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説明員(高橋元君) いまの
大臣から御答弁のありましたような
基本的な
考え方で進めておるわけでございますが、申すまでもございませんけれ
ども、
財政体質を
改善していくために、これから先は
国民の
皆様に
一般的な
税負担の増加をお願いする、これはもうやむを得ないことであろうと思っております。
そのような
状況でございますので、
税負担の公平の
確保、これは税制面もございましょうし執行面もございますわけでございますが、いずれにしても、従前よりもより一層真剣に取り組んでまいる必要があるというふうに思います。
ただいまお示しのありました各項目につきまして、五十四年度の税制改正の問題として、いま税制
調査会で真剣な御論議をいただいておるわけでございますが、医師優遇税制につきましては、ただいま
大臣から申し上げたとおりでございまして、五十四年度にぜひその是正を実現をいたしたいということで御審議を願っております。
利子・配当でございますが、これは現行の税制が五十四年いっぱい、明年暦年いっぱい継続するわけでございますけれ
ども、利子・配当がそもそも総合課税を原則とすることは申すまでもございませんで、総合課税に移行いたします際に、いかにして本人確認とそれから名寄せというものを両方進めて課税上の混乱、それによって、
制度を変更することによってかえって起こってまいりますおそれのある
税負担の不公平というものを避けつつ総合に移行し得るかという方便をいま、ことしの九月から明年の春にかけて税制
調査会で御
検討願った上で、五十五年から新しい体制に移行するという準備を進めておるわけであります。——失礼しました。五十五年末でございます。いまの利子でございますが、ちょっと訂正さしていただきます。
自動車でございますが、道路整備
財源として燃料課税を引き上げる。それから総合交通
財源として自動車の輸送力と申しますか、自家用自動車の輸送力に新たに課税をするという御提案がございます。これにつきましても、そういう特定
財源でございますから、
歳出の内容をなします第八次道路整備五カ年計画の内容、それからその総合交通と申しますか、陸上交通体系の公共輸送体系の総合整備の問題、そういうことも含めまして、また既存の各税、複雑な自動車課税が現に持っておりますところの
税負担というものとの
関係も
考えまして、これも御審議を願っておるところであります。
産業投資のために減税をすべきであるという御主張があります。この問題は、一つは先ほど御論議のございました
明年度または
明年度以降の
経済の見通しと申しますか、やや中期的な
日本経済の持っていき方、その中における
民間設備投資の動向の把握、ないしそれに対する
政策的態度という
基本的な問題に関連する部分がまずあろうかと存じます。
民間の
設備投資を促進し伸ばしていくために、投資したものに対して投資税額控除をやるということが恒久的な
制度として果たして役立つかどうかということは、欧米の場合にもいろいろ論議のあるところで、私が
承知しております限りでは、それについて疑念を持つ方が少なくないというふうに伺っております。
五十三年に行われております投資減税と申しますか、その
制度は五十三年度の
経済見通しの中での
民間設備投資の力の弱さということに着目いたしまして、五十三年中に行われます
民間設備投資について一〇%の投資税額控除をやる、それによって五十三年から五十四年にすべり落ちていくであろうところの
民間設備投資を前に引き上げる、それから五十四年にあるいは計画するであろう
設備投資を五十三年に引っ張り上げる、こういう効果を予想してつくったわけでございます。
ただいま御主張のあります産業転換投資促進税制と申しますのは、それとやや局面を異にしたところもあるわけでございますけれ
ども、特定の不況業種に属する事業、それから中小企業、この二つにつきまして、その特定の不況業種以外の事業の用に供する投資をなさった場合に、その投資についての税額控除を認めよと、こういう御主張であります。五十四年についても、なお税の負担の公平に優先して投資を促進する税制を設けるべきかどうかという
基本的な問題がひとつ考慮の必要があろうかと存じますのと、こういう投資税額控除というテクニックを使います場合には、いま申し上げましたように、歯どめないし前倒し、こういう効果、いわば時限法であるために起こってまいります効果というもの以上の効果を
期待することはなかなかむずかしいというような事情から、この辺そういうことも入れまして、冒頭申し上げましたような
一般的に減税と申しますよりも、むしろ
皆様方に税の負担の引き上げをお願いする
状況のもとで、
政策としてあえて導入する必要があるかどうかというような点を含めて、これまた税制
調査会でいま真剣な御論議の最中であります。
土地税制につきましては、土地の
税負担を軽減するという見地から離れまして、低廉な宅地供給、優良な宅地供給というものを促進するための
制度として現在の土地税制をどうするかという問題提起かと存じておりますが、現行の土地税制が明年いっぱい、まだ
租税特別措置として続くわけでございます。その中で最近土地がかなり上がってきておるという
状況も踏まえまして、
政策として必要な税制措置であるかどうか、そこが
基本的な視点かと存じます。優良な宅地供給に役立つ、地価の抑制を害さないと、この二つの観点からそういう新しい御提案が果たして役に立つかどうか、また認容すべきものかどうかということの御論議をいただいておるところであります。
最後に
物価調整でございますが、これはもちろん一つの長い間の
考え方でございますけれ
ども、こういう
状況のもとで
物価調整減税を含めて所得税の
一般的な負担の軽減をするということがもはや許されない
状況になっておるんではないかということが私
どもの
考えでございます。所得税の
一般的な
税負担水準について、これまた五十四年度の問題として税制
調査会で御論議をいただいておるという
状況でございます。