○寺前委員 私が政務次官にあえて聞いたのは、きわめて常識的であるから聞いているわけであります。というのは、
死角があるところに問題があるのだということは、昨年の当委員会で私が聞いたときにもちゃんと
警察庁の
交通局長みずからもおっしゃった点である。これはまた常識的なものであります。したがって、そのことは
運輸省の方で、
大型貨物自動車運転席研究委員会においてもそこは大事な問題であるということは御
指摘になっているところであります。だれだって考える問題だと思うのです。ところが
現実的処理をするということになってきたときに、低
運転席ということが大きな問題になる。少なくとも、低
運転席問題は横っちょにおいておいたとしても、ミラーによって
死角を防ぐとかその他の
措置というのは、当然考えられるべき
措置としてだれだってわかる話です。現に運転手みずからが、危ないからサイドの棒をつけてみたりいろんな
措置を講じておられた方があります。ところが陸運事務所へ行って今度は検査を受けるという段になったら、これは違反行為の物をつけておるからけしからぬじゃないか、外せとまで
指導を受けるわけです。なるほどそうかもしれない。だけれ
ども、
現実的に社会の人を守ろうという運転手の側からするならば、そういうことをやってでも守らなければならないということをみんな必死になって思っておったわけでしょう。こんなことはいまに始まったことじゃないわけです。とするならば、みんなの体験の中から、せめてこの
程度のことはできるじゃないかという話が出てきているのが、ここに
運輸省としてお出しになったところのいまの通達だと思うのです。抜本的なものというわけにはいかない性格だろうと思うのです。そういうものだったら、もっと早い段階に出せないものか。
たとえば四十六年の十一月に「
大型貨物自動車の
運転席高さと
安全性」というこの報告書を読みますと、その最後のところに「従来の
運転席にミラー等の見直しによる構造、
装置などの
改善をもって対処する方が」よいと書いてある。だれだって、せめてそのくらいのことはやってあたりまえだ。四十六年にちゃんと出ているわけです。私が去年ここで
質問したときも、またこう言っているわけです。「今後これらのアンダーミラー、サイドミラーにつきまして、形状でございますとか鏡の曲率、これらを
改善いたしまして、
視界の拡大を図ってより見やすいようにしてまいりたい」、さらに「
改善できるところは
改善を進めてまいりたいと考えておるところでございまして、現時点で考えておりますのは、助手席ドアのウインドーの拡大、このことによって直接
視界が
改善されるものと考えておりまして、」そうだろう。すぐにでもできる話だ。すぐにでもできる話をなぜすぐに実行しなかったのか。私は、これによってどれだけの命が救われたかわからないだろうと思う。運転者は何も人をひいてやろうと思って運転している人は一人もおらない。特に
大型の免許を持つ人は、普通の免許よりも厳しい制限を受けているはずです。免許を渡すときに。教育ももっと徹底しているはずです。それが特別に他の
自動車よりも十倍も多いというのは、人為的に
措置をしないところに問題がある。一番手っ取り早くやれる話は、この通達に出てきているところの性格のものというのはだれだって考えることなのだから、即刻やるべきではなかったか。私は、これはきわめて行政当局としての責任があると思う。あなたはその責任を感じませんか。