○藤井恒男君 まあ
局長も十分その点御考慮をなすっておられることと思いますので、どうかいま申し上げたような点について御配慮をしていただいて、適切な指導をお願いいたしたいと思います。
それから、これは
局長も御出席になった過般の繊維
産業連盟における繊維対策に対する要望集会がございました。そこで、
輸入急増によって被害を受けている品目について、MFAに基づく二国間協定の締結を促進してもらいたい、それから繊維品
輸入関税の国際水準並み引き上げを図ってくれと、
輸入関連
業界に対し
政府の
行政指導を
強化して
輸入の秩序化を進めてくれと、また繊維
輸出国の
政府、
業界に対して、わが国繊維衣料
産業の
現状、雇用失業の実態を訴えて理解を求めるように働いてくれという要望を出しておったところです。これまで通産省としては
輸入に対する対策はきわめて冷たい態度でございまして、わが国はまあ貿易立国であるし、その
意味からも
輸入制限的な動きはいかがなものかと、繊維
産業にあってはいまの
段階においてはまだその種の動きをするべきときではないというのが、アンチョコによる
政府答弁ということになっておったわけです。まあ
局長も十分繊維の実情を御存じだと思いますので、まあきょうはひとつ砕けて、国会もこれで終わるわけですから、率直にひとつ
局長の
考えを聞かしてもらいたいと私は思うんです。
私、調べてみますと、この繊維の
輸入というのはこのところこれ大変なことになっておりまして、騒がれておる繭であるとか生糸であるというのは、ことしの一月−七月の対前年同月比の比較における
輸入増は四四%です。これは私大変な数字だと思うんだけど、
大蔵省から出ておる統計資料によると、化合繊のステープルについてはことし一月−七月の
輸入が対前年同月に比して四八八%、これはもう大変なことだと思うんです。約五倍だということですね。それから、綿糸におきましても二三四%、合繊のフィラメントが五一五%と、こういう
状況になっておるわけです。一面、私は念のために申し上げるわけだけど、わが国における繊維
産業の昭和四十九年四月から五十三年四月における人員減は、化学繊維にあっては、女子は五〇・五%減じておるんです。半分になっておるわけだ。男子も三二・五%減っておるから三分の一減っておるわけです。紡績も同じく男子が三八・七%、女子が四三・七%、織物は低いといってもそれでも男子が一九・三%、女子が二七・一%、だからおおむねひどいところはもう人員が三分の一から半分になっておる、こういうような
状況です。
私は韓国に参りまして、ことし二回行ったわけだけど、そして一回は日韓議員連盟の幹事として先方の国会議員の方たちと論議したわけですが、
日本とたとえば韓国の貿易は大変なアンバランスだと。したがって、韓国からいま出てくるものは、いま言った数字のうち大宗を占めておるわけなんだけど、その
輸入を
制限することはいかがかと、こういうような
政府のお
考えでありますが、私は韓国の方たちにも申し上げたんだけど、
日本と韓国の工業のこの
条件の違いだと、要するにわが国が韓国に
輸出することによって韓国で失業が起きておるんではない。そのことによって韓国は韓国自体の
輸出を伸ばし、韓国の貿易収支を黒字化し、そして韓国の
経済を急
成長せしめておるわけですからね。その見返りとして韓国から入ってくるのは繊維であって、その繊維によってまさにこれは諸外国が
日本に対して言っておるように、失業を
輸出しておるわけでしょう、いま言った五割ぐらい減っておるわけなんだから。しかも、対前年同月比で五倍も
輸入しておる。こういう
状況の中で、工業先進国であるわが国がただ一つ、しかもガットで認められたMFAに基づく二国間協定もまだ
発動できないということは、一体どういうことだろう。これはこの一九七〇年代の繊維のあるべき姿ということで、構造改善審議会が答申した中でも、必要とあれば特定品目について二国間協定等の
発動すべしという答申まで出ておる。こういう
状況を放置して、いつそれを
発動するときがあるんだろう。私はそう思うんです。とりわけ合成繊維の場合は、先ほど申したように、まさにこれは敵前旋回をしておるわけなんだから、ここで支持カルテルをやって二割方の構造改善をやろうと、体力を落とそうとしておるときに、このようなそれを見越した
輸入ラッシュをするんであれば、
日本の繊維
産業それ自体を壊滅
状況に追い込む。この辺でひとつ通産省としても従来の通り一遍の
答弁じゃなく、はっきりした態度を示していただきたい。
時間がないからつけ加えて申し上げますが、
政府のそういった煮え切らない態度に業を煮やして、合繊
業界では法に基づく
輸入ダンピングの問題を提起しております。韓国、台湾からの入る製品についてダンピング訴訟を起こす。ダンピング訴訟を起こせば、これは門口でそれがいいか悪いかという論議を起こすことではなく、直ちに
関係当局はそれについての
調査を
発動することになる。したがって、そのような形をとることよりも、私は相手国と話して国際ルールに基づく二国間協定を行う。永久に行うわけじゃなくて、わが国の体質が整うこの間に秩序ある
輸入をもたらすような
措置を講ずるという
方法をとるべきだというふうに思うんです。衆議院の
商工委員会でもその種の特別決議をしておりますし、本日、本院における
商工委員会でもまた特別決議をしようとしておるところです。これらを踏まえてひとつはっきりした御
答弁を、
大臣とそれから
局長にお願いいたしたいと思います。