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政府委員(徳田博美君) 国民公庫と住宅公庫でございますが、五十年度は国民公庫は当初
予算が三百九十三億で、決算額が四百九十二億でございます。住宅公庫は五十年度当初
予算が百四億で、決算額が百四十六億でございます。それから五十一年度は国民公庫が当初
予算が四百四十八億でございまして、決算が五百四十七億でございます。また住宅公庫は、これはかなり大きく違っておりますが、当初
予算が五十二億で、決算が二百二十三億と、このようになっているわけでございます。このように差異が生ずる理由でございますが、
予算策定時におきましてこの滞貸償却引当金を算定するに当たりましては、年度末の貸付金残高を見積もりまして、その一定割合を滞貸償却引当金として計上するわけでございます。その一定の割合と申しますのは、各金融機関ごとに異なっておりまして、輸銀、開銀におきましては民間金融機関並みに千分の五でございます。それから、一般の公庫につきましては民間金融機関の二倍ということで千分の十になっております。また国民公庫と中小公庫は中小金融機関ということで千分の十二と、このようになっているわけでございますが、ただこれに対しまして例外がございまして、補給金を受けている公庫につきましては、厳しい財政事情からやむを得ず
予算上の措置として滞貸償却引当金の繰り入れを、貸付金残高の千分の一として補給金を
計算しているわけでございます。このようにして当初
予算を策定するわけでございますけれ
ども、決算のときに当たりましては、その収支の
状況によりまして、これ以上に利益が出ました場合には、この補給金の公庫はただいま申し上げたように千分の一でございますけれ
ども、その原則である千分の十までは利益金の出た限りは積むことができる、それを超えたものは国庫納付金になるわけでございますが、そういう措置をとっているわけでございます。したがいまして、いま申し上げたようなところから、
先ほど御説明しました
数字のような違いが出てくるわけでございます。
これは
一つ一つを申し上げますと時間の
関係もございますので、たとえば五十一年の一番大きく違っております住宅公庫の当初
予算五十二億と決算の二百二十三億の違いについて申し上げますと、これは金融機関でございますから当然貸し出し面における利息収入あるいは資金面における借入金の支払い利息、これとの差がいろいろなところで関連してまいりまして収支が出てくるわけでございますけれ
ども、たとえば同じ一千億の貸し出しをいたすにいたしましても、期初に貸し出しますと一年間まるまる収入利息が出るわけでございますけれ
ども、期末近くに貸し出しますと恐らく一月分か二カ月分しか収入利息がないわけでございまして、そのようなところで金融情勢、
経済情勢に応じていろいろな貸し出しが行われる、あるいは借り入れが行われるというところから、当初の策定した
予算と最後の決算とはどうしても食い違いが生じてくるわけでございます。ただいま申し上げました住宅公庫の五十一年度の
数字について申しますと、当初五十二億が二百二十三億になりまして、差し引き百七十億近い増減があったわけでございますけれ
ども、この内訳を見ますと、借入金の借り入れ時期が予定よりおくれたことによります借入利息の減が約二十億でございます。それから個人住宅貸し付けが予定額に達しなかったことによる業務委託費の減が十七億ございます。それから貸し出しの内容によりまして金利の高い貸し出しと低い貸し出しがあるわけでございますけれ
ども、宅地造成関連貸し付けなど比較的金利の高い貸し付けが多かったことによる貸付利息の増が約七十億ございます。このほか余裕金が予定より多かったことによる運用益の増が十一億等ございまして、このようなところから当初の
予算に比べて決算が違ってきたわけでございます。