶんルーズな、ずさんなやり方をしていらっしゃるのですね。そして答弁を読みますと、処理が不適正だ、やったことは間違いないのだ、こう言っているのですね。百二十万ほどのうちで六十万ほど、そして年末に三十万ほど返済していますね。そして使い方は間違ってないのだと言っているのです。それでは、交際費だとかあるいは会議費だとかで当然落とせるようなものであればなぜ堂々と初めから上げないのですか。わざわざ架空の領収証をもらったり、わざわざにせの領収証をもらったりするようなやり方をするのは、これは正しいのですか。そういう点はどうですか。
  131. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 お答え申し上げます。  この下館の局員につきまして不適正な会計処理ということで申し上げたわけでございます。これは非常に遺憾な事実でございます。いま先生御質問いただきました、その都度適正な処理を行うべきでないかということは、私ども全くそのとおりだと存じておるところでございます。  ただ、これは弁解になりませんけれども、細かい数字でございまして、そして年度当初から便宜処理を行って、年末始の繁忙期でもございましたのでつい便宜処理を行ってしまった。そして一括して現金化したという事実でございまして、私ども精査いたしましたところ、このような会計処理は全く許されないものでございますけれども、その金の使途につきましては、一応全部領収証等そろっておりまして、そういう意味におきまして、私、不適正ではあるけれどもということを申し上げたわけでございます。今後この問題につきまして、さらにこういうことのないよう、便宜措置を行いませんように十分指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  132. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 その下館の局長さんは、これは別に特に悪いとは思ってないのですね。よそでもやっている慣行だ、こう言っていますね、新聞の発言によれば。ですから、ほかにもそういうやり方しているんでしょう。全然ないのにそういう発言は出ないですよ。事件の当時だからぱっととっさに出たのですから、用意して言ったのじゃなしに、ほかでもそういうことをやっていると言っているのです。こういうやり方をしているというのです。そういう点についてお調べになったことがありますか。
  133. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 お答えいたします。  私も新聞でその局長の談話というものを拝見いたしましたけれども、当人にただしましたところ、そういうことは申していないということでございまして、何か記者の方で記録をとったときにそういう形がニュアンスとして出たんじゃないだろうかと。確認はいたしました。その他の例につきましては、今回こういう形で出たわけでございますけれども、そういう事実はないものだというように私どもは考えているところでございます。
  134. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 それから、十二月の三十日と二月の二十日に、それぞれ両方で約二十六万ほど返済していますね。返済されなかったら、そしてまたこの事件が発生しなかったら、こういう使い方をするのですか。
  135. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 お答えいたします。  事件が発生いたしまして、その時点におきまして、私どもは郵政局に命じまして直ちに担当官を派遣いたしまして調べさせたわけでございます。そういたしましたら、いま先生お示しのとおりの現金が金庫の中にございましたので、これを不当な処理である、適正を欠く処理であるということからいたしまして返済させましたわけでございます。
  136. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 そういうことは、やはり慣行としてほかでもやっておるのですか。
  137. 河野弘

    ○河野(弘)政府委員 私ども経理を担当いたします者といたしましては、そういうものは慣行として行われていないというように考えているところでございます。
  138. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 それからもう一つ。仙台鉄道郵便局の小牛田分局の問題についてもお調べになった結果をいただきました。しかし、これについてもなおちょっとやはり疑問点が残っているんじゃないかと思うのですが、たとえば当局側からお調べになったので、人の違いはあっても、実際にはたとえば五十三年十一月一日から十五日までの熱海さんという人と米倉さんという人、これは実際には臨時雇いの熱海さんと臨時雇いの米倉さんの勤務の交代による関係だと言われておりますが、この交代によるものによって支払われた額は、熱海さんの場合一万五千二百六十四円になっていますね。米倉さんの場合は九千六百十二円になっていますね。ところが、お二人の給料袋の方では、熱海さんの場合は一万六千百六十四円になり、そして米倉さんの場合は一万四百五十二円という給料袋、袋の写しがありますけれども、これはどちらが正しいのでしょう。本人に支給した給料袋の写しはこういうふうになっていますよ。違っていますね。報告をいただいたのと違うのですが、その間の事情はどういうふうになっていますか。  時間がありませんからほかのも申し上げます。それから東城さんと福土さん、これも三千三百九十二円になっているけれども、給料袋の方は四千五百八十六円になっております。それから、二万四千八百八十円になっておるのが二万八千四百七十四円になっております。こういう食い違いもありますね。  さらにもう一つ、こういう食い違いもあります。阿部克夫さんという主事さんとそれから斎藤広見分局長との関係ですが、これも勤務の交代だと言われますけれども、これなんかを見ますと、こういうこともありますね。後でつくったんじゃなかろうかというようなこともうかがい知れるような資料になっていますね。  皆さんの方で協定を結ばれておりますけれども、十三、十七日いずれも三時間三十分と四時間ということは、これは協定違反だということですね。それからまた、時間数の合計で十四時三十分。二十九分で切り捨てだそうですが、十四時三十分ということは十五時の計算をしなければならないけれども、そういうところまで計算する余裕がなかったものだから、十四時二十九分を切り捨てたような計算をやっておりますが、こういうような作為的なことがこの数字の中にあらわれているのですが、どうも後から指摘されてあわてて書類をつくり直して報告書をつくったような印象が非常に強いわけなんですが、その点の弁明をいただきたいと思う。
  139. 守住有信

    守住政府委員 いろいろ御指摘ございましたが、仙台鉄郵の関係、調べたところでございますが、いずれも手続上のミスということでございます。しかし、取り扱い上いろいろミスをしでかしておりますので、それぞれ私どもとしては人事管理上の立場からは注意処分その他、指導矯正の措置をとって、再演しないように指導、注意喚起をしておるところでございます。
  140. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 注意を喚起していただくのは結構ですが、お金のことですから、実際に報告書をいただいている数字と給料袋と中身が違ったら、その金は合ってこないはずでしょう。合ってこないということはどういうことですかと聞いているのです。
  141. 守住有信

    守住政府委員 非常勤の問題の方でございますが、十一月十二日に非常勤、米倉さんでございますけれども、十二日には同じく非常勤、福土さんでございますが、それぞれ突発欠務をいたしましたために、平素非常勤として雇用しております熱海さんとそれから東城さんを急遽雇用して、一日だけの雇用であったため出勤簿及び給与の支給手続について、いままでやっておられた方をそのまま雇用しておるという形で処理いたしまして、その一日の方をそれぞれの長期の方の中の給与から支給相当額を支払った、こういうふうなもので、御承知のとおりのものでございますが、お尋ねの点につきましては、給料袋の方が正当だというふうに聞いておるわけでございます。
  142. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 給料袋の方が正当で調査なさった数字の方が間違いだったら、これは何のために数字が出ておるのですか。お金のことは合わなければどうにもならないじゃないですか。後からつくったことが歴然だということになるんじゃないですか。
  143. 守住有信

    守住政府委員 給料袋と申しましたのは、給料袋に支給明細書が書いてあるわけでございますので、それが正当である、こういうことでございます。
  144. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 ですから、その給料袋の写し、コピーがございますが、これと、省の方でこれだけ払ったという数字と違っているのですよ。調査をなさったと言うけれども、じゃあ、給料袋の方が正確だと言われれば、あなた方が調査なさったのは間違いだということになりますが、そういう間違った調査で通るのですかと言って聞いているのです。
  145. 守住有信

    守住政府委員 支給明細書により支給した額、(B)の方が正当であるということでございます。
  146. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 ですから、ここに写しがあるのですよ、給与袋の。本人のやつは変えるわけにいかぬでしょうから、本人の給料袋をそのままコピーをとった数字があるのです。それと、あなた方がこれが正しい調査だと言われたのはこれと違っているから、どっちが正しいかと言ったら給料袋が正しいと言われるから、あなた方の調査が間違いだということになるんじゃないですか、でたらめな数字だということになるじゃないですか。そうすると、これだけじゃなしに、下館郵便局もまゆつばだと言われてもしようがないですよ、これは。
  147. 守住有信

    守住政府委員 私、まだ細部の——一万五千円とか三千三百円とかいろいろあるわけでございますが、その一日分の問題でございますので、なお詳細に、先生の御指摘もございますので、その給料袋の点、支給明細書の点、また私どもがお出ししました資料の点を十分調べまして御説明申し上げたいと思います。
  148. 馬場猪太郎

    ○馬場(猪)委員 時間が参りましたので、一応これで保留にしておきたいと思います。食い違いがあるのですから、食い違いを明らかにしていただく、それで結論を一応終わりたいと思います。きょうは保留にいたしておきたいと思いますので、きょうはここでとめておきたいと思います。
  149. 加藤清二

    加藤委員長 守住人事局長さんに申し上げておきます。  同じ省から出たのが食い違っておってはいけませんから、至急調査してください。
  150. 守住有信

    守住政府委員 至急いたします。
  151. 加藤清二

    加藤委員長 午後三時開会することとし、この際、休憩いたします。     午後二時休憩      ————◇—————     午後三時二分開議
  152. 加藤清二

    加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。原茂君。
  153. 原茂

    ○原(茂)委員 きょうは、また郵政と全逓信労働組合との間のいまだに続いています紛争中心の話し合い、これを中心にお伺いをしたいと思います。  最初に二つお伺いしたいのですが、一つは、先ほど大臣も本会議で答弁をなさいました通信衛星あるいは科学衛星その他の衛星というものはいまどのぐらい世界に飛び上がっているのか、日本でどのぐらい上げているのか、わかりますか。通告していないからわからないかもしれない。わからなければいいのですが、それが一つ。  それからもう一つは、はがきですけれども、私もはがきを使ってみまして、各官庁でも近ごろ横書きをどんどん使っていますけれども、私もはがきを横書きに使ってみたいなというのがずいぶんあるのですね。いまの形式は縦書き中心です。表面を見るとなおさらそうなっておるのですが、私、横書き用のはがきというものを発行するようにしてもらったらなあと思うのですが、その計画がありますか、あるいはこれから検討するようになりますか。  要するに、あて名を書く方の側も横書きの場合には工夫をして変えていただかないといけないのですが、同時にいまのはがきをもうちょっと幅を、縦で言うと幅ですが、もう一センチないし一センチ五ミリ広げてもらうと非常に使いよいし、たくさんの用を足すのですね。そういうこともお考えいただけたらと思うのですが、はがきの横書き用のものを、いまの縦書きを横書きに使うのでなく、あて名を書く側も横書き用に直してもらう。それとは別に現在のはがき全体を、縦で言う幅を一センチないし一センチ五ミリ広げてもらうとずいぶん便利だなというふうに考えますが、そのことはできないのか。ぜひやってもらいたいという意味でお伺いするのですが、この二つ。  衛星のことは何も通告していません。はがきのことも通告していないのですから、おわかりにならなければ結構ですが、はがきに関してはおわかりになるはずです。衛星に関しては世界じゅうでどのくらいぶち上がっているのか。それから日本でどのくらい上がっているのか。やがて、その上げた最初のことをわかっていればいつごろ落っこってくるのかがわかるはずですから、これはどこに落っこってくるかわかりませんが、この落っこってくることに対していまから何らかの国家的な対策なり世界的な話し合いなりきちっとしておく必要があるのではないか。いま本会議で聞いていながら気がついたのですが、わかりましたら、この衛星の問題。
  154. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 衛星の問題につきましては電波監理局長からお答えさせますが、はがきの問題についても私も初めて承る御見識で、拝聴いたしました。私はいまのところ承っておりませんけれども、担当の局長がどういうような考えを持っておりますか、それぞれ御答弁させます。
  155. 平野正雄

    ○平野政府委員 お答え申し上げます。  衛星関係につきましては、静止衛星と申しまして、静止軌道に常に定着をいたしておりまして地球に向かって静止しておるという衛星と、それぞれの軌道におきまして地球を周遊しておりますような衛星とございます。  わが国におきましては、すでに先生御承知のように現在気象衛星のほかに実験用の通信衛星、放送衛星、これが静止軌道上に定置されております。そのほかに電離層観測衛星等の移動用の衛星が回っておりまして、約十個日本の衛星が宇宙に浮かんでおる、こういう状況でございます。  それから、外国の衛星でございますけれども、これは実は国際的には事前に通告をいたしまして、各国の地上の通信等に影響がないという登録をした上で上がるわけでございますけれども、必ずしも現在すべてがすべて守られているわけではございません。したがいまして、正確な個数はわからぬわけでございますけれども、通告、登録されております限りにおきましては約二千個、移動用のものと静止用のものとが上がっておるという実は状況でございます。  それから、寿命でございますけれども、現在日本で実験中の通信衛星、放送衛星の寿命は実は約三年でございます。それで、その寿命は衛星に載せてございます燃料によってまず決まると言ってもいいわけでございまして、寿命を長くしようといたしますとどうしても衛星が大型になってしまう、こういうことでございます。したがいまして、日本ではそれに向けまして、ロケットの開発とあわせまして寿命の延長という取り組みを現在しておるわけでございます。  一方、外国の衛星でございますけれども、たとえばインテルサットが衛星を上げておりまして、逐次新しい衛星に取りかえつつあるわけでございますけれども、現在の寿命は約七年程度ということになっております。それで、燃料が切れてしまいますと、赤道上空三万六千キロメーターに位置しておるはずの衛星が地球の回転と反対側、要するに西の方に流れていくわけでございまして、大体流れ着く先がアフリカ方面の上空であるというふうに言われております。  以上でございます。
  156. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 官製はがきを、横書き用の官製はがきを発行できないかという問題と、幅を少々広げられないかという御趣旨かと存じますが、第一に郵便はがきの取り扱いでございますが、これの最大のメリットは、非常に大量のものを規格化いたしまして安くお届けできるということが最大のメリットでございますので、余りにいろいろな規格のものをつくりますと、それだけにコストがかさむ、製造コストだけでなくて取り扱い上のコストもかかるということがございます。そこで、ただいままでのところ先生御指摘のような問題は、余り強い形で私どもの方に御要望が上がってきておりません。また御要望がありました場合にも、ただいま申し上げましたような点もございますので、私どもとしては慎重を期していく必要があろうかと思います。現在のところは御指摘のような計画は持っておりません。
  157. 原茂

    ○原(茂)委員 いろいろの種類をやるとコストアップというお話、一つだけ考えてもらえないかと言ったわけですからね。二種類になってどのくらい原価が高くなり、取り扱いが不便になるか知りませんが、まあこれは検討しておいてください。大分官庁で横書きで使っていることは知っていると思うのですね。横書きで使っています。あれを見て私どもも横書きに始終使うのですが、そう大したことなかったらひとつ相当検討していく必要があるのじゃないか。余り周りから要望がないからやらないと言うが、そこは先取りで、サービスのつもりで、けんかばっかりしてないで、そういうこともひとつ考えたらいいのじゃないかというふうな気がしますから、これはひとつ検討を要請しておきます。  それから全逓のマル生、反マル生に対してお伺いをしますが、私の方からお伺いするのは大臣に主にお伺いをいたします。局長さんの答弁をいただきたいときには私の方から申し上げますから、まずもって大臣の答弁を、お考えをお聞きしたい。  この一月の三十一日、参議院本会議におきまして私どもの片山甚市氏の質問に大臣はお答えになっている。「今後は、労使双方がその社会的責任を十分自覚し、ルールに従い、信頼の上に立って平和裏に話し合いを進め、」云々、「正常化に努めてまいる所存であります。」こういう本会議答弁をなさいました。  そこでお伺いしたいのですが、そのルールなんですが、大変大事だ。私どもが生活するのにも、国会の運営にも、ルールほど大事なものはありません。確かに相互がこのルールを守ることを通じて秩序も維持されますし、あるいは集団なり社会の運営ができていくわけであります。恐らく大臣の言われたのに二つの意味があると思う。組合の側に対してルールを守りなさい、こう言われた。確かに大事であります。同時に当局側にも守るべきルールがなければいけない。ルールが一方的に組合の側だけにあって、当局の側にはルールがない、守るべきものがない、そんなばかなことはありません。  そこで、ルールとは何かというふうに御質問をいたすわけですが、組合の側の守るべきルールというものは、おのずから、当局がいろいろと行政指導の中で、あるいは現地における指導の中でも、または組合との話し合いの中でも言われています。私もある程度わかるのですが、当局の側の守るべきルールというものは一体何か、この点を大臣からお伺いしたいと思うのであります。  私は時間の都合であえて申し上げますが、この当局の側の守るべきルールの中には、今日まで組合との間にいろいろな取り決めだとかその他慣例ないしは組合法上ないし郵政法上の取り決めというものを当局は組合との間に結んでいる、非常に数多くのものがございます。これが結んだ者に対して当局の側が守る、ルールを守る一つになるだろうと思うのだ。  もう一つは、国会、委員会等においていわゆる郵政当局が態度表明をされている、あるいは委員会等の附帯決議がある、ないしは大臣の決意、あるいは決議が行われたたびごとに意思表示がされている、ないし委員会等で大臣あるいは局長等が答弁をしている、その答弁の内容なり態度表明なりというようなものも、二つ目に当局の守るべきルールの中に当然入るのじゃないだろうかというふうに考えますが、まずこの点、大臣からお答えをちょうだいしたい。
  158. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 いま原委員の仰せのとおりだと、私もそういうふうに思います。
  159. 原茂

    ○原(茂)委員 大臣から明快に、私の二つに分けました当局側の守るべきルールというものに対して、同感だという意思表示がございました。この点は大変貴重でございまして、今日までに当局の表明された態度表明なり委員会等の答弁なりあるいは大臣、局長のいわゆる意思表示なりというものをいま数え上げますと切りがありませんからそれは数え上げませんが、大臣の明快な答弁で、一応それらはすべて当局の側が守るべきルールという意味で解決を一時したことにいたします。  そこで、少し問題の角度を変えてお伺いするのですが、年末におけるあの闘争を通じまして、残念ながら年賀はがきが非常におくれました。私がここでちょっとお伺いしたいのは、ああいう事態になったのは組合だけが悪い、郵政当局には何も責任がないということにはならないと思う。当然郵政という経営側の責任があると思いますが、いままで衆参両院でわが党の委員約三十名ぐらいがこの問題をいろいろと細かく粗く御質問をし、大臣のその面における答弁もちょうだいしてまいりました。私は、私がおさらいをするのではなくて、大臣から、大体経営の側の責任と考えられる問題、あの大きなはがきのおくれというものを中心にして、経営の側が自分の経営責任だ、こうお考えになっている問題の五つでも六つでも主なものを、振り返ってひとつ挙げていただきたいと思います。
  160. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 何といいましても行政の最高責任者であります私の行政責任というのは、これは大きな問題でありますし、また当然行政責任を感じておるのでありますけれども、労使双方といいますか、そういうふうな立場で私が申し上げているのは、社会的な責任を考えながら話し合って解決する以外にこの責任というものをとる方法はないだろうということを考えて、私は関係の諸先生方にもそのことをお願いし、そうしてこれを進めてもらいたいということをお願いしているわけでありまして、当然私ども経営者側というかそういうような立場に立つ諸君にも繰り返しこのことを自覚しながら話し合えということを申しておるわけであります。
  161. 原茂

    ○原(茂)委員 大臣のおっしゃる郵政当局の責任者の側に対して、そのことを自覚して組合と話し合いをせよという、そのことを自覚というのは郵政当局にも当然経営責任がある、こういう大きなおくれを出すという紛争に至った責任を感じているのだというふうに解釈してよろしゅうございますね。
  162. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 当然そうした責任というかそういうふうなものを感じなければ解決はできないというふうに考えておるわけであります。
  163. 原茂

    ○原(茂)委員 それだけを余りしつこく言う必要はないのですが、大臣の答弁でもある程度私の言っていることと同じだと思いますが、ちょっと言い回しが違うのでひっかかるのですが、大体責任をお認めになる。  そこで、大臣が挙げませんので私から簡潔に挙げてみますと、現象的に言うならああいう紛争の起きた責任というのは、組合の側にどういう部分の責任があるかは別にして、当局の側にも責任がある。ああいう紛争の起きた紛争そのものに対しても、一方的に組合だけが悪いというのではなくて、当局にも責任があるというふうにまず前提として考えるのですが、この点に対してまた大臣からお答えをいただきます。  二つ目に、郵政事業というのは国民の負託にこたえる事業運営、法律を持ち出すまでもなく決まっているわけですが、その国民に責任を負う事業運営の最たるものは何か。もちろん国民への奉仕という立場が一番の基本になる。  年末交渉においても何らの具体的な解決を見るに至らなかった。これにはいろいろな理由があるでしょう。組合の側のかたくなな考え方、態度、一方的に組合の主張に固執をするそのあり方、ということが当局の側からは当然口に出てくるだろうと思う。同じように組合の側から言うなら、当局の側にオウム返しにいまのことをそっくり返すいろいろな事情があるし確信があるという、お互いの主張がそのまま平行線で来ている。  問題を解決するときに一番大事なことは話し合いなんですが、話し合いをするといっても、ある程度リミットを設けて、そこに必要な妥協なり協調なりというものを見出さなければいけないわけでありますが、それが全然見出せないでずっと平行線で、ついにあの正月の遅くまで年賀はがきが十分に配達ができなかったという点は、やはり問題が起きたときに話し合いをしよう、解決をしようという話し合いにめどを結果的には置かないままずっと来てしまったというようなことも経営者としては余りにも何か大人っぽくない、子供っぽいといいますか、しかも相手が自分と一緒に国民への奉仕をする大事なパートナーである、日常、常にパートナーとして一緒に仕事している仲間であるのに、これとの話し合いが全然めどなしにずっとどろ沼に入ったという点も、組合の側に責めがあるならあるで主張なさるでしょうが、経営の側にも反省すべき多くの責任があるというふうに私は考えるわけでございます。  これはいろいろなことを申し上げる時間がないのですが、たとえば全国の各郵便局にいろいろなトラブルが起きまして、衆参両院の私どもの仲間三十数名が取り上げ、きょうも楯委員なり馬場委員からも指摘をされるようないろいろな事態が起きてまいりました。私その中で一つだけお伺いしてみたいのは、責任ある大臣の立場で、たくさん現地で起きたトラブルに対して現地で指導をするように現地で円満な解決を図るように、大臣は行かないまでも局長がその現地へ、大きな紛争のあったところに派遣をされたという事実があるかどうか。  私は問題がこんなに大衆に迷惑をかけるような事態になったときには、やはり大臣としても当然ですが、当局として責任ある大臣ないし局長が現地のトラブルの局地的な模範的な指導をして解決をするということを通じて、周りに対して大きな見本をつくっていくように、われわれが会社を経営しようとどうしようと、そういう問題が起きたときには責任ある立場の者がいち早く飛んで行って、非常に一番困難な問題の解決を行ってこれを周りに示すことにより、早期に解決するという方法の一助にすることをだれでもやるのであります。これは社会の通念です。郵政当局は、私の知っている範囲では、大臣が出て行くとかいまの守住局長でございますとかその他の局長が、これはいかぬというので現地に泊まり込みでひげだらけになって誠心誠意問題の解決を図るというようなことはなさっていない。このことの経営者としての責任というものも私は非常に大きいというふうに数え上げている一人でございます。  先ほど楯委員からお話がありましたから余りこれには触れませんが、いわゆる国政調査権というたてまえからいいますと、現地の局長の応対の仕方、これはもう考えようによっては国会に対する侮辱であり、国会議員に対する、国政調査権に対するべっ視であると言っていいような事例がたくさんにある。このことは特に郵政当局として、いわゆる行政の中枢の大臣以下の方々は非常に大きな責任を感じていただいて、自今注意をしてもらわないと、国会と郵政の現地との間の問題というふうに大変問題が発展すると思います幾多の事例がありますが、その意味においては経営者としての責任をこれは大変感ずべきだろうと思う。  それから仄聞しますのに、どの局長がおっしゃったかは知らないことにいたしておきますが、とにかく郵政というのは断じて第二の国鉄にはならぬ、国鉄には労務政策はない、そういうことを放言する責任者がおいでになる。労使問題に関する限り、同じく現場を持つ他の行政省庁のそのあり方を比較に出しながら、あれはだらしがない、あそこには労務政策がないのだ、国鉄と郵政は違うのだ、こういうようなことが口に出されて、それが全逓労働組合の諸君に知れてきますと、同じ労働階級としての連帯性からいっても、感情的な、違う大変大きな派生的ないわゆる労使間の問題を次から次に生んでくるおそれがあるのですが、このような発言をされたその責任は私は非常に重要だと思うのです。  これは次に例を挙げるのはどうかと思うのですが、後でちょっと例を挙げますが、先ほどから現地のいろいろな問題が起きていますその問題の当局の答弁、また当局のこれに対する対処の仕方を見ておりまして、どこかで自分がよくて相手が悪いんだと周りに見せようとする無理を次から次に重ねているような今日までの衆参両院のわが党の委員質問あるいは究明に対する答弁の態度、内容。答弁をしたその後に、内心これはしまったと思うことが二度と犯されないように適切な指導をしているかというと、その指導があの答弁の態度と内容からは出てこない。やってないだろう。私は一々調べておりませんが、間違いなく私自身はそうだと言い切れるつもりであります。  これも大変大事な問題なんでありまして、われわれが問題の指摘をしたときに、何とかうまく切り抜けたというその場限りの国会の常習的なあり方ではなく、現に郵政と全逓との間に紛争、問題の起きているこの状態の中では、一日も早く国民に奉仕をするという平和解決への話し合いに向かってお互いのいい妥結を見出そうという態度から言うなら、真剣にそれを考えているなら、指摘をされた現地の数多くの不当労働行為なりその他いろいろある問題の、どっちがいいか悪いか、おれの方がいいんだいいんだということをいつもガードをかたくして主張をしようというのではなくて、内心やはり多少とも反省すべきものがあるに違いない、あったときに、直ちに二度とそういうことの起きないような指導というものが現地に行われなければならないのに、それが行われているような跡が見えないように私は思うのであります。これは、今後郵政がこの業務を円満に遂行しようというたてまえからいったら、非常に大きな穴になっていると私は思うのです。  われわれは、ただ単に問題を掘り上げて郵政当局を困らして組合の側に味方をして、組合が勝った勝ったと言って万歳でもさせるように、そんなちゃちな考えで物を言ってはおりません。二度とああいった問題の起きないように、万が一あの種の問題が起きるようなことがあっても、今後は今回のこの争いを通じて絶対にその問題の解決の方途というものがびしっと前例としてでき上がるということを国のためにもつくり上げていこうというのが、国会議員としての私たちの任務でございますので、そういう意味から言うと、今日までの現地のいろいろな問題を出したときの答弁の態度、内容、しかも何とかそこだけうまく自分たちが悪くないように言い逃れをして、しっ放しで、多少とも当局として考えている良心的な、あれは、これはこうすべきだったと思ったことが直ちに現地に対する指導になってあらわれていないという点も、経営者の責任としては重大な問題の一つだろうと思うのであります。その点では私は大変遺憾だと思います。  それで、先ほど言ったように一つの事例をということで私が挙げてみたいと思いますのは、たとえば名古屋の貯金局における配転の過程での問題なんです。配転をする場所というのが、いままでは第十一貯金課の検査係に付属をしていました、それが今度は研修所に配転になる。橋本厚代さんという人なんですが、この人がたとえばきょう、正確には去年の十一月一日でございますが、転勤の発令をされました。発令をされたその日に橋本厚代さんという方は全逓労働組合に対して脱退届を出している。脱退届を書いたそれを配達証明で送るのですが、その脱退届を書いたものを、堀場元三という課長代理さんにどうしたことかかわりに出してくれと言って頼んだことになっているんです。そして翌日、十一月二日に堀場元三さんという課長代理が自宅へ持ち帰って、自分の奥さんに明くる日、配達証明でその住居の近所の郵便局から全逓の責任者に出させているのです。  これは、頼まれたからやってやるんだと言えばそれまでなんです。そういう当局の答弁なんですが、社会通念から言ってこんなことはそのまま通りません。いまの全逓の労働組合対郵政当局の状態から言って、これは普通のことなんだよなんて言って通るはずがないのです。十一月一日に発令をされて、その日に全逓労働組合の脱退届を全逓組合の責任者にあてて書いて、それを配達証明で出すものを課長代理の堀場元三さんに頼んで、その課長代理は自分の家へ持ち帰って、自分の奥さんに十一月二日に配達証明で近所の南大津の郵便局から出させているというようなばかなことが、これを皆さんがどんなに強弁をしても正常なものと映るわけがないのです。そういうことを平気でやっている事例がたくさんあるのです。  私は先ほども申し上げましたが、そういった問題に対する当局の側の謙虚な反省、特に経営責任という意味では二度とこういうことの起きないようにということを今後に対してびしっと現地に指導がされない限り、こんなことがエスカレートされていろいろな手口でちょいちょい行われていて、しかも、お互い局員同士だから頼まれたからついでに出したのだ、一局の職員の女の子の、しかも全逓の組合に対する脱退届を配達証明で出すものを、そうかい、じゃあやってやるよと言って課長代理さんが自分の家へ持ち帰って、そして奥さんに近所の郵便局から出させるというようなことと同じことがたくさんこれから行われてくれば、どんなに強弁をしても、それが普通であり常識だなんということにはならないと私は思う。  したがって、この問題、一例として申し上げたのですが、何といっても、そういったこともわれわれが指摘をする、数多くいままで指摘をしてまいりました、きょうもここで幾多の指摘をしましたが、ただ強弁をしてこの場だけを、郵政が悪かったんじゃないんだと言わんばかりの答弁をする態度、その考え方が、ついに現地に対して二度とこういったことのないようにという指導を怠るといいますか指導ができない、そういう組合に対する態度というものは私は大変遺憾だと思います。経営者の責任のあり方としてそういう指摘を受けたときに、表面には出さなくても内心そうかと思うことに対しては、二度とそういうことの起きないような現地指導が現に行われて、直ちにそれが当局の責任ある行動として現地に反映していく、それが全逓を含めた全労働者に目に見えてくることが、基本的な解決に対する一番大きな問題だと思う。なるほど郵政当局も責任を感じ、自分の責任は実行しているということを示さないといけない。  いま全逓労働組合と郵政当局が話し合いをしています。これはいいことですからどんどんやってもらいたいのですが、まだ基本的な大事な問題に対しては平行線です。そのことも大事な問題ですが、私たちから見るともう一歩下がった枝と思われる問題に対していろいろと三つ四つ話し合いがついたり、つきかかったりしているのが現状でございますが、私はやはり先ほどのルールを中心にして、いま指摘したような組合側の守るべきルール、経営者側の守るべきルールというものを大臣の明快な答弁どおりにぴちっと感じていただくなら、経営者としての責任上なすべき反省というものはたくさんあると思うのであります。そのこともいま四番目に指摘いたしました。  その意味でもう一つ指摘したいと思いますのは、どうやら国鉄なり林野なりがすでに十二月以降の労働者に対する処分を発表したり、あるいはその準備が公然とされております。郵政も何かやはり昨年末の問題を含めて、一月以降ずっと今日までのいわゆる組合員に対する処分というものを考え、それを行うというようなうわさを耳にいたしております。そこで二つ問題があるのですが、これも経営者側の責任という立場でお考えをいただきたいのです。  いま問題の紛争当事者が大事な話し合いをしているときに、それにまだ塩をつけるような、話し合いの妥結に対してはマイナスの作用をするような一月以降の処分をもこれから行うというようなことがあると、私は何か話し合いをするということは一つの擬装なので、本当に三事業法のたてまえから言っていわゆる国民に対する奉仕という中心的な立場に立って考えたときに、何とかしてこの紛争の解決をしたいというその熱意というものは本当はないのだ、話し合いというのはただ擬装なんだ、そうして郵政当局が一方的に考えている何かを強引に押し通すという、単なる擬装的な話し合いをしているにすぎないというように思われる。この一月以降の処分をもやるんだというような私どもの耳にひそかに入るこの問題というのは、非常に重要な、問題を解決しようという当局としてはやはり考え直す必要のある問題ではないかというのが一つであります。  もう一つは、今日まで行われた数多くの処分もさることながら、年末におけるあの問題、年賀はがきのおくれ等、その後のいろんな交渉もありますが、まだまだ現地にたくさんのトラブルがあります。先ほども楯委員からちょっとこれに触れておりましたが、一体組合に対して問題の発生ごとに処分を行う、組合だけが全部悪いんで経営の側の責任はないのか。ところが、前段に確認をされたように、やはりお互いに守るべきルールの経営の側のルールとはという確認がされたように、その守るべき経営の側のルールを守らなかったという点で、この問題があるいは処分すべき労働組合員が出るような事案になったという面がずいぶんあるのです。そのときに、いわゆる郵便事業のおくれを来たすような労働組合運動があった、守るべき規則を守らなかったというような片面的な考え方で労働者のみに処分を行うのだが、私は公平に見て、私が関与する社会的な集団なり会社経営の中においても、何か問題が起きて大きな処分を行うときには、反省してみるとその処分を行うに至るまでに問題の解決をしなかった経営者の側にも、責任ある立場の側にもいわゆる処分に値するこれがあった、あれがあったという指摘がされ、そして経営の側も責任を明確にしてそれが表にあらわれるようにするのが当然なんです。そうしなければ経営の側も緊張しない。一方的に権力のかさに隠れて、ただ弱く力のない集団の労働者に対して処分を行っていく。それで過ぎていったら大変なんです。労働者の処分をしなければいけないような紛争にまで発展をさせた経営責任というものはここにあるのだというので、大臣は明快にその責任の衝にある者の処分を行う、労働組合に処分を行うときには経営の側にも処分を行うということを当然やるべきだと私は思う。  今日に至るまで、長い紛争の中で、労働組合に対する処分は紛争の後でやってきました。しかし、処分をしなければいけない事態にまでさせた経営者の側の責任はこういうふうに問いました、こういう形で処分をいたしましたということは、いまだに表面的には聞いていない。この点は経営者として非常に片手落ちであって、経営には何ら反省がない。守るべきルールを知っていながら、よくせんさくすると経営の側の守るべきルールに反しているから起きている問題もたくさんあるにもかかわらず、その経営の側の責任を何ら追及しないで労働者に処分を与えるなら、経営の側にも処分を明確に与えていって今後の戒めとするということを当然やるべきだと思うが、これもやっていない。これは経営責任の大きな欠陥だと思うのであります。  冒頭に申し上げたように、組合あるいは経営の側のお互いに守るべきルールがある、本会議の答弁のように、私も同感です。その経営の側の守るべきルールというものをぴちっと敷衍して検討していくと、そのルールに経営の側が反したおかげで現地におけるいろんな紛争が起きたという面もたくさんあります。それをぴちっと分析をして、その経営の側の処分も同時に行うということを是が非でもやるべきだと私は思う。それでなければ真の問題の解決にはならないと思います。  したがって、時間が参りましたので、いま私は前段としての、ルールを相互に尊重するという、その経営の側の守るべきルールとは何かということについて明快な大臣の答弁をいただきました。それからずっと類推してきたいろんな問題の中で、また経営者としての責任の反省はこういうところにあるだろうという七つの指摘をいたしましたが、それに対して答弁を大臣からちょうだいをして、特に最後の、労働者に処分を与えるなら経営の側の処分も行うべきだというこの点は忘れずに、七つもしお答えがありましたらお答えをいただき、最後の処分問題に関しては明確にお答えをいただいて、終わりたいと思います。
  164. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 長い過程の中でいろんなことが起こったということは私もいろいろ承っております。経営者側というか管理者側の責任をどうするかという問題につきましては、労働者側あるいは組合側からもこれは不当ではないか、どうではないかというふうなことでいろいろな申し立てもあるというふうに聞いておりますし、現実に公労委に対して訴えられていることもあるわけでありますから、その結果によりまして、また当然そうした経営者側、管理者側の処分の問題なども起きてくるだろうというふうに思うわけであります。  何を申しましても、これは人手に頼らなければならない郵政の仕事である中で、実際にそういうふうな現場で働いている組合の諸君が非常に数が多いということでありますから、これはどっちが弱いか強いかというふうなことは非常に判断がむずかしい、私はそう思うわけであります。したがいまして、目が届かないというふうな点もありまして、あるいはまあ間違ったというか、そうしたことの処分が起こりかねないという保証もこれはないわけでありますから、私どもそういうことにつきましては、十分組合側とも、また経営者側の立場に立った幹部の諸君ともじっくりと話し合って、双方で正すべきものは正していく、そういうふうなことによって自然にこれは氷解する面が出てくるのではないかというふうに考えておるわけでありまして、私は本会議を通じましても、また委員会を通じましても、そういうふうな考えのもとに立って、皆様方の同僚の諸君、私どもの同僚の諸君にもお願いをしてきたというふうに理解をしていただきたいというふうに思います。いずれにしましても、多数のそうした人たちの行動について、あるいは行き過ぎな点がある、またそうしたことで管理者側の、あるいは間違った指示があったとかあるいは見間違ったことがあるというふうなことについては、先ほどから申し上げましたように、正すべきものは正してもらいたい、私はそのことを考えて、そしてお願いをいたしておるわけであります。何を申しましても、これは話し合ってみる以外にはないわけでありますから、件数が非常に多い、そして六千件だ七千件だ、こう申されておりますけれども、それならばそれでひとつみんな組合の幹部とせっかく話し合いの場ができたわけでありますから、十分そういうような点を、ここは間違った、あそこは間違いじゃないかというようなことを言い合うような場を数多くつくってもらいたいということで、私は話し合いを早く進めてくれということを両組合の幹部にもお願いし、そしてそれをいま進めておるところであります。  原委員から初めに、本省の局長がなぜ現場に飛んでいかないかというふうな御指摘もありました。あるいは行っているところもあるかもしれませんけれども、私の知る限りでは余り行っていたというふうには承知しておりませんけれども、これは一つの何といいますか、たとえ話には余りよくないかもしれませんけれども、中央に統帥本部というかそういうようなものがあって、そこに何かしっかりしたでんと座っておる者がおりませんと、なかなかあっちで故障が起こった、こっちでどうだというふうなことで対策を練る場合には、これは収拾できなくなることは、ここで頭の悪い私が言うまでもなく、原委員がよく承知をしておられることでございますが、幸いにして郵政省には各ブロックに郵政局長もおることでありますから、十分そうした者を通じて、私どもいろいろな話を承り、また組合の幹部の諸君かちも、また原委員の同僚の皆さん方からもいろいろな御指摘を受けることを反省しながら、これはどうであったか、ああであったか、間違いではないかというようなことなども反省をしながら、今日間違いのないようにということを進めてきている、私はそういうふうに理解をしておるわけでありますから、そういうような点につきましては、両方でやはり反省するものは率直に反省して、御指摘のとおり国家的な事業国民生活に密着した事業でもありますし、そこに社会的な責任を感じて、これは話し合いを進めて国民に奉仕するという本来の考えに立ち返って進む以外にはないのだというふうに私は理解をいたしておるわけでありまして、今後もそういうふうなことで私のこの行政の責任もとっていきたいというふうに考えておるわけであります。  いずれにしましても、私どもの幹部にいろいろな不都合なことが仮にあるとするならば、長い目で、先ほどから申し上げましたように、これは当然責任の所在と申しますか、そういうふうなものははっきりしていくだろうと思いますし、いまこの責任を云々というようなことを私はことさらここで取り上げて申し上げる気持ちもないことを率直に申し上げておきます。
  165. 原茂

    ○原(茂)委員 これで終わりますが、大臣の答弁、私が時間の都合で一方的にしゃべって、お書きになったわけではないから不十分過ぎる答弁、しかしながら誠意のある答弁だと聞きます。どうか私の申し上げましたことを速記録でもごらんをいただいて、そして私はある意味のサゼスチョンもしているつもりであります。大臣の責任において十分に配慮できる問題がたくさんあると思いますので、私の指摘いたしましたような問題に対していわゆる大臣としてもう一度十分なひとつ御検討をいただいた上で、ある意味ではまた必要があれば個人的にも私は大臣のもう少し正確な見解をお伺いをしたいと思いますから、その点記録の上で十分大臣もごらんいただいたなと思った時分に、私はその大臣のもう少し精巧な正確な見解をお伺いして、この問題の解決に少しでも寄与していきたいと考えますので、そのときにはひとつ大臣も時間をつくりまして、御答弁、考えを正確にお聞かせいただくように、これだけお願いしたいと思います。それについて一つ、御答弁をいただきます。  同時に、一月以降の処分の問題も十分時間があればもっと取り上げたいのですが、私の見解によれば、いまは火に油を注ぐようなことをやるべきでないということはもう間違いありませんし、したがってこれに対する大臣のお考えも、私の考えに同感できるかどうかもあわせて御答弁をいただいて、終わりたいと思いますので、二つだけ御答弁をいただきます。
  166. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 十分私も長い時間原委員の御意見、お話を承りましたから、速記録などを読ましていただきまして勉強させてもらいたいと思います。したがいまして、その後また機会がありましたら私の方に連絡していただければ、いつでもできるだけ時間をあけてお目にかかりたいと思います。  この処罰の問題については余りここで私は触れたくないし、またここで私が余りはっきり申し上げてもどうかと思いますので、これはひとつ遠慮させてもらいたいと思いますので、御了承賜りたいと思います。
  167. 原茂

    ○原(茂)委員 終わります。
  168. 加藤清二

    加藤委員長 次に、林孝矩君。
  169. 林孝矩

    ○林(孝)委員 私は四項目ほどにわたって質問をいたします。  まず最初に、郵便番号制度についてお伺いいたします。  郵便番号制度が発足して十一年経過するわけでありますが、この制度運用に係る費用支出をまずお伺いいたします。
  170. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 制度発足以来の費用というお尋ねでございますが、郵便番号を活用いたしました主な作業施設といたしましては、郵便番号の自動読み取り区分機がございますが、昭和四十二年度から五十三年度に至りますまで、この機械の新規の購入経費が約百五億円でございます。なお、機械でございますので保守料等の維持費が必要でございますが、これが三十億円強になっております。  その他、郵便番号を普及いたすために、周知をいたしましたり、あるいは各御家庭に郵便番号簿を配布するというようなこともいたしております。もちろん御承知のように、郵便番号簿は、中に郵便の御利用の欄がかなり入っておりますので番号簿の普及だけではございませんが、これらに要した経費がおおむね四十九億円程度に上っております。
  171. 林孝矩

    ○林(孝)委員 機械購入等を除外すると、いわゆる郵便番号簿を国民に各戸無償配布する、こういうところが大きな費用支出となっていると理解できるわけです。この普及のための仕事の一つとして行われております郵便番号簿の各戸無償配布、これは法的根拠に基づいて行われておるものなのかどうか、その点はいかがですか。
  172. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 郵便番号を制定いたしまして最初に実施をいたしますときに、これを法定をしてやろうかどうかということは私どもとしてもずいぶんいろいろ考えたわけでございますが、官製の形で押しつけることはできるだけ避けようということで、自主的に普及をしていこう、また協力をしていただこうという形で始めたものでございます。先生御承知のとおり、郵便の配達というのは、私どもサービスを提供させていただく側とお受けしていただく側と申しますか御利用していただく方との協力関係ということが、非常に大きな要素になっていようかというふうに存じておりますので、後者の方法で実行さしていただいてきておるわけでございます。
  173. 林孝矩

    ○林(孝)委員 その実態についてお伺いいたしますが、この郵便番号簿の配布、これはたとえば五十一年、五十二年、五十三年度購入数量、金額、それから配布の方法はどのようにして行われておるか、相手先はだれか、この点についてお伺いいたします。
  174. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 購入部数でございますが、おおむね二年間に一世帯へ配布することにいたしておりますので、五十一年度におきましては全国の世帯の半分の一千九百万世帯でございます。五十二年度におきましては一千七百五十万部、五十三年度におきましては一千七百七十五万部購入をいたしております。  購入先は、郵便番号普及協会でございます。
  175. 林孝矩

    ○林(孝)委員 金額が抜けておりますので、金額、それから相手先ですね。
  176. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 五十一年度におきましては六億七千七百万円、五十二年度におきましては六億木千九百万円、五十三年度におきましては六億四千八百万円でございますが、ただいま申し上げましたのは一般用でございまして、各御家庭に配布をいたすものでございます。そのほか、郵政省が業務用として使いますもの、あるいは大口の利用者用に配布いたしますもの等がございまして、これらのものを含めますと、ただいま申し上げた金額を若干上回りますが、ちなみに、昭和五十三年度におきましては七億二千万円でございます。前二年度におきましても、おおむねそれとほぼ近い金額でございます。
  177. 林孝矩

    ○林(孝)委員 いま御答弁がございました、郵政省が認可した財団法人郵便番号普及協会に関してお伺いいたしますが、この普及協会と物品買い入れ契約を結んで、ここの協会から郵便番号簿を調達しているという関係にあるわけですね。この郵便番号普及協会、これは財団法人でありますけれども、その事業の中心はどういう内容になっておりますか。
  178. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 郵便番号普及協会でございますが、郵便番号制の普及を郵便の利用者という立場から行うために設立されたものでございまして、郵便番号制が実施されてから各種の活動を行ってきております。最近におきます活動といたしましては、郵便番号簿の発行及び販売、郵便番号案内業務の実施あるいはまた郵便番号記載協力者に対する感謝状の贈呈等、郵便を御利用いただく方々に対する郵便番号の普及活動を行っているわけでございます。
  179. 林孝矩

    ○林(孝)委員 郵便番号普及協会より郵便番号簿を購入しているのは、随意契約によるものでしょうか、いかがですか。
  180. 浅川泰治

    ○浅川説明員 そのとおりでございます。
  181. 林孝矩

    ○林(孝)委員 ここで問題点を指摘いたしますが、政府の物資調達にあっては、極力随意契約あるいは指名競争を排除して競争入札によるものとする、こういうことが会計法あるいは予決令の精神である、私はそのように認識しておりますが、郵政省はいかなる理由でこの郵便番号協会と随意契約をしてきたか、これを検査院から先にお伺いいたします。
  182. 藤井健太郎

    藤井会計検査院説明員 お答えいたします。  突然の質問でございますので、ちょっと資料的に確認しておりませんけれども、会計法の二十九条の三第四項じゃなかろうかと想定しております。ちょっと具体的につまびらかにしておりませんので、そういうふうに私はいま思っているわけでございます。
  183. 林孝矩

    ○林(孝)委員 郵政省、お答え願います。
  184. 浅川泰治

    ○浅川説明員 先ほど先生がおっしゃったとおりでございますけれども、郵便番号簿を随意契約で購入いたしております私どもの理由でございますけれども、一般の書籍と同様に私ども扱っておりまして、発行元が特定をしておるというふうな関係で、予決令百二条に規定をされております、契約の性質または目的が競争を許さない場合、これに該当するというふうなことで随意契約にいたしておるものでございます。
  185. 林孝矩

    ○林(孝)委員 契約の性質、目的が競争を許さない、これに郵便番号協会が該当しておる、そういう認識に立っているということで間違いないですか。
  186. 浅川泰治

    ○浅川説明員 郵便番号普及協会が発行元であるというふうに特定をされているということで、随意契約にしておるわけでございまして、そういう意味で先生のおっしゃるとおりでございます。
  187. 林孝矩

    ○林(孝)委員 郵便番号協会が発行元であるということは競争を許さないということと違うわけでありまして、協会がたとえば著作権を持っておるというならば、それは契約の性質、目的が競争を許さない、こういうことにもなろうかと思いますが、番号簿というのは、ここにありますが、ここに掲載されておる内容は別に郵便番号協会が著作権を持っておるものでも何でもないわけです。郵政省が調査、決定をして、そして告示をしているたぐいのものであります。郵政省が必要としているのは印刷、製本、こうした製造作業が中心である、そのための調達契約であると私は思うのですが、その点に対してどのように考えられるか。  それから、なるほど会計法二十九条の三第四項、会計検査院のおっしゃるとおりであります。この解釈というものはいまの郵政省の解釈と考えていいのかどうかという点について、会計検査院はどのように受けとめられますか。
  188. 藤井健太郎

    藤井会計検査院説明員 お答えいたします。  ちょっと具体的につまびらかにしておりませんけれども、普及協会で番号簿の販売業務を行っている、そういう関係でそこから購入することがより——まあそれより競争相手がないということかと思いますけれども……。よろしゅうございますか。普及協会で番号簿を販売あるいは普及している。そこでそういう出版物がある、それを購入する際の郵政省の考え方だろうと思います。そういった場合に、ここにありますように、契約の性質、目的が競争を許さない場合に該当するのじゃなかろうかと判断しているわけでございます。
  189. 林孝矩

    ○林(孝)委員 それでは郵政省にお伺いいたしますが、この番号協会、何名が直接この編集の仕事に従事しておりますか。
  190. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 職員七人でございます。
  191. 林孝矩

    ○林(孝)委員 要するに、職員七人が携わっているだけである。  この小冊子の製造、発注のことについて新たな問題を提起いたしますが、契約の性質、目的が競争を許さない、こういう先ほどの予決令の精神、これと、新たに、郵便番号協会が七名でやっておる、今度はその先に対して、いわゆるそこで印刷して製本しておるわけじゃないのですから、郵便番号協会が郵便番号簿を作成するために発注している、これも随意契約あるいは競争入札、いろいろあるわけですけれども、それはどういうようになっておりますか。
  192. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 郵便番号簿協会は、印刷会社に対しまして、印刷は随意契約で発注しているというふうに認識をしております。
  193. 林孝矩

    ○林(孝)委員 郵政省も随意契約、郵便番号協会も随意契約、このようになっているわけです。  話をもとに戻しますが、この郵便番号簿の内容、それからそれの編集、わずか七名でやっておるということですね。これは郵政省から考えて、郵便番号協会でなければこの番号簿を作成できない、このようにお考えなのかどうか。私は、本来はそういう協会がなくても、郵政省みずからが政府において編集して直接印刷会社に発注する。その間になぜ郵便番号協会というものが介在しなければならないのか。わずか七名の職員が携わっておるということでできるわけならば、いみじくも先ほどの答弁によりますと、七名の職員で郵便番号簿というものができる、事実行われておる。そうすると、郵政省が直接発注して、そして郵便番号簿を作成すればいいことではないのか。わざわざそこに郵便番号協会というものを設立して、そこを通さなければならないということについては、とうてい説得力がないし、納得できないと私は感ずるわけでありますが、その点はいかがですか。
  194. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 冒頭に申し上げましたように、郵政省が郵便番号を制定いたしましてこの普及をいたします際に、官製のものとしてやっていくかあるいは民間の御協力を得ながら普及をしていくかという点につきましてずいぶんと論議をいたして考えたわけでございます。この際に、民間の有識者その他にもいろいろ御相談もいたしましたし、御協力もちょうだいいたしたわけでございますが、立法措置をとらずに、利用者の方の御理解に基づく協力によりまして、できるだけ速やかに普及をさせていくという方針をとったわけでございます。  郵便番号普及協会の現在お世話をいただいております、先ほど七名と申しましたが、これは事務に携わっておる者でございまして、一般の非常勤の理事の方々は各界の有識者の方にお願いをしておるわけでございますが、国民が押しつけられるという感じを持つことを極力避けて、郵政省の普及活動に協力していこうというような御趣旨のもとに設立をされたものでございまして、私どもといたしましても、作業を効率的に推進をするために大変にありがたいという感じを当時持ったわけでございます。  そこで、ここの発行するものでなければ十分に権威を持ち得ないのか、あるいはほかで製造さしたらどうなのかという御指摘でございますが、現在郵便番号につきましても相当に変更が行われておるわけでございまして、現在全ページ数の七〇%程度は変更があるということでございます。業務運営の基本でございますし、せっかく民間の方が、全然普及していないときから御協力をしていただくという体制になっておるところでもございますので、ここでおつくりいただくものに私どももそれなりの御協力を当然さしていただいておるわけでございますし、むしろ私どもの方に協力をしていただいておる団体でございますので、ここから発行されるものを監修いたしましてお配りをしているというわけでございます。
  195. 林孝矩

    ○林(孝)委員 現に郵便番号協会発行の番号簿、これは郵政省監修ということになっております。そして、郵便番号協会がつくった編集原稿を郵政省はチェックし、校閲もしております。そのようにして郵政省が編集作業をやっておるではありませんか。それならば、郵便番号協会の必要性といいますか、問題を考えた場合に、郵政省がそこまで編集作業をやり、そしてまた別に郵便番号協会というものをつくって、そこでつくられたものを買い入れる、こういう二重の作業といいますか手続をするようなやり方をなぜするのか。  ルートというのは一番簡単なものが一番合理化された姿だと私は思う。郵政省で編集作業を手伝い、監修、校閲、一切チェックをして、また郵便番号協会でも同じようにそういう仕事をしておる。協会が発注してつくられたものを郵政省が買う。郵政省が直接印刷会社へ発注してつくればいいものを、協会というものを介在さしてそのような作業をやっておる。あえてこれを非常に複雑化しておる。そうすると、いろいろな問題が起こってくる可能性があるのです。  たとえば郵政省が直接印刷会社に発注する場合に競争入札をしたとしましょう。そうすると、競争入札ですから当然印刷費用は安く発注するわけですね。ところが、随意契約で行われておる。その値段が適正か、もっと安くならないかという努力はなされていますか。
  196. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 製造単価、原価についてのお話でございますが、一般御家庭用の郵便番号簿の製造単価は三十六円二十三銭かかっております。これを郵政省購入いたしておりますのは三十五円四十八銭でございまして、製造単価よりもやや安く購入をいたしておるわけでございます。  なぜ安く購入できるかということでございますが、御案内のとおり郵便番号簿には広告の掲載がいたしてございますので、その分だけは安く購入できるということに相なっております。  なお、役所が直接に購入いたします場合には、当然のことながら製造単価に——これは厳密な原価計算に基づいて専門家がいたすものでございますが、適正利潤を勘案しなければならないわけでございまして、業務用の場合でございますと——業務用と申しますのは郵政省が直接に使うものでございますが、当然ながら広告は載せてございません。これにつきましては多少なりとも製造単価で適正利潤を乗せるということになりますので、通常の一般用のものよりは若干は高くなるということになります。
  197. 林孝矩

    ○林(孝)委員 私はあるところで、いま郵便番号協会が随意契約で発注している先の金額より安くならないかということを一般論として積算させてみました。そうしますと、合計金額が五億四千四百二万五千五百円。いま郵政省が支払っている金額は幾らですか。
  198. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 五十三年度で七億二千万円でございます。
  199. 林孝矩

    ○林(孝)委員 一億八千万安くでき上がるということであります。  なぜこのような問題を指摘するかといいますと、国民の税金を使うわけでありますから、郵政省はできるだけ安く、むだがないように金額的には計らっていかなければならない、配慮していかなければならないのは当然だと思う。と同時に、そういう組織を複雑化して——先ほどから話を聞いておっても、こういう協会をつくらなければ郵便番号簿というものができないというものではないわけです。別に郵便番号協会をつくらなくともこれはでき上がる。そして競争入札にした方が安くでき上がる。ところが、あえて協会を通して番号簿をつくらしておる。そこに一つの大きなむだが存在するわけです。こういうむだをなくすため一考を要すると私は思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
  200. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 十分研究してみたいと思います。
  201. 林孝矩

    ○林(孝)委員 いまの議論を聞いておって、大臣はどのように理解されますか。
  202. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 普及協会の果たした役割りもあると考えますので、そういうようなものを含めまして十分検討していきたいと考えております。
  203. 林孝矩

    ○林(孝)委員 郵便番号協会がこの郵便番号簿製造に当たって随意契約をしているその印刷会社を挙げてください。
  204. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 大日本印刷、共同印刷、凸版印刷の三社でございます。
  205. 林孝矩

    ○林(孝)委員 これは、郵便番号協会が発足以来この三社になっておるのか、それとも以前は違ったのか、その点はいかがでしょうか。
  206. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 この三社が印刷をいたしておりますのは四十八年以降であるというふうに聞いております。
  207. 林孝矩

    ○林(孝)委員 それ以前はどのようになっておりましたか。
  208. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 それ以前は製作を電通あるいは郵政弘済会、電気通信共済会というところに委託をしておったというふうに聞いております。
  209. 林孝矩

    ○林(孝)委員 そうしますと、四十八年にそれらの業者と契約しなくなった理由はどういう理由ですか。
  210. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 四十八年にただいま申し上げましたようなところと委託契約を切りまして、直接に契約をするようになった理由は、現在よくわかりませんが、想像いたしますと、直接契約するだけの能力なりあるいは原価的にその方が安くできる、いずれかではないかというふうに、これは推測でございますが、そのように思われます。
  211. 林孝矩

    ○林(孝)委員 それは郵政省が直接、電通等いま答弁されたところに発注をしておったわけですか。
  212. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 発足以来郵政省は協会から番号簿を購入しておりまして、それ以前直接に郵政省がやっておったということではございません。
  213. 林孝矩

    ○林(孝)委員 そうしますと協会が、四十八年以前は電通を初め三社とやっていた、四十八年以降先ほどの印刷会社に切りかわった、その理由というものは全然はっきりしていない、こういうことなんでしょうか。
  214. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 郵政省購入いたします際には、先ほど先生が御指摘のように、合理的な単価で安く購入できるということが最大に意を注ぐべきことでありまして、民間の方々が番号の普及に協力をしていただけるというようなことでございますので、その辺に民間の創意工夫も、役所が直接にやるよりもいいところがあろうかと思います。郵政省といたしましては、非常に細かいところまでいろいろと見過ぎるということがまたいいか悪いかという判断もいたさなければなりませんので、その当時においてなぜそのようなことになったかという事実については、郵政省が掌握しているという記録がございません。
  215. 林孝矩

    ○林(孝)委員 いずれにしても、その理由が明確でないということでありますが、会計検査院にお伺いいたします。  この郵便番号簿が適正な価格であるかどうか。また、その協会が発注するシステム、また価格も含めて発注された内容、そういうものに対して会計検査が及ぶかどうか。それからいままで郵便番号協会と郵政省との受注関係に対して会計検査をされて、そしてそこに矛盾な点、指摘しなければならないような点があったかどうか、お伺いします。
  216. 藤井健太郎

    藤井会計検査院説明員 お答えいたします。  会計検査院といたしましては、いわゆる調達価格の適正ということにつきまして、予定価格内容、それから契約価格の内容についてつぶさに検討いたしております。たとえば材料費あるいは工賃あるいは一般管理費、広告料収入あるいは梱包費、運賃、そういったものについて綿密に検査実施しております。過去におきまして郵政省注意しましたこともございます。四十七年ごろにやっております。  それから、普及協会が他の印刷業者に契約をするという関係につきましては、特に検査をいたしておりません。
  217. 林孝矩

    ○林(孝)委員 そこまで会計検査が及ばないという、これは会計検査院の権限強化等の問題にもかかわることですから別のところで議論したいと思いますが、冒頭に私が指摘しましたこの郵便番号簿の調達、これがいわゆる公益法人であるところの協会を通さなければならないというような必然的な理由として、先ほど予決令の話が出たわけですけれども、その解釈というものは正しいかどうか。この点については会計検査院はどのように考えますか。
  218. 藤井健太郎

    藤井会計検査院説明員 お答えいたします。  先ほども申し上げましたように、普及協会でそういう番号簿を発行しているという実態がございます。したがいまして、郵政省といたしましては、恐らくそこから調達する方がより安くなるであろう、あるいはそれが単一のものであろうというふうな考え方から随意契約になったものと思われます。したがいまして、現状から見ますと、特に違法であるというふうには考えられないわけでございます。
  219. 林孝矩

    ○林(孝)委員 それでは、会計検査をいままでやってこられたわけですからお伺いしますが、五十年度、郵便番号協会は一般用と業務用の二つの種類の番号簿を作成しております。そして次のように販売したという会計報告になっております。一般用、これが二千万部、六億九千六百五十九万五千円、これは運賃込みです。それから業務用として二十四万部、政府に行ったものが千八百十二万円、市販されたものが百四十六万六千円、こうなっているわけです。そしてこの合計金額として七億一千四百七十一万五千円、このように販売した、これが郵便番号協会の五十年度の報告になっておりますが、間違いございませんか。
  220. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 非常に正確な数字は持ち合わせておりませんが、おおむね先生がただいま御指摘のとおりでございます。
  221. 林孝矩

    ○林(孝)委員 そこで、五十年度郵政省の報告によりますと、一般用郵便番号簿、これを幾らで購入したことになっておりますか。
  222. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 おおむね同じだと思います。五十三年度のものしか持ち合わしておりませんので大変恐縮でございますが……。
  223. 林孝矩

    ○林(孝)委員 郵政省の一般用郵便番号簿というのが、二千万部で六億九千六百五十九万五千円になっておるわけです。それで、五十年度の郵便番号協会の決算書を見ますと、一般用郵便番号簿売り上げ収入として七億一千四百七十万円余が計上されているわけですね。ここに一つの大きな問題があります。その差額百四十六万六千円、これはどういう扱いになっておりますか。
  224. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 御指摘の百四十六万六千円というのは、郵便局なり郵政本省あるいは郵政局で使います業務用の番号簿がございます。これの購入経費でございます。
  225. 林孝矩

    ○林(孝)委員 いわゆる市販ですね。
  226. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 違います。ただいま申し上げましたのは、郵政省自体が業務用として使うものでございます。
  227. 林孝矩

    ○林(孝)委員 いわゆる一般用と業務用に分けて、一般用として六億九千六百五十九万五千円、業務用の中で政府に行ったものが千八百十二万、こうなって、合計七億一千四百七十一万五千円となるわけですね。ところが、この損益計算書の中を見ますと、郵政省が買い入れた額と郵便番号協会が郵政省に売って得た収入の額というものに差があるわけです。これはどういうことですか。
  228. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 私ちょっと御説明を間違えておりますので、訂正させていただきます。  業務用に、市販される業務用と郵政省が直接に使う業務用とがございまして、先ほど申し上げました百四十六万円の分は、郵政省が使います業務用のものを市販をいたしました収入でございます。なお、省が直接に使います業務用のものは一千八百十二万円を購入いたしております。
  229. 林孝矩

    ○林(孝)委員 だから、私がこれは市販と言ったら、あなたが違うと言ったのです。業務用の市販としてこの百四十六万六千円というのがあるわけですね。  ところが、この損益計算書の扱いは食い違っておるのじゃないですか。郵政当局と協会との間に食い違いがあるでしょう、この業務用の市販百四十六万六千円の額が。
  230. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 ただいま五十年のものを持ち合わしておりませんので、正確にはお答えいたしかねますが、当時報告を受けまして食い違ってはいなかったというふうに認識いたしております。
  231. 林孝矩

    ○林(孝)委員 会計検査院は、この問題は御存じなかったですか。
  232. 藤井健太郎

    藤井会計検査院説明員 お答えいたします。  普及協会の決算書を見ることまではいたしておりませんでした。
  233. 林孝矩

    ○林(孝)委員 それでは、この問題については決算委員会に報告をしていただきたいと思います。  委員長、よろしくお取り計らいをお願いします。
  234. 加藤清二

    加藤委員長 記録をちょっととめて。     〔速記中止
  235. 加藤清二

    加藤委員長 記録を始めて。  江上郵務局長委員長からお尋ねいたします。  いま林委員からの質問についての答弁がございましたが、私どもが聞いておっても理解しにくい答弁が続いているようでございます。そこで、どこかに食い違いがあるではないか。誤謬があるとは申しませんが、どこかに食い違いがあるではないかという気がいたしますが、いま資料がないとおっしゃられましたから、資料がなければやむを得ませんので、時間の関係これあり、資料を相整えて正確な御答弁を後ほどいただく、こういうことにしたらいかがですか。
  236. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 ただいま委員長の御指示のとおりにいたしたいと思いますが、先生御指摘の一般用郵便番号簿と書いてあります損益計算書、昭和五十年度のものでございますが、七億一千四百万円余のものにつきまして、この中に一般御家庭用のものと省が購入いたします業務用のものとがございまして、ただいま御指摘の業務用郵便番号簿の欄に書いてございます百四十六万という金額につきましては、これは市販のものでございます。したがいまして、後ほどまた詳細に御説明させていただきたいと思います。
  237. 林孝矩

    ○林(孝)委員 だから、その中に市販のものが掲載されていなければならないけれども、掲載されてないから問題だという指摘なんです。
  238. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 書き方がまずいという御指摘であれば確かにそのとおりでございまして、ここに書いてございます業務用郵便番号簿というのが市販のものでございます。
  239. 林孝矩

    ○林(孝)委員 業務用郵便番号簿ということであれば今度はまたあれが違ってくるのですよ。この総数と決算書を素直に読む限り非常に大きな誤解が生まれてくる。というのは、一般用として六億九千六百五十九万円、業務用として千九百五十八万円、こうすべきではないかという疑問が生まれてくるわけです。なぜかというと、業務用が二つに分かれているわけですが一つしかこっちには出てないわけです。こっちだっていま言われたのは一つだけでしょう。業務用ということは一項目しか科目が出てないですから。ほかの業務用というのがこっちに含まれておるということは、今度は一般用郵便番号簿というところに入るわけでしょう。片一方、この中に業務用が含まれておって、こっちにはまた別の業務用がある。わかりますか、私の言っていること。ちょっと、わかっているのかわかってないのか……。
  240. 江上貞利

    ○江上(貞)政府委員 先生御指摘のとおり、確かに昭和五十年度損益計算書については誤解を生じやすい表現であろうかと思いますので、その後協会を指導いたしまして、昭和五十二年度作成のものにつきましては、先生御指摘のような形に、もっとわかりやすいような形に訂正をさせるようにいたしました。
  241. 林孝矩

    ○林(孝)委員 これは誤解というよりも間違いなんですな。そういう間違いなものをもって決算をしているようなことであってはいかぬ。だから、複雑多様化するようなことをあえてしたならばこういう間違いが起こるから、行政というのはもっと単純化すべきである。したがって、そういう協会をつくってやるよりも直接郵政省が番号簿をつくればいいじゃないかという話に逆戻りするわけです。この議論はここまでにしておきます。  次に、日本とアメリカとの経済摩擦の問題に関連して、早期打開をしなければならないという総理の表明もこれあり、少し質問をしておきたいと思うわけです。  アメリカ側の要求している政府調達の門戸開放、これは東京ラウンドの絡みがあって、交渉終結というのが東京サミットの成否にかかわる、このように言われているわけでありますけれども、電電公社を中心として、国鉄、専売公社、政府系金融機関、こうしたところが調達の門戸開放の対象ということになってきておるわけですね。  外務当局に最初にお伺いいたしますが、この交渉の経緯、将来展望、こういうものについてはどのようになっておりますか。
  242. 遠藤実

    ○遠藤説明員 お答え申し上げます。  政府調達の問題につきましては、御案内のように東京ラウンド交渉の一環として行われているわけでございます。そこで、東京ラウンド交渉はいよいよ最終段階に入ってまいりましたが、特に現在台頭しつつある保護主義を何とか抑制するためには、これをできるだけ早く妥結することが必要というふうに考えております。  ところで、この政府調達の問題でございますが、東京ラウンドは世界貿易の一層の拡大と自由開放体制の維持、確保ということを目標に行われておりまして、従来の交渉では特に関税を下げるということが一つの目標でございましたが、現在関税だけではなかなか貿易拡大の目的が達し得ないということから、関税以外のいわゆる非関税障壁につきまして今回の東京ラウンド交渉では重点を置くというふうなことで現在に至っているわけでございます。  そこで、この政府調達につきましてもこの非関税障壁の一環ということで取り上げられてきておりまして、特に昨年初めくらいから東京ラウンド交渉が本格化いたしたわけでございますが、そこで現在、昨年いっぱいかかりまして政府調達に関します国際規約、われわれは俗称これをコードと呼んでおりますが、それについてはほぼ交渉の中身が固まってまいりました。ただ、そのコードの対象といたします調達体につきましてはなおまだ交渉が決着しておりませんで、特に日米間においてこの問題が一つの争点になっているということは御案内のとおりでございます。  そこで、この政府調達につきましては、現在米国としては、バイアメリカンを軽減あるいは部分的に廃止して、これによって政府調達市場というものを世界貿易に開放する、したがって各国とも同じように政府調達市場を開放すべきである、こういう立場に立っておりまして、現在のところアメリカ側が言っておりますのは、日本側のいわゆるオファーと称しておりますが、これではアメリカ側のオファーと均衡がとれない、そういうことで、単に中央政府、中央官庁のみならず、そのほか政府関係機関につきましてもこれを開放してほしい、こういう要望が出ているわけでございます。  東京ラウンド交渉につきましてはまだ若干流動的な要素もございますけれども、できるだけこれを四月ぐらいに何とか交渉を収束させるという方向に持っていきたい、こう考えておりまして、その意味でこの政府調達の交渉、ことに調達体の問題につきましてもできるだけ早期に妥結を図りたい。  ただ、もちろん従来いろいろな機会にすでに言われておりますとおり、この問題はいろいろむずかしい点を含んでおります。したがって、わが国としては、わが国の主張すべき点は十分に主張し、かつ同時に東京ラウンド交渉の成否が自由貿易体制の維持に欠くべからざるものであること、あるいは日米経済関係の安定的発展ということがわが国の繁栄にとって非常に重要である、このような観点をあわせ考えまして、従来から米国との間で何とか双方の主張の接点を模索するということで進んできております。しかしながら、まだ妥結を見るに至っておりません。できるだけ、今月の末に東京ラウンド交渉の牛場政府代表が訪米する機会に何とかこれを決着をつけたいというふうに考えております。
  243. 林孝矩

    ○林(孝)委員 今月末に訪米、そして先ほど、四月じゅうに決着と言われたのは、いわゆる妥結のタイムリミットを四月と、そういうことで認識してよろしいでしょうか。
  244. 遠藤実

    ○遠藤説明員 四月と申し上げましたのは、実は東京ラウンド全体につきまして実質的にめどをつけるということでございまして、この中の日米間の政府調達の問題につきましては、できるだけ三月の下旬に牛場代表が行きましたときにめどをつけたい、こういうことでございます。
  245. 林孝矩

    ○林(孝)委員 日米定期閣僚会議の復活というようなことは、これに関して考えられておりますか。
  246. 遠藤実

    ○遠藤説明員 日米間には御案内のようにいろいろ経済摩擦が報じられており、また事実存在することは否定できません。そこで、いろいろな機会を通じまして、いろいろな場を通じまして、この摩擦の解消に努めるということで臨んでおりまして、必ずしもどのような機関あるいはどのような会合でなければならぬということはないわけでございまして、いろいろな提案があることは承知しておりますけれども、どれを中心にしてやるというふうなことは必ずしも決まっていないと承知しております。
  247. 林孝矩

    ○林(孝)委員 その提案の中に含まれておりますでしょうか。検討されておりますか。
  248. 遠藤実

    ○遠藤説明員 恐縮でございますが、提案といま先生おっしゃいましたが……
  249. 林孝矩

    ○林(孝)委員 いま答弁の中で、いろいろな提案があるという答弁がございました。その提案の中に、この日米定期閣僚会議の復活というものは含まれておるか、検討されておるかという質問です。
  250. 遠藤実

    ○遠藤説明員 大変失礼いたしました。提案と申しましたのは、いろいろなレベルでいろいろな公式、非公式を問わず提案があるという非常に広い意味で申し上げましたので、実はいま先生が御指摘になりましたような形での、どちらかといえば非常にフォーマルなかっこうでの提案というのを念頭に置いていらっしゃったのだと思いますけれども、そのような意味ではまだ私どもは十分承知しておりません。特に、閣僚会議の復活とおっしゃいました点につきましては、実は何か新聞報道であったような気もいたしますけれども、大変記憶が定かでございませんし、そういった具体的な提案があるというふうには私は承知しておりません。
  251. 林孝矩

    ○林(孝)委員 アメリカの要求というのはいろいろ出てくると思うのですが、電電公社としての考え方、政府の対応の仕方、これについて大臣と電電公社総裁にお伺いしておきたいと思います。
  252. 秋草篤二

    秋草説明員 電電公社といたしましては、ただいまのところまで、公社を対象にすることはやぶさかではないけれども、電気通信機材を対象からは外してほしいということを長い間主張し続けております。今日も私はそれを続けております。  その理由は、少しお時間を拝借して申さないとなかなか誤解を招きますので申し上げますが、一番わかりやすい問題は、私どもの使う通信機材というものは、使う市場、マーケットが電電公社だけに限られているという非常に具体的なわかりやすいことでございます。私どもの電電公社としますと、常に国民あるいは加入者の皆様に信頼されるサービス、より安い低廉な料金でやる、この二つの使命が私に課せられた大きな使命だと思っておりまして、その観点から、まず安い点と言えば経済的にいくということが一番正しいことであります。そのために、マーケットが一つであるということは、後で申しますけれども、非常に不合理な点が出てまいります。  それからもう一つは、技術的な点でございますけれども、私どもの関連するメーカーというものは、大なり小なりその技術の指導を、研究所から始めて技術職等で大なり小なりやって、そして、これは十分生産ができる、工場検査などは徹底的にしまして、ただ納品の検査ばかりではなくて、そういう指導をしてやっておる。同時に、一たん公社の資材メーカーに入りますると、永久とは申しませんが、永続的に発注を続けなければならない、そういう大きな問題がございます。  したがいまして、この研究開発から始まってまいりますけれども、それならば仕様書というもの、規格というようなものを徹底的に細かに書いてやって、一にかかって値段だけで勝負したらいいじゃないか、こういうことをよく言われるのでございますが、そのためには、競争契約というものの中身がまだはっきりしませんけれども、競争契約と言った以上は、やはり一番札あるいは二番札程度までが落ちるということになります。みんな入れるといったら、これは競争契約ではございません。そうなれば、世界各国にオファーを出しまして、世界各国の十社なり二十社というものにオファーを出して、入札して落ちたものが一社か二社ということになりますると、そこに落ちないところでは、われわれのいろいろな仕様書以外のノーハウまでがみんな漏れてしまうという非常に困った問題も起きます。  その次には、やはり従業員の問題でございますが、一つの規格に統一された製品があることによって、より従業員の数も少なくて熟練も早い。ところが、ここはドイツだ、この局は英国だとか、これはアメリカの機械が入ってくるというようなことになりますると、なかなか同じ機械でも訓練も少しずつ違ってまいります。過去においてもそういう苦い経験をやったことがございます。それに部品の補給とか、そういうことになりまして、非常に不都合な点もございます。その他関連する事務ですね。これは、競争契約にするというと、大変大きな事務作業が伴ってまいります。  こういうものは一応除外しましても、やはり品質の点と、それからマーケットが一つであるということで、やはり大きな契約がことしは落ちたけれども来年はいただける可能性があるかどうかというものは確約できませんから、要は、電電公社のいままでの随意契約というものは、言葉は非常に悪い言葉でございますけれども、ちょっと誤解を招く随意契約でございますけれども、決してこれは安易な一社だけやるというような契約ではありませんで、必ず三社あるいは五社ぐらいまでやって、そこにおのずと中小企業の対策なども含めて年々歳々高度の技術から、だんだん腕がなれてくると大きなメーカーで使っているような機械を中小メーカーにおろしてやるとか、そういう行政的な配慮も随意契約であればこそできたのであります。  こういうことが、競争契約になりますると一切、むしろコード違反になって中小企業救済なんということはやってはいけないというようなことでございますので、これは大変大きな問題が出てくるのではなかろうか、私はこういうふうに思って、ただいまのところ、どうかひとつ電気通信機材だけは外してほしい。しかも、これは約束したわけではないけれども、先進国では全部そういうことでやっておりまして、電電公社だけが開放しろと言われるのは、何となしに私には納得できないということが私たちの主張でございます。
  253. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 いま秋草総裁からお話しのとおりの事情でもありますので、私どももこれはいろいろ慎重に検討しなければならないと思っていままで検討をいたしておるわけでありますが、御心配のように、日米の間の貿易の不均衡という大きな問題を抱えておりますので、これは関係各省とよく相談をしてもう少し詰めていきたい、妥協の方法はないかということをいま詰めている最中であります。
  254. 林孝矩

    ○林(孝)委員 いま総裁の方から、電気通信機材だけは何とかしてもらいたい、こういう要望があったわけですね。郵政大臣は、その総裁の意見を是とされるのか非とされるのか。そうして閣議等での大臣のこれからの発言とか主張というものは、そういう意味では非常に重大になると思うのです、先ほどの話のように四月中に妥結というスケジュールから言いますと。その点、大臣はどのように考えられますでしょうか。
  255. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 総裁のいままで述べられたことを私どもも十分わきまえてこれを尊重していきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  256. 林孝矩

    ○林(孝)委員 時間が来ましたので、最後に外務省にもこの点を確認しておきたいわけですが、いまの電電公社総裁の電気通信機材だけは何とか御免こうむりたい、こういう要望を外務省はいままでの交渉、また今度は外務大臣が訪米されるわけでありますが、そういうときに意見を携えて行かれる考え方があるのかどうか、その点だけ伺って、質問を終わりたいと思います。
  257. 遠藤実

    ○遠藤説明員 現在すでに電電公社あるいは郵政省の方から、電気通信機器につきまして国際規約に含めることの技術的困難性等についてはつとに伺っておりまして、従来の交渉におきましても米側、特に米側でございますが、に対して十分に主張しているつもりでございます。ただ、現在までのところ、それについて先方の理解は得られていないというのが実情でございまして、したがって、今後とも電電公社あるいは郵政省等ともこの点につきましては十分協議の上、納得のいく結論、妥当な結論を出したい、こう考えております。
  258. 林孝矩

    ○林(孝)委員 終わります。
  259. 加藤清二

    加藤委員長 ちょっと記録をとめてください。     〔速記中止
  260. 加藤清二

    加藤委員長 記録を始めてください。  それでは、安藤巖君。
  261. 安藤巖

    安藤委員 午前中からも郵便局の人事の問題についてはいろいろ質問がなされたと思いますが、私も、普通郵便局の労務管理の問題、主として人事のうちの主任の任命の問題についてお尋ねをしたいと思います。  そこでその前に、普通郵便局の主任というのは定員が決まっていると思うのですが、内勤の場合でいきますと何人当たり定員一名ということになっているのかどうか。
  262. 守住有信

    守住政府委員 お答え申し上げます。  大体五人に一人というふうにお考えになっていいのでは、実態もそれに合っているのではないかと思う次第でございます。
  263. 安藤巖

    安藤委員 そこで、定員というのは五人に一人といまおっしゃったのですが、必要だからこそそういうふうに決めがあるのだというふうに思うのですが、大体というふうにおっしゃったのですが、何か決めの根拠があるのかどうか。  それから、これは時間がありませんから私の方で言いますけれども、主任の職務内容ですね。これは私が郵政省の方からいただいて、各局に共通する主任の職務内容、これは全部で十四項目あるのですが、たとえば「職務に専念するよう従事員を指導する。」とか、あるいは「職場規律を乱さないよう従事員を指導する。」とか、あるいは「業務が正常に運行されるよう従事員を指導する。」いわゆる現場における指導者という役割りを果たしておられると思うのですが、これに間違いないかどうか。この二点。
  264. 守住有信

    守住政府委員 お答えを申し上げます。  主任の職務上の根拠と申しますか、組織上の根拠と申しますか、それは郵政省の中におきます郵便局組織規程、その二十四条の中で「主任は、上司の指揮を受け、従業員を指導する。」こういうふうなものが基本的なものでございます。先生の方へお示しいたしました十幾つかのものは、たとえばということで申し上げたところであろうと思いますけれども、その申し上げましたような点につきましていろいろ、内勤は内勤、外勤は外勤、郵便課あるいは集配課あるいは貯金、保険あるいは庶務あるいはまた会計課とか、そういう面でのいろいろな役割りがあるわけでございますけれども、概して一般的に申し上げれば、その十幾つかぐらいの内容になってくる、こういうことでございます。
  265. 安藤巖

    安藤委員 そこで、私がいま二、三読み上げたのも入る十数項目のものがその職務内容としてあるのだというお話だったのです。定員も五人に一人ということをお伺いしたのですが、この主任が欠員になると、定員に満たないという状態に放置しておくということになりますと、いまのような職務を遂行する人が欠けるということになるわけですね。そうしますと、これは郵便事業国民に対するサービスという面にも支障が出てくるのではないかというふうに思うのですが、これはいかがでしょうか。大臣にお答えいただきたいと思うのです。
  266. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 私にはよくわからないので、局長から答弁させます。
  267. 安藤巖

    安藤委員 主任の職務内容というのは先ほどお聞きになっておられたとおり。そして定員というのが定められておるというのは、それは必要上定められておると思うのです。それが欠員になっているということになれば、郵便事業国民に対するサービスに支障が生ずることになるのではないかとお尋ねしておるのです。こんなわかり切ったこと、大臣が答弁できないというのはおかしいですよ。
  268. 白浜仁吉

    白浜国務大臣 そのとおりだと思いますので、できるだけ早く補充をしなければならぬと考えます。
  269. 安藤巖

    安藤委員 そのとおりだということは、支障を生ずることになるという趣旨だ、これはだれが考えてもそういう御答弁だというふうに思います。そこで、この主任等の欠員の問題につきましては、三月の一日に参議院の逓信委員会でわが党の沓脱議員が質問をしております。その中で守住人事局長は、過疎地の郵便局が大半ではないかというようなことをおっしゃっているのをこの議事録で私先ほどから見ておったのですが、私はそうではなくて、大都市名古屋市のど真ん中の郵便局のことでお尋ねしたいと思うのです。  この名古屋市の中川郵便局の場合ですが、現在内務で主任の欠員が一、外務で主任の欠員が二、合計三人というふうになっております。そのうち内務の関係ですが、昭和五十三年九月二十五日までの間数年間欠員が二名だったわけなんです。これはどういうような事情でこの二名欠員のままで数年間経過したのか、お調べになったと思いますが、いかがですか。
  270. 守住有信

    守住政府委員 お答え申し上げます。  参議院の逓信委員会で申し上げました過疎地という問題は、特定局あるいは集配特定局の方の問題でございますが、実は御論議の中で二年も三年も、中には四年もというふうな非常に長期間埋められていない、これは非常におかしいではないかという御指摘でございまして、私どももまことにそのとおりと思っておるわけでございますが、しかし通勤の事情その他でなかなか事情がある。  お尋ねは大都会の方でございますが、大都会の中におきましても、実は主任の任命は当該局長が任命権を持っておるわけでございますけれども、局の中が単に郵便だけでなくて、郵便集配、外勤は外勤の方の俸給体系も違いますので、外勤同士ということもございますが、郵便課、貯金課、保険課がある。それからまた内務につきましても、郵便、貯金、保険の内務があり、さらにまた庶務があったり、会計があったり、庶務、会計共通部門というふうなのはなかなか専門的な面、多面的なあれが必要である。そういうものの中でいろいろな例があるわけでございますけれども、当該局長としてその局を全体としてながめまして、内から外へというのは非常に問題があるわけでございますが、内相互間というようなものも考えまして、たとえて申しますと、年に一回総合調整をやって発令しているという局もありますれば、ある程度それを分けまして、年間二回なり三回発令しておる。これは各局の物のやり方におきましていろいろあるわけでございますが、お尋ねの点につきましても、いろいろその課の中でどうするかとか、その他の課からどうするかとか、あるいはまた他局とのバランス論、こういうものもございますので、事実上そういうのが私どもの認識でもおくれておる、こういうふうに見ておるわけでございます。
  271. 安藤巖

    安藤委員 何かよくわからぬ御答弁だったのですが、この中川郵便局ではこういう事情があるのですよ。主任以上になっていない従事員、労働者の人たちは、ほとんどが全逓労働組合の所属になっておるのです。そこで、全逓の労働者を主任にするのはやらない、そういうことはしない、主任の空席があって、欠員があっても、全逓の労働者がほとんどなんだから主任にしようがないというようなことで、数年間欠員が二名にずっと続いていたという事情になっていたのではないかと思うのですが、その辺はどうですか。お調べになったことないですか。
  272. 守住有信

    守住政府委員 労働組合の所属によってその人事を見るというのは基本的に誤りでございます。もちろんあくまでも職員として見まして、その者の総合的な中で、勤務の成績とか職務遂行能力とか適性だとか、もちろん勤続年数も考慮に入れなければなりませんですけれども、その中で職員としての仕事ぶりがどうであるかという判断の中で人事をやっていく、昇任もやっていく、こういうことでございますので、全逓だからどうだということは、私どもとしてもそういう物の見方をやっておるはずはない。ただ、職員としての行為、行動の中で、いろいろな違法行為の事実があったりあるいは勤務ぶりその他仕事に対する意欲等々がいろいろ出てくる場合がございますけれども、その場合もあくまでも個々の職員としての仕事ぶりの結果がどうであったか、違法行為あるいは処分等の問題も出てまいりますけれども、それがどうであったかということで人事は見ていかなければならないもの、このように指導をしているところでございます。
  273. 安藤巖

    安藤委員 数年間も主任の欠員が二名も内勤だけであるというようなことは、先ほど大臣の答弁にありましたように、国民に対するサービスに支障が生じてきていたと思うのです。それで、だれか適当な人を主任に昇格させるべきだと私は思うのですけれども、ところがほとんどが全逓の職員ばかりだからとてもじゃないが主任に昇格させるわけにいかぬというような配慮から、サービス低下もあえて行ってきたのではないかというふうに私には思われて仕方がないのです。  これから具体的に申し上げます。  昭和五十三年九月二十五日まで数年間というふうに私は申し上げたのですが、その日に庶務会計で一人主任に任用された人がおります。これは勤続年数十三年、二等級三十三号俸の人です。それで組合の所属は全郵政。この人よりも勤続年限が長く、しかも上位の等級者九人を飛び越えて任命されております。この九人のうちには全郵政所属の労働者が二人おりますけれども、そのうちの一人は勤続年数が短くて七年であった、そしてこの中川郵便局へ来てまだ日が浅いというのがもう一人。それで主任にすることはできないというようなことで、この二人を除外すればすべて全逓の労働者を飛び越えて任命されているわけなんですね。しかもこの二等級三十三号俸の人よりも勤続年数は長く、そして等級も上の人なんです。だから、こういうことから見ると、だれが見てもこれは全逓に所属している人を追い抜いて、そして全郵政に所属している人を主任に任命したとしか思われないのですが、こういう事実から見てもどうなんですかね。
  274. 守住有信

    守住政府委員 お尋ねの点は中川局の庶務会計課の問題だと思うわけでございますが、これは先生の御指摘もございまして調べてみたわけでございます。そうしましたら、御指摘のとおりの年齢、勤続年数、俸給でございます。ただ、実は私どもの内部で郵政大学校の高等部の養成訓練というものをやっておるわけでございますが、本人が日ごろから仕事ぶりも非常に熱心で積極的で、作業能率も高い、指導力もある。さらにこの養成訓練、人数の多い応募率でございますけれども、これに挑戦しまして、高等部二科の訓練も終了してさらに力がつきまして能力を発揮しておる。しかも庶務会計課の仕事でございますので、非常に複雑な多面的な仕事があるわけでございますけれども、それをよくマスターして能力がある、指導力もある、こういうことで昇任したということでございます。  ここで一つ物の考え方が出てくるわけでございます。勤続年数だとか俸給だとか年齢だとかそれだけの順序でやるべきだという物の考え方が一方にございますために、飛び越し人事というふうなことでいろいろ御指摘を受けたり、あるいは労働組合の方からももちろん指摘を受けたりする場合がございますが、本件を調べてみましたら、全郵政とか全逓とか労働組合の加入のいかんを問わない、そういう本人自身の職員としての仕事ぶりに対する把握、判断の中からこれを主任に任用したのである、こういうことであったわけでございます。
  275. 安藤巖

    安藤委員 いろいろ理由をお挙げになったのですが、その主任に任命された一人の人がいまおっしゃるように相当程度成長してくるのを待って、その間主任が空白になっているのを放置してきた、これはやはり怠慢だったとしか思えないのですけれども、それは全逓の所属の人を主任にするのを拒否してきたから空白のまま過ごしてきた、そして今度その人がある程度成長してきたので、その全郵政の人だけを任命した、こういうようなことが歴然としているのですよ。しかも、この場合は庶務会計で主任をやっていた全郵政の人を庶務会計から郵便課へ配転しているのですね。そしてその後がまにいまの人を主任にしたという経過があるのですが、この郵便課の方は全部の人が全逓の所属の労働者なんですよ。郵便課で平の職員はすべて全逓の所属の労働者。だから郵便課の人をその郵便課の主任にしないで庶務会計の主任の人をそこへ持っていって、そして郵便課に所属している平の職員の人たち、すべて全逓の労働者、その人たちの中から主任に採用するということを拒否している、こういうような操作まで行われているのです。  だから、こういうことからすると明らかに全逓、全郵政という労働組合の所属の関係で昇任差別をしているとしか考えられないじゃないですか。そしていまもまだ主任が一人、庶務会計で空席なんですね。これもどれくらいまた空席のままにしておかれるのか。また先ほど言いましたような勤務年数の短い人が相当程度たつまで待つのか、あるいは中川局へ来てまだ日が浅いのをもう少したつまで待つのか、それまで空席のままにしておくのか、いつになったらこれを補充するのか、そういう点はどうなんでしょうか。
  276. 守住有信

    守住政府委員 主任の任用というのは、またその後の主事等への登用というのもあり得るわけでございますので、やはり慎重に判断しなければならぬ。しかし、冒頭御指摘のございましたように、それを長くあけておくということはやはり好ましいことではない、こういうふうに考えておりますので、それがいつまでということはちょっと申し上げかねますけれども、やはりそう空席を長くあけておくというのはよくないことであって、またその局で年に一回主任の発令をまとめてやっておるのか、多少ばらばらでやっておるのか、私もそこまでは存じませんわけでございますけれども、そう長くあけないような姿の中で適任者を判断してやっていくべきである、このように考えておるところでございます。
  277. 安藤巖

    安藤委員 そこで、内勤の関係でさらに引き続きお尋ねするのですが、だれが見ても当然相当前から主任になっていてもおかしくないという人、先ほど言いました七人の全逓の労働組合所属の人がいるんですね。一人は名西地区の書記長をしている人、勤続年数は二十二年、二等級六十九号俸、先ほどの人よりもうんと上ですね。それからもう一人は、やはり地区の執行委員でもありましたし、中川分会の分会長でもあるわけです。いわゆる組合の活動家です。だから訓告処分を受けたことはあるようですけれども、これは公務員法上のいわゆる処分ではない、戒告にはなっておりません。組合活動以外に減点評価は全くないはずだと思うのです。ところが、こういうような勤務年限、勤務成績から言っても、号俸から言っても、だれが見てもこれは主任に採用されてしかるべきだ、そういうような人がなれないというのは、やはりこれは組合活動を理由にした不当労働行為ではないかと思うのですが、時間がありませんから続いて言いますけれども、昇給昇格と職制上の任用、これとは一応別だということは私もわかりますけれども、たとえば昇給昇格に関する全逓の労働組合と郵政省との間の協約や覚書が幾つかございます。その中に「昇給の欠格基準に関する協約」というのがあるのですが、その中に、訓告を引き続き一年以内に三回以上受けた場合は一号俸ですか、昇給する場合に欠格になる、あるいはさらに、「勤務成績が著しく不良なもの」、これは「著しく」というふうになっているわけですね。それから昇格保留要件というのにも、やはり同じように「過去一年間に訓告を三回以上受けた者」とかあるいは「勤務成績が著しく不良な者」、こういうふうになっているわけなんです。  そういうことを見ますと、この二人の場合は全くそれに該当しない、しかも空席がある。にもかかわらず、組合活動を理由として不利益処分を受けているとしか思えないというふうに思うのですが、どうなんですか。
  278. 守住有信

    守住政府委員 先生いま御指摘のように、昇給、定期昇給でございますが、昇格、昇任それぞれ欠格条項が労使間でもあるわけでございますけれども、もともとこの昇給といいますのは、やはり非常に労働条件と申しますか、である。だんだん昇任の方へ行けば行くほど人事的な総合評価という面が強くなってくるわけでございますが、そういう中で運用いたしておるわけでございます。したがいまして、特に労使間でも訓告につきましてはきめ細かく弾力的に運用するというふうな約束といいますか、そういう運用上の配意をしておるところでございます。  具体的にいまお尋ねの点でございますけれども、私ども調べましたところ、確かに訓告とか戒告とかいう処分歴の方もおられるようでございます、個人の名前はプライバシーにかかわりますので控えさせていただきますけれども。またそのほか、たとえて申しますと原簿対査の超勤拒否だとかコンピューター導入訓練の不参加だとかあるいはまた勤務時間中の離席その他いろいろな別の面の、組合活動でない日ごろの仕事ぶりと申しますか、そういう面のこともいろいろあるんだということも報告を受けておる次第でございます。
  279. 安藤巖

    安藤委員 一つの例として私が二人、名前は言いませんでしたが、そういう組合活動家という人を挙げたのですけれども、いまおっしゃったような理由がその人たちにあるのかどうかということもはっきりしませんが、とにかく公務員法上の処分を受けていない、それから昇給昇格と別にしても、その欠格事由にも該当しないということであれば、そして組合の所属を区別しないということであれば、この挙げた二人の人のような人が主任に採用されないのはおかしいとしか思えないわけです。だから、これはだれが見てもそうだということになれば、郵政省のこの人事はおかしいんじゃないか、やはり差別をつけているんじゃないかということにならざるを得ぬと思うのです。  時間がありませんから、もっと幾つか例を挙げたいと思ったんですが、これはほかの中村郵便局とか昭和郵便局とか、あるいは名古屋の場合に限らずほかの郵便局でもそれぞれあるんじゃないかと思うのですが、名古屋郵便局の場合は私は具体的にも聞いております。  そこで中川郵便局の場合、外務の場合でも、これは保険課の方ですが、現在空席が外務で第一集配と保険課でそれぞれ一名ずつ二名ある。保険課でもやはり空席が一名あるわけなんですけれども、これも一人の人を除いて、これは保険課に来てからまだ日が浅いという平の職員の人を除いてはすべて全逓に加盟している労働者ばかりです。昭和五十三年九月二十五日に三人主任になったけれども、まだ空席がある。やはり空席があるのにすべて全逓の労働者ばかりなんだからもう主任にするのをやめておるというふうに見られても仕方がない状態があるわけなんです。やはりこれは、空席があることはよくないことであるということは先ほどの大臣の答弁ではっきりしておりますので、先ほど御答弁にありましたように、組合の所属によって差別しないということで一日も早く空席を埋めるという処置をとっていただくことを強く要求して、次の問題に移ります。  これは話が変わるのですが、昨年末の郵便業務の混乱の問題について、ほかの委員もお尋ねになったと思いますけれども、私も一、二お尋ねしたいと思うのです。  私も二、三の郵便局、現場へ行きました。そこで集配課の方へ、保険課とかあるいは庶務会計課などの方の課長あるいは課長代理という人たちが来て現場を監視しておったという事実があるのです。そういうようなことを本省としても指導したのかどうかということと、それから集配課の場合は出勤が七時三十分、ほかの課は八時三十分。七時三十分と八時三十分で一時間ずれがあります。ところが、ほかの課から七時三十分からもう集配課の方へ来て監視体制に入っておったわけですから、これは課長代理以下には超過勤務手当を払わなければいかぬと思うのです。これは超過勤務手当を支払ったのかどうか、そしてこれは総額にして幾らになったのか、お尋ねします。
  280. 守住有信

    守住政府委員 郵便業務等非常に遅配、滞留、混乱を生ずるという場合には管理者及び労働省告示一号職員と申しておりますが、組合に加入できない職員、それぞれ人事、労務等の担当の職員でございますけれども、そういう告示職員を含めまして、当該局長の指揮下でそれぞれの課を異にいたしましてのいろいろな命令なり指導なりをやる。これは一般的に本省からも指導をしておるところでございます。  なお、いま先生の御指摘の、私どもではよく告一職員と——労働省告示第一号の職員でございますが、いわゆる非組合員につきましては当然に管理者ではございません。管理的機能を果たすわけでございますが、管理者ではございませんので超過勤務の対象になる。したがいまして、超過勤務手当というものは支払わなければならぬ者でございますので、当然にその超勤の実績に対して支払っておるというところでございます。  なお、全国的に見ましてその金額がどれだけになったかというのはいまちょっと持っておらないところでございますが、後でまた先生のところに、年間なのか、十二月なのか、それぞれ先生の御指摘に応じまして御説明を申し上げたい、このように思っておる次第でございます。
  281. 安藤巖

    安藤委員 じゃ、後からそれはお願いをいたします。  そこで、先ほども話が出ておりましたけれども、処分の乱発の問題が——私どもは処分の乱発だと思っておるのですけれども、たとえば中川局の場合で言うと、十一月の二十九日から十二月の十二日までの間に訓告一回が十五人、二回が十五人、戒告十人、こういう状態ですね。それから、中村でもそれに大体よく似た数字なんですが、これは中川の場合は最初に分会長、副分会長が訓告になっておるのです。だから、労働組合の指導部に対してそういう訓告にする。それから処分、これは訓告が三回になると戒告処分になるわけですね、懲戒処分の一つである。そして昇給にも支障があるし、いろいろな不利益をこうむることになっております。だから、私は、どうもこういう訓告処分を即決で行う、そしてそれを乱発する、たくさん出すということによって、昇給にも支障があるというようなことでおどかせば、労働者は言うことを聞くんだというような考えがあったのではないかと思うのですが、その点はどうなんでしょうかね。
  282. 守住有信

    守住政府委員 実は、昨年末現場の中で、すべての局ではございませんけれども、業務規制闘争と言われる中でいろいろな怠業行為あるいは年休戦術等が行われたわけでございます。現場で減給処分までは懲戒権を規定によりまして持っておるわけでございますが、それも郵政局の指導の中でやっていくということでございますが、多数のそういう怠業行為の事態が出た。その中で、一方では郵便物の遅配、滞留、遅延、利用者の皆さん方から多数の苦情、抗議等もいただいたところでございますが、そういう滞留の郵便物を前にして、一日の仕事の半分もしないというふうな職員等々が出て、まことに残念なことだと思っておる次第でございますけれども、その場合もいろいろ注意し、指導してもなお聞かれない、やはり一日の仕事の半分もされないというふうな場合、これは訓告処分等を行ってきたところでございます。なおまた、これを全国的に見ました場合は、訓告処分で、そこでひどい怠業行為はある程度直っておるという事態もあった、こういうふうに把握をしておるところでございます。
  283. 安藤巖

    安藤委員 時間が来ましたので、あと一つだけお尋ねして終わりにしたいと思いますが、私も現場へ行きましたけれども、先ほどのほかの課からの応援による監視体制も含めて、あの場での混乱の原因は、やはり郵便局当局の方が処分を乱発する、それから異常な監視体制をとる、そういうようなことが混乱の原因ではなかったかというふうに私は現場へ行って本当に痛感しているのですよ。  そこで、労働者の方は三回訓告を受ければ戒告、それから昇給に響くというようなことですね。年休を請求しても認められない、欠勤扱いになって結局は賃金ももちろんカットされるというようなことで損害をこうむるわけです。ところが、こういう紛争が生じた、そして、先ほどおっしゃったような大量の郵便物が滞留するということになって国民が非常に大きな迷惑をこうむった、その責任を管理者の方は全くとらなくてもいいのか。これは全くとられていないんではないかと思うのですが、この管理者の責任は少しも問おうとしないのか、その点はどうなんですか。
  284. 守住有信

    守住政府委員 郵便物の滞留を前にしまして、管理者は日夜を問わず、夜遅くまでアルバイトの確保その他、みずからも郵便のそういう指導、指揮をとるというふうなことで努力をしたところでございます。もちろん、一方、組合の方から不当労働行為というふうなことで公労委等へも申し立てが出ておるところでございますが、不当労働行為が確定したというふうな管理者につきましては、私ども、不当労働行為というのはあってはならぬことでございますので、これにつきましては処分を含む厳正な措置をとるというととを組合の方にも申しておるところでございます。
  285. 安藤巖

    安藤委員 時間が来ましたから、これで終わります。
  286. 加藤清二

    加藤委員長 次回は、来る四月十日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十七分散会