○沓脱タケ子君 それではきょうは、所在地が東京都豊島区東池袋一の十五の二の大和スキー開発株式
会社という
会社に関連する問題をお伺いをしたいと思っております。
大和スキー開発株式
会社というのは、新潟県の塩沢町、長野県の山ノ内町にスキー場の開発をということで、そしてロッジだとか別荘なぞの甘いキャッチフレーズで庶民の夢をかき立てて、悪徳商法の数々を重ねて膨大な被害者を出している、こういう問題に関連をいたしましてお伺いをしていきたいと思います。
まず、被害の
実態でございますけれども、実は私、大阪を中心にする被害者の皆さん、また関東——東京、神奈川等を中心にする被害者の皆さん方からその
実態をつぶさに拝聴したわけでございます。
まず、どういう広告を出しておるかということですが、こういう広告なんですね、一面全部ですわ。これは報知新聞の広告ですが、「スキー場のメッカ北志賀高原 日本のスイスが三十五万円で 老後の安定生活設計」という、いまの大変な情勢の中では、国民の夢をかき立てるというのですか、そういった広告が大々的にやられておる。これは何新聞かな——「わがロッジ志賀に選ぶところは志賀、申し分なしロッジ経営」、それで「現地無料見学会
実施中です」と、こういう宣伝が大々的に、主としてスポーツ紙、それから週刊誌等を中心にいたしましてやられているわけです。それによって個々の方々がいろいろと
連絡をされ、買い入れをするというふうになってきているわけです。
私、大阪で聞いたのは、約二十人の方から一人ずつ聞いてみた。そうしますと、まずその現地へ連れていくと。そうして無料招待の見学会ですね。で、連れていってそこで契約をして、半金入れたらそうしたら土地の権利書を渡しますということで、その日そこで手付金を渡して、帰ってきてから半金を入れる。ところが、この半金を渡したら領収書をくれて、そしてこの領収書を東京本社へ送りますので、一週間後に権利書を送りますというわけですね。その一週間という約束が、三年たっても四年たっても権利書なるものが出てこないと、こういう
状況なんです。被害の実額は、個々にいろいろありましたけれども、私ども伺いましたのでは、二百万から七百万、一千万。一千万内外というのが一番多いんですね。そういう
状況になっております。
で、具体的には、、ずいぶん気の毒な方もいますよね。「老後の安定」などというふうに言われたものだから、大阪のAさん、これは五十七歳の方ですが、その大和スキー開発の土地をすっかり——現地へ行ったらちょうど
工事中だったんですね。それでこれは大丈夫だと思って契約をした。ところがその後、大和スキーがさっぱり権利書をよこさない。そうこうしているうちに、これは開発計画
地域以外のところを分譲したというふうなことで、長野県から国土利用計画法違反と宅建業法の違反というふうなことで告訴されているということを知ったと。ところが残りの分は分割で払っているわけですよ、私が聞いたときまではね。もう収入は、いまはガードマンに夜行って十万ぐらいしかかせいでいないんだと、何とかしてあの退職金のお金を少しでも返してもらいたい、こういうふうに言っておられる。そういう方もおられます。若い方の中では、スキーが好きだし、何とかしてロッジを持ちたいと思っていたからということで、半金払えということで、九百二十五万円、これも大阪市の方ですが、払った。ところが、最初見せたところは売れたからということで、今度はここにしますということで割り当てを変えられた。ところが、それを見に行ったら道路わきの深い沢であった。これは約束が違うじゃないかと言ったんだけれども、どうにもならない。金は取られっぱなしというふうな
状況になっているわけです。
こういうかっこうで、個々の被害者の方々というのは大なり小なり似たようなケース。で、権利書をもらっているという人は、私の聞いた範囲では一人もいないんですね、北志賀に関しては。その全体像が一体どうなっているのかということで調べてみましたが、これは
建設省の御調査では、北志賀
関係では六百人
程度だと、被害総額が十七億に及ぶんだというふうに言っておられた。ところが、私ども大阪でお聞きした二十人の
関係者というのは、これは
建設省が言っておられる六百人の名簿には入っていない。そうこうしているうちに、あちらこちらから被害者らしき人たちからいろんな
連絡がありますし、見ておりますと、北志賀だけで、手付金という形で五万、十万のクラスも含めますと、二千人になんなんとするという
実態が明らかになってきております。
これはまあ大変なことだと思って、実は現地へも私十月の初めに行ってまいりましたが、実は現地へ行ってみて驚いたんですね。というのは、お金を払ってロッジを経営しようと思うから、いまおる大阪なりそれぞれ自分の居住地の家を整理して、いよいよ行って家を建てようということで乗り込んで行っている人たちがおるわけですね。そういう人たちがずいぶんお困りになって、それで現地の山ノ内町でもいろいろと御協力になられて、そうしてまあとにかく、私がことしの十月に行ったときには、十七軒のロッジが建っておった。ところが、そのロッジを建てておる人たちの底地を見て、また驚いた。これは長野県の県当局の資料をちょうだいしてみたんですけれども、十七軒の建っておる人たちの底地が大和スキーという
会社から権利書が移転されていて、移転登記がされているのはわずか一軒です。これはひどいですよ。大和スキーの土地ではあるけれども、倒産をしておりますので、二重、三重抵当になっていて、本人の名義に移転登記をされてない方というのが七軒、あとの九軒はもっとひどくて、土地は地元の方が地主であって、大和スキーは借地権者にすぎない、こういう
状況が明らかになっておるわけです。ですからまさに、十七軒建っておりますけれども、一軒を除いて全部、あとは砂上の楼閣、こういうことになっている。
さらに、この大和スキーがもう一カ所やっております新潟県塩沢町のスキー場、これも当初は、北志賀の
建設の場合に、新潟の石打スキー場で成功した、それで、第二期
工事として北志賀でやるんだということで宣伝がされていたわけですけれども、この石打スキー場へも実は私参りまして実情を調べてみて驚いたんですが、売り渡しているのは約千二百人。しかし、現在家が建っているのは、これは町御当局の
お話では百二十六軒だそうです。他の人たちは一部は移転登記がされておりますけれども、その移転登記もおかしなかっこうでしてねと町当局は言っていましたよ。というのは、一区画が三分の一所有権者、五分の一所有権者というふうな形になっている。しかも、ある人たちのところは、がけであったり沢であったり道路上であったりしている。また石打スキー場の方でも、全然権利書がもらえないということでお困りになっている方もおる。これは東京都のAさんという方ですが、まあ名前はちょっと伏せますが、五年間、権利書よこせ、権利書よこせと、金は払っているんだからつて言っているんだけれども、いまだにもらえないと言って私の会館の事務所まで訴えに参られた方もおります。神奈川の方は、これは石打スキー場の出来事ですが、権利書をもらったと、ところが、その人の権利書というのは、後で調べてみたら山一つ越えた向こう側で、三里も離れている。そういうところのものをよこしている。
こういう
事態が何で起こったのかということで、石打で地元の方々にもお聞きをいたしました。そうすると、それはもうむちゃくちゃや。一つの区画を売りに出すのに、十人のセールスマンが一挙に飛び出ていって一斉に売ってくるというのですね。だから、五人に売れた場合には五分の一所有者ということになるわけですよ。三人に売れた場合には三分の一所有者ということになっているわけです。どういうふうに売っているかというと、こういうロッジだとか別荘用地というのは、土地を購入して直ちに
建設をするという人はまずいない。数年寝かしておいて、だれかが欲しいと言えばこれは希望者に転売をする、あるいは数年たって計画をしてロッジをつくる、別荘をつくるというので、一挙に全員買うた人が建てるということにならないからトラブルが起こらないんだなどと言うて、こういうやり方をしてきたというわけでございます。ずいぶんひどいやり方なんですが、こういうやられ方で、それは地元の塩沢町でも、町当局や住民の皆さんからもお聞きをいたしましたが、そういうことで塩沢町でも約千人内外の被害者が出ている。こういうふうに言われておりますが、
建設省はこの
実態を御
承知でございますか。