○
伊藤(榮)
政府委員 それでは、
理事会から御要望の
証拠物の
要録についての続き、三以下を御
報告申し上げます。
三、
昭和四十六年六月三十日付新
機種選定準備委員会(第八回)
資料ファイルのうち、日航の大型機導入の時期を延期させようとする
部分の
要録。
この
資料は「JALのS四七年B七四七投入に対する当社方針(案)」と題する文書でありまして、
全日空の対策として、第一
段階では、日航のジャンボ機投入に反対し、第二
段階として、右投入阻止が不可能と
判断される事態になったときは、その投入時期をあらゆる手段を講じて引き延ばすこととし、第三
段階として、日航のジャンボ機就航開始から、
全日空の大型機投入までの期間は、日航の減便を要求する等の対策が
記載されております。
四、松岡博厚
丸紅輸送機械部長名で作成された
昭和四十七年九月二十七日付「
若狭社長-越後C・I
社長会談」
報告書のうち、
全日空は九月中に
機種を決め、十月二十七日に正式
決定できるよう運輸省と折衝していくとする
部分の
要録。
右該当
部分には次の
記載がございます。
「○
全日空の社内としては、今月中に定めて、爾後JAL、MOTにCONTACTする。明日(九月二七日)の常務会にはこの問題はかからない。○正式
決定は、一〇月二七日の役員会という事になろう。」
五、
丸紅輸送機械部航空機課作成名義の
昭和四十七年一月十七日付部内
資料のうち、
全日空社長が日航「B747」三機の国内線転用には
全日空として採算を度外視しても対抗することとしている
部分の
要録。
これは
昭和四十七年七月二十日付の当該
資料という御要求でございましたが、一月十七日の間違いであろうと思います。
この
資料は「一月度部会
資料」と題する文書でありまして、右該当
部分には次の
記載があります。
「
全日空社長は若し日航が
昭和四八年度中に現在手持ちの七四七、三機の国内定期運航を開始せば、
全日空としては対抗上採算を度外視して早期に大型ジェット導入をせねばならぬと表明されている。」
六、
昭和四十七年九月二十五日の
コーチャン・
渡辺会談議事録のうち、
全日空の新
機種についての「ある種の
結論」に達するとした
部分の
要録。
右該当
部分には
渡辺の
発言として、次の
趣旨の
記載があります。
「
コーチャンのいつ
全日空は
機種を
決定するのかという
質問について
若狭社長と話した。
全日空は今月中に何らかの
結論に達するべく努力している。
政府とJALとの話は来月にならぬと出来ない。」
七、
昭和四十五年三月二十日付「全日本空輸(株)と東亜航空(株)の合併問題について」と題する運輸省内部文書(稟議書)のうち国内幹線二社体制に関する
部分の
要録。
右該当
部分には、
全日空と東亜航空との合併問題については、これ以上遷延することは当を得ないので、
昭和四十五年九月末までに合併するか否かの
決定及び合併するとすれば条件等を含め、両社間の最終的合意を得させるようにし、これが得られない場合、東亜航空は従来
どおりローカル線会社として位置づける旨の
記載がございます。
八、
昭和四十五年五月二十五日付「航空企業のあり方について(案)」と題する運輸省作成の文書のうち三社体制への方針転換の
部分の
要録。
証拠物の中に右作成日付、右表題の文書は二通ありますが、右該当
部分は全く同文で次のとおり
記載されております。
「幹線は、日本航空、全日本空輸及び日本国内航空の三社をして運営させる。ただし、日本国内航空については、体質強化が図られるまでの間、従来
どおり日本航空と幹線運営の委託その他業務提携を継続させる。」
九、
昭和四十七年三月二十二日及び五月二十六日の自民党航空対策特別
委員会の議事メモのうち、
佐藤孝行政務次官がまとめた私案に関する
部分の
要録。
昭和四十七年三月二十二日付議事メモには、
昭和四十五年十一月二十日の閣議了解に基づき、航空企業の過当競争を排除し、健全な航空企業の育成強化を図ることとし、日航、
全日空、
東亜国内航空の三社につき、その持ち場、特徴について規定した「航空企業の運営体制について」の中間
報告がなされた旨の
記載があり、この
報告を支持する方向で数名の出席議員の
発言があり、最後にまとめとして、右
報告は中間
報告として大筋は了承し、この仕上げは
佐藤政務次官に任せるが、
内容を煮詰めて、結果は党へ
報告されたい旨の
記載があります。
同年五月二十六日付議事メモには、航空企業の運営体制について、企業側からした意見表明、事情
説明が
全日空、日航、
東亜国内航空の順に
記載してあります。
全日空の
説明は
佐藤政務次官提案の骨子に賛成、日航は右提案に
部分的には反対、
東亜国内航空は右提案は干天の慈雨の観があるということでございました。
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