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野田哲君 だから、つまりいまの参事官の考え方というのは、これは日本側の希望的な観測で、よもやそういうことはあり得まい、こういう希望的な観測だと思うんですね。アメリカ側でいま触れられたように、これが制定をされた経過を見ると、これはベトナム戦争でさえも議会は戦争宣言をしないで、大統領の統帥権によって突っ走っていった、このことに対する反省から生まれているわけでありまして、しかも、ニクソン大統領は、この
法律は制定をされたときには、アメリカが諸外国と結んでいるところの安全保障条約、これに対する義務を制約をされることになるということで、一回は拒否権を発動しておりますね。その拒否権を発動したものに対して、さらに特別議決によって制定された
法律でありますから、したがって、ニクソン大統領が、これでは日本や韓国等との相互
防衛条約上の約束は履行できないということで、拒否権を発動したものに対して、再度特別議決をしているという経緯から見れば、私は外務省のいま述べられた
見解というのは非常に甘い希望的な観測にすぎない、そういう状況があるにもかかわらず、
防衛庁が日米安全保障条約を金科玉条のようにオールマイティーのように
判断をされて
防衛計画を立てておられるところに私はやはり問題があると思うんです。
私は、もうこれ以上この問題は触れませんけれども、私の
見解というのは、すでにアメリカ側はそういう議会の意思が働いて、無
条件にこの日本に軍隊を置いて、そして日本を守るという
立場には立っていない、そういう状況からすれば、これはもう日米安全保障条約というのは、実質的には大きく戦争権限法によって変質をしているんだから、この際、いつまでも
政府も安全保障条約にしがみつかないで、これは廃棄の方向を検討すべきではないか、私は、そこのところから先が自民党の皆さんと違うわけですけれども、だから、それにかわる軍備を持てとは言っていないんです。平和的な外交手段、
福田総理ではないが全方位外交を全うしていけばこれで日本の安全は守り得る、こういう
立場をもってこの
質問をしたわけでありますが、この問題はまた次の機会に、外務省の方も鋭意検討すると、その本質的なものについて検討するということでありますから、検討の結果を待ってまた機会を見て議論をさしてもらいたいと思っています。
そこで
金丸長官に伺いますが、有事という問題が非常に議論になっているのですが、万万万が一にも奇襲ということはあり得ないだろう、こういう
見解も出されております。そうして奇襲という状態は起こらないようにするのが政治の責任だ、この点私どもも
見解は一致するんですが、しかし、それにもかかわらずなおこの有事法制と、こういうことが進行しておりますから、この問題にまた触れていきたいと思うのですが、一体有事というのはどういう状態が起こったときからが有事と、こういうふうに
判断をされるのですか。