○長尾説明員 お答え申し上げます。
ただいま
先生からお話がございましたわが国の年金制度におきます婦人の問題でございますが、御承知のようにわが国の年金制度、幾つかの制度に分かれておるわけでございますけれ
ども、
先生の御
指摘のような
問題点が起こります
原因の
一つは、被用者年金というものが、夫が働きまして妻がその場合被扶養者という形で生活をされるというような実態に着目をいたしまして、御主人を被用者年金の被保険者といたしまして、その御主人の拠出というものに結びつけました形で年金の給付を
考えていっておるという
基本的な仕組みに
関係がある問題であると思うわけでございます。サラリーマンの奥様につきましては
現行の制度におきまして、国民年金の制度、これは被用者以外の方々、自営業者でございますとか無業の方々につきまして適用をいたしております制度でございますが、この制度に任意加入をされるという
方向を開いておるわけでございます。現在のところ、この国民年金の任意加入の適用を受けておられますサラリーマンの奥様の数は大体七百万を超えておりまして、サラリーマンの妻と言われる方々の七割強、ある推計によりますと八割
程度に及ぶのではないかという実態でございます。したがいまして、現段階におきまして、
先生が御
指摘になりましたような、奥様が不幸にして高齢になりまして離婚をされるというような実態、または障害になられました場合の給付ということにつきましては、国民年金の体系でその対応をいたしておるというのが実態でございます。
もう
一つの遺族年金の問題でございますが、現在の遺族年金は各被用者年金におきましてほぼ共通いたしまして、御主人がお受けになるはずであった老齢年金の半額という形で制度を仕組んでおるわけでございます。先ほど、私
どもの
大臣の私的な諮問
機関でございます年金制度の
基本構想懇談会におきまして、年金制度全般にわたる御
意見をいただいたわけでございますが、その中におきまして、いま先出御
指摘になりました遺族保障の問題、これがわが国の年金制度の中で諸
外国に比べて立ちおくれている
問題点であって、今後遺族年金の充実については十分に配慮するようにという御
指摘をいただいておるわけでございます。この遺族年金の問題を今後充実していきます場合におきましては、ただいまちょっとお話を申し上げました国民年金にサラリーマンの妻が任意加入をしております制度を、今後どういうふうに
考えていくのかという問題と深くかかわっておるわけでございます。
遺族年金の受給者、これも大きく分けまして、若いうちに御主人が亡くなられましてお子様を抱えておられるような若齢の寡婦の方と、それからお年を召されまして御主人が先にお亡くなりになったという高齢の寡婦の方と、いわば二段階の遺族の問題があるわけでございますけれ
ども、前者及び後者、いずれも国民年金に任意加入をされておりますと、前者の場合は母子年金が、後者の場合は老齢年金が出ると、こういう仕組みになっておるわけでございます。任意加入という制度でございますので、加入されてない方もあるということでございまして、こういうような制度間の
調整をどういうふうに持っていくかということがこの問題について
基本的に
考えなくてはならない
問題点であるというふうに御
指摘をいただいておるわけでございます。
任意加入の問題、実は
基本懇でも大きな検討課題として相当な時間を割いて御検討いただきましたように、わが国の年金制度の中の今後を
考えます際にきわめて大きな問題であると思うのでございますが、
先生御
指摘のように、婦人の年金の問題、今後わが国の年金制度の中で幾つか残されております非常に大きな課題であるというふうに承知をいたしておりまして、この充実には努力をさしていただきたい、こういうふうに承知しておるわけでございます。