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熊谷国務大臣 国民に御
理解を願うということは、言葉で言えば一言で済みますが、その方法についてはいろいろあると
考えております。もう少し具体的に申し上げますと、
必要性ということについては大体いままでの
やり方でそれほど不足している点はないかと
考えますが、
安全性というものにつきましてはまだまだ不十分ではないかと
考えております。いままでの
やり方では不十分ではないかと
考えておるわけであります。
そこで、それではどういうふうにしていくかという
一つの具体的な私
どもの
考え方の一端を申し上げますと、もちろんその前に
安全性の
追求ということが第一でありまして、これはもう御承知のように、いろいろな
安全性の工学的な
研究でありますとか、あるいはそのほかいろいろな技術的な問題についての
安全性の
あくなき
追求という問題を進めていかねばならぬと思います。ただ、一面におきましては、絶対の安全などということは、もう
原子力に限らずすべての現在の
機器やサービスには期待することかむずかしいわけでございます。したがって、もちろん
原子力におきましては絶対の
安全性を目指して
あくなき
追求を続けるということは第一の問題でありますが、それとあわせまして、現在の
原子力の
平和利用は、忠実に現在の
安全規制を守って慎重に運転してまいりましたならば、まずまず実用には供し得る、こういう
一つの
考え方を私
どもは持っているわけであります。
そこで、そういう点につきまして、やはり
国民の方に
理解をお願いしなければならぬ。それには、先ほどから申し上げておりますように、いままでの
理解の普及という程度では不十分かと思っているわけであります。これには、一応実際にたとえば
原子力発電所が運転されておりますそういういわゆる地元の市町村なりあるいは県なり、そういう県民の
方々、まあすべてというわけにはいきませんが、それぞれの
オピニオンリーダーとしていろいろな問題に特に関心を持っておられます方ともう少し忌憚のない
話し合いを重ねまして、そして
理屈はこうだが実際問題としてこのような場合には一体どう
考えるか、こういうなにはどういう性格のものであるかというような、そういう日常実際運営の上から生じますいろいろな問題について十分な
話し合いを行い、それについてさらに検討しなければならぬ点は、
政府なり
企業者において検討し、またわかっていただくところはわかっていただく、御
理解いただけるところは御
理解していただくというふうなことを絶えず積み重ねまして、そしてそこにおいて生まれてまいりました
理解を
国民全般にだんだん広めていくといったような、そういう
やり方を
考えなければならぬと思うわけであります。
そういう
二つの問題を申し上げましたが、いままでとかく何か
開発推進型であって
安全規制の方は従になっているのではないか、そういう
あり方についての御
批判ももちろん承っていますか、そういうつもりではないにいたしましても、そういうふうに見られるという点があれば十分反省いたしまして、決してそうじやない
——原子力の
平和利用ということは
政府としての
基本方針でありますが、その
平和利用を推進するためにも
安全性の
理解ということが欠かせないことでありますから、それはもちろん並行してやっていくわけでありますが、決して一方に偏しているのではないということを
理解もしていただかなければなりませんし、またそういう点について反省すべき点があれば
政府としても反省していかなければならぬ。いろいろ申し上げれば切りがありませんが、大体そのようなふうに
考えているわけであります。