○小林(進)
委員 もう私は、それではサミットを中心にし
まするもろもろのことに関する
質問は、まだ不満足であり
ますけれ
ども、時間が参っており
ますので、そばの土井先生にやめろやめろという御催促も受けており
ますので、やめまして、続きは次の機会に譲りたいと思い
ますが、ともかくひとつ成功を祈り
ます。どうかひとつきちっとした日米
交渉を明らかにして、是は是、非は非、
国民が後ろにいて心から拍手を送り得るようなそういう
交渉事、その中にはいま私が羅列いたしましたもろもろの問題が入るわけであり
ますから、こういうことも含めて、ひとつりっぱに成果を上げてきていただきたいと思い
ます。
外務大臣も一緒においでになるのでござい
ますか。――おいでになるならばなおさら結構でござい
ますので、どうかひとつ総理を助けて、まああなたの方が親分かもしれませんけれ
ども、総理は総理でござい
ますから、大いにひとつきちっとした成功、これは本当に超党派的に私は申し上げたい。私は親中国論者であり、親米論者でもございまして、アメリカと
日本との成功を心から祈るものでござい
ますから、お願いいたし
ます。
時間が参りましたから、私は実は次に対北方領土の問題、対対ソ
関係の問題、対金大中の問題、朝鮮半島の問題もお聞きしたいのであり
ますが、まだ
質問要旨が全部あり
ますから、これは次の機会に譲ることにいたしまして、外務
委員長にひとつ要望をしておきたいと思い
ます。
それは、私が五十三年の十月六日予算
委員会で、これは
園田外務大臣に
質問をいたし
ますとともに、その席上で予算
委員長の中野四郎君に金大中拉致事件に
関係いたしまして、元外務事務次官の後宮虎郎、法眼晋作、それから金山政英、それと岸信介元総理大臣、それから国策何とかの会長で日韓
会議の常任
理事をおやりになっている矢次一夫氏を参考人として
国会にお呼びすることをひとつ採用していただきたいという
提案をしている。ところが、予算
委員長は
理事会に諮りまして処置し
ますということで、今日このままになっており
ます。その内容については、また私は次のこの
委員会で繰り返し
質問いたし
ますが、それを
委員会に参考人として招致をすることに対して、ひとつ
手続をお願いをいたしたい、それが
一つであり
ます。
それから次には、アメリカ国務省の極東
部長をしておりましたレイナードさん、できればこの方も当外務
委員会の参考人として
日本においでいただくことを御考慮いただきたい。その問題については、外務
委員長、ちょっと奇異にお感じになるかもしれませんが、その必要性を
委員長並びに
委員各位から了承を得なくちゃなりませんので、私は、レイナードさんの発言をここで読み上げ
ます。
韓国
政府が
日本の与党政治家に献金をするとい
う習慣は李承晩政権時代にまでその起源をさか
のぼり、政権末期の一九五九、六〇年ごろにそ
うした献金のパターンが確立されたといえる。
私は五九年から六〇年代初めまでソウルの米国
大使館に勤め、そうした献金の実態を米大使館
の機密報告、そのほかで克明に掌握する立場に
あった。五九年ごろそうしたインテリジェンス
・レポートで毎日のように韓国
政府から
日本の
個々の与党政治家にどれだけの額の金が寄付さ
れたかが報告されていた。やり方としては、李
承晩大統領の腹心だった当時の駐日韓国代表が
自ら直接、
日本の政治家に会って現金を手渡し
ていた。その献金についてはしばしば同代表か
ら韓国の外務省を飛び越して直接李大統領へと
事後報告されていた。私は当時極東勤務が新し
く、韓国
政府のそういうやり方も知らず、対日
献金の実態には大変驚かされた。韓国
政府の金
が
日本の政治家のだれとだれにいくらという事
例の報告を連日驚きながら読んだ。なお、いま
でもまざまざと覚えている。当時、日韓の国交
正常化はまだだったが、李承晩大統領は
日本の
与党への献金により在日朝鮮人の本国帰還、韓
国美術品の本国送還、
日本から韓国への賠償援
助供与などについて
日本の
国会や
政府が有利な
決定をするようになることを狙いとしていた。
こういう目的と手段に基づく韓国から
日本への
政治献金はその後も絶えることなく続き、金額
もどんどん増えた。米国
政府はそういう金の流
れを一貫して確実につかんでいた。最近の献金
では駐日韓国大使館が直接動くことはなく、韓
国から時折訪日する
政府要人が直接
日本の政治
家に金を渡す役目を果たすことが多くなってい
た。
日本の政治家も選挙が多く金が必要だから
どうしても受け取ることがほとんどで、その献
金によって
日本の
国会議員が韓国に有利になる
ように動くというパターンは李承晩政権崩壊後
もずっと続いていた。こういうことを彼は発言をしているのでありまして、われわれはこの発言を拳々服膺して、やはり、
委員会はえりを正して聞く必要があるのであり
ます。この召喚を
委員長においてすべからく実現するようにお諮りをいただきたいと思い
ます。
いま一人、お願いをいたしたいと思う人がござい
ます。その方は、最も親日的であり、長く大使として駐日をされておりましたライシャワー氏で、ぜひひとつ
日本の
国会においでいただくように
手続を願いたいと思い
ます。
ライシャワー氏は、金大中事件についてこういう発言をしておられたのであり
ます。
東京のホテルから一人の政治家が拉致されて五
年たった。犯人はだれ一人つかまらない。拉致
された被害者は帰ってこない。だが、
政府はす
べてが
決着がついたと言っている。これでよい
のか。金大中氏が韓国に帰国すれば当然危険は
あると思ったが、まさか
日本でこのようなこと
が起ころうとは思っていなかった。私はKCI
Aがやったことだと一貫して思っている。数々
の証拠と状況から見てもKCIAの犯行だと
いうのが合理的に納得できる唯一の結論だ。ま
さかマフィアの犯行だというわけではなかろ
う。この犯行はある意味で国際秩序に対する挑
戦だ。米国は韓国に対していろいろのてこを持
っているから、もっと強い態度に出てもよかっ
た。だが、
日本は自国の主権が侵されたのだか
ら、何といっても強硬な態度に出るのが当然
だ。
日本と米国は連名で金大中氏の国外出国を
韓国に要求すべきだった。こういうりっぱな発言をされているのであり
ます。願わくは
日本のこの
委員会の中で、いかに外国の外交官、大使というものはその姿勢がりっぱであるかということを私は学びたいと思い
ます。ひとつ、
国会に招請するようにお取り計らいをお願いし
ます。
これで私の
質問を終わり
ます。