○江藤
説明員 林野庁関係について
お答え申し上げます。
昨年八月の
有珠山噴火以来、林野庁といたしましては荒廃林地のうち二次
災害防止のため緊急を要する個所から逐次
治山事業を実施いたしまして、その
復旧に努めてきたところでございます。
具体的に申し上げますと、
降灰等不安定
土砂をでき得る限り林地内におきまして抑止いたしますように、
山腹斜面におきましては編棚工、土どめ工、
緑化工等実施してまいりましたし、また渓流にありましては縦横浸食の
防止を目的といたしました谷どめ工とか
床固め工、
流路工、こういった工種を実施してきたわけでございます。
本
地区につきまして五十二年度から現在までに実施いたしました
治山事業につきまして具体的に申し上げますと、まず
虻田町関係でございますが、泉一の沢関係で二億六千三百万円、この
地区につきましては谷どめ工、
床固め工、水
路工、こういった工種を実施いたしております。それから同じく
虻田町関係の
木の実団地の沢でございますが、この
地域につきましては、事業費一億三千六百万円をかけまして、土どめ工、棚工、それから
床固め工、
山腹工、こういった工種でございます。さらにまた、
虻田町の
全日空の沢でございますが、この
地区につきまして、七千九百万円の事業費によりまして、もっぱら
床固め工を実施いたしております。
それから次に
壮瞥町関係でございますが、
壮瞥町関係の
カトレアの沢につきましては、事業費八千三百万円をもちまして、
床固め工、谷どめ工、土どめ工、それから柵工といった工法でございます。さらにまた、
三恵病院の裏の沢、源太川でございますが、この関係につきましては、事業費五千万円で、この
地区についてはもっぱら
床固め工を実施いたしております。もう一つ
壮瞥町関係のロープウェーの沢でございますが、この関係につきまして、事業費五千六百万円をもちまして、ここも
床固め工を主体に
山腹工を若干やってきておるわけでございます。
それから
最後に
伊達市関係の
大平地区でございますけれども、この
地区につきましては、事業費四億五千四百万円をもちまして、谷どめ工、それから
床固め工、土どめ工、さらにまたこの
地区につきましては特に
泥流の激しいところでございますので、導流工、水
路工さらにまた
遊砂池を設けておるということでございます。
今回の
泥流災害にかんがみまして、また今後の
降雨あるいはまた明春の
融雪期に予想されます二次
災害の
防止を図りますために、補正予算あるいはまた予備費を含めました
緊急治山事業費をもちまして、従来の
復旧工法に加えまして、導流工とか
遊砂池等を実施いたしまして、二次
災害の
防止に今後も努めてまいる所存でございます。
なお、
地区別の緊急の今後の予定額を申し上げますと、まず
虻田町関係の泉一の沢関係で今後緊急にやりまする事業費関係は二億八千七百万円でございまして、この
地区につきましては、谷どめ工、
床固め工を主体に渓床の安定を図ってまいりたい、このように考えております。さらに 同じく
虻田町の
木の実団地の沢でございますが、この
地区につきまして、三億六千四百万円の事業費をもちまして、
床固め工により渓床の安定を図りますとともに、土どめ工とか伏せ工によりまして
山腹の安定を図ってまいりたい、このように考えております。もう一つ、
虻田町関係の
全日空の沢でございますが、この
地区は、一億五千百万円の事業費をもちまして、主として
床固め工によりまして渓床の安定を図ってまいりたいと考えております。
次に、
壮瞥町関係でございますが、
カトレアの沢につきまして二億六千七百万円、
床固め工を主体にいたしまして渓床の安定を図ってまいりたいと思いますし、また
三恵病院の裏の沢の源太川関係は、五千万円をもちまして
床固め工を実施いたします。同じくロープウエーの沢につきましても、
床固め工、事業費三千三百万円を予定しております。
最後に、
伊達市の
大平地区でございますが、この
地区につきましては、事業費八億七千百万円をもちまして、谷どめ工、
床固め工によりまして渓床の安定を図りながら、その下流に
遊砂池を築設いたしまして、
土砂の林内抑止を図ってまいりたい、このようなことを考えておるわけでございます。
さらにまた、明年度以降につきましては、
建設省等関係機関と調整を図りながら、民有林
治山につきましては、五十三年度から実施しております
治山激甚
災害対策特別
緊急事業の
見直しをいたしまして、拡充実施することとしてまいりたいと思っております。また、国有林につきましては、
復旧治山事業の拡充に努め、
計画的な事業の
推進を図ってまいる所存でございます。
なお、現在も小
噴火及び
地殻変動等によりまして林地荒廃の
状況も変化してございますし、また工事施行の上で、特に国有林の奥地あたりにつきましては非常に危険な個所もございますことから、現時点で恒久的
対策の樹立に万全を期すということはなかなか困難な
状況にあるわけでございますが、広大な
山腹面に推積いたしました
火山灰の浸食、
流出を
防止するために
火山活動の動向を勘案しながら、ヘリコプターによる航空
緑化等の
方策を含めまして、
山腹面の安定を図る
対策に今後とも極力努めてまいりたいこのように考えておる次第でございます。