○
久保(三)
委員 鉄監局長、いまあなたの御
説明になったのは、これまでの政策の転がしなんです。別に新しいことじゃありませんよ。あたりまえの話です。そういうものがいいか悪いかも含めて政策的に
検討するために「
基本方針」というのはできているので、私が質問したことに何も答えていないんじゃないですか。
新線建設の
投資基準はつくったのか、つくってはいないでしょう。まあいいです。「
総合交通政策の推進」で「総合運賃政策の導入、トラック
対策の強化など
総合交通政策上の具体的な
施策を講ずる。」とあるが、講じたのは、警察庁で過積みの規制を道交法の
改正でやったぐらいでしょう。あなたの方に
関係ない、はっきり言って。あとは
国鉄が
経営の主体である、あたりまえですよ。
経営の主体だから
経営改善計画を
政府に言われなくたってこういうふうに
改善しますと言って出すのはあたりまえなんです。いずれにしても、いま
お話しのとおり、全然政策的には
前進してないですよ。
そこで、時間もありませんから、
国鉄総裁にお尋ねします。
経営改善計画というのは、いままでは言うなら作文だ。何で作文になるかというと、何年後には帳じりを合わせなさい、こういうのがいままでの
再建計画というか、
政府の方針なんですね。何回もやってきた。五十二年の十二月の「閣議了解事項」では、残念ながらこれまた一番終わりの条項にそれが書いてある。五十年代に言うなら収支均衡を図れ、そういう目標だと。こういうのを私は蛇足だと思っているんです。一年後に収支均衡を図れるなら一年後でいいんです。ただ十年とか五年とか三年とかやってきたが、いずれも帳じり合わせではだめだというので「
基本方針」が出てきたと思うんですよ。またそうだと言う。「
基本方針」というのは、言うならば五十三、五十四両年度でいろんな政策を
検討しながら
経営の
基盤をつくれ、五十五年からそういう
基盤に乗せよ、それがこの「
基本方針」の中心的な目標なんですよ。収支の均衡はどうでもいいということじゃなくて、収支の均衡を図るためには、そういう
基盤に乗せることが先だというのでこれはできているわけです。
だから、今度の
経営改善計画は、収支の均衡はどうでもいいということではありませんけれども、少なくともどうすべきかという具体的な
対策を盛り込む必要があると思う。それが
一つ。いままでともすれば作文的なものだった。もはや作文は要らない。具体的にどうするかということ。もう
一つは、先ほど私が
鉄監局長にもお尋ねしたように、
政府が当然責任を持って展開すべき政策の
要求について明確にこういう
要求を出すということ、これが
経営改善計画の二つの柱だと私は思うんですよ。そういうふうにお出しになるのかどうなのか、それをお聞きしたい。
時間がありませんから幾つかお尋ねします。
それからもう
一つは、これは大蔵省にお尋ねしますが、大蔵省は五十年代に収支の均衡を図れということで、これは裏話でありますが、大蔵省の
立場からはこれが必要であるということなんですね。しかし、先ほど来私が申し上げたとおりなんでありますから、余り五十年度に帳じり合わせを固執すればするほど作文に終わるきらいがあると思う。その辺についてはどういう見解を持っておられるか。
それからもう
一つは、この「
基本方針」にもありますが、
国鉄の割引
制度について見直しを図れというのがある。前の
運輸大臣時代この「
基本方針」ができまして、その当時、たとえば公共割引については、
関係閣僚協議会で消化をするということを
国会で言明した。ところが、これは一回か二回やって終わりになっている。結局、公共割引まで
国鉄の
経営努力の足りなさということで、これは赤字に計上される運命にあるわけです。これは明確に責任を分担すべき時期に来ていると思うんですね。
いま片方では、運賃値上げの話があります。運賃というのは、言うならばそういうものも込みで入れて、その結果として運賃値上げに持っていくというのは、これは責任のあり個所を不明確にして、
国鉄再建をあいまいにする原因だと私は思っているのです。これはどういうふうに思われるか。公共割引はもっと明確に、政策的に負担すべきあり個所をちゃんと、きちんと決めることが私は先決だと思うのですが、いかがですか。これはあわせて
運輸大臣からもお聞きします。あなたはどういうふうに進めようとするのか。前の
大臣から引き継ぎがなかったかどうかわかりませんけれども、
関係閣僚協議会でこの問題はけりをつけるという話を両三回しているわけです。あなたはどういうふうにお考えになっているのか。
それからもう
一つ、
陸上特会というか、五十四年度
予算要求に絡んで
陸上特会の
要求をしたが、これはあえなくつぶれた。そのつぶれた原因は何であったか。これは言うならば、
一つは
総合交通体系というか政策、そういうものの下敷きの上に乗った特別会計でなかったということなんですね。言うなら御都合主義。われわれが年来唱えているのは、
総合交通体系の上に立ったいわゆる整備
計画を立てて、その
財源は
総合交通整備特別会計というか、そういうものによって投資配分をしていくべきだ。当然、いまの
道路整備五カ年
計画あるいは港湾、空港、それぞれの五カ年
計画がありまして、特定
財源を中心にしたそれぞれのものがあるけれども、もはや特定
財源とそういう整備
計画は硬直的なものになってきた。不均衡な発展さえ、いま
道路とその他を考えればこれも顕著になってきておるわけですから、財政的にも硬直化の原因になっている。その問題は一歩譲っても、
総合交通体系を立てようと思っても、それぞれが五カ年
計画を特定
財源を土台にしてやっている限りは、総合的なものはできかねると思うのです。ますます
国鉄は赤字で、その上に
新線建設が強要されてくる。そういうものを考えれば、もはやこの特会
制度は、言うなら御都合主義でやろうとしたのであって、しかももう
一つは、税金を取るのに自家用車から取って公共輸送に誘導しようというねらいがあったそうでありますが、これは恐ろしくそういうものが明確な政策として展開されていない。自家用車を抑えるという目的ならば、目的のような税金の取り方をしなければなりません。公共輸送に誘導するというなら、これは公共輸送を利用しやすいものに改良するということが先なんでありまして、税金で左右できるはずのものではありません、これははっきり言って。そういうものを考えれば、
陸上特会というのは、もはやこれは再びこの世の中に出る運命にあるものではないと思うのです。少なくとも
道路財源というか、
道路の改良
計画、港湾、空港、そういうものを全体として包み込んだ特別会計というか、そういうものを考える必要がある。
総合交通体系を土台にすればするほど必要があると思うのだが、これはどういうふうに思うか。
以上で一通り終わります。大体時間もないようでありますから、ここまでにしますが、どうもいま申し上げたように、
陸上特会をつくるにしても、言うなら
国鉄の赤字埋めだという批判もあった、なるほどそうなんです。しかし、赤字は特会で埋めるのじゃなくて、これは政策的に埋めるものであって、何か特定の税金で穴埋めするなんというのは、これは筋が通らぬと思うのです。
そういう
意味から言っても、この
国鉄あるいは
総合交通体系というものを、もう一遍現実に即してやるべきだと思うのです。それには、くどいようでありますが、
道路の
財源等にも手を触れないで、わきの方から何かしようと言っても、これは無理な話だというふうに、手前どもは思うのであります。
それから最後の質問、これは
運輸大臣にお尋ねした方がいいと思うのですが、いずれにしても、
交通運輸に関する行政は、中心はなるほど
運輸省にある。ところが
運輸省の中でも、これはみんな縦割り、陸海空全部縦割りです。実際を言うと、おのおの連携があるようで、ない。そのほかに建設省あり、その他の各省があるわけであります。残念ながら
交通運輸の行政というのは一貫性を欠いておる。少なくともこれを一元的にどこかの省でまとめるということが理想的かもしれませんが、これは言うべくしてできない。だから少なくとも、一元的に運営できるような機構、そういうものをいま考えるべきではないかというふうに思うわけです。
運輸大臣のお考えをお聞きしましょう。
順次お答えください。
〔
委員長退席、三塚
委員長代理着席〕