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対馬孝且君 大臣、いつも同じことを答弁しているんですが、問題はこれは本質的には
通年雇用をすると約束しているんですよ、
労働省は。これは
石田労働大臣も去年
予算委員会で私に約束しているんです。ところが
通年雇用、
通年雇用と言ったって、これさっぱり
通年雇用じゃないんだよ、あなた。
不安定通年になっちゃってだな、全くあなた
通年どころか、おまけに後退しているんだよ、これ。なぜこういうことを言うかと申し
上げますと、
通年雇用が進まないからやっぱりこういう
措置をとらざるを得ないんじゃないかということを言っているんで、何も九十日が本命じゃないんだけれども、
通年雇用が進んでいかないからこういう
措置をとらざるを得ないだろうと、
生活を満たすために。これがまあ
大臣、
基本姿勢なんであって、このことで時間とるわけにいきませんが、これはただ従来の
経過を、ただ払ってない
保険で飯を食わせるのはおかしいんだという物の言い方は、これはそんなことを言うなら、一時金五十日それ自体も根本的には
保険的な問題をさかのぼればやっぱりおかしくなるんであって、私はそうでないと思うんですよ。やっぱり
実態に合うかどうかという、
北海道の
現実というのはさっき言ったように、
道庁もお認めになっておりますように、大体
通年雇用労働者がいまどれだけになっているかと言ったら、ほとんど皆無ですよ、これは。さっき言ったようにふえてきていますから、
失業者が。そこへ持ってきて、
中高年齢層は全然就職がありません、
大臣、どんなうまいことを言ったって。もう五十を越えたらほとんど定職がないんです、はっきり言って。そうすれば、やっぱりその
措置をとってもらいたいと言うのは当然のことなんで、しかも一月から三月までという限られた冬場の
条件で、この下で、
札幌でまだあなた、私も
札幌だけれども、いまだに
工事場へ行ったら一メーター以上の雪があるんだよ。仕事せいと言ったってどうしようもないんだから、これだけは。その
措置として五十日だけれども、五十日で何ぼになると言ったら、十四万五千円よりならないですよ、
大臣。これは
北海道道庁が調べたのは十四万から十五万ですよ。これであなた四ヵ月間どうやって飯を食うんですか。
生活保護法以下でしょう、これははっきり申し
上げて。こういう
状態に対して、やっぱりただ
保険の
性格であるとかないとかということにこだわらずに、私はこのことはひとつ抜本的にもう一回検討していただきたいということを強く私申し
上げておきます。このことだけで時間とるわけにいきませんから、その点ひとつ十分に検討していただきたいと思います。
次に、私はことしの、去年ずいぶんやりまして、
労働省の
努力もありましたが、
通称いわゆる
積寒給付、
積雪寒冷地の
冬季雇用安定給付金というのが決定をされました。ところが、この
制度を実施する
段階で、
大臣は新しいからわからなかったと思うけれども、当時私はずいぶん申し
上げたのは、三つ申し
上げたんだ。こういう
制度をつくったってなかなか生きたものにならぬよと、
季節労働者に実際に生きることにならないんじゃないかと申し
上げたのは、懸念したとおり三点の問題がいまなっているわけですよ。どういうことかと言うと、一つはいま四万五千円ですよ、
積寒給付金が四万五千円。
雇用講習金が一万二千円で、五万七千円になるわけだ。これではさっき言ったように四十日間どうやって
生活をするかと言ったって、これはできっこないですよ。これは
北海道の出稼ぎの大体
季節労働者の
建設労働者が一日当たりで六千円なんですよ。去年の十二月二日
総理大臣に申し
上げました。六千円の六〇%ですから三千六百円になるわけだ。これの四十日
見合い額とすれば十四万四千円となるんですよ。そういう
意味で十四、五万円という金はやらなければ四ヵ月
間飯を食うことにならないんじゃないかと、こういうことをずいぶん私は申し
上げたが、実際懸念したとおりになっている。さっき言ったように非常に
生活資金を貸さなきゃならぬという
実態になってきている。
それから
二つ目は、大体
事業主がやらないんですよ、これを。この間も
安定局長のところに陳情にお
伺いしたときも、
現地の報告があったと思いますが、現に
芦別の
地帯でこれを適用したものは三分の一よりないんですよ。なぜかと言うと、
北海道の包括最賃というのがありましてね、
地域最賃で。現在二千二百十七円なんだ。それが千五百円だから七百十七円持ち出さなきゃならぬわけでしょう。そうすると、これを出すということ
事体がいまの
不況の中で
実態的でないというようなことでやらないわけですよ。現に
芦別、赤平、ずっとこの間、
局長も来ましたように、大体これを実際に受けたのが三分の一よりない。やっぱりわれわれが心配したとおり三分の二は
——やっぱり
事業主を通してやる限りはそういうことになるんですよ、結果的にこれ。それは私らの懸念したとおり第二点はそういうようになった。
第三の問題は何かと言ったら、相変わらずこれは
大臣、これお見せしますよ。これ朝日新聞にも出ましたし、
北海道にも出ましたけれども、
幽霊会社をつくって
雇用保険をあなた一億八千万円も、詐取しているんだよ。私はそうならざるを得ないということもずいぶん予言したよ、もう。大体、
事業主はそういうことになるんだと、
幽霊人口をつくって、こういう
事業主サイドでこういうものをやると、必ずこういうことができ上がる。これはもう毎年毎年のようにだんだんエスカレートしてくる。つい最近ですよ、この一億八千万円というのは。三百五十一人も書類送検している。こういう悪い結果を引き起こすことになるんだから、まあ出かせぎ
労働者に直接金を与える
方法はないのかということで、ぼくはずいぶん去年も訴えましたが、これらの問題について、幸い
労働省の
安定局長の
段階で、
企業組合制度ということを
弾力的運用でひとつお認めしようということになりました。それはいいんだが、そこでひとつこれからの問題としてお
伺いしたいのは、きのうも
中小企業庁長官と再度話をしましたが、これをどういうふうに
企業組合を指導していくかということはこれからのやっぱり問題なんですよ。それはもうすでに
局長も
課長も知っておりますからくどくど申し
上げません。ひとつ
大臣の方から、
通産大臣あてに対してそういう
意味での
中小企業庁長官に対して、
企業組合の
行政指導について
労働省からぜひひとつ
協力要請をしてもらいたい、この点いかがでしょうか。