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藤原房雄君 いままで申し上げたのはどちらかというと、これは緊急にやらなきやならぬということで、法律上ちょっと幅を持たしていただかなきゃできぬぞというようなことについての項目が多かったわけでありますが、そのほかにもいろいろなことがあろうかと思いますが、ぜひひとつ
地元の
現状をよく見た上で適切な御判断をいただきたい、こう思うわけですが、さて恒久
対策としてどうするかということでありますが、御存じのとおり、現在
火山活動についての観測というのはなさっているわけでありますけれ
ども、
火山活動予知連としましては
火山活動の観測——ところがそれだけではなくして、やはりいま一日おおよそ九ミリですか、
有珠山全体百メートルぐらい壮瞥の方へ動いているなんて、こう言われているわけですけれ
ども、山は動いているわけですね。こういう中ですから、いろんな先ほど来申し上げたこういう仕事もなかなかやりづらいという面もあるんですけれ
ども、これは火山として
噴火の可能性があるかどうかとか、今後どうなるのかといういろんなことについては、予知連を
中心にしましていろいろ観測をしてやっているわけですけれ
ども、
降灰の
状況とか、降った灰がどういう
状況になっているのか、山が動くことによっていままで平たいものがだんだん起き上がってくる。そうすると灰が
泥流のような形でくる可能性が出てくる。また大きな石がころがり込んでくる可能性も出てくる。こういうことで実体山が生きているわけですから、動いているわけですから、全体的な
調査というものをしなければ、どこの沢が、どの地点が将来どういうふうになるのか、こういうことについて、これは
噴火があるとかないとかという現在の予知連の観測だけではそれはそちらの方のことであって、この二次
災害の防止という次の
災害の防止という観点から立ちますと、もっと総合的な山全体を見なきゃならぬ、こういうことを痛感するわけです。
ですから、ここにもございますように、流出土
砂防止
対策等に関する緊急
調査、これはやっぱり各
省庁最近はいろんな科学的な技術もあるようでございます。科学技術庁とか、建設省は建設省でまたそういう研究をなさっている部門があるわけですけれ
ども、そういう専門家の方々にぜひひとつ加わっていただいて、総合的な
調査をし、そういうものがあった上に立って、将来、
有珠山の
周辺の
地域というのは一体どういう形にするのが望ましいのか、こういう次の問題が出てくるのじゃないかと思うんです。いまもうそこは集団移転しなければならぬ、こういうことを木の実団地や全日空の沢で言われているわけですが、集団移転というのは、
遠藤先生から午前中お話があったようで、私もちょっと触れたいと思ったあれですけれ
ども、
仙台でこれはもう都市でこういう
災害が起きたときの集団移転の現在の法律というのは、実際形はあっても運用という面では非常に
支障がある。この前、
質問趣意書にも申し上げたんだけれ
ども、何だか簡単に、慎重に何だかなんて書いてきましたけれ
ども、これはやはり人が家を建てるということは一生に一度のことであって、その人の一生の間の全財産を投じて家を建てる、それをちょっと危ないから向こうへ行ってくださいということで、そうですかなんて腰を上げるわけないんで、それ相応の条件は備えなければならぬだろう。
こういうことで、集団移転のあり方についても単なる
宮城沖地震だけではなくて、今度また
有珠山でもそういうことに直面しているわけですから、こういう
現状を把握しまして、僻地等で起きた問題を
中心にしての考え方をもとにしての集団移転の法律だったわけですが、都市型の問題についても適用するような形にすべきだと思うんですが、それはそれとして、どこが将来というか、いまの火山の動きの中から危ないかということについても、やっぱりいろんなデータの中で十分に説得力のある、そういうデータ、
調査というものがぜひ必要だろう。その上に立って集団移転なら集団移転の方、よりまた現実に即した問題として、そして
住民の安全なところへの移転なり、こういうものが図られるようでなければならぬだろうと思うんです。もう目の前に
災害が来てから、どうするかということではなく、ちょっと日が過ぎて雨が降らないと恐怖心を忘れてしまう、こんなことではならぬだろうと思います。これは指導する立場にある地方自治体や国に、やっぱり
住民に対して説得力のあるそういう
調査というものを基本にしたこういうものを確立しなければ、これから先も、いや向こうの方で雨が降ったらしい、また灰がどうしたとか、一喜一憂していなければならない。こういうことではなくて、もっと緊急にしなければならないことと、そういう総合的な、恒久的な立場に立って
調査をもとにして
住民と話し合うような、こういう施策を
推進するという、こういう二面を相伴っていかなければならぬだろうと思うのでありますが、
国土庁もこういうことについては十分にお考えだろうと思うんですけれ
ども、どうですか。