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1978-04-01 第84回国会 参議院 予算委員会第三分科会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年四月一日(土曜日)    午前十時開会     —————————————    分科担当委員異動  四月一日     辞任         補欠選任      坂倉 藤吾君    目黒朝次郎君     目黒朝次郎君     赤桐  操君      峯山 昭範君     多田 省吾君      市川 房枝君     喜屋武眞榮君     —————————————   出席者は左のとおり。     主 査         吉田忠三郎君     副主査         成相 善十君     分科担当委員                 熊谷  弘君                 三善 信二君                 赤桐  操君                 多田 省吾君                 渡辺  武君                 喜屋武眞榮君    国務大臣        郵 政 大 臣  服部 安司君    政府委員        郵政大臣官房長  河野  弘君        郵政大臣官房電        気通信監理官   江上 貞利君        郵政大臣官房電        気通信監理官   神保 健二君        郵政省郵務局長  神山 文男君        郵政省貯金局長  高仲  優君        郵政省電波監理        局長       平野 正雄君        郵政省経理局長  浅尾  宏君    事務局側        常任委員会専門        員        菊地  拓君    説明員        防衛施設庁施設        部施設対策第一        課長       平   晃君        通商産業省機械        情報産業局電子        機器電機課長   小林 久雄君        運輸省航空局新        東京国際空港課        長        松尾 道彦君        郵政大臣官房首        席監察官     日裏 泰弘君        郵政大臣官房建        築部長      本松 智房君        日本電信電話公        社総裁      秋草 篤二君        日本電信電話公        社総務理事    長田 武彦君        日本電信電話公        社総務理事    玉野 義雄君        日本電信電話公        社営業局長    西井  昭君        日本電信電話公        社業務管理局長  浅原 巌人君        日本電信電話公        社計画局長    福富礼治郎君    参考人        新東京国際空港        公団理事     角坂 仁忠君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和五十三年度一般会計予算内閣提出衆議  院送付) ○昭和五十三年度特別会計予算内閣提出衆議  院送付) ○昭和五十三年度政府関係機関予算内閣提出、  衆議院送付) ○参考人出席要求に関する件     —————————————
  2. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。  分科担当委員異動について御報告いたします。  本日、坂倉藤吾君、峯山昭範君及び市川房枝君が分科担当委員を辞任され、その補欠といたしまして、赤桐操君、多田省吾君及び喜屋武眞榮君が選任されました。     —————————————
  3. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  昭和五十三年度総予算中、郵政省所管審査のため、本日の分科会参考人として新東京国際空港公団理事角坂仁忠君出席を求めたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
  5. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) 昭和五十三年度総予算中、郵政省所管を議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 赤桐操

    赤桐操君 きょうは、主として成田周辺におけるところの電波障害問題を中心といたしましてお尋ねをしていきたいと思います。  成田空港開港されると、離着陸航空機によりましてかなり周辺地区に大きな電波障害発生するということは、今日まで大分いろいろの報道でなされているところでありますが、この段階にまいりますと、かなり具体的に掌握をされていると思いますので、その状況をひとつ具体的に明らかにしていただきたいと思います。
  7. 平野正雄

    政府委員平野正雄君) お答え申し上げます。  ただいま先生指摘のように、成田地区におきまして種々の形の電波妨害あるいは電波障害というものが発生をしてまいっております。その概況を申し上げますと、御承知のように、成田空港通信中枢部と申しますか、管制塔機器が相当部分破壊されたという問題が一つございます。さらには、その周辺において行動いたしております警察関係通信、これが妨害電波によって混信をこうむったという問題がございます。さらには、成田周辺住民から航空機によるテレビジョンの難視聴問題 こういったものが提起をされておるというような状況がそれぞれ重畳し、あるいは逐次出てまいっておるという概況でございます。
  8. 赤桐操

    赤桐操君 五十三年の一月九日から二十四日までの間に慣熟飛行が行われた、これに基づいていろいろとテレビ関係障害状況調査をしたその結果が報道されているようでありますが、これについて正確なところをひとつもう一遍明らかにしてもらいたいと思います。
  9. 角坂仁忠

    参考人角坂仁忠君) お答えいたします。  一月九日から二十四日まで十日間、慣熟飛行の際に、公団といたしましては、NHK技術指導を受けまして、フラッター発生状況につきまして百三十六カ所の点を選びまして調査を行ったわけでございます。概要を申しますと、このうちで約八割の百六カ所におきましてはフラッター現象が認められたわけでございます。さらに詳しく申しますと、画像が流れて全然受信不能というのはございませんでしたが、画像が大きく揺れますというのが約三十四地点ございました。それから画像が、大きくはございませんが、やはり揺れるというのが七十二地点ございました。画像がわずかに揺れるが余り大したことはない、あるいは全然変化ないというのが合計三十カ地点ございます。  以上でございます。
  10. 赤桐操

    赤桐操君 羽田成田周辺とを比較いたしまして、違いがあるかどうか。
  11. 角坂仁忠

    参考人角坂仁忠君) 羽田の詳しい数字は持ち合わしておりませんが、余り成田と変わったという点はないようでございます。
  12. 赤桐操

    赤桐操君 新聞報道によると、羽田周辺よりも成田周辺の方が画像の揺れとかフラッター現象がひどいと、こういうように私どもは聞いておりますが、そういうことはないんですか。
  13. 角坂仁忠

    参考人角坂仁忠君) 大阪等調査いたしますと、余り大きなフラッター現象はないそうでございます。専門家でございませんが、成田のあの付近、特にフラッター現象が見えました地点電波が弱いということが大きな原因だというふうに聞いております。
  14. 赤桐操

    赤桐操君 郵政省としては、この電波障害に対してはどういう基本的な態度で臨んでいかれますか。
  15. 平野正雄

    政府委員平野正雄君) お答え申し上げます。  ただいま公団の方からお話がございましたように、公団側におきまして同空港開港に伴う慣熟飛行の際に空港周辺について調査が行われたということでございますが、さらに調査を続行していただきまして、できるだけ早い時期に対策を講じてもらいたい、こういうふうに考えておるわけでございます。と申しますのは、テレビジョン難視対策につきましては、この難視問題を解決するときの基本的な基準的な考え方といたしまして、指導要領というものを郵政省で策定をいたしまして、原因者負担をしていく、原因者責任をとるというときの基本的な考え方をすでに示したところでございまして、その線に沿いまして公団側ができるだけ早く対策を講ずることを期待をしておる、そういうことでございます。
  16. 赤桐操

    赤桐操君 そうすると、公団側責任を負っていくんだと、こういう見解なんですね。そういう行政指導でいくわけですね。
  17. 平野正雄

    政府委員平野正雄君) 関係機関と相談をされながら、公団責任をとっていただくということでございます。
  18. 赤桐操

    赤桐操君 具体的に言うと、どんな責任をとっていきますか。
  19. 服部安司

    国務大臣服部安司君) 御指摘の問題は、私といたしましてはきわめて重大な問題であると理解いたしております。したがいまして、当然原因者である公団に私はすべて責任を持ってもらいたい、持つべきである。ただ、技術的な問題については郵政省並びに公共放送NHK、できれば民放も加わって全面協力体制をしきながら、少なくとも空港周辺の方々には聴視料減免の問題ではなく、やっぱり正常な画像で日々テレビによるところのいわゆる恩恵を十二分に受けていただけるような体制の確立を図りたい。そこで、先生も御承知のとおりに、フラッター障害という一つの問題については、フラッター防止アンテナあるいは高性能アンテナという技術開発もできまして、また特に著しいところには共同受信施設等設置を図るとか、またフラッターのほか騒音による難聴地域には、航空機の高さに応じて受像機音量を自動的に調整する器械ももうすでに開発されておりまして、こういったすべての機能を総動員いたしまして、空港周辺住民に十二分ないわゆる受像をしていただくように万全の措置を講じてまいりたい。ただ、このすべての施設とか、また、いわゆるこういった器械の貸与は公団責任においてやってもらうべきであるというはっきりした線を打ち立てている次第でございます。
  20. 赤桐操

    赤桐操君 そうしますと、フラッター防止用アンテナ共同聴視施設ですか、こういったようなもの、場合によってはサテライトなんかも設定する場合もあるだろうし、いろいろの方策がとられるだろうと思いますけれども、かなり費用になるだろうと思うんですね、予算は。そういうものはどのくらいになるんですか。
  21. 服部安司

    国務大臣服部安司君) ちょっと技術的な質問ですから……。
  22. 赤桐操

    赤桐操君 時間がないので要領よく答弁してください。私、時間がないんだ、四十分になっちゃってるから、六十分が。
  23. 平野正雄

    政府委員平野正雄君) ただいま大臣が申されましたように、技術開発が相当進んでまいっておることは事実でございますし、また、最終的にどうしてもサテライトが必要かどうかという点につきましても、公団の方の調査とあわせまして積み上げてまいりませんと経費が出てこないということでございます。
  24. 赤桐操

    赤桐操君 それから、維持管理費等も相当かかると思うんですね、これが長く要るわけですから。それも全部公団の方に費用を持ってもらう、こういうように理解してよろしいんですか。
  25. 平野正雄

    政府委員平野正雄君) 先ほど申し上げました指導要領の精神は原因者責任主義でございまして、その原因者責任を持つということでございます。ただし、原因者以外の者がそのような障害がなくてもどの程度必要とする部分があるかによりまして、お互いに話し合うための基準が一応指導要領の中に盛り込まれておるということでございますので、話し合いは必要だろうと思っております。
  26. 赤桐操

    赤桐操君 さっき大臣答弁の中では、防音上の問題と関連する答弁があったんですが、いわゆる騒音対策の問題ですね。画像の修正とか、それに対応するいろいろの技術的な対応策はもう大体できているようでありますけれども、問題は、騒音に対する対策は、これはテレビ音量調整を自動的にやるという装置開発されているようでありますが、それだけをもってしてはなかなか解決にはならないんじゃないか。この点についてはどういうように考えられるのか。ということは、特にひどい地域があるんですね。この地域に対しては相当の対策をとらないというと、いかに音量調整を自動的にやる装置があったとしても、うまくいかないんじゃないだろうか、こう思うんですが、いかがですか。
  27. 服部安司

    国務大臣服部安司君) 御指摘の、常識以上の騒音のために、そういった自動調整装置開発がされても特定の地域においては余り効果が上がらないのではないかと。私は技術者でないので十二分にあれはわかりませんが、ただ、そういうことも常識的に予想されると思うのであります。そこで今度はテレビ障害のいわゆる騒音障害に対処をして、当然また違った立場で、二重窓にするとか、これはいろんなことを国全体としても考えていかねばならない問題である。まあ人のことのようでありますが、これは運輸省所管でありまして、その施設の改善には当然大阪国際空港もいろいろやっておるようなことでありまするから、とにもかくにも先ほど申し上げたとおりきわめて重大な問題でありますので、関係機関と十二分に緊密な連携をとって万全の措置を講じてまいりたいというのが私の考え方でございます。
  28. 赤桐操

    赤桐操君 公団側のひとつ見解を伺いたいと思います。
  29. 角坂仁忠

    参考人角坂仁忠君) いまの電波障害につきましては、先ほど申しましたように、まず傾向の調査はいたしておりますが、非常に複雑な現象でございますので、いわゆる平常の運航時に大至急調査いたしまして、フラッター現象が出ますところのフラッター防止アンテナ、先ほどから出ておりますように、非常にいいものができているようでございますので、こういうものの予算措置並びに各アンテナ会社とのいろいろな折衝をNHKの御指導を受けてやりまして、数は必ず確保いたしてございますので、申し出があればすぐ、フラッター防止アンテナをまず第一に各家に、いまのアンテナと交換してあげたいというのが第一点でございます。それから第二点といたしましては、やはり相当戸数まとまりましてひどい場合には、共同受信アンテナ公団設置いたしまして、それから各戸へ有線で持っていくというのが第二番目でございます。それから先ほど申しましたように、UHFのサテライトが銚子にございますので、そこに切りかえた場合に非常によくなるならばUHFアンテナ公団でつけてあげたい。こういう三つの方針をもちまして考えておる次第でございます。
  30. 赤桐操

    赤桐操君 さき委員会でお尋ねした内容によりまするというと、いまは大体まだ十分な調査にはなっていない、開港後に本格的な騒音コンターその他を確定したい、その上でどの範囲にどのような対策をとるかということでないというと本格的なものは出てこないというように答弁を伺っておりますが、したがって、この電波障害調査等につきましても、開港と同時にこれはやらないとなかなか時間がかかることであろうと思うんですね。  そういう意味合いで、いつから調査を始めて、どういう機関にこれをやらせるか、どういう具体的な方法で対応していくかということ、いまもうすでに準備がなくては私はならないと思うんですが、この点、郵政省側行政指導公団側対応の姿勢、運輸省側協力の問題こういうことについて総合的にひとつ伺っておきたいと思います。
  31. 服部安司

    国務大臣服部安司君) 先ほど来御答弁申し上げておりますとおりに、きわめて重大な日常生活に不可欠のいわゆる問題でありますので、私は、開港と同時にこの調査をし、きわめて早い時期に結論を出し、これに対応策を講じていただくように強力な指導体制をしいてまいりたい、かように考えております。
  32. 角坂仁忠

    参考人角坂仁忠君) いまの赤桐先生の御質問の、騒音コンター変更がございましたが、電波障害は、コンターとは別個に、フラッター現象が起きればすぐやります。
  33. 赤桐操

    赤桐操君 そこで、最終的にこの問題のひとつまとめとして、財源かなりかかると思うんですけれども、この財源はどこから公団は求めるんですか、原因者負担と言われておりますが。
  34. 角坂仁忠

    参考人角坂仁忠君) いま、五十三年度に公団でも予算を取ってございます。さしあたり現在八千万の予算をこの電波障害に取っておりますが、もし不足ならまたお願いいたしまして増額していきたいと思います。
  35. 赤桐操

    赤桐操君 運輸省に伺いたいと思うんですが、これは国が公団に対してある程度の補てんをするのか、それとも空港利用者に対する負担となってこれが転嫁されていくのか、その辺ひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
  36. 松尾道彦

    説明員松尾道彦君) いま赤桐先生の御指摘の点でございますが、国におきましても特別会計航空公害防止協会を通じて助成措置をいたしておりますが、新空港公団につきましては、航空関係着陸料を取りますが、その着陸料の中からこういう財源措置を講じてまいりたい、このように考えております。
  37. 赤桐操

    赤桐操君 諸外国の場合においては、大体五千ヘクタールとか、あるいはもっと大きな中でほとんど騒音が消化されてしまっている。そういう状況の中で余り問題になっていないと思うんですね。ところが、内陸空港で、非常に狭い中で成田の場合には設定されている、日本の場合には設定されている、そのために騒音問題が必ずつきまとってくる。その騒音対策費用は全部その使用料金にかかっていく、こういう形になっていくと思うんですよ。そうすると、諸外国使用料日本使用料とでは大分差が出てくるように思うんですね、そういう諸経費が大分かかっているらしいので。そういう点についてはいかがですか。
  38. 松尾道彦

    説明員松尾道彦君) これは各国の実情によりますけれども、大体原則利用者負担でございまして、いまの先生の御指摘につきまして、いわゆる空港使用料金問題でございますが、IATAとの関係で、先般三月交渉で大体基本的合意に達しまして、この線に沿って今後とも利用者負担原則航空会社の方から着陸料金に基づいて徴収してまいりたいというふうに考えております。
  39. 赤桐操

    赤桐操君 次に、自衛隊百里基地成田空域が重なっている。これはかなり大きな重層を示しておるようでありますが、その重層地帯、その地域の中の騒音状態についてはどういうふうになっておりますか。
  40. 角坂仁忠

    参考人角坂仁忠君) いまの御質問でございますが、公団といたしましては、自衛隊の航路、そういうものとは全然関係なしに独自の騒音調査というものをやっております。
  41. 赤桐操

    赤桐操君 自衛隊の方、来ておりますか、防衛庁防衛庁にちょっと伺いたいと思いますか、あなたの方では重層地域についてどのように考えておられますか。
  42. 平晃

    説明員平晃君) 従来から百里基地につきましては騒音調査を四十八年度に実施いたしております。その後、機種の変更等ございましたので、五十一年度に再度調査を実施しております。その結果をいま取りまとめ中であると承知しております。
  43. 赤桐操

    赤桐操君 四十八年度の調査状況の中では、いま重層地域になるであろうと想定されるその地域については、どの程度に騒音状況を把握しておられますか、おわかりになりましたらちょっと。
  44. 平晃

    説明員平晃君) 成田との関連でということではございませんで、従来の調査百里基地周辺にどのような影響を与えておるか、そういう観点からの調査を実施しておるわけでございます。
  45. 赤桐操

    赤桐操君 そうしますと、自衛隊の場合においても、これは私は成田空港とこの騒音問題に関する限りは国民の側が受ける被害は同じだと思うんですね。したがって、お尋ねしたいと思うんですが、いずれにしても、かなり百里から飛び上がる飛行機の騒音というものは激しいと思いますが、従来これに対する補償対策、そういったものはどんなふうになされてきておりますか。
  46. 平晃

    説明員平晃君) 百里基地電波障害あるいは騒音被害に対する補償といたしまして、NHKテレビ聴視料受信料減免NHKが実施しているものに対して施設庁の方で補助をしております。
  47. 赤桐操

    赤桐操君 画像のゆがみとかフラッター現象、こういったものに対する補償というものをしたことがあるんですか、ないんですか。
  48. 平晃

    説明員平晃君) フラッター現象につきましても、防衛施設周辺生活環境整備法という法律に基づきまして、共同受信アンテナ設置する等の事業を従来やっておりますけれども、百里基地につきましては、地元からの御要望も従来ございませんので、今後そういう御要望がありますれば積極的に取り上げてまいりたいと思います。
  49. 赤桐操

    赤桐操君 成田と百里の空域が重なってくる。成田の方の空域についても大体以上お聞きのような補償がなされているということになれば、茨城県下の稲敷郡等は、あの周辺地域におけるところの対策というものは当然住民の皆さんから出てきます。そうすると、いまのその御回答で御処置をなさるというように理解をしてよろしいわけですね、原因者負担立場に立って。
  50. 平晃

    説明員平晃君) 百里基地関連でそのような御要望が出てまいりました場合には、共同受信アンテナ設置助成をやるという措置を講じてまいりたいと思います。
  51. 赤桐操

    赤桐操君 最近、妨害電波がいろいろと出てきておる。特にこの間の成田事件の際には警察電波まで実は大変妨害をされて一時連絡が非常に困難であったという状況もあったようであります。さきにはNHKに対する電波妨害、こうしたものがあるようでありますが、これら妨害に対して郵政省はどのような対策をお持ちになっておりますか。
  52. 平野正雄

    政府委員平野正雄君) 御指摘のように、成田空港及びその周辺につきましては、航空機の航行安全を確保するためなどのきわめて重要な無線局が多くございますので、不法な電波がこれら重要無線局通信に対し妨害を与えることが考えられるわけでございまして、運輸省あるいは空港公団などは、これら電波妨害発生した場合に対処するために自主的に自衛手段を講ずる必要があろうかというふうに考えております。しかしながら、成田地区の現在の事態は特異な状況にあるというふうにも考えられますので、郵政省といたしましては、一般的な電波監視を行いますほか、不法無線局の探査につきましても逐次その強化を図りたいというふうに考えております。
  53. 赤桐操

    赤桐操君 具体的に私は専門家でないからお尋ねするのですが、管制塔はこの間は暴力でやられましたけれども、こういう電波障害とか、こういう妨害とかの行為によって管制塔がどうにも使用ができなくなるというようなことはあり得るのかあり得ないのか、こういうことですがね。
  54. 平野正雄

    政府委員平野正雄君) 成田空港内及びその周辺には航空機の航行の安全を確保するための通信を行います電波がきわめてたくさんあるわけでございまして、それぞれいわゆる電波性格が異なるわけでございます。それぞれの電波性格対応いたしまして判断をする必要があるわけでございますけれども、原則といたしまして、それぞれの電波性格、たとえば周波数でございますとか電波型式でございますとか、あるいはその他の点を勘案いたしまして、あえて妨害しようということになれば妨害し得るものであるというふうに判断をいたしております。
  55. 赤桐操

    赤桐操君 これは大変な問題ですね。  それからもう一つ、きょうの新聞に出ているのですけれども、「今度は電話ケーブル切断」と、こう出ているんですね、これはけさの新聞です。やはり成田に通ずる大変重要なケーブルが切られているようでありますが、こういったものは大分総合的に出てきているというように思うのですが、空の問題、それからケーブルの問題、こういうものに対してやはり総合的な対策が求められている段階じゃないかと思いますが、この点、大臣いかがですか。
  56. 服部安司

    国務大臣服部安司君) 先ほど電波局長から先生の御指摘にお答えいたしましたが、これまたきわめて大変なことでありますので、電波障害についてその対策は一応いたしております。たとえば、一波いかれても別の波で解決をするように、着陸とか誘導には対策を立てておりますが、他の通信手段、すなわち、事実、昨日電話ケーブルが数カ所切断されて混乱を招きました。幸いわが日本のNTT、日本電信電話公社は非常にすぐれた技術設備体制が整っておりますので、きょうの朝もう復旧いたしました。しかし、この空港関係する通信は一秒たりともおろそかにできないことは十分承知いたしておりますので、この点について警備機関と緊密な連携をとり、また電電公社から技術的な問題、いろいろな点を提供し、緊密な連携のもとに警備体制の強化以外に防ぐ方法がございません、現在では。そこでなお、さらに検討を加えて支障を起こさないような体制の強化を図りたい、かように考えておる次第でございます。
  57. 赤桐操

    赤桐操君 さらに、百里と成田の間には緊急用としてホットラインがあるはずなんですね。これだって危ないですよ、正直に言えば。こういう事態に対して、やっぱり連絡通信という意味で総合的な対策を立てる必要があるだろう。それから成田は、これは角坂理事にお伺いすれば一番はっきりすると思いますが、航行安全施設としてはカテゴリーIではなく、カテゴリーIIであるというように私は聞いておるんです。羽田の場合にはカテゴリーIだ。しかし、成田の場合にはカテゴリーIIにこれを将来するんだ、本来の当初計画はカテゴリーIIだと、こういうように聞いておりますが、そういうようになるんですか。
  58. 角坂仁忠

    参考人角坂仁忠君) 先生指摘のように、成田はカテゴリーIIでございますが、まだ進入灯等の一部ができておりませんので、現在はとりあえずカテゴリーIでスタートをいたしまして、近い将来IIにするという方針でございます。
  59. 赤桐操

    赤桐操君 いろいろ私はそういう総合的な施設で安全な誘導を図っているだろうと思いますが、さらに高度になってきますと、完全な形でもって計器飛行で着陸する体制になると思うんですね。そういう場合には、すべてやはり根本は通信だと思うんです。これがとだえるとか、ジャックされるとかということになれば、これはもう一発でアウトになると思うんです。私は、こういう点でひとつ郵政省運輸省公団、それぞれに本格的なその対策を樹立されるよう要望しておきたいと思います。  それから、続きまして、時間がありませんので、これも簡単に要領よく御答弁願いたいと思うんです。  いま騒音問題を中心として、周辺民家に対する対策を講じておるということを伺いましたけれども、同時に郵便局、電話局、こういうものに対する対策が一体どのように行われていかなきゃならないかということは、通信事業として大変な実は問題点があると思うんですね。これをひとつ伺いたいと思うんです。時間がないので、ひとつ要領よく答弁してください。
  60. 長田武彦

    説明員(長田武彦君) まず、電電公社の電話局の関係でございますが、空港及び基地周辺におきますこの局舎の騒音対策といたしましては、二重ガラス窓あるいは気密窓というようなものなどを採用いたしておりまして、局内でいろいろ業務をいたす遂行上あるいは窓口におきますお客さんとの応対の上で、まず支障のないような措置を現在講じております。
  61. 本松智房

    説明員(本松智房君) 郵便局につきましては、いわゆる基地周辺とか空港周辺に特別に限定して防音対策というのは講じておりませんけれども、従前から職場環境改善の一環としまして騒音の防止ということをやっておるわけでございます。  どういうことをやっているかということでございますけれども、騒音の著しい環境下にある郵便局、私どもでは六十五ホン以上と考えておりますけれども、こういう郵便局につきましては、優先的に局舎の鉄筋化を図るとか、あるいは窓枠につきましては気密性の高いアルミサッシを使用するとかいうことをいたしまして、これと同時に空調整備を完備しまして、外部からの騒音が局内に入ってこなくて、環境のよい職場ができるようにということで努力をしておるところでございます。  それから、成田空港の中にございます、いわゆる運輸省告示に基づきまして騒音区域というのが定められておりますけれども、この中にある郵便局につきましては、これは現在のところ一局あるわけでございますけれども、これは現在空港ターミナルビルの中にございまして、地下一階にございますので、特に騒音上問題がないだろうと考えております。
  62. 赤桐操

    赤桐操君 電話局の方はわかりました。大分本格的な施設をやっておられるようでありますから、それはわかりましたけれども、郵便局の方の場合には、さしあたって大変な実は騒音下に置かれている郵便局があるんです。いま申し上げるというと、成田の市内では成田郵便局、それから集配特定局では三里塚、富里、芝山の三局、それから無集配特定では成田遠山、睦岡、千代田、この三局が該当すると思います。この七つの郵便局というものは直ちに防音工事を必要とする地域に置かれている郵便局だと、こういうように私は考えなきゃいけない地域だと思うんです、この地域は。  そこで、いまお話によるというと、鉄筋等の対策を考えたいと、こう言っておられますが、私は、やっぱり鉄筋防音施設にしなければ、事実この中の作業はできないと思うんですね。そういう意味で、当面これらの地域の局に対しては本格的な対策をとられるよう、これはひとつ私もこの機会に要望しておきたいと思う。  それから将来の問題として、B、C滑走路の増設に伴う防音対策も出てくると思いますね。これがもしできるようになりまするというと、今度はいままでの四千メーター滑走路とは方角が変わってくるわけなんです。そうすると、八街、多古、大栄、下総、松尾、これらの普通集配郵便局、それからさらに成田駅前、両国、多古、豊海、昭栄、小御門、大平、これらの無集配特定局、こういうものがその地域の中に含まれることになります。これはいま申し上げた前段の直ちに防音を必要とする対象局と同じような位置づけになりますから、これもあわせて申し上げておきたいと思いますが、これらに対する本格的な対策をこの際ひとつ要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  63. 渡辺武

    ○渡辺武君 大臣に、郵便貯金の金利引き下げの問題について最初に二、三伺っておきたいと思います。  三月の十六日に公定歩合が〇・七五%引き下げられました。これに伴って郵便貯金の金利がまた引き下げられるんじゃないかと国民は非常に心配しているわけです。申し上げるまでもなく、郵便貯金は国民が生活を切り詰めてやっとつくり出した零細な貯金でもありますし、私どもはこの金利の引き下げをやるべきではないというふうに考えまして、去る三月の十五日に引き下げ反対の趣旨の申し入れを大臣にもいたしております。この点について、大臣、どういう御見解をお持ちか、伺いたいと思います。
  64. 服部安司

    国務大臣服部安司君) 渡辺先生指摘のこの郵便貯金の利率は、公定歩合の引き下げに連動ということで、いま大変御心配をかけております点、また、過日は強力に庶民の、預貯金者擁護の立場から御陳情を受けたということは私も十二分に配意をせねばならないという立場を今日までとり続けてまいったつもりでございます。  御承知のとおりに、この郵便貯金の利率の引き下げ、引き上げについては、この郵便貯金法第十二条、すなわち、法律にはっきりと明記されておりますことは御案内のとおりであります。預金者の利益の増進に考慮を払わねばならない一面、あわせて民間金融機関の預金の利率についても配意をせねばならないと、まあ二面立ての法規制がされております。しかし、私は、前段の、いわゆる御指摘のとおりに、ささやかな利子を目的とする零細庶民大衆の預貯金者の立場に立って、公定歩合の引き下げと預貯金の利率の引き下げとの連動は基本的に関係がないという姿勢を私は今日までとってまいっているところでありまして、前段でこのガードを守り抜きたいというわけで、一昨日の諮問にも、年度内三度の引き下げは大変心苦しいと。しかし、私は、各界から選ばれた郵政審議会の委員各位にひとつ忌憚のない討議の場を持っていただいて、いまどの道を選ぶべきかということをまず御討議願いたいという白紙諮問をいたしましたことは御承知のとおりであります。これをもっても御理解いただけるとおりに、まあ正直申し上げて、決してオーバーな表現ではありませんが、苦悶状態でございます。  ところが、一方、公定歩合の引き下げによって一般金融機関の利子の引き下げの連動の発議が大蔵大臣かち日銀の政策委員会に申し入れられると同時に、わが郵政省にもこういった御要請の連絡があったわけでございまして、まあ公定歩合操作と直接関連するものではないという基本的認識は持ちつつも、この厳しい経済情勢下にあって、しかも、御案内のとおり、三十七兆を突破するいわゆる預金を持つ郵便貯金もかなり影響力があるわけでありまして、片や、金融全体に対してどのような影響をするかということも勘案せねばならない立場もあることは、また御理解がいただけると思うのであります。  しかし、いよいよあと六日、今月の六日に再度郵政審議会に諮問をするわけでありまするが、先般の郵政審議会には、郵政省から意思表示を求めるという意見が、答申が出されております。なお、この中間答申をいただくまでにかなり厳しいおのおのの立場で御論議がされまして、いま私はこの論議のなされた内容、記録を見ながら、どういう立場をとるかということ、これはきわめて早い時期に一つの道を見出さねばならないという立場でございますので、いわゆる一般経済に及ぼす影響、特に戦後最高の失業者を出している雇用関係とも考えあわせ、先ほど申し上げたとおりに、郵政審議会委員——各界から選ばれた利用者、また事業者、経済評論家すべての方々の意見を参考に、近くどうしても方向を見出さねばならないという立場でございまするが、現時点ではこういったことをやろうという案は出ておりません。したがいまして、現時点の私の心境では、何といってもこの立場の弱い方々を守る方向で必死のあがきをしているというのが偽らざる心境でございます。
  65. 渡辺武

    ○渡辺武君 大臣の御心境はいま承りましたが、こういうことを申し上げては失礼なんですけれども、郵政大臣に就任せられた直後に地元へお帰りになった際、奈良県の地元の町挙げて歓迎をされたという記事を私は新聞で読んだことがあります。恐らく大臣の歓迎に出られた地元の方々は、ほとんどやっぱり郵便局に貯金をされている方々だろうと思うんですね。皆さんやはり預貯金金利の引き下げ、これについては反対の気持ちを持っておられるだろうと思います。  いまおっしゃいました郵貯法第十二条の後段ですね、民間の預金金利の水準を考慮してということが書かれておりますけれども、しかし、必ず連動して動かさなきゃならぬという趣旨でもないというふうに解釈できると思うんですね。他方、昨年二回にわたる引き下げで、たとえば定期もので最高金利のものを見てみましても、一年間に一・五%の引き下げですね、これは大変ですよ。また、これを引き下げるということになりますと、生活に対しても深刻な影響もありますし、同時にこれが一体どのような効果があるのか。不況打開、雇用促進ということで、従来引き下げられて何の効果もなかったことは、これは明らかでしょう。今回は円の値上がりを防ぐためという理由もついているようですけれども、しかし、もういまの円の急騰ぶりを見ていますと、郵便貯金の金利を引き下げてこの円の急激な値上がりかどうにかなると、だれも考えておりませんよ。そういう意味で、大臣いみじくもやっぱり預金者の利益を守るとおっしゃいましたので、金利の引き下げをいわば内々含んだような諮問は私はなさらない方がいいんじゃないかと思いますけれども、どうでしょうか。
  66. 服部安司

    国務大臣服部安司君) 私の考え方も渡辺先生と同様でありまして、私は正直申し上げて、諮問しないで済むような状況下であればそうありたい。また、先ほども申し上げたとおりに、きわめて弱い立場の方々を守るのが郵政大臣の所管であるとも考えておりますが、きわめて周囲を取り巻く情勢が厳しいわけでありまして、決して私は弱腰を見せるのではありませんが、なかなか現時点で守っていることにも大変な苦しみを感じておりまするが、先ほど来申し上げたとおりに、あえてその苦しみを背に受けて預貯金者を守り抜きたい。  ただ、私のこういった性格から、いいかげんな答弁はできませんので率直に申し上げまするが、現在の服部の心境は、いかに預貯金者の金利の目減りをどの程度で食いとめるか、また、どういった施策を取り入れて少しでも立場をはっきりするべきかということについて、いまもう頭がしびれるほど一ぱいでございまして、私は、渡辺先生同感でありますと、いかなることがあっても諮問もいたしませんし、だれが何と言っても与えられた権限の行使で一厘の利下げもいたしませんと、こう言える立場であれば、これは私も非常に精神的にもまた先生の御要望にもこたえられるわけでありまするが、先ほど申し上げたとおりに、取り巻く周囲の状況はまことに厳しゅうございまして、私は、くどいようでありまするが、どのようにして少しでも預貯金者の目減りを少なくするかという点にいま苦慮いたしておりますので、素直によくわかりましたという答弁はできないことははなはだ遺憾でございまするが、この点も御理解を願っておきたいと存じます。
  67. 渡辺武

    ○渡辺武君 くどいようですけれども、大臣が先ほどおっしゃったように、白紙で諮問をした、つまり、どのくらい金利を下げるかという数字は出さなかったということだろうと思いますが、私は、やはり郵政大臣としていわば責任回避と、まあ審議会にげたを預けて、審議会の答申でそっちに責任をいわばなすりつけてということのような感じが非常に強いんですよ。三十日の郵政審議会では、反対意見が非常に強くて、結論が出なかったという趣旨の新聞記事を読みました。いま〇・五%ぐらいじゃないかというもっぱらのうわさが出ているわけですけれども、郵政審議会の会長さんは経団連の会長さんでもあるし、あそこには財界代表だとか、あるいは官僚の古手などが大分いて、むしろ引き下げ意見の方が強いんじゃないかと思われる節もあります。もし仮に〇・五%の引き下げというような答申が出た場合、大臣、それをうのみにされるんですか、どうですか。
  68. 服部安司

    国務大臣服部安司君) たてまえは答申を尊重せねばならないということに相なるわけでございまするが、必ずしも、渡辺先生指摘の郵政審議会委員の中で——まあ一昨日の討議内容も私は時間的な関係で十二分にまだ熟読いたしておりませんが、利下げの方向で進んでいることが私はまだ決定的だとは考えておりません。御指摘のとおり、かなり厳しい利下げ反対の意見もあったと私は理解いたしております。この点をひとつ御理解願いたいのでありまして、服部が白紙で答申を求めたということはひきょうじゃないかと、確かにひきょうです。言われればひきょうであったかもしれません。しかし、ひきょう者と言われても、私は各界の各層の意見を十二分に聞いて——在来は、これだけいわゆる連動で、在来の諮問の仕方は、いわゆる連動要求があったときにその民間金融機関と同様のこれは諮問をしているわけですから、形式的にもね。私はひきょう者呼ばわりされてもいいと、ここで各界の意見を聞いて——在来と違った立場をとったのは、聞いて、そこで私は判断をいたしました。どうあろうと、これは私の方からこのようにいたしたいと思いますがという諮問案を出さねばならないわけですから、私は、きわめて慎重に、しかも世論の反映をしてくださるこの審議会の意見を参考にというわけでああいう方法をとったわけでありまするから、私の方で、いま先ほど申し上げたとおりに諮問をせねば、おおよそ答えはいただけないと思っています。いま渡辺先生が、〇・五とどうも確定的なように仄聞しているがとおっしゃいました。また、一つには大変厳しい反対があったと聞いていると。私は反対のあったことは確かに承知いたしておりまするが、〇・五にするとか、〇・三にするとか、〇・八とか、そんな簡単なものじゃないんです、いまの心境は。何かの施策を講じて、何かの施策を取り入れて、零細な預貯金者の目減りをどの点でカバーするかという、もっといわゆる高度の立場に立って考えておる状況でございます。  したがいまして、くどいようでありまするが、この答申の案を参考に取り入れる、私は参考にし、また、いろんな問題、過去の経緯などを加味した一つの案をこれはもう少なくともここ二、三日のうちに見出さねばならない立場でございまするので、どうぞこの点も御理解を賜りたいと存じます。
  69. 渡辺武

    ○渡辺武君 時間もないので次に移ります。  熊本県の菊池郡の合志町というところに、いま三つばかりの住宅団地が建てられているんです。一つは永江団地、これは二、三年後には一千戸になる予定ですけれども、現在すでに三百戸つくられている。それから杉並台ネオポリス、これも二、三年先には七百戸になる予定だが、現在百十戸つくられている。そのほか、すずかけ台ニュータウンというのもほぼ同地点にいま工事が始まっているという状況だそうです。すでに入居した人たちは、一番近い郵便局に行くのにも約二キロ以上離れているのだが、そこへ行かなきゃならぬという状態で、すぐに郵便局をつくってほしいという要望が非常に強く出ているんですが、この点についてどういうようにお考えか、伺いたいと思います。
  70. 服部安司

    国務大臣服部安司君) これはもう国民の日常生活と全く不可分の間柄にあるのは、また国民に一番親しまれるのは郵便局であることは御案内のとおりでありまして、いま御指摘の問題、かなりな戸数でありまするし、近接の利用する郵便局も二キロ以上となりますると、私は真剣にひとつ検討さしてもらいたい。ということは、やはり今後の発展状況、現在のいわゆる宅地開発並びに建築の進みぐあいなども総合的に判断いたしまして、私たちの方で十二分に先生の意を体してひとつ検討さしてもらいたい、前向きで検討いたしたいと思っております。
  71. 渡辺武

    ○渡辺武君 ついでのことですから、状況をちょっとさらに詳しく申し上げておきますと、地元で九州郵政局と交渉しましたところが、とにかく九州管内で毎年十カ所ぐらいずつつくることになっているので、千五百戸以上くらいまとまらないとやりにくいというようなことも言っているそうです。しかし、もういまでも四百十戸もでき上がっている。私、郵便局の設置標準、これを見てみますと、大体六百戸以上と。ということは非常に近いわけですね。それで、町の方では簡易郵便局でもいいから至急つくってもらいたいということも言っていますし、それから、特に永江団地のデベロッパーの永江不動産有限会社、これが郵便局用の敷地六十坪をもう用意しているというんです、永江団地の中に。そういう状況ですから、ひとつ至急に住民要望にこたえられるようにお願いしたいと思います。
  72. 神山文男

    政府委員(神山文男君) ただいま大臣がお答えいたしたとおりでございますが、九州郵政局に聞きましたところ、まだ御要請があって間もないわけでございまして、十分な実査もいたしておらないという状況ですが、いま大臣が申し上げたように、早急に調査をし、そして現在の状況、それから将来の発展状況がどうか、また周辺地域がどうなっているかということも十分調査した上で判断して善処いたしたい、こういうふうに考えております。
  73. 服部安司

    国務大臣服部安司君) ちょっと補足します。  いま渡辺先生が、まず初めは簡易局でもという御意向がありましたが、いま御指摘のとおりに、これはいろんな規定がありまして、もしそれに十二分に御満足のいく答えが出ない場合には、とりあえず簡易局で出発いたしまして、自然に発展状況を見て特定局に移行させるという方法もあろうと思いますので、とにかく、一応私の方でも詳細九州郵政局と連絡をとりまして措置いたしたいと考えております。
  74. 渡辺武

    ○渡辺武君 それからもう一つは、奄美大島の名瀬市の市議会から郵政大臣あてにも陳情書が出ていると思いますけれども、ああいう離島で電話料金が、言ってみれば距離が非常に離れているために大変高くかかると。同じ十円当たりでも名瀬市から県庁所在地の鹿児島まで五秒だというんですね。十円が五秒で済んじゃう。普通は十円で県内だったら大体二十一秒以下のところはないというのにもかかわらず、離島のためにそういう状況になっているので、海上距離は算定の中に入れないでほしいという要請なんですが、大臣の御見解はどうでしょうか。
  75. 服部安司

    国務大臣服部安司君) 離島振興という点については、各政府の施策には十二分に理解を示し、経済の発展、また文化の向上、いろんな点については手を尽くさねば、温かい手を差し伸べねばならないということは十二分に理解できまするが、ただまあ電話の通話料というのは、古くから伝統的に全国同じ原則でお支払いを願っておりますことは御案内のとおりでありまして、こういう料金上の原則は、電話だけでなく、他の交通機関もやはり同様であろうことは御理解いただけると思うわけでありまするが、こういうたてまえでお支払いをいただいておりますこの姿を変えるということ、特別な計らいをするということはなかなか他に及ぼす影響もございまするし、また公共料金は公平に御負担を願うという大原則——私はお立場、お気持ちは十二分に理解できるわけでありまするが、現時点ではなかなか例外を認めるということは非常に困難なことでありまするので、こういった離島の方々の立場を理解しながら、許される範囲のサービス改善に——料金改定はちょっと困難と思いまするが、その他の面で補っていくように電電公社を指導してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  76. 渡辺武

    ○渡辺武君 これは一般論になりますので、離島の問題からちょっと離れますけれども、電話料金の算定の仕方ですね。距離と時間と、この両面から度数を計算するという仕組みになっていますね。外国の例などを考えてみますと、距離の要素というのは日本ほど大きな要素になっていないということはたびたび指摘されていることだと思うんです。私、料金体系をいまここで全面的に改めてほしいということを言おうとしているわけじゃないんですが、大体距離が諸外国に比べても大きな要素として料金算入の中に取り入れられ過ぎているという感じがしますので、全面的にとは申しません。しかし、離島でこれは宿命的なものですよ。しかも、ほかの郵便物は船もしくは飛行機で来なきゃならぬのですけれども、あらしのときなんかは着かなくなるんです。まさにそういうときほど長距離電話をかけなきやならぬという事態も出てくるわけです。ですから、特別に離島について距離の問題ですね、これを軽減するという点は何か考えられませんか。
  77. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) お答え申し上げます。  距離の点につきましては、私たちも、電話は長い伝統がございますが、いろいろ工夫しまして、自動になる前は千二百五十キロというようなところまであったわけでございますが、自動にしましたときに七百五十キロで打ち切るというようなことをいたしておりますし、それから離島等につきましては、先生おっしゃいますように、非常に皆さん方離れておられますので電話をお使いになる点は私たちもよくわかるわけでございますが、私たちの方に翻って考えますと、離島になりますと、海底ケーブルその他で非常に陸上よりも金がかかるというような面もございます。それから海だけでなくて、国内にいきましても、山岳地帯とか湖があると、それを省けとかいうことになりますと、これも案外そっちの方が金がかかるというふうな状況がございまして、現在のところでは、私たちが皆さん方に距離によってやはり分担していただくという方法しかないんではないかと。はなはだ申しわけないのですが、そういうふうに考えておる次第でございます。
  78. 渡辺武

    ○渡辺武君 いま費用の点を言われましたけれども、海底ケーブルでやっておるところもありますけれども、近ごろはマイクロウェーブでやっているところもあって、そういうところは費用という点ではそう海底ケーブルの場合ほどのものではないというふうに私は聞いております。それで、いまここに奄美大島その他の離島のトラフィックの数字をもらってあるんですがね。これを見てみますと、たとえば手動トラフィックの場合、奄美大島で島内相互間のトラフィックは千六百六十、それから島内から島外に向けてのトラフィックが千五百五十ということで、ほとんど同じなんですね、度数が。そのくらいたくさん使っているわけですよ。使用回数は少ないんだけれども、距離が大きいものだから、だから料金はほとんど同じくらい島内、島外で払わされているという実情だと思うのですね。この点はひとつぜひ考えてほしいと思うのです。これはほかの運賃その他もみんな高くなっているわけですからね。少なくとも通信施設について、住民の苦しみを多少でもやわらげるという措置をとってほしいと思うのですね。  私、電話料金で夜間の特別割引という制度がございますね。あれを伺ってみますと、夜八時以降、それで六十キロ以上のところについては料金は六割でよろしい、まあ簡単に言えばそういうことになっていますね。だから離島の場合、夜間でなくても電話料金は少なくとも六割でよろしいと、六十キロ以上離れていますからね、奄美その他は。そういう措置くらいはできるんじゃないか。電電公社からそういうことで申し出があれば、大臣がそれを認可しさえすればいいということじゃないかと思いますが、ひとつ大臣の方から、電電公社とよくひとつその点で協議をしてほしいと思いますが、どうでしょう。
  79. 玉野義雄

    説明員(玉野義雄君) その点でございますが、法律的なことを申し上げて恐縮でございますが、現行法でございますと、料金を割り引きます場合は夜間だけに限定されておりますので、これは法律改正が要ると思いますが、しかし、そういう点につきましては、先ほどもるる申し上げましたように、先ほどのトラフィックでございますが、手動の方が自動より高くなっております、料金が。それでだんだん私の方も自動にしておりまして、今年度末で全部自動化する予定でございますが、先ほど先生おっしゃいました手動の方のトラフィックでございますが、自動の方のトラフィックになりますと、たとえば奄美大島でございますと、島内相互は二百七十アーラムで、島外へ出るのが五十二アーラムということでございまして、島内の通話がほとんど八四%と、こういうふうになっておりますし、したがいまして、この手動の辺を自動化するということによっても多少変わってまいるんではないかというふうに考えております。
  80. 服部安司

    国務大臣服部安司君) ただいま担当理事からお答えをいたしましたとおりに、私も先ほど劈頭にお答え申し上げたとおりに、料金体系には特定の地域を設けることをおおよそ困難であると理解いたしておりますと、したがいまして、そういった離島振興の立場からできるだけ施設の面でサービスを積み上げていきたいとお答えいたしましたが、そういう状況下でありまするから、電電公社は私に特別のいわゆる認可申請は持ってこないと思いまするが、持ってまいりましても、やはり私は国民全体の公平な公共料金の負担という立場から、なかなか御要望にこたえることは至難な問題だと御理解をいただきたいと存じます。
  81. 渡辺武

    ○渡辺武君 大臣、くどいようですがね。いまちょっとこちらで説明のあった自動トラフィックに変えればというお話がありましたけれども、私も表をもらってあるんです。アーラムで確かに島内相互は二百七十アーラムで、島内から島外に向けて、五十二アーラムということになっておりますがね。これは距離のあれが入ってないんですよ、概念が。だから、距離の概念を入れて考えなきゃならぬ。手動の方は距離の方が入っていますからね。だから、ほとんどこれはやっぱり大変金がかかっていることの証明だと見なきゃならぬと思いますね。  それで、きょうは国土庁からおいでになっていただいているんですが、もう時間も来ましたので、まことに申しわけないんです、御答弁はいただけませんが、離島振興法のたてまえから言いますと、隔絶していると、本土から。その隔絶しているという状態を何らかの形で緩和しょうということでいろんな施策が行われていて、しかも、この振興計画の一番最初に言われているのは交通・通信施設の充実ですよ。だから、通信、交通というものがどれほど重要かということはおわかりいただけると思うのです。事料金の問題になってなかなかむずかしいようですけれども、まさにここがポイントなんです。宿命的に海で隔てられて遠距離に行って、しかも、今日の経済状態から言えば不可避的に本土との交通及び通信はこれはもう頻繁にならざるを得ない、こういう条件にあるんですよ。ですから、法の改正が必要なら私は法の改正をやるべきだと思う。いずれにしても、八時過ぎには六百キロ以上の場合に料金は六割だという制度もあるわけですからね、これを少なくとも離島というものに限ってたけても昼間の場合も適用するというくらいの措置を私は考えてほしいと思う。重ねて御答弁いただきたい。
  82. 服部安司

    国務大臣服部安司君) お気持ちはもう十二分に理解できるわけでありまするが、制度上の問題というのはなかなか微妙なことでありまして、私はいまここでよくわかりましたといって答えたい気持ちはやまやまですし、そう努力したい気持ちもいっぱいなんですが、先ほど来申し上げておりますとおりに、公共料金は国民全体に公平な負担を要求している立場上、たとえそういう状況下にあることを知りつつも、これ、ここでわかりましたと言えないこの苦しい気持ちを御理解願いたい。しかしながら、いま御指摘のあったいわゆる新しい手動から自動にかえていろいろしたい、いや、それをやっても料金にはと、今度はこういう答えが出るのじゃないかという御指摘がありましたが、ちょっと私は数字的に専門家でないのでわかりませんが、しかし、電電公社を、いま御指摘のあった面も踏まえて、御意見も踏まえていろんな施設の面で十二分に検討をさせるように努力、指導したいと考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
  83. 渡辺武

    ○渡辺武君 最後にもう一問。
  84. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) もう時間を過ぎています。
  85. 渡辺武

    ○渡辺武君 一言だけ。
  86. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) あなたの場合はずっとぼくは時間見ていて七分ぐらい過ぎている。ですから、後に質問者もおりますから、そこはちょっと遠慮してください。
  87. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 私、初めに電話の普及についてお尋ねしたいと思いますが、まず初めに、日本と経済的にも文化的にもレベルの似た外国ですね——と申しましても、たくさん挙げられても時間の制限がありますので、たとえばアメリカとか、西ドイツ、イギリス、フランスという国々はどの程度の普及率でしょうか。
  88. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) お答えいたします。  この普及率というものの統計のとり方等、多少の差異等が国々にございますが、ざっと申し上げますと、ほぼ同じような、本電話機で比べますと、これは時間のずれも多少ございますが、五十一年で考えますと、アメリカが三八ぐらいでございます。イギリスが二三、西ドイツが二一、フランスが一三という程度でございます。
  89. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 わかりました。そうすると、日本は二九・七ですね、沖繩十二・八。それでいま外国とわが国、そうしてわが国と沖繩、類似県でさらに沖繩が低位にあるわけですが、これを少なくとも本土並みに持っていきたいといって、電電公社の総裁が非常に精力的に取り組んでおられることに私は敬意を表します。ところが、この前のお話で、総裁が他県並みにすることは非常に困難な状況にある、こういうお言葉があったわけです。本土並みに持っていくには非常に困難な状況にあるとおっしゃった、その困難な状況の内容を少しお伺いしたいんです。
  90. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) 先生のお話しのとおり、沖繩の積滞いまだ解消されていないということで、われわれ一同非常な努力を続けているわけでございます。  それで、公社といたしましても、復帰以来、約九百億円の建設投資を行って非常な努力を払っております。その結果、復帰当時に比べますと、加入数は一六五%に増加しておりますが、なお、積滞がなかなか減っていない。それには、一つには、まだ申し込みが非常に多いこともございます。それからまた、復帰後五年有半でございまして、本土におきましても加入電話の積滞解消ということができましたのは、公社発足以来二十五年の期間を要してようやく五十二年度で解消したわけでございます。なおかつ、復帰当時、全局にわたりまして基礎設備が全部不足しておりまして、全局において手を入れなければならないということだけでなくて、実際電話局をつくろうといたしますと、非常に敷地の取得が困難でございます。特にこの土地柄もございますが、多数の地権者に細分化されているとか、境界不分明なものもかなりあったというようなことで、本土に比べまして取得に非常に時間を要しました。非常な困難がございましたが、敷地に関しましては、主要なものについてようやくおおむね取得されております。それで引き続き局舎の建設及び設備の新増設に努力をしていきたいと、こう考えている次第でございます。また、いろいろ事情等もございまして、労働組合との話し合いにも時間がかかるという面がございました。そういうことでございましたが、鋭意努力いたしまして、先生のおっしゃいましたとおり、積滞解消ということが沖繩の方々の非常に強い要望であることから、また国会の附帯決議等もございましたことも踏まえ、この六次期間中に積滞の解消を図りたい。いずれにいたしましても、できる限り早期に積滞を解消すべく懸命な努力を今後続けていきたい、こう計画している次第でございます。
  91. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 皆さんがもう一生懸命に本土並みに一日でも早く持っていきたいという御努力をしておられるということは私十分認めていますよ。にもかかわらず、非常に沖繩が困難な状況にあるというその具体的な、何が障害になって皆さんの御努力がすいすいといかないのか、実らないのか、そういうことを私はお聞きしているんです。何が隘路になっているかということをお聞きしております。
  92. 福富礼治郎

    説明員福富礼治郎君) いま申し上げましたとおりに、いままでの隘路は設備をつくるべく九百億も投じたわけでございますが、一つには、第一の隘路が敷地でございましたが、これはいま申し上げましたとおり、おおむね何とか確保されたわけでございますが、これに伴いまして、局舎の新築工事ということもおくれております。これも一つの具体的な隘路でございます。できるだけ早くいたしたいと、そういうことで、非常に全局にわたって不足しておりました基礎設備、線路等、ケーブル等、それらについての工事を鋭意専心進めているわけでございます。いままで、いま重ねて申し上げましたように、敷地とか、それに伴う局舎というようなものがおくれおくれでございましたので、まあ、今後そういうものが基礎設備がつきますと非常に進捗いたすことと思っております。また、労働組合との慣習もございまして、そういうのも本土に比べまして話し合いに時間を要するという面も見られました。そういうことも鋭意専心いま努力しているということで御理解いただきたいと、こう思っている次第でございます。
  93. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 どうも、おっしゃることもよくわかりますが、ちょっと焦点をついていないと思うんです。  私の理解では、いわゆる機材、資材の獲得が十分目的を達成しつつあるとおっしゃいますね、そうすると、現地にこういうことが大きな障害になっていませんか。敷地の確保、土地を確保するのに、あなた、基地の中の沖繩で、狭い土地に基地が膨大にある、それから過疎過密の現象が非常にアンバランスで、学校の敷地をとるのにも、学校を分離したり、ふやしたいけれども敷地が得られないで困っている実情がたくさんあるんですよ。そういうことで、皆さんの計画を実現していこうと思っておられるけれども、敷地の獲得ができない。それから獲得できる寸前にきたら今度は地籍が明確でない、土地の境界線がまだはっきりしておらぬでしょう。だから、そういったいろんな引っかかりがあって思いどおりにいかない、こういうことはありませんか、どうですか。
  94. 長田武彦

    説明員(長田武彦君) いま先生のお話、いままで本土復帰以後どのくらいの電話局をたとえば自動にし、あるいは新しい電話局をつくったかという仮定を含めましてちょっと申し上げてみたいと思うわけでございますが、復帰時点におきましてまだ手動で磁石式で交換をしておりました局が二十二局ございました。正確に申しますと二十三局あるわけなんですが、実はこの二十三局のうちすでに自動にかえましてサービスを開始しているもの、これが十五局ございます。残り八局。それで一局はほかの電話局と一緒にしてしまって局がなくなりますので、実はこれは五十三年度中に残りの七局の工事をいたしますと、すでにこれは全部沖繩も自動になるという計画でいま進めております。この中には南北大東島ももちろん含めて、ぜひともこれは五十三年度中にやりたいということでいま鋭意努力をしている最中でございます。これらの局につきましては、すでに敷地は取得をいたしまして、すでにもうどちらの局も大体工事着工しているという状況でございます。それから、そのほかに新たに電話局をつくる、たとえば那覇の市内でございますと、前島地区に新しい電話局をつくりましたですが、あるいは今度首里につくろうということを考えておりますが、そういう電話局をつくらなきゃならないというので、現在大体沖繩の数年先を見込みまして大体三十五局要るという見当をつけてございました。そのうち十四局については、すでにこれは工事を全部終了いたしまして、サービス開始をいたしております。それから現在十局工事をいたしております。したがいまして、まだ工事も着工しないという状況でおります局が十一局あるわけです。この十一局のうち大体三局が実はまだ土地が確実に買えていないというかっこうでございまして、残りの八局についてはどうやら土地の取得についてはもう最低限、要するに地主から承諾書をいただいたというようなかっこうの段階まで来ております。したがいまして、まだ一〇〇%土地の取得が終わったわけではございませんけれども、どうやら現段階ではまず済みましたというふうに申し上げてよろしかろうかと思っております。
  95. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 いま五十三年度中に手動を自動に全部切りかえるとおっしゃってすぐぴんときますことは、いままでも特に御要望申し上げたのですけれども、沖繩の僻地の中のまた僻地、南北大東ですね、南大東、北大東も含めて五十三年度内で自動に切りかえるということなんですね。
  96. 長田武彦

    説明員(長田武彦君) そうです。
  97. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 これはもう大変両村民が本当に両手を挙げて万歳するだろうと思っております、もう行くたびごとに切実に要望されておる問題でありますから。  ここで積滞解消の計画を承ったわけでありますが、そこで、基本姿勢として私の気になりますことは、本土の場合には発足当時から二十五カ年かかって今日現状を得たと。この物差しで沖繩をはかられるというと、どうしてもそこにかみ合わないものが出てくる。沖繩は戦場になり、戦争で全部破壊されて山河もないまでに地上物件も九六%壊滅して、しかも兵火に付された、人間も十数万と。そういう次元の違う本土と沖繩で、二十五年もかかったから、だから沖繩は早い方だという、こうすりかえられますことは、これはいけないと思います。と言いますのは、沖繩を本土並みにもってくるためには特別措置がまず考えられると思います。その特別措置は五カ年という一応これはできた。ところが、五年経過してもう六年目に入っておりますが、この五月十五日が来ますというと満六年になるわけですね。ところが、去年の五月十五日で本土並みははるかに遠いからといって延長になった。沖繩は本土とは次元の違う特別の措置によってでないと本土並みにもっていけない。こういう特別措置の精神からも、本土が二十五年かかったから沖繩は早いじゃないかという考え方についてはちょっといただきかねる。もしその発想でいくならば、今度は裏を返せばどういうことになるかというと、それじゃ、沖繩にいま特別措置がとられておるけれども、まだまだ追い着かないならば、このアメリカ施政下に二十七年もあったわけですから、その沖繩に対するすべての特別の措置は二十七カ年間続けなければいけない、二十七年間かかればやっと本土並みになる可能性があるという理屈にもなりかねないのですね、いわゆる県民側からするプラスの要求は。ところが、そんなに特別措置をとるわけにいかぬから五カ年だということで、それで五カ年で水準に達しなかったからまた五カ年延長する、こういうことなんだから、本土がこうだったから沖繩はということでなくして、沖繩は沖繩の物差しでもって早く本土並みに。だから、九百億円のお金が注がれたということは、これは非常にありがたいことですよ、ありがたいことです。ところが、それでもなお問題は、その電話普及率がどうなっておるかということが問題でありまして、普及率をここで一千億、二千億かけても本土並みにもってくる必要があるわけでしょう。だから余り幾らかけた、幾らかけたということを恩恵的に言われますと少し抵抗を感じるということがありますから、どうかひとつ五十三年度じゅうで南北大東を含めて自動に変えると、これはもう大きな朗報でございます。ぜひこれをひとつ間違いなく実現してもらうように重ねて要望いたしておきます。  それで、総裁にお願いしたいことは、去年おいでいただいて、非常に具体的に問題点を解明の方向に進めていかれたことを私存じ上げて大変敬意を表しておりますが、ぜひ、いまの時点でもう一遍現地に乗り込んでいらっしゃって、現状はどうなっているか、それを打開するにはどうすればいいかという現地でひとつ対話を交わしていただく中で問題解決を詰めていただきたい、こう思うんですが、いかがですか。
  98. 秋草篤二

    説明員(秋草篤二君) 電電公社の本土のサービスは、おかげをもちまして非常にりっぱになりましたけれども、私、心の痛むことは、沖繩だけが取り残されて、まだ積滞が六万九千も残っているということでございます。これをもう一日も早く本土並みに復帰すべく——考えてみますると、五年間に相当なあせりもあったし、またいろんなやり方の失敗もありました、率直に言いまして。しかし、やはりこの問題は、いま先生が、こちらは二十五年かかったんだと、五年では早過ぎるじゃないかというような気持ちは毛頭ございません。それから、予算、金で困っていることでも全然ございません。とにもかくにも、しゃにむに早く本土に復帰させるということでございまして、ただいまのお言葉で、また去年と同じように、もう一年たったから現地に行って、その後の状況、推進状況はどうかということを一遍督励したらどうかということを仰せられましたが、私も行って、行けなければ副総裁を必ずやりまして、どちらかが行って、近々またその状況を見きわめて、かたがた職員の士気を鼓舞してきたいと思っております。よろしくひとつお願い申し上げます。
  99. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 その点ひとつよろしくお願いします。  それから積滞の解消で、まだ六万九千件たまっておるわけですね。その中の具体的な例を一つだけ申し上げます。  実は去年の二月に埼玉県から沖繩に引き揚げられた青年が埼玉県から電話を沖繩に持っていっているんです。そうすると、これは移設になりますね。その青年が沖繩で酪農を始めて順調にいって手広くやりつつあるわけです。ところが電話のやりとりが、架設してくれぬものですから、お隣に行ったり公衆電話に行ったりして、もう大変困っているんです。   〔主査退席、熊谷弘君着席〕 それから取引先からの電話もしたいけれども、電話がないものですから非常に不便をかこって困っておる事例があるんですが、電話は埼玉から沖繩に持ち込んでいっておっても、それを架設してくれない。これは沖繩市の池原市営住宅のことなんです。これはもう一カ年になりますが、まだ架設できない。これはどういうわけなんでしょうか。
  100. 浅原巌人

    説明員(浅原巌人君) お答えいたします。  沖繩の中へほかの県から移転御請求がございますのは年間大体二、三百件ございます。昔はできませんでしたが、現在は、御案内のように、全国的に電話を一遍持てば移転することができますが、その場合のお取り扱いでございますけれども、本州の方はもう電話がどんどんつくようになっておりますのでそういう問題はございませんですけれども、沖繩の場合にはやはり積滞がございますので、一定の順序づけをいたしまして架設をいたしております。  具体的に申しますと、もとの電話のお申し込みかあった日を——ちょっと変わったルールのように聞こえるかもしれませんが、もとの電話をおつけする場合に、いまのお話でございますと、埼玉県なら埼玉県でお申し込みがあったときに、沖繩でも申し込みがあったと同じように考えまして順序づけをいたしましてやっておりまして、   〔主査代理熊谷弘君退席、主査着席〕 どちらかといえば、積滞のある場合の移転の電話の扱いといたしましては優先的な扱いということでやっておりまして、まだ全体の積滞がございますために御迷惑をかけているかもしれませんが、取り扱いとしてはそういうふうになっております。
  101. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 これは個人の電話ともまた違いまして、公共性も帯びておりますのでね。東京都内であれば、新規申し込みだと五日あれば実現すると。それから全国各県では一カ月で新規も実現するということを私知っておりますが、ところが、沖繩は一カ年たっても、しかも持ち込んでいってさえもそれを架設してくれないということは、非常に不公平という感じを持つわけなんです。ぜひそれをコザ電電公社、管轄は向こうだと思いますから、ひとつ御連絡をお願いいたします、一カ年になりますから。  それじゃ、時間が迫りました。次は基地周辺電波障害についてお尋ねしたいと思いますが、これは嘉手納基地を中心とする例の五キロ、一キロの電波障害テレビ障害に対する取り扱いについては、これは日本放送協会放送受信料免除基準、こういうものに基づいて一応全免あるいは半免ですね、全額免除、半額、こういう規定があるわけですが、私は、これをもう洗い直してもらいたい、こういう要望をすでに申し上げているわけなんです。と申しますのは、この規定は一応全国的に適用を受けるわけですが、特に沖繩における基地の特殊性は民家、住民と接近しておる。本土の基地以上に接近しておる。それだけにジェット機音響の障害が広がるわけですね。  たとえば例を申し上げますと、ここに東南植物楽園という観光の目玉の場所がありますが、滑走路はこうですけれども、離着が非常に混雑するものですから、離陸の間、この植物楽園の上空で旋回をして、盛んに爆音をまき散らしておるわけなんです。そして、離陸しますというと今度は着陸する、こういうふうに二、三分おきにこれがたまらない爆音をまき散らしております。ところが、この規定上は、これを中心にして五キロ、それから一キロですね。それで、これは実情に即してこの電波障害の範囲を検討してもらう必要がある。それからもう一つは、ジェット爆音に限られておりますが、沖繩の場合に、今度宜野湾市の普天間飛行場、この爆音が最近特に激しく、もう木の枝すれすれに離着陸をしている。むしろ、音波の妨害ということもさることながら、生命の危険さえも感ずるような低空でワンワンワンワンやっておるんですよ。そういったこともあって、必ずしもジェット爆音といわずヘリコプターも、こういういろいろなジェット以外の飛行機の爆音障害もいっぱいあるわけなんです。  それで、いま適用されておるのは五キロ、一キロ、それから全額免除と半額免除。そして適用を受けておるのは嘉手納と伊江島の射爆場ですね。それを今度は那覇飛行場あるいは普天間飛行場ですね、その適用範囲を広げてもらいたいということ、それから距離を洗い直してもらいたい、こういうことを強く申し入れたいのですが、これに対する現在の予算措置はどうなっておるか。これは一応はたてまえとしては日本放送協会が主体的にやっておられるということもよく存じておりますので、そういう要望として私申し上げまして、それでそれぞれ手順を踏まなければいけないと思いますのでお聞きしますと、放送協会としてもこの調査をその手順を経て進めておられるということもお聞きしておりますが、そういったこともいろいろ含めましてひとつお答え願いたいと思います。
  102. 平野正雄

    政府委員平野正雄君) お答え申し上げます。  受信料免除基準につきましては、御承知のように、郵政大臣の認可を受けましてNHKがそれを定めるということになっておりまして、基地周辺騒音が著しいという地域につきましては、受信料免除基準によりまして受信料の半額免除ということになっておるわけでございます。御指摘の嘉手納基地につきましてもこの措置が講じられておるという現状でございます。なお、これによりまして受信料減免いたしました場合には、その額を防衛施設庁NHKに補てんをするという実は形をとっておるわけでございます。現在、防衛施設庁におきまして免除範囲の見直しのために全国の基地周辺における騒音の実態の調査を行っておるということでございますので、その結果を待って先生指摘の点につきましても十分に打ち合わせてまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。  なお、さき服部大臣の方からお答えをいたしましたように、このテレビジョンの難聴視の問題につきましては、実は基地の態様によりましてアンテナ使用するとか、あるいは障害の特に著しい地域におきましては共同受信施設設置等の措置によりまして減免がいいのか、あるいは実際に見えた方がいいのかという実は問題もあるわけでございますし、それから、これも大臣の方からお答えいたしておりますが、航空機による障害といたしましては、フラッター障害だけではございませんで、騒音による先生指摘障害があるわけでございます。これにつきましては、航空機騒音の高さに応じまして受像機音量を自動的に調整する装置開発をされておりまして、航空公害防止協会と申します運輸省所管の財団法人がございますが、これが関係者に貸与をしておるという実態もあるわけでございます。さらには住宅側でそういった騒音に対処する方法もあるというような現状でございますので、その辺をひとつ幅広く関係機関と御相談をしながら、できるだけひとつ先生の御要望対応してまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
  103. 喜屋武眞榮

    喜屋武眞榮君 それじゃ、いまの件はひとつ前向きで検討を進めていただいて、実りある結論を出してもらうことを期待申し上げておきます。  時間ですから、もう一分間だけ失礼いたしたいと思いますが、テレビ回線については、一つは料金がどのような仕組みになっておるのか。そして第二点は、回線運営センター——民放の八十九社で構成されておると聞いておりますが、そこに、一応本土のぜん立てができてから、後で沖繩復帰して割り込んだいきさつがあるわけでありますが、そういったずれもありまして、でも、回線運営センターの中の沖繩料金検討特別委員会という中で、沖繩の現状からして何とか配慮してもらえぬかという要望もあるわけでありますので、そういう要望を吸い上げていま検討されつつある方向にあるということもお聞きしておりますので、ぜひひとつ県民の要望が吸い上げられるように御期待を申し上げておきたい、こう思っておるわけですが、料金がどのような仕組みになっておるか、また、いまどの程度どのように検討されておるか、そういうことをもし御存じでありましたら、お聞かせ願って終わりたいと思います。
  104. 西井昭

    説明員(西井昭君) お答えいたします。  最初にテレビの料金でございますが、テレビの料金は固定的な料金でございます基本料——これは端末部分に見合います料金でございますが、その基本料と距離に応じて課金されます回線部分に当たります累加料と二つに分かれた料金になっておりまして、これで定められました料金を私どもはユーザーの方にお支払いをしていただいておるわけでございます。そのときに、NHKさんは御存じのように法人が一本でございますので、それをそのままお払いになっていただいておるわけでございますが、民放さんは、御存じのとおり、テレビ料金は一つの回線に多数の民放会社が共同して御使用になっていただいておるという非常に持殊な性格を持っておりますので、民放各社が集まっておつくりになっております回線運営センターというところに公社からその料金額を御請求申し上げまして、それを民放各社にどのように割り振るかということは、その回線運営センターが各民放会社とお話し合いになられましてその分担額をお決めになっておる、こういうようなのが現在の実態でございます。  ただいま先生からお話もございましたように、沖繩が本土に復帰をいたしましたときに、その沖繩の料金をどのように決めるかということも沖繩の流球と沖繩両テレビのところとこの回線運営センターが御相談になりまして現在の分担額をお決めになっておるのが実態でございます。  具体的に申しますと、沖繩というところに特別区というものを設けましてその料金を設定いたしまして、かなりの部分を本土側の各民放各社が御負担になっておるように承っておるところでございます。これに対しまして、最近になりまして民放二社が配当をされ出したという経緯もございまして、その料金の扱い方についていろいろ問題になっておるようでございますが、いろいろなこの沖繩という特別なものの関係でございまして、回線運営センターの内部におきまして沖繩料金検討の特別小委員会というのを設けておられるというふうに承っておりまして、これでいま活動が開始された模様というふうに承っております。
  105. 服部安司

    国務大臣服部安司君) この民放の回線料、沖繩関係について喜屋武先生を初め関係者から強い御要望がありまして、いま担当の理事から申し上げましたように、二社が配当を実施したのでいろいろと問題があったわけでありまするが、先生の御要望にこたえて回線運営センターの中に二月末沖繩料金特別小委員会設置を見ることができました。ここでいま料金体系について自主的に検討を進めてくださることになったわけでありまするが、せっかくの御検討中でもございますので、御要望の向きについて、沖繩における実情をよく踏まえて十分に回線運営センターに伝えたいと、かように考えているところでございます。
  106. 多田省吾

    多田省吾君 簡潔に御答弁をお願いいたします。  昨日の分科会におきまして服部郵政大臣は、郵便貯金金利の引き下げは郵便貯金法の趣旨から見て金融政策的見地だけから判断できず、引き下げは好ましくないが、一国務大臣とすれば下げざるを得ないという答弁があったわけでございますが、再度御確認いたしますけれども、郵政大臣としては、本心は引き下げは好ましくない、反対なんだということでございますか。
  107. 服部安司

    国務大臣服部安司君) 過去にも数回お答え申し上げておりますとおりに、郵便貯金法第十二条の趣旨によって、郵政大臣という立場からいたしますると、零細預貯金者の金利引き下げはやりたくないという考えでございます。
  108. 多田省吾

    多田省吾君 三月三十日に開かれた郵政審議会には、異例の白紙諮問であったわけでございますが、引き下げ反対の意見が非常に多かったように思います。今月六日に聞かれる第二回目の審議会にはどのような具体的な提示をなさるお考えですか。
  109. 服部安司

    国務大臣服部安司君) 御指摘どおりに、一昨日三十日の郵政審議会には白紙諮問をいたしました。これは御承知のとおりに、郵政審議会には各界各層の方がいろいろとそのおのおのの立場で御審議いただくわけであります。年度内三度の公定歩合引き下げによる連動預貯金金利引き下げということに私は強い不満を持っておりましたので、この各界各層の委員各位のまずこの特異な実情下にある金利引き下げについての忌憚のない意見を聞き、この各界各層の委員各位の意見をもとに、私なりに考えている問題も加味いたしまして答申を求めたい、かように考えたからでございます。
  110. 多田省吾

    多田省吾君 余りはっきりした御答弁がありませんけれども、仮定の問題ですが、もし引き下げる場合にしましても、当然福祉定期預金の六・七五%の利率の据え置きとか、あるいは取扱期間の六カ月延長を考えておられるようでございますけれども、やはり枠の拡大とか、そういった面も細かな配慮をされて国民の納得のいくやり方をされた方がいいんじゃないかと思いますが、どうですか。
  111. 服部安司

    国務大臣服部安司君) できればそのようにいたしたいと、いま真剣に考えておるところでございます。
  112. 多田省吾

    多田省吾君 きのうもそうでございましたが、連日特定郵便局の強盗事件が起こっているわけでございます。これは警備上問題があると思われます。昨日の羽田郵便局の場合なんかは、五人の局員全員が女性であり、事件が起きても対処できない状況です。こうした全国の特定郵便局で強盗事件が過去一年間どれだけ発生したのか、また今後どのように対処するのか、お伺いしたいと思います。
  113. 日裏泰弘

    説明員(日裏泰弘君) お答え申し上げます。  ただいまの御質問でございますが、強盗事件の発生の最近の状況を申し上げますと、過去四十九年度には十四件、それから五十年度には十二件、五十一年度が十件ということで、大体十件前後でございましたけれども、五十二年度に至りまして、今回の強盗事件を含めますと十七件ということになっております。  この強盗事件に対する対策でございますが、これは御承知のように、一般的に犯人は利用者を装って侵入してまいるわけでございますので、これに対して適確な防止手段というものは、率直に申し上げまして、ないわけでございまして、大変私どもも苦心しているところでございます。しかしながら、やはりこれは平素から警察機関に対してパトロールの強化といったようなことを十分お願いしているところでございます。それからまた、不幸にして、今回もそうでございましたが、侵入された場合におきましては、やはり人命の尊重ということを第一といたしまして沈着冷静に対処するように職員を指導しているところでございます。たとえば犯罪が発生いたしましたときは、やはり犯人の特徴とか、あるいは逃走方向とか、たとえば今度は車で来る場合もございますので、自動車を使用している場合にはそのナンバーとか、色とか、型とかといったようなことを観察いたしますとともに、やはり犯人の遺留している物、こういったものの保全に十分配意するといったようなこと、こういった点を平素から指導いたしておるところでございます。こういった点につきまして、さらに従来に引き続きましていろいろ特定局の防犯打合会等もやっておりますし、その他いろんな会議を通じまして十分警戒を密にするよう今後とも指導してまいりたいと思っておるわけでございます。  それからなお、今回連続発生いたしました事件に対しましては、早速、これは東京都の問題でございますので、警視庁に対しましてその状況を説明いたしまして、警戒の強化につきまして管下の各警察署に対しまして指導をお願いしているところでございます。
  114. 多田省吾

    多田省吾君 昨年度は従来よりも多い十七件を数えているわけですが、郵政大臣としては、その対処に対する決意、どう考えておられますか。
  115. 服部安司

    国務大臣服部安司君) ただいま首席監察官から御答弁申し上げましたが、少なくとも、国民の預貯金を預かる立場において、やはり私は今後このような問題が再び起きないように関係機関とも緊密な連携をとりつつ万全の策を講じてまいりたいと、かように考えております。
  116. 多田省吾

    多田省吾君 次の問題ですが、去る一月にNHK電波ジャック、また今回は成田における警察電波妨害など、最近不法な電波による事件がたくさん起きておりますけれども、これらの監視システムの状況はどうですか、簡潔にお答え願いたい。
  117. 平野正雄

    政府委員平野正雄君) お答え申し上げます。  電波の利用が非常に急激に進んでまいりまして、その反面、不法に無線局を開設する者が逐次増加をしてまいっておるわけでして、先生指摘のように、最近ではテレビジョン放送の受信などに妨害を与える事例等が発生をしておるわけでございます。郵政省といたしましては、不法無線局の取り締まりを強化いたしますために、高性能の電波監視機器の導入、電波監視者の増強、新しい電波監視システムの開発と導入を図るなど、電波監視体制の充実強化に努めておるわけでございますけれども、今後とも一層その拡充強化に努めたいという決意でございます。
  118. 多田省吾

    多田省吾君 まあ近距離用の超短波あるいは航空超短波の監視システムというのは非常に手薄であり、特に成田の場合不法電波というのはいろいろな障害原因となります。現在、成田の場合は不法電波の監視システムの状況及び不法電波に対する対策はどうなっていますか。
  119. 平野正雄

    政府委員平野正雄君) 一般的な監視の体制といたしまして、短波帯、中波帯等につきましては、実は電波の伝わり方等の関連もございまして、三浦市にございます固定監視所を使っておるわけでございます。一方、VHF帯以上のいわゆる高い周波数帯につきましては、都内の大手町にございます固定監視所を活用しておるわけでございます。そうして、それでは足りないという場合にはそれぞれ移動監視という手段を使いまして遠隔地をカバーする。たとえば関東管内につきましては、三浦市あるいは大手町から出かけて行って監視をする、こういうことを行っておるわけでございます。その監視の対象の中に、ただいま先生指摘のような不法探査という業務があるわけでして、その不法探査につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、これを拡充強化してまいる所存ということでございます。
  120. 多田省吾

    多田省吾君 無線の傍受の問題でありますけれども、現在の電波法によりますと、無線の傍受はその存在、内容を他に知らせたりしなければ自由であると。警察通信や公務員通信については悪用されることもあり得ますけれども、少なくともこれらの周波数帯を受信できる受信機の製造販売について何らかの規制を考えておられますか。
  121. 平野正雄

    政府委員平野正雄君) この問題につきましては、郵政省といたしましては、いわゆる周波数その他の技術基準を定めまして、そうして免許を与えていく。その段階におきまして型式検定その他の方法をとっていくということが主たる方法でございまして、その間におきまして販売規制をやっていくということはいろいろむずかしい点があるわけでございますけれども、検討をしておるわけでございます。一方、関係官庁に対しまして、この製造販売規制、要するに申請がございましても免許するわけにはまいらないというような性格のものにつきましては、ぜひひとつ製造なり販売を規制してもらいたいということを強く要望しておるところでございます。
  122. 多田省吾

    多田省吾君 通産省は、どういうお考えですか。
  123. 小林久雄

    説明員(小林久雄君) 第三者の傍受を困難または不可能にさせるものといたしまして、秘話装置というものがございまして、この装置は製造することに特に技術上に問題はないわけでございます。これを備えた無線機を使いますと、第三者の傍受を防ぐことができるわけでございます。
  124. 多田省吾

    多田省吾君 最後に、昨日千葉——成田間の市外通話用電話ケーブルが過激派と思われる妨害によって切断されまして、一般市民生活も被害を受けたわけです。郵政省はこうした事態を予想していなかったのか、また今後の対策を厳重にすべきであると思いますが、具体的にどう対処するのか。その際、警備は郵政省がやるのか、警察にお願いするのか、その辺どう考えていますか。
  125. 江上貞利

    政府委員(江上貞利君) 成田被害につきましては、けさほど電電公社から報告を受けましたが、こうした問題についての対策というお尋ねでございますけれども、電話の回線をどの程度保護するかということにつきまして、郵政省としての電電公社に対しての指導方針ということでございますが、天然の災害、天災というものに対しては相当強固な設備をするということにつきましては、基本的な方針といたしまして電電公社を指導しておるところでございます。ただ、人災ということに対しましては、世界各国どこでもそうではないかと思いますけれども、特に事前に非常に強固な、強固過ぎる設備をするということになりますと大変に経費もかかりますので、その点につきましては、いかなる事態が起こってもというような体制にはなっておりません。したがいまして、このようなものは一時的には警察の警備体制に依存するということになろうかと思います。ただ、何事か起こりました場合に、直ちにこれの復旧措置をとるということにつきましては最善の努力をすべきであろうかと思います。  御指摘の昨夜の事件でございますが、同軸ケーブル一条、市外ケーブル二条、市内ケーブル二条が切断をされておりますが、すでに復旧済みでございます。
  126. 長田武彦

    説明員(長田武彦君) 補足をさしていただきたいと思いますが、いま監理官から御説明のありましたものにつきまして、市外電話回線につきましては約三千回線の障害が出ました。それから、成田局の電話加入者約二百名の断という障害が出たわけでございます。この市外電話回線につきましては、発生直後、実は千葉——成田間には有線によります同軸ケーブルと、それから無線によりますマイクロウェーブと二つのルートがございまして、約半分ほどの回線を直ちにマイクロウェーブの方に回線を切りかえまして、若干回線が減りましたのでかかりにくくはなりましたけれど、途絶するには至らないという状態で、けさ大体九時半ごろ同軸ケーブルの修理も成りまして、すでに修復されております。また、市内の加入者二百名につきましても、けさ九時前に全部修理を完了いたしております。  なお、いろいろ事前の対策はもちろん講じておりましたわけでございまして、まず空港内に電話局がございます。ここに交換機が入っておるわけでございますけれども、こういうものも局舎の管理が十分行き届きますように、相当がんじょうな局を建てまして、非常に窓等も少のうございますし、シャッター等で完全に防備できるというような局舎にあらかじめしてございました。それからまた、空港内のいろいろ線路の関係は、これは中に共同溝がいろいろあるようでございまして、そういうところへ一緒に収容していただき、またさらに、そういうところの出入り口も要するに錠がついているというようなかっこうでやっております。それから空港から成田の市の方へ出てまいりますケーブルルートでございますが、これは大体、地下ケーブルになっておりますけれど、これもマンホールのふたなどが簡単にあかないような施策というものが実は講じてやってあったわけでございます。しかしながら、今回被害を受けましたのは空港——成田間から若干外れた地域でもございました。しかし、ケーブル、特にマンホールを簡単にあけられないような施策というのは、今後さらに広範囲に対策を打ちたいというふうに思っておりますし、ただ架空ケーブルにつきましてはなかなか問題がございまして、これは相当私ども自己防衛としてはパトロールを強化をしていきたいというふうに考えております。さらに、当然、警備当局との情報連絡、協力体制というのは従前にも増して十分連絡をとって進めたいと思いますし、万が一事故が起こりました場合には万全な復旧体制をとるということをさらに強化をしておる次第でございます。
  127. 多田省吾

    多田省吾君 成田周辺、あるいは市民生活にも大変関係のあることでございますから、そういった妨害に対しての対策の御決意を大臣に最後にお尋ねいたしまして、終わります。
  128. 服部安司

    国務大臣服部安司君) 御指摘どおり、きわめて重大な問題でありまするし、特に成田空港との関連から言っても、これは生命にも及ぼす影響を危惧いたしまして、私といたしましては、先ほど来監理官並びに担当総務理事の答弁のとおりはもちろんでありまするが、昨日の成田空港関係閣僚懇談会並びに閣議で、警備体制の強化というので、とりあえず政令改正で五百名の警察増員を認めたような事情でありまするので、御指摘の問題はきわめて重要で重大な内容を含んでおりますので、こういった機関とも緊密な連絡をとりつつ、閣議の場でもその意を体して万全の措置を講ずる発言をいたしまして、御要望にこたえたいと考えておる次第でございます。
  129. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) 以上をもちまして郵政省所管に関する質疑は終了したものと認めます。  これをもちまして、本分科会の担当事項であります昭和五十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林省、運輸省及び郵政省に対する質疑は終了いたしました。これをもって本分科会の審査は終了いたします。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  130. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十一分散会