○三治重信君 人数は非常にわずかなようですが、そこに誤解を受けられないようにひとつ
指導を願いますとともに、その受ける方、いわゆるこういう和裁の技能者をいわゆる従業員として雇っている事業主体の方からいくと、そこに従業員に試験を受ける
指導をする場合に、その点が非常に最近は混乱を来しているし、さらに東京商工
会議所ばかりでなくて、ほかの商工
会議所も、その和裁の試験検定をやるという動きもある。こういうことについてひとつ
労働省の方がもっとしっかりしてくれなければ困る。何ゆえに国家検定を、商工
会議所がやっていればいいものをまたさらに
労働省の方で国家検定をやるようになったかというのは、われわれ和裁のそういう団体が、国の試験をやってもらいたい、商工
会議所ばかりでなくて国の試験をやってもらいたいということで、それは東京商工
会議所も了承して国がやるようになったはずなんだ。そういうふうになると、やはりいまは自由主義のところだから、どこの試験を受けろというのをそう強制はできぬ、自分のところの従業員に対して。ところが、従業員の方は東京商工
会議所を受けると早く簡単に受かる、試験も何でも早く受けられる。試験を受ける資格がないから受けようと思うといつでも受けられる。
労働省の国家試験の方は何年かたって試験を受ける。そうすると一級、二級というふうに実技ではそういうふうに程度は同じだというけれども、受ける方から見ると非常に
指導がやりにくい、こういうことですね。
労働省の方だと中学を出てから実技五年とかあるいは一級なら十四年、こういうぐあいになるが、商工
会議所だったら自由に受けられる。一級は、もちろん商工
会議所の二級が受からないと商工
会議所の一級が受けられない。だから、いつ検定試験を受けるか、こういうことになってくると、商工
会議所はやり始めてから二、三年、一年、二年でも受けられる。こういう問題があって非常に
指導をやりにくい。
こういう問題があるから、この商工
会議所も商工
会議所法の九条によってやっている、国家検定の方も職業訓練法の六十二条でやっているから、いずれも国の
法律でやっているわけだから、これをとやかく言うことはないけれども、せっかく両方でやるようになったのは、いろんなやはり受ける方の団体から見れば、国家検定試験もやってもらいたい、商工
会議所ばかりでなくてやってもらいたいという要望があって始めたことなんです。ところが、ずっとやってきて、国の方への受験も実際の数字からいくとずっとふえている。しかし、商工
会議所の試験があるために、自分のところの従業員のそういう和裁の検定試験について情報が二つに分かれて非常に
指導しにくい、こういう問題があります。
ひとつ
局長、これは
一つの例なんですが、こういうふうに国家検定試験なり資格試験が二つ重なるような場合には、
制度としてあるやつがすぐ
法律が変らぬ限りはしようがないとすれば、その受ける方の各事業主体の団体、そういうのにひとつ、そういう受験資格なり、受かっても国家検定の免状をもらえるようになるのはその国家検定の受験資格が満足しないと免状は出ないんだよとか、そう急ぐこともないし、同じ水準でやっていくべきだ、こういうようなことについて、ただ試験をやるということでなくして、受験者の気持ちをもっと思ってひとつ
指導をしていただきたいとともに、ほかの商工
会議所のやっている珠算だとか簿記とか計算尺だとか、いろいろあって、有名であり、この商工
会議所のやっている試験に受かると、各企業もわざわざ試験をやらぬでも、その免状によって採用試験は面接だけですぐポ
ストに職種として採用できる、非常に便利な、しかも権威のあるものだが、ところが同じ試験内容といいながら、受験資格が違うとこういうような問題が出てくるわけですから、ひとつぜひ商工
会議所と
検討会を開いて、お互いに
法律に基づくんだからおれはおれだ、お前の方はお前だ、自分のところは伝統は変えられぬということじゃなくして、そういう受ける側の立場も考慮してひとつ
協議をして、その和裁の検定が、商工
会議所、国家検定ができれば
一つになるのが望ましいけれども、その過程を少しずつぜひ統一していくようにお願いをしたいと思います。
わずかな時間での問題ですが、こういうふうに非常なリバイバルブームですか、文化活動というんですか、非常にそういう新しいといいますか、従来の職種の中で見直されてくる職種があるわけなんです。
最後に
一つ質問しておきますが、先日も、今回訓練法が改正されて、いままでの一級、二級というんじゃなくて、それほど、一級ほど特別な高度の技能を要さぬ職種でも技能検定ができるように、単一職種、単一等級の技能検定をやるように幅を広げたと、こういうふうにおっしゃるわけです。その観念はいいわけなんですが、しかし実際、今後どういう職種に広げていこうか。私はこういうふうな非常に産業構造の変わる、しかも雇用の問題がある場合に、どっちかと言えば製造業から第三次産業の方へこの検定の単級職種、技能職種を広げて、雇用の場を広げる役にも立つような、新しい第三次産業の中に
一つの職業意識を持たす、そうしてそれで雇用をする側にとってそういう国家試験なりいろいろの検定によって非常に採用しやすくすると、こういうことが、今後雇用問題から見ても、または新しい職業意識を持たすためにも、こういう検定
制度というものは私は非常に最近役立つと思うんですが、そういう職業意識なりこれからの産業構造の変化による雇用に対する、何というんですか、各職業の地位の向上、確立のためにどういう職種を広げていこうかということをしっかり
検討し、そういうことについて構想があればひとつ
お話し願いたいと思う。