○北修二君 基本農政というか、日本の農業は、
国民の食糧というか安全保障の上からもまことに重要なものだと、日本農業を守っていかなきゃならぬ、あるいは
国民全体の、健全な
国民を育成する上からも必要である、こういうようにお話をお聞きをし、また消費者とのコンセンサスはまことに重要だ、かように御
答弁をちょうだいいたしたわけでございますが、
要望といたしましては、御承知のように農業に非常に厳しい世論がある。学者の中に、あるいはいろいろ消費者の中からも農民をかばい過ぎるでないか、過
保護でないか、こういうような
意見もあることは御案内のとおりであります。また、最近の新聞を見ても、農林水産省は一番悪い省であると、外務あるいは通産、大蔵等から言わすと農林水産省は悪者にされておるようであります。農林水産省は農民を守り、あわせて、いまお話しがありました
国民の食糧を確保していくという上からも、非常に重要な省だと私は理解をいたすわけでございます。今後とも大いにひとつ努力をしていただきたい、かように考えます。
しかし、農民——食糧生産者か社会的に孤立するような情勢にありますし、また消費者に対しても、農漁民に対しても、適切な指導、
国民的合意を得られる政策を展開していかなければならぬと、かように考えるわけで、この点、御
要望を申し上げる次第であります。
次に、わが国の食糧政策の基本
対策についてお伺いをいたしたいと、かように存ずる次第であります。
今日、食糧問題については
国民の世論はいろいろあります。三つあると、こういうように考えます。一つは、国際分業論であります。いま一つは、食糧危機説であります。いま一つは、世界の食糧は過剰基調と見て、食糧危機を否定するという説もあります。こういう三論があるわけでありますが、今後中
長期的に見て、かつてアメリカが大豆について行ったように、食糧を戦略的武器として用いられることか今後もあり得ると私は思うわけであります。
政府は、世界の食糧
事情について、現状と将来についてどのように見ておるか、また、それに対してわが国の食糧政策をいかに考えているか、これについてお伺いをいたしたいと、かように考える次第であります。
若干
意見を申し上げたいと、かように存じます。
〔
委員長退席、理事山内
一郎君着席〕
「農産物の需要と生産の
長期見通し」によれば、目標年次六十年には食用農産物の総合自給率を七五%にしようとしているが、その中で卵は一〇〇%、牛乳は九四%、肉類は八六%、畜産物の自給率が最も高い目標となっています。しかし、自給率の高い目標を持っても、畜産物もその生産は輸入飼料によって支えられていることは御案内のとおりであります。飼料の輸入を相殺すれば、わが国の食糧自給率は半分程度になってしまう。飼料輸入の六十年目標が千四百七十七万トンでございますが、もうすでに千四百万トンになってしまっております。こういうように輸入をしていることから見ると、輸入飼料を国産か国内産でできるだけ多く充当する努力が必要と思うが、このまま今後も輸入に依存していくことはきわめて危険である。そのためには、麦、大豆など穀類の国内での生産を指導し国内生産を増加させる必要がある。麦、大豆の反当収量の低いことが奨励のネックになっている。
大豆の例を申し上げますと、いまから十年以前でございますと、品種改良につきましても専門家がいましたんですが、いまはほとんどこれらに携わる人はいないわけであります。専門家がいない。いま反当たり二俵程度、生産が。たまたま
北海道はことしは四俵ぐらいと言っておりますが、これは異常気象であります。私は品種改良、これらの試験研究に大いに努力をすべきだと、かように考えておるのであります。
たとえば、米の話をちょっといたしますと、
北海道で米をつくる必要はないじゃないかというお話があります。
北海道の米の品種改良は、実は武器で言うならば、本州の米が大砲であるとすれば、
北海道の米はアポロだと言っても過言でありません。それは、節か片一方は四つあるが、
北海道のは三つの節にした。片一方は日照時間によってやる。片一方は温度によってやる。全く実は変わった品種に変わっておるのであります。これは試験場の大変な御努力であります。私は一これらの品種改良に大いに努力をするならば、大豆も五俵、六俵も必ずとれる、そういう研さんを積むべきでないだろうか。耕種栽培の技術だとか、初歩的な技術
対策いろいろございますが、試験場等で大いに麦、大豆の専門家が研さんをして、そういう上から自給率あるいは農家の所得を保障していくというか、そういう
考え方が必要でないだろうか、かように考えるわけであります。
いずれにいたしましても、自給率を高めるのにはかなりの
財政投資が伴うが、
長期的にきわめて有効な施策と考える。ぜひ早急にこれらの問題を、取り上げて
実行に移していただきたい、同時に、飼料の自給率についても再検討を願いたいと思いますが、御所見をちょうだいいたしたいと思う次第であります。