○
渡部(一)
委員 資料の入手について外務省としては一生懸命やるというふうにいまお話しをいただきました。
そこで、私は、ここでは国務
大臣としての
園田外務大臣がおられるわけですから、内閣を代表して
お答えいただくしかない
立場でありますから申し上げるのですが、この現在うわさされているテーマの中で私
たちが非常に不愉快をきわめておりますのは、
一つは、不正な支払いの対象に
わが国の政府高官単数が関与していると言われていること自体が非常に不愉快でありまして、これは短時日にそうしたことのあるなし、あるいは容疑のあるなしを決着をつけていただいて、
日本の政界の黒い霧を早く晴らしていただきたい。そうでなければ、この
一つの問題を引き延ばすことによって、長期にわたって
日本の政治の信頼を失墜することになる。ロッキード事件については政治の信頼の失墜をようやく食いとめ、回復している最中であるにもかかわらず、こうした真相を隠蔽する、あるいは隠蔽したと同等の効果を行うことによってこれを長く引っ張るということは決して賢明なことではないと、まず第一に思うのです。
第二には、この秘密の支払いでありますが、航空機それ自体が非常に高額のものであるがゆえに、販売手数料というのは非常に巨額に上る。この巨額に上った販売手数料についてルールを決めなければ、今後も巨額にわたる航空機の導入のたびに
日本の政財界挙げて動揺する時代を迎える、そして政争の道具となる、政治の不安を起こすという悪いルールができ上がっておると思うのですね。したがって、こうした秘密支払いが生じないようにするためにはどういうルールでやるべきかを、運輸省におかれても
考えなければいけないし、
日本の政府としても
考えなければいけない、これが第二のポイントだろうと思うのです。
第三のポイントは、今回またもや自衛隊機が容疑をかぶせられている点であります。自衛隊機の導入が、ロッキード事件ではP3Cの問題が問題になったまま、今日なおかつ依然として釈然としないものを残したまま、事件はそのまま中断した形になっておりますが、今回のようにF4Eファントム、そうした自衛隊の主力戦闘機の
一つがエアバスと一緒にどういうふうに販売が行われたかわからないという
状況になっておる。これはきわめて不愉快なかつ不穏当な出来事であり、安全保障をもし論ずるのだとするならば、こうした事件が
一つ起こることによって受ける打撃ははかり知れないものがあると
考えなければならぬだろうと思います。
そうすると、いま
外務大臣が言われたのは、入手のやり方だけは一生懸命責任持ってやりますと言われた。それは、
総理も内閣も、何も決めてないときはともかく材料だけは集めますよ、外務省としては、という
意見は私は正しいだろうと思うが、それと同時に、政府としてこの問題に対する基本的な
態度を決めなければならない時期が来ているのではないか、そう思っているわけです。いたずらにこれを醜い派閥抗争の道具にするためではなく、今後
日本の政治というものを、民主
主義というものを成熟させるために、私がただいま挙げたような諸点に対する答えを明快にひとつ出すためにも政府の御方針が必要だろうと思うのです。この点に関して
外務大臣の
お答えをいただきたい。内閣を代表してひとつ答えていただきたいと思います。