○柳澤錬造君 別にこだわりません。ただ、これはむずかしいんだけれ
ども、あそこへ私
ども運輸委員会で視察に行ったときに、京成の地下駅を見たときに、京成の副社長が、成田からここまで八・二キロですか、路線を引っぱるのに百十億かかりました、車両も冷房のいいのだからそれが十五億です。この地下駅に二十五億かかって、百五十億かけました、ところが使えないでこの間五年間来たんで、その金利だけで八十億は払ったんです。いよいよ今度は使うことになった、ところが、エスカレーターはしょっちゅう来てボタンを押していたからよかったんだけれ
ども、あの無人改札機が五年間じいっとしていたので全部アウトでもってだめになってやりかえになりました、それらを含めてこの改造に十億かかるんです。そのお金はだれが見てくれるんですか、と言って、私は副社長が言われたことを、やっぱりさすが民間だけあって、それは悲痛なものだと思うんですね、それみんな私企業がしょうんですから。その辺が大塚
公団総裁なんかになると、幾ら金がかかってもそれで何してくれば、初めの予定じゃ取らないはずの、あれ何ですか、飛行機に乗るたんびに千円か何かいま余分な金を取るわけでしょう。本来きちんとしておけば取らぬでいい金を飛行機に乗る人たちからそうやって取ってやるというふうな、そういう点からいくならば、私は、京成電鉄だけだっていま言うとおり九十億、上がるべく利益は全然
考えないでそれだけのことをあの一社でやっているわけですよ。あの周辺のホテルから何から、それはもう大変なことだと思うんですよ。しかし、それは別にそれでどうこうじゃないんですから、そういうことも
考えて、そしていかにむだなことをしたか、それでそのむだなことはだれが払おうが、飛行機に乗る人たちが払おうが、究極は最後は日本の国家、
国民全部がそれだけの損を負うことなんですから、そこのところをはっきりと見詰めなかったならば、あの成田の問題というものの結論が出てこないはずなんです。そういうことでお聞きをしただけですから、それ以上よろしいんですけれ
ども。
それから、
国鉄の関係の人たちの方は、もう
総裁の御都合も聞いておったですからいいし、時間もなくなりまして、こんなに遅いのに
皆さんに御迷惑をかけることになるからやめます。
ただ一つだけ、これも要望を申し上げておきますが、通常
国会のときに、昨年の十二月にあの法定制緩和法ができて、完全じゃないけれ
どもある程度当事者能力も持つようになったので、
再建が軌道に乗りましたかとお聞きしたときに、
高木総裁は、まだとてもじゃないけれ
どもそういう形になりませんという御返事だったんです。それは、あれだけの大きなことであって無理もない。私は大事なことは、
国鉄のような大きな、だれがやったって私はむずかしいと思うんです。同時に、あの膨大な
赤字を今度は黒字に転化するなんということのペニシリン注射はないと思うんです。それはもう
皆さん方が本気になって、そうして
再建のために何をしなければならぬかという、どんな小さいことでもいい、このことはそこへつながると思ったならば、そういうことを一つ一つを積み重ねて、むだな金は使わぬ、そうして必要なことをやっていくことが究極のの
再建に私はつながることだと思う。
いろいろそういう問題でもお聞きしたいと思ったけれ
ども、やめて、ただ一つだけ要望申し上げておきますけれ
ども、実際にあの
国鉄で働いている人たちが四十万ちょっといらっしゃるんだから、その人たちに向かって、
国鉄の
再建のために知恵をかしてくれ、何かいいアイデアはないか、それでいいアイデアだったら、それは賞金やったって何だっていいから、そういうことをやって、実際に現場で働いている、そういう苦労をしている人たちに
再建のための、いろいろ君らの頭の中にあるそういうことを出してくれ、そしてそういう中からいいものを取り上げて、一つでも二つでもやれるものをやって、そうして本当に
国鉄が
総裁以下全部第一線にいる人たちが一緒になって取り組んでいくという、この姿勢が私は大事だと思う。そんなもの、いまあの膨大な十兆円近くになった
赤字をちょこちょこと行って消すような、そんなペニシリン注射はないんですから、そういう点をお
考えいただきたいという要望だけ申し上げて、この点終わります。