○
島田委員 北海道においては、輪作の重要な一つの作目であり、
国内的にも自給率二〇%の大きなシェアをこのビートは持っておるわけであります。後ほどまた沖繩、鹿児島の
サトウキビが出てきますけれども、きょうはビートに限って言うのですけれども、この
てん菜に対してだって、いままでずいぶんいろんな経過を経て、ようやく
北海道の輪作の一つとしてのビートの位置づけも強く迫られるようになり、それを踏まえて農家も、まあ奨励施策に乗って面積の増大あるいは増産にも励んでいる。こういう
北海道の寒地作物にとっては、これはなくてはならない重要作目なんですね。そんなこと私がいまここで言うことはないのですよ。それを公平に扱うべきじゃないですか。手取りのことを言うなんというのはひきょうですよ、そういう言い方は。苦しくてそこに言い逃れをするのだとすれば仕方がないけれども、農家に聞いてごらんなさい、十人のうち十人、来年は半分入れて大体大豆や小麦並みにしてくれるなあという感触で返っているのですよ。それに近いことを皆さんおっしゃっているのですから。どうも一年たったらとんとそういうことを忘れて、ごまかしたり、正直な農家をだましてしまうなんというやり方をする。これは私は絶対許せません。
決定まで厳重にこの問題については見張っていきたいと思うし、これが実行できないとしたら政治問題だ、私はこういうふうに思っています。
さて、時間がもう幾らもなくなりましたから、
バレイショについてちょっと触れておきたいと思うのですけれども、ことしは、先ほど干害の
報告を受けましたけれども、
北海道も
かなりの干害を受けました。つまり、
バレイショの主産地帯において
バレイショに
かなりの干害が出ているというのは大変残念なことであります。まだ掘り取りが全部終わっておりませんから、正確な実態を把握するということは困難でありますが、予想としてはでん粉も
かなり減産になるのではないか、こんなふうに見ているわけです。
バレイショの場合、あるいは
カンショの場合も同じことが言えますけれども、問題になるのは糖化用のでん粉であります。これが二十五万トンを超えるか、二十五万トン以内でおさまるのか、ここのところがいつも政治問題になって、
政府の買い上げ、あるいはコーンスターチの問題などもいつも議論になるのはここなんでありますが、私は、先ほどの
報告にもあったように、やがて九十万台を超えて百万台に突入しようというようなトウモロコシの
輸入というのは異常だと思うのです。前段で、私は、
輸入の問題に
かなり時間を割いて
政府側の考えを厳しく聞き、また私の主張も繰り返しましたのは、
国内産農畜産物をまず優先消化をするという、そういう原則に立つべきだ、それが日本農業を守っていく大事な柱でないかということを言いました。その点については、
政府筋も私の考え方とそんなに大きくは違っていないということが確認されたと思う。しかし、事トウモロコシ、コーンスターチになりますと、そうはなっておらぬ。まあ昨年の場合は一昨年よりも少し減るようでありますけれども、それにしても九十万トン台の大変な量がコーンスターチの原料として入ってくる、これは私はゆゆしき一大事だと思うのですよ。そこのところをひとつきちっとじゃ口操作をしないことには、私は、
国内の
バレイショ、
カンショでん粉の
生産にも将来、まあ将来とは言いません、もうすでにそういう大きないわゆる影響が
経営の上にかげりとなってあらわれている。こういうことを考えますときに、コーンスターチの問題についてこれは真剣に考えなくてはいけないと思う。抱き合わせ率を変えるとかあるいは無税コンスをふやしていくとかといったような、そんな操作だけで一体乗り切れるかどうか、ここのところは非常に問題だと思う。
価格面があると言えばそれも一つの問題でありますけれども、そうすると、抱き合わせ率というのは一つの限度があるわけですね。限度が出てくると、
国内産でん紛の消化を急ごうとすると、コーンスターチをたくさん入れてこないと、
国内でん粉が消化できないという矛盾に突き当たるのがいまの抱き合わせ制度なんです。
これは、私はさっきの
事業団メカニズムのいわゆる
砂糖の制度の問題にも抜本的な見直しが必要だというふうに考えているのと同じように、このでん粉の問題についても抜本的な制度を考えてみないといけない時期に来ているのではないかという気がするのです。しかし、もう目の前にこの
価格決定の時期を迎えておって、制度の
改善みたいなことをいま言ったって、それはとても間に合う話ではありませんから、その都度都度に抱き合わせ率を変えたりして何とか切り抜けてきましたし、また、
政府の買い上げも五万五千トン、七万トンと十二万五千トンすでに過年度において買い入れがなされていて、これをどうするかというのも頭の痛い問題ではありましょうけれども、しかし、片やコーンスターチ業界においてもこれはなかなか戦国時代、長い伝統を持っているコーンスターチの業者でもひいひい言っているのが
現状としてたくさん見られるわけですから、こういう点を総体的に考えますれば、私は制度の抜本的ないわゆる見直しが必要な時期に来ているような気がするのです。
まずそのことを一つお聞きしておきたいのと、もう一つは、ことしのこうしたでん粉のいわゆる処理に当たって、
政府買い上げという考え方でいくのか、それとも抱き合わせの
強化でいくのか、それからコーンスターチの
輸入を大幅に削減するという
方向でいくのか、幾つかの
方法があると思うのですが、この点についてのお考えをぜひ聞かしてもらいたいし、私は、まずコーンスターチの
輸入を徹底的に阻止すべきだ、いわゆる節度あるコーンスターチ業界の操業をお願いするということを前提にして、少なくとも十万トン以上削るべきだ。そして
国内産
バレイショ、
カンショでん粉の優先消化を図るべきだ。
価格の面でいろいろなことが言われるかもしれないが、しかし、品質等そのほかの比較を言えば、決して倍するというより以上のメリットがあるはずなんでありますから、行政的にその辺の指導を
強化して、
国内産でん粉の優先消費をするというような考え方を貫いていかなければいけないのじゃないか、こう思っているのです。そこから割り出された原料
価格というものは当然出てくるでありましょうから、そういう中で
バレイショの対策をやっていくべきだ。
ただ、いままでもここでも話題にしてまいりましたけれども、ことしは
北海道の
バレイショの主産地帯にシスト線虫という思わない伏兵が出てまいりまして、いま
バレイショの耕作農民の間にはてんやわんやの大騒ぎと、不安の
状況にいま置かれているわけです。この対策もこれは急がなくてはならないわけですけれども、これらの恒久策はきょうはおくとして、
バレイショの今年度の減産は、ひとり干害だけではなくて、そのほかにもそういう減産要因があって、将来ともに心配なのはやはり
バレイショの適地適産主義が果たしていいのかどうか、ここに一つの大きな警鐘が与えられているというふうに私どもは思っています。つまり、畑作の輪作
経営を
強化して健康な土地づくりをまず考えていかなければならない時期にも来ている。そうなりますれば、諸般の畑作
経営を
維持していくためにも、輪作特別奨励制度のようなものも新たにつくっていくということが必要ではないか。これはいままでも言ってまいりましたし、こういう点は一つありますけれども、当面の
価格決定に当たって急いでやらなければならないのは、先ほど申し上げました三点だと私は思うのです。御見解を承りたいと思うのです。