○森岡
政府委員 特定不況地域を中心といたしまして地盤沈下を起こしております地域の経済の問題、これは大変深刻な
状況であります。これにつきまして
対策を
考えます場合に、私どもは基本的に、単なる金融措置あるいは職業訓練というふうな個別の
対策では不十分であると
考えておる次第でございます。いま御
指摘の中にもございましたように、雇用を吸収するような事業を起こすということも含めまして、全般的に地域の計画的、総合的な経済振興
対策を立てていかなければならないという
考え方に立って、そういう総合的な立法をやりたいということで
関係各省と折衝を重ねてまいったわけでございますが、ただ、その間におきまして国と
地方団体との
関係をどうするかとか、あるいはこの総合計画をつくるということになると
かなり時間がかかるというふうなことで、急場の間に合わないのではないかというふうないろいろな各省間での問題点がございまして、時間的制約のためにこの臨時
国会に総合立法を御
提出して御審議を願うということが、率直に申して不可能になったわけでございます。
私どもといたしましては、しかし、事は急を要するわけでありますので、私どもの持っております施策の範囲内でやれます総合的な
対策はぜひやっていきたいということで、総合
対策要綱を各県に早急につくっていただきまして、それに基づいて一つは
地方債の弾力的な運用を図っていく、いま一つは中小企業の経営安定あるいは雇用安定、経済の構造改善というふうなことについての必要な財政需要について特別
交付税等を有効に活用して、その地域の雇用問題、経済問題が的確に解決されるような手助けをしていきたい、こういう
考え方でいまいろいろ取り組んでおる次第でございます。
ことに、中小企業の方の御意見を伺いますと、もういまの段階では、金融も必要だけれども、その地域において仕事がなければ困るんだ。しかし公共事業だけでは、お話の中にもございましたように、地域の中小企業に本当におりていく事業にはなかなかならない。したがって、私どもは
地方の単独事業、これはまあいろいろな種類のものが御
承知のようにあるわけでございますが、それらをきめ細かにやっていくことによりまして地域の中小企業に十分仕事がおりていって、事業活動も活発になり、また雇用も解決されていく、こういうことをぜひ
考えたい。そのようなことから
地方単独事業は二千七百億円という
かなり大きな
規模のものを
地方債資金で措置して実施したい。また、先ほど申しました五百億円につきましては、たとえばある県では橋梁の塗装を三年ごとにやるあるいは五年ごとにやるというのをことしに繰り上げて大
規模にやってしまうというふうなことも
考えておられますし、あるいはまた各種の公共施設の改良も、先に延ばしておったものをこの際やってしまおうというふうなことを
考えておられるわけでございます。そういう万般にわたります単独事業を幅広くやることによりまして、地域の中小企業の
対策に非常に大きな効果を上げ得るというふうに
考えておるわけでございます。そのようなことから、先ほど来いろいろ御
指摘がございましたが、
地方単独事業につきまして大幅な増額を予定し、また千二百八十六億円のうち五百億円についてもそういうこともあわせて期待していきたいという
考え方をとっておるわけでございます。