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国務大臣(
河本敏夫君) 石油
公団法の改正につきましては、まだ結論が出ておりません。
中国との石油開発につきまして、第二回ミッションを派遣をしまして、つい数日前に帰ってまいりましたが、第三回目の交渉をこの十二月に
東京でやることになっておりまして、来春には開発方法についてのおよその結論が出るであろうと考えておりますが、その結論を見た上で判断をしたいと、このように思っております。
それから重質油の問題でございますが、御案内のように、いま世界全体が重質油の
傾向に行っております。たとえばサウジアラビアなどでも重質油をどんどん増産をしまして、軽質油と抱き合わせで売りたいと、こういうことを言っておりますし、中国も一部には軽質油が出るようでありますが、重質油が大部分である。この世界的な
傾向に対しまして、わが国の対応が大変おくれておりましたので、今年になりましてから重質油懇談会というものをつくりまして、
日本の権威者に全部集まってもらって、さてどことどこに問題があるのかということを調べてもらいました。さしあたり重質油を分解精製する技術開発、ここにまあ問題がある。ついてはまずとりあえず海外の現状を
調査すべきであるというので、つい先般二組の
調査団を欧米諸国に派遣をいたしまして、まず現地を見させております。
それから第二点は副製品、つまり重質油から出てくるいろいろな製品がありますが、これの需要の開拓、これがおくれておるのではないかと。だから技術の面と需要の開拓、この二つを取り急ぎ全力を挙げて取り組むようにと、こういう御意見をいただきまして、その準備に取りかかっております。まあ来年度はこの技術開発のために相当多額の予算も要求をいたしております。
通産省挙げて重質油問題に取り組んでおるというのが現状でございます。
それからもう一つ申し上げたいことは、いま石油の需要が大変緩んでおりますけれども、これは世界全体の景気がなかなか回復しないという背景があるからでございます。しかしながら、このような状態が長続きするとは思いません。いずれは
需給関係が窮屈になると私どもは考えておりますし、
アメリカなどはとっくにその見通しを立てまして、昨年来大規模な国家
備蓄計画を立てておるのでございます。非常に石油の面で有利な条件のもとにある
アメリカがあれだけの大規模な国家
備蓄をスタートさせたということは、私どもも参考にしなければならぬと考えております。
そこで、
日本の油の
需給関係の見通しでございますが、大体本日も、総合エネルギー
調査会の正式答申を得まして、総合エネルギー
対策閣僚
会議で御承認をいただいたのでございますが、それによりますと、
昭和六十年には現在の消費量、年間約二億九千万トンが四億三千万トン、ざっと五割近くふえることになっております。でありますから、わが国としては今後七、八年の間に一億四千万トンぐらいの油をどこからか毎年増量しなきゃならぬと。こういう状態になっておりますので、この問題を解決する過程におきまして私は中国の油の問題を解決すればよろしいと、こう思っております。
日本の需要が増大をしないということでありますと、中国の油の解決も大変むずかしいんですけれども、一億四千万トンという増量が期待されますから、その中で四、五千万トンの中国油を消化するということは基本的にはさして難事ではないと、こう思っておりますし、それから、今後五年間の取引数量が決まっておるわけです。
昭和五十八年からふやしていこう、こういう
考え方でありまして、若干の時間的な余裕もありますし、十分対応は可能であると思います。
それから、五千万トンと言いますと大体百万バーレルということでありますが、現在の設備でも大体千五百万トン前後までは何もしなくても対応できるわけです。油の生だき等が可能でございますから。だから、せいぜい三千万トン強の対応策、つまり六十万バーレルぐらいの対応をすればいいわけでございますが、いま申し上げましたような背景もございますので、国を挙げてこの問題に取り組めば私は決してこの問題の解決は難事ではないと、またどうしても解決しなければならぬと、こう思っております。
そこで、本日も総合エネルギー
対策閣僚
会議で決めていただきました一つの大きな柱は、現在は中近東から八割輸入しまして、アジア
地区から二割となっておりますが、これをおよそ十年後にはアジア
地区から三割の輸入をしたい、こういう方向でいくべきである、こういう決議もいただきましたので、その趣旨に沿っていま御
質問の問題を解決していきたいと、こう思っております。