○国務
大臣(砂田重民君)
一つ誤解があると思うんです。昨年、総理がクアラルンプールにASEANプラス日本
会議に出かけられましたときに、実は私もお供をいたしました。文部
大臣就任前でございます。あのASEANプラス日本
会議の福田総理のスピーチの中で、また発表されました共同声明の中で、福田総理が言われましたのは、ASEAN
大学に絡むところですね、ASEAN域内における五カ国の
文化の交流をどうぞ活発になさってください、具体的な構想がASEAN五カ国でおまとまりになりましたならば、このASEANの域内の
文化交流に日本が支援、援助いたしますことを考慮をいたします。こういうスピーチがあったわけでありまして、私、すぐ後ろで聞いておりました。その場で総理が、ASEAN
大学は――ASEAN
大学という言葉を使って提唱はしておられません。しかし、これは白木議員御承知だと思いますが、ASCOJAと申しまして、元日本留
学生評議会――日本に留学して、それぞれ国へ帰っているASEAN五カ国の留
学生の諸君が、ASEAN
大学というものをASEANの中につくりたい、それの援助方を総理に陳情されたことはございました。ですから福田総理は、ASEAN域内のASEAN五カ国の
文化交流という言葉を使われて、あるいはその中に、ASEAN五カ国がASEAN
大学とお考えになっておられれば、福田総理のASEAN域内における
文化交流の中にASEAN
大学のことが、ASEANの側で議題になってもちっとも不思議ではないと私は考えている。ただ、福田総理から、ASEAN
大学をという言葉は使われたことはございません。そして、インドネシアへ福田総理が回られましたときの記者会見で、ASEAN
大学の質問が
新聞社の側からありましたときにも、ASEAN域内での構想がまとまれば――しかし、
大学をつくるということは容易なことではないという
答弁が記者団の質問に対して総理から回答されております。私
どもが外務省を通じた情報として聞きますところでは、去る十二月二十八日から三十日まで、マレーシアにおきまして、各国の
大学関係者等が集まって、ASEAN
大学設置に関する
会議が開かれた、ASEAN諸国等の
大学関係者約七十名が出席されて討議が行われたが、合意に達するには至らなかった、こういうことを外務省から聞いているわけでございます。ASEAN
大学構想というものは、ASEAN諸国自身が域内の
文化交流、
学術水準の向上のため、自主的に
検討を行っているものと承知をいたしております。
また、
先ほど私が
お答えいたしましたASCOJAから私も面接、ASEAN
大学についての陳情と申しますよりは、相談を受けたことはございます。それは、ことしの七月にASCOJAの総会にジャカルタへ参りましたときに、ASCOJAの各国の会長が私を訪ねてこられまして、ASEAN
大学の設立をどう自分たちは進めていったらいいだろうかという質問でございました。私は、
大学というものは、元日本に留学をなさった方々のASCOJAという
団体で取り上げるのには問題が大き過ぎる問題ですよ、やはり各国の政府マターでしょう、だからASCOJAの各国の方々が、それぞれの御自分の国の政府に、ASEAN
大学のことについて、やはり前向きに取り組むべきだという運動を各国でなさるのが筋ではないだろうか、そう
お答えをいたしたわけでございます。あるいはそういうふうなことがだんだん進んでまいりまして、外務省から情報として聞いておりますような、十月の末のマレーシアでの
会議になったのではないかと考えております。ASEAN各国の中のこの問題についての
協議がどう進んでまいりますか、見守っていかなければならないのがいまの
文部省だと考えております。