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澤邊説明員 二つばかり
お尋ねでございますが、まず前段の、
購入通帳によって
小売業者から
消費者が買うというのがたてまえであるけれ
ども、その辺が端的に申し上げまして空文化しておるといいますか、行われていないという点でございますが、私
どもといたしましては、
食糧の
需給というのは、現在のように国際的にも国内的にも
過剰状態がいつまでも続く、将来ともにそれでいけるのだということを
前提に置いた
制度をつくり直すといいますか、そういうことは必ずしも現
段階としては適当ではない。やはり国内的に見ましても、
需給均衡が標準的にとれますれば、まあ農産物というのは天候その他による
不作等もございますし、三割以上
海外に
主食を依存しておるわけでございますので、どのような
事態があって
海外からの輸入が滞ることもあり得るということも念頭に置かなければいけませんので、
購入通帳制度というものも、現在は背後に退いているというような形になっておりますけれ
ども、場合によってはそれが復活し得る
余地というものは残しておかなければいけないだろう。ただ、そうは言いましても、現
段階の
一般経済情勢なりあるいは
需給事情のもとにおいて、
購入通帳によって必ず買わなければいけないということを励行させるということについても
実態にそぐわない面があるのではないかというように
考えておるわけでございます。
購入通帳によって
販売することによって、
政府が売った米が、
格上げ混米等が行われないように売っていくようにしたらどうかというような御意見ではないかと思いますけれ
ども、
混米自体は、昨日もお答えしましたように、必ずしも非難すべきことではないわけで、当然
混米することによって
品質を年間ならすというような面で望ましいことでもありますし、
単品ごとに売れば非常にまずい米も、他の優良な米とまぜることによって
かなりおいしくなるというような面もございますので、それ自身非難すべきことではないと思いますけれ
ども、いわゆる
格上げ混米と称しまして、
政府が安く売った米を、
表示も十分せずに、
上位等級の米と一緒に
販売することによって、実質よりは高い値をつけるというような点が、私は問題ではないかというふうに思うわけでございます。
そこで、そういうことをできるだけなくしていく、防いでいくということのためには、
集中精米による
小袋詰めの
販売というものをさらに一層促進していくことによりまして、いま言いましたようなことを予防するというか防止する効果が出てくるのではないか、それだけではございませんけれ
ども。と申しますのは、
集中精米によります
小袋詰めを
混米をしてやるという場合には、これは
かなり数が少ないわけでございますので、
監督の
余地が出てくるわけでございます。
小売屋のそれぞれの
店頭で
精米をし、
袋詰めにするというようなものにつきましては、実際問題として
指導監督をするということはなかなか目が行き届きかねる面があるわけでございます。その面で、
大型精米による
小袋詰めの
販売の促進をしていきたいというように
考えておるわけでございます。
大変長くなって恐縮でございますが、もう
一つの
A銘柄、
B銘柄の問題も、ただいまお答えしたことと関連するわけでございますが、
政府は確かに
A銘柄、
B銘柄につきましては
価格をやや高めて売っておる。逆に北海道とか
青森等の
減額米については、
一般の
価格よりは安く売っておる。
等級の差のほかにそういう
銘柄によって差をつけて売っておるわけでございますが、それがそのまま卸、
小売と
流れて
消費者に行く場合に、そういう米が混入している場合に、それにふさわしい適正な
価格が行われておるかどうかということを一々チェックすることは非常にむずかしいわけでございます。もちろん繰り返し申し上げておりますように、
消費者価格というのは現在自由になっておりますので、
消費者の
選択といいますか、あるいは
業者間の
競争、
消費者と
業者の間の
選択、
競争によって、極端に高い米の
価格を決めておればそれが売れなくなるという形で牽制されて、おのずから適正な
価格が形成されるであろうということを
前提にしておるわけでございますが、極端に高くならないように
最高限は必要に応じて抑制を
指導はしておりますけれ
ども、その中間のものにつきまして、すべて一々
中身が全部違うものを、これは適正であるとか不適正である、こういうことを
指導することは実際問題として困難でございます。したがいまして、いま言いましたような
集中精米による
小袋詰め精米ということを進める中で、そのようなことが、適正な
価格が
中身に応じて形成されること、それをまた
行政的にある程度チェックできるという
仕組みに漸次移行さしていくということと、もう
一つは、
流通業者の間がもう少し
競争する。他の商品のように
競争するというようなことがあれば、
競争によって、そういう
品質にふさわしくない高い
価格を決めておるような
業者は売れなくなるというようなことによって、おのずから適正な
価格形成に近づいてくるというような
方向で
指導していくべきものではないかというふうな
考えでやっておるわけでございます。