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1978-11-22 第85回国会 参議院 災害対策特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年十一月二十二日(水曜日)    午前十時十七分開会     —————————————    委員異動  十一月二十一日     辞任         補欠選任      小山 一平君     対馬 孝且君  十一月二十二日     辞任         補欠選任      太田 淳夫君     藤原 房雄君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         川村 清一君     理 事                 遠藤  要君                 梶木 又三君                 村沢  牧君                 太田 淳夫君                 小巻 敏雄君     委 員                 金丸 三郎君                 田原 武雄君                 戸塚 進也君                 対馬 孝且君                 原田  立君                 藤原 房雄君                 柄谷 道一君    事務局側        常任委員会専門        員        森  一衞君    説明員        国土政務次官   丹羽 久章君        国土庁長官官房        審議官      四柳  修君        国土庁地方振興        局長       佐藤 順一君        文部省管理局教        育施設部指導課        長        大井 久弘君        文部省管理局教        育施設部助成課        長        倉地 克次君        厚生省公衆衛生        局結核成人病課        長        大池 真澄君        厚生省環境衛生        局水道環境部長  国川 建二君        厚生省社会局施        設課長      山内 豊徳君        農林水産大臣官        房審議官     塚田  実君        林野庁指導部治        山課長      江藤 素彦君        資源エネルギー        庁石炭部長    高瀬 郁彌君        資源エネルギー        庁石炭部鉱害課        長        関   收君        中小企業庁小規        模企業部参事官  山口  務君        運輸省鉄道監督        局民営鉄道部財        務課長      土坂 泰敏君        運輸省自動車局        業務部旅客課長  荘司 晄夫君        気象庁観測部地        震課長      渡辺 偉夫君        労働省職業安定        局雇用政策課長  白井晋太郎君        建設大臣官房建        設機械課長    中野 俊次君        建設省都市局街        路課長      並木 昭夫君        建設省河川局長  稲田  裕君        建設省河川局治        水課長      川本 正知君        建設省河川局防        災課長      瀬戸  充君        建設省河川局砂        防部砂防課長   小藪 隆之君        建設省住宅局住        宅建設課長    大田 敏彦君        自治省財政局公        営企業第一課長  田井 順之君        消防庁危険物規        制課長      小池 次雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○災害対策樹立に関する調査  (派遣委員報告)  (一九七八年宮城沖地震による被害復旧対  策に関する件)  (有珠山周辺における泥流災害対策等に関する  件)  (桜島活動火山周辺地域における降灰対策等に  関する件)     —————————————
  2. 川村清一

    委員長川村清一君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨日、小山一平君が委員辞任され、その補欠として対馬孝且君が選任されました。     —————————————
  3. 川村清一

    委員長川村清一君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、先般当委員会が行いました桜島活動火山周辺地域における降灰対策等に関する実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。村沢君。
  4. 村沢牧

    村沢牧君 今月の六日、七日の両日、川村委員長梶木理事坂元委員原田委員柄谷委員と私、村沢は、桜島活動火山周辺地域における降灰対策等に関する実情調査のため、鹿児島県に行ってまいりました。以下その概要について簡単に報告をいたします。  まず第一に、桜島噴火による降灰状況とその対策についてであります。  桜島は、鹿児島湾の中央に浮かぶ面積約八十平方キロメートル、周囲約五一二キロメートルのほぼ円形の火山半島であります。島の中央部には一千メートルを超す三つの峰を擁し、そのうち南岳は、現在、盛んに噴火活動を続け、山頂付近噴火によって無植性で、裸地となっており、中腹部は林地と溶岩原が広がり、海岸沿いに部落が形成されて、約一万一千人の住民果樹園芸中心とする農業や観光事業等によって生活をしております。  しかしながら、桜島はここ数年来、活発な噴火活動から、降灰、噴石によりその周辺地域に多大の被害をもたらしているのであります。  鹿児島気象台の調べによりますと、本年もすでに十月末日までに二百十八回の爆発、四百六回噴煙を噴き上げ、九月末日までに七万二千九百九十四回の地震を記録するとともに、桜島周辺地域には例年にないおびただしい降灰をもたらしています。特に桜島町武では、九月末日現在においてすでに昨年一年間の降灰量を上回り、平方メートル当たり三万五千七十二二ラムと、昨年の同期間に比較して約三・二倍、垂水市海潟においても二・四倍、また鹿児島市吉野においては約五倍という降灰量を記録するなど、その噴火活動の一層の激しさがうかがえるのであります。  本年四月、昭和四十八年の制定にかかる活動火山周辺地域における避難施設等整備等に関する法律を改正した活動火山対策特別措置法により、新たに降灰除去事業実施降灰防除のための施設整備等降灰対策に関する各般措置が講ぜられることとなり、あわせて噴火による被害災害対策上、災害として明確化されているのであります。  この新法により、現在、降灰防除地域として鹿児島市、垂水市及び桜島町の二市一町が指定をされ、道路等公共施設における降灰除去事業が行われているほか、教育施設及び社会福祉施設に係る降灰防除のための施設整備として窓枠アルミサッシ化による改良、及び冷房、換気施設といった空気調和施設設置等実施をされております。県及び関係市町当局者説明等にも、降灰のはなはだしいときは、道路の通行、自動車の運行に支障を来し、学校教育、とりわけ屋外の教育活動も中止を余儀なくされることもあると言われておりますが、現実に、ロードスイーパー等による道路降灰除去作業並びに降灰防除施設が完成している名山小学校黒神中学校及び養護施設桜島学園を視察し、それぞれの関係者からほかにもいろいろ問題はあるものの、実に助かりましたと率直に述べられた言葉には、切実なものが感じとられました。  また、国の降灰防除地域指定されている二市一町にそれぞれ各一台のロードスイーパー貸与台数をふやし、道路管理の徹底を図る必要があるという県及び市町村要望についても、もっともという感じがいたします。  さらには、現在PTAの協力によって行われている学校等の構内における降灰収集市町村長指定降灰集積所までの運搬について国庫の助成対象とすること。全体で七十校程度、窓枠改良及び空調設備実施する必要があり、来年度は一層の促進を図るため、予算の増額が確保されること。プールの上屋及び手動式プールクリーナー整備、強力な大型散水施設設置等についても強い要望がありました。  なお、県、市、町当局並びに納屋通り商店街桜島商工会等代表者から中小企業金融公庫等における降灰防除施設整備に対する融資について製材業者製品保管倉庫整備について適用すること。指定地域内における商工業者事業用資産に関する減価償却について、租税特別措置法上の特別措置を制度化すること。アーケード上の降灰除去費について助成されたいことなどが切実に述べられており、十分に検討の上、善処されることが必要と思われます。  第二に、避難施設緊急整備についてであります。  昭和四十八年度から実施をされた第一次緊急整備計画に基づく避難港、避難ごう、避難道路等避難施設整備についてはすでに完成をしております。本年度から実施された第二次緊急整備計画に基づく事業については、地域住民の安全を期するという上からも、地元要望を十分にくみとり、避難港、避難舎等整備を早急に行い、避難体制強化を図るための施設整備が緊要であります。  なお、古里地域関係者から避難港の整備についての要望がありました。  第三に、防災営農施設整備計画及び同事業推進についてであります。  この防災営農施設整備事業は、降灰等による農作物被害を防除するために、必要な施設整備を図ろうとするもので、昭和四十八年度から実施をされてきておりますが、昭和五十三年度からは三カ年の第二次整備計画に改め、総事業費四十三億三千七百四十四万円をもって、県下の対象地域五市三十八町村において、第一次整備計画に引き続き、水源の開発、畑地灌漑降灰除去施設整備野菜等被覆栽培、花卉、果樹安定対策耐灰性作物導入促進事業等事業実施することとし、本年度は九億二千万円をもって事業推進することとしております。鹿児島市の宇都及び浦地区ビワ栽培者及び地区代表者から生の声を聞きましたが、耐灰性ということでビワ栽培を進めてきておりますけれども降灰により、紋羽病にかかり、生産性が高まっている樹枝でも伐除する必要があること。これを防止し、生産性を高めていくためには、水源確保がぜひ必要であること。また、一層の生産性の向上に当たっては有機物質が必要であり、同好会を組織して畜産事業を行っているものの、この面からも水の確保が重要であること。  なお、桜島二俣地域農民代表者等からは、ここ数年間、ミカン生産が全く上がらず、本年も地域によっては九〇%が降灰被害を受け、ほとんど全滅と言ってもよいであろうと述べております。ビニールハウスによる軟弱野菜栽培の転換には相当な資金を必要とし、なかなか容易に踏み切れないこと。これを実行するためには大幅な補助が必要であることなど、きわめて真摯な要望があります。また、農民は皆疲労こんぱいの状態であると言われておりました。  このようなミカン降灰被害及び転換作物としてのビワ栽培推進に当たって、県、市、町当局及び農民代表者等から、現行の果樹共済制度について、降灰激甚な地域にあっては、再生産が可能な数量を基準収穫量として新たに追加されたいこと。ビワ共済制度の適用について早期実現を図ってほしいこと等の強い要望がありました。  第四に、桜島治山事業及び砂防事業についてであります。桜島河川は、鹿児島市側に七河川桜島町側に八河川、計十五河川があります。桜島火山活発化により、降灰の堆積、噴石等により山容が変貌するほどの山腹崩壊等が発生をし、山地の荒廃と渓流の浸蝕は急速に進み、各河川とも豪雨等により土石流発生危険性をはらんでおります。そのため、山麓のミカン園等農耕地はもとより、海岸沿いにある人家は、絶えず危険にさらされておるのであります。  このような荒廃の進んでいる山腹崩壊及び土石流被害を防止するため、昭和五十一年度から国の直轄による治山事業及び砂防事業実施をされることになったのであります。治山事業は、桜島町の長谷川、深谷川等荒廃の著しい十河川を主体とし、床固め、流路工等、本年度事業費十億円をもって実施することとしているほか、本年九月の降雨によって浸蝕崩壊を見た金床川については、緊急に治山及び農地防災事業として実施すべく準備を進めているということであります。  また、砂防事業は、鹿児島市域の野尻川、黒神川等五河川事業費九億二千三百万円をもって流路工導流堤及び災害復旧等事業実施中であります。  ビデオカメラの撮影のフィルムを見ましたが、土石流破壊力はすさまじいものであり、想像以上のものであると言えます。最近の活発な火山活動によって、山腹荒廃が異常な速さで進んでおり、土石流による被害発生の危険が高まっているだけに、これら治山砂防事業計画的な推進が重要であるというふうに思われます。  第五に、観測体制強化健康管理適正化推進についてであります。  火山噴火予知連絡会は、桜島噴火に対する統一見解として、大噴火の徴候は認められないと判定していますが、活発な噴火活動を続けている現状等から、桜島及びその周辺降灰地域に新たな観測点を設置し、観測体制強化に努めることが必要であること。  また、住民健康管理については適切な健康診断が必要であることは当然であり、特に宇都地区林業労働者の森林の下枝落としを行っている姿は、きわめて厳しい状況にあると言えます。降灰により健康を阻害されやすい、特に林業労働者等屋外労働者に対しては、より精密な健康管理対策が必要であると痛感をいたします。  以上、調査概要を申し上げましたが、最後に一言所見を申し述べておきます。  現在、降灰防除地域として鹿児島市等二市一町が指定をされて、降灰除去事業及び降灰防除のための施設整備等各般にわたって対策が講ぜられておりますが、これら以外の桜島周辺地域においても、政令基準を上回る多量の降灰が見られ、かつ降灰による被害も拡大している現状から、これらの地域についても降灰防除地域として指定をし、降灰対策を講ずることが肝要であります。  また、桜島山腹等荒廃から発生する崩壊土石流の危険を防止するため、一層の監視強化を図り、治山治水砂防事業並びに農地防災対策等一体性を確立し、事業推進を図ることが重要なことであると思われ、各関係機関の緊密な連絡調整を行い、土石流のはんらんをあくまでも防止する対策計画的に実施することが重要であります。  以上をもって報告を終わります。
  5. 川村清一

    委員長川村清一君) 以上で派遣委員報告を終わります。     —————————————
  6. 川村清一

    委員長川村清一君) 次に、有珠山周辺における泥流災害に関する件について、政府から報告を聴取いたします。国土庁柳審議官
  7. 四柳修

    説明員(四柳修君) 十月二十四日有珠山において発生いたしました泥流による災害について御報告申し上げます。  去る十月二十四日午後九時四十分ごろ、有珠山において大規模泥流発生いたしました。  現在までに判明いたしました被害は、死者二名、行方不明一名、建物の全半壊七棟、泥流が床上までに上がったもの二十九棟、床下に浸入したもの百五十四棟等となっております。泥流が市街地、宅地等に多量に流出したため、地域住民日常生活に大きな支障を来したほか、虻田町営浄水場泥流により埋没したため、洞爺湖温泉地区及び壮瞥町湖畔地区への供給が停止いたしました。  昨年以来たび重なる噴火によりまして、有珠山周辺一帯には大量の降灰があり、堆積した火山灰による災害を防止するため、緊急の治山砂防対策実施してまいったところでございますが、今年に入りまして連続発生いたしました小規模水蒸気爆発に伴うたび重なる降灰により、山腹堆積降灰量は増加し、また最近一部に小規模泥流発生いたしました状況にかんがみまして、全体計画の見直しに取りかかろうとしたやさきに、残念ながらこのような大規模泥流による災害発生いたしました。  政府といたしましては、今回の泥流による災害を重視いたしまして、翌二十五日に関係省庁調査団を派遣いたし、詳細な被害状況の把握に努めるとともに、各種の応急対策に万全を期しておるところでございますが、今後は特に、来年春の融雪期におきます災害に伴って生ずる被害を防止軽減するため、関係省庁とそれぞれ連絡をとりながら、特に谷どめ工砂防ダム、遊砂池、流路工築造等現地実情に即した治山なり砂防激甚災害対策特別緊急事業等を積極的に推進してまいる所存でございます。  以上、簡単でございますが、当面の問題につきまして御報告申し上げます。
  8. 川村清一

    委員長川村清一君) 以上をもちまして政府からの報告を終わります。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  9. 遠藤要

    遠藤要君 まず最初にお伺いしたいのは、ただいま桜島報告を拝聴いたして非常に感じた点を率直に申し上げて、政務次官のひとつ勇気ある御答弁をちょうだいいたしたいと思います。  実は、私も昨年災害対策特別委員会桜島視察させていただき、そしてこの委員会で、私がその報告を申し上げたわけであります。ところが、きょうこの報告を聞くと、大体同じような要望が出ている。そういうふうな点で、私は残念にして今度桜島には行きかねたわけでございますけれども、行かないでよかったなあと、こう感じたわけであります。同じ願ぶれで同じ陳情を聞くということになると、全くこっけい千万だと、こう申し上げても誤りじゃないんじゃないかと、こう思いますので、桜島のみではございません、有珠山においてもしかりでございますけれども、私は、どうぞひとつ今後の、いま村沢理事報告にもございましたけれども国土庁中心となって各省庁と十分な連絡をとって、ひとつ対応策をはっきりと示していただきたいということを要請いたしたいと思います。  それで、政務次官にお尋ねしたいのは、いま各省庁十分連絡をとるということでございますけれども、私は国土庁災害対策に関してでございますが、さき委員会でも要請を申しておったように、国土庁内にやはり正式に災害対策局なりをつくり上げて、そして正式に各省庁とその体制をきちっとしていくということが必要だと思うのでございますけれども、先般政務次官にも大臣にも要請いたしておったこの対策局設置について、国土庁としてはどのような努力をされているものかどうか。  それから、ただいまの村沢理事報告に対してどのような感じをとっておられるか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  10. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) ただいまの質問に対してお答えを申し上げたいと思います。  先生が昨年桜島視察にお出かけいただきまして、親しく現地できめ細かく御調査等委員の一人として手がけていただいた、またただいま桜島報告を聞いて、行かなくてよかったなあという感じを持ったという御質問でございますが、私どもとしてまことに残念なことでございます。  率直に申し上げまして、政府としては桜島に対する関心は強く持ち、降灰量も大変ふえてまいりましたので、それに対する対策としていろいろと現地部内でも調整を図り、私も実はきのう、きょう、あすにかけて桜島視察し、そして皆さん方のいろいろのお知恵を拝借しながら、今後の対策を考えてみたいと思っておりましたところが、委員会が決定せられましたために、すべての手続をしてあったのでございまするが、行くことをやめて委員会へ出席させていただいたようなわけでございます。  私は、私が政務次官として行くのでなくて、長官から、ぜひ一遍桜島を親しく視察して、今後のあり方に対して十分検討せよという命令もいただいておるわけでございまするが、ただいまの質問に対して、まことに先生が昨年現地へ行かれてきょうの報告と相変わったものは何もないということは、すなわち進んでいないということであろうと思っております。そのようなことは、もっときめ細かく私どももさらに検討いたしまして、今後の対策に対して十分な方途を考えていきたいと思っております。  さらに、有珠山等につきましての災害に対する縦割りと申しますか、各省連絡が十分でないように思われるけれども、これに対する今後一本化するようなことをどう考えておるかということであろうと思いまするが、この点につきましては、御承知のとおりに、災害におきましては不肖私が局長をさしていただき、総理が会長をしていただき、各省庁の閣僚が委員になっていただきまして、それぞれ真剣に事件が起きたとき、発生したとき、直ちに対策本部を開きながら、各省のエキスパート、責任者等おいでいただきまして、その善後策を講ずるわけでございます。先生方から見れば物足らない点がたくさんあろうとは思いまするが、私どもは真剣に、一つ一つをそれぞれの各省の意見をまとめ、そして国土庁中心になり、また、私が会を開くことにおける災害対策局長として、その責任を果たすべく努力をいたしてきたつもりでございますが、何と申しましても災害対策という国土庁におけるそのものが、課の存在でございますので、十分な活動、十分なことができないことだけは事実であります。  そういう意味から今度の五十四年度予算に対しまして、私の庁としては、ぜひ災害対策局をつくってもらいたいという新しい一つの構想のもとに、その進め方をいたしておるわけでありますが、なかなか大蔵の方も予算関係、あるいは他におきますところの行政管理の上におきましても、局を減らせという意向のようでございますので、なかなか新設は認めがたいというような話がありますけれども長官を初め私どもとしては、必要なものはぜひつくってもらわなければなりませんし、まだまだ災害に対して十分な機能を発揮することができませんから、どうしてもこれは局をひとつつくり上げ、そこの中で、各省との連絡を密にしていきたいという考えでありますが、先生のおっしゃるような今後の運用という問題につきましては、きょう御質問の趣旨を十分体しまして、長官とも部内話し合い各省との話し合いを進めて、先生の御期待に沿うような方向へ進めていきたいということをお約束申し上げる次第でございます。どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
  11. 遠藤要

    遠藤要君 ぜひお願いしたいと思うんですが、先般、実は仙台建設委員会おいでになり、そして、この仙台宮城沖地震視察を願ったんですが、そこでも地元からそういうふうな声がしんしんと出て、恐らく建設委員会でも報告書に、国土庁内に災害対策のあれを設けるべきだということが報告書にあらわれてくると、そういうふうな実情であるということをひとつ御認識をいただきたい。まあ、これは国民の災害復旧に大きな役立つ事業でございますので、ぜひ御努力を願いたいと思います。  それから桜島に関しましては、政務次官おいでになるのが、きょうの委員会に出るために行かないでしまったと。実は、昨年私ども桜島に行く二日前に、櫻内建設大臣桜島おいでを願ったのは審議官もよく御承知のとおり。そして、行ったその朝新聞を見ると、大臣大変気持ちのいい答えも新聞紙上であらわれておったと。そういうふうな点もございますので、恐らく大臣もよく御認識になっており、政務次官にも理解をもらって、大臣は自分の気持ちを生かしたいという気持ちだと思うので、ぜひ一日も早くおいで願って、この桜島住民なり、その周辺降灰による公害等に対していろいろの処置をひとつお願い申し上げたいとこう思います。  さらに、有珠山に関しましても重ね重ねの被害といいましょうか災害、こういうふうな点についてもやはり私は率直に申し上げると、国として一時にそれをおさめることができないという場合には、やはり住民に、ここはこういうふうになるということをいま少し親切に教えて、警戒地域警戒地域として指定しておく、そういうふうな姿も私は必要じゃないか、こう思います。せっかくまだ地元では、役所の人たちも不眠不休で対応していますけれども、なかなかそれだけでは解決ができないというような点もございますので、そういうふうな点は、緩急の度合いを見てひとつ対策を樹立し、住民にもその理解を求めておくということが必要じゃないかと思います。さような点で、ひとつ今後一層御努力をお願いしたいと思います。  さらに私は、宮城県の地震災害について一つだけお尋ねしておきたいと思うんですけれども、これは審議官承知の緑ケ丘の集団移転の問題です。この問題については、あの地すべり問題については国土庁、建設省が一緒になって対策を講じて、一部砂防事業によってその地すべりの防止の施策を講じてもらっておるが、まだその砂防では抑え切れない地域があるわけでありますが、ところが、あの地すべりのあれは御承知のとおり都市型の防止事業、移転というのがなかなか引っかかっておる。そういうふうな点で、ひとつ今度は都市型も適用できるような方途をひとつ講じてもらって、住民の人たちにも、負担の軽減のもとに安心して移転ができるというような処置をとっていただきたい、こう思うのですが、その点についてお尋ねしておきたいと思います。
  12. 佐藤順一

    説明員(佐藤順一君) お答え申し上げます。  まず、緑ケ丘地区の防災集団移転促進事業につきましての現在の進捗状況について申し上げたいと存じます。  この問題につきましては、宮城県並びに仙台市とともに十分いままで連絡をとってまいったところでございますけれども仙台市におきましては、いろいろとこの事業について調査や検討を続けてまいられたわけでございますけれども、最近に至りましてあらかたの方針を決められたように伺っております。すなわち、移転を要する住宅につきましては、大体二十戸前後というふうに踏んでおられるようでございます。そうして移転先の用地につきましても、大体被災地に比較的近いところでめどがついてまいったようでございます。このような報告をいただいているわけでございますが、これからさらに住民の方々とお話し合いを続けられまして、この集団移転促進事業についての具体的な内容を詰めて、また重ねて御協議があるものと思っております。その節には、いままで同様にこの問題について十分協議を尽くしながら、適切に対処してまいりたいと考えておるわけでございます。  その場合、いまお尋ねのございました郡市型の災害に対する対応ということでございますけれども、当委員会においても、いままでもそういうお尋ねもございまして、私どもも意見を申し上げておったわけでございますけれども、実は現在までは当事業予算単価につきましては一本であったわけでございますけれども、今回のこのような災害実情にかんがみまして、これにもまた対応できるようにということで、実は明年度予算の要求におきまして、さらに一段と拡充を図りたいと、こういう見地から予算要求を行っているような次第でございまして、今回の事業も、先ほど申しましたように、これからさらに具体的な詰めを行って事業化ということになるわけでございますけれども、次第に時も移ってまいりますので、これが事業の実際の着手というものが明年度に入ります場合には、明年度予算をもって対処したいと思いますので、今後予算段階で努力をしてまいりたいと、こう考えておる次第でございます。
  13. 遠藤要

    遠藤要君 大変結構なことですが、もしも明年の予算要求の内訳ですね、大体金額的に基準が、いままでの基準からどれくらい伸びるのかお聞かせ願えるならば、聞かせていただきたいと思います。
  14. 佐藤順一

    説明員(佐藤順一君) 従来は、移転をいたします戸数に一戸当たり五百三十万という単価を掛けましたその事業費の範囲内におきまして、いろいろな経費を必要とするわけでございますが、その経費に総合的に対処していくと、こういう考え方をとったわけでございますけれども、その五百三十万の単価につきまして、明年度以降におきましては、都市型とそれから一般のところというふうに対応できるように対処していきたいということで、双方ともに増額という線で要求をしている次第でございます。
  15. 遠藤要

    遠藤要君 重ねて、これは答弁は要りませんが要請だけしておきたいと思いますが、少なくとも九百四十万程度ということをひとつ頭に入れて予算折衝をお願いしておきたいと思いますので、よろしく御理解願いたいと思います。
  16. 金丸三郎

    ○金丸三郎君 それでは、私から質問をいたします。  先般は、委員長初め委員の皆様方がお忙しい中に桜島を御視察をいただきまして大変ありがとうございました。先ほどまた、詳細な理事の御報告がございましたが、内容には地元要望が適切に盛られておりまして、御視察をいただきましたことで大変地元は喜んでおります。また、今度御視察をいただきまして、先般の火山立法が相当に生かされておることを地元で感謝いたしておることも、はだに感じて帰っていただいたようでございまして、私どもも先般の火山立法が大変やはり効果を奏し、地元が大変力強く思っておりますことを感じておりますだけに、改めてその点も御礼を申し上げたいと思います。政府の方では理事からの御報告をぜひ実施していただきたい。関係の部局で御検討いただいて実施するように努力していただくことをお願いを申し上げます。  これから、時間もございませんので簡単におよそ三項目に分けて御質問をいたします。  一つ治山治水事業でございます。もう一つは、広い意味の防災営農でございます。もう一つは、やはり灰が降ることについての観測、それから地震が、先ほどの報告にもございましたように非常に頻発いたしております。先般のこの委員会で、私からその点についても質問を申し上げましたが、気象庁を中心にする今後のこれらに対する観測対策について、お伺いいたします。大まかに以上三つでございますが、第一の治山治水対策でございます。  今回桜島をごらんをいただきましても、山の様子が非常に荒れてきて、ただならぬ様相を呈しております。農林省、建設省の直轄事業治山治水事業をやってもらうようになっておりますけれども、今後、やはり思い切った抜本的な治山治水事業がどうしても必要だと思います。本日は建設省見えておりませんければ農林省でも結構でございます。治水事業について、明年度どのように考えておられるのか、承りたいと思います。  次は防災営農の関係でございますが、非常に県下広い地域に灰の被害が広がっております。防災営農の地域が非常に広がっておりますことについて、農林省がどのように考えておられるか。それから特に、地元桜島町におきまして果樹の共済制度、現在御承知のように、過去五カ年の中庸をとった三カ年の平均で基準収量を算定するようになっておりますけれども、ここ数年、灰の被害が非常に大きゅうございますから、果樹の収穫量が激減しております。いわば災害を受けた後の収量を基準にして共済制度を実施するのでは、余り意味がございません。災害を受けた年次は外して、基準収量を算定するようなふうにぜひ改めていただきたい。これは非常に切実な要望でございます。この点についてのお考え。  もう一つは、ビワも蕚がかたいので、余り被害は昔はございませんでしたが、最近余りにもひどい灰によって、ビワも壊滅的な打撃を受けております。ビワにもぜひ共済制度を適用していただきたい。来年からでもぜひ適用していただきたいと思っておりますが、その点についてどのようにお考えになっておりますか、お伺いいたします。  それから、きょうは通産省その他お見えになっておらないようでございますが、できましたら国土庁の方から、中小企業に対する降灰防除の資金の融資の比率の引き上げにつきまして、ぜひ考えていただくように御連絡をいただければありがたいと思います。  それから最後に、気象庁へのお尋ねであります。灰の降る量が非常にふえてまいりました。現在では鹿児島の気象台一カ所でだけこれを観測するようになっておりますが、これをもっと個所をふやして、周密な観測をやっていただきたい。これが一つでございます。  それから第二は地震の観測で、昨年に比較いたしますと地震の回数が三六%もふえております。ぜひ、地震の観測をもっと強化していただきたい。これは先般の委員会でも私申し上げましたけれども、いますぐに爆発という心配はないかもわかりませんが、やはりこの観測は、ひとつ本腰を入れて気象庁でやっていただきたい。  以上でございます。
  17. 川村清一

    委員長川村清一君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止〕
  18. 川村清一

    委員長川村清一君) 速記起こして。
  19. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) お答え申し上げます。  桜島砂防事業につきましては、昭和二十一年度から鹿児島県におきまして補助事業として、御承知のように長谷川ほか十河川実施してまいってきたわけでございます。その後被害の激甚性にかんがみまして、昭和五十一年度から直轄砂防事業として野尻川等七河川実施してまいったわけでございますが、今後建設省といたしましては、治水五カ年計画の中でさらに積極的に事業を伸ばしてまいりたいというふうに考えております。来年度要望額につきましては、ただいまちょっと資料を持ち合わしてございませんが、直轄砂防につきましては、本年度の約三〇%の伸びで大蔵省の方に現在要望中でございまして、補助事業につきましても逐次伸ばしてまいりたいというように考えております。詳細につきましてはまた後刻御報告したいと思います。
  20. 塚田実

    説明員(塚田実君) 農林水産省官房審議官の塚田でございます。  それでは、ただいま御質問がありました諸点のうち、農林水産省にかかわります問題、すなわち桜島地区における治山の問題、これが第一点でございます。それから第二点は、桜島地区における防災営農の問題、それから第三は果樹共済におきます基準収量にかかわる問題、第四点はビワ果樹共済に含めるかどうかという問題、この四点について続けてお答えいたします。  まず治山の問題でございますが、桜島地区の直轄治山事業は御案内のように昭和五十一年度から実施しております。現在では全国の直轄地区の中でも最も重要な地区一つとして位置づけておりまして、積極的に事業実施をしているつもりでございます。当該地区におきます昭和四十六年から五十年度の五カ年間の年平均事業実施額は八千六百万でありましたけれども、国の直轄事業として実施することになりました昭和五十一年度は四億一千八百万、五十二年度は八億百万、五十三年度は十億二千四百万と大幅な伸びを示しているわけでございます。今後の対策でございますけれども、農林水産省といたしましては、当然のことながら関係省庁と緊密な連絡を図りながら、現在実施中の第五次五カ年計画促進により、緊急かつ計画的に事業実施する考えでございます。  次に防災営農計画でございます。桜島地区における防災営農対策につきましては、灰の被害が激甚であるというようなこと、それから各種の事業を優先的に実施するというように努めているところでございまして、本年度は新たな新防災営農整備計画を作成したわけでございます。対象年次は五十三年から五十五年で、関係の対象とする市町村も九市町追加しまして、合計して四十三市町になっております。事業としましては、従来からの土壌の酸度を矯正する事業、それから灰に強い作物でありますビワの導入事業等を引き続き実施するというほかに、新たに地元からいろいろ御要望がありますミカン被覆栽培施設なり、それから野菜の周年栽培のための硬質ビニールハウス施設整備等事業を、桜島中心実施することとしております。私ども、今後ともこうした施策の充実には十分努力していきたいと、このように考えております。  次に果樹共済の問題でございます。ただいまいろいろ御議論をいただいておりますけれども、この果樹共済と申しますのは、まあ農業保険の一種目でございますが、御案内のように保険のたてまえといたしまして、平均的に見た場合に、収穫し得るであろう収穫量をもって基準収穫量としているわけでございます。このために、県が定めます組合ごとの十アール当たり収穫量は、原則として最近五カ年のうちの中庸三カ年の単純平均を基礎とすると、こういうふうになって実施しているわけでございます。そこで、桜島地区のようなこういう異常な事態にはどう対処するかということでございますけれも、私ども農林水産省といたしまして、特別な事由がある場合には例外的な措置をとることもできるというふうに考えております。そこで、今回いろいろ御意見に基づきまして、桜島地区のような地域については、この例外措置を適用するというふうにしたいと、このように考えております。  そこで、いろんなやり方あろうと思いますが、たとえば異常被害年次を除いた最近五ヵ年の中の中庸三カ年の単純平均というような考え方もとれると思いますし、そういう問題につきまして県当局と具体的に協議をし、また検討を進めていきたいと、このように考えております。  それから、最後の御質問ビワの問題でございます。果樹共済の中にビワを追加指定するという問題でございます。私どもビワの重要性につきましては、従来からいろいろの観点から認識しているつもりでございます。ただ御案内のように、果樹共済と申しますのは、樹体共済とそれから収穫される果実の共済とがございます。その点、農作物共済のように収穫共済だけということではございません。そういう意味で保険の設計上非常にむずかしい問題がございます。そこで従来、被害率等の基礎調査を主産県に委託して行ってきまして、それで大体この調査も完了に近づいております。そのほか基礎調査以外にも補完調査が必要でございます。たとえば、こういう共済を実施する場合にどの程度の需要があるかとか、そういうような問題も調査しなきゃいけません。それも、現在鋭意進めておりまして、私どもとしては早急にこの諸準備を終えまして、今後可及的速やかに果樹共済の対象にこのビワを加えたいと、このように考えております。  以上、農林水産省関係の四点につきまして御答弁いたしました。
  21. 渡辺偉夫

    説明員(渡辺偉夫君) 先生の御質問は二点あったと思います。最初の質問降灰観測の問題であります。  降灰観測につきましては、気象庁では鹿児島地方気象台において昭和三十年以来降灰の観測を実施してございます。本年四月の活動火山対策特別措置法の施行後は、建設大臣の定めるところの鹿児島県、それから建設省などで桜島周辺で約五十点の降灰観測が実施されておるわけであります。すでに気象庁としましては、各関係機関とも十分連絡をとってこれらの観測の体制といいますか、観測に対処しておりまして、これらの降灰観測の均質化といいますか、質の向上といいますか、そういうことを図っておりまして、今後とも、さらにこれらの協力体制強化しまして観測を継続していく考えでございます。  もう一点、地震観測の強化の問題でございます。気象庁としましては、これは鹿児島地方気象台が担当します地震計がございます。地震計が三台現在観測しております。このほかに京都大学もこの地域には地震計を何点か置いております。それで、現在京都大学ともこの連続観測のデータの交換を密接に行っておりますし、これで火山観測に対処しているわけでございます。しかしながら、やはり地震活動活発化とそれから噴火予知という問題も絡みまして、今後、大学あるいは私たちの気象研究所の研究成果を踏まえまして、必要な観測施設の増強、またこれらの地震観測の数が非常に多くなりますので、そのデータ処理ということも踏まえまして強化を考えていきたいと思います。このことによりまして、火山情報の質の向上ということをわれわれは今後とも強力に図っていきたいという考えでございます。  以上でございます。
  22. 対馬孝且

    対馬孝且君 私は有珠山泥流災害につきまして、一本にしぼって質問を申し上げます。時間も限られておりますから、要領よくひとつ答弁をしてもらいたい。これを強く冒頭に申し上げます。  まず最初に、第一点でありますが、今次、有珠山泥流災害でとうとい三名の犠牲者を出すに至りました。私も現地に参りましたが、まさに残酷物語であるという本当に痛ましい今日の実態でございます。したがいまして、こういった事故が発生をしました政府側の態度に対しまして、まずお伺いをするのでありますが、まず不可抗力的にこれを阻止し得なかったものなのか、あるいは防災対策を、手を尽くせばこの災害は防ぎ得た、こういう災害の性格であるのか、つまり言うなれば、人災であるという考え方に立っているわけでありますが、この問題について、まず次官の方から基本的な政府側の姿勢について明らかにしてもらいたい、これまず第一点お伺いします。
  23. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) ただいまの質問に対してお答えを申し上げたいと思います。  亡くなられました三名の方々に対して、心から御冥福を祈るわけでございます。  今回の泥流災害の反省は、私ども大いに持っておるわけでございますが、これに対してお答えを申していきたいと思います。  有珠山噴火以来一年有余の間、幸いにも人的被害がなく、その復旧に、当時から懸命な努力をしていたのであります。今回の泥流によりまして亡くなられた方、さらに行方不明の方というような被害が出ましたことは、何としましても申しわけなく、心からお悼みを申し上げ、先ほども申しましたように、政府としては深く反省いたしておるわけでございますが、御承知のように、昨年の八月の噴火以来、本年に入っても、たび重なる水蒸気爆発によりまして大量の降灰堆積し、また地盤変動等によっていろいろと地形やら何かが変わってまいりました。そういう意味から、鋭意これに対するすべての問題点について検討を重ね、第二次災害が起きないようにという心がけは、各省それぞれ、また国土庁としましても責任的立場におきまして、地元とも御相談を申し上げながら十分な考えを持ったつもりでございますが、その考え方に基づいて対策を進めなければならない点がたくさんあったことだけは事実でございます。  しかしながら、思いがけないこうした第二次災害が、われわれの手配よりも早く参りまして、このような被害が起きましたことを深くいま一度反省をしながら、今後に対してもっともっと積極的に、こうした問題は取り組んでいかなければならぬということを感じながら、鋭意いまそれに対して北海道庁を初め、地元市町村とも相談をして対策をとりつつあるわけでございます。  いま申しましたように、人災であるか天災であるかということにつきましては、まだこれは別としまして、とにもかくにもあの当時から、最初の第一次当時からいろいろと研究もし、それに対する永年的な対策を講じなければならないという点で、そして調査をいたしてまいったわけでありますけれども先生承知のとおりに、地震変動も数限りなく毎日のように起こっておる関係から、これに対する基礎的調査が十分にもできませんことが、私どもの手配の上においていささかおくれたという感があることだけは、これは率直に認めなければならないと思っておるわけであります。今後はこの教訓を生かして、第三次災害がたとえ起きようとも万全の策を講じようということで、いまこの問題に十分政府としては取り組んで、各省庁とも緊密な連絡をとりつつ、また地元としての北海道庁の方とも御連絡を申し上げ、市町村とも御連絡を申し上げておるような次第でございますので、以上御了解をいただきたいと思うわけでございます。
  24. 対馬孝且

    対馬孝且君 いま政府側の態度というのは、対応の仕方がおくれて深く反省をしておるという一語に尽きるわけでありますが、私は昨年の九月十六日の当災害委員会におきまして、当時の田澤長官に対して私は質問しているんです。これは会議録がありますから、これお読みになってもらえば明快にわかると思うんです。いまのままであったら第二次災害は必ず起きる。明快にこういうことを断定するのは変なんでありますけれども、私は断定しているんです。もしこのことをやらなければ第二次災害は必ず起きる。政府責任持ってこれを約束どおり実行するかということに対して、田澤長官は、総合的対策を含めてこのことは実行いたしますという答弁に相なっている。それを私は具体的に申し上げたいんです。抽象論を言っているのじゃないのだ。私は当時言ったことは、砂防ダムだけではこれは対策にはならない。当然砂防ダムにつながる水路という問題が、排水路という言葉を使っていますけれども、排水路を末端まで、やっぱり温泉のあの排水路を二本つくらなければいざ土石なり土砂が流れた場合については、対応できないのじゃないか。その排水路を必ずやるかどうか、それから融雪期の問題もここに出ている。それが本当になされなければ第二次災害は起こる、私は予言したのです。これ。悲しいかな今日の状態は、私の言ったとおりだった、はっきり申し上げて。もしもここに私が言うとおり排水路が完成しておれば私で防ぎ得たと思うんです。これは。  いま次官の言うのは答弁になってないよ。まことにそれは反省している、対応の仕方がおくれたというだけであって、私が聞きたいのは、人災であるか、防ぎ得なかったものかどうかということを聞いている。そのことを聞いている。少なくともこの対応が、当時の約束からいけばことしの春には完成してなきやならぬでしょう、排水路は。融雪期までにはこの排水路は完成すると、こう言っているのだから。ところが私に言わしむれば、ことしの春の融雪期にたまたま災害がなかった。これで私は手を抜いたと思うんですよ。怠慢ですよ、そちらにしては。やれやれことしの融雪期に水は流れてきたけれども、洪水はあったけれどもたまたま災害がなかった、やれやれこれで一安心と、こういったところに緩みが、私は今時の災害を起こしている、これははっきり申し上げますよ。こういう対応の仕方について、対策がとれなかったのは一体どこにあったのか。こういうところからいっても明らかにこれは人災じゃないですか。手を尽くしたら何とかなったということは明らかじゃないですか。なおかつそういうことをやってできなかったというならやむを得ませんよ、私は。そういう手立てがなされなかったところに一つの問題があるではないかということを含めて、何もぼくは責任がどうだこうだ言っているのじゃないのだ。謙虚にこの災害の実態というものは、あなた方も私らも受けとめていかないと、これから大災害を起こさないと言葉では言っているけれども、また災害が起きるのだよ、これははっきり言って。私が予言したとおりになっているのだから、そういう問題について、謙虚に次官答弁してもらわなければだめだよ、これはもう一回。
  25. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) ただいま先生の御指摘の点はそのとおりだと思います。  まず第一に、ことしの雪のときを大変心配しておったのです。四月ごろ。率直にこれは申し上げますと大変心配して、このときまでに何とかせなければならぬという対策を考えておったのですが、いろいろと変動もあるし、常に震動がしつつあるということやら予算措置関係地元話し合い関係等々もありまして少しおくれてきた。おくれてきたところに、四月の雪解けに心配していたのがおかげさんで助かった、こういうことで、早くこの時期を逸してはならないからその次にかかろうと思っているやさきにこういう事態が起きた。これは深く反省していることには間違いありません。率直に認める以外これはないんですが、ただ人災か天災か、それを認めなければ——そういうふうに解釈するならこれが人災であろうということについては、いささか私として、それは確かに人災でございましたと言うわけにはいきませんので、きめ細かくどのように進めてきたかということを申し上げまして先生の御理解を得るように、また事実は事実として認める点は率直に認める、お聞きいただくところは率直にひとつお聞きいただきたい、こういうことでありますので、どうぞ御理解いただきたいと思います。
  26. 対馬孝且

    対馬孝且君 いま次官から率直に、そのことを認めますということだから、何も責任の度合いをどうだこうだという、責任追及言っているんじゃないと私は言っているんだ。問題は、災害を素直に見詰めないと、原因を明らかにしていかないと第三次、第四次の災害がつきまとうということを言っているんであって、何も大臣の首を飛ばすとかなんとかというみみっちいことを私は言っているんじゃないんです。これは素直に認めましたから。それであれば人災以外ないんだ、これは防げたんだから。やっておれば何とか助かったんだから。あなたがどう言葉を返そうと、素直に認めたから、素直に認めたということは人災につながっている、こういうことは明らかですよ。このことを明確にしておきます。  そこで私もうちょっと聞きたいのだけれども、百歩譲ったとしても、六月十二日に集中豪雨が起きているんだよ。ここが問題だと言うんだ、対応の仕方が。次官、見せますよ、これ。ちょっと政府委員、だれかここへ来てください——。六月十二日に、現に集中豪雨のときにこれだけの土砂が、二十トンも三十トンもあるような土石が流れてきているんだよ。このときすでに政府に、町からこの対応の仕方について、道に対して国に対して要望しているんでしょう、六月の十二日に。こういう予見が明らかにあったにかかわらず十月二十四日の災害が防げなかったというばかげた話がどこにあるんだ。見なさいよ、これ。ちょっと政府委員、だれかいるだろう。次官、これちょっと……。
  27. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) いや行きますよ、行きますよ。
  28. 川村清一

    委員長川村清一君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  29. 川村清一

    委員長川村清一君) 速記を起こして。
  30. 対馬孝且

    対馬孝且君 したがって、その関係を明確にひとつ答えてくださいよ。
  31. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) 有珠山につきましては、昨年八月七日の大噴火以来、昭和五十四年度の完成を目途といたしまして、砂防激甚災害対策特別緊急事業ということで事業費約三十億で工事に着手したわけでございます。鋭意実施しておったところでございますが、御指摘の六月十二日あるいは九月二十六日、十月十六日等の泥流発生にかんがみまして工事のテンポを早めるべく早急に準備を進めていたやさきでございまして、工事の安全の上からも、既設の砂防ダムの排土を行いまして、通称木の実の沢につきましては約一万一千立米、それから全日空の沢につきましては約三千立米の排土を行って次の泥流に備えるべく努力してまいったわけでございます。お申し越しの仮排水路につきましては、地元に用地の交渉に実はかかっておったわけでございまして、御承知のように温泉町でございまして、支障物件、それから地下埋設物等、あるいは国道のつけかえ等いろいろ諸問題がございまして、そういう問題に取り組んでいたやさきに今回の災害を受けたわけでございます。  今後につきましては、噴火とかあるいは地殻変動等新たな流域状況の変化に対しまして、上流域の諸調査を継続実施するとともに、総額約百億円という事業費を投じまして、新規の激甚災害対策特別緊急事業によりましてさらに砂防ダムを増設いたしまして、あわせて下流の流路工の早期完成を目指しまして努力してまいりたいと考えております。
  32. 対馬孝且

    対馬孝且君 あなた方はすぐ、見直す、全面的に見直す段階だったとか手をかけておったとかって、そういう答弁ではだめなんだよ。手をかけておったとか見直しておったとかといったって、実際にあなたできていなかったんだから。そのとおりいっていれば、工事が完成しておればこの事故に至らなかったんだから。それは理屈にならぬと思う、ぼくに言わせれば。しかも、あなた方、砂防課長、そんなことをおっしゃるのならはっきり申し上げるけれども、北大の東教授があなた方に対して意見を申されているでしょう、道に対しても。砂防ダムというだけでは災害は阻止し得ないと。砂防ダムと沈砂池と遊水路、三つのものが完全にセットされて、そういう体制をとって初めてこの種の災害は防止されるものであるということを、何回も私は東先生に会っていますが、そういうことは国にも道にも私は陳述していますと、こう言っていましたよ。私は会ったから言っている。ところが、そういうことを専門家が言っているにかかわらず、いや見直す時期でありましたとか、いや手をかけておりましたとかって、それは詭弁のための答弁であって真実の答弁じゃない、ぼくに言わしたら。それは本当に災害を見直すというのだったら、当時の、去年田澤長官がこう言ったじゃないか。私に現に、何回もあなた、大臣折衝もやったときに、いやこのことだけは金に糸目はつけぬ、金の問題ではないんだと。対馬先生の言うとおり金に糸目はつけぬ、これだけはひとつ人災防災のためにやるのだと、こう言っている。大臣がそう言っている、当時の長官がそう言っているのだから、いまあなた方の言うようなことでははっきり申し上げてぼくは理屈にならぬと思う。まあ先ほど政務次官が答えているから、そのことを素直にその非を認めて、どうしたらこれから、そういう災害を起こさないために全力を挙げるかということをきちっとやってもらいたいと思う。  そこでお伺いしたいことは、いまあなたがおっしゃっているように、実際に有珠山に降った降灰、どういう調査をやっているのですか。私が聞いているのは、十二月まで調査をやったけれど後やっていないという、現実問題として。そういう調査の仕方自体にやっぱり問題があるのじゃないですか。どういう調査をやってきたんですか。実際に降灰が降った、二億立米相当数のものが降っているだろうとこう言っている。それがどういう調査がなされて、どういう手だてをなされてきたのか、ちょっとそれをお伺いしたいのです。
  33. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) 御指摘のように、噴火後昨年の十一月までに大体の調査をいたしたわけでございます。その後、噴火の方は一応おさまりかけてまいりましたのでちょっと調査を中断しておりましたが、御承知のように今年の八月以降地殻変動が非常に激しくなりまして山の様子が大分変わりましたので、この機会に現在上流の土砂の流出調査につきましていま現在行っておるわけでございます。
  34. 対馬孝且

    対馬孝且君 砂防課長、これは現実に私は現地へ行って確認してきておるのだけれども、洞爺湖壮瞥温泉寄りの有珠山降灰量がざっと百六十万立方メートルだというのだ。このうち泥流化の危険があるものは、十九万四千立方が大体あなたの言う昨年の十一月末現在で考えられておったと。それに対応した砂防ダムなり対応というものはしなければならないのでしょう、常識で考えて。泥流化の危険というものは十九万四千あったんだから。そうすると十九万四千に対応するものがなければならないわけでしょう。ところが現在では、完成したのが七つのダム、このほかに三つ、全部加えたとしても五万九千立方メートルにすぎないと、こういうわけだ。これじゃ災害起きるのはあたりまえの話じゃないですか、あなた。こういう対応の仕方に私は問題があるんじゃないかと、こう言っているんですよ。どうしてその十九万なら十九万というものに対して危ないとするならば、十九万に対応する砂防ダムなりあるいは遊砂地なりあるいは水路というものをやっぱり対応するということがどうしてその時点で対応できなかったのか、こういうことを私は聞きたいんです。どうですか。
  35. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) 御承知のように現地の地形等がございまして、工事の施工能力等もございまして、北海道といたしましては、災害にかんがみて最大限の努力をしてまいってきたわけでございます。先ほど申し上げましたように、支障物件の問題とかいろいろ用地買収の問題等手がけてまいってきたわけでございますが、そういうことで多少工程的にはおくれているようなこともございましたけれども、一応砂防としては、万全の策を当時としては考えておったわけでございます。ただ、先生御指摘のように砂防だけでこの泥流に対応するわけにまいりませんので、上流の治山等と連絡調整とりながら現在まで進めてまいったわけでございます。
  36. 対馬孝且

    対馬孝且君 いずれにしてもこのことだけで時間かけているわけにいかぬのであれですけれども、次官いまお聞きになったとおり、率直に言って当時のやっぱり対応の仕方というのが後手後手なんですよ、これはっきり言って。わかったでしょう、いまの問題。そういう泥流が流れる危険に対応すべきダムの一つをとらえたとしても、十九万に対して五万というようなこういう対応の仕方じゃどうしようもないわけだ。ただ、いずれにしても、私はそのことがすべてだというわけじゃないんだけれども、こういう対応では今後第三次、第四次の災害が私は起きると言うんだ。  そうならないためにはぜひ、先ほど、深く反省をして全力を挙げるという次官の決意だから、率直に私の主張を認めると、こういうことなんだから、そこで次の具体的なことをそれじゃ聞きたいんだが、まず一つは、通称全日空とこう言っているんだけれども、小有珠川というんだけれども、小有珠川と通称木の実——西山川、この両沢の遊砂地とこれらの対策流路工の問題を、一体いつまでにどういう完成をするのか、これ具体的にひとつ。実際に災害を起こさないというならば、いつの時点で遊砂地とダムとそれから流水路の関係をどういうふうにやるのか、これを具体的にきちっと示してください。
  37. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) お答え申し上げます。  初めに西山川——木の実の沢でございますが、上流から土石流が流出してまいりますので、その水勢を抑制するためにスリットダムを今年度中にやります。それから現在二号ダムが完成いたしまして、一号ダムにかかっておるわけでございますが、これもそれを延長いたしまして上流にポケットを大きくいたしまして約五万七千ぐらいの容量のダムをそこへ今年度中にやります。  それから下流の流路工でございますが、いろいろ支障物件等もございますが、そういう問題を解決できるならば今年度中に仮排水路工事、いわゆる洞爺湖までの仮排水路工事に着手いたしたいと思いますが、これにつきましては、地元皆さん方の御協力を得られなければできない問題でございますので、われわれとしては全力を挙げてやってまいりたいというふうに考えております。  それから次に全日空の沢でございますが、これも木の実の沢と同じように、スリットダムでまず土石の水勢を弱めるということをやりまして、さらに下流に、一番出口でございますが、大容量の砂防ダムを築造いたしまして、そこで一応ため込む、それから下流につきましての流路工につきましても、木の実の沢と同様に、用地問題を解決の上に、仮排水路工事に今年度着手したいというように考えております。
  38. 対馬孝且

    対馬孝且君 ちょっと確認したいんだけれども、この図面どおりでやるということに間違いありませんか、ちょっとそれを。これ一つ確認しておきたいんだ。これはなぜ確認しておくかというと、去年田澤長官にも私は図面を持ってやったはずなんだよ。そのとおりやりますという、建設省もそう言っておった、あなた方も。このとおりでいくのかどうか、間違いないかどうか。この二本の排水路を必ず、いま答弁のあったように明年度融雪期までに完成するということをはっきりここで確認できるかどうか。
  39. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) ただいまの図面でございますが、本線につきましては、現地の事情がございますので、多少変わるかもわかりません。大体のルートはそのルートでまいりたいというように考えておりますが、いずれにしましても用地問題が非常にむずかしい問題でございまして、この問題が解決するならば、今年度中に仮排水路の開設ができるわけでございますが、何分にも非常にむずかしい問題が残っておりますので、よろしく御了承願います。
  40. 対馬孝且

    対馬孝且君 あなたの言ったとおり、何分むずかしいと言う後のことが気になるのだけれども、何分むずかしいと言うことは答え簡単なんだよ。国がちゃんと予算をずばっとつければ町はやると言っているんだから、町はやりますと言っていますよ。問題はそこだ。国がそういう手だてが、予算措置ができるかできないかということだけであって、何分むずかしいと言っているけれども、何もむずかしくないんだよ。国がちゃんとその手だてをしてやりますと言ったら、町は受け入れ体制——受けたらこたえますと、こう言っているんだから、どうですか、この点。
  41. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) 予算につきましては、先ほども御説明申し上げましたように、新たな激特事業、それから従来の激特事業、これらの予算予算的には一応できる金の計上はいたしております。
  42. 対馬孝且

    対馬孝且君 あなたも御存じのとおり、流水路をつくるわけでしょう。温泉町まで行くわけでしょう。ここにたとえば芸術加工、民芸品の加工工場がある、これが立ち退かにゃならぬ、こういう問題が出てくるでしょう。あるいは家屋があるという問題。私はそこを言っているんですから、そういう手だてを国がきちっとすれば受け皿としては町の方はやりますと、こう言っているわけだ。そのことをきちっとしてもらいたいと、こう言っているんです。災害のためには、当時の長官は、金の問題ではない、こう言っているんだから、そのことをはっきりしてもらわなければいかぬとぼくは言っているんですよ。どうなんですか、それ。
  43. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) 用地の金につきましては、御承知のようにむずかしい問題がございますので、とりあえず、起工承諾というかっこうで本年度はお願いしたい。来年度で、用地費の予算につきましては計上させていただきたい。起工承諾を地元でいただきまして、工事だけは今年度着工して、仮排水路の工事をやりたいというふうに考えております。
  44. 対馬孝且

    対馬孝且君 だから私の聞きたいのは、ここで詰めておきたいのは、国が責任を持ってそういうことをやりますということを、はっきりしてもらえばいいんだと言うんだ、私の言っているのは。そのことがどうもあいまいだから、わかったようなわからないようなことを言ってもらったら困るんだよ。だから国が責任を持って、流水路をつくる場合の家屋の移転であるとか、あるいは民芸品工場の移転であるとかという具体的な例をぼくは挙げたから、そういう問題について、国が責任を持ってきちっと処理をいたしますということで答弁があれば、それでよろしいとぼくは言っているんだよ。どうですか。
  45. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) 何分にも国の直轄事業でございませんので、道工事でございますので、道の方で最大限のいま努力をして、何とかやりたいということを言っておりますので、われわれもその趣旨に沿って、できるだけ早く完成するように鋭意努力してまいりたい、このように考えております。
  46. 対馬孝且

    対馬孝且君 次官、いま聞いたとおり、道がとか国がとかとお互いにもたれ合ったらだめだ、こういうことは。まず国が最高の責任があるんだから、私の言いたいことは。国なら国が責任を持って道を指導するとか、あるいは道とももちろん提携してとかということはあるだろうけれども、まず国が責任を持って——いまあなたは冒頭言ったんだから、深く反省をして全力を挙げると、こう言っているんだから、全力を挙げるやさきになってきたら、いや、また何分むずかしい問題がございましてとか何とかって、あいまいになってくるわけだ。だからぼくたち言っているのであって、こういう問題については、国がやっぱり全力を挙げてやるという乙とをきちっとしてもらえばいいと言っているんですよ、私は。それを聞いているわけですよ。どうですか。
  47. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) ただいまの課長の答弁聞いておりますと、むずかしい問題というのは率直に申し上げて土地、家屋等が補償基準に合わないというところ、そういうような問題で交渉的に少し時期的にずれてくるであろうと、それが片づかない限りは工事が進めていけないという原則に基づいた話であろうと、私は思っております。先生の話は、国は国の責任を持つのかどうだということでありますが、国が持つべき責任は当然持たなければならぬと、私は思っております。  道庁並びに市町村との交渉は、国が中心になりながら話を進めていって、そして各先生方が御心配しておっていただくように、第三次災害の起きないことに全力を傾倒していかなければなりませんから、一日も速やかに課長もその心がけを持って進んでくれるでありましょうし、各省それぞれがその気持ちを持っていただいておることだけは間違いないと思っております。  ただ、大臣先生にはお答えを申し上げたことであろうと、それはもうどうしてもなさねばならぬことであるという第一次災害を見てその所感を述べられ、そして質問に対して答えたことであろうと思っております。私どもは、次の大臣の私は政務次官でありまするが、心がけには何ら変わっておりません。懸命な努力を皆さんとともに進めて、先生方の御意思に沿っていきたいと考えておりますので、御了承いただきたいと思います。
  48. 対馬孝且

    対馬孝且君 それじゃ、いま次官からのお答えで、国の責任でそういった流水路建設の場合の家屋の移転、あるいは工場の移転等についての配慮を含めて国が責任を持ってやると、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。——わかりました。  それでは次に、二百三十号線の泉地区の問題についてちょっとお伺いしたいんですがね、二百三十号線の泉地区対策について、現実にはこの問題も相当今回の十月二十四日、それ以前の九月二十六日災害、それから十月十六日の災害等で、実はこれは馬が一頭死んでいるんですよ。それから豚が数頭やっぱり犠牲になっているわけだ。御案内のとおり、明地へ行かれたらわかると思うんだけれども、あの泉の沢から上がってきた土砂あるいは土石が全部道路を越えてあっちの方へ、二百三十号線を越えて流れていっているわけですよ。馬が海まで、虻田の海まで行っちゃったんだから。報告されているかどうかは知らぬけれども、知っているかどうか知らぬけれども、現実にそういう被害に遭っているわけだ。  そこで、二百三十号線の泉地区対策の中でお聞きしますと、何か国が上の方まではやるけれども、下の方は町の段階でやってくれと、こういう話になっている。こんなばかげた、そういうことをやるからこれ実は災害がまた起きるんだよ。上の方だけが何か幅二メートルぐらいに拡大して、つまり灌漑排水を広めていく、これは結構なことだ。結構なことなんだが、下の方までつながっていかないとのみ込めないと思うんですよ、下の方は。町はそれに対応できるわけじゃないんだから。だから通すなら一本真っすぐ下まで、海までやっぱり国の責任できちっと二百三十号線にまつわる問題については処理をすると。こういう基本方針立ててもらわないとね、上からあれは国だ、下は町だと、またこれ災害起きますよ。現実には北海道の道庁でやったあの泉沢の工事見なさい、あんた。上は林務部だと、林務部では五メートル以上のものができ上がった。下は農地開発部でやった。まるで子供のままごと遊びみたいに、その辺の家屋の上下水道みたいなものをつけて、そこへあんた二十トンぐらいの巨石がごろんごろん流れてきているんだよ。こんな子供だましみたいな工事やるから災害になるんだよ。そういうっまり悪いくせは、国も道も同じなんだけれども、各区、各区のセクショナリズムが出てきて、ここからここまでおれの責任だけれども、ここからここまではおれの責任じゃないんだと、やることがちぐはぐなんだよ。  そういうために、先ほども遠藤先生からもあったように、国土庁がやっぱり一貫体制で——去年も言っているんだ、私が。そういうふうにしますと、ここでちゃん言ったんだよ、田澤長官は。国土庁が一貫体制をもって全部本部をつくって、そうして横の関係はきちっと整理いたしましょうと、こうなっているんだよ。なっていろんだけれども、工事が出てくれば、ここからここまでは農林省でございまして、ここからは建設省でございまして。おしまいの果てにいったら、それはどうも、ひょっとしたら環境庁でないでしょうかなんて、わかったようなわからないような、被害者にしてみれば、どこであろうとここであろうと、被害を受けたのには間違いないんだよ。こんなばかげた対策をやっているから、今日の災害が起きているんだよ、これ。どうですか、この点。
  49. 川本正知

    説明員(川本正知君) いま先生おっしゃいましたのは、国道二百三十号沿いに海まで行っております板谷川という川がございます。そのことだろうと思います。
  50. 対馬孝且

    対馬孝且君 板谷川とトコトン川の関係
  51. 川本正知

    説明員(川本正知君) 板谷川につきましては、これはトコトン川もそうでございますが、現在は普通河川と言いまして河川法の適用のない、いわゆる普通河川ということでございます。  板谷川につきましては、河口から約一・八キロぐらいの区間は、昭和四十四年に災害関連工事で護岸等も含めてある程度の川幅がちゃんときれいにできておりまして、一応整備されております。いま先生おっしゃいましたように、二百三十号の方の道路の側溝等がこれから整備されるようでございますが、そういったことが整備されますと、確かに受けざらとしての板谷川の流量というものもふえるということも予想されます。そういったことで、下流の板谷川の河道の洪水の流下能力、そういったものも検討する必要がございますし、洪水時の被害等も早急に検討いたしまして、改修の必要性がありましたならば、これは現在普通河川でございますので、普通河川改修ということで道が補助をいたします。そういう改修制度もございます。あるいは町の方が河川法を準用いたしますいわゆる準用河川、そういったものに指定していただきまして、そういったことに対して、国がその改修に対して補助をするという準用河川改修補助という制度もございます。そういったいろいろの改修制度もございますし、そういったことを含めて早急にいま測量等の調査にかかることにいたしております。そういったことでその調査の結果を踏まえまして、今後町やあるいはもちろん道でございますが、そういった関係機関と協議を進めて対策を講じたい、こういうように思っております。
  52. 対馬孝且

    対馬孝且君 結論は、国が一貫体制をもってそういうちぐはぐなことのならないような、板谷川あるいはトコタン川の体制をとりますと、こう理解していいですね。
  53. 川本正知

    説明員(川本正知君) 国の方が指導してそういった対策を進めてまいるということであります。
  54. 対馬孝且

    対馬孝且君 指導するということは、金を出すということだよ。ただ口でぱくぱく言って金を出さないんじゃ、指導にならないんだからな、いいな、それは。
  55. 川本正知

    説明員(川本正知君) いまのお話でございますが、先ほど申し上げましたように道の補助という制度もございますし、国の補助するという制度もごいますので、そういった意味で国の方からの指導ということで御了解いただきたいと思います。
  56. 対馬孝且

    対馬孝且君 次の問題。  ひとつ水道工事の関係で、厚生省に伺いますが、あなたは現地に行ってこられましたか。−まだ見てない。そういうことではだめだね。少なくともやっぱり現地に行ってすぐに対応しなきゃ。  御案内のとおり、浄水場が完全に今回の泥流でもって全滅、壊滅しているわけですよ。何と言ったって水は命の問題ですからね。当面緊急対策をなされておりますけれども、これは当面対策とそれから長期の対策をどのようにお考えになっておるのか、この点をちょっとひとつお伺いしたい。
  57. 国川建二

    説明員(国川建二君) ただいま先生御指摘のとおり、浄水場の問題大変重要な問題でございますから、当面の問題といたしましては、現在の浄水場を応急的に復申して機能を回復している状況でございますけれども、これではいつまでもというわけにいきませんので、恒久的には浄水場を別な地点に移転する方向で、現在その計画を進めているわけでございますが、その間暫定の仮の浄水場と申しますか、暫定の浄水場も必要であろう、そういう二段構えで対応を進めたいということを考えておりまして、そういう方向で進めたいと思っております。
  58. 対馬孝且

    対馬孝且君 二段構えはいいんだけれども、その本格的な完成のめどはいつなんだ、本格的な浄水場の完成。それから、当面の対策はわかったけれども、本格的な完成をいつまでに完成をするのか、そういうことをきちっとやっぱり住民の不安を解消するために明確にしてもらいたい。
  59. 国川建二

    説明員(国川建二君) 浄水場を移転いたしますと本格的な浄水場を別な線に建設するわけでございます。したがいまして、地形的な地理的な条件等もございましょうが、一応のめどといたしましては一年半かかるのではないか。で、具体的には五十五年の六月末をめどにしたいと思っております。もちろん当然ではございますけれども、その間できるだけ早く済むような工法等も検討いたしたい。  それから暫定の浄水場につきましては、これは工法等も特別な工法で特殊な装置を持ち込めば、工期といたしましては約二カ月程度、着工すればその程度で暫定浄水場はできるものというように考えております。
  60. 対馬孝且

    対馬孝且君 ひとつ五十五年——まあ一年半と言うんだけれども、突貫工事やったりなんかして、水はやっぱり生命の基本の問題だから、できるだけ工事を突貫工事でもやって、繰り上げてひとつ促進をするように特に要望をしておきます。  それから次の問題、通産省来ていますかな、通産省。——この前、通産省に対しまして、昨年の段階でも私は松代地震に次ぐ洞爺の対策をとっていただいたということについては感謝しますがね。当面何といってもこういった二百五十万の観光客が北海道では三分の一に減ってしまっている、このままでいったら四分の一、五分の一まで減になるんではないか。事実上観光業が本当に営業停止と、こういう実態になってしまっておるわけだ。これはやっぱり、緊急対策も恒久対策も両方あわせて言えることなんだが、昨年は一応の手だてをしてもらったけれども、当面これでは営業がなってないわけですからね、むしろ抱えている従業員一体どうするかということで、大変な四苦八苦しているわけだ。こういう状態の関係からいって、第一点は、いままでの貸し付けをした金については一年間ひとつ償還たな上げにすべきである、最低としても。できれば三年ぐらい償還を延期をしてもらってということの現地の強い要望があるんだけれども、当面だね、当面一年だけはひとつ延期、たな上げをしてもらいたい、これが一点です。  それからもう一つの問題は、これは、これも環境庁も来ておるかもしれませんが、温泉源が十本あるのが三本これいかれちゃったわけだ。一本は地殻変動でやられ、二本は今回の泥流災害でやられているわけだ。これはもう御案内のとおり温泉協同組合が温泉源のあれを管理しておるわけですが、いままで二千万以上の支出をしておるわけだね。これを何とか協同組合に対して特別融資を行って温泉源を確保すると、こういう対策をやっぱりとる必要があるんではないかということが考えられますので、この点ひとつ中小企業庁としてむしろ考えてやった方がいいんではないかと、こう考えますので、この点ひとつ二点目にお伺いしたい。  それから三点目。三点目は、いずれにしても、これは私もいま社会労働委員長をやっておりまして、不況対策の業種指定あるいは地域指定をやってまいりました。十分知っています。したがって、内容は知っているんでありますが、今回非常な温泉町のこういう災害に伴う実態が出てきましたので、労働省が言う求人倍率、就業率、それから通産省が言ういわゆる工業出荷額、こういうものを基礎にして今回の不況地域指定をしたわけですけれども、こういう問題考えてみますと非常に深刻になっているわけですな。これも私は、いますぐどうせいということを言うつもりはありませんけれども、何とかひとつ今後の問題として、特定不況地域の一環としての検討に値するものではないかと、こういうふうに考えておりますので、以上この三点をちょっとお伺いをしたいと、こう思います。
  61. 山口務

    説明員(山口務君) まず第一番目に、泥流災害に伴いまして観光客が減ったということで、関係商工業者の資金繰りが非常に困難を来しておる、こういう御指摘でございますが、それに関連いたしまして、企業借入金の償還期間の延長ということについて御要望があったわけですが、本件につきましては、すでに関係中小企業者の企業借入金につきまして、政府系中小金融機関につきましては、個々の実情に応じまして償還猶予を行うことといたしておりますので、各金融機関の窓口におきまして御相談に応じたいと、こういうふうに思っております。なお、御指摘の中には一律にその償還猶予措置をとるということも含まれておると、こういうふうに理解しておりますが、こういう場合に、一律に償還猶余をすることについてはいろいろむずかしい問題もございますが、趣旨を踏まえて検討してまいりたい、こういうふうに思っております。  それから、第二番目に温泉源の問題でございますが、その復旧に当たりましてはいろいろいま道庁とも連絡をとって、何かいい方法はないかということで財源対策を考えておりますが、一つの案といたしまして、中小企業高度化資金による助成ということがなじむんではなかろうか、こういうことで道の方に提案しておりますので、その方向で具体的な案が詰まればというふうに考えておる次第でございます。  それから、第三番目の不況地域の問題でございますが、これは先生もう十分御承知の上でおっしゃっていると思いますが、今回制定いただきました特定不況地域法は、構造不況業種の急激な落ち込みに伴う関連中小企業者の対策ということになっておりますので、今回の有珠山関係の場合は、事柄の性格上、構造不況業種との関連ということで処理することは非常にむずかしいとは思いますが、したがって、別途災害対策のきめ細かな運用等で対処できる方向で努力していきたいと思っております。
  62. 対馬孝且

    対馬孝且君 一つだけ、一律償還延期の問題だけれども、実態ちょっと申し上げますと、銀行の窓口で通産省が行政指導するのはわかるんだけれども、窓口へ行けばこれはシビアにならざるを得ないわけだ、率直に言って。だから私は、道段階でもやったんだからやっぱり国も、道がやる限り国だって一律一年は、この際すぱっと割り切って延期してもらいたい。あなたは前向きで検討すると言うから、それは結構なことだから、その点ひとつ、個別ケースでいくとやっぱり救えるものも救われなくなる、こういう実態が障害的に出てきているものですから、この点一つ特に申し上げておきたいと思います。  それから、いま申し上げました温泉源の問題についてはわかりました。そういう方向で結構ですから、何とかひとつ協同組合にそういうものを援助できるような融資対策を考えていただきたい、こういうふうに考えます。  それから、地域指定の問題は法律を最大限に運用するということがあるんだから、拡大運用というのはよく政府が使う、大臣が使う言葉なんだから、これ。だから拡大運用をして、この際やっぱり検討してもらいたいというふうに特に申し上げておきたいと思います。答弁は要りませんからね。  それじゃ次の問題、住宅問題につきましてちょっと一つ。建設省来ていますかな。——住宅関係一つは、この被災者の一時住宅の産労住宅八棟九十六戸、これにかかわる住宅金融公庫既貸付金のこれも償還猶予、融資条件の緩和をぜひひとつしてもらいたい、これが一つあるわけですよ。  もう一つの問題は、泥流危険地域にある産労住宅の八棟九十六戸の関係で、これは労働省、来ておりますか。——労働省に、これ大臣に私も率直にこの間、十六日に藤井労働大臣にもお願いしまして、雇用促進住宅を実はここに八十戸つくってもらいたいということを話しまして、幸い大臣から快いお返事をいただいておりますけれども、なお担当の責任者である課長の方からひとつこの問題お伺いしたいと思います。  そこで、被災者の公営住宅の関係、建設省に。つまり十九棟五十三戸の代替建設、これについては用地は確保済みだと、こう言うのでありますが、この点についての速やかな建設と援助をひとつしてもらいたいと、こういう問題出ているんですが、労働省でさえ英断を持って大臣は、これ緊急非常事態であるということで決意のほどを申されておられますので、建設省は当面の当事者だから、これはひとつ積極的な答えをいただきたいと思うんです。
  63. 大田敏彦

    説明員(大田敏彦君) 十九棟五十三戸の代替住宅の建設についてでございますけれども、虻田町が危険区域として指定した区域内に確かに二団地十九棟五十三戸が含まれておりますが、現在、道及び虻田町からの御要望では、まずこの公営住宅を復旧するについて、どういう立場をとったらいいだろうかという点でございます。  まず、先ほどから御議論のような砂防ダム流路工、遊砂地等、砂防事業実施計画の内容に応じて、現地で復申して継続して使用するか、あるいは全然そこを放棄して地区外に再建するか、その決断をしたい、その決断がありますれば、わが方は当然それに応じまして、もし用地の確保がもう万全であり、そこが災害の危険が再び起こらないということであれば、十分地区対策について検討してまいりたいと、こう思うわけでございます。
  64. 白井晋太郎

    説明員白井晋太郎君) お答えいたします。  雇用促進住宅につきましては、先生よく御承知のとおり、これは労働者の地域間移動を円滑化するために建てているものでございますが、そういう意味で、産労住宅に直ちに変わるものではございませんけれども、道それから地元等の御要望をも十分踏まえまして、いまおっしゃいました特別対策という点も考慮しながら、前向きに検討してまいりたいというふうに思っております。
  65. 対馬孝且

    対馬孝且君 建設省の方ね、地元とも十分打ち合わせをしてやるということはよくわかるんだけれども、現実にこれはあなた、公営住宅としてはやらなければどうしようもないでしょう、どう言ったって。だから、地元と打ち合わせをすることは結構なんだが、建設省の基本姿勢としてやるという姿勢で了解していいですか。
  66. 大田敏彦

    説明員(大田敏彦君) 現実に被害を受けておる住宅でございますから、復旧するか、あるいは移転するか、とにかく措置はつけます。
  67. 対馬孝且

    対馬孝且君 措置をするということは、新たに公営住宅も建設するということも含まっての措置だと、こういう基本姿勢だね。
  68. 大田敏彦

    説明員(大田敏彦君) そのとおりでございます。
  69. 対馬孝且

    対馬孝且君 はい、わかりました。それでは、そういうことでぜひひとつ、住宅の問題はやっぱり一番基本の問題ですから、そういうことで。  それから、労働省の場合は大臣とも話しておりますので、そういうことで来年度、五十四年度の本予算でこれをひとつぜひ着工の段階にしてもらいたい。特に一つ申し上げておきます。いいですね。  次の問題は、これはこの前の九月の、昨年の段階でもずいぶん申し上げたことなんでありますが、何といっても今回の二次災害の人災が出まして、これは次官にお伺いしたいんでありますが、いわゆる個人救済の問題なんですよ。家屋が破砕をしてしまって、あるいはもう家財道具は全部流出しちゃって、それからマイカーがほとんど流されているわけだ。これはやっぱり何とか、そろそろもうこれは個人の責任だということだけでなくて、これはぜひひとつ検討してもらいたいということで、去年、私、九月の十六日の災害特別委員会でも申し上げたんでありますが、当時、田澤長官も答えていますけれども、共済制度、各党間で一まあここにいる川村委員長中心にして災害特別委員会がいまもちろんあるわけですけれども、この共済制度というものを何とかひとつ個人救済をできるような仕組みにしないと、これは私、全く矛盾していると思うんです。この問題だけは。たとえば交通事故あるでしょう、交通事故でぶつかった場合、これは保険があるんだよ。保険で救済されるわけだ、そうでしょう。ところが、災害でもって、泥流でもってエンジンはがしがしになり、それこそ窓ガラスは壊れ、事実上自動車は、マイカーは不能になっているわけだ。今回の場合は、すぽっと泥流で流されて海へ持っていかれちゃったわけだ。全く通り魔に遭って殺人を受けたか、夜中にどろぼうに入られたか、それこそばっと殺されて、あっ御苦労さんでしたではまことにかわいそうでありまして、これで、はい終わりと言うんじゃ、これ問題だと思うんだな、やっぱり。家屋の問題にしてもしかりでしょう、あの木の実団地の場合、自分でせっせせっせ一千五百万も二千万も使って建てたうちが、すぽっとこれ持っていかれちゃった。こういう問題について、これは現在法律がありませんからいたし方ありませんと、答弁すぐはね返るんだけれども、そんな姿勢ではどうしようもないと思うんだ、これ。  去年も申し上げたんだが、大臣としては政府側としても、私が要望したのは個人救済について、少なくとも交通事故だって自分の責任であっても補償されるべきものが、こういう明らかに人災による災害で自分の個人資産が守られない、こんなばかげた話が一体許されるかというのが率直な住民の声ですよ、怒り心頭に達しています。そういう意味では、ひとつ政府側としてこの問題についてどういうふうにこれから検討をし、あるいは対策をしようとしているのか、私に言わせれば、やっぱり共済制度の確立をもっとテンポを早めて、政府原案らしきものを提案すべきじゃないか、政府案としてのあれを提案をすべきだ、立法を提案すべきだ、こう考えるんですが、いかがなものですか。
  70. 四柳修

    説明員(四柳修君) ただいまのお尋ねの、災害に伴います個人のこうむった被害の救済措置の問題につきましては、この参議院の特別委員会にも特に小委員会を設けていただき、衆議院も同じような形をつくって、実は漸進的と言っては恐縮でございますけれども、ここ数年の状況で申し上げますと、特に災害関係は昨年の九月に、風水害の関係の損害保険につきまして従来より基準を緩和をしてお見舞い金の金額を引き上げた。それから、せんだっての宮城沖地震に関しまして地震保険につきましても、大蔵省の方で損保協会の方にいろいろ話をし、現在検討をし、できれば年度内に一つの方向を出したいという話がございます。そういう形のほかに、いろいろ経過がございましたけれども、いま御指摘の公的ないわば共済制度といいますか、この問題を、かつて総理府の方で個人災害共済制度を創設するために、いろいろ御議論ありましたものですから、アンケートをとったり何なり調査したわけでございますが、結論的に申し上げますと、強制加入を義務づけるだけの公益性がないということが第一点。  第二点は、そうなりますとどうしても任意加入になりますが、任意加入にしますと、いわゆる逆選択という形で、災害の多いところの方々がよけいお入りになって採算がとれないという問題が出てまいります。  第三点は、そういったものの具体的な事務を進める場合に、住民からの掛金徴収ですとか、そういった点でいろいろ実行上困難な問題が多いということ。  それから、最後に四点目としまして、やはりどうしても災害は、地域的に偏ってしまう傾向が従来ございました。いわば多発地帯というかっこうで、そのこと自体が非常に災害になじみにくいものですから、実は、民間の損害保険でも御案内のように、火災の多いところはやはり保険金額が高いという形になります。そういった経過がありまして、いまの見舞い金なり弔慰金のようなかっこうに変わったわけでございまして、これらの点、数次にわたりいろいろ御議論ございまして、私どもの方もそれぞれ関係省庁で、たとえば水害保険の問題であるとかいろんなところを検討しておる状況でございますけれども、そういう意味で、全国的な共済制度にどうやったら近づけられるかということを検討している状況でございます。
  71. 対馬孝且

    対馬孝且君 これ、前回もずいぶん私も主張しておりますけれども、実際行って見てわかるでしょう、審議官現地へ行かれてみて。私はこれほど矛盾したものはないと思うんだな、やっぱり。実際自分の責めでもないのに、災害でもって全部自分が犠牲になっている。そこに何らの救済措置もないというばかげた話は一体ないと思うんだ、私は。これはやっぱり本来なら、特例法をつくってやるべきだという私は個人的な見解を持っているんだけれども、それは別にして、何らかいま前回も国土庁長官は前向きでひとつこの法案を、法案というか別な手だてを何とか講じてみたいという答弁になってますね、当時の田澤長官の答弁は。これもう一回、あなたもそういう答弁しているんだが、具体的に実るような個人救済の方途について、十分にひとつ検討していただくということについていかがなものですか。この点どうですか。
  72. 四柳修

    説明員(四柳修君) 具体的な問題としましては、現在建設省の方で水害保険という話を検討しておりますが、いま御質問の点は自動車についてというお話でございまして……
  73. 対馬孝且

    対馬孝且君 自動車、家屋、全部。
  74. 四柳修

    説明員(四柳修君) 家屋につきましては、やはり現在の仕組みが、損害保険に入っている方が大部分でございますから、そういう意味で損害保険の保険のてん補の仕組みの中に、そういったものをどこまで取り入れられるかと、とりわけせんだっての宮城沖地震で、従来全損だけしか出なかったものを分損についてもめんどう見られないかという経緯がございます。そういう中で、いまのいわば具体的な火山災害等によります被害というものの認定につきまして、やはり御趣旨のこと、担当の大蔵省の保険部の方にもよく伝えておきまして、そういう過程の中で織り込めないかどうかという御議論をしていただきたいと思います。
  75. 対馬孝且

    対馬孝且君 これひとつ次官ね、次官にお伺いしたいんですが、いまの問題ね、個人救済ということは、これからの災害にやっぱり私はつきものだと思うんですね。だからやり方があるんじゃないかと。この前は、共済制度ということはかなり効率性が高いという大臣の所見があったんだけれども、何らかこの問題について政府側として、基本問題を含めてひとつ前向きに検討してもらうという点について、ひとつ次官の決断あるお答えを聞きたいんですが。
  76. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) ただいまの質問は、前回の参議院の災害対策委員会でも論議せられたと思っております。さらにそれに引き続いて大蔵省保険関係からも答弁があったように思いまするが、まあ、先生たちから御指摘いただいておりますことに私も賛意を表する一人であります。交通問題等、掛金を掛けておるとはいうものの、実質的に保険会社が大きな赤字になっておるかどうだということになると、そんなに赤字にはなっておりません。いろいろ保険制度のあり方というものにも、いま一度政府はこれに対しての何というのか検討を、全体的保険制度というものに対しての検討をせなければならぬ時期が来ておるじゃないかということも、国民側からの声として上がっておるわけであります。それはそれとしましての、個人に対する救済を共済的制度でもっていって、何とかできないかという御意見のようでございまするが、私は、これは前向きでさらに一層、相当の反対があろうと何があろうと検討する必要があろう、そうして、それに対するこうした災害を受けられた方々に対して、個人的な補償をするような制度へ持っていくことが、一人でも多くの方を救い上げることが国の責任でもあろうと考えております。  そういうことで、いま審議官が申されましたように、相当むずかしいいろいろの点があると思いますが、建設省側に中心になっていただき、国土庁としては、それを取りまとめていくという上において積極的姿勢で進めたいと思いますので、御理解いただきたいと思います。
  77. 対馬孝且

    対馬孝且君 まあ、次官からそういう反対があろうと賛成があろうと積極的にひとつ取り組んでみたいという力強い決意がございましたから、それを期待しまして、これからひとつ何とか政府の具体案が出るように期待をしていきたいと思います。  最後に、時間もまいりましたので、有珠山全体をやっぱり見直す段階に来ているんじゃないかと。私は総合的に有珠山というものを、あるいは虻田町全体を総合政策として国がやっぱり見直すべきだと。見直すということは、地域振興の立場から見直してもらいたいと私は言っているんです。これ一番やっぱり大事だと思うんですよ。いまもう温泉町は、このままでいったら一体洞爺湖はどうなるんだろうと。大体一般の人も、これ車で行ったら、洞爺湖行ったってしょうがないじゃないかというふうな、修学旅行はもうほとんど契約は取り消してしまう、あるいは観光客もどんどん不安が先に立ってくると、こういうことでは——これは私は単なる虻田町の一地域の問題に限定すべき問題ではない、むしろ国立公園なんだから、国が国立公園として定めた限り、むしろこれからより活力ある虻田町、洞爺湖国立公園とするためには、むしろ国土庁として総合政策の一環として、この際、特別予算も組んでもひとつ思い切った虻田町の、本当の洞爺湖の国立公園を見直して、活力ある総合政策をひとつ検討していただきたい。これが私の強い——現地からもきょうも大分来ておりますけれども、そこが一番、将来の先行きが一体どうなるのかということが本当に心配されてきょう皆さん来ておるわけで、これは町の問題だけではない、やっぱり国土庁の、国の方針としてこれをどうするかということをこの際ひとつ、経験をお持ちになっている次官でございますから、この問題について次官のひとつ所信をお伺いをしたい、これが一点です。  もう一つは、前回の法改正で、活動火山の法改正のときに地殻変動の問題についてぜひ入れてもらいたいと私思っておったんだけれども、法案ができた後だったものだからしょうがなかったんだけれども、地殻変動の条件について、いまの法律は具備されてないわけです。これを何とか法改正をやっぱりすべきではないかということが一点。  いま一つは、今回の有珠山の問題は活動火山法の指定地域に当然すべきであると、以上三点。最後に次官の責任ある立場でひとつ所見をお伺いをして終わりたいと、こう思います。
  78. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) ただいまの質問に対して全く同感でございます。きょうはたくさんの傍聴者もいらっしゃるようでありまするが、ただいま先生から、大変地元からも心配して出席をし、成り行きを聞いているんだということでありまするが、国土庁の櫻内長官も大変この問題につきまして、有珠山の将来、この地域に対する考え方というもの、温泉等々を考えてどうあるべきかということは、先日も大臣と二人だけで話し合ったときにもその話が出ました。これは全体、北海道の名物の一つとして、また国としても大きな国立公園数ある中でも、特にこの地域の国立公園というものは日本的なものであるという立場から考えて、観光客二百数十万という方が今日では八十万足らずしか、危険性を考え、そして何かそこに行くと、いつ何どき起きるかわからないという懸念のもとと安心感がないということで、観光客も減ってきたということ等々をにらみ合わせて考えてまいりますときに、相当大規模な方法を講じていかなければならぬということは政府は当然考えておるでありましょうし、国土庁としても考えているわけであります。  第三次総合開発の中の取り組みには入っておりませんけれども、これはもう考えていたことでないのが突発的に起きた事故でありますから、今後これに対して、皆さん方の特に御心配していただく点を十分取り入れながら新しい構想をつくり上げて、そして御安心できるような方向へ持っていき、提示をしていただくことをこいねがって私どもは進めたいと思いますので、どうぞ御了承をしていただきたいと思います。  それから地殻変動等の法律案に対する問題につきましては、きめ細かく関係者から御説明申し上げることでございますので、御理解いただきたいと思います。
  79. 四柳修

    説明員(四柳修君) 二点目のお尋ねの地殻変動の問題でございますけれども、御案内のように火山活動に随発して起こるものでございますから、この法律の目的の火山活動の中には、この先般の御改正のときにも御議論の中で一応火山現象の中には入るというふうに理解をされたわけでございますが、具体的なこの法律で考えております。たとえば避難施設ですとか防災営農事業というものが、直接的にそういった地殻変動との関連というものは実は余りないという形で、御案内のような形で、むしろ病院ですとか住宅ですとか、そういったものがやはり活断層上にあるためになかなか整備されない、あるいは対策がとられないという形で検討課題として位置づけられているわけでございますが、それらの点につきまして、法律という問題もあろうかと思いますけれども、それぞれの運用の対応の中で考えてまいらなければならないと考えております。  それから三点目の、活火山法の関連の地域指定の問題でございますが、現在道庁の方で関係市町村の方からいろいろ区域の問題、事業計画の内容等をおまとめいただいておる状況でございまして、そういったものが参りますと、やはり関係省庁の方に協議の上、その指定の作業を進めてまいりたいと考えております。
  80. 川村清一

    委員長川村清一君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分再開することとし、休憩いたします。    午後零時二十一分休憩      ————◇—————    午後一時十五分開会
  81. 川村清一

    委員長川村清一君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  ただいま太田淳夫君が委員辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。
  82. 川村清一

    委員長川村清一君) 休憩前に引き続き災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  83. 村沢牧

    村沢牧君 私は桜島降灰について質問いたしますが、先ほど調査報告書で申し上げたとおり、私はもう現地視察いたしまして、想像以上のものがあったというふうに思われます。そこで、政府も手は尽くしておるわけでありますが、先ほど遠藤先生から指摘もあったとおり、同じような陳情が毎年出されておるわけであります。  そこで、調査の中で感じた点あるいは要望のあった問題、これらについて質問をし、ある面においては確認もしてまいりたいというふうに思います。したがって、降灰で苦しんでおる現地の人たちに何か安心感を与えるような前向きな御答弁もいただきたいし、答弁は積極的に、また対処してもらいたいというふうに思うんであります。また、この中では法の改正によって成果を上げている面も認めるわけでありますけれども、しかし、まだまだ法が不備な点、補足しなければならない点、そうしたこともあるというふうに感じておりますから、これは調査報告書の中で、国土庁の方でもお感じになっているというふうに思いますけれども、それらについてもひとつ質問をいたしますから、御検討いただきたいというふうに思うんであります。  まず、最初に国土庁にお聞きをしますけれども降灰防除地域の拡大についてであります。  現在、鹿児島垂水桜島町の二市一町がこの降灰防除地域として指定をされておるわけでありますけれども、これらの地域以外でも最近降灰量が多くなってきており、あるいは降灰防除事業実施しなければならないような自治体も出てきているわけであります。さらにまた、法並びにその施行令に該当すると思われるような降灰量地域があるという市町村もありますから、二市一町に限らず防除地域を拡大すべきであるというふうに思うんでありますけれども、最近の降灰現状を見て、この地域拡大についてはどのように判断をされておられますか、最初にお聞きをしたいんです。
  84. 四柳修

    説明員(四柳修君) 降灰防除地域の拡大につきましては、先ほどの調査団の御報告にもございましたように、確かにことしは非常に降灰量が多うございまして、御案内のように鹿児島垂水桜島町の二市一町を指定いたしましたときは、まあいままでの平均的な降灰量をベースにして、基準に該当するという形でやったわけでございますが、とりわけことしが多くて、まあそういった関係上、錦江湾沿いの他の市町村におきましても追加の希望があることは伺っております。そういう観点から、今後県から正式の御要望が出されました場合には、そういった基準に照らし合わせまして、前向きの方向で拡大のことを考えてまいりたいと思っております。
  85. 村沢牧

    村沢牧君 地域拡大については、鹿児島県から具体的に要望があった際にはひとつ国土庁でも検討すると、前向きに取り組むということでありますから、それではそれは鹿児島県の申請にまちたいというふうに思います。  次に気象庁にお聞きをいたしますけれども鹿児島気象台の説明によりますと、火山の活動状況は引き続き活発な噴火活動を続けておる、ことしの十月末日までの爆発回数は二百十八回、百三十四日を数え、日数では昨年を上回っておるが、火山噴火予知連絡会統一見解としては、大噴火の徴候は認められないというふうに判定をしておる、こういう説明があったわけでありますけれども、このように理解をしてよろしいかどうかということが一点。  それから、大噴火はないといたしましても、しかし噴火活動は非常に活発になってきておるわけであります。降灰量も昨年と比較いたしまして、ところによっては五倍にも達するようなところもあるわけですね。こうした状況は、今後とも続いていくというふうに判断をされますかどうか。  それから、先ほど午前中の質問で金丸委員からも、観測体制強化について質問があったわけでありますけれも、この観測施設は、説明によると地震計が三カ所、傾斜計が一カ所、こういうことになっておるわけですけれども、これでもって非常に頻発する噴火に対応する観測ができるかどうか。さらにまた、気象台で降灰観測を実施をしておるのは一カ所であります。あとは市町村の協力によって、市町村自体が行っているということであります。したがって、降灰の実態を正確に把握して対策を立てるためには、しかもまた、降灰がずうっと続いていくという現状の上に立てば、市町村もやるのはいいとしても、気象台自体が、国自体がもっと観測点をふやし、強化すべきではないか、このように見てきたわけでありますけれども、これについてどのようにするのか。先ほどの答弁では、今後とも観測体制強化していくというような答弁であったわけですけれども、きわめて抽象的な答弁でありますから、具体的にそれでは観測施設はどういうふうにする、あるいは降灰観測点はどういうふうにする、具体的なひとつお答えを願いたいというふうに思います。
  86. 渡辺偉夫

    説明員(渡辺偉夫君) 幾つかの点の御質問がありましたのでそれについて、大きく分けまして三点あったと存じます。一番最初のは、大きな噴火がこれからないのか、あるいは今後それが、大噴火がないとするとどうなのかという、あるいはどういう噴火がといいますか、そういうことがあるのかという質問でございます。  御承知のように桜島は、引き続きまして火山灰の多い火山活動が続いていることは御承知のとおりでございますが、このような桜島活動といいますのは、昭和三十年以来二十三年間ほとんど継続的な活動を終始しておるわけであります。そのためにマグマが容易に、火道といいますか、マグマの通り道が、外へ容易に放出されやすいという状態が現在続いてあるわけであります。このために、非常に長い間の高い水準の火山活動が続いているわけでございますが、大正三年の非常に大きな大噴火がありましたが、そのときには地殻変動を生じまして、いわゆる隆起量が非常に大きい、そういう状態がございましたが、最近地殻変動の状態を観察といいますか、測量その他から判断しますと、そういう大規模地震、大正三年のような状態に移行しておるような徴候は全然見当たらない。そういうことから噴火予知連絡会の見解としましては、大規模な、大噴火につながるところの徴候はないという判断を下したわけでございます。  しかしながら先ほど申しましたように、火道が非常に通りやすいという状況がありますので、今後とも山ろく部に噴石を落下する、そういうような爆発があったり、あるいは多量の降灰を伴うような火山活動というのは、今後も繰り返し繰り返し恐らく続くものと考えられます。したがって、降灰の場合は特に強風とか気象的な条件に非常に左右されるわけでございますので、私たちは火山情報の中に気象的な要素も入れまして、この点を留意しながら現在火山情報の発表を行っているわけでございます。  それから第二点で、観測体制の問題でございます。気象庁といたしましては、現在地震観測点先生御指摘のとおり三点とそれから傾斜計が一点ございまして、そのほかに地磁気の観測も現在行っております。で、そのほかに京都大学も幾つか同じような観測点を持っておりますので、その点との連絡あるいはデータの交換というのは現在密接に行い、噴火予知連絡会その他を通じまして、いろいろデータの交換を行って火山活動を監視しているわけでございます。今後も私たち気象庁といたしまして、大学あるいは関係機関とか研究所のいろんな研究成果を踏まえまして、必要な観測点、観測施設の近代化、この中にはデータの処理の問題もあります。それから観測の強化の問題も含めまして、火山活動のより精密な、正確な状況の把握ということを考えて、火山情報の質の向上、これはあくまでも噴火現象あるいは噴火予知と、そういうものにつながるような火山情報の質的な向上を図りたいということでございます。  第三点は、降灰観測でございます。降灰観測は、先ほど私が申し上げましたように気象庁では鹿児島気象台において昭和三十年以来ずっと続いているわけでございます。そのほかに、今年四月以降ですか、建設大臣の定めるところによって鹿児島県及び建設省等で桜島周辺で約五十点降灰観測が実施されておることは御存じのとおりでございます。先ほど私たちとしましては、これは関係省庁とこの観測については質的な均質性といいますか、そういう問題が非常に、同じような質を持った観測をする必要がございますので、そういう点で各省庁との間で協力体制を考えまして、その協力体制の中できちんとした観測をしていきたいということで、先ほど観測強化と言いましたが、協力体制強化ということで、各機関で観測しておりますところの観測を、お互いに質の均質化を図るために協力体制を図っていきたいということで、私、先ほども同じような考えを述べたわけであります。  以上でございます。
  87. 村沢牧

    村沢牧君 気象庁ですね、先ほども国土庁質問したんですが、防除地域の拡大について、鹿児島県当局から要請があれば拡大をしていくという話もあったわけですね。私は拡大をしなければならないというふうに思うんですが、そういう場合には、やはり気象庁としても鹿児島気象台の一カ所だけで降灰の観側をするということじゃなくて、やっぱり気象庁としても主要な地点に何カ所か設けて観側をすること、これがやっぱり質的に高めるということになるんじゃないですかね。一カ所だけでいいですか。他の機関ともちろん協力関係は保つのは当然のことでありますけれども、やはり長くこの降灰が続くんですから、ですからそういう場合に気象庁として、もう少し観測点をふやす必要があるんではないかというふうに思うんですが、どうですか、その辺は。
  88. 渡辺偉夫

    説明員(渡辺偉夫君) この降灰の観測は、いわばある平方メートル当たりの重量、重さをはかるわけでございます。この観測は、現在継続的に私たちの方では、先ほども申し上げましたように鹿児島気象台でずっと行っているわけでございます。すでに県とか建設省の方も行われておりますので、この間の協力といいますか、均質化を図るという現状で、私たちはいろんな点での対応ができるんじゃないかということを考えておるわけでございます。ですからいまのところ、先生おっしゃいましたように、気象庁としてそれよりほかの点との、いわゆる何といいますか、それよりも数をふやす、そういう考えじゃなくて、やはり県とか各関係機関の御測定になっているところの均質化といいますか、そのデータの質的な向上あるいは均質化というものでもって対処をしていきたいという考え方であります。  以上でございます。
  89. 村沢牧

    村沢牧君 降灰の観測は、それほどむずかしい技術が要るものでもないというふうに見受けられましたから、他の機関でもできるでありましょうけれども、お話があったように、他の機関でやったものをうまくやっぱり、連絡協調という話があったわけですけれども、それをやって、気象台でしっかりしたものをつかむということが必要であるというふうに思いますから、私はここであと二カ所にしろ、三カ所にしろということは申し上げませんけれども、必要が生じた場合にはふやしていくという姿勢をひとつとっていってもらいたいというふうに思います。  次に、公共施設降灰除去事業についてお伺いしたいんですけれども、小中学校など学校施設だとか、社会福祉施設窓枠改良だとか、冷房装置、換気施設、こういう工事は、先ほど報告書で申し上げたとおり大変喜ばれており、それなりに成果も上げておるというふうに思うんです。したがって、なるべく早い期間にこれらを完了する必要があろうというふうに思います。五十四年度の要求もすでに鹿児島県から出されておるというふうに思いますけれども、これについては、この要求にこたえてもらいたいというふうに思いますが、これはこたえますか。要求にこたえて、県の要求をしたとおりな形の方向づけに持っていかれるかどうかということも、確認の意味で聞いておきたいとともに、あとの残余のものがあるわけです。これは五十五年度でもってすべて完結していくような方針でおられるかどうかということです。  それから、冷房あるいはまた換気装置、これは暑いときにやっぱり使用しなきやあんまり意味はなさないと思うんですね。私ども調査したその直前に、ことしの場合は冷房の試験をやってみました、換気の試験をやってみましたなんて言っておったんですけれども、これはつくれば来年の暑いときには利用できますけれども、どうせやるんですから、ひとつ五十四年度においては内示等を早くして、暑いときにやっぱり冷房装置、換気装置が利用できると、そういう方向に持っていくべきだというふうに思いますけれども、そういう用意があられるかどうか。  それから次は、学校やあるいは文化施設ですね、福祉施設の敷地の中における降灰除去事業、これについても、学校の敷地の中における降灰の除去については児童生徒が作業を行う、あるいはPTAに協力してもらって灰を収集して道路まで運び出すと、こういう作業を行っておるわけです。この降灰も一年に一回や二回ならがまんをするとしても、ずっと何回もやるということであっては学習にも影響してくるわけなんです。したがって、これらの公共施設の敷地内における降灰除去事業についても、灰の収集と、市町村長の指定をする集積場所まで運搬をする、これについてもやっぱり国庫補助の対象にすべきであるというふうに思いますけれども、こんなことはできないわけはないというふうに思うんですけれどもね、宅地についてはやってますから。この辺についてお伺いをしたいというふうに思うんですが。  それからもう一つ公共施設でありますけれども、これは厚生省関係になるというふうに思うんですけれども社会福祉施設降灰防除施設ですね、窓枠をつくる、あるいは冷房装置をつくる、既設のものについては補助の対象になるわけですけれども、これから新築をしよう、あるいは改築をしようとするものについては、これが補助の対象になっていないということなんですね。これはやっぱりそういう施設を新築する場合の基準単価のかさ上げをするなり、あるいは別枠補助にするなり、それもやっぱり考えなければならないというふうに思うんですけれども、その辺はどのように考えておられますか。文部省関係やあるいは厚生省関係にまたがっている問題があるというふうに思うんですが、それぞれの立場でひとつ答弁をいただきたいというふうに思います。
  90. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 学校の校庭等の降灰除去に要する経費につきましては、降灰が一時的に多量にあるなど、被害の大きなものにつきましては、現在公立学校施設災害復旧費国庫負担法というのがございまして、その法律に基づく国庫助成を行うことを現在考えております。このことにつきましては、すでに桜島町等から国庫補助の申請があるところでありまして、現在このことにつきまして検討中でございます。
  91. 倉地克次

    説明員(倉地克次君) 先生お尋ねの空気調整設備、それから窓枠の改築等でございますけれども、これは五十四年度分につきましては、県からよく要望を聞きまして、おおむねそのとおりの概算要求を行っている次第でございます。  それから、内示の時期の問題でございますが、五十三年度は初めてのことでございまして若干時期がおくれたわけでございますけれども、五十四年度につきましては、先生の御趣旨を生かしてひとつ十分検討してみたいと思っております。
  92. 山内豊徳

    説明員(山内豊徳君) 社会福祉施設関係についてお答えいたします。  まず、本年度保育所十七カ所外含めまして十九カ所の御指摘の降灰防除設備の補助を行いまして、補助額でも一億一千万ばかりの補助を出したわけでございます。これにつきましては、本年度の場合も他の社会福祉施設整備関係のものよりも一番早く内示を出しまして、私どもとしては、ことしの状況の中では最大限に急いだつもりでございますが、御指摘のように、まだこれだけでは十分でございませんで、たとえば来年度の数字につきましては、県からお聞きしておりますだけで、事業費にしまして約五億を超える金額が残っておるわけでございます。県としましても、五十五年度までの三年計画でぜひやりたいということをかねがね聞いておりますので、他の設備費のヒヤリングに先立って、できましたら一番早い時期にやりまして、来年度につきましては、少なくともことしよりは早い時期に内示を決定したいと思っております。  もう一つ問題は、今回の法律改正によりまして、主として現在あります社会福祉施設の改修という形、あるいは改築という形で説明してまいったのでございますが、結論から申しますと、新築につきましても、これを排除しておる趣旨ではございません。ただ、この点、私どもとしましても、県当局と相談しております点は、このような降灰防除施設を要する地域に新たに設置する社会福祉施設については、それなりの理由があるものに限らなきゃならないんじゃないか。もちろん社会福祉施設と一口に申しましても、どうしても生活の場に近く必要とします保育所のような例もございますので、私どもとして、全く新築を消極的に考えておるわけではございませんが、そういった兼ね合いから、余りいままで新築についてこのことを強く説明しておりませんでしたけれども、いまの整備のたてまえとしては、新築あるいは増築の場合にもこれをあてはめていく考えでおりますので、それで対処してまいりたいと思っております。  それからなお、敷地内に降りました降灰の除去と申しますか、市町村において決められた場所まで持ち出すことについての費用の面の御指摘ございましたわけでございますが、私どもいま受けております感じでは、社会福祉施設の場合、それほど広大な敷地でもございませんものですから、市町村において集めていただく場所の決め方によっては、ある程度対応もできるんではないかという感じもございます。  それから、社会福祉施設の運営につきましては、月々入所者一人当たり決められた費用で人件費及び事業費の十分の八の国庫負担が行われておりますので、もちろんいろんな出費の中で苦労多きことわかるのでございますが、基本的にはそういった福祉施設の運営費の国庫助成の中で、ある程度対処できるものじゃないかと考えておりますが、なお、先ほども御指摘ございますので、県当局からもその点を含めて十分事情を聞いた上で、対処してまいりたいと思っております。
  93. 村沢牧

    村沢牧君 一つ答弁が落ちておりますからお聞きをいたしますが、それは学校施設降灰除去事業について五十四年度要望もある。五十四年度で完了するわけではないというように思いますから、残余の分については五十五年で完了するような予定で、仕事とか予算とか進めておるかどうかということ、それが一つ。  それから文部省に重ねてお伺いしますが、被害の大きいものについては学校災害のあれを適用して、補助の対象になるというようなお話があったのですが、いままでそんなこと桜島降灰に対してやったことないでしょう。だからそんなに被害が大きくて、どの程度になれば対象になるか、私よくわかりませんけれども、そうではなくて、しょっちゅうこれ降っているんですから、やっぱりこれも灰を収集をして運搬する、そのことを対象にしなきゃいけないというふうに思うんですけれども、このことについてもう一回御答弁を願いたいというように思いますし、それから国土庁の四柳審議官にお聞きしますけれども、宅地の中はある程度法によってこれが整備されておるわけですね。学校敷地の中において、この降灰が対象にならないということは、これは法で決めてないからならないということなんですか。それまで拡大解釈しちゃいけないですか。これひとつ四柳さんの方から答弁してもらいたい。
  94. 大井久弘

    説明員(大井久弘君) 公立学校施設災害復旧費国庫負担法におきましては、被害の額といたしましては、一校当たり土地あるいは建物についてそれぞれ十万円以上のものについて負担の対象としているわけでございまして、本件におきましても同様の取り扱いになろうかと考えております。
  95. 四柳修

    説明員(四柳修君) 一般の市街地の宅地の中につきましても、先ほどの厚生省の御答弁にありましたように——学校も同じでございますけれども市町村長の指定した灰の集荷場所といいますか、そこに持ち出した場合に、一応そこから先をめんどうを見るということでございまして、学校の場合も先ほどの厚生省の御答弁のように、場所の指定ということによって、たとえば学校のそばに指定して持っていくとかそういうことについての対応ということはある程度可能だと思いますが、ただ学校の敷地の中にあるものを集めろということは、一応いまのかっこうではそういうわけにはいかないんだという仕組みでございます。
  96. 村沢牧

    村沢牧君 学校は特殊な施設ですから、やっぱり私ども現地を見てもなかなか特定の場所まで運び出すにも大変だし、広い校庭でもって収集するのも大変だというように思いますね。したがって、これらについてはいわば法のたてまえはそうでありますけれども、しかし文部省の方でも十分検討して、そういうことができるようにひとつ今後とも配慮してもらいたいというように思います。  それから、次は道路でありますが、道路の清掃に使用しているロードスイーパーは、これは成果を上げていることは事実でありますが、現在二市一町にそれぞれ一台ずつ貸与されているというように思うんです。これではとうてい不足だというように思いますね。鹿児島市において、一台の機械でもってこの道路を清掃するなんということはなかなかできないわけです。それではこの機械を自治体で買えばいいんではないかという話も出てくるわけですけれども、そういうことはなかなか大変なもので、できる問題ではないというふうに思うんです。具体的には鹿児島市ではあと三台ふやしてもらいたい、こういう要望が出されておりますけれども、明年度、建設省はこれにこたえることができるかどうかということです。ぜひこたえてもらいたいというように思うんであります。  その次の問題は、商店街のアーケードにたまった降灰を除去するのに大変にいま苦労しているわけです。アーケードがなければ、この灰は道路に落ちてくるわけですからね。その灰は今度は建設省の貸与した機械で除去するということなんですから、道路に落ちないようにアーケードがあるんですから、これについても、やっぱり解釈の仕方によれば何らかの形で補助して、除去できるようなことをしたって不思議はないではないかというふうに思うんですけれども、これはどこになりますか、建設省ですか、中小企業庁ですか。ひとっこれについての見解を示してもらいたい。  それから、これは国土庁にお聞きしますが、道路中央にあるいわゆる路面電車ですね、市内電車。これの降灰を除去するについて、何ら助成の対象にならないわけです。路面電車の両側には道路がありますから、両側の道路降灰を除去しても、電車がはねていくとまた両側に寄せちゃうわけですね。これむだになっちゃうわけなんですよ。国土庁としては、道路というふうにこれは規定をしてあるんですけれども、それを拡大解釈して、道路中央にある路面電車についても、何か除去した場合における補助の対象にならないかどうか、これをひとつ国土庁にお聞きをいたします。
  97. 中野俊次

    説明員(中野俊次君) 質問の第一点でございます降灰除去事業に使います道路清掃車の貸与のことにつきまして、現在、降灰除去事業に使用されている道路清掃車は、直轄建設省、それから県、市町村合わせまして十四台ございます。で、直轄、県、市町村のうち、市町村の二市一町につきましては国の機械が一台ずつ貸与されていることは先生のおっしゃったとおりでございます。鹿児島市につきましては、鹿児島市が保有しております一台と、貸与の一台と、それから業者の二台と、計四台で対応しているかと思います。現在、私どもで把握しております各機械の稼働状況等から判断いたしまして、一応現在の形が適応し得る限界の保有台数ではないかと、ちょうどぎりぎりいっぱい対応しているのじゃないかと思います。  五十四年度につきましては、灰の降り方の状況によりまして、これ全体の機械の配置の議論でございますので、適正な配置になるように配慮していきたいと思っております。
  98. 山口務

    説明員(山口務君) 商店街のアーケードの降灰の除去の問題につきまして、その費用につきまして特別の助成ということでございますけれども、本件につきましては、他の一般住民等に対する施策とのバランスもありますので、除去費用を特別に国の負担で手当てするということにつきましては、現段階ではむずかしいと、こういうふうに思っております。しかし、何かいい知恵はないかどうかにつきましては、地元の自治体とも連絡をとりまして今後検討してまいりたいと思っております。
  99. 四柳修

    説明員(四柳修君) 路面電車の軌道敷内の降灰の除去という問題でございますけれども、御案内のように市電として、公営企業としておやりになっていて、その運行上やはり困るものですから、現実には線路のみぞにはまった部分を人力で起こしまして、それを通常の道路に持っていって、それであとはスイーパーその他の形で処理するという形をとらざるを得ないと思うんですが、いまの助成の対象の中に、特に道路の一部として見るということは、観念的には可能でございますけれども、技術的にはやっぱりいま申し上げましたようにスイーパーでは片づかないものですから、どうしてもマンパワーで掘らざるを得ない。あるいは軌道敷内のいわゆる石の間にはまっている分等についてみては、舗装道路並みにはいかないという形にどうしてもなるんだろうと思います。  そういったことで、それに対します財政措置の問題ということは、非常に遠回しな話でございますけれども、市の一般会計から公営企業会計に対する援助というものが出てくると、それに対してやはり市の一般会計に対します何らかの特別交付税その他の配慮という形しかいまの形ではとり得ないのじゃないだろうかと思います。
  100. 村沢牧

    村沢牧君 審議官、路面電車の中の掘る作業ですね。どういうふうに除去したらいいという、そういう作業のあれについて聞いたんではなくて、これはやっぱりそれだけどんな作業をするにしても金もかかるんですから、それに対して何か、ほかの道路についてはいろいろめんどうを見ているのですから、同じような形で見られないかどうかということですね。そのことをもう一回ひとつ御答弁願いたいというふうに思いますし、それから中小企業庁、アーケードの問題はむずかしい問題もあるというふうに思いますが、大変に現地でも困っているという強い要請があったわけでありますから、ひとつ前向きに検討してみてください。これはもちろん融資の関係もあるというふうに思いますし、それから何らかの形で補助対象にならないかどうか、ひとっこれは、中小企業庁で十分検討してもらいますことを要請しておきたいというふうに思います。どうでしょうか、四柳さん。
  101. 四柳修

    説明員(四柳修君) 先ほど私たてまえ論で御答弁申し上げましたけれども、現実の問題としまして、やはり道路管理者と、軌道敷と管理者が道路という中でのどういう対応の仕方をするのか、お話の上でないと、道路としての降灰に対する助成という形の方に救えないんだろうと思います。具体的にどういう形をしたらいいのか、そこら辺はやはり道路の管理者と公営企業の管理者の方の話し合いで、道路側の御配慮によりまして、軌道敷内についてもある程度降灰の対象という形で救える場合には、一括助成の方の仕組みに乗ろうと思いますけれども、現実にはやはりいろいろ技術的な問題等もあって、そこら辺の管理の仕分けがされているままになっているんだろうと思いますが、せっかくのお話でございますから、何か知恵がないかということも地元の方とも相談してみたいと思います。
  102. 村沢牧

    村沢牧君 国土庁の方の答弁があったわけですけれども、その軌道敷の中の排除について、建設省、いまの答弁聞いていて、そういう形で配慮できませんか。
  103. 瀬戸充

    説明員(瀬戸充君) 実は所管でございませんので、正確な御答弁になるかどうかとは思いますが、一応軌道法という非常に強い法律に守られた軌道敷ということになっておりますので、ただいまのところ、四柳審議官の御答弁のように、道路上は道路法という形でどうも分かれておりまして、御答弁のようなことなんですが、いま審議官の方からも御答弁ありましたように、実施上何かうまい方法があるかどうかということにつきまして、いろいろ地元とも検討してまいりたいと思っております。  以上でございます。
  104. 村沢牧

    村沢牧君 軌道法という話が出ましたので、運輸省いますね。——運輸省はどういうふうに見ておられますか。
  105. 土坂泰敏

    説明員(土坂泰敏君) 軌道法によりますと、軌道のレール敷の部分の維持管理は軌道の経営者の方でというようなたてまえになっておるわけでございますが、実際に同じ道路の一部を使うというかっこうで運行しておるわけでございますから、ただいま政府側いろいろなところから御答弁申し上げましたように、地元でいろいろ知恵を出し合いまして、実行上そういう措置が具体的にとれるように、運輸省としても関係の方に働きかけてまいりたい、こういうふうに思います。
  106. 村沢牧

    村沢牧君 それでは、ひとついい知恵を出してください。  それから、農業関係についても金丸さんから質問もあったところでありますが、そこで防災営農施設整備事業を進めておるわけでありますけれども、特に桜島のようなところは急傾斜地であるし、それから耕地面積も少ないわけでありますね。防災営農計画には一応の受益面積が基準になっておりますけれども、こうした地域に対してはやはり小面積でも対象にしていくという、こういう配慮があってしかるべきだというふうに思うんであります。特に、農業関係で水資源を確保する、たとえば水道をつくるということが非常に要望はあるわけでありますけれども、これはやっぱり受益面積が五ヘクタール、三ヘクタールぐらいのところでも必要になってくるわけですね。それらについては、やっぱり一応の基準はあるけれども、この基準の緩和をすべきだ、そのように思いますが、これについてどういうふうに考えておるかということ。  それからもう一つ、農業関係についてお聞きをするのですけれども、共済の関係についてもさっき話があったとおりであります。いずれにしても、ミカンにしても、ビワにしても積極的に検討していくという答弁であったわけでありますけれどもミカンについては、再生産確保できるような共済の基準にしてもらいたいということは強く要望されているわけですね。それと、ビワについてもぜひ共済の対象にしてくれと、検討するのではなくて、これは五十四年度から実施しませんか、その用意を持っておられるかどうか、ぜひやってもらいたいというように思うのですけれども、もう少し明確な答弁をお願いしたいと思うんです。
  107. 塚田実

    説明員(塚田実君) それでは順次お答えいたします。  第一番目の御質問の畑作振興深層地下水調査事業の問題でございますけれども、その採択基準を緩和せよというお話でございます。私どもこの事業は公共事業といたしまして畑地灌漑用に団体営規模事業をやるということを想定してこういう調査事業を行っているわけでございます。したがいまして、その採択基準は受益面積がおおむね二十ヘクタール以上ということになっております。しかしながら、火山活動地域におきましては基準を緩和しまして、現在受益面積がおおむね十ヘクタール以上ということになっております。しかし、いまお話のように、採択基準をもっとそれより下に下げてはどうかということでございます。これ以上に下げますということになりますと、事業の性格上、十ヘクタール以下ということになるとなかなか困難だと私どもは思っております。しかし、その一つの運用でございますけれども、こういう調査事業調査をした結果、受益面積が小さくなるというようなことになった場合には、今度は非公共事業の方で利用できるように現に配慮していますし、これからも配慮していきたいと、このように考えております。  それから、次の共済関係でございます。先ほどミカンの共済についての基準収量について御質問があり、私どもといたしましては例外的な措置として、基準収量を見直すというようなことを今後県当局と具体的に検討していきたいと、このようにお答えしておりますが、ただ、御質問のように生産費に相当する金額まで保障するというような考え方で基準収量を見直すということは、この共済制度の仕組みからいきまして、なかなかむずかしいのではないかと思っております。ただ、私どもそういう例外的な措置を講ずる場合、先ほども申し上げましたけれども、少し幅をとりまして、異常被害年次を除いて最近五カ年中の中庸三カ年を平均するというふうにしますと、基準収量はそうでない場合よりも上がることになりますし、その意味では加入されている農家の方々にもお役に立つということになろうかと思います。  そこで、具体的な今後のスケジュールでございますけれども、県と協議いたしますのは、本年産のミカンの収穫量が来年の二月ごろにはもうわかりますので、そこで県と具体的に基準収量の設定について協議いたす予定でございます。その結果、年度末をめどに結論を出したい、このように考えております。  それから、第三点の御質問ビワでございますけれども、私どもビワ果樹の共済の対象にしたいと思っております。ただ、共済の場合は保険の設計上なかなかむずかしい問題もありますので、鋭意いま調査中でございます。極力その準備作業を急ぎまして、可及的速やかにそのビワ果樹の共済の対象としたいと考えております。まあ気持ちとしては、その準備が整い次第ということですが、五十四年度にも実施を目指したいという気持ちで、いま鋭意準備を進めているところでございます。
  108. 村沢牧

    村沢牧君 そこで、防災営農事業ですね、基準の緩和はなかなかむずかしいけれども、現実に適用してやるというような話もあったわけですけれども、やはりこれも桜島のようなああいう地形のところでは、最小面積でも適用されてくるというような内容に改ためなきゃ意味ないというように思うんですね。そこで非公共事業でやっていくんだという話もあったんですけれども、そうすればこの補助率等もまた違ってくるでしょう。ですから、それは基準そのものを変えなくても、現地の実態に応じて何かやっぱりこたえてやる、そうしなきやあそこの農業やっていけませんからね、そういう方向で、運用の面でひとつ十分配慮してもらいたいというふうに思いますが、よろしいですね。——はい、それじゃよろしく。  それから、時間も大分ぼっぼっ参りますからはしょってまいりますけれども治山砂防事業についても質問があったわけですけれども、その中で一点だけ特に注意をして要求しておきたいと思いますけれど、治山事業砂防事業も金は投資をしておるわけですけれども、これはまだまだ不足だというふうに思います。その工事をやる場合に、上流は治山工事でやっている、その下流は今度は農業の防災事業なり、あるいはまた建設省の砂防なり河川工事でやるということになっていますね。その接点が上流の方は大きなかなり実態に即するような流路工をつくったといたしましても、下流のやっぱり受けざらが悪いからかえってそれが災害を誘発してくるという個所があるわけですね。これはさっき、有珠山の方でもう対馬さんが指摘をしたようなことがやっぱり桜島にもあるわけなんですよ。この辺の農林省、特に林野庁ですね、あるいはまた建設省それから農地防災をやる農林省の関係、これらのやっぱり連絡協調がどうもあんまりうまくいっておらない、こういう現状を見てきたんですが、その辺はひとつ十分連絡をとってやってもらいたいというふうに思いますが、この辺は各省ばらばらやるというんじゃなくて、ひとつ国土庁の方でその辺はうまく調整してもらいたいというふうに思いますが、どうですか、国土庁
  109. 四柳修

    説明員(四柳修君) 御指摘の点は、個々の公共事業の個所につきまして関係省庁、たとえば林野庁と建設省ですとかあるいは農業構造改善関係の分と建設省ですか、それぞれ現地におきまして、いわゆる工法協議というような形で具体的な設計等については協議しておるわけでございますけれども、いま御指摘のような問題につきまして、たとえば林野の場合には、何といいますか、施設を設けます土地の便宜的な提供によりましてものをつくっていくという形をとっておりますけれども、やはり下流部になってまいりますと、恒久的にそういった施設をつくることによって土地の提供を受けるために、補償等の問題が出てまいりますと勢いそこら辺の点で必ずしも同じような仕組みにいかなくなりまして、御指摘のような点が出ているんではないかと思いますが、具体的にはやはりそういった接点の中でそれぞれ関係省庁寄り寄り御相談しながら、いまの仕組みの中で可能な限り対応していっているのが現状でございます。
  110. 村沢牧

    村沢牧君 私は建設省や林野庁に農地防災をそれぞれ聞こうと思ったけれども、時間がないから四柳審議官に一括して質問したんだけれども、そんな状態じゃないんですよ。治山がその渓流を水路工をつくってくると、そこに道路があってその下は農地である、あるいは、建設省の所管する砂防河川であるか一級河川であるか、それはわかりませんけれども治山の方で流路工をつくってきても、その接点がうまくいかないから農地へはみ出してしまったり下流へまた流れてしまうわけですね。そういうことのないように、ひとつ各省庁密接な連絡をとって、皆さん方が直接やっているんじゃないけれども現地をそういう指導をしてやってもらいたいと強く要請しておきたいと思います。  それから最後に二点だけ伺っておきますけれども、退避港あるいは退避ごう、退避舎それぞれやっておりますけれども、これまたもっと多くつくってもらいたいという要望もありますから、これにはぜひこたえてください。その中で、桜島古里地域ですか、これに退避港をつくってもらいたいという要望が実は最近出てまいったようであります。何か運輸省に言わせると、これはいろいろ因縁があって、そんな簡単なぐあいにはいかないというようなことも言っているようですけれども、なるほど、この地域は観光地であったと。その当時は、退避港をつくると観光客も少なくなるんではないかというようないろいろな心配もあったり意見もあったりして、第一次のあれには外れたと。しかし、今日のような降灰があったり石が降ってきたりしては、何としてもやっぱりつくらなければならないというその地域の切実なこれは要望になってきておりますから、過去のいきさつはどうあろうとも、危険ですからこれにはこたえてやる、そういう姿勢が必要だというふうに思いますけれども、余り、過去にどう言ったから、こういうふうになったからというようなことでだめですなんということでなくて、もっと前向きに取り組んでもらいたいというふうに思うんです。  それからもう一つは、降灰と人体に対する影響ですね、これも私どもがただ一時間、二時間くらいな調査の中で、私らが調査したのは一時間くらいですね。実際に灰をかぶったんですけれども、大変なそういう状況にあって、これは人体に影響がないかという心配をするわけですね。特に屋外労働者——林業労働者が枝打ち作業をやっている、除伐、間伐をやっている、様々たる砂じんの中で、まさに灰神楽を浴びて仕事をしているわけですね。こういう屋外労働者なんか、よく健康管理状態を指導しないとこれはいけないというふうに思うんですけれども降灰と人体に対する影響、これらの対策について御答弁を願って、私の質問を終わりたいというふうに思いますが……。  最後に答弁してもらうとして、政務次官、お願いしておきますけれども、この降灰はずっと続くというふうに予測されますね。さっきもお話があったように、去年調査しても、またことしもこういう要求がたくさん出されている。だから、皆さん方の答弁なさったこと−検討します。ということは積極的に仕事に移してもらいたい。ただここだけの答弁で終わっちゃいけないと思うんですがね。その辺はぜひ国土庁として、政務次官として前向きにやるように、各省庁をひとつ統轄してもらいたいということを要請をし、政務次官の意見を伺って私の質問を終わりたいというふうに思います。
  111. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) 国土庁としましては、各省との連絡機関の中心をなしておりますし、指導という言葉は少し行き過ぎかしれませんが、各省お集まりいただきましてそこですべての問題等を討議し、よりよく災害に対して前進した企画を立てていく責任があるわけでございます。そういう関係から、先生いままでいろいろと御指摘していただきました桜島の問題は、けさほどから十分伺っております。この点につきましては、降灰問題また農産物の問題等に対して、最近の灰が非常に多くなってきた、それに対する今後の対策等については、非常に長官も心配いたしておりまして、桜島は、先ほどの、先生にも申し上げましたように、実は私に現地へ行って親しく調査をし、そして基本的な考えをまとめよというような話もございました。で、行く予定をいたしておりましたが、委員会が開催せられるということで、きのうは衆議院、きょうは参議院ということで、この日があいにく当てはまった日にちでございましたので、現地を私が見て私の所感を申し上げ、先生たちのお話と一致する点がたくさんあろうと思いますから、その線に沿ってという考え方を持っておったわけでありますけれども、いま申し上げましたように委員会が開催せられて長官が出席することができませんので私が出席をさしていただき、その機会に、お話を十分承りましたので、ここ一週間か一週間以内に現地へ参りまして、長官報告をしながら各省緊密な連絡ということが一番災害に対しては大切な私は問題だと思っております。  有珠山の問題におきましても、各省がそれぞれの立場でやっていただいてはおりますけれども、もう一歩踏み込んでお互いの連絡というものをうまくやらない限りは、ちぐはぐな点が出てきては大変でありますし、またいままでに少しちぐはぐもあったようでございますから、前向きの姿勢で今後やってもらうように全力を挙げて、きょうは先生方質問に対して肝に命じて帰って、そして長官報告しながら今後の問題点について検討を進めていこうと思いますので、御理解いただきたいと思います。
  112. 四柳修

    説明員(四柳修君) 先ほど避難施設等いろいろお尋ねがございましたが、避難施設整備計画につきましては、御案内のように四十八年十二月に桜島の島の中だけを地域指定しまして、その後四十九年三月に計画をつくり、五十一年三月にその一部の変更を承認し、この計画に基づきます現在計画施設整備は一応本年度中に全部終わる予定でございます。そこで、最近の火山の状況によりまして、ことしの七月に垂水市の一部を追加指定いたしました。この追加指定と従来からの島内分も含めまして、避難計画の全体の見直しをし、その結果退避ごう、避難港等の追加要請が出ておりまして、この点につきましては、現在関係省庁と協議中でございますが、近く承認できる見通しでございます。ただ、その避難港の四カ所の増加計画の中には、お話のございました古里港につきましてはそういった経緯もあったと思いますが、一応入っておりません。そういうことで、今後の問題としまして関係省庁あるいは地元とも十分御相談しながら、過去の経緯は過去の経緯としましても、やはりどういう形で対応した方が望ましいのか検討さしていただきたいと思います。  また、健康管理の問題につきましてその調査とかいろいろ御指摘がございましたが、これまた厚生省あるいは林野庁等とそれぞれ関係省庁もあろうかと思いますが、鹿児島県の衛生部当局ともよく協議いたしまして、どういった形でそういった調査なり対応を進めていったらいいのか、やはりせっかくの御要望でございますから、何らか前向きで物が進められるように相談してまいりたいと思います。
  113. 柄谷道一

    柄谷道一君 桜島活動火山周辺地域における降灰実情とその対策につきましては、当委員会調査報告書鹿児島県及び関係市町村の陳情書にすべて尽くされていると思います。また、本日の委員会におきまして多くの質問が行われましたので、私は重複することは避けたいと思いますが、降灰除去事業強化降灰防除のための施設整備避難施設の拡充、防災営農施設整備事業推進治山及び治水事業強化観測体制の充実、健康管理推進、こういった諸点につきましては、全く同意見でございまして、ただいままでの質問も、また調査報告書もいわば超党派的なものではないかと思います。したがって、次官も近々のうちに視察されるということでございますけれども、私は政府が勇気を持ってこれらの施策というものを拡充して、これを年次計画的に強力に推進するように、まず冒頭求めておきたいと思います。  以下重複する問題を除きまして、数点について御質問をいたします。  まず農林関係でございますが、ビワ果樹共済制度に関してただいままで塚田審議官は、基礎調査及び補完調査どもほぼ完了に近づいている、可及的速やかに実施をしたい、気持ちとしては五十四年度実施を目指したい、このような答弁があったわけでございます。  しかし、私は昭和五十一年七月九日のこの委員会で同じくこの問題を取り上げております。当時の農林省杉山審議官でございましたが、その答弁は、現在保険設計などの準備が行われており、これらの準備を極力推進して速やかに追加指定の方向で検討したい、こういう趣旨の答弁をされているわけでございます。それから二年数カ月が経過いたしております。本日の答弁も全く同様趣旨の答弁でございます。この二年数カ月の間、ビワ共済に関しては大きな前進が実現することがなかった、こう極言しても私は差し支えないと、こう思うのでございます。それで、一体五十一年の答弁以降、五十四年実施ということに仮になったとしても、三年間これは経過するわけでございますから、なぜその指定がこれほどまでおくれてきたのか、そのおくれてきた理由を解明する確信というものが現在持たれたのか、この点についてお伺いいたします。簡潔にお願いします。
  114. 塚田実

    説明員(塚田実君) お答えいたします。  果樹共済は、御案内のように、本格実施いたしましたのは昭和四十八年度からでございます。その後、昭和五十年度にはカキ、栗及びハッサク、ポンカンなどの柑橘を追加しております。その後、今日までビワが対象になっておりますけれども、スモモ、桜桃、梅とかそういうような品目につきまして各方面から御要望がありました。そこで、それぞれにつきまして基礎調査、要すれば補完調査を行ってきているわけでございます。そこで、ビワにつきましても、具体的に申しますと、ビワは園地で大規模にやる率が低くて、収穫量の変動が非常に大きいとか、それから全国的な果樹ではございませんので、千葉県、長崎県、鹿児島県というような地域が限られている果樹であるというようなこと、それから被害発生の頻度が大きいというようなこと、このような問題点が幾つかございまして、そういう問題点をクリアすべく検討を進めてきたわけでございます。  具体的には三県に委託して調査もしていただきましたし、それから保険需要等の補完調査もやってきておるわけでございます。それが時間がかかったと御指摘でございますが、確かにそういうような御批判があるのはやむを得ないと思いますけれども、幸いにして関係各方面の御協力を得まして、そういうような調査が終わりに近づいた、こういうことでございます。気持ちとしては五十四年度実施をめどに進めたいと、もう時間が余りありませんけれども、なるべく鋭意努力していきたいということでございますので、何分御理解のほどをいただきたいというふうに考えております。
  115. 柄谷道一

    柄谷道一君 いまの答弁にもございましたように、他の果樹と違いまして、ビワというのは千葉、長崎、鹿児島という三県に主要産地が集中しているわけですね。他の果樹はおおむね全国的な分布を持っているわけですから、   〔委員長退席、理事村沢牧君着席〕 共済制度といういわゆる保険設計が容易な面もございます。しかし、鹿児島県の占めるビワ生産高というものを見ると、私はこういう三県程度に産地が集中している、しかも鹿児島というのはこれからも降灰被害は相当長期にわたって続くであろう、そういった実態を考えますと、果たして共済制度というその制度そのものになじむのであろうか。これをなじませようとすれば、他の千葉、長崎という両県は、その危険分散というものの視点からすれば、相当の高額の負担をしていかなければ保険設計なり保険経営が成り立たないという結果にもなりかねないわけでございます。私は、こういうビワに関しましては、共済制度として共済制度の中に追加指定するという方向が果たしていいのか、別途の国としての救済制度というものを配慮していくべきなのか、この選択というものが非常に重要な課題ではないかと、こう思うのでございます。その点、共済制度で十分なじんでやっていけますね。
  116. 塚田実

    説明員(塚田実君) いま果樹共済制度ビワを追加するということについて、ビワの産地が限定されているというようなことなどからいろいろ問題がある、果たしてビワ果樹共済制度が有効であろうかと、こういう御意見でございます。確かに先ほど私も申し上げましたとおり、全国的に生産されます果樹の場合は保険設計がしやすくて、それから被害の分散が可能である。そういう意味で共済制度としてはなじみやすいと、こういうふうに思っております。したがって、その点につきましては確かに御指摘のとおり、ビワについては問題があります。しかし、私どもこれは共済制度の仕組みとして、ビワだけの狭い勘定でこれを処理するということでございませんで、全国的に栽培されておりますその他の果樹を合わせた果樹勘定ということで一体としてやりますので、その面の負担が、特定の県に集中するというようなことはできるだけ避けることができると思いますし、また避けなければいかぬと考えております。  そういう意味でビワ対策はいろいろ考えられるものあろうかと思いますけれども、私どもはこのビワについての共済制度をまず確立するということが何よりも大事ではないか、これは有効な方法の一つであろうということで、いま作業を急いでいるわけでございます。
  117. 柄谷道一

    柄谷道一君 これは次官ひとつ政治家として、農林省だけにこの問題任しておくんではなくて、これを特定地域における降灰被害でございますから、私は日照りとか水害、こういう単発的ないわゆる天災によって被害を受ける、それをこの共済制度でお互いにカバーしていこうではないか、こういう趣旨はそれとして大いにその存立の意義があると思うんです。しかしこれは慢性的に続くわけですね。鹿児島桜島における農作物被害というのは慢性的に続いていくわけです。すると、私はどうも共済オンリーでこの問題に対処するというのではなくて、いわゆる降灰による被害というものをやはり救済していくという別途の視点というものが必要なのではないか。私は、そのことに対してどうせよというまだ具体的な腹案を持ち合わしていないのがはなはだ残念なことでございますが、これは農林省当局とも十分お打ち合わせを願って、他の果樹栽培の方々に過重な負担というものを強いることによって、この桜島降灰被害を仲間同士で救済し合えという制度の適否について、ひとつこれは政治的決断を、配慮を次官にお願いをいたしておきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  118. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) 柄谷先生の御意見承っておりますと、この鹿児島桜島における被害に伴うビワ、そうしたものを全国的というのか、特に生産するところの千葉だとか、長崎だとか、そういうところにも負担させながらのいまの共済制度で救っていくということは、他の方の方々にも相当強い負担をさせるということである。特に桜島鹿児島におけることはこの地帯が降灰によっての被害であるから、特定せられた地域がまだまだずっと引き続いて生産していく上において補助してあげなければならないし、大きな損害がもたらされるのであるから、そういう制度は一応いいことのようだけれども、検討をし、国自体が特定な災害を受けているところに対しての補助金制度ということも一応考えてみたらどうだと、こういう御質問のように承るわけであります。  私はなるほどそのとおりであると思いまするが、農林水産というのは、これ専門に補助金だとか、いろいろの制度をつくり上げたりいろいろのことを長年にわたってやってきていただいた審議官がいま、こうしたことによっての負担がそんなに重くはないということで、全体的にお互いの助け合いでやっていただくという案にまとめていきたいと言っておるわけであります。  ただいま政治的な方向としてどう考えるかというお話でございますが、直ちに私が柄谷先生の意見そのとおりでありますから、そのように進めていった方がいいと思いますというわけには、私はまだ少し時間をいただきたいと思います。その時間をいただくということは、長官とも相談を申し上げたり、あるいは農林省の方とも大臣とも相談をしながら、先生の御意思を十分体しましてまじめに真剣に、この問題は早晩結論が出る片一方の線が出ておるわけですから、それを取り入れるべきか、もっとほかの方法でこのビワに対してはやめろというまで、どれだけの赤字になるかわからないが、政府がこれに対する赤字負担をして補助金を出してあげるから、皆さんビワをつくりなさい、こういう方向へ導いていくかということに対して、もう少し時間をかしていただくことによってよく相談をして、政治的な道をあけていきたいと思いますので御理解いただきたいと思います。
  119. 柄谷道一

    柄谷道一君 私はその検討のために共済の適用がおくれたのでは、これは問題にならないわけです。共済は共済として、審議官がそう言われるわけですから、五十四年度実施に向かってこれは全力を尽くしていただきたい。しかし、政府としてはそれを補完するという意味で、共済制度ができたらもうこれでいいんだという立場ではなくて、何らかの国の施策としてこれを補完する、いわゆる降灰という特殊事情、慢性的な災害という特殊事情にかんがみて、これを補完する施策というものがないのかということを、これ並行して御検討願いたい、これは要望いたしておきます。  それから次に基準収穫量の問題につきましても質問が出まして、審議官は例外措置を適用したい、たとえばということで異常年を除く三年平均というものをとるのも一つの方法ではないか、こういう趣旨の答弁をされました。これも私はこの五十一年の七月質問で取り上げているんですね。ビワと同じように、水害、干ばつなどの単発的な災害と違って、毎年慢性的な被害が出る降灰である。したがって、ミカン等の場合を含めて平均的基準収穫量を現行の基準で算定するということになりますと、それが実態に沿う平均的基準収穫量になるのであろうか。きめの細かな配慮をここに行うべきであるという指摘をいたしておるわけでございます。やっと例外措置を検討しよう、これも二年数カ月かかって、まことに行政とはスピードの遅いものだなとつくづく思うのでございますけれども。次官、昭和四十七年から噴火活動が始まっているんですね。これ六年ですよ。じゃあ過去五年間灰の被害を受けないで正常な生産が行われたという年はあるんだろうかと、こう思うんですね。だから私は、こういう慢性的果樹の被災というものに対しては、例外措置の適用だけでは対応できないというふうに思うのでございます。  これは法改正が必要なのかどうかという点はいろいろ御検討願いたいと思いますけれども、この基準収穫量につきまして、局長は再生産が可能な数量を基準収穫量としてほしいという現地要望は共済制度になじまない、こういう御答弁をされたわけです。なじまないとするならば、この被害の実態というものをどのようにして対処していくべきなのか。これも別途の方向があわせて検討されてしかるべきではないか。こういう施策が確立されることによって、桜島及びその周辺農民の方々はやはり生産というものに希望を持ちながら、日々の生活に対処するということが可能になってくるのではないか。灰による被害とともに農民の将来も灰色である、これは強く現地で訴えられたところでございまして、私は例外措置の適用というその範囲にとどまることなく、もう一度これは政府全体として、この基準収穫量の算定の仕方というものについても、実態に合うような検討が行われてしかるべきであろう、こう思うのでございますが、いかがでしょう。
  120. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) いつもながら大変な御意見承りまして、全く肝に銘じていつもお聞きするわけでありますが、いまの問題は全くそのとおりだと私は思います。農民がこのような被害をもう六年近くの間ずっと受けてきた。自分たちが考えてみるときに、私どもはこの地におってわりにそういうことを感じませんが、少なくとも現地の方々は、何と不幸なところに私どもは住みついたものかしらんという感情を持っていらっしゃることには間違いないと私は思います。もっといいところがあったらかわっていきたいなという考えも恐らく持っていらっしゃるだろうと思います。しかし、もう、こう住みついた以上はやっぱりどこに行くこともできず、ここで何とか定住し、安定していきたいという気持ち、それは食べていかなければなりませんので、生産の上においても何とかめどをつけ、その赤字補てんをしていかなければならないという生産過程におけることは、頭から消え去らないだろうと思っております。  そういう意味におきましても、いまの問題点は慎重に考えていかなければならぬ問題でありますので、いまここで私が次官としてお答えできることは、特に慎重にこの問題をいま一度農林水産の方々、そして片や、そういういい行き方でひとついっていただいて、これが可なりと思われれば共済方法でいっていただき、さらに一点については、政治的にもっと何らかの方法は考えられないかという二つの面を十分に考えて進みたいと思いますので、どうぞ御理解いただきたいと思います。
  121. 柄谷道一

    柄谷道一君 ぜひそのように、政治家として真剣な御検討を煩わしたいと思います。  次に、果樹洗浄、畑地灌漑事業の採択基準につきましては、五十一年度当時は二十ヘクタールであったのが、十ヘクタールと基準の改正を行われた、そのことは評価するわけでございます。しかし、現地へ行っていろいろ伺ってみますと、降灰によるビワ紋羽病を予防するためにも水が要る。ミカン被害を防除するためにも水が要る。それでは畜産事業転換しようかということになってもこれまた水が要る。桜島は御存じのような地質でございますから、きわめて水資源というものには乏しい地域でございます。しかし、その水の問題——確保、これは現地の非常に深刻な問題になっているわけですね。また、それでは降灰を防ぐためにビニールハウスによる軟弱野菜栽培転換するといいましても、これは相当の資金を要するわけでございますから、現行制度の活用によってはなかなか事業転換に踏み切れない、こういういま農民は悩みの中にあると私は思うのでございます。  そうなって、この地域見捨てろと、こう言いましても、やはり住みついた土地というものを容易にこれ見捨てられるわけではございません。そうすると、私は、この降灰激甚地域における一体農政というものについて、やはり政府自体が現地の県当局、市町村当局と十分協議をして誘導政策というものを確立しなければならない時期ではないだろうか。そして、その合意に基づく誘導政策に対して国が積極的な助成をして、その誘導のエンジンとする、こういう根本的な農政のあり方というものが確立する必要があるということを現地で非常に痛感をいたしたわけでございます。  いまどういう誘導策をとるとか、どういう農政を展開するというような具体的な答弁はできないと思いますけれども、このような視点に立つ検討を行ってもらいたいと私は思うんでございますが、いかがですか。
  122. 塚田実

    説明員(塚田実君) お答えいたします。  桜島周辺地域に対しまして、私ども災害防止という角度から、先ほどまで申し上げましたとおり、共済の手法、それから水供給についての補助、治山治水、それから農地防災施設等個々の、私ども農林水産省が持っております手法で対応してきているわけでございますけれども、また私どもの期待としては、こういう手法で対応しているうちに火山活動も鎮静化し、この地域がかつてのように農民の方々が安心して営農できる、こういうようになることを心から期待しておるわけでございます。しかしながら、もう私が申し上げるまでもなく、火山活動はおさまる気配もなくて、農民の方々が毎年毎年同じような苦労を味わっているというのも、また御指摘もありますとおり現実でございます。  しかし、そこでこの地域の農政を一体どのようにそれでは長期展望に立った視点から見まして考えていくかということでございますけれども、私ども農林水産省の立場といたしましては、基本的にはやはり地元農民の方々の農業に対するあるいは土地に対する愛着といいますか、そうしたものがやはり基本になろうと思います。しかし、他方、その災害を避けるということもまた基本でございますし、そういう地域の、こういう災害を常襲的に受ける地域の農政をどういう——いま私二つの視点を申し上げましたけれども、その他の視点もあるわけでございまして、そういう視点を総合して考えていかなければならない事態に近づいているのではないかというように考えております。そこで、もちろんこれは鹿児島県当局とも御相談しなければいけないことでございますけれども、農林水産省としても応急の対策だけではなくて、いま御指摘の点について今後とも鋭意検討していきたいと、このように考えております。
  123. 柄谷道一

    柄谷道一君 これも五十一年七月の質問なんでございますけれども、私はその中でこういう指摘をしているわけですね。それは、最終的に桜島の防災拠点になる、またならなければならないというものは、市の庁舎であり、町役場であり、消防署であり、病院であり、警察でなければならない。これは全島民が最後の一人になるまで、最後まで踏み留まってこれらの避難誘導、人命の保護、これに当たっていかなければならない役割りを持つものではないか。したがって、この最終的な防災の拠点というものを堅牢化し、そしてそのそれぞれの任務遂行に支障がないようにするということが——避難港の設置も必要でございます。待避ごうをつくることも必要でございます。と同時に、いま言った視点というものがなければならないのではないかという指摘を行ったわけでございます。鹿児島市の桜島支所はまだ木造で、ぐらっと地震がくれば一番先につぶれてしまうようなまだ庁舎でございます。消防署も、また消防分団の建物も、きわめて落石、地震等には十分に耐え得られない建物ではないか。これで果たしてその島民の人命を守り避難を完遂させるという各機関の任務が、この拠点で遂行できるのであろうかという不安を持ち、かつそのことを指摘したわけです。  で、二年半たちまして、私、再び参りましたところ、一部学校とかその他は改修されたところはございますけれども、依然として庁舎はまだ改造の緒についておりませんし、また現地からは、消防分遣隊、分団署の堅牢化、そして落石があればその避難誘導及び救助活動に携わる消防車というのは、これ一たまりもない消防車でございますから、落石があれば消防車みずからが逃げなきゃならないというような状態でもございます。いわゆるそういうものに適応する装甲消防車というものの設置が必要である。強い現地要望がございました。災害に対して人命を守るということは最も重要な問題でございます。これをやはり実施していくためには、私は補助というものの制度化というものが当然行われてしかるべきであろう。一般の補助金や補助率ということではなくて、あれだけ降灰爆発が続いている桜島においては、特段の補助の制度がこの際新たな視点から確立されてしかるべきではないかと、こう思うのでございますが、これは次官に御見解をお伺いいたします。
  124. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) ただいまの御質問に対してお答えを申し上げたいと思いますが、補助制度というそうした災害地、特に桜島なんというのはいつどういう事態が起きるかわからない。あるいは有珠山でもそうでございますが、特に公共建物、避難誘導をする庁舎、あるいは桜島の支庁舎等々が木造建てで、これはもう大変危険性がある。それを改築し、厳重なものにして、最後の一人まで、この桜島島民がもしものときには誘導せなければならないという大変な責任のあるところであるから、これを改築するということに対しての特別補助制度はどうかということでございます。これはいまのところではそういう制度はございませんが、起債申請がある場合には、それにこたえておるようでございます。特にこれはその市、県等から改築をするから起債を認めろとか、あるいは現行のままの補助金を出せということならば、あえてこれが年数がどうだとかこうだとかいうことよりも、どうしても現地を見なければならないということなら国から行くのでありますが、ほとんどこういう問題に対しては鹿児島県あるいは桜島町にお任せして要求に満つるようなことをしておるようであると私は思っております。  で、そういう意味から、さらに今後起債だけではいけない、それをもっと増額した補助金制度を考えてみたらどうだということでありますが、いま申し上げましたように、まだそこまで他の方にもそうしたところがあるのでありますが、制度が問題になっておりませんので、これも新しい提言として十分検討していきたいと思っておりますので、御理解いただきたいと思います。
  125. 柄谷道一

    柄谷道一君 これ、毎年私桜島へ行きますと、山腹荒廃というのが非常な急ピッチで進んでいる。素人目で見ましてもその荒廃の度合いはわかるわけですね。  そこで、いま農林及び建設両省で直轄事業としていろんな事業が行われている。確かに見てまいりますと事業は進展いたしております。進歩はいたしておりますけれども、あの山腹荒廃状況というものを見ますと、何か、はなはだ失礼な言い方でございますけれども、さいの河原に石を積むといいますか、どうも直轄事業の進捗状態が山腹荒廃に追いつけないのではなかろうかというふうに私は感ずるのでございます。ということであるとするならば、私は治山治水事業実施年度を速める、繰り上げるとか、それともちょびちょびの予算化ではなくて、ひとつその予算を大幅に増大をして、まず必要な事業を完遂するとか、事業計画そのものについても、山腹荒廃の実態というものをにらみ合わして、この際練り直していくということもまた必要ではなかろうかと、こう感じたのでございます。  これは質問通告をいたしておりませんでしたので答弁不必要でございますけれども、ひとつ次官、じっくりと現地を見られまして、果たして現在の直轄事業のいわゆる中期計画でいいのかどうか、その繰り上げの必要があるのかどうか、こういう面も含めてしさいに実態を把握されまして、時宜に適した治山治水事業というものの強化が図られますように、この点は要望として申し上げておきますので御善処を賜りたい、こう思います。  それから次に、住民健康管理の問題でございますが、私現地鹿児島県の、あれは衛生局だったかな、質問いたしましたところ——衛生課長ですね。その答弁では、現在のところ健康に対する被害はあらわれていませんと、これから継続して健康診査を実施いたしまして、その対策というものを講じてまいりたい。これはお医者さんであったのかどうか知りませんけれども、きわめて悠長なと言っては失礼でございますけれども、答弁でございました。私は純医学的にこの問題を解明しようとすれば、相当程度の期間が必要ということは、これわかるんですね。ただ、素人で見ますと、目薬の需要というものが非常に多いとか、気管支系統の疾病が多いのではないかとか、住民は非常に降灰に対して健康を冒されているんではないかという不安感を持っておられることは否めないこれは現実だろうと思うんです。  したがって、国が健康診査に対する助成の制度も検討しながら、医学的なこの解明を中期的に行っていかれる、このことに対しては、ぜひそれをやっていただきたいのでございますけれども、私はたとえば現在においても診療報酬請求状況等を見て、他の地域との間に疾病の発生状況とか、たとえば眼科、呼吸器関係の疾病発生率、これは診療報酬支払基金で調べれば一遍にわかるわけですね。そういうもので、特殊な現象というものがあらわれているかいないか。毎年小学校、中学校の児童生徒に対しては健康診断を行っているわけです。身長、体重等の測定を行っているわけでございますから、そういった児童の発育状況の中に、何らかの現象というものがあるのかないのか。スピードを速めて検討しようとすれば、赤信号はともし得ないにしても、だいだいの信号をともすかともさないかの判断は私はできるのではないかと、こう思うのでございます。  厚生省もプロジェクトチームをつくりまして、いま検討中ということで、質問通告の中で聞きましたところ、そのプロジェクトの結論が出るのは三年ぐらいかかるんではないかと、こういうきのうのお話でございましたけれども、私はそういう純医学的な解明は解明としても、少なくとも現在知り得るデータの中から、やはり中間報告といいますか、中間的な健康に対する影響度というものを調べて、そしてこれに対する適切な健康管理の手を打つということは、やる気があれば私はやってできないことではないと、こう思うのでございます。その点に対する御答弁をお伺いし、他にも質問準備いたしておりましたが、一時間の質問が四十分になりましたので、これで終わります。  ぜひ、重ねまして、ただいままで出ました質問に加えまして、新たな視点から、この桜島活動火山周辺対策について発想を新たに、地域住民の期待にこたえられる施策が打ち出されますことを期待申し上げて、私の質問を終わります。
  126. 大池真澄

    説明員(大池真澄君) お答えいたします。  現地におきましてつぶさにお聞き及びいただきましたように、鹿児島県当局におきましては、四十七年以降引き続き保健所の移動保健所というような形、あるいは現在実施しております健康診断、精力的に取り組んでいるわけでございます。私どもも県からの報告といたしまして、これまでのそういった活動を通じての所見といたしまして、特にこの降灰と、降灰に起因すると認められるような疾病の多発ということは、現在のところ認めておりませんという状況であることはただいま御指摘のあったとおりでございます。なお、私ども国ともよく連携をとりつつ、今後対処していくわけでございますが、国におきましても、研究班をすでに編成いたしまして着手をしておるところでございます。  それで、大変貴重な御意見もいただいたわけでございますが、御指摘のようなこれまでの定期健康診断、あるいはこれまでの地域におきまして把握しておりますいろいろな健康を代表する指標になる材料ございますので、そういったことも含めて、ただいま研究班のプロジェクトチームの方で鋭意検討しておるわけでございます。なお、そういった既存の資料の検討のみならず、灰の降ってまいりますその程度に応じて、一体病気になる前の症状も含めまして、どのような影響があるのかないのかということの比較研究をすでに着手しておりまして、先月から今月にかけましてもすでに健康診断実施しております。また、十二月にもさらに他の地域について比較検討のための健康診断も行うというようなことを鋭意やっておるわけでございます。  で、今後の研究につきましてはまだ予測することは困難でございますけれども、そういった調査研究の中を通じまして問題が整理され次第、いろいろとまあそれを反映さしていく努力というのは並行して県ともよく連携しながら対応していきたいと考えております。
  127. 原田立

    原田立君 桜島問題についていろいろと委員から質問がありましたが、まず私もその前に福岡のボタ山が泥流で押し流され、約三百戸がその被害に遭ったというような報道がされております。これについて時間が余りありませんので、ごく簡単に状況等を説明をしていただきたい。
  128. 高瀬郁彌

    説明員(高瀬郁彌君) これを所管しております県からの連絡を御報告さしていただきます。  これは、十一月の二十日の二十二時ころ起きた事件でございまして、水洗炭業の沈でん池が二つ崩壊いたしまして、約一万立米の泥水が流れました。その結果、その下部にあります市街地にこの泥水が入りまして災害が起きたわけでございます。  内容を御説明しますと、床上浸水が三十八戸、それから床下浸水が百二十七戸、家屋の全壊一戸、半壊二戸、被害世帯数約百四十から百五十、それから人員にして五百一名ということになっております。そのほか中軽傷者が約八名出ております。——失礼いたしました。事故は午前の十時でございました。訂正さしていただきます。  それから、災害の原因でございますが、現在調査中でございますが、その調査対象となるのは多分第一沈でん池、第二沈でん池、それと第一沈でん池と第二沈でん池をつなぐ導水管、これが対象になるかと思います。  現在とられている措置といたしましては、川崎町内に対策本部がもう設立されまして、現在生活用品とかそれから非常に汚い水でございますので、衛生上の対策をいま進めております。しかしこれは、何分にも大事故でございますので、町だけではなかなかできないということで、福岡県庁におきましても庁議でここに応援をするという運びになっております。  で、今度はその今後の問題でございますが、とりあえずはこの緊急避難的な事態を解除するということに全力を注ぎますが、今後はやはり補償の問題がかなり具体的な問題として上がってくると思いますが、この点についてはわれわれも関係がないわけでございませんので、県当局それから被害者の方とよく連絡をとって指導してまいりたいと思っております。
  129. 原田立

    原田立君 ボタ山の数は現在幾つぐらいあるんですか。それから洗炭池ですね、洗炭貯水池、要するに危険に冒されるような心配のあるところは何カ所ぐらいあるんですか。
  130. 高瀬郁彌

    説明員(高瀬郁彌君) いま全国でボタ山の数は九百七ございまして、そのうち鉱山保安法で監督をしておるのが三百四、その他これは一般の民間管理ということでやっているのが六百三でございます。そのうち危険ボタ山と称するものが約現在百七十五ございまして、現在対策を進めているのが七十三ということになっています。  それから水洗炭業者の数でございますが……
  131. 原田立

    原田立君 業者じゃないよ、ため池の数。
  132. 高瀬郁彌

    説明員(高瀬郁彌君) いまわれわれの県から通じての資料によりますと、ため池の数は十四ということになっています。
  133. 原田立

    原田立君 この十四カ所あるというのは、これは今回、川崎町で起こった泥流発生した旧上田鉱業豊前炭鉱ボタ山にあるようなそういう危険はございませんか。
  134. 高瀬郁彌

    説明員(高瀬郁彌君) この監督指導は県がベースでやるものでございますので、われわれとしては現在のところ、正確な数字は持ち合わせておりません。
  135. 原田立

    原田立君 それは無責任じゃないですか。やっぱり国の方の施策で、もちろん県がやるのは当然なことだろうけれども、国の方が指導援助していくのがあたりまえでしょう。だから県がやるから国の方は知らぬだなんてそれは無責任ですよ、あなた。じゃ一体いつごろ危険な状態のところをこれを防除できるのか、計画はどうなんですか。
  136. 関收

    説明員(関收君) お答え申し上げます。  実は水洗炭業の沈でん池につきまして、特に福岡県におきまして昨年十二月水洗炭業者すべての現地調査を行いまして、沈でん池の状況調査いたしまして、その結果、改善すべきものがあれば指導するという措置をとっております。またその後におきましてもほぼ二月か三月に一度と聞いておりますが、定期的に繰り返し調査を行いまして、改善すべき点がございますれば業者に指導して、事故の再発防止を図るように現在指導しておられる、このように聞いております。
  137. 原田立

    原田立君 そんなことを言ったって現実に去年の十一月でしょう。またことし今度のこの十一月二十日に起きているじゃないですか、事件が。二、三カ月ごとに指導するとか、改善すべきところは指導するだなんと言ったって、やったかどうか知らないけれども、事件が起きている。こんなことじゃどうしようもないんじゃないですか。
  138. 高瀬郁彌

    説明員(高瀬郁彌君) この災害の個所の沈でん池につきましては、ごく最近の九月に現地調査をして、そのときの報告では安全であるという確信を持ったというふうに報告を受けております。
  139. 原田立

    原田立君 変なところで確信持たないでもらいたいと思います。現実にこういう事件が起きているんですから。もう少しそこのところをよく御調査願いたいし、こういう事故が起きるようなことが再度ないように、特に筑豊関係ではこのボタ山対策はみんな真剣に悩んでいるんですから、その点考えていただきたい。  それで先ほど部長の話の中にもあったけれども、床下、床上に泥流が入ったと。これに対する補償問題等は、若干国の方も関係があるだろうというふうな話があったけれども、そこら辺のところはどんなふうに考えているのですか。
  140. 高瀬郁彌

    説明員(高瀬郁彌君) 水洗炭業法十六条では、加害者が水洗炭業者である場合は損害を全部賠償するという形に相なっております。実態的に支払い能力があるかどうかということが具体的に問題になるわけでございますが、この事業を開始するに当たりまして、地元の池尻地区住民の方と、それから水洗炭業を営む昭和産業と、それからボタ山の所有者との間で賠償と損害の整理につきまして話し合いが持たれておりました。これは公正証書になっております。
  141. 原田立

    原田立君 洗炭業法の十六条ですか、十六条で住民の方々が、被害を受けた方々が損になるようなそういうようなことにならないように、国としてもひとつ十分指導してもらいたいと思うのです。また全半壊も数戸あるとありましたけれども、それも当然のことだと思うのですが、これも十六条であてはめられるのですか。
  142. 高瀬郁彌

    説明員(高瀬郁彌君) ちょっと法律を読ましていただきますと、十六条では「水洗炭業者がその行う次の各号に掲げる作業により、他人に損害を与えたときは、当該水洗炭業者が、その損害を賠償する責に任ずる。」というのが十六条でございまして、各号というのは、「一 ぼたの採取、二廃水の放流又は土砂の流出、三 排出される土砂のたい積」ということになっております。
  143. 原田立

    原田立君 どうかひとつ、急な連絡でございましたけれども、また県が中心になってやる問題ではあろうとは思いますけれども、どうか国の方も指導、助言等行って、住民に不満を残すようなことのないようにしていただきたいと思うのです。じゃ結構です。  桜島の問題についてお伺いしたいと思うのでありますが、一番最初に先ほど他の委員から意見が出ていましたけれども鹿児島県の要望書の中に「降灰防除地域指定拡大について」ということで、現在二市一町指定されているけれども、それ以外でも降灰が非常に多いので指定をしてくれと、こういうふうに言っております。先ほどの審議官の答弁では、たしか鹿児島県から申請があれば指定しますよと、こういうふうな返事であったと思うのですけれども、そういうことでよろしいですか。   〔理事村沢牧君退席、委員長着席〕
  144. 四柳修

    説明員(四柳修君) 先ほど村沢委員の御質問にお答え申し上げましたように、鹿児島県の方から正式な御要望がありました場合には、前向きの方向で検討いたしたいと、こう御答弁申し上げたわけであります。
  145. 原田立

    原田立君 前向きの方向というのは大体認可するという方針でいくと、こういうことですか。
  146. 四柳修

    説明員(四柳修君) 御案内のように基準がございますから、十分県の方で基準を踏まえて御要請いただけると思いますから、その基準に合う場合には、指定の対象になろうと思います。
  147. 原田立

    原田立君 私ちょっとその基準値というのをはっきり知らないのでうっかりしておりましたけれども、福山町が五十三年一月から九月までが六百十グラムだけれども、去年は千七百十七、輝北町は六百六十七だけれども、去年は千六百七十一。それから大隅町がことしは四百六十一グラムではあるけれども、去年は千三十二グラムと、こういうふうな表を私もらってまいりました。これはグラムでの指示でありますけれども、このいま言ったような程度の数値では、指定の中に入らないのですか。
  148. 四柳修

    説明員(四柳修君) 指定の対象としましては二カ月以上続いて平米当たり千グラムという形でございますので、昨年の数字あるいは二カ月続かなかったとかいろいろ事情があったと思いますが、ことし六百十とか六百六十という数字は、実は風向きからいいまして余り従来ないところによけい来ているものですから、それを引き伸ばしますと基準に該当するのではないだろうか。そういう状況を踏まえて県の方から御要望があれば、ことしは二カ月以上続いていますから相当それだけの数字は出てくるのではないかと考えております。特にいま具体的な名前を挙げられました福山、輝北等につきましては、相当そういう数字が出てくるのではないかと考えております。
  149. 原田立

    原田立君 それでは実際問題、私委員長とともに桜島へ行って、鹿児島市の古里温泉ですか、あすこのところへ行きましたらば、そうですね、あすこに十五分か二十分いたでしょうかね、その間にもう、たったこの一枚の紙の中に、こうやってつまむほど灰が降ってきて、こりや大変だなあと、こう実は非常にその住民の方々の大変なことを思ってまいりました。どうかひとつ指定の申請等があったらば、前向きというよりか、申請どおりにひとつきちんと指定をしてあげていただきたいと、これはお願いいたします。  それから河川局長、なかなか忙しいところおいでいただいたようでありますのでお伺いするのでありますが、治山砂防事業についてでありますけれども、現在黒神川、俗称地獄河原、第一古里川、それから高免河原の治山砂防事業実情は一体どうなっているのか。また今後対策についてはどうなるのかお伺いしたい。
  150. 稲田裕

    説明員(稲田裕君) お答えいたします。  桜島砂防事業につきましては、昭和二十一年から県におきまして補助事業として長谷川等河川につきまして実施いたしております。しかしながら、最近の噴火実情等から見まして、土石流災害の激甚性にかんがみまして、五十一年度から鹿児島県側野尻川等七河川につきまして、現在直轄工事区間として土石流対策に積極的に取り組んでおるというふうな状況でございます。  いま先生おっしゃいました黒神川につきましては、現在までに砂防ダムの増補強とか、あるいは導流堤設置いたしまして土石流の拡散を防止して誘導する。あるいは土砂を貯留するというふうな設備をいたしております。が、今後もこの川につきましては、さらにダムを設置するとか、あるいは導流堤の新設、流路の整備等を進めていくというふうな計画にいたしておるわけでございます。第一古里川につきましては、現在国道から下流につきまして流末の処理が一応概成しておるというふうな状況でございますが、これから上流にかけましては、五十四年度から導流堤等を主体に工事に着手して土石流の誘導、貯留等を図りながら整備を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。  それから高免高原につきましては、最近土砂の動きというのが活発になってきております。現在この地域砂防指定地ではございませんので、これにつきましては、早急に土砂災害の実態等を調査いたしまして、緊急に計画を立案しまして対策を取り組んでまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  151. 原田立

    原田立君 特に去る九月二十九日に発生した地獄河原からの土石流は、黒神町の住民を非常な不安に陥れさせておるのでありますが、ここは国が直轄工事として五十一年度には土石流を防ぐ堰堤をつくり、五十二年度にはこれをオーバーした水を流すための水路を昭和溶岩原につくったにもかかわらず、今回のような事態が発生したわけでありますが、砂防事業に対する計画での、こういう言い方はどうかと思うんだが、大変甘さがあったのではないかと、こう指摘せざるを得ないんですけれども、この点のお考えはいかがですか。
  152. 稲田裕

    説明員(稲田裕君) 御指摘の黒神川の土石流でございますけれども、御存じのように、この黒神川につきましては小さな軽石状のボラ及び火山灰を流出するというふうな渓流でございます。これらの土砂災害に対処するために、補助事業として砂防ダムなり導流堤設置してまいったわけでございます。それで、先ほども若干御説明しましたが、五十一年度からは直轄事業として、特にこの渓流につきましても重点的に施行しなきゃならぬということで直轄に取り上げまして、現在砂防ダムの補強とか導流堤の新設を行って、鋭意対策に努めてまいっておるところでございます。ところが、何分直轄に編入しましてからまだ二年余でございます。確かにいま、砂防設備につきましてもまだ十分というところまでは行っておりません。また上流部におきましては、桜島噴火による降灰があるとかあるいは噴石の落下があるとか、下流部では頻発する土石流発生等の危険がありまして、実施上もいろんな問題を抱えておるわけでございますけれども、なお御指摘の点につきましては、今後ともダムの設置だとかあるいは導流堤の新設、流路の整備等さらに一層努力を傾けたいと、かように思っておるわけでございます。
  153. 原田立

    原田立君 一層の努力をしていくということでありますが、いまも話があったように建設省は堰堤水路も三年間は大丈夫だと、こう予想していたようでありますけれども、予想に反して地獄河原からの濁流が黒神小学校の直下まで襲うようになった。地元住民の切実な要望でもあるが、抜本的な砂防対策を図る上からも、当事業枠の拡大をぜひお願いしたいと思うんです。当地域における今後の対策をお伺いしたい。
  154. 稲田裕

    説明員(稲田裕君) いまの黒神川の件でございますけれども、この渓流につきましては、先ほども御説明しましたように、火山灰のみならずボラの流出というような特異な土石流関係がございます。この渓流につきましては、ただいま直轄で取り組んでおります。渓流の中でも、今後この渓流は相当重点的に施行していくということで計画を立てておりますので、来年度以降もさらに重点的に実施していきたいと、かように思っています。
  155. 原田立

    原田立君 重点的にということは、抜本的、こういまよりもぐっとふやしてやってくれると、こういうことで理解してよろしいですか。
  156. 稲田裕

    説明員(稲田裕君) 黒神川につきましては、重点的に予算等につきましても配慮しながら特に進捗を図っていきたい、かように思っております。
  157. 原田立

    原田立君 あんまり言うとくどくなるからあれだけれども、いままでと同じようなんじゃ話にならないんですよ、抜本的と言わないんですよ。その点だけはお含み願いたいと思うんです。  河川関係については以上でありますが、厚生省に聞きますけれども、県の方は全然被害は心配はありませんよというふうなことを言っておったけれども、あの灰の状況を見たらば、そんな被害がないだなんと言うことはおかしい、こう私は思わざるを得ない。県からどういうふうな報告があっているかは知らないけれども、国としては一体どういうふうに手当てしているんですか。
  158. 大池真澄

    説明員(大池真澄君) ただいまお話ございました県の所見でございますけれども、四十七年から県におきましても移動保健所というようなことで、大学あるいは国立の医療機関等の専門家の応援も得まして、今日まで健康診断実施してきております。その範囲におきまして、医学的に見る限り、まだ灰と直接結びつけて議論するような疾病の多発ということが認められないという事実関係を県は述べておるんだろうと思います。なお、国といたしましては、また新たに本年度から研究班を編成いたしまして、県のこれまでのそういった蓄積も踏まえながら、よく連携をとりながら現在調査研究に着手しておるわけでございます。現在進行中でございますので、この成果を踏まえて国として対応していきたいと考えております。
  159. 原田立

    原田立君 現在進行中——それはわからないことはないけれども、少し腰が重過ぎたんじゃないですか、腰の上げ方が。あんたあの降灰状況、さあっとこう降っている状況のときに行って見たことありますか。まだないでしょう。恐らくないと思うんだ。あんな灰の降っているのを見て、それでなおかつ健康と関係余りないだなんていう県の報告聞いたら、そんなのはもう足で突っ返しちゃって、何ぼやぼやしているんだというぐらいなことを言うべきだと思うんですよ。まあいま、現在調査中だと言うけれども調査中じゃどうしようもない。どうしようもないけれども、これはそんな調査中だなんていうようなのんびりした状態でないことだけは指摘しておきたい。  所感をお伺いしたい。
  160. 大池真澄

    説明員(大池真澄君) 私どももこの問題につきましては真剣に取り組んでおるわけでございまして、担当も随時必要に応じて現地にも派遣いたしまして、ただいま申し上げましたような研究班の活動とよく連携をとるようにいたしておりますし、私自身、実はことしから担当するようになったわけでございますが、昨年も鹿児島に別件で参りまして、その灰の降っている状況は体験したところでございます。  なお、その調査研究でございますけれども、医学的に見まして、ある一つの原因とある病気とが非常によく結びついている病気でございますと、先生御指摘のようにさっと答えが出るわけでございますが、ただいま住民皆さん方の間で懸念されておりますような慢性の呼吸器疾患、こういったようなものにつきましての関係を調べるには、手法的に非常にむずかしい面がございます。現在までにこういう不幸なる現象というのがそう経験されていることでもございませんし、医学的にまだまだ解明しなきゃならぬ点がございますので、鋭意、これに国としても取り組んでおるというのが実態でございます。
  161. 原田立

    原田立君 去る九月七日に鹿児島大学の調査で、降灰地域での気管支ぜんそく、鼻、のどなどの炎症は他地域に比べ発症率が高く、また運動能力の低下傾向が見られるなどの健康被害の実態が指摘されている。調べたところによるとこういうことなんです。御存じですか。
  162. 大池真澄

    説明員(大池真澄君) 文部省の特定研究班の方におきまして、多角的に検討されている一つの項目としてそういうような調査研究が進行中であると、その中で中間的な所見として述べらているということは承知しております。なお、その文部省の研究班と私どもの研究班とでは、メンバー的にも橋渡しをしてあるメンバーでございまして、十分連携をとりながら今後とも対応していきたいというふうに考えております。
  163. 原田立

    原田立君 降灰対策事業は新火山法の目玉でありますし、一番大事な問題でありますが、ロードスイーパー、すなわち灰の除去装置の機械、これが現在国として三台あって、そうして鹿児島市に一台、桜島に一台、あと垂水に一台ですか、大型のが配付されているように聞いておりますけれども、そういうことですか。
  164. 中野俊次

    説明員(中野俊次君) 路面清掃車は、国の持っておりますもののうち、三台はいまお話のありましたとおり二市一町に貸与してございます。
  165. 原田立

    原田立君 県の要望では、これを国の方で九台から十台ぐらいもう少しふやしてくれないか、こういうふうに強い要望が出ているんですけれも、それに対して要望受け入れられますか。
  166. 中野俊次

    説明員(中野俊次君) 灰の除去作業につきましては直轄県、それから市、町と、それぞれの分担でやってございまして、市、町につきましては、先ほどお話しいたしました国からの貸与のほかに、鹿児島市では市独自の保有のもの、あるいは業者に移管しているもの等ございまして、現在の稼働状況から見ますると、それから現在の灰の降り方から見ますと、ちょうど私どもの考えでは適応し得る限界の台数で、それぞれの分担で作業をしているのではないかと思っております。灰の降り方でもちろん作業の仕方が変わるわけでございますが、現状ではそういうことで適応し得る限界ではないかというふうに考えてございます。
  167. 原田立

    原田立君 これが限界なんてそんな情けないことを言わないで、ひとつ現地鹿児島県の強い要請なんですから、なお台数をふやすことについて極力取り上げていただきたいと思うわけです。  なお、それにまたいまあるのは大型のロードスイーパーです。だけれども生活道路や何かにもやるためにも小型のロードスイーパーをぜひめんどう見てもらえないか、こういうふうな要請もありました。これについていかがですか。
  168. 中野俊次

    説明員(中野俊次君) 前段の御質問でございます台数の増加の件でございますが、灰の降り方等を勘案いたしまして、また明年度は明年度で採用の仕方を、配置の仕方の議論になろうかと思いますが、それは考えていきたいと思ってございます。  それから二番目の小型のスイーパーのことでございますが、建設省で保有しておりますのは、道路特会の中で道路の清掃用ということで買ってございまして、標準型といいますか、いわゆる国道一車線用のものでございますので、いまのところ小型のものは私どもで保有しておりません。したがいまして、そういうことで小型のものを貸していただきたいという要望に対しましては、現在保有してございませんので採用できないのではないかと思っております。
  169. 原田立

    原田立君 あなた局長でしょう。
  170. 中野俊次

    説明員(中野俊次君) いや課長です。
  171. 原田立

    原田立君 課長さん。課長の答弁はだからいやなんですよ。こういうところにくると、肝心なところにくるとだめだだめだなんと言うから、だから局長に出てこいと言っているんですよ、ぼくは。現に鹿児島市議会も桜島町も、小型のロードスイーパーについて国より貸与する方途をぜひ講じてくれと、こういう強い要請が出ているんです。また鹿児島も同じこと、ロードスイーパーの国の貸与台数を増加してくれと、こう言っております。どうかひとつ上司の方にも十分この意を伝えて、それで早急に手当てしていただきたいと思うんです。次官どうですか、いままでのやりとり見ていて、余りにも手ぬるいんじゃないかというふうに私は指摘せざるを得ない。せめてロードスイーパーぐらいは何とか手当てしてやるような努力を、国土庁からもせっかく御努力願いたいと思うんですが、いかがですか。
  172. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) 二市一町に一台ずつで、ロードスイーパーが無償貸与で三台ということで少ないと思わないかとおっしゃいますが、私は少ないと思います。これが多いとは思っておりません。今後こういう問題は、先生御指摘のようにもう少しきめ細かくそれぞれの皆さん方に相談していただて、こういうようなことに対してはもっと進めるべきであると思っております。  それから、いままでの仕事は少しおくれていないかということでありますが、先ほどから答弁のありましたように、もう火山灰というのは本当に何とか年々少なくなってくるのでないかというような気象的観測がありましたし、いろいろそういうことを心に思っておったのでありますが、だんだんとふえてきたという現象につきましては、大変な、基本的にも考え方を変えなければならぬときにきたと思っております。そういう意味から、先生の御指摘のいろいろの問題等をあわせて、先生聞き取っていただきましたように、桜島問題につきましてはたくさんの先生方から真剣に御討議をいただき、私自身も身をもってこのお話を聞きましたので、さらにまた現地へ参りましたら、きめ細かく検討さしていただきまして、それを手みやげとして持ってきて、それで今後皆さん方と相談し、よりょく手ぬるいと言われないような方策を今後講じていきたいと思っておりますので、御了承いただきたいと思います。
  173. 藤原房雄

    藤原房雄君 時間、短時間ですからかいつまんで申し上げたいと思いますが、最初に私は、北海道の有珠山の問題について若干質問したいと思います。  政務次官にまず御質問申し上げるわけでございますが、去年八月に噴火がございまして、当委員会でもいろんな論議をいたしたわけでありますが、私どもが最も心配しておりました二次災害のために、とうとう先日死者が出たということで、まことにざんきにたえない次第であります。しかも、まだ行方不明の方がいらっしゃるということですから、その被害の大きさ、はかるべきもないと、こう思うわけであります。お亡くなりになられた方々に対してはお悔やみを申し上げるとともに、これは関係省庁全力を挙げて対処しなければならないことだろうと思うわけであります。  午前中もいろんな質疑がございましたから、くどくど申し上げるつもりもないんですが、この原因が一体どこにあるかということになりますと、人災論とかいろいろなるのですが、人災という言葉を使うとすぐ政府は後ろを向いてしまうので、言葉は別として、いずれにしましてもこのたびのこの第二次災害については、去年からこの一年有余振り返ってみて、ふとこういうことをという強い反省がやはり政府にはあったと思います。  その調整官庁としての国土庁政務次官、特にその責任の衝にある立場としては、いろんなお考えがわいてきたろうと思うわけです。去年からこの災害のたびに政務次官おいでになって、まず災害があると現地へ飛んでいく、そしてまたいろんな問題について適切に処理をなさるということで、私どもはすばらしい政務次官がこの災害を担当なさったと、このように確信をいたしております。宮城沖地震につきましても大分進行いたしております。しかし肝心なことになるとなかなか進まない問題がある。有珠の問題にしましても、今度は相当いろんなことではち巻きを締め直してお取り組みになるんだろうと思うんですけれども、やはりここ一つというときにはやっぱり政務次官に一はだも二はだも脱いでもらわなきやならぬと、私はこのように思うんです。まずこの反省の上に立って、有珠の諸問題についての取り組みについての決意といいますか、その辺のことについてまず最初にお伺いをいたしておきたいと思います。
  174. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) きのうは衆議院で災害対策委員会を開いていただきまして、またきょうは参議院で開いていただきまして、この有珠山におけるところの泥流、それに伴うとうとい人命が失われたことについては、政府はどう考えておるかという再々の私に対する反省、政府に対する反省等々、御意見がございました。私は率直にお答えを申し上げることは、もう少し早く第二次災害を予定こそいたしておりませんでしたが、そうしたときにどういう方向でこれを処理していくかということを、私は現地を見せていただきましたときにもそうした言葉を吐いてきておりますし、至急各省それぞれの皆さん方に御協力いただいて、予定の行動に移っていただき、第二次災害のないように、またあった場合にもそれを避けることのできるようにということで、局長として私が中心になって会議を開いていただいたときにもお願いをいたし、各省それぞれが分担していただいて、努めて熱心にやっていただいてきたのでありまするが、残念ながら本当に完璧することのでき得ないうちに二次災害が起きて、そしてとうとい人命、けが人が出ましたことを深く私どもは反省をしていない者はないと思うわけでございます。  しかしその中で一点申し上げたいと思いますことは、あの有珠山が常に活動しておるということやら、いろいろの問題等がございましたので思わしく進んでいかなかったことが一つと、もう一つは、四月の雪解けのときを心配いたしておりましたのが、全く心配していたようなこともなく進んだということで、もう少し基礎的に、もう少し将来永久にというようなことで特に厳しい調査に入っておったがためにおくれておったことは、これは事実であります。それが不幸にしてこのような結果になりましたので、今後は、先生方の御質問一つ一つを聞いておりまして大変いろいろと力づけをいただき、反省をせよというおしかりもいただいておりますので、こうした点を全部包含しながらの新しい構想と、一日も早くこれを進めていくことに、それぞれ各省の出席の皆さん方も決意を新たにしていただいておると思います。私も、長官とも、この二日間にわたる御熱心な討議に対して、時間を割いてそして話し合いをし、御期待に沿うような今後進め方をし、第三次までには——そういうようなことがあってはなりませんし、神にそういうことのないことを祈りながらも、もしそうした事態が発生したときには、皆さん方に、それでもわれわれがあのようにきつく言ったからこそよくやったと言っていただくように、督励もし話し合いもして進めていきたいと思いますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。
  175. 藤原房雄

    藤原房雄君 時間がありませんから、いろいろ思っていることをお話ししたいことがあるのでしょうけれども、まことに申しわけないのですが途中で質問させていただきます。  いまお話の中にもございましたけれども、緊急しなければならないことと、また恒久的な問題とあるだろうと思うのですが、いずれにしましても、この一年の間当然担当省庁としては一生懸命なさったと、それは私どもも手ぶらで何もしておらなかったなどとは思っておりません。しかし、事故のあった現実は現実であります。これに対して、もっとこういうことを先にしなければという手順の問題とか、いろいろなことで反省しなければならぬこともあるだろうと思います。  私は思うのですけれども地元の道や町の方々は必死になってこの対策を講じてきたし、また事故の後も不眠不休で作業に携わっていらっしゃる。心から敬意を表するのですが、泥流というのは、どちらかというと、これは先ほど来お話がございました桜島、こちらの方が先輩格でございまして、建設省とか国土庁というのは先にこういう問題についてはいろいろ経験なさっている。こういう経験を踏まえて強い指導性を持って、昨年来の道なり町なりのあの有珠の諸問題について、きちっと指導性を発揮すべきである。現在の役所の仕組みとしましては、地元から上がってきたものに対して指導するというこういうことなんですけれども、そうじゃなくて、実際未経験なことですから、より強い指導性を発揮すべき立場にあったのではないか。そういうことで、二度と同じ轍を踏まないように国土庁としましても慈悲あふるる、政務次官、ぜひひとつ心を配っていただきたい。また長官にも重々お話をしていただいて、地元の方々の不安を増すことのないような対策を講じていただきたい、こう思うのです。  総括的なお話については午前中もいろいろあったようですから、私は、要望事項にございます諸問題、ちょっと具体的になるかもしれませんが確認をいたしたい。  災害対策——私もここ十年ほどこの委員会に所属しておるわけでありますが、法的な諸問題についてやはり非常に厳格にお考えになる。そういうことのために、もう少し対処できればということもあったわけでありますが、法律を余りにも拡大解釈するということもでき得ない面もあるのかもしれません。また、そういうことはここになじまないとか、こういうことはよく言われるわけですけれども、こういう事故の起きた後であるだけに、これは本当に大事なことであるならば、やっぱり法に準じてなさなければならないことがたくさんある。法文上、厳密に言うとこれは適用になるかどうかという、解釈上危ぶまれる面もあるかもしれませんが、必要なことについてはしっかりやってもらわなければならぬ。こういうことで、法律に適合するものはこれは当然なさるのだろうと思いますけれども、どうも、解釈上どうかと思われる諸点、これはもう要望書の中にもたくさんそういう点がありますので私申し上げるのですが、一つは、砂防対策事業の中で既設ダムの排土に要する経費、これは本来から言うとこういうダムの中の砂を取るなんということについては国庫負担、国庫でやるなんということにはなっていないはずですけれども、もうこういう現状にかんがみてこれはなすべきだと思うのですけれどもどうですか。
  176. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) 先生御指摘の排土に要する費用につきましては、現在、砂防激特事業、当初五十二年度で出発したものではございますし、見直しを行いまして、五十三年度から新たな激特で五十三、五十四、五十五、五十六年までやることでいま計画を進めております。この激特事業が継続している渓流につきましては、既設ダムに異常埋没が生じた場合には、激特事業の中でその工事の安全性を考慮の上措置し、検討してまいりたい、また激特事業が終了いたしました後につきましても、その時点における上流の治山事業整備状況及び火山活動の動静を考慮の上、考慮してまいりたいというように考えております。
  177. 藤原房雄

    藤原房雄君 これは、砂防ダムという言葉を使うと、いままでの砂防という概念から言うと、すぐ、砂で埋まってそれをしょっちゅう乗りかえるなんということにならぬわけなんで、いままでですと、その流れを緩衝するというそういうことが主なる目的だということになりますと、しょっちゅう排土しなければならぬなんということは出てこないわけですけれども、まあ特殊な事情ですから、これはもう当然そういう公共土木施設災害復旧事業、激特、そういうものの中でこれに準じた取り扱いをなすべきだろう。  それから、次は治山事業についてでありますけれども、これは、一番目のところに、民有林の激甚災害対策特別緊急事業の拡大強化をしてもらいたいという話があるのですけれども、民有林の場合には、これは解釈上いろいろな問題があるだろうと私は思うんです。しかし、有珠山全体として泥流をどうするかという問題を考える場合に、民有林だからここに適用しないとかどうとかということですと、それがまた次の災害を引き起こすもとにもなり、これはやっぱりもう少し幅を広く考えなければならないのじゃないか、こう思うのですがどうですか。
  178. 江藤素彦

    説明員(江藤素彦君) お答え申し上げます。  今回の泥流災害にかんがみまして、次期の降雨あるいは明春の融雪期に予想されまする二次災害の防止を図りますために、今年度中に、先ほども申し上げましたが、予備費の追加使用による事業費関係で、十二億六百万円を含めまして総額で三十億七千五百万円という治山事業を緊急に実施する計画を立てておるわけでございます。今後の復旧対策といたしましては、従来実施してまいりました谷どめ工とかそれから土どめ工事等のほかに、大量の土砂の流出が予想されまする地域につきましては、林地の中に土砂を抑止するための導流工とか遊砂地というような新しい工種というものを取り入れてまいりたいというような考え方を持っておるわけでございます。  で、次年度以降の民有林治山事業につきまして、いま先生から御指摘いただきましたけれども治山激甚災害対策特別緊急事業の枠の拡大ということと、それから実施期間の延長ということを図るように、現在、鋭意作業を進めておるところでございます。これによりまして、効果的な復旧工事をさらに積極的に進めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  179. 藤原房雄

    藤原房雄君 いまちょっとお話ございました作業を進めておるということですけれども、大蔵とのまた問題があるのかもしれませんが、これは総合的な有珠全体の問題として重要な問題でもあります。面積としてはそう大きくないのかもしれませんけれども、手抜かりがあってはなりませんので、これは政務次官もよくひとつこの点わきまえていただいて、民有林だからこれはどうこうということのないようにひとつ処置していただきたい。  それから、いまお話がございました遊砂地をつくる、その遊砂地もやっぱり堆積土砂の排除、これも当然国庫補助でやらなければ、先ほどの砂防と同じことが言えるんだろうと思います。  それと、国有林の治山対策、国有林もいまは機構改革でいろいろ対策なさっていらっしゃるんだろうと思いますが、何といってもこれ国有林野にとられたやつが下々にいくわけですから、林野庁の担当のところはこれはしっかりやっていただかなければなりません。しかし、ここで全部が全部防げるわけじゃ決してないだろうと思いますけれども、できるだけの努力はなさなきやならぬだろうと思います。そういうことで、総力を結集してひとつこの対策に取り組んでいただきたいと思うんですが、どうですか。
  180. 江藤素彦

    説明員(江藤素彦君) お答え申し上げます。  治山堰堤関係についての土石の排除の点につきまして、御質問があったわけでございますが、治山ダムにつきましては、元来の目的が渓床勾配を安定させますことと、それから山脚を固定するというような目的でございまして、元来の、この土石流、それをため込む目的を持っておるのが治山堰堤の役割りでございますが、この際有珠山につきましては、現在なお地殻変動等火山活動が続いておりまして、危険で近づけない奥地の渓流あるいは山腹面に堆砂しておりまする火山灰が、降雨の際に異常な泥流となって流下するおそれが依然残っておると、こういう状況でございますので、工事施工に当たりまして、安全確保上土砂の排除が必要な場合というような解釈で、その他治山事業の一環といたしまして実施する方向で検討してまいりたい、このように考えております。  それから国有林関係につきましては、今回の泥流災害及び今年八月以降再び活発化いたしました噴火活動とか地殻の変動等によりまして、上部の国有林地帯、林地の降灰状況が変化してきておることなどにかんがみまして、明春の融雪期等に予想されまする再度災害の防止を図りますために、国有林といたしましては関係機関と密接な連携を保ちながら、補正予算といたしまして一億二千四百万円、それから緊急治山事業費といたしまして八億四百万円、合わせまして九億二千八百万円の事業費をもちまして、山腹斜面及び渓流の安定を目的といたしまして谷どめ工とか、床固め工あるいは土どめ工等の復旧工事を今年度中に実施することとしておるわけでございます。また、次年度以降につきましても、当然国有林、民有林通じまして、治山事業あわせまして、あるいはまた、砂防事業等との調整を図りながら治山事業の拡充に努めてまいるということでございまして、計画的な事業の批進を図ってまいりたい、こういうような考え方で進めておるわけでございます。
  181. 藤原房雄

    藤原房雄君 農地及び農業施設の問題ですが、農地保全施設としての調整池これは制度上こういうのはないようですけれども、これは災害復旧事業としてぜひやるようにしなければならぬ、やるべきだと思います。それにまた調整池にたまった堆積土砂の排除、これも制度の上から言うといろいろ問題があるのかもしれませんけれども、これはぜひ必要なことでもありますので、やるべきだと思います。  さらにまた、三番目にございます事業実施に当たっての補助金、当該年度に交付する措置を講ぜられたいということでございますが、いずれにしても緊急措置としてしなければならぬことでありますから、これらの問題についても、現在までの制度とか、法的に云々ということがひっかかる点もあるのかもしれませんけれども現状に即してこれは推進すべきであると私は思いますが、いかがでしょうか。
  182. 塚田実

    説明員(塚田実君) お答えいたします。  第一点の調整池等の設置の問題でございます。今回の泥流被害発生後、直ちに私どもとしては担当官を現地に派遣しまして被害状況の把握なり、復旧方針を指導してきております。で、復旧に当たりましては、上流から流下する泥流被害が、下流の農地に及ばないようにすることが大事でございまして、そこで農地保全施設の工法を検討しており、また必要に応じまして、その施設の効用が十分発揮できるような調整池、いまお話しありましたけれども、その施設設置を含めて検討するよう現在指導しているところでございます。  それから第二点の排土の問題でございますけれども、御案内のように、災害によって水路またはため池が埋塞したため、用排水の機能が確保できなくなった場合、こういう場合には、当該の埋塞土砂を掘削する工事は災害復旧事業実施することとしております。  調整池等の堆積土砂の排除につきましては、施設の機能から、災害復旧事業として対象とすることにはいろいろ問題があるようではございますが、そこで私どもとしては、今後この問題なお検討をさせていただきたい、このように考えております。  それから、補助金の配分につきましては、一応原則はございますけれども、できる範囲内で、弾力的にその配分について対処していきたい、このように考えております。
  183. 藤原房雄

    藤原房雄君 政務次官もお聞きになったように、調整池の堆積土砂の排除等、その他の問題につきましては、これはしょっちゅうある問題じゃ決してないわけなんで、政務次官としてもこれぜひひとつ心にかけていただいて、大蔵折衝その他については、ひとつ実現のために御努力いただきたいし、また長官にもよくひとつこのことについて、そのほかのことも前例、法にないとか、それからいままでのように法に準じないとかなじまないとか、こういうことのないように、現状に即した形でひとつ進めていただきたい、ということで農林水産省御答弁ございましたが、ここで一番何といっても、責任を持ってまん中にお坐りになっているのは政務次官だから、政務次官、農林水産省のことだなんということじゃなくて、頭の中にしっかりたたき込んでいただいて、実現方をお願いしたいと思います。  次は、都市災害堆積土砂の問題ですが、去年の降灰のときもその処理についてはいろいろ問題になったわけですけれども泥流被害地の堆積土砂の排除事業、これも当然、公共の土木施設災害復旧事業と同様の国庫負担でしてもらいたいということでありますが、これは当然そういう形でやるんだろうと思いますけれども、民有地のことについて、またいろいろな解釈の仕方といいますか、考え方が出るのかもしれませんが、これもぜひ、山にあったやつが出てきたわけでありまして、だれの責任だとか、そんなことは言っているときではこれはございませんで、これも生活支障のないような形で、被害地の堆積土砂の排除事業、これもぜひひとつ進めていただきたい。これは個人の限界とか、それから町村の限界を越えるものであるということでぜひこれやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
  184. 並木昭夫

    説明員(並木昭夫君) お答えいたします。  市街地におきます人家、工場等の敷地に堆積しております泥流の排除につきましては、都市災害復旧事業国庫補助に関する基本方針に基づきまして、堆積土砂排除事業として補助することにいたしております。つまり市街地におきます人家、工場等に堆積しました土砂を、市町村長が指定しました集積場所に集積されたものを運搬、処分する事業を、助成の対象といたしております。  なお、この場合、市町村長が公益上重大な支障があるというふうに認めたような場合には、宅地から処分地まで直接排除、処分する費用を補助の対象とすることができるようになってございます。
  185. 藤原房雄

    藤原房雄君 これはいつも問題になることでございますから、財政力の弱い地方自治体でもあるし、個人としましても自分の家がどうなるかということであって、全部負担になるということは大変なことなんで、その辺ひとつ十分に御配慮いただきたい。  それから、これは水道関係のことについては厚生省になるのかもしれませんが、これは政務次官ぜひ暫定的浄水装置の設置、これは浄水場はやられましたから、移転する問暫定的に浄水場を設けなきゃならぬわけですけれども、いままでの制度の中には、こういう暫定的に浄水場を設けなければならないというようなことはないわけなんですね、これはもうこういう災害のために急にやられたわけですから。去年の段階でちゃんと移しておればよかったのかもしれませんが、現実はこういうことで暫定的に浄水装置をつくらなきやならぬ。これも、法的に制度がどうだこうだ、前例がどうだなんということじゃなくて、これはもうやらなければ市民生活に大きな支障を来すわけでありますから、当然これはなすべきであろうと思いますけれども、これは厚生省いないんでしょう。いなきゃ政務次官ひとつよろしくお願いします。これはいろいろいままでの経過あるんでしょう。
  186. 四柳修

    説明員(四柳修君) ただいまの水道のお尋ねの点につきましては、先刻来他の委員の御質問に対して厚生省の方で御答弁申し上げておりますけれども、いわば恒久対策とその問の臨時措置ということをあわせてよく伝えておきたいと思います。  それからちょっとお許しいただきたいと思いますけれども、実は私先ほど原田委員の御質問で、ちょっと間違えて御答弁申し上げましたので訂正さしていただきたいと思いますけれども、連続して二カ月間云々と申しましたが、これは降灰除去事業の対象の基準でございまして、お尋ねの防除施設地域の問題につきましては、おおむね連続して三年間千グラムということでございまして、先ほど原田先生のお挙げになりました昨年の数字がやはりそれぞれ千を超しておりますから、ことしも多分そういう状況でいけば千を超しそうだという形で、三年間そういった基準になった場合には見直しの対象になるものと考えております。訂正さしていただきたいと思います。
  187. 藤原房雄

    藤原房雄君 いままで申し上げたのはどちらかというと、これは緊急にやらなきやならぬということで、法律上ちょっと幅を持たしていただかなきゃできぬぞというようなことについての項目が多かったわけでありますが、そのほかにもいろいろなことがあろうかと思いますが、ぜひひとつ地元現状をよく見た上で適切な御判断をいただきたい、こう思うわけですが、さて恒久対策としてどうするかということでありますが、御存じのとおり、現在火山活動についての観測というのはなさっているわけでありますけれども火山活動予知連としましては火山活動の観測——ところがそれだけではなくして、やはりいま一日おおよそ九ミリですか、有珠山全体百メートルぐらい壮瞥の方へ動いているなんて、こう言われているわけですけれども、山は動いているわけですね。こういう中ですから、いろんな先ほど来申し上げたこういう仕事もなかなかやりづらいという面もあるんですけれども、これは火山として噴火の可能性があるかどうかとか、今後どうなるのかといういろんなことについては、予知連を中心にしましていろいろ観測をしてやっているわけですけれども降灰状況とか、降った灰がどういう状況になっているのか、山が動くことによっていままで平たいものがだんだん起き上がってくる。そうすると灰が泥流のような形でくる可能性が出てくる。また大きな石がころがり込んでくる可能性も出てくる。こういうことで実体山が生きているわけですから、動いているわけですから、全体的な調査というものをしなければ、どこの沢が、どの地点が将来どういうふうになるのか、こういうことについて、これは噴火があるとかないとかという現在の予知連の観測だけではそれはそちらの方のことであって、この二次災害の防止という次の災害の防止という観点から立ちますと、もっと総合的な山全体を見なきゃならぬ、こういうことを痛感するわけです。  ですから、ここにもございますように、流出土砂防対策等に関する緊急調査、これはやっぱり各省庁最近はいろんな科学的な技術もあるようでございます。科学技術庁とか、建設省は建設省でまたそういう研究をなさっている部門があるわけですけれども、そういう専門家の方々にぜひひとつ加わっていただいて、総合的な調査をし、そういうものがあった上に立って、将来、有珠山周辺地域というのは一体どういう形にするのが望ましいのか、こういう次の問題が出てくるのじゃないかと思うんです。いまもうそこは集団移転しなければならぬ、こういうことを木の実団地や全日空の沢で言われているわけですが、集団移転というのは、遠藤先生から午前中お話があったようで、私もちょっと触れたいと思ったあれですけれども仙台でこれはもう都市でこういう災害が起きたときの集団移転の現在の法律というのは、実際形はあっても運用という面では非常に支障がある。この前、質問趣意書にも申し上げたんだけれども、何だか簡単に、慎重に何だかなんて書いてきましたけれども、これはやはり人が家を建てるということは一生に一度のことであって、その人の一生の間の全財産を投じて家を建てる、それをちょっと危ないから向こうへ行ってくださいということで、そうですかなんて腰を上げるわけないんで、それ相応の条件は備えなければならぬだろう。  こういうことで、集団移転のあり方についても単なる宮城沖地震だけではなくて、今度また有珠山でもそういうことに直面しているわけですから、こういう現状を把握しまして、僻地等で起きた問題を中心にしての考え方をもとにしての集団移転の法律だったわけですが、都市型の問題についても適用するような形にすべきだと思うんですが、それはそれとして、どこが将来というか、いまの火山の動きの中から危ないかということについても、やっぱりいろんなデータの中で十分に説得力のある、そういうデータ、調査というものがぜひ必要だろう。その上に立って集団移転なら集団移転の方、よりまた現実に即した問題として、そして住民の安全なところへの移転なり、こういうものが図られるようでなければならぬだろうと思うんです。もう目の前に災害が来てから、どうするかということではなく、ちょっと日が過ぎて雨が降らないと恐怖心を忘れてしまう、こんなことではならぬだろうと思います。これは指導する立場にある地方自治体や国に、やっぱり住民に対して説得力のあるそういう調査というものを基本にしたこういうものを確立しなければ、これから先も、いや向こうの方で雨が降ったらしい、また灰がどうしたとか、一喜一憂していなければならない。こういうことではなくて、もっと緊急にしなければならないことと、そういう総合的な、恒久的な立場に立って調査をもとにして住民と話し合うような、こういう施策を推進するという、こういう二面を相伴っていかなければならぬだろうと思うのでありますが、国土庁もこういうことについては十分にお考えだろうと思うんですけれども、どうですか。
  188. 四柳修

    説明員(四柳修君) お尋ねの山の状況、その調査という点でございますけれども、確かに一ころに比べますと山の隆起も、あるいは外輪山へのせり出しも減ってまいりました。しかし、今後の対策を考える場合にもいろいろの調査をしなくちゃなりませんが、昨年は科学技術庁の調整費を約三千万関係省庁に配分して、とりあえずの対策のための調査をいたしましたが、本年度も、北海道開発庁の方の関係予算によりまして道に調査を委託して、とりあえずの対策のために必要な調査をする予定にしております。それに対しまして道の方も、道庁側のプロジェクトチームをつくっておりますが、そのプロジェクトチームの御研究等に対しまして、国の方もできるだけ人的に御協力を申し上げたいと考えております。  それから、今後の問題としまして、やはり山が落ちつくまではある程度そういう意味での調査を繰り返しながら落ちつく先を児届けまして、その上で御指摘がございました町づくりという方向も踏まえて検討してまいりたいと思いますけれども、ただ、そういう過程の中で地元の方が特に御心配でございますあしたどうなるのかと、きょうどうなるのかという感じでの短期的ないわば推移とか情報等につきましても、町なりあるいは道ともよく協議いたしまして、なるべくある程度まとまった段階で関係住民にも御連絡できるような方向を、道の方で検討していただきたいと思ってお願いしておるところでございます。
  189. 藤原房雄

    藤原房雄君 もう時間なんでこれで終わりますが、土質とか——泥流がどうして起きるかなんということは非常に学問的にむずかしいですね。それは建設省とか中央所管庁の研究というのがやっぱり一番進んでいるんだと思います。補助金を出してということも結構でありますが、技術的なことや、それから専門的な分野についても全力を、全力というか、国の総力を挙げてひとっこれに取り組む必要があるんじゃないか。これは桜島についても同じことが言えるんだろうと思いますけれども、民家が密集している中での今回の問題としては、やっぱりこういう経験は初めてのことでありますから、非常に困難なそういう研究上の対象としても、まだ解明し得ないいろいろな問題があるのかもしれませんが、ひとつ全力を尽くしてこれに取り組んでいただきたいと、こう思うんです。政務次官、ひとつよろしくお願いしますよ。
  190. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 さき質問者にもございましたので一言お伺いしておきたいと思います。  これは、福岡県豊前炭鉱洗炭用ため池決壊の問題であります。すでに昨年とことしと引き続いておるわけですが、この復旧作業は速やかに進捗しておるのか。床上浸水が非常に多いわけですから、これは緊急に急がれる問題。バキュームの出動とか作業員はうまく配置されておるのか。終わりの見込みはいつか。それから衣食住の問題についてでありますが、床上浸水というものはすなわち衣食住の本拠を奪われておるわけであります。この点、四百五十人分たき出しを現地でやっておるとか聞くわけでありますが、この辺について、住まいの手配はどうなっておるのか。プレハブ等の配慮はあるのか。今後、県の認可にかかわっておると思いますが、発生源は明らかなわけでありますけれも、これについての安全保障なり今後の審査の問題にはどういう保障があるのかという点をお伺いします。
  191. 関收

    説明員(関收君) お答え申し上げます。  最初の、救済対策でございますが、事故が起こりました直後に、被害者の救済につきまして現地の川崎町が中心になりまして災害対策本部が設けられております。こちらの方で生活上の種々の必要物品の確保あるいは衛生上の措置等の応急措置をやっておられるというように聞いております。また、県の方もこの町がやっておられます応急的被害者救済につきまして協力をしておられるというふうに聞いております。  次に、復旧でございますが、事故が起こりまして定期的にいろいろ情報を聞いておるわけでございますが、現在私どもが把握いたしましたところによりますと、百人ほどの人数を動員いたしまして、十台以上のトラックを活用してバラスをまいて整理中と聞いております。それからまた、消防車による放水によりまして、情報によりますと、どろ等につきましてはほぼ取り除かれたと、こういうふうに聞いております。この点についてはとりあえずの情報でございますので、さらに確認をしたいと思っております。  それから、今後の問題でございますが、御案内のとおり、水洗炭業の事業開始に当たりましては、都道府県知事の登録を受けなければならないということになっておるわけでございます。で、登録に当たりましては、御案内のとおり、これはもちろん地元市町村との関係も非常に密接でございますので、この法律では、必ず登録の申請は地元市町村長を経由してしなければならない。それから、その経由の際に当該市町村長が申請につきましての意見書を添えることができるということになっておりまして、まず基本的に地元市町村の御意見を聞くということになっております。そういう形で上がってまいりました登録申請につきまして、都道府県知事は、河川道路その他公共の用に供する施設を損傷しないかどうか、農業、林業もしくはその他の産業の利益を損じ、公共の福祉に反することとなることはないかといったようなことで、そのおそれがある場合には登録を拒否しなければならないことになっておるわけでございます。  御質問の、このような法律体系の中での今後の運用の問題であろうかと思うわけでございますが、県の方では早速昨日庁内の会議をお開きになりまして、一つは、この事故の原因となりました業者に対する措置、これにつきまして水洗炭業に関する法律上、どのような措置をとるかについて御検討中と聞いております。それからまた、今週末に水洗炭業審議会を開催いたしまして今後の持っていき方等につきまして専門家、関係各位の御意見を伺うというふうに聞いております。それからまた同時に、他の水洗炭業者におきます安全問題につきましても、先ほどもちょっと御報告申し上げましたが、定期的に現地調査をしているようでございますが、この点につきまして、今後どう持っていくかといったことにつきまして、現在御検討中と聞いております。私どもはこの法律の運用上の責任のある立場といたしまして、今後県とも十分に相談いたしまして、事故が再発することがないように対応してまいりたいと考えております。
  192. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 すでに知事も記者会見を行われて、洗炭業者の認可等については国、県の責任が重大なのだが、現在の登録制ではチェックする仕組みが弱い、法改正も考えなければならぬというようなことを言っておられるわけであります。よく御検討を願いたいと思います。絶対に再発を防止をしてもらいたいということであります。  で、この桜島の問題につきましてはすでに次々に質問が行われてきたわけですが、連日連夜降灰、噴石、火山れき——この桜島が有珠と並んでいつ落ちつくのかということは、それはなかなかいまの気象庁等の把握で十分に予見、予知することはできない、こういう状況下で、五十万の市民のいる鹿児島市でありますから、これはもう鹿児島市としては国の補助があろうがなかろうが、これはもう灰の除去から始まってさまざまな施策をしなくちゃならぬ。幸い法的な措置その他によって二分の一、三分の一等の補助はつけられておりますが、その裏負担分というのか県の負担分というのは、これはどこの自治体でも大変なこの時期ですから大変なものになっている。三分の二にしてくれというような大変血の出るような陳情もありましたが、これは大きな問題ですからここでの質問ではおくとしても、この中で未知の問題として、基準財政需要額の中にこの裏負担の問題なんか見てもらっていないんだというような話もあったんですけれども、そういうことになれば、もう来年は灰が降らぬという、そういう想定に一体なっておるのかと思いますし、これは来年からおさまるか、五年十年後におさまるのか、当面の間は灰はやってくるものとして当然対応しなければならぬのじゃなかろうかと思いますが、どうですか、これは。
  193. 四柳修

    説明員(四柳修君) 基準財政需要額の問題は自治省の財政局の関係でございますが、かわって御答弁申し上げます。  御案内のように、交付税の配分をする場合に、当該団体の財政力と標準的な行政費との差額というものを交付税でめんどうを見るという仕組みでございますが、したがって標準的な行政費という形で、たとえばいま桜島の場合に、火山というのはどこにもあるというしろものではないものですから、普通交付税も基準財政需要額の中では見ない仕組みになっておりまして、特別の財政需要ということで特別交付税の配分のときに所要経費が対象の項目に上がってくるわけでございます。
  194. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 補正のときに考慮されるから当初から組まなくても大体同様な措置になると、こういうふうに聞いてよろしいわけですか。
  195. 四柳修

    説明員(四柳修君) 補正という形ではございませんで、やはりその団体の特殊事情というものを考慮する特別交付税の中で見られる、ただそういうことでございますから、年々の降灰量とか災害の量によりましても動きはございます。
  196. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 五十年、五十三年の降灰状況を見ておれば、これはかなりの周期に入っておって、一定期間続くものと想定をして、これは財政措置等にも当たっていかなければ、自治体にはたえがたいものがあると思いますし、その点は実際上、困らないように十分にやっていただきたいと思うわけであります。  すでに降灰除去についても幾つか質問が出ておりますから、その中で追加してお伺いをするわけです。先ほど、これは建設省の課長答弁で小型ロードスイーパーは建設省で使っておりませんから、その陳情取り上げるわけにはいきませんというはなはだそっけない答弁だったと思うわけですけれども課長なら課長でいいところがあって、細かく納得がいくように言ってもらわぬと困ると思うんです。なぜないのか、日本のどこにもないのか、つくればあるのか、そういうものはもともと気にくわぬから考えないのか、一体どういうことになっているんですか。現実には民間では使っているんじゃないですか、小型ロードスイーパー。特に中小道路とか吹きだまりとかに対しては、やっぱり人間がやれば人海戦術でむしろ経費を食うのであって、こういうものによって処理していくのが、年々続くというこういう状況の中では考えられなくちゃならぬと思うんですが、どうですか。
  197. 中野俊次

    説明員(中野俊次君) お答えいたします。  現在、建設省で保有しております路面清掃車は、道路管理道路のごみをとるということで配置しておりまして、いわゆる標準型の道路用のものでございます。それで、スィーパーにはそれぞれ確かに工場で使うとか、その他のいろいろの用途のものはあろうかと思いますが、現在は建設省では道路管理上のことで保有しておりますので、清掃用の標準型のスイーパーしか持っていないというふうに先ほどお答えしたわけでございます。
  198. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 先ほども政務次官あったんですけれども、いかがでしょう、こういうことであるんですな、道具は。しかし、道路というのは一定以上の広さのあるところで、機械というのはこういう機械が存在しておると。少し融通をきかせれば、小型のスイーパーぐらいは建設省が持つということは、道路にも枝道もあれば、国道ばかりが道路じゃありませんからね、これが市がやっていくのに、こういうものというのは、それはやっぱり状況に応じてお考えいただくというところではなかろうかと思いますが、かわりに人力でやるのを格段に措置しようという筋にもならぬだろうと思いますので、この点については、格段にひとつ努力していただきたいと思うんですが、いかがですか。
  199. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) 御質問のとおりだと思いますので、十分今後検討してみて、そうしたものを利用するところは利用していきたいと思っております。
  200. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 よい答弁でしたから、実現するようにしていただきたいと思うんです。  路面電車軌道の問題については、これは道路並みにやるのが一番降灰の除去については現実的だと、四柳審議官もこの点については現行ではまあ助成といっても行政の筋でむずかしいから、市の交付税の特別配慮等によってと、自治省ルートでやっていくのが今日での打開の方法だというような話があったわけですが、つまり、そういうことは、この災害の解決に当たって現実に助けになるような交付税の措置の特別配慮をやるということなんですか、そこのところを答えておいていただきたいと思います。
  201. 四柳修

    説明員(四柳修君) 私、たてまえ論として申し上げた点と実際の運用の点と若干違うと思うんですけれども、先ほど申し上げました点は、やはり道路の管理者と軌道敷の管理者というものは違う。軌道敷の管理者は公営企業である。したがって、公営企業の方は本来公営企業の方で収支を賄いながらその災害の場合でも対応すべきものであるけれども、たまたま公営企業会計も鹿児島市の恐らく一般会計の方から助成をもらっているから、そういった仕組みの中で考えるのが一つのお金のめんどうを見るたてまえ論ではないだろうかということを冒頭に申し上げまして、しかし、それでは必ずしもいかない場合もあるかもしれない、そういたしますと、現実には道路の管理者と軌道敷の管理者がある程度お話し合いの上で、軌道敷部分についても道路の管理者の方の御協力なり応援等によって何らかの措置ができないだろうかということを、地元の方ともいろいろ話し合ってみなければならないと思います。こういうふうに御答弁申し上げたわけでございます。
  202. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 大赤字の市電なわけですから、市の方は掃除をしてやって、そうしてまた電車の方からお金をもらってみたって、ふところの右のポケットから左のポケットに移すようなもので同じことだし、実際作業やる上では、最も現実的なのはこの道路の除去の際にやっていくということだと思いますし、これ運輸省の方に聞いてみたってむずかしい話ばかりで、いやになるような返事しかありませんからね、これは実際その方向で、解決のためにひとつ現実に助けになる交付税といっても、どんぶり勘定の中に入ってカレーライスの中にマツタケ入ったようなことになっちゃ、あるのかないのかわからなくなってしまいますからね、そういう点はきっちり始末をつけるということでやっていただけますか、次官いかがですか。
  203. 丹羽久章

    説明員丹羽久章君) 御趣旨はよくわかりましたので、それぞれよく検討いたしていきたいと思います。
  204. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 電車とパスの冷房の問題も、冷房に関する限りはそれは東京も大阪も冷房つけるわけでありますけれども、これはっけなければ実際乗るにたえないという状況がある場合には、事情も違うだろうと思うわけですね、との点についても自治省の方に聞きますと、これはどうも運輸省の方ではなかろうか、こういうことになりまして、運輸省の方に聞きますというと、あれは起債措置その他で自治省ではなかろうかということになるんですが、どうやって解決しますか。
  205. 田井順之

    説明員(田井順之君) 私どもは市営の交通事業につきまして、公営企業の一環ということで、起債その他のお世話をさしていただいている立場でございまして、助成の問題については直接お答えすることができませんので、関係省庁と十分連携とってまいりますが、起債の面では冷房車の購入につきまして五十三年度の申請の中でお話を承っております。お話にありましたように、鹿児島の場合の実情は他の都市の場合と違いますし、その辺のことは十分承知いたしておりますので、実情に即した取り扱いをするようにしてまいりたいと考えております。
  206. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 運輸省からはありませんか。
  207. 土坂泰敏

    説明員(土坂泰敏君) 冷房装置でございますけれども、冷房装置の補助ということにつきましては、冷房装置そのものが運行の確保の上に不可欠のものでないということでございまして、性格として非常に補助になじみにくいと思っております。また、現実問題といたしまして、私鉄の場合はもちろんでございますが、ほかの都市でも補助なしで冷房は進められておるというのが実態でございまして、これをせっかくの御指摘でございますけれども、直ちに補助の対象にしていくということは、やはりむずかしいのではなかろうか、こういうふうに思います。ただ、御指摘のように鹿児島市の公営事業、これ路面電車で赤字を出しておりますので、しかしながらこれ一定の計画でいま経営改善を進めているところでございます。運輸省としても、この経営改善計画が達成されるようにできる限りの配慮はしてまいりたい、こういうふうに思っております。
  208. 荘司晄夫

    説明員(荘司晄夫君) 私どもの方はバスでございますけれども、いま自治省の方や鉄監の方からお話がありましたことと大筋同様でございまして、バスの冷房化につきましては、公営、私営を問わず一般的なサービス改善のための施策ということで、すでに一般的な事業遂行の中でかなり実施されておる問題でございまして、特にバスの冷房化ということを取り上げて現在補助する制度を持っておりませんので、御指摘の実際の鹿児島市の問題につきましては、いま自治省の方からも御答弁ありましたように、実際の冷房化の促進に当たって支障がないように、自治省の方で一応起債なんかで措置されるものというふうに考えております。
  209. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 どうも状況を聞いておりますと、やっぱり自治省が中心になって知恵を出して、しかし関連としては同様にしても、運輸省にもいろいろ工夫をしていただいて、御協力をいただくというふうにならないと、こっちでキャッチボールのような話を聞いておったらどうにもならぬわけでございますから、ひとつ次官、大臣もこちらの方にも関心を寄せていただいて、ぜひとも高いレベルの中で方法を見つけ出して解決をしていただきたいと思うものであります。  続いて、治山治水の問題であります。確かに最近の桜島活動状況はかなりおとなしい時期から鳴動する時期に入っておるのかとも思われる点がありまして、治山治水全体として従来の計画の見通しを超えて、さまざまな活動土石流なりあるいはV字谷のガリーの発達というようなものも、非常に予想を超えて早い速度で全体像が進行しておるというふうに見えるわけであります。私も昨年の調査に参加をいたしまして、地獄河原からあるいは野尻川の土石流の記録、ビデオを見るとかいろいろやってきたわけでありますが、すでに黒神川の地獄河原は予想を超えて非常に早い勢いで堆積が進行しておるのではありませんか。その点は、三年もちますという話だったわけですが、どうなんでしょう。
  210. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) お答えいたします。  黒神川の地獄河原につきましては、小さな軽石状のボラと火山灰によりまして、堆積土砂が累積している状態でございます。これらの土砂に対する災害に対応するために、五十三年度末までに直轄砂防事業といたしましては約五億円、災害復旧事業といたしまして約一億円を投じまして……
  211. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 いや、そういうこと聞いてないですよ。
  212. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) はい。砂防ダム導流堤を施行して……
  213. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 予定よりもたくさんだまっているんじゃないかということを聞いているんですよ、堆積が。
  214. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) はい。従来よりも最近に至りまして大分火山灰の堆積が……
  215. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 三年計画の終末ぐらいに近い堆積があるんじゃないですか。
  216. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) 毎日降灰が続いておりますので、はっきりした数字につきましてはまだつかまえておりませんが。
  217. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 すでにさき質問者からも出て、一定の答弁はあったのですけれども、ここの堆積は私ども見せていただいて、大体三年までは導流堤でもってわきへ行かないようにしてここへため込んでいくんだというのが、かなりいっぱいになって、下の方に土石流が起こってくるというようなことも聞くわけでありますが、現地の方でも、どうしてもこの段階で黒神川は流路工の方を工事を開始しなければ安全は保障されぬと、やっぱり一貫して砂防ダムでチェックをして、そうして途中でためたものを最後の始末まで早期にやらなければならぬということですが、五十二年度の九月に出したこの計画を見ても、黒神川の流路工については直轄事業計画に入らずに補助事業になっておるわけであります。現地としては当然もうここまで状況が進んでくれば、建設省の方で流路工に対する計画着手というのが出てこなければ、一刻も晏如していられないということがあるわけですが、その計画はどういうふうに持たれていつから流路工には手をつけられるのか。どうでしょうか、これは。
  218. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) 現在その関係調査を始めた段階でございまして、当然先生のおっしゃるように、実施に当たりましては直轄砂防事業実施いたしたいと思っておりますが、いろいろ地元要望等もございまして、その辺をあわせ考えながら、今後導流堤による流路工を施行してまいりたいというふうに考えております。
  219. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 将来直轄事業にしたいと言われる、ここで答弁されるのですからいずれは行われるということになるのですけれども、早いことが必要だと思うわけです。見通しはいつになりますか。
  220. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) いろいろ調査をしないと、流路工のコースやその他につきましてもいろいろ問題ございますので、その調査を今後やりまして、その後で実施に移ることになろうかと思います。
  221. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 下の方ではハマチの養殖もやっていますので、自然にどっと落ちてきたらこれは補償の必要もないと。いよいよ計画流路工をつくると補償しなくちゃならぬというようなこともあるからなかなかやらぬのじゃないかとか、いろいろな不安もあるわけであります。これは速やかに、早期にそうして直轄で計画を示していただきたいと思うわけであります。あわせて、黒神川の方は計画にも出ておるのでありますけれども、高免の方については建設省のものを読んでも、川の名前も何にも書いてないわけですね。ここには川がないというような状況になっておるけれども、実際にはここにあるかれたような川と、そしてここでガリーの進行も堆積の進行もあって、先ほど有珠でさまざまな問題が提起された泥流化の問題は、ここでは非常に濃厚な危険として堆積しておるのではないか。災害は忘れたころ来るというのであるけれども、この場合には住民の方は忘れるどころかわかっておるわけですね、危険が。だから陳情もありますし、どうも調査団が行きましても、いろいろと現地の方々は口にされるわけですけれども計画の中で順番が遅くなっておるものだから表に出ていない状況になっております。  少なくともここの堆積状況とガリーの発達状況、そうしてこれに対して、どういう順番で何年から着手するのかということは、早急に示される必要があるのではなかろうか。特に昨年段階までと、昨年、今年と継続をした火山の活動状況等見るならば、見直しなり手直しなりが当然考えられなくちゃならぬと思うんですけれども、いかがですか、この点は。
  222. 小藪隆之

    説明員(小藪隆之君) 直轄砂防事業につきましては、五十一年度から野尻川ほか七河川を対象にいたしまして、優先順位の高い五河川につきまして実施してまいってきたわけでございます。その整備率はまだ全体的に非常に低いわけでございまして、今後さらに活火山の土石流対策として重点的に整備を進めていきたいというふうに考えておりますが、お尋ねの高免河原につきましては、現在まだ直轄施行区域に入っておりません。このために直轄砂防事業はまだ実施されていない現状でございますが、現地状況を十分調査いたしまして、今後早急に検討してまいりたいというふうに考えております。
  223. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 早急検討と言われるわけでありますが、この高免河原というのは、地獄河原の二平方キロよりもより広いということがあると。さらに斜面下には百三十七戸と、四百四十九人の住民が密集をして住んでおる。まあこの下の方にはビワの団地もあるというわけですけれども視察のときもあんまりここは通らないわけですね。しかし、大体こういうところに土石流でも何かあると、どっとやってくるのでありますから、砂防ダム、排水路とまあ川の名ぐらいは——まあトコトン川とかいろいろあるのかもしれませんけれども、それを早急にやっぱり調査対象として決めて、住民に納得のいくような姿で直ちに着手をして、少なくともその計画を示す点については早急に行ってほしいと思うんですが、この点は国土庁の方ではいかがですか。
  224. 四柳修

    説明員(四柳修君) いまお尋ねの治山治水という関係での問題と、やはり全体での何といいますか安全の見直しという問題と含めまして、私どもの方は大変恐縮でございますけれども避難施設整備という観点でいままで取り組んでまいりましたが、いま高免の問題につきましていろいろ御議論伺っておりまして、やはりそういったことも実は大変恐縮でございますけれども有珠山の場合でも桜島と同じように、いままで何ともなかった山はだがかリーの進行によって新しく沢ができ、その下流に新しく実は川ができてしまう。その川は一体だれが管理するのかという形で、実は有珠山の場合でも国有林、民有林という治山工事の対応まではやってきましたけれども、この流路工から先が農地に落ちるときには農林省へと、それをさらに海まで引っぱっていくと河川として建設省にというかっこうで、受け皿が非常に困っております。  それで、北海道の場合にはそういうことで、私参りましたときにも関係の部の責任者の方々にお集まりいただきまして、最終的に河川として管理するならばどういう受け方があるのか、そうでなくって農業用水路として受けるならばどういう受け方があるのか、とにかく道庁として見ても一つの方針を出してもらいたいということをお願いしてまいりましたが、いまの高免の場合もやはり最終的には鹿児島県の土木部が河川としてそれを管理するという姿勢で取り組むのか、あるいは途中に農地部分が入っているとか、いろいろな形でだれが管理主体になるのかと、そこら辺のところをまあ建設省の方もいろいろお迷いと存じますけれども、御趣旨の点十分県の方にも伝えまして、そうした山の変化に伴います管理主体の責任ということにつきましても検討してまいりたいと思います。
  225. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 実は、もうきょうは何年には直轄事業として着手するというようなところまで御答弁がいただきたいと思ってきたわけですけれども、非常におくれておると思うわけですね。まあ、これは国土庁の方では畑が違うと言う以上、全体の災害に対する様相としては山の研究を集積をして、そしてこの全体の動きを予知しながら踏んでいくというような点では、特に私は、この高免河原の問題は、いわば防災の進行が、山の方の変化と進行に対して非常に立ちおくれているという憂慮を強く持つわけであります。まあ今日早急に検討するという答弁でございますから、本日はそこまでにこの問題はとめ置きます。  実際には、すでに早く手をつけられた野尻川のものでも、建設省が出した資料見ても、古いダムはみんな埋まってしまって、そしてそでの方は破壊されてしまって、まあ新しく見直し、手直しをやらなければならぬというような状況が生まれているようにも思うわけですね。だから、全体として常に全体像を把握して、手当てをしていただきたいと思うわけであります。避難所、避難港の問題についても、古里温泉街の直近の避難港の問題はまあ若干因縁もありまして、いますぐ県の要望でも直接この問題が記載されてないというような状況がありますが、市議会からの陳情書を見ると、現実を反映してこの問題は記述されておりますし、まあ今回の視察団も降灰の中で声涙ともに下る陳情を受けて帰られたというふうにも聞いておるわけであります。先ほどの審議官答弁の中で、過去のいきさつはいきさつとして、再申請があればこれは改めて検討するというふうにまあ答弁があったと思うんですけれども、再申請があればその予断とそういうものなくて改めて検討されるものと聞いてよろしいわけですか。
  226. 四柳修

    説明員(四柳修君) これは、当然関係省庁とも御協議しなくちゃなりませんけれども、やはり先ほど御質問の中にもございましたように、過去のいきさつというものを関係者が十分水に流してと言ったら語弊がありますけれども、やはりそういった計画としての必要性ということを相互に十分御認識いただいた上で、やはり県の方からもそういった計画が指示されまして、上がってくるものと理解しておりますから、その段階で取り組みたいと考えております。
  227. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 まあ陳情の趣旨は趣旨として、県の方から改めて要求、要望として上げてくれば検討するということですから、よろしくお願いをいたします。  それから、農業対策については、先ほど果樹共済について基準収穫量算定方式の見直しのいい答弁があったので、ありがたく思っておるのですが、これはミカンについてあることがビワには及ばないのかというような問題。  さらにもう一つ、病虫害の防除の助成というものがやってもらえるのか。ビワには紋羽病ミカンにはハダニ、アブラムシ、そういった問題については御考慮を願えるのか。  農業用水の確保の問題についても、先ほどの高免あるいは地獄谷の黒神川の下の方には全国一とも思うようなビワ団地があるわけですけれども、これ灰を洗い落とさなければみんな死んでしまうわけですね。これ水がないので、いまはニトンぐらいのバケツの大型のようなもので水を運んでやっておるというような状況がある。このボーリングの個所増というようなことについても、非常に具体的な陳情があるわけです。この病虫害とそれからボーリングについてはいかがでしょうか。
  228. 塚田実

    説明員(塚田実君) 果樹共済につきましては、基準収量の例外措置としての手直しについては先ほど御答弁申し上げましたが、ビワにつきましてはまだ果樹共済の対象になっておりませんので、これを一日も早く果樹共済の対象に含めるということが大事だと考えております。先ほど御答弁申し上げましたように、非常にむずかしい調査でございますけれども、完了に近づいておりますので、可及的速やかに対象に含めたいと、このように考えております。  それから、次に病虫害の問題でございます。桜島噴火による降灰地域におきまして、ミカンの害虫、私どもはハダニ類と思っておりますが、それからビワの病害、これは羽紋病というふうに思っておりますが、それらが発生しているとの現地情報があることは、農林水産省として承知しております。このような病虫害の発生が、しかし、降灰によって果たしてふえるものかどうか、これは技術的にいろいろ検討しなけりゃなりませんし、私どもの研究によれば、まあ果樹の樹勢、病害虫、それから天敵などに対する降灰の影響、まあこういうものを十分検討していく必要があると。そこで、現在私ども鹿児島県の果樹農業試験場等においても、この問題は検討しているところでございます。そこで、今後におきましても、これらの検討結果を踏まえて、適正な防除指導を行うということにしております。また、国及び県が発生予察事業を現に実施しておりまして、適時的確な防除が行われるように、病虫害の防除事務所等を通じまして指導していっているところでございます。  それから、桜島地区におきましては、御質問のように、農業用水の確保というのが非常に大事でございます。まあ私ども桜島噴火にかかわる水資源開発事業火山活動対策特別措置法に基づきます防災営農施設整備計画におきまして、四十六地区鹿児島で四十四地区、宮崎県二地区計画されております。それから昭和四十八年度から五十二年度までに実施済みのものが三十三地区でございます。それから五十三年度実施中のもの七地区でございます。五十四年度要求においては六地区を予定しております。防災営農施設整備計画に予定されております水源開発事業につきましては、五十四年度ですべて完了することとなっておりますけれども地元から御要望があった場合においては、調査が必要と考えるならば、逐次対応していきたい、このように考えております。  なお、先ほど病害虫のことでちょっと失礼いたしました。私羽紋病と申しましたけれども紋羽病でございます。どうも失礼いたしました。  以上でございます。
  229. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 ひとつしっかりとやっていただきたいと思いますね。  最後に一つ、これは消防庁の方にお伺いをするわけであります。九月十五日午前九時二十四分、私ども大阪府枚方市というところに自宅を持っておりますので、朝東京へ行くために準備をしておったら、ドカーンという音がいたしまして、ユシロ化学工業本社工場爆発火災というのが起こったわけであります。後ほどに現地視察したのですけれども、近所の人に聞きますと、ピカッと光ってドンというので、見たらキノコ雲が上がったと、こう言うわけですね。そして三百メートル離れたところの民家で、窓から爆風がやってきて、もちろんガラスは壊れますし、螢光灯の電球が朝飯のテーブルの上に落下をしたとか、さまざまな被害が、大体千五百メートルにわたって爆風の被害が出た、大変大ぜい、幸いにして工場外の死傷者の数は多くはなかったと思うのですけれども被害家屋の数とそれから工場内の死傷者の数、大きな災害であったわけです。この災害について、被害状況とそして原因、その後の処置等についてひとつ御報告いただきたいと思います。
  230. 小池次雄

    説明員(小池次雄君) ただいまの御質問でございますが、これは九月十五日九時二十四分ごろの発災でございまして、被害状況といたしましては、三十四棟、いわゆる工場施設内の建物が三十四棟でございます。そして全壊が九棟で千五百九十七・九平米、半壊が五棟で九百八十四・〇二平米、一部破壊いたしましたのが二十棟三千九百八十四平米でございます。で、周囲の民家等の小さな損傷等も含めまして百六十八棟、ガラス破損とかあるいは屋根がわら破損、こういつたようなものも含めまして百六十八棟でございます。  損害額は概算で、いまのところ報告によりますと、施設内が千八百四十一万円でございます。周囲の民家等の損害額は五千三百九十四万三千円でございます。  原因につきまして現在調査中でございまして、まあその反応がまの中において、いわゆる一般的な、現在までにわかっている内容でございますが、試験的な方法でやったのとノーマルな状態でやったのと、この辺が問題があるわけでございますが、この辺の問題につきまして、果たしてこれが正常な運転状態であったのか、あるいはまた部分的な薬品の混合比率等をある程度変えたのか、これにつきましては現在調査中であり、近々うちの方からも大方固まった段階で現地調査をさしていきたいと、このように思っております。  それから申しおくれたわけでございますが、人的の被害は、その当日におきましては死者一名でございまして、入院後一名死亡いたしまして、死者はトータル二名、で三十三名の負傷者でございます。  以上がん的あるいは物的の被害と現在までに掌把した内容でございます。
  231. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 この災害以降二ヵ月たっても、総括といいますか、経過、総括が必ずしも最後まで明らかにならないというのが工場災害一つのむずかしい問題だと思うわけですね。そしてその影響は、これは危険物の製造所ですから、認可によって危険物施設としてあるわけですけれども、非常に近隣に、建設時においては田園風景であった場所が、建て売り住宅が許可を受けて密集をして人家がやってきておりますために、その災害が三百戸というような、まあガラス一枚にしても非常に民家に対して大きな災害をもたらしている。現地では出て行ってもらいたいというようなことになるわけですね。工場の方から言えば、後から来た者が何を言うかということになるわけでありましょうけれども、それでは一番悪いのは認可をした者かと、こういうことになってくるわけです。こういったふうな問題が、これは全国各地に存在をしておるというところに今日の問題があろうかと思うわけであります。速やかに原因を究明をして、そしてその後の指導を行っていただきたいと思うわけです。  実はこの工場は油脂類を取り扱いますので、消防庁の認可になっておって、枚方市長が許可をしておるわけであります。しかし住民にとって言えば、消防庁が許可をするのか、爆発物であってこれは通産省の許可になるのか、それはかかわりのない問題であって、結果をながめましても、この災害というのは爆発災害であって、決して火災でないわけですね。火も小火が出ておりますけれども、一時間後には鎮火と。そこの被災をした者も、ちょうど戦争映画を見るようにシャツまでぼろぼろになって裸に近い姿でふらふらと出てくるのを、消防署が機敏に対応して救出をして、幸いにその場所で致命傷を受けなかった者は、その後回復をしておるというような状況もあります。  実際消防庁が監督をして、そして消火作業ということで数十台の車を出して、従来からこの問題については意識を持っておりましたから、自後の措置は比較的りっぱに行われておるわけですけれども、もしこれが通産省認可の工場でありますと、立ち入り検査もろくろくできませんしね、タンクの方はこれは消防署だけれども、かまの方は労働省とか建設省の監督になっておるというようなことで、わりあい企業の方では見せたがらないというようなこともございまして、施設の全体については、入ってみてからわかるというのが実際の状況になっている場合が多い、法の不備があるのじゃなかろうか。第一、爆発をしたものに対して火災を想定した消防署が走るわけですけれども爆発は火災でないのか、この辺は一体どうなんでしょう。ぼくらが物理や化学で教わったのは、爆発というのは急激な火災なわけでありますけれども、この爆発と火災とが各省庁の取り扱いが違うというのは、これは矛盾ではないでしょうか、どうなんでしょうね。
  232. 小池次雄

    説明員(小池次雄君) 私ども所管する危険物規制課あるいはまた消防庁といたしまして、爆発的な問題は、ただいま先生がおっしゃいましたように、急激な燃焼、いわゆる爆発であります。いわゆるそれも火災の中に入ってまいるという形式でございます。
  233. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 時間がございませんから、きょうは報告を受けて、一つ要望して終わりたいと思うわけですけれども、私ども現地調査して、工場自身としては、いわゆる悪徳工場とか、危険を知りながらもうけのために危険を冒したと、必ずしも言われないわけですね。不可避的に起こってくる問題があるわけです。しかし、これに対して防火施設とはいいながら、その工場自身に爆風の外に対する波及を防いで、上の方に抜かしていくような設備でもあれば幾らか違ったかもしれませんし、さもざまな設備上の監督の問題もあろうと思います。何よりもこの問題を通じて、相並ぶ多数の工場に対して、具体的には立入検査なり事前チェックが、機械的な防火上のいわゆる立入検査権という一般的な検査権を越えてできないところに、問題があるんじゃなかろうかと、特に生産工程なんかについては、消防査察はほとんどノータッチというような状態になっておりますけれども、これに対しては、今日の法律では運用上、消防庁が事前に通産省関係の法律なり労働省関係の法律に該当することであっても、委託されて運用上立入検査なり査察なり、日常掌握ができるような道はないのか、これについて検討する必要はないのかと、こういう点についてお伺いしておきたいと思いますが、どうでしょう。
  234. 小池次雄

    説明員(小池次雄君) ただいまの立入検査の問題でございますが、確かに、ある許可の面に関しまして、たとえば高圧ガスとかあるいはLPGと、こういつたようなものに対する許認可庁は通産関係の所管庁であり、また、都道府県知事が行っておりますが、消防法のたてまえからいたしますると、一般火災予防の面からいきますと総括的な面の立入検査も行えるわけでございますが、したがいまして、その面におきまして、たとえば他の認可省庁の物件でありましても、それが火災予防上きわめて危険であるというような面がございまするならば、それに対する指導も補完的に行うことはできまして、同時にまたそれらに関する情報は所管庁関係、たとえば都道府県知事あるいはそれぞれの所管庁に対する通報等を行って、いわゆる安全を維持できるようにやってまいるというような一般的な規定がございます。
  235. 小巻敏雄

    ○小巻敏雄君 それでは、今後とも運用の面について、政令を出すところまでいかなくても、通達を出すなり関係省庁協議をして、ひとつこの点については強化をしてお取り組みをいただきたいと要望いたしまして質問を終わります。
  236. 川村清一

    委員長川村清一君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時五十三分散会