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薮仲委員 それじゃ、そういう点での
船員問題については、
船員の
職場を拡大できるような方向で御
努力いただきたい、こう思います。
いま、
船員局長の方から
船員の
雇用の
促進に関する問題として
船員雇用促進センターがございます、しかも広く
船員を海外へというような
お話もございました。私は、ここで何点かまとめてお伺いしたいのですけれ
ども、
一つは、この
船員雇用センター、いまたとえば横浜の例をちょっとお伺いしますと、五十名で約三カ月
程度の研修期間を終えて出ていきますということで、これは大体
雇用船員が中心で、
離職船員は余り訓練を受けてないというような
数字も出ているようですが、それはそれといたしまして、ここで問題は、海事英語であるとかタンカー研修とか自動化
関係の研修を受けますよということは伺っております。そこでもう一点は、乙一の免状をもらえますよというようなことも、この
雇用促進センターの中でうたわれているわけであります。その乙一の免状を持った
船員の方が今度広く
外国へ優秀な
船員として
職場を求めていくというようなことだろうと思うのです。局長もそういう趣旨での御答弁だと思うのですが、そこで私、問題は、そのように
外国の船に
雇用された場合、ということは、
日本船籍の船でございませんから
外国の船です、ということは、日本の
法律の及ばないところへ一人で行くわけですね、そうしますと、いわゆる日本の国における
関係法令における国民としての恩恵は、その時点からぶつんと切れるのじゃないか、たとえば海員保険における年金の問題は一体どうなるのだ、将来の問題についてこれは一番大きな問題だと思うのですが、これが果たして
外国の船に乗ったときに継続できるのかどうか、こういうことを考えますと、簡単には乗れないと思うのです。もちろん雇われた会社が、疾病等についての一切の責任は持つでしょう、また、そう言うかもしれませんけれ
ども、その身柄を、ひとり日本の
法律の及ばない国で生活をなさるということについての将来にわたっての不安のない生活を保障できるような国内法規が整備されてないで、ただ技術が優秀ですよ、あなたは
外国へ行ってどんどん雄飛しなさい、こうおっしゃっても、先ほどの
お話の中にあったように中高年の方が行けるかどうか。将来にわたって自分の家族の生活が不安であったら、とても
外国の船には乗れない。これは
船員局の
船員教育の大きな目玉だとは言っておりますが、こういう
関係法規をきちんとしなければ、とてもとても無理ではないか。リベリアの船には乗りやすいですよなどという
お話はよく聞きますけれ
ども、将来にわたっての日本国民としての生活の保障をきちんとしてあげなければ、片手落ちになって何にもならないのじゃないか、この点が私は問題だと思うのです。
それと同時に、
陸上で働いている者、勤労者は、いわゆる
雇用保険によっていろんな形で、四
事業と言われますけれ
ども、
雇用についての
事業が行われておりまして、その人が職業を選ぶとき、あるいは会社の
関係でレイオフの場合も、企業に対する助成等が十分でありますから、その仕組みはできているわけです。しかし、
船員の方には、それが非常に不十分なんですね。こういう点、将来の
船員の方のために
雇用保険に準ずる何かがなければ、これは事の解決にはならないのじゃないか、これが第二点。
三番目は、大型の
外航船舶というのは、言うなれば
陸上の大きな工場が
一つあるようなものだと私は思うのです。その工場の中には、ボイラーもあれば屋内配線もあればペンキもあると思うのです。このペンキなんかもやらなければならない。そうしますと、
船員ということで、本当は
陸上ならば労働安全法によって全部ライセンスが要るわけですね。屋内配線、屋外配線、ボイラー、全部ライセンスが要る。しかし、船の中ということで、いわゆる船長であるとか機関長とか航海士が免許を持っておれば、何らライセンスがない方でもそれの作業に従事している。しかも実務的には、相当優秀なものを持っておる。ところが、おかへ上がってくれば、船上で幾らボイラーの技術があっても、おかのライセンスには連動しないわけです。
そういうことで、私は、
船員雇用促進センターの中で、本当に船の中でボイラーの技術を習得しております、あるいはアセチレンガスのバーナーの溶接ができます、
外航船舶の中ではこれができなければ困るのです。そういう技術が非常にすぐれておれば、この
雇用促進センターの中である
程度の研修を受ければ
陸上のライセンスがもらえますよ、少なくとも互換性のあるようなライセンスを持っておれば
予備員率は減るのじゃないか、
船員になっても、おかへ上がったときに不安なく新しい職種につけるのじゃないか。いま
船員の方については、何らライセンスがないのです。私は、本当の
予備員率を減らして、将来
陸上でも十分な生活ができるようにするためには、ライセンスの互換性というようなことを、
船員局長が真剣になってお考えになることも非常に大事な問題だと思うのですが、以上三点いかがでしょうか。