○島田
委員 明確に否定をされたわけでありますが、そもそも
森林の請負をしていくに当たっては、請負業者というのはやはり利益を追求することはたてまえであります。利益を度外視して仕事をするなんということはあり得ないことであります。これは企業としては当然のことですね。それをいけないなどというのはおかしな話であります。採算がとれるような、そして利益が十分上がるような
考え方を持つのは否定し得ないことであります。そこにはややもすると安かろう悪かろう方式だって生まれ出ない保証はない。私は必ずしも請負業者が全部そうであると言っておるのではありませんけれ
ども、利益追求というのは第一の条件であります。今日の
国有林を
考えますときには、正しい
経営の上から
山づくりというものが期待されなければいけないわけであります。そういう意味で、あなたがいま否定なさったことを私は全面否定するつもりはありませんけれ
ども、基本としてはそこをわきまえなければいけないのじゃないか、こういうふうに私は思うのです。
例を挙げるまでもありませんけれ
ども、私
どもも請負による現地の実態などを
調査をさせてもらった中でも、かなり粗雑な、これでいいのだろうか、こんな請負をさせておいていいのか、こういうふうな実態にも触れてきました。
全国各地にこういう事例がいっぱい発生していることは想像にかたくないのであります。たまたま私は前国会でもあるいはその前の去年の国会でも
指摘をしたのでありますけれ
ども、現場において
営林署なりと契約をいたしました場合でも、契約どおりに実行されていることのないところがあります。それは前にも
指摘をしました。この点の行政指導を強める、こういう御返答もいただいたのでありますけれ
ども、手抜き作業や、あるいは一定のノルマを消化するために山林労働者の酷使なんという実態も出ている。特に労働災害あるいは振動病なんというのは
国有林労働者に比べて民有林労働者に多い。これはまさに請負の持っております問題点であるわけであります。
そういたしますと、こういう条件が
整備されているところばかりであればあなたのおっしゃる点も納得できるのですけれ
ども、今日の民有林労働者の実態は、いまさらここで申し上げるまでもなく、振動障害の問題一つ取り上げてみたって非常に潜在しておって顕在化してこない。これはまさに仕事をしなければ食べられなくなるという労働者の深刻な問題がそこに介在しているわけでありまして、そういう点は、雇用者である請負業者の中では積極的に
改善するということにはなっていない、私
どもが
指摘をしたような状態になかなかなっていない。
そういうことを
考えますと、請負
事業と
直営におきます今日的な状態を
考えてみますときに、
国有林は
直営を基本にして進めていくことが今日非常に必要だ、こういうふうに
考えて、しばしばこの問題について取り上げているところなんであります。
現在の請負業者の中で、さっき触れた契約状況やいま
指摘をしました振動病予防
対策、こういう点で行政通達まで出すと言って出されましたし、しかしそれが現実に守られているかどうかという追跡
調査の結果、守られていないという事実も明らかになったので、私は前国会でこれを
指摘いたしました。さらに行政上の指導を強化する、こういう返事もいただいているところでありますが、その後、そういう点の
改善が一体なされているかどうか、その点はいかがですか。