○松本(操)
政府委員 非常に広範な空港体系の点についての御質問でございますが、従来とかく空港の設置の場合に二眼レフレックスということが言われておりました。つまり
東京、大阪を
中心にいたしまして、そこから放射状に路線が引かれるように空港をつくるのだという
考え方が非常に強かったわけです。ところが、最近の旅客
需要の動向を見てみますと、幹線の
需要の伸びよりもむしろローカルの伸びが多い。そのローカルの伸びというのも、亜幹線と申しましょうか、依然として
東京、大阪を
中心として
地方都市に延びていく路線の伸びが大きい。ローカル・ツー・ローカルと申しますか、
地方の中小都市と中小都市を結ぶ路線についての伸びは従前よりは伸びてきておりますけれ
ども、まだいま一歩というのが実情であるようでございます。一方、
政府としては三全総、これに基づき、あるいは最近言われておりますような定住圏構想とかそういったような問題もあるわけでございますので、やはり分散型の形に
航空輸送のネットワークというものもできていかなければならないのではないだろうか、このようにまず考えております。
そこで、まず国際線の方から申し上げますと、日本というものが極東に占める市場性という点から言いまして、やはりゲートウエーとしての価値を持っているところというものは、相当の設備を行って、その価値を十分に維持していかなければいけないだろう、そういう
意味において、現在の成田空港というものは、御
案内のような
状態でございますので、決してゲートウエーとして世界に売りに出るほどのものではございません。でございますから、午前中にもお答えしたわけでございますけれ
ども、いろいろと周辺
対策その他の問題も多うございますが、これらを一歩一歩片づけまして、十分に近辺周囲の
地域の
方々の御納得が得られた時点で最終的な目標に向かっての
取り組みをしていかなければならないだろう、このように考えます。
関西空港も同じく日本の大きなゲートウエーとして売りに出していかなければならぬと思うわけでございますけれ
ども、あるいはまた関西地区の空港としても、現在の大阪空港ではいささか力量が足りないように思うわけでございます。そうは言いながらも、私
ども成田の経験を十分に生かすべきであるというふうに考えておりますので、五十四年度の
予算では、さらに二十三億の
調査費をお願いしておるわけでございますが、これによってあらかたの
調査はまず
めどがつくのではないか、このように私
ども考えております。したがって、将来の予測でございますので多少不確かな面もございますけれ
ども、こういった
調査が終わりますれば、それを踏まえて地元の
方々とのお
話し合いに入る。全国的なと言うと大げさでございますが、大方のコンセンサスを得て空港の
建設にかかるというのが、両三年以内ぐらいに
めどがつけられればいいのではないかというふうに、これは私
どもの心づもりというふうにお受け取りいただきたいと思います。そんなようなつもりで
仕事に励んでいきたい、こう考えております。
一方、もう一つ、国際線の場合に
地方空港をどうするかという問題がございます。いまおっしゃいましたように、九州あたりには国際空港化の意気込みが非常に強い空港があるわけでございますが、これを分けて考えまして、
地域的な国際空港、たとえばチャーター便が出入りするような国際空港というふうなものを考えました場合に、これは将来やはり
地域的に相当海外旅行の
需要というものが出てまいりましょうから、これが国内線を使って一々
東京または大阪に来てから出かけるという必要はなかろうかと思います。したがって、私
どものほかにいわゆるCIQと呼ばれております出入国関係の事務がございますが、そういうふうなものとの調整をとりながら、そういった
地域空港というものについて、
需要の動向を見て必要な
整備をしていかなければならないだろう、その中でも特に外国との関係で、二国間の
航空協定の中でどうしてもここは日本のポイントとして欲しいというふうに相手国が要求をしてくる、そういう空港が育ってまいりますれば、そこは将来の第三、第四の補助的な定期
航空のための国際空港という形で
整備をしていくということも当然考えていいかと思います。
したがって、今度は国内の部分になってまいりました場合に、一つの空港が国内線の起点であり、かつまた、いま申し上げましたような
地域的なチャーター便等の国際線の起点にもなるというふうなことも考えられますし、さらにまた、前段にいろいろ
お話のございました
新幹線のネットワーク等もおいおい
整備されるといたしますならば、
地域に空港の一つの勢力圏というものを考えまして、その勢力圏の中においてどれだけの
需要が発生するのか、その空港に着きました旅客が逆にまたどういうふうな
陸上交通手段でそれぞれの目的地に散っていけるのか、従来、空港というものがとかく空港と空港との間のトラフィックということだけ考えてつくられてきたうらみがあるわけでございますけれ
ども、成田の例でつくづく私
ども痛感いたしましたのは、やはりトラフィックというものは、あくまで出発地から目的地までがトラフィックでございますので、空港を
中心とした地上のネットワークをも考えながら、
地方空港のジェット化とか改良とかいうことに進んでいかなければならないだろうと考えるわけでございます。
大変大ざっぱな説明で恐縮でございますが、今後の
考え方としてはそんなような
方向でやってまいりたい、このように考えております。