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説明員(
天谷直弘君) 先日シュレジンジャー
長官が通産大臣に会いに来られたわけでございますが、そのとき通産大臣とシュレジンジャー
長官との間で意見の一致を見たことでありますが、それは、
石油の増産限界が今
世紀内に来る、一九九〇年代には
石油の増産限界が来るであろうというような基本的な
見方について意見の一致があったわけでございます。ということは、二十一
世紀になりますと
石油はますます
供給が減っていく、したがいましてそこでは核融合その他の新しい
エネルギーの
開発をしない限り、人間の文明生活を支えていくことが困難になってくる。それから、二十
世紀におきましてもだんだん
石油の
供給不安というものが増大するわけでございますから、この二十
世紀内においても
石油のこの将来性の不安に対する何らかの補完措置というものをとらなければ、
経済の運営あるいは人類文明がおかしくなってくる、そこで何をやるべきかということでございますが、一つは石炭である。石炭は御
承知のとおり
究極埋蔵量としては十一兆トンで、可採
埋蔵量として六千九百億トンございまして、無尽蔵と言うと大げさでございますが、資源としては非常に大量に
賦存する資源でございます。これの、ただこのまま生だきをいたすということにいたしますと輸送に大きな問題がございますし、それから公害問題も非常に
石油と比べましてはるかに公害が多いという問題がございますので、これを石炭を大量に利用いたしまして
石油に次第に代替さしていくということでありますならば、石炭の液化
技術を
開発するということがきわめて重要だということで、そこでアメリカはいま石炭液化の
技術を大々的にやろうとしておる、ドイツがこれに参加しようとしている、
日本も参加してくれないかと、こういうことを
福田総理ともお話しになった問題でありますが、そういうことがございましたので、通産大臣もそれはまことに結構な話であって、われわれとしても石炭液化は大々的にやらなければならない、基本的な
合意に達したわけでございます。そのほか、原子力であるとか、あるいはLNGであるとか、それから地熱であるとか、こういう新しい資源のソースを
開発していきませんと、いま申し上げましたような一九九〇年代に
石油が増産限界に達してしまうということに対処することはできないんではなかろうか。
私、思うんでございますが、資源は地面の中にあると考えるのは必ずしも真実ではないと思っております。資源はどこにあるのかと言えば、やはり人間の頭の中にあると考えるべきだ、人間の知恵によっていままで石ころであったものが石炭になるわけでございますし、いままで黒い水にすぎなかったものが
石油になると、
エネルギーになるということでありますから、やはりわれわれは資源の不足、
エネルギーの不足という問題に対処するためには、人間の頭を
開発しなければならない。幸いにしまして
日本には一億一千万の優秀な頭脳があるわけでございますから、これに金を投入いたしまして大々的に
開発をいたしますならば、資源小国、
エネルギー小国といって心配することもないのではなかろうか。そういう意味で、われわれはここの基本問題懇談会の資金
対策にもございますが、できるだけ資金
対策を強化し、人間の頭脳、知恵を
開発することによりまして
エネルギーの問題資源の問題を
開発していくということが大切ではないかと考えている次第でございます。