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1978-03-30 第84回国会 参議院 予算委員会第三分科会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年三月三十日(木曜日)    午前十時二分開会     —————————————    分科担当委員異動  三月三十日     辞任         補欠選任      寺田 熊雄君     穐山  篤君      相沢 武彦君     中野  明君      内藤  功君     安武 洋子君      青島 幸男君     山田  勇君     —————————————   出席者は左のとおり。     主 査         吉田忠三郎君     副主査         成相 善十君     分科担当委員                 亀長 友義君                 熊谷  弘君                 三善 信二君                 穐山  篤君                 相沢 武彦君                 内藤  功君                 安武 洋子君                 山田  勇君    国務大臣        農 林 大 臣  中川 一郎君        運 輸 大 臣  福永 健司君    政府委員        北海道開発庁総        務監理官     吉岡 孝行君        農林大臣官房長  松本 作衛君        農林大臣官房予        算課長      田中 宏尚君        農林省食品流通        局長       犬伏 孝治君        林野庁長官    藍原 義邦君        運輸大臣官房審        議官       真島  健君        運輸省海運局長  後藤 茂也君        運輸省船舶局長  謝敷 宗登君        運輸省船員局長  高橋 英雄君        運輸省航空局長  高橋 寿夫君        運輸省航空局次        長        松本  操君        建設大臣官房会        計課長      加瀬 正蔵君    事務局側        常任委員会専門        員        菊地  拓君    説明員        農林大臣官房審        議官       佐野 宏哉君        運輸大臣官房観        光部長      杉浦 喬也君        労働省職業安定        局雇用政策課長  白井晋太郎君        労働省職業安定        局失業対策部企        画課長      小野 進一君        建設省都市局街        路課長      渡部与四郎君        建設省道路局道        路経済調査室長  鈴木 道雄君        日本国有鉄道総        裁        高木 文雄君        日本国有鉄道常        務理事      高橋 浩二君    参考人        新東京国際空港        公団副総裁    町田  直君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和五十三年度一般会計予算内閣提出衆議  院送付) ○昭和五十三年度特別会計予算内閣提出衆議  院送付) ○昭和五十三年度政府関係機関予算内閣提出、  衆議院送付) ○参考人出席要求に関する件     —————————————
  2. 成相善十

    ○副主査成相善十君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。  まず、分科担当委員異動について御報告いたします。  きのう、藤原房雄君が分科担当委員を辞任され、その補欠として相沢武彦君が分科担当委員に選任されました。  また本日、寺田熊雄君及び青島幸男君が分科担当委員を辞任され、その補欠として穐山篤君及び山田勇君が選任されました。     —————————————
  3. 成相善十

    ○副主査成相善十君) 昭和五十三年度総予算中、運輸省所管を議題とし、きのうに引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 穐山篤

    穐山篤君 最初に、航空管制の問題です。  私ども前々から、空の交通安全ということにつきまして非常に関心を持っておりました。たまたま今回成田の事件がありまして、管制塔の機能重要性というものが改めて国民の間に認識をされたのも非常に皮肉なことだというふうに思います。  さて、そこで具体的なことになりますが、国際空港はもちろんですが、ローカル幹線空港を含めまして、そもそも管制官というのは、資格を持った者あるいは十分に熟練をした者というものが各管制ポジションに入るということがきわめてベターな措置だと思うんです。しかし、現実に羽田にいたしましても那覇にいたしましても、常にそこに見られますのは、管制官ではありますけれども訓練生というものが張りついているわけであります。このことについて私どもは前からよくない措置だというふうに指摘をしておったわけですけれども、この管制官及び訓練生関係について、現状どうなっているのか、あるいはこれからどうするのかという点をまずお伺いしたいと思います。
  5. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 穐山さんから重要な点について御心配をいただき、かつ御指摘をいただいておりますので、まず私からお答えをし、詳細にわたっては関係責任者からお答え申し上げますが、よき管制官を忠実に精励させるということはぜひ必要でございます。そういう観点から配置等もいたしておるのでございますが、いまのような御心配をいただいて、恐縮に存じます。  実情等につきまして、航空局の方からお答えさせることにいたします。
  6. 松本操

    政府委員松本操君) 管制官につきましては、おっしゃいますとおり、レイティングと呼ばれておりますが、一定資格を持たなければ一定業務ができない、こういうことになっておるわけでございます。そこで、実際の運用のありようといたしましては、必要なその管制業務を行うのに幾つのポジションが要るかと、その一ポジションについて大体管制官の場合、二十四時間でございますと、五倍をいたします。四直五交代ということでございますので、五倍をいたしまして、それで管制業務のまず実務上の定員が出てまいります。そのほかに、その一つのグループのキャップになるような人たちがいないと困ります。そういう人を乗せましたり、あるいは訓練教官でございますとか、事務的な全般的な問題を取り仕切る人たちという、そのほかにまた先任でございますとか、そういうのを乗っけまして、これで管制官定員が出てまいるわけでございますが、そのほかに、私ども訓練定員というものを四十八年ごろから鋭意とることを努力してまいりました。訓練定員と申しますものはどういうものかと申しますと、保安学校を出ないと実は管制官になれないわけでございますが、保安学校を出ただけでは実はまあひよっこでございまして、一人前の管制官とは申せない。それを先任管制官付と、こういう呼び方をしておりますが、訓練定員の中においてこれを割り振りまして、大体半年間訓練を現場でいたしまして、これによりまして副席という一つ資格を取らせます。これはりっぱなレイティングでございます。これを取りますとまず一人前の管制官として管制手当、その他もちゃんといただける、こういうことになるわけでございます。そういうふうな形で実際に管制を行います人と、それから訓練を受けて、これから管制官に育っていこうという人との間にはっきりした線を引くということに努力をしてまいってきておるわけでございまして、現在百六十八名の訓練定員というものをフルに活用いたしまして、訓練生というものの資格の間に十分な訓練を得て管制官になれるようにしていこうというふうにしておるわけでございますが、一つ、問題として穐山先生の御指摘の中に入っていたのではないかと私思いますのは、管制官レイティングというものはその管制機関についてのみ有効でございます。したがって、いま先生おっしゃいました那覇東京というふうな例で申しますと、那覇ではベテラン管制官でございましても東京へ参りました途端には、まあレイティングはないんです。しかし、これはベテラン管制官でございますので、いわゆる訓練生とは違います。大体二、三ヵ月もございますと認定という形で、そのファシリティレイティングと申しておりますが、その管制機関別資格というものを取得することができます。したがって、正式に申しますと、その資格を取得するまでは一人前じゃないということではございますけれども、しかし、他の管制機関で相当の技能を持っておる人たちでございますので、これは訓練生というものとは一応別に切り離して考えてもよろしいのではないか、このように考えます。
  7. 穐山篤

    穐山篤君 そういう前提条件を置いたにいたしましても、最近の需要というのは、混雑というのは非常に多いわけでありまして、私も交通関係に担当しておりましたので、たとえば錯覚だとか、あるいは忘れたというふうなことは絶対に許されない業務内容であります。そこで、私も現実管制室に入ってみて直観的に感じたり、あるいは管制官意見を聞きましても、相互調整あるいはダブルチェックという立場からいきますと、監視調整官というふうな者が一部屋の中に一人はおってもいいじゃないか、便所へ行ってもその間が埋まっていないというようなことも一、二散見をした例があるわけです。したがって、なかなかこういう制度を新設することはむずかしいと思いますが、運用でできないかということがまず最初に気がついたことです。  それから、管制官というのは特殊な業務でありまして、その業務についている間は最高技術屋さんだというふうに思います。心血を注いでやっているとは思いますが、さて、この管制官の将来展望ということを考えてみますと、なかなか航空機関だけで将来の人生を見つけるということは非常にむずかしい、そういう意味で言えば、仕事をやっている間の張り合いと将来についての張り合いという問題について非常に私は危惧を持っております。その点について何らかの措置が必要ではないかと、今日ほど必要ではないかということを第二の問題として指摘をしておきたいと思います。  それから、第三の問題は、私は細かい機械の名称や、あるいは台数を調べているわけではありませんけれども、最近管制部なり幹線空港機器が非常に近代化をしまして、それと同時に精密な機械台数もふえてきたわけです。当然起こる問題として考えられますのは、これの保守あるいは検査。当然毎日、毎週あるいは三カ月、六カ月というふうな定期検査もあるわけですが、これはもう特別の能力、技術を必要としておるという立場を考えてみましてもなお要員の不足が目につくわけであります。もしこういうことから不祥の事態を招いたということになりますと大変なまた問題を惹起するわけですが、以上三点についての考え方を率直にお願いしたいと思います。
  8. 松本操

    政府委員松本操君) まず第一点のダブルチェックと申しましょうか、管制も最近大分機械化をするようにコンピューターの導入等努めてまいってはおりますけれども、しかし、幾らそういったようなものを入れましても最後判断をいたしますのはやはり人間でなければならないわけでございます。現実にまた人間が的確な判断をし、的確な指示をするわけでございます。そこで、管制官訓練といたしましては瞬時に状況を把握して適切な指示が出せるようにということが非常に重要な訓練内容にはなっておりますが、そうは申しましても人間のことでございますので、やはり見落とし、見間違い、あるいは考え違いというふうなことがないわけではございません。そういうものをだれかが総合的にチェックするという形をぜひとるべきではないかという御指摘前々からいただいておりますし、私どももまことにごもっともというふうに考えておりますので、そこで、主任制度あるいは副主任制度、こういうふうなものを一つポストとしてとることに努力をしてまいってきております。そういうふうなことをいたしましたり、あるいはレーダーが入ってまいりました場合、レーダー調整というふうなポストをまただんだんととっていくというようなことをやっていくことによりまして、この主任なり副主任なり、あるいはレーダー管制の場合にはレーダー調整席というふうなところにおる人たちが全体の流れを把握をしながら、その中で非常に特異な妙な動きをしてしまうということがないかどうかというふうなことを総合的にチェックするというふうな体制をとるようにしておるわけでございます。それと同時に、管制官自身、先ほど申し上げましたように、従来はほとんど人間に頼り切っておりましたけれども、最近はどうしても機械を導入してきて、それによって管制官のロードを下げると、そして管制官が考え判断する時間的ゆとりをふやすという方向へ進んではおりますけれども、そうなったらなったで、まあマン・マシンシステムと申しましょうか、人間機械の間の情報のやりとりというものが適切に行われませんと、今度は逆に人間機械に振り回されるというふうなことにもなりかねませんので、そういったようなことがないように人間工学的な面につきましても斯界の権威にいろいろとお願いをいたしまして、たとえば管制卓機器の配列の仕方でありますとか、あるいは標示の仕方でありますとかいうふうな点についても始終研究をいたしておりますし、また、そういう方面からの教育訓練というふうなことも精を出しているつもりでございますが、ともかく御指摘のようなことをよく踏まえまして今後ともせいぜい努力をしてまいりたいと、こう考えております。  それから、第二点でございますが、確かにいま私御説明いたしましたように、管制官というものは非常に特殊な専門的な分野においての技能というものが要求されるわけでございます。また翻って考えますと、一人で管制をするというのは非常に少ないのでございまして、たとえば、飛行場管制官でありますれば、その同じ管制所に属しております進入管制所連絡をする。進入管制所管制官でありますと、エンルート管制部連絡をとる。あるいは管制部になってまいりますと非常に人数も多くなってまいりますので、お互いのコーディネーションというふうな点には絶えず気を配らなければならない。こういうふうな点においてのまた訓練というものが管制官に対する一つの特殊な形態ではなかろうかと思います。したがいまして、管制官の将来を考えました場合に、やはりいろいろと年齢的な制約というものも出てくるのは当然のことでございます。せっかく獲得しました高度の知識、経験といったようなもの、それから特に私がいま申し上げましたような相互調整機能、こういうふうなものを生かしていってもらうということは、人材の活用という意味からも非常に大事なことでございます。最近非常に古い管制官の方は空港長といったような空港最高管理職についておられる方もございます。それから管制という業務自身がまともに始まりましてまだ二十五年しかたっておりませんので、そう年齢的に古い方もおられないわけでございますが、しかし、最近出てまいりました騒音対策事業のような非常に新しい分野、こういうふうなところへも管制官にどんどんと転業していっていただいておるようなわけでございます。今後ともその管制官一つの職人的な型にはまって先行きが不安になるということがないように常日ごろの教育訓練の場を通じましてもせっかく配慮してまいりたい、このように思っております。  最後に、御指摘ございました無線施設等についてのメンテナンスの対応の仕方でございますが、四十八年ごろに比べまして五十二年の無線関係職員の数で申しますと、大体二・三倍ぐらいに数がふえております。したがいまして、数の上では相当の配慮をしたつもりでございますが、しかし、何と申しましても、機器が非常に高度化している。先ほどもちょっと管制のところで触れましたように、コンピューターというふうなものが盛んに入ってくる。レーダーどもいままでのレーダーとは違った形のものが入ってくる。こういうことでございますので、私ども四十九年から仙台のそばの岩沼市というところに航空保安学校の分校というものをつくって、そこは管制官でありますとか、無線屋でありますとか、いろいろな職員の内部再教育機関としておりますが、その中でも特に無線関係につきましては、さっき先生おっしゃいましたVORでありますとか、DMEでありますとか、レーダーでありますとか、こういうふうな方面についての特別の研修コースをつくりまして、しかも、そこに現物の機械を置きまして、ただ座学だけではない、現実機械をいじくって自分で電波を出してみて、ここをこういじるとこんな不ぐあいなことになるぞというふうなことを篤と体で覚えると申しますか、そういう形で修得できるようなコースをつくりまして一生懸命に教育訓練をしておるわけでございまして、質的な向上あるいは数の上で遺漏のないようにするということは、御指摘を待つまでもなく非常に大事なことだと私ども思っておりますので、今後とも大いに努力をしてまいりたいと、このように思います。
  9. 穐山篤

    穐山篤君 どうもありがとうございました。  時間の関係がありますから、次に海運政策についてお伺いをしたいと思います。  現有の日本船舶を調べてみますと、実質的な船であります外国用船を含めると世界で第二位の保有国ですね。しかし、私が問題にしたいのは、本来の日本船舶仕組み船などの外国用船割合というのは五五対四五。かつて五、六年前から見ますと非常に接近をしてきているわけです。用船の占める割合が非常に強いというふうに思います。これは高度成長の際の海運政策の一環として生まれたものであろうというふうに思いますが、結局、それはいま日本海運界というものに重圧を加えている一つの原因にもなっている。仕組み船あるいはマルシップ、すべてそういうものであろうというふうに考えます。過去の責任について大いに政策の上で問わなければならないところでありますが、その点はまた別に議論をするといたしましても、現在きわめて重大な関頭に立っておりますわが日本海運状況から考えてみまして、思い切って仕組み船対策というものを講じない限り海運政策というのはうまくいかないというふうに率直に指摘をせざるを得ないというふうに思います。もちろん、簡単にすべて仕組み船日本が買いかえてドル減らしの用にするという手もないわけではないと思いますけれども、やっぱり海運政策の上でこの仕組み船対策というものは問題だと思うんです。これを今後どういうふうになさろうとしているのか、この点について明確にしていただきたいというふうに思うところであります。  なお、仕組み船の問題に関連をしまして、昨年の暮れに船員雇用の問題につきましての法律が上がったわけです。できるだけ船員に関します雇用センター活用をして、できるだけ失業船員あるいは過剰船員を吸収しようではないかと、附帯決議まで整えたわけであります。現実に千名を超します失業船員の行き場というのは非常に先行き展望がないというふうに私ども心配をしているわけですが、これからの雇用ですね。附帯決議をとり、なおかつ雇用センターというものができ上がったわけですが、まだそれも設立をされていない、発足が非常に遅いわけですね。失業船員なりあるいは過剰船員としては、これをどうしてくれるんだと、おれたちをどうしてくれるんだという非常に強い期待があるわけです。直ちに手をつけていただきたいと思うところですけれども、多少時間的な問題もあろうと思います。その雇用のあり方、対策についての緊急措置をお伺いをしたいというふうに思います。  それから三つ目は、造船の問題であります。細かい数字は時間の関係で申し上げることはいたしませんけれども、いまの予想からしますと、五十三年度、五十四年度の造船計画を見てみますと、五百万トン総トンを切るというふうに判断をしても間違いないんじゃないかというふうに思います。かつての計画から言うならば、三分の一以下に落ち込んでいるわけですね。これも現状から言えば、他の塩ビだとか、あるいは繊維の不況業種と比較をいたしましても大変な問題だと思うんです。運輸省指導として、当面、設備の問題について調整をするとか、あるいは船価、船の値段の問題について十分談合をする、あるいは操作をする、あるいは操業度調整をするというふうな指導は十分に聞いておりますけれども、もはやそれだけではだめだというふうに思います。昨年の半ばごろから中小あるいは中堅の造船所がばたばたと倒れているわけでありまして、全く先行き不案内であります。近く審議会の答申を待つというふうには聞いておりますけれども現実造船業界としては、何とか早く先行き展望をしっかり見きわめてもらいたい、おれたち判断だけでは、おれたち情報だけではとてもじゃないけれども再建のめどもつかないというのが業界の率直な意見だと思うんです。その点についての当面の緊急措置対策というものについてあわせてお願いをしたいと思います。
  10. 福永健司

    国務大臣福永健司君) まず、私からお答えをいたしますが、仕組み船買い戻し構想は最近運輸省以外からも出ているわけでございますが、私は、何としても日本人船員による日本船ということと、これが望ましいし、これが基本であるべきだと思いますが、現実はなかなかむずかしい問題等もございます。いろいろ御指摘もございましたが、いずれにしてもその基本線に忠実に施策を進めなければならない。単なるドル減らしというような構想だけでいろいろ対策を講ずるというわけにはまいらない。同時に、その種の効果もあるということにおいては考慮するのも結構でございますが、そういう点から施策を進めていかなければならぬと思います。  船員雇用対策につきましては、これまた非常に大切なことでございます。優秀なわが国船員を守ることについて諸般の施策が進められなければならぬことは当然でございます。だがしかし、現実はなかなか苦しいわけでございます。この苦境を打開することに努めなければならぬと考えております。造船不況は、お話しのごとく、大変なもので、いまわが国不況と言えばいろいろあると思いますけれども、その中で最も深刻なものの一つであると、こういうように考えるわけでございまして、この対策につきましては、当面どうするかということでいろいろございます。これはこれで大いにやらなければならぬが、同時に、広い意味での長期的対策、これも大いに進めないといけない。私は元来こういうことには素人ではございますが、政治の社会に入ります前、本来は実業人でございますので、そういう観点から素人的に、船はもちろん大いに世界一の造船国としてつくっていかなきゃならないが、現実世界のあちこちから余り注文が来ないという状況のもとにおいて、これは注文が来るようにしなければならぬ.ということは、これはこれといたしまして、要するに造船技術をもっていろいろ船以外の新分野も開拓するということも非常に必要ではないかということで、素人素人なりの構想等も若干示したのでございますが、業界の諸君もそれなりに評価してくれているように思うのでございますが、ぜひこの当面の対策恒久対策、あわせて大いに進めていかなきゃならない、こういうように考えております。  以下、所管局長等からお答えさせることにいたします。
  11. 後藤茂也

    政府委員後藤茂也君) 仕組み船について大臣お答え申し上げたとおりでございます。仕組み船でなくて、日本に籍を置き日本人によって運航される船というものが日本の貿易の海外輸送を担当する根幹であるべきであるという考え方でございます。ただ、その仕組み船が発生してまいりました背景、一つ円高傾向、三百六十円から三百八円になったこの時期に日本仕組み船というものは非常にふえておる、こういう傾向でございます。その次は日本船運航コスト、主に船員費コストが、これが外国人を乗せた船のコストに比べて非常に相対的に高くなっておるという事情でございます。したがって、そういった事情を無視して単に規制しようとすることは恐らく無理であろうかと思います。仕組み船考え方について、よく考え方をまとめながら日本の船というものをいかに維持していくかというような方策を検討さしていただきたいと思っております。
  12. 高橋英雄

    政府委員高橋英雄君) 船員雇用情勢につきましては、先生もおっしゃったように大変最近厳しい状況でございます。したがいまして、船員雇用対策とこれの推進ということが運輸省としても緊急を要する重要な問題だというふうに認識をいたしておるわけでございます。特に日本人船員雇用の場が縮小をしつつある、こういうふうな現状におきましては、日本人船員雇用を確保する、あるいは雇用を拡大するということが特に焦眉の課題であると、かように思っております。このためには、基本的には先ほど大臣お答えいたしましたけれども日本人船員による日本船舶を確保するということが大事でございますけれども、これはいろいろとむずかしい問題もあり、早急にそういう状態というのは困難でございます。しかしながら、だからといって現状を放置しておくわけにはまいらないということで、現在の時点におきましては、日本の船社が用船しております外国船、こういったものに対しまして日本人船員の職域を新たに開拓をし、これらに日本人船員を乗り込ませるということが一つの現時点における効果的な対策であるというふうに考えております。  先ほどお話に出ました船員雇用促進センターというのは、こういったように外国船等に対しまして日本人船員の職域を開拓いたしまして、これにチーム編成による日本人船員の配置を行うということが主要な事業でございます。そういう公益法人ということでございまして、まだ設立はされておりませんけれども運輸省といたしましては、できるだけ早い機会にその発足を図りまして、船員雇用の拡大ということに努めてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
  13. 穐山篤

    穐山篤君 時間がありませんからいいですけれども、しっかりやってくださいね。  どうもありがとうございました。
  14. 相沢武彦

    相沢武彦君 造船不況対策についてお伺いしたいと思うんですが、現在政府の行っている造船不況対策、いろいろと柱があると思いますが、すでに着手して効果を上げている対策と、打ち出してはみたものの、なかなか実行がむずかしくて困っているような問題というふうに分けて、概況をひとつ御説明いただきたいと思うんです。
  15. 福永健司

    国務大臣福永健司君) ただいま御指摘の点は、わが国が現在最も大きく悩んでいる点の一つでございます。鋭意対策を講じつつございますが、やや詳細にわたりまして局長からお答えすることにいたします。
  16. 謝敷宗登

    政府委員(謝敷宗登君) 昨今の造船不況に対応いたしまして、基本的には五十一年の六月に海運造船合理化審議会の答申を得まして、それの基本線としていろんな施策をやっているわけでございます。その考え方はいまでも基本的には変わってないわけでして、現在の造船不況をもたらしておりますのは、国際的に船腹が余っているという状態の中で世界全体の造船業をどう再編、転換をしていくか、こういう問題の中にあるかと思います。そこで、わが国としましては、従来世界の五〇%、最高のときに、昭和五十年に三千六百万トンぐらい世界でつくったときに約千八百万トンつくっておりましたが、こういう世界の中における立場をふまえながらどういうふうに今後の先行きに対応するか、こういう基本的な考え方でやってきたわけです。不況対策として基本的に考えられますのは、一つは過当競争の防止、それから二つ目は仕事の造成、それから三番目には中小企業対策、中小企業に対する対策及び雇用対策をしっかりやる、これが基本的な三本の柱かと思います。  まず、第一の過当競争の防止という観点で、私どもは答申の線に従いまして、昭和五十五年に世界で千二百万トンぐらいに落ち込むであろう、したがって六百万トンの外航船をつくる、それに小型船を五十万トンということで、六百五十万トンという線を基本的につくったわけでございます。そこで、昭和五十五年でございますが、五十二年度から具体的に操業調整に早目に一応入ってみたわけです。五十二年度が七五%、それから五十三年度七〇%という基本的なラインを引きまして操業調整を行うということと、それから船価調整を行う。船価の問題につきましてはこれは国際的な問題もありましたが、基本的には過当競争防止という国内対策の面も持っていたわけです。その二つを柱にしてやってきております。  それから中小企業対策は、一般的な中小企業対策不況業種としてでき得る限りの対策をとる。それから雇用対策にしましても、特に昨年の七月以降、他業種に先駆けて職業転換給付金制度等を適用しまして、さらに昨年暮れの特定不況業種離職者臨時措置法に入れるということで、これも労働省にお願いをしながら基本的に対応していくという形でございます。昨今の情勢は、先生も御指摘のように、一つは円の為替レートが急速に上がってきたということで、私どもは二百九十円から始めたわけでございますが、二百六十円、二百四十円、昨今の二百二十円ということになりますと、急速に悪化していることは事実でございます。そこで、六百五十万トンをベースにした操業調整もさることながら、やはり基本的には設備の凍結、廃棄等を含めた基本的な構造改善に取り組む必要があるということで、現在、特定不況産業安定臨時措置法案をお願いをしているわけですが、その線が一つだと思います。  それからもう一つは、とにかく世界的に船腹の余っている中でどうやって船を確保するか。こういう問題になりますので、一応五十三年度、予算的には財投の方で輸銀の融資率を上げるとか、あるいは海運関係お願いしまして、近海船、内航船のスクラップ・アンド・ビルドを促進するとかいう措置を講じておりますが、昨今の情勢ではこれでどこまで支えられるか。こういう問題が出てまいりまして、これからも、先ほど大臣が言われました世界に有数な造船技術活用してどういう新分野を開発、転換していけるかということと並んで、どういった仕事を具体的にとれるだろうか、こういう点を具体的にこれから詰めてまいりたいと思います。そういう考え方で対応したいと考えております。
  17. 相沢武彦

    相沢武彦君 全体的な対応策は間違ってないと思うんですが、今後特に造船所を抱えている地域ごとの具体的な地域対策というものは、もっときめ細かく必要になろうかと思います。  そこで、種々の造船不況対策のうちの北海道における不況対策現状はどうなっているのか、お伺いしたいと思います。
  18. 謝敷宗登

    政府委員(謝敷宗登君) 先生御案内のように、造船業、北は北海道から関東、それから東海地方、関西、瀬戸内周辺、九州と散在しておりまして、したがって、現在までやってまいりました対策は全国的あるいは一般的ということであったわけでございます。昨年の秋以降、全国的な対策だけでは問題があるということで、特に困難な状態に陥っている各地元の都道府県、これは造船不況対策のための都道府県の連合会がございますが、そこを通じて造船関連に有効な仕事量の確保についてお願いをしますと同時に、各関係省にもなるべく造船にふさわしい事業の造船所に対するあっせん等をお願いをしているのが現状でございます。
  19. 相沢武彦

    相沢武彦君 先ほどお話がありましたように、業界も五〇%の設備処理構想を初め、合理化あるいは事業転換その他必死に対応策に努力を続けているわけなんですが、その設備処理、合理化に伴って今後、最初予想したよりもさらに失業者が出てくるであろうとこのように予測されますが、こうした失業者に対する雇用対策について政府の対応をお伺いしておきたいと思います。
  20. 白井晋太郎

    説明員白井晋太郎君) 造船業につきましては、いまお話がございましたようなことでございまして、その雇用対策に関しましては、昨年の七月、いま運輸省から御説明がございましたように、他業種に先駆けまして雇対法によります転換給付金その他を指定いたしたわけでございますが、さらにいまございましたように、事業転換それからその出向、その他他に転換していく者の教育訓練、その他出向等につきまして助成する制度のいわゆる雇用安定資金制度を十月一日から発足いたしておりますが、直ちに造船業を指定いたしまして、これらの労働省の失業の予防と円滑な処理その他を図っていくということにいたしておるわけでございます。  それからさらに、昨年暮れの臨時国会で通していただきました特定不況業種離職者臨時措置法の対象業種に指定いたしまして、これに基づきまして雇用保険の延長、職業訓練手当、訓練待期手当の支給によって、離職者の生活の安定と再就職の促進を図りますとともに、さらに中高年齢者を受け入れました事業主に対する補助金制度、促進制度等を創設いたしまして、その促進を図っていくことにいたしているわけでございます。それから一方、特定不況業種離職者臨時措置法に基づきまして失業者救済制度を設けることができることになっておりますが、地域の指定をいたしまして吸収率を掛けていくということにいたしておるわけでございます。
  21. 相沢武彦

    相沢武彦君 造船不況対策一つとして、造船各社がそれぞれ持っている技術を生かした陸上部門への進出を図ろうと努力しているのですが、もしこういった造船企業の集中している地域周辺で、橋梁の構築とかあるいは土木工事といった公共事業を実施して陸上部門進出への門戸を配慮してあげると、失業者対策ばかりでなくて造船企業もそれによってかなり救済される面が出るでしょうし、地域の経済の潤いにもなる、不況対策になる。こういうことで一石二鳥ではないかと思うのですが、造船不況地域での公共事業の実施について、今年度の対策として建設省の見解を伺っておきたいと思います。
  22. 加瀬正蔵

    政府委員(加瀬正蔵君) おっしゃいますように、公共事業に課せられた当面の課題というものが景気の回復あるいは雇用の安定ということにあることにかんがみまして、私ども公共事業費の地域配分に当たりましては、そういった地域の特殊性等を十分考慮しまして、雇用の改善に役立つように地方公共団体とも緊密な連絡をとり対処したいと考えております。  おっしゃいました造船業界からの労働者の転業の問題でございますが、一つには、私ども公共事業の実施に当たりまして、鉄筋工等が不足基調にあるものですから、造船工の中からそういった業種への転換が容易にできるならば非常に私どもとしても歓迎したい、こういう向きがございますが、問題点といたしましては、造船業界と建設業界との労働条件、労働環境というものが若干違いまして、容易に移っていただけるかどうかということについて難点がないわけじゃございませんので、その辺も十分検討させていただきたいと考えておる次第でございます。
  23. 相沢武彦

    相沢武彦君 労働省に伺いますが、三月十八日、不況業種離職法による特定地域の指定を行ったわけですが、全国五カ所の公共職業安定所管内を指定されています。いずれも造船業界を抱える特色ある地域が指定されているんですが、これでいかに造船不況による地域経済が深刻であるかということが証明されている形になっていると思います。  さて、公共事業で四〇%以上の義務づけをしているわけなんですが、労働省から見て、北海道の室蘭市を指定するに当たって、一体どこに就業の場所があるという判断をされているのか。また、関係省庁とどんな情報交換をもとにしてこの指定を決定されたのか、いきさつを御説明いただきたいと思います。
  24. 小野進一

    説明員(小野進一君) 指定地域の指定は、先ほどお話がございました特定不況業種離職者臨時措置法の規定に基づきまして、特定不況業種離職者求職手帳の発給を受けた人と、中高年齢失業者の就職が著しく困難な地域にあるとして労働大臣が指定するものを指定するということで、去る三月二十日、省令の改正によって指定基準を決め、四月一日から先生おっしゃられました室蘭を初めとして今治、尾道、佐世保、長崎の各公共職業安定所の管内において計画実施される公共事業に四〇%の失業者吸収率を掛けるわけでございます。それで、すでに類似の制度がございまして、中高年齢法に基づきまして六十四の地域が指定されているわけでございますが、新たに特定不況という要件を加味しまして、いま申し上げた五カ所の安定所を指定したわけでございます。  指定の基準は、当該地域において一応不況業種から離職した人で求職手帳を持っている人、あるいは中高年者である求職者が著しく多いということ、それからその地域の求職倍率が高いということ、それからその地域において手帳を持っている者、それから中高年齢者である求職者の就職した者の割合が著しく小さいとかいう条件に合致するということで、北海道知事からの申請を受けて指定したものでございます。就労場所といたしましては、室蘭地域において行われる、計画実施される公共事業に四〇%の吸収率を掛けることとした次第でございます。
  25. 相沢武彦

    相沢武彦君 雇用情勢の厳しい地域であるということが今回国に認められたという点では地元は評価をしているわけですが、言いかえて極端なことを言いますと、地域指定というのは最後まで再就職を見出せない失業者が路頭に迷わないために、あくまで暫定的な措置にすぎないんではないのか。ですから、今後この失業多発地帯にさらにより多くの公共事業を設けると同時に、新しい企業も配置をされる、それによって雇用の機会が創出されるようにしてもらわなきゃならない。そういうことで、工業再配置法の誘導地域への指定もぜひ考えてほしいんだと、こういう声もあるんですが、これに対しての見通しはいかがでしょうか。
  26. 白井晋太郎

    説明員白井晋太郎君) お答えいたします。  具体的にまだいま先生おっしゃった工業再配置法の誘導地域への指定について結論は出ておりませんが、労働省としましては、関係各省、特に運輸省その他と緊密な連絡をとりながら、いわゆる造船業におきます仕事量をふやしていくというようなこと、それからいま先生がおっしゃいましたようなことで離職者等が出ました場合には、特に将来は職業訓練その他の方法で職種の転換をしていけるものについてはそういうことで誘導していくというようなことで進めてまいっているわけでございますが、さらに各省と連絡をとりまして、いまのようなことにつきましても配慮をしたいというように思っております。
  27. 相沢武彦

    相沢武彦君 建設省にお尋ねしますけれども、室蘭の白鳥大橋についてなんですが、幹線道路の計画調査として四十九年から調査費がもうすでについております。架橋位置は港湾区域内で漁業に支障がない、また、橋梁取りつけ道路予定ルートは臨港地区であるので住宅地を通過しないで済む、生活環境の破壊をしないで済む、こういうことで、関係住民挙げて期待が大変大きいんですが、現時点における着工の見通しについてはどうなっていましょうか。
  28. 鈴木道雄

    説明員(鈴木道雄君) 白鳥大橋につきましては、室蘭地区におきまして国道三十六号と三十七号を連絡するために、室蘭の港口におきまして計画されておりますいわゆる出入口でございます。本大橋に関します調査は、いま御指摘のように、四十九年から室蘭地区におきます道路網調査の一環として開始されたわけでございますが、五十二年より白鳥大橋ということで本格的な調査を北海道の開発局において実施しているところでございます。それで、この橋梁に対します地元の方の要望等につきましては私ども十分認識しておりまして、この着工に関しましては、これからの調査成果によると思いますけれども、できるだけ早く調査を推進して着工の見通しを立てたいと、かように考えております。
  29. 相沢武彦

    相沢武彦君 おおよそ、どれぐらいの計画年次でやろうとしていますか。
  30. 鈴木道雄

    説明員(鈴木道雄君) この大橋は、ただいま概略の見当でございますと六百億円ぐらいの事業費がかかる非常に大規模なプロジェクトでございます。したがいまして、一般道路だけということでございますとなかなか着工がむずかしいこともございますので、その一部を有料道路ということで、実は道路公団で、白鳥大橋ということで五十三年度から調査を進めて、そういった有料と一般とあわせて、できるだけ早く着工したいということでございまして、いま年次を何年というのはまだその成果が出ておりませんから申し上げられませんが、いろいろの先ほど御指摘のような事情もございますので、早くやりたいというふうに考えております。
  31. 相沢武彦

    相沢武彦君 北海道開発庁に聞きたいんですが、北海道の開発計画の一環としてこの白鳥大橋の位置づけは非常に大きいものがあると思うんですが、この計画の早期実施によって、地域経済の浮揚策やこの室蘭地域の交通対策や、さらには造船不況対策に直結するプロジェクトになると思うんですが、現在各関係省庁に強く働きかけているんでしょうか。
  32. 吉岡孝行

    政府委員(吉岡孝行君) 白鳥大橋の問題につきましては、ただいま建設省の方からも答弁がありましたように、室蘭圏における幹線道路網計画の一環として、国と日本道路公団の方で調査を実施しているわけであります。五十三年度においては、海底ボーリング、主径間部の構造型式の検討等の調査を予定しておるわけでございます。当庁としましても、この白鳥大橋の早期建設について地元の要望が大変強いことは十分承知しておるわけでございまして、室蘭圏の一体的な発展を推進する上からもきわめて有効な開発事業であると、こう考えておるわけでございます。そういう意味で、当庁としまして建設省とも十分相談しているわけでございますが、今後とも緊密な連絡のもとに、その早期具体化を目指しまして所要の調査の促進を図っていくということで十分努力していきたい、こう考えております。
  33. 相沢武彦

    相沢武彦君 開発庁としては、この白鳥大橋橋梁の必要性というものを、交通面、それから土地利用面、都市機能面からどのようにとらえておられますか。
  34. 吉岡孝行

    政府委員(吉岡孝行君) ただいま申し上げましたように、室蘭圏の一体的な発展を推進する上から、この白鳥大橋の構想というものはきわめて有効な事業である、こう評価しておるわけでございます。そういう意味で、今後その具体化に努力してまいりたいということでございます。
  35. 相沢武彦

    相沢武彦君 北海道開発局と北海道、室蘭市、この三者共同でつくったと思うんですが、いただいたこの資料を見ますと、交通面はいまおしゃったとおりなんですが、土地利用面から言いますと、環状道路網によって住民地と商業地、それから工業地が有機的に連結する、こういう有利性、必要性もあるようですし、都市の機能面から見ましても、港湾と工業が有機的に連結されて、北海道縦貫自動車道との連絡をすることによって、北海道の港湾と工業の拠点としての機能が発揮される。また、突っ込み路線の解消によって、蘭西都心部の広域的な商業機能の向上が図られるとか、また、白鳥大橋自体の観光資源化とシンボル化が図られ、周辺の観光地の回遊ルートが形成される。これまでどちらかと言えば、室蘭の場合はほとんど観光面は開発されていなかったわけですが、非常にいま造船不況、また鉄鋼不況で苦しんでいる室蘭としては、この観光資源化またシンボル化が図られての観光地としての回遊ルートが図られれば、非常に大きなメリットがあるのではないかという点で期待をかけておりますね。こういったことについて、建設省あるいは運輸省に対して、開発局としては積極的にこの橋梁の必要性というものを認識させる努力をされているのかどうか、簡単にお答えください。
  36. 吉岡孝行

    政府委員(吉岡孝行君) ただいまおっしゃいましたように、室蘭圏におけるこういう幹線道路網計画の一環としてこの白鳥大橋の位置づけについては十分認識しておるわけでございます。  それで、建設省とは前々から十分連絡をし、相談をして、この構想について所要の調査を進めるということもやっておるわけでございまして、当面の造船不況なり何なりとの関連で、運輸省と協議して、この構想をそういう造船不況との関連で推進していくというような点で当庁として具体的に検討しているということはございませんが、もちろん結果的にそういう問題が生じてくれば十分今後とも連絡をとり合っていただきたい、こう考えておるわけでございます。
  37. 相沢武彦

    相沢武彦君 やはり現実に即応して、必要が生じたときには新しい事態に応じて関係省庁にも強くさらに働きかけるという努力が必要だと思いますので、ぜひがんばってください。  それから運輸省にお尋ねしますが、この白鳥大橋は造船技術が有効に生かせるものとして期待されているわけなんですが、このような新しい公共事業が創出されることに対して運輸省も積極的に今後取り組む御用意があるかどうか。
  38. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 私まだ詳細には承知いたしておりませんが、先ほどからいろいろお話を伺っておりまして、私は、いい話には積極的にいろいろ考えつつ対処していきたいと、こう思っております。
  39. 相沢武彦

    相沢武彦君 開発局、運輸大臣はまだよく承知していないというのですから、任期が終わらないうちに早くしっかり白鳥大橋を進めてください、いいことには積極的に取り組むと言っているんですから。  建設省にお尋ねしますが、この白鳥大橋の本設計をできるだけ早く実現していただきたいわけなんですが、それによって、造船技術を生かし得るための造船不況対策の強力なてこ入れになると思うんです。また、室蘭市は御承知のように鉄の町でありますし、現場で鉄の需要がつくられる、そして何よりも地域経済の波及効果としての影響が大きい有効な事業であると思うんですが、所定の調査をできる限り早めて、あるいは調査を増強して、早く着工に踏み切るべきだと思うんですが、ぜひ前向きの御答弁をいただきたいと思います。
  40. 鈴木道雄

    説明員(鈴木道雄君) 白鳥大橋のいろんな効果につきましては、いま先生が御指摘したとおりだと私どもも認識しております。それで、調査につきましては、先ほど申し上げましたけれども、道路公団では五十三年からそういう設計の本格的な調査ということで、白鳥大橋という個所を挙げまして調査することになっておりますので、従来よりも調査はかなり加速されるのではないかと思っております。その調査成果を待ちまして、でるだけ早く着工していくという方針でいきたいと思っています。   〔副主査退席、主査着席〕     —————————————
  41. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) この際、参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  昭和五十三年度総予算中、運輸省所管審査のため、本日の分科会において参考人として新東京国際空港公団副総裁町田直君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  43. 内藤功

    内藤功君 まず、国鉄両毛線の前橋駅付近の鉄道高架事業の問題について質問をしたいと思うんですが、これは昭和五十年度以来、予備調査の段階から本調査、さらに地元説明会などが行われまして、ことしに入ってから建設省と群馬県の事前協議、三月末には国へ認可申請の運びというふうに聞いております。  まず、この高架事業の計画の概要、それから工事費、費用負担、影響を受ける住民の数とか戸数、こういった点につきまして、簡潔で結構でありますから、建設省から御答弁をいただきたい。
  44. 渡部与四郎

    説明員渡部与四郎君) お答えいたします。  国鉄両毛線の前橋駅周辺の鉄道高架事業は、都市計画街路の東部環状線から新前橋駅間の約四・六キロの鉄道を高架することによりまして、二十一個所の踏切を除却し、南北交通を円滑化し、市街地の一体的な発展、整備を図ることを目的とした都市計画事業でございます。先生おっしゃったように、昭和五十一年度に事業を採択をしまして、詳細設計等を行ってきましたけれども、多分きょうでございますが、都市計画決定をし、五十三年度から本格化する計画でございます。始めた以上はできるだけ速やかに工事を完了したいと思っております。総事業費は約二百四十億、これは五十年単価でございますが、こういう予定であります。  その他については、また関係から答えさせていただきます。
  45. 内藤功

    内藤功君 それだけですか。いま聞いたのは費用負担と影響を受ける住民戸数。
  46. 渡部与四郎

    説明員渡部与四郎君) 費用負担につきましては、初め線増をするというようなこともございましたけれども、これはいろんな事情でやめになりましたので、将来のそういう含みを残しまして、原則としていわゆる単純連続立体交差の費用負担、そういうことでやりたいと思っております。  それから、戸数についてはちょっといま資料持ってきませんでしたので、後でお答えいたします。
  47. 内藤功

    内藤功君 私は最近現場も行って見てまいりましたし、住民の方ともお話ししてきたんですが、前橋市の地形から見て、この高架によって交通渋滞の解消あるいは輸送力の増大などを図ろうとする事業計画にはわれわれ基本的に反対するものじゃありません。  そこで、この高架はどうかというと、現線路から十六メートル南に移動して、私の調べでは、いまお答えがなかったんですが、対象区域四万平方メートル、約百七十五世帯前後が移転対象になるようであります。また、高架による騒音それから日陰、電波障害、それと黄害など、周辺住民への被害は大きなものがあると思われます。関係住民の方は、新前橋とか朝日町、文京町、南町、こういったところでそれぞれ住民組織をつくっておりまして、またその連絡協議会もつくりまして、切実な要望を県や市を通じて交渉を進めているという状況であります。移転の対象となる方々は現住地に永住の念が断ちがたいものがあって、毎日非常に不安だと言っております。それだけに、移転の代償についての住民の正当な要求には当然基本的に最大限応じなきゃならぬ、こう思っています。また、周辺住民の被害や心配も最大限解消されるように努力をしていただきたいと考えています。今後の詳細設計の段階で、なお関係住民の正当な要望を入れて、基本的には住民の納得が得られるように国としても予算措置など誠意を持って対処すべきだと考えておるわけであります。  さて、そこで二番目の質問ですが、これは国鉄にお伺いすることになりますが、高架による線路の南北の側道及び環境緑地などについてでありますけども、特に高架による日陰で大きく影響を受ける北側について、一時的な金銭補償に偏ることなく、将来に問題を大きく残さないためにも、周辺環境整備のためにゆとりのある必要な側道や緑地を、住民からいろいろ具体的な要望が出ておりますから、これを基礎に取り入れていくべきだと思うんです。  もう一つは、落下物などによる被害を受けないように最大限の配慮をすべきだと思いますが、どういうお考えでおられるか。
  48. 高橋浩二

    説明員高橋浩二君) ただいま建設省からお答えがありましたように、これは都市計画事業で高架化をいたします。したがいまして、国鉄といたしましては、その構造なり、あるいはいま先生のお示しになりましたような側道等について、十分お打ち合わせをいたした上で、その設計については、詳細設計については決めたいというふうに考えております。  そこで、都市計画事業でございますので、大部分が都市側の費用負担ということになりますので、その点については都市側で十分地元の方々と協議をいただかなくちゃならないというふうに考えておりますが、基本的には、北側については日陰の問題だけでなくて、その他前後の交通の関係も考えまして、北側に民家のあるところについては六メーター以上の道路等を計画に取り入れるということで、ただいま具体的な打ち合わせをいたしておるところでございます。  落下物等については、これは何もこの問題だけでなくて全国同じようなことでございますけれども、特に高架になりますと上から物が落ちてくる危険等もございますので、いまの側道等も含めた問題でございますけれども、騒音等も考えた高架橋に、騒音等を防ぐということも考えて、騒音対策のためでもございますいわゆる側壁等を、ここでは恐らく二メーターぐらいのものが必要ではないかというふうに考えておりますが、そういうものをきちんとつくって、物が下に落ちないようにということを基本的に考えております。ただ、窓からいろいろ物を投げるということがほかのところでも現在まだ後を絶ちません。私の方は、お客様にそういう意味の物を投げないようにというようなことをお願いをしたりいたしまして、そういう公衆道徳のレベルアップというようなこともあわせて、いろいろ放送等を通じてお願いをしたいというふうに考えております。
  49. 内藤功

    内藤功君 次に電波障害の問題ですが、高架橋の高さにもよりますけれども、十メートル程度の場所もできるように思われます。パンタグラフの影響などから乱反射ということもあり得るでありましょう。影響予測調査には、NHKの技術面での協力を求めるなどをやって厳密さを期して、当然のことですけれども、原因者責任の原則に立って、共同受信装置の設置、その維持管理を保証すべきである。とにかく問題を残さないように、一番最初が肝心であります。こういう点の注意もしてもらいたいと思いますが、どうですか。
  50. 高橋浩二

    説明員高橋浩二君) 聞くところによりますと、事業者である県、市の方で、ただいま現在におけるテレビ塔の受信状況をお調べになっているというふうに私どもは伺っております。将来高架ができまして著しく影響を受けるというような場合には、十分それについての御協議を申し上げたいと思いますけれども、これも実はほとんどが都市計画事業でなされますので、都市側と十分協議をいたしまして、しかも都市計画事業というのは、ある一定の年限の中で最終完結をいたすものでございますので、その工事期間中に大部分のものをよく協議を申し上げ、両者で負担すべき部分も決めて対処しなければならないというふうに私ども考えております。そういう方向で、今後都市側と十分協議をしていきたいというふうに考えております。
  51. 内藤功

    内藤功君 さっきも話が出ましたが、騒音振動防止対策について伺います。  これはコンクリートのまくら木とロングレールというものを構成要素とするということになりますと、騒音の振動はどう考えておられるか。中央公害対策審議会の騒音振動部会の専門学者によりますと、睡眠を妨げる振動値五十ないし五十五デシベルから地震の震度一の六十五デシベルまでを基準値として、振動源の防止対策を講ずべきだというふうに言われておりますが、この点で住民の納得するような必要な対策をどのように講ずるお考えか、お伺いしたいと思います。
  52. 高橋浩二

    説明員高橋浩二君) ここで考えております高架橋は、大部分が鉄筋コンクリート構造というものを考えております。したがって、極力人家があるところで鉄げた等を使用しない設計でこの高架化の設計をいたしたいというふうに考えております。ただいま先生いろいろの数値をお挙げになりましたけれども、そこまで到達するのは、ただいまのところ技術的に非常に困難でございます。私どもの方は、現在すでに長年の間列車が運行されておりますので、線路の近傍については現在よりも悪くならない、むしろできるだけ技術等を駆使いたしまして、騒音振動が少なくなるような改良をしていきたいというふうには考えておりますけれども、近傍については現状より悪くならないような、少なくとも悪くならないような処置はしていきたいというふうに考えております。
  53. 内藤功

    内藤功君 次が黄害対策ですが、この区間の使用禁止ということを考えているようだけれども、これはその場逃れの感を免れません。当然必要な抜き取り基地をつくってタンク貯留式という方法をやはり採用するべきじゃないかと思うんですね。この前橋市というのは県都であって、その市街地の中心を新しく装いをこらした国鉄が走るのに余り汚いことではこれはよくない、国鉄の恥にもなると私は思うのです。この点どうお考えになりますか。
  54. 高橋浩二

    説明員高橋浩二君) ただいま両毛線で使用いたしております車両が、これはいろいろあっちやりこっちやりということがございますけれども、使用されている車両は約五百両ほどございます。またその車両が最終的に車両を取り入れる基地というのは三ヵ所に分散されております。いま先生のおっしゃいますように、最終的には貯留式にいたしまして基地で抜き取るということが完全な方法だというふうに考えておりますけれども、基地は三ヵ所に分散されておりますので、同時に三つの基地が完成しなくちゃならないということもございますので、今後ともそういう点についての検討を十分していきたい。とりあえずは、高架橋には先ほど申し上げた騒音防止の側壁というものを約二メーターの高さで構築する予定でございますので、現状よりは悪くならないというような措置はいたしますけれども、最終的には先生のおっしゃるような方向でいろいろ検討を進めていきたいと思います。この点については若干時間的に猶予いただかなければ解決できないのではないかというふうに考えております。
  55. 内藤功

    内藤功君 次は、これは建設省と国鉄に一言ずつ聞きたいのですが、高架化事業の規模、予算でいいますと二百億を超えるという大きなものであります。今後数年がかりで施行されるという大事業、この間政府の閣議の決めた中小企業対策でも、官公需をふやすということがありますが、口先だけじゃなくて、こういう地元の中小企業の仕事を確保するという上で、可能な限り地元中小企業向けの発注の仕事の道を開くべきだ、これはもう仕事によってはできるものがいっぱいあるわけですね。ところが、国鉄は非常に敷居が高いということを業者の方は言っております。現下の経済情勢からもぜひ国としてそういう方向で進めるように努力をすべきだと思いますが、お考えを伺いたい。
  56. 渡部与四郎

    説明員渡部与四郎君) 「昭和五十二年度の建設省所管事業の執行について」ということで通達を事務次官から出しておりますように、建設省におきましては中小建設業者の受注機会の確保に努めるよう指導しているところでありまして、おっしゃるような点については十分配慮したいと思っております。  それから先ほどちょっと説明を抜かしまして失礼しましたけれども、両毛線の事業によりまして影響を受ける住民戸数は、移転を要する世帯と人数は約百四十世帯、約五百三十人、移転を要する店舗は約二十五戸、そういうふうな状況でございます。
  57. 高橋浩二

    説明員高橋浩二君) まだ都市側と国鉄の間で工事の施工区分等については決められておりませんので、どれだけ私の方が委託を受けて工事をするかということはまだ正確には決まっておりませんが、大部分のものについては国鉄側に委託になるのではないかというふうに考えております。  そこで、この高架化事業の中小企業への発注という御趣旨かと思いますけれども、線路に非常に近接した部分等もございますので、まず技術的にどうかということを十分判断をいたしまして、なおかつこの仕事についてはそういう面と、いま先生がおっしゃいましたようなことも十分考えて今後対処していきたいというふうに考えております。
  58. 内藤功

    内藤功君 この問題は最後大臣に、いままで聞いておられたと思いますが、二点お伺いしたいと思うんです。  一つは、さっき答弁がありましたが、こういう公共事業はこれはもうあなたに言うまでもないことですが、関係住民の要望を聞いて、その持っている不安を解消する方向での解決が必要だと思うんです、もうあなたは成田で苦労しておられるからよくわかると思うけれども、冒頭紹介したように、関係住民の方々は、私も行ってきましたが、対策協議会をつくって積極的にいろんな細かい要求を具体的に出しております。移転の問題から環境緑地、電波障害、騒音、振動、黄害という問題について、関係住民の要望が基本的に解決できるように、最大限の誠意を持って取り組んでもらいたい。さらに予算措置についてもひとつ御努力を願いたい。  それから二つ目は、前橋あたりの地方都市では、二百数十億という事業は、これは大規模な事業でありますから、可能な限り地元の中小業者に対して発注ができるように、あなたの方からも指導を強めてもらいたい、この二点お伺いしたいと思います。
  59. 福永健司

    国務大臣福永健司君) いまいろいろお挙げになりました点等について、地元関係者の不安を解消する、このことに大いに努力すべきことは当然でございますが、その他いろいろのことについて関係住民に納得してもらえる措置を当然講ずべきであると考えております。これらの点につきまして誠意を持って対処いたしたい。また国鉄当局等がそういうようにするように指導をいたしたいと考えます。  なお、地方都市としてはかなり大きな仕事でございます。まだこれからいろいろ進めていくについて問題がたくさんあろうかと思いますが、私も先ほど来いろいろ伺っておりまして、せいぜい協力さしていただきたいと存じておる次第でございます。
  60. 内藤功

    内藤功君 この二点目の中小企業への発注問題、大体御答弁の趣旨はわかりますが、ひとつ。
  61. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 実は、まあ今度の不況対策等でも同様の御趣旨の御発言を大分伺っております。私ども素人から申しますと、ちょっと国鉄はそういうことじゃかた過ぎるんじゃないかというような感じすら持っております。事実は違うという答えが返ってくるかどうかわかりませんが、私がそういうことを正直に申し上げるような心境でおります次第でございますから、いまお話になりました内藤さんのお話の事情も十分考えるし、同時に、特に不況対策で地方への波及効果をねらうというようなことからいっても、ぜひそうあってもらいたいと思いますので、国鉄当局に対しまして申しますが、申さなくてもここで一緒に聞いておりますから、ぜひそういうようにということを私も願っておる次第でございます。
  62. 内藤功

    内藤功君 いまのお話を承りまして、なお具体的ないろいろ私考えていることがありますので、これはまた締めくくり総括などの機会に申し上げたいと思います。  さて、次に成田の問題について二点ほど伺いたいんです。この成田空港のいわゆる安全の問題の中で、空港周辺の一部暴力的な集団の問題については、いろんな別の機会にも話しましたので、きょうはほかの問題でありますが、それは成田空港に働く人たちの問題であります。  まず、新東京国際空港管理規程の問題です。これはその六条の二項四号、五号というのがありますが、これはどういう条文であるか、もしいま手元にあったら、公団の方からお答え願います。
  63. 町田直

    参考人(町田直君) 管理規程、実は運輸大臣の認可が要るわけでございまして、運輸省に認可の申請をいたしておりますので、その案の段階で申し上げます。  一番最初に、六条二項として「空港においては、公団の承認を受けた場合を除き、次に掲げる行為を行ってはならない。」という項がございまして、その四号として「看板、旗、幕、印刷物、書面等を掲示し、又は展示する行為を行うため、一時的に施設を利用すること。」、それから五号が「演説会等の集会を催し、宣伝活動を行い、寄付金を募集し、その他これらに類する行為を行うため、一時的に施設を利用すること。」という文句でございます。
  64. 内藤功

    内藤功君 これは航空局長がよろしいかと思いますが、成田空港がもし開港された場合に、そこの航空会社から、食堂、売店などの施設、それからそこの中に下請なんかで働いている勤労者の方ですね、労働者の方。これは大体数万人に上ると思うのですが、概数はどのくらいと予想しておりますか。
  65. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) 私も正確な数までつかんでおりませんが、常時勤務する人たちの数は、少なくとも一万ないし一万五千は下らないと思います。
  66. 内藤功

    内藤功君 こういう方々は、この成田という非常に交通の不便なところに行って働くことになるわけなんで、いろんな要求を持っている。その要求を解決するために皆いろんな組合をつくってまじめにその労働条件の向上のためにまあ活動というか、組合の活動もするわけなんです。その場合に、いま総裁が読んだようなそういう管理規程だと、大体ビラが配れなくなる。ビラですね、ビラ配るのにも承認が要ると。それから機関紙を配るのにもこれは承認が要る。それからして集会をするにも承認が要る。旗を立てるのにも承認が要る。これは過激派じゃないのですから、まじめな組合なんだからね。また非常に堅実なみんな考え方を持っていてやってきたんだ。このまま適用したら大変なことになるんじゃないですかね。運輸大臣はよく御存じでありますが、前に労働大臣をやられたから、これはもう釈迦に説法で、議論はここでいたしません。最低限のミニマムの自由なんです。ビラもまけない、旗も承認が要る、集会も承認が要るという組合はもう組合の形をなさないんだ。ぼくはこれ以上言わないけれども、このまま適用されたら大変なことになるのですね。  そこで、前にもこれは国会でも問題になり、世論でも問題になった。そこでどうしますか。ぼくはこういうものは、成田空港ができたときここで働く人には適用しないんだと。これはよそから入ってくる暴力集団をやっぱり抑えるためのものだけれども、そこで働く人の組合活動は、これはもう制限するものじゃない、こういうものは適用しないんだということをやっぱりはっきりすることが一番いいと思うのですよ。できればこういう規程を明確に条文でもって、ただしというのをつけた方がいいと思う、一時的な方法としては。まだいろいろな方法あるかもしれないけれども、どういうふうにされるお考えなのか、これは公団副総裁にまず伺いましょう。
  67. 町田直

    参考人(町田直君) ただいまの点でございますが、実は前につくりました案を、運輸省等の御指摘、先生方の御指摘がございまして一部変更いたしました。その変更したのがただいま読んだものでございますけれども、その前は施設を利用するということを前提にして、こういう承認行為にかけていないで、「旗、幕、印刷物、書面等を掲示し、配布し、又は展示する行為をすること。」というような表現にいたしておりましたけれども、これでは大変広くなりますので、そういうことをするために一時的に空港公団が設置し管理しております施設を利用する場合というふうに、ある制限的なふうにいたしたわけでございます。第五号につきましても同じでございまして、「一時的に施設を利用する」場合に限ったということが一つございます。この点につきましては、現在の羽田空港の管理規則におきましても同じように、全く同じではございませんけれども、演説会、寄付金募集、広告、宣伝その他これに類する行為を行うため一時的に施設を利用しようとする場合は空港事務所長の承認を受けなければならないという規定がございまして、そういう意味では大変類似しておるわけでございます。ただ、成田空港は、御承知のように、大変過激派等が周囲におりまして、絶えずこういう示威行為とか、あるいは旗を振ったりというようなこともございますので、そういう意味ではやはり何らかのしぼりはどうしても必要じゃないかと、こういう趣旨で、現在の羽田空港にございます規則を若干広げましてこういう規制にいたしたいというふうに考えたわけでございます。しかしながら、ただいま先生から御指摘がございましたように、労働組合の正当な労働組合活動をこれによって制限する、しかも、羽田空港で現在行われておるような労働慣行と申しますか、そういうものを制限するという意図は空港公団としては全くございませんので、そういう趣旨で関係の組合の方々とお話しをいたしました結果、三月二十五日に組合の方々と空港公団との間で覚書を交換をいたした次第でございまして、その覚書の内容を簡単に申し上げますと、「下記のとおり確認する。」ということでございまして、第一項が「新東京国際空港管理規程第六条第二項第4号及び第5号の規定は、新東京国際空港内に職場を有し、又は勤務する者が組織する労働組合の正当な労働組合活動には適用しない。」、こういうのが第一項でございます。それから第二項は、「正当な労働組合活動とは労働基本権に基づく行為及び東京国際空港(羽田)で行われていた労働組合活動をいう。」、こういうことにいたしまして、現在羽田空港で行われております労働慣行と申しますか、そういうものを「正当な労働組合活動」と見まして、そういうものにはこの四号と五号は適用しない、こういうことで覚書を交わしました。関係の組合の方々の御了承を得ましたので、この案で運輸大臣に認可の申請をいたしておる、こういう次第でございます。
  68. 福永健司

    国務大臣福永健司君) いまだんだん話を聞いておりますと、この経緯のうちにおいてかなりの前進があったようにもうかがえます。そこで、なお運輸省としてはさらに調査が必要であれば、いたしました上で対処すべきものと思いますが、労使双方でもかなりの協議を遂げてきているようでございます。そして、先ほどからおっしゃる点については、私は私なりに理解をしておるつもりでございますが、よく調査をいたしまして善処し、かつ、その後の運用について間違いのないように私どもも監視もしていきたいと、そういうように考えます。
  69. 内藤功

    内藤功君 労使双方で一致したことは、私は結構だと思います。この上はいま大臣の言ったように、たとえばこういう協定ができても、「正当な」というのは何かということでよく争いが起きて、大体よく使用者側の方が「正当」の範囲を狭めてくることの原因になる場合が多いんです、すべてとは言わないが。そういう点をよく留意をしてやってもらいたいと思います。  調印はまだですか、調印はしたんですか。
  70. 町田直

    参考人(町田直君) 二十五日に調印をいたしました。
  71. 内藤功

    内藤功君 それじゃあそれは結構です。  もう一つの問題は、空港の平和的利用についてのお尋ねであります。  まず、航空局長に伺いたいんですが、昭和四十七年の四月に時の運輸大臣の丹羽喬四郎氏、千葉県の当時の副知事、それから当時の公団の総裁、これを乙として、それから三里塚平和塔奉賛会会長佐藤行通氏を甲として、両者間で文書をもって取り決め書というのが決められて、その三条一号でたしか空港の軍事利用はしないということについての明確な明文がかわされたと聞いておるが、それはどういう条文になっていますか。
  72. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) そう長くありませんので読んでみます。「第三条 平和塔等の遷座、移転にあたって、乙等は次の事項を約束する。一 新東京国際空港は純然たる民間空港であり、安保条約およびこれに基づく地位協定の存在にもかかわらず、これを軍事的に利用することは絶対に認めない。その意味においてマックのチャーター機の離着陸もこれを認めない。なお、現在羽田空港に行なわれているマックのチャーター機の離着陸も極力止めさせるよう努力する。」ということでございます。
  73. 内藤功

    内藤功君 昭和四十六年の十二月七日と思いますが、当時の参議院内閣委員会で、当時の政務次官の佐藤孝行さんがこの問題についてやはりいまの運輸大臣の取り決め書の趣旨に沿った答弁をしておると思いますが、これは航空局長、そこにありますか。
  74. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) 手元にございませんが、私は読んで了解いたしております。
  75. 内藤功

    内藤功君 そうすると、日本人はだれでも平和をみんな願っておると思うのです。平和を希求する具体的な方法に違いはあるけれども日本がもう戦争に巻き込まれるということについてみんな反対をしておると思いますね。そういう意味であたりまえのごく自然なこれは取り決めだし、当時の佐藤政務次官の答弁もきわめて政府としてあたりまえの答弁だったと思うのですね。ところが、現在いろんな情報がときどき耳に入ってくるようなこともあるので、こういう取り決め書なり政府の答弁なり、こういう考え方について、いまも政府は、運輸省は同じ考えでやっていくんだというひとつ決意と姿勢をこれは運輸大臣から示してもらいたいと思うのです。
  76. 福永健司

    国務大臣福永健司君) 御指摘の点につきましては、ここへきて変わったというようなことはございません。私は、いまお話しの成田空港をしてりっぱな民間空港であらしめたいと、そういうように考えております。
  77. 内藤功

    内藤功君 航空局長、あなたもいまの運輸大臣の大きな方針に基づいてそのようにやっていただけるわけですね。
  78. 高橋寿夫

    政府委員高橋寿夫君) さようでございます。非常に私ども苦しい立場に実は立っております。米軍、防衛施設庁等の間に立ちまして非常に苦しい立場に立っておりますけれども大臣のいま御答弁いたしました趣旨に従いましてこの一線を守るということで努力をいたします。
  79. 内藤功

    内藤功君 二人から決意をいただきましたが、空港公団副総裁、あなたからもそういう大臣なり航空局長の基本的な方針に基づいて、あなたが管理者だから、現場がしっかりしなければだめだから、そういう方針でいきますね、その決意をひとつ。
  80. 町田直

    参考人(町田直君) ただいま運輸大臣航空局長から御決意のお話がございましたが、公団といたしましては、運輸大臣航空局長の指導に従いまして従前の方針に従ってやっていきたいと思います。
  81. 内藤功

    内藤功君 これは、一番最初航空局長の読まれた取り決め書というのは、大臣とそれから地元の日本山妙法寺というか、平和奉賛塔というのを滑走路予定地に建てておったんですね。それを移転してくれというものですから、そういう宗教的なものを移転するについては、きっちりと平和の条件がほしいというので取り決めたものです。政府の約束なわけです。政治というのは、政府と国民、政府と人民の間の約束というものがやっぱり基礎にならなきゃうまくいかないんです。破れたり裏切ったりしちゃうまくいかない。だから、これを基礎にやっぱりやっていかなくちゃいかぬということだと思います。  それからアメリカ軍は、いま航空局長が正直に言ったように、いろんな要求をしてくるだろうと思う。向こうは自分の戦略目的、軍事要求、それがもう頭の中でいっぱいだから、日本人の感覚よりも自分の軍事的必要でこの東洋の島国にいろんなものを要求してくるわけだから、それを安保条約があるからと言ったって、はいはいとみんなのんでいたんじゃ、これはもう何にもならない。そこで、内閣の中で運輸省という役所は、そういう戦争の関係じゃなくて、軍事の関係じゃなくて、その中で平和を守っていく、平和的な交通というものを守っていくという役所なんだから、閣内でやっぱり福永運輸大臣はがんばってもらいたい、ひとつその考え方でやっていただきたいと思うんです。  私がこれをくどく言いますのは、これは内閣の中でも、そういうものはのまなきゃならないんじゃないか。具体的に言うと、軍事郵便局です。したがって、この軍事郵便局はアメリカの軍人への手紙や荷物を運ぶものだから、人道的なものだから、これはのまなきゃならないであろうというふうなことを言っている。しかし、そういうものは普通郵便で運べばいいんです、手紙や荷物は。それから、過去のベトナム戦争なんかのときに、梱包された軍用郵便の荷物の中から機関銃の弾が出てきたなんていうことを目撃した空港職員もいる。何が送られているか。地位協定による検閲の対象になっていないというような問題もある。私は、そういう点からきょう特にお三人の意思をここで確認をしたわけであります。もうこれ以上の質問はくどくなると思うから、私はいまの三人の  ここでの言葉をしっかり地元の人や、それからまじめに空港に反対している人たちに私の方からも伝えて、そういうことがないようにしたいと思っております。くれぐれもひとつよろしくお願いしたいと思います。いいですね、さっきの答弁で。——いいです。答えかないですから、確認したものと思います。  それでは、大臣が何かお出かけになるというので、私は少し時間を急ぎます。次の質問に入ります。  けさの新聞見たら、グアム島でもって、観光旅行に行った長野県の保母さんが銃で撃たれて、それでめった打ちにされて殺害をされたという、相当残虐なこれは殺しの事犯であります。車で通りかかった男に突然声をかけられ、車の中に連れ込まれそうになった。びっくりして逃げ出したら撃たれた。こういうことで、非常にいま観光ブームでして、グアム島なんてのは日本人がたくさん行く。この観光というのは運輸省のやはり管轄になると私は思うんです。こういう事故が起きた原因はいろいろこれから究明されると思うけれども、まず運輸省として観光業者に対してどういうふうな注意、指導を与えてきたのかという問題であります。特に外国に行く場合には、その国の何というか、社会情勢、治安情勢、それからピストルなんというものは日本ではこれは大変な凶器であるけれども、国によってはピストルはもう平気で持っている国が多い。そういう情勢。それからして、警察というものが日本ほどでないところもある。それから対日感情ですね。日本人に対してみんな同じような感情を持っているんじゃなくて、いろんな複雑な感情、これは太平洋戦争の問題もあるし、戦後の日本の経済、軍事の問題などもあるし、対日感情もいろいろ複雑だと私は思うんですね。そういうものについて、少なくとも事故が起きないような適切な事前の指導というのをすることが観光を一つの役所の仕事にしている運輸省としては大事な問題じゃないかと思う。こういう分科会でお聞きをするのはこれは一番いい問題だと思うんで、適切な指導がなされていたかどうかという問題を改めてここで問いたいと思うんであります。この点。  それから運輸省として観光業者に対してどういうふうにやってきたか。これらの観光業者に対してそれらの国の情報を適切に知らせていくというふうな努力をもっとすべきだということをこの事件は教えているんじゃないかと思うんですね。わりと運輸委員会の中でもこの観光という問題にはメスが入れられないものだから、いろいろな問題がぼくは残ってくるように思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
  82. 福永健司

    国務大臣福永健司君) まず、私からお答えをいたします。  私もけさの新聞を見て、もってのほかだと思った一人でございますが、まあ、こういう事態にかんがみまして、観光を担当する運輸省としては、これに対処することについて厳しくなければならぬ、こういうように思うわけでございまして、いろいろいままでもやっているということでございますが、こういうことがあるようなばかげた話でございますと、いまも申し上げましたように、厳しい対処を必要とするというように思うわけでございまして、以下担当者からお答えさせます。  私、出かけるというお話でございましたが、衆議院の本会議、きのう参議院ではございましたが、きょう向こうで、十二時から正確に緊急質問をするからおくれずに出てこいと、こういうことでございます。御了承いただきたいと思います。
  83. 内藤功

    内藤功君 結構です、大臣
  84. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 御指摘の事件、まことに遺憾でございます。これまでも旅行者、特に海外向けの旅行者につきましては、旅行者自体の安全の問題、それから旅行者のマナーの問題、この二点が重要でございますが、特に御本人の安全の問題は大変なことでございます。われわれといたしましても、旅行業界、この協会がございますが、協会を通じましてこの安全とマナーにつきましては旅行者の方に事前に十分に話をするように、また現地の実情について事前に十分に話をするように、それから一緒についてまいります添乗員でございますが、その添乗員につきましては厳密な研修等を実施し、その添乗員が適切に旅行者を誘導するようにという指導を従来ともやってきてまいっております。遺憾ながらこういう事件が起こりましたわけでございますが、最近非常に海外への旅行者が増加してまいっております。昨年が三百十五万人に及んだわけでございますが、その中で約五割を超える方が東南アジアに旅行を……
  85. 内藤功

    内藤功君 ちょっと、もう少し端的に対策を、これでよかったのかということを触れてもらいたいね、一般的な説明はいいよ。
  86. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 対策につきましては、実はいま先生から呼ばれる前まで日本旅行業界の代表を呼びまして、実情とともに対策につきまして指示をしておったところでございます。いまここに飛んでまいったわけでございますが、本日、日本航空で家族の方が現地へ向かうということになっておりますが、まだ詳細な現地の報道が入っておりません。今後至急にまた現地の実情をつかみまして、業界指導につきましては徹底して行いたいというふうに考えます。
  87. 内藤功

    内藤功君 もう一般的な説明じゃなくて、やっぱりいままでの対策いろいろ講じてきたけれども、ここにどこか大きな手ぬかりがなかったかということも含めて、徹底的にひとつ対策を再検討してもらいたいと思いますね。  以上で終わります。
  88. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) 以上を持ちまして運輸省所管に関する質疑を終了いたしたものと認めます。  午後一時再開することを予定いたしまして、休憩いたします。    午前十一時五十分休憩      —————・—————    午後一時二分開会
  89. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) ただいまから予算委員会第三分科会を再開いたします。  この際、分科担当委員異動について御報告いたします。  本日、内藤功君が分科担当委員を辞任され、その補欠として安武洋子君が分科担当委員に選任されました。     —————————————
  90. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) 昭和五十三年度総予算中、農林省所管を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  91. 熊谷弘

    ○熊谷弘君 時間が限られておりますので、私は二項目について簡単に御質問を申し上げたいと思うわけでありますが、大臣、大変お忙しいと伺っておりますので、一つだけ大臣伺いたいわけでありますけれども、去る二十八日に畜産振興審議会が食肉の安定価格について据え置くことを含めた答申をされたわけでありますけれども、この答申におきまして、「据え置くことは止むを得ないが、この際、生涯意欲を阻害しないよう施策の拡充を図ること。」ということで、後ほどまた御質問したいと思うわけですけれども、幾つかの建議をなされておるわけでございます。私は、現場といいますか、畜産担当をしている若者たちに接しておりまして、こういう畜産農家の若者たちというのがほかの農業には見られないくらい野心的で、前向きで、恐らく他の仕事につくのに選択してあえて農業を選んでがんばっておると、こういう姿を見ておりまして、この際、生涯意欲を阻害しないような施策の拡充ということは大変重要だと思うわけでありますけれども、この答申を受けた大臣としての現在の政策に対する構えといいますか、姿勢といいますか、その点の御所見を伺いたいと思います。
  92. 中川一郎

    国務大臣(中川一郎君) 御指摘のように、去る二十八日、畜産振興審議会の食肉部会におきまして、指定食肉の安定価格については、据え置くことは止むを得ないが、この際、生涯意欲を阻害しないように施策を拡充されたい、という趣旨の答申が出たわけでございます。  そこで、私は大臣に就任いたしました際にも申し上げたのでございますが、まず食肉についてはたくさん食べていただく仕組みをつくりたいと。それにはやっぱり安く手に入る仕組みを考えなきゃいけない。しかし、生産農家は厳しい状況にありますから、生産農家に対しては生産対策を十分講じるということをやると同時に、流通過程を合理化して、すなわち、消費者と生産者が直結をする、こういうことでむだのないものにしていくと。そうして消費者の拡大を図り、生産農家が希望が持てるように、そしてまた足りない分は外国から仰ぐ、こういうことの肉の政策ということを打ち出して今日までやっておるわけでございます。  今回計算をいたしましたところ、幸い昨年はえさ代が非常に安い等々の理由もありまして、昨年と同じような考え方ではじいてみますと、ほんの少しではありますけれども、昨年より少し安くてもいいという結論は得たわけでございますけれども、まさか少しでも削るのはおかしいというので、価格は据え置くということにし、そのかわり生産対策として、たとえば子牛対策、いままで一万円差し上げておったものも、きょうこれから議論をいたしまして相当前向きにしなければならない、あるいはまた、生産農家から要求のありました素牛導入資金に対する利子補給、こういったことも強い要請がございますので、そういった点についても前向きで検討してみたい。これからこの点も皆さんと相談をしてどこまでやれるかということ、こういうようなことや、金融対策や負債整理対策等々、数多くの施策を講じて生産意欲を持つような農家にするように精いっぱい努力してみようと、こう思っておるわけでございます。
  93. 熊谷弘

    ○熊谷弘君 大変基本的な姿勢として積極的な御姿勢を示していただきまして、われわれも本当に期待を一層寄せられているわけですけれども、そこでこの建議をされております内容の中で、一層さらに事務当局の方から、二、三御意見伺いたいわけでありますけれども、この審議会答申の建議の中の二番目に、「肉牛の繁殖農家及び肥育農家の経営の安定合理化を図るため、技術指導、金融対策等特段の措置を講ずること。」、この点につきましては、すでに大臣が一、二事例を挙げて御指摘があったわけですけれども、たとえばこの点に関しまして、現場の農協あるいは農家の方々からいろいろな提言なり要請なり、要望なりというものが出ているわけですけれども、特にその中で、私個人として非常に注目に値する政策ではないかなあと思う点をひとつ読み上げますと、金融対策の中で、農協や連合会による——これは肥育が主だと思いますけれども、肉畜の預託事業資金に対する利子補給措置を講じてほしいと、こういう要請があるわけであります。現実の事業の展開を見ておりまして、農協のこの預託事業というのは、農協の自己資金ということでやっておる、比較的金融コストが高い、こうした点について利子補給等の措置を講じてほしいという要求があるわけであります。これはもちろんいろいろな問題があると思いますけれども、たとえば畜産振興事業団の差益金を活用するような方策は講じられないものだろうか、そういうふうに感ずるわけでありますけれども政府委員の方の御意見伺いたいと思うのです。
  94. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) お答えいたします。  この肉用牛経営に対する金融対策といたしましては、私ども農林省で農業近代化資金とか、農林漁業金融公庫資金によって、それぞれ肉用牛経営の資金需要に応じておるわけでございますが、そのほか畜産危機の後遺症に対する対応策といたしまして、先ほど先生から御指摘のございました畜産振興事業団の差益の事業といたしまして、五十一年には肉牛の生産振興資金に対する利子補給、五十二年には肉用牛の経営改善資金に対する利子補給というような措置を講じたわけでございます。これはある種のものにつきましては、先生いま御指摘の農協預託事業についても利用し得ないわけではない、真っ正面からうたっておりませんでしたけれども。それでこの三月、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、これから価格決定に関連していろいろ生産対策の面でも御相談をいま取り進めておるところでございますが、御指摘のございました農協預託事業に対する金融措置というのを非常に強い御要望があるということはよく承知をいたしておりますので、先ほど大臣からお答えいたしました検討の中に含めて対処してまいりたいと思っております。
  95. 熊谷弘

    ○熊谷弘君 それからもう一つ、この建議の中には挙げられていないわけでありますけれども、すでに大臣が御指摘になりましたとおり、えさの価格は確かに下がってきている。そしてまた、いろいろな工夫がなされておるということも承知いたしておるわけでございますけれども、さらに政府管理の麦等につきまして値下げの努力をする、こういうことをぜひ今後とも一層引き続きやっていただきたいと思うわけでありますけれども、この点の見通し、考え方、この点についてはいかがでしょうか。
  96. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) お答えいたします。  政府操作飼料の値下げにつきましては、昨年の十月と本年の一月、それぞれ御高承のとおり、大豆なりトウモロコシなりの値下がりに連動をいたしましてそれぞれ引き下げを行ったところでございます。ですから、一番最近の一月は下げたばかりのところでございますので、いま直ちにどうこうというふうには申し上げられませんが、今後事態の推移をよく見守って適切に対処してまいりたいと思っております。
  97. 熊谷弘

    ○熊谷弘君 この畜産の問題について最後に要望を兼ねてお願いをしておきたい。お願いといいますか、要望だけを申し上げておきたいわけでありますけれども、先ほど申し上げましたとおり、畜産農家の若者たちというのが大変他の農家に見られないぐらい意欲的な方々が多い。しかし、一般の中小企業対策なんかと比べますと、特徴的なことは、日本の場合、肥育、子牛繁殖その他含めましてまだまだ技術進歩といいますか、やる余地が多い。早く肥育させる、あるいは死なないように努力をする、その他いろいろ含めて飼料の工夫の仕方にしましてもまだまだ余地があるというように思うわけです。技術開発と言うと非常にオーバーなんですけれども、それぞれの農家に応じたいろいろな工夫がこれからもされていいと思いますし、またそういうことを一生懸命努力しようとするわけですが、しかし、一般の中小企業の研究開発、技術開発に対する政府の取り組み方に比べまして、どちらかというと、農業の性格によると言えばそれまでなんですけれども、もっと個々の農家の技術に対する取り組み方に対して手を差し伸べるような政策面での工夫がなされていいのではないだろうか。本年度予算についての批評ではなくして、今後の新しい政策を考えるポイントとして、現に新聞等を見ただけでもいろんな工夫が個々の農家によってなされていることが多いわけであります。従来、お米なんかにつきましては、そういう技術進歩を促すためにいろいろな優遇あるいは誘導措置が講じられました。ぜひこの点について御配慮を賜りたい、これはお願いでございます。  次に、時間がございませんので林業の問題に移りたいと思います。  林業の問題、御承知のように、もうこの農林大臣の所信表明の中にも問題が多いということは指摘されておりますし、予算委員会の総括質問、一般質問等におきましても委員の中にはそういうのを御指摘なされた方がおりました。しかし、この林業についてどう取り組んでいくかということについては、実は正直言いまして私どもまだ政府の考え方についてもう一歩自信なげな感じを抑え切れないわけでございます。確かに林業、むずかしい問題ではあるけれども、しかし、もっともっと政策的な工夫がなされていいんじゃないだろうか。もう一問だけで済ませますけれども、たとえば三全総におきましては、いろいろ興味深い指摘がなされておるわけでありまして、たとえばこの林業をこれから公益的な機能に着目して守っていくために、費用分担について、林業家だけではなくて、これは三全総に指摘されておるわけですけれども、いろんな各方面に費用分担をしてもらって、その公益的機能に着目をして林業を残していく、あるいは国土を保全する、そういうことが必要なのではないだろうか、検討すべきだということをはっきり——恐らくこのときには林野庁もよく議論に参加した上で書かれたんだろうと思うんですけれども、そういう点を含めて今後の林業をどうするのか。また輸入材というのがあります。しかし、なるほど問題はあるだろうと思うんですけれども、もう市場経済、価格のメカニズムを放置しておけばいまの林業というのはどうにもならないということは明らかであります。そういう点も含めてどうするのかということをぜひ御意見伺いたい。  それからもう一つ、ただし、これは今度は林業家の立場からいたしますと、実は非常に問題もあるわけであります。つまり非常に資産家という性格が民間の林業家の場合ございまして、しかも、農業のように一年サイクル、企業のように半年サイクルで労働者や、あるいは一般の取引先から厳しく経営がまずければ指弾されるという環境と違いまして、三十年先のことを考えるということになりますと、非常にその場任せのやり方をしがちな面がある。しかし、そういう資産家ばかりじゃなくて、実は林業をやってこれは一生懸命やらなきゃいかぬという気持ちの人たちもいるわけであります。ところが、この林業経営の主体というものに着目をして、そういう人たちの意欲を引き出し、励まし、それから指導をする、こういう政策になりますと、他の農業政策の担い手政策に比べて私は若干足りない面があるんじゃないかなという印象があるわけであります。その点も含めてひとつ今後の林業をどうするのかという点について林野庁長官の御所見を承りたいと思います。
  98. 藍原義邦

    政府委員(藍原義邦君) 林業につきましては、いま御指摘ございましたように、非常にある意味では私は曲がり角に来ているというふうに理解いたしております。御指摘ございましたように、林業の中心になります木材の需要でございますけれども、それを見ましても四十七年をピークにいたしまして伸び縮みはございましたが、現時点でも四十七年よりは需要量が減っております。五年間こういう形で動いておりますし、片一方、じゃ木材の自給率はどうかと言いますと、これも自給率三五%という形でここ数年動いておりますし、また価格を見ましても、価格につきましても四十九年がピークでございまして、それ以来、伸び悩みといいますか、低調ぎみであるということ、ほかの物価に比べまして伸びていないという点、こういうもろもろの状況を見ますと、やはり基本的には木材の需要の中心でございます住宅、この建設が非常にある意味で伸び悩んでおるということだろうとわれわれ考えております。今後政府でもいろいろ木材、住宅の建設ということには努力いたしておりますけれども、やはり木材の需要の大宗をなします住宅建設がどうなるかということ、これが林業のやはり発展の一つの指針にもなるであろうということをわれわれ考えておりまして、そういう意味での問題点をこれからいろいろ解明していかなければいけないだろうという気がいたします。  一方では林業の生産コストはどうなっておるのかということでございますけれども、先生御存じのように、確かに大地主、大山持ちという者もおりますけれども、五ヘクタール未満層が大体九〇%近い所有率を占めておりまして、やはり日本の林業というものをこれから発展させるためには、こういう方々が積極的に林業を推進していただけるという方途をわれわれとしては見出さなければいけないだろうというふうに考えております。そういう状況の中で、確かに林業を支えております山村そのものも一応衰微傾向にございますし、また林業を支える担い手の労働力というものも量的にはさほど異動しておりませんけれども、質的には大分低下しておるということは私どもも認めております。こういう林業全般を取り巻く状況の中で、また逆に国際的には外国から木材をもっと買ってほしいという要望もございますし、いろいろそういう中でこれからの林業をどうするかということでございますが、いま日本の全体の森林が、戦後造林を積極的に進めまして、私どもが考えております七〇%に近い造林目標を達しております。一応、全国約千三百万立方の造林地を仕立てようということで、いま九百万強の造林地が出来上がりまして、そういう意味では日本全体の森林がまだ伐期に達してない森林が非常に多いと、そしてその中心でございますこれから森林の保育という面から考えますと、間伐を積極的に進めなければいけない、その間伐材をどう利用していただくか、この辺の開発もしなければいけない。これらもろもろの問題を考えながら、国内林業をやはり推進していかなければいけないというふうに考えておりますが、基本的な問題といたしまして、やはりそういう意味から長期的視点に立ちました森林資源をどう整備していくかということ、これを考えていく必要があると思います。  現在、日本の林業を推進する過程で一番大きな柱になっておりますのは、先生御存じの森林法の中に森林計画制度というのがございます。全国森林計画をつくりまして、それに即していろいろと地域それぞれつくっておりますし、また個々の森林所有者が自分の計画をつくるという形になっておりまして、そういう計画制度を今後積極的に推進して、それに基づいて森林の公益的機能を発揮し、なおかつ木材資源としての機能を発揮し、国民経済に寄与するという形をさらに積極的に推進していく必要があろうというふうに考えております。それからさらには、国際的な競争力をつける林業でなければいけないであろうということも考えなきゃいけませんし、またそのためには木材の需要供給というものを安定的なものにするような方途をわれわれも考えなければいけないと思っております。それからさらに、そういうものをやるためにはやはり生産基盤の整備ということで、林道網も必ずしも十分でき上がっておりませんから、こういうものを積極的に進めるなり、造林、これは間伐を含めました造林というものをどうやって今後推進していくか、その辺のことを考えていく必要があろうと思いますし、あわせまして森林の公益的機能という点に着目いたしますと、やはり国土保全という問題から治山事業等々の推進もこれは当然やっていかなければいけない問題かと思います。そういうもろもろの中で、最終的にはやはり木材を利用していただく国民の方々がどうやって木材を利用していただけるのか。住宅は当然でございますけれども、そのほか、これから出てくる国内の林業に対しての木材の利用という面から、加工技術の開発なり利用の促進なり、そういう需要の面の開拓ということも当然やっていかなければいけないと思います。そういうもろもろのことを考えまして、私どもとしても現在これからの林業のあり方については真剣に今後とも検討し、対応し、山村の振興を図り、日本の経済に寄与するような林業になるような努力を今後ともしてまいりたいというふうに考えております。
  99. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) 次に、安武君の質問にかわりますが、大臣以下行政の答弁者の方、これは各党の時間ですから、往復時間になってるんですよね、答弁が長ければ質問者の時間がなくなりますから、多少私の方で配慮いたしますけれども、できるだけ質問者の質問にポイントをとらえて簡潔、明瞭にお答え願いたいと思います。
  100. 安武洋子

    安武洋子君 私は、一月十八日の決算委員会、そして一月三十一日の予算委員会に続いて、輸入牛肉の問題についてお伺いいたします。  私は、このときは流通経路、価格、それからいわゆる平井ファミリー、この問題について調査を御要求いたしました。そして、福田総理大臣及び農林大臣は、調査をし善処をすると、こういうお約束をなさいました。その後、どのような調査をなさり、そして善処をなさったのか、そのことをお伺いいたします。
  101. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) 御指摘のございました神戸における輸入牛肉の流通問題につきましては、畜産振興事業団の買い入れ、売り渡しに関する書類、あるいは農林省と事業団の職員による現地調査を行いまして、関係者から事情聴取を行いました。  御指摘のございました三番目のルート、丸紅から事業団、全肉連、兵庫県連、日畜、それから中冷という、このルートにつきましては、御指摘内容と異なりと申すとあれでございますが、中冷に入庫された後、兵庫県連の組合員である多数の食肉店に適正に配分をされておって、問題とするには当たらないというふうに考えております。それ以外の六つのケースにつきましては、それぞれの団体の末端会員のところまでは届いていたわけでございますが、その後の流通過程におきまして大口単位のコンテナで取引をされていたもの、あるいは系統団体等の分荷機能が正常に働いていたか否かを疑わせるもの、あるいはかなり大量の輸入牛肉が特定の者に配分されている等、公平な配分機能が正常に働いていたかどうか問題があるものがございまして、この点は確かに御指摘のとおりでございます。  したがいまして、まあ当時の事情を見ますと、チルド牛肉が大量に輸入され、短期的に需給が緩和して買い手がつかないというふうな特殊事情があったにしろ、流通の過程でマージンを加えるだけの不合理な流通等も見られるもので、今後指導の強化が必要であるという結論に達しております。農林省としては、今後、兵庫県及び神戸市と連携を保って指導の万全を期し、売り渡し実績の報告等により常に実態を把握してまいりたいというふうに考えております。
  102. 安武洋子

    安武洋子君 杉山局長は、私の質問の中で、八月の局長通達にたがうようなことがあれば売り渡しの制限も加えるとか、あるいは指摘の事実があるなら調査結果を踏まえ処理をすると、こういうふうに答弁なさっていらっしゃいます。そして、この通達そのものについては、これは牛肉のこういうふうな横流しがあったときには売り渡し制限とか、こういうふうなこともあり得るんだというふうなことをちゃんとお書きになっていらっしゃいますが、いまお伺いいたしますと、私が指摘したような事実がほとんどあるというふうなことをお認めになったわけなんです。ただ単に指導で済むような問題なんでしょうか、どういうふうに処置をお加えになるんですか。
  103. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) 先生御指摘のございました畜産局長通達が実は出される前に起こった事態でございますので、直ちにあの通達に書かれているような措置を本件について遡及して適用するということはいかがなものであろうかと思いまして、今後の是正を図ってまいりたいと思っておるわけでございます。
  104. 安武洋子

    安武洋子君 どうしてなんでしょう。私が御指摘申し上げておりますのは、これは五十一年の九月関係です。ですから、私は具体的に価格までお示ししましたのは、五十一年九月の二十日に入ってきた分、そして第二項については九月十三日あるいは十月、すべて五十一年九月です。そして、全肉連あてに農林省の畜産局長の通達を出されておりますのは昭和五十二年八月十八日です。どうしてそういうことになるんですか。
  105. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) でございますから、五十二年の八月に出しました通達を五十一年の九月に起こった事態に遡及をして適用して——適用してと申しますか、遡及をして措置をするということは相当ではないというふうに考えておるわけでございます。
  106. 安武洋子

    安武洋子君 では、一番最初に、この指定団体におたくの方が期待なさることはどうなんでしょう。ここの通達の中にもありますけれども、「冷蔵牛肉は速やかに消費者の手に渡る必要のあるものであることから、傘下に食肉販売店を有し、冷蔵牛肉を適切かつ円滑に末端まで流すことが期待できる団体に対して売り渡すことが適当であるとの観点から選定されたものであることは」というふうなことで、こういう要件があるからこそ指定をなさったんじゃありませんか。こういう要件に満たなければ指定を取り消すこともあると、国会の中でも御答弁があるじゃありませんか。
  107. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) これはまことに遺憾なことでございますが、五十二年の八月の通達が出されます以前は——以前におきましても、もちろんその先生の御指摘のような期待を持って私どもはそういう団体をチルド牛肉の販売の相手先に選んだわけではございますが、そういう厳しい取り扱いをするということをしかと申し渡した上でやっておったわけではございませんので、その五十二年八月以前の事態につきましては、今後そういう事態の再発を防止するということに努めたいと思っておるわけでございます。
  108. 安武洋子

    安武洋子君 では、再発をしない善処というのは具体的にはどういうことなんですか。
  109. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) 一つは、市場の関係につきましては食品流通局長から御答弁があると思いますが、兵庫県肉連の方の問題といたしましては、従来兵庫県肉連がチルドビーフの配分を特定の組合員に偏っておったということを是正するために、兵庫県肉連加盟の各単協の代表者をもって構成される委員会において公正に配分を決めると、そういう手続をとることにいたしております。
  110. 安武洋子

    安武洋子君 私は質問の中でも申し上げましたけれども、こういう私が指摘したような不正なことが行われているのは、輸入牛肉の流通過程のあらゆる段階に、全国段階、県段階、それから単協すべてにわたっていわゆる平井ファミリー、こういう人たちが占めていると、だからこそ恣意的にこういう肉の横流しということがやられるんだということも御指摘申し上げているわけなんです。ここにメスを入れない限りこういう流通過程は正せないということを申し上げておりますけれども、じゃ一体この平井ファミリーに対してどういう措置をおとりになるんですか。
  111. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) でございますから、兵庫県肉連の肉が平井ファミリーに壟断されることなく、県肉連加盟の各単協の代表の意見が公正に反映される形で配分するように、配分の対策委員会において決めていくということにさせたいと思っておるわけでございます。
  112. 安武洋子

    安武洋子君 ただ単にそういうことで適正な配分がなされますでしょうか。というのは、どの段階にだってそういう一族が占めている、発言権をそこが持っているわけなんですよ。全国段階だってそうだし、県段階だってそうだし、私が質問の中でお渡ししたように、主なだけでも二十数団体の中にこういうふうに占めているということをお示ししましたでしょう。ここにメスを入れない限り幾らそういうことをおっしゃっても、いっときはそうなるかもわかりません。しかし、こういう人たちがいままで利権をほしいままにしてきたということに対して、単に指導だとおっしゃる。そして今後も単に協議会で適切にいけるように図るとおっしゃる、そういうことだけでうまくいくでしょうか。実際にいままでそういうことをしてきた人たち、あなた方が期待なさるというふうな肉に対して需割りということを基本的に否定するようなやり方をしたことについて、ただ単にいままでのことについては指導で済むんですか。私は大臣伺いたいと思います。そういうことでは大臣のいままでの疑惑を晴らして今後もそういうことが再び起こらないようにするということの担保にならないじゃありませんか。
  113. 中川一郎

    国務大臣(中川一郎君) 御指摘がありましたので、十分調査をし実態もつかみましたから、自後かかることのないようにしっかりしたことをやるということを答弁申し上げましたように実行しておるところでございます。これは統制物資、そういったものではございませんので、過去のしかも通達の出る前のあり方でございますから、今後過ちや間違いがないようにということが私の責任であろうと、こう思う次第でございます。
  114. 安武洋子

    安武洋子君 通達があろうとなかろうと、ではチルドビーフを需割りにしてお出しになる特定の団体を指定なさったという趣旨はどこにあるんですか。
  115. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) これは先ほど先生御指摘のございましたように、要するに消費者に届くチャンネルとして機能をすると、そういうことを期待してそういう適格性を備えておるというふうに考えられる団体を選んだわけでございます。
  116. 安武洋子

    安武洋子君 だから、まさにその適格性に外れるわけなんです。そのことについて厳しい指定をようおとりにならないというふうなことでは、幾ら今後適正にやると言ってもやれないわけでしょう。単にこういう平井ファミリーがいままで肉を恣意的に流して、そしてここで利潤を得てきているということは歴然としているわけですよ。ハム会社と組んで、ここで値段がつり上がっているということも私は指摘をいたしました。この点について、そういう安易な態度で農林省お済ましになるんですか。
  117. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) 先ほど申し上げました八月通達というのは、いま先生の御指摘の事態がそれ以前に起こっておりましたので、是正措置にとどめたいというふうに申し上げたのでございますが、今後八月通達の趣旨に反するような事態が起りますれば、私どもとしては厳しく対処する所存でございます。  それからもう一つ、兵庫県肉連の単協の代表者が集まっても、しょせん平井ファミリーの支配から独立し得ないではないかという御指摘がございましたが、もう一つ、これは兵庫県なり神戸市なりと御相談をいたしまして、神戸の卸売市場というののもう少し運営を適正化しなければいかぬということで、神戸の卸売市場の輸入牛肉対策委員会というのをつくりまして、これには神戸市もメンバーとして入っていただきまして、適正な運営を図っていくということもあわせて行う予定であるということを申し添えておきます。
  118. 安武洋子

    安武洋子君 いままで神戸市は入っておりますよ。しかし、ここで神戸市から入った人も役員会議の中からボイコットされるというふうな状態もあったわけです。  私は申し上げますけれども、私が前に御質問申し上げたときに、神戸市から事情を聴取するというふうなことでお答えになっていらっしゃいますけれども、私は買参人全部に公平に知らせるべきではないかということをお尋ねしたときに、神戸市に報告を求めると買参人に全部知らせておりますというお答えです。しかし、違いますね。これは一月の二十七日に神戸市が来てお答えしているのは、これは四月一日から全買参人にはがきで知らすとか、あるいは掲示をするとか、こういうことでその当時は知らされていないじゃありませんか。私が指摘したとおりに、あくまでも平井ファミリー一族にほとんど市場を独占されていると、そういう状態なのになぜうその御答弁をなさるんですか。
  119. 犬伏孝治

    政府委員(犬伏孝治君) 神戸市の卸売市場におきますチルドビーフの売り渡しにつきまして、あらかじめ売買参加者に広く周知をするということで、神戸市から前回お答えいたしましたように報告がございまして、広く知らしておるということでございましたが、その後、これをより一層的確に行うために、ことしの二月六日付で食肉市場売買参加者承認基準要綱を制定をいたしまして、業者指定についてより一層明確にするとともに、ことしの四月の売り渡し分から、予約段階におきまして、従来より一層徹底した予告掲示を行う。で、売買参加者に対しては、同時にはがきによりまして取引参加を呼びかける。従来は市場においてやり方が必ずしも徹底周知されるような方法でなかったということがその後判明をいたしまして、ただいま申し上げたような方法で、より周知徹底される方法をとるということになった次第でございます。
  120. 安武洋子

    安武洋子君 私は、私の一月三十一日の質問に対して不正確にお答えになっているということを指摘申し上げたわけなんです。そういうふうなごまかしをなさらないでいただきたいということなんです。  それからスーパーにいま輸入牛肉が大変流れていると、しかも、これはダイエー六十八店の五十二年の三月から十一月の九ヵ月で見ますと、事業団からは毎月フルセットで二十トンこれを仕入れているわけですね。しかし、調べてみますと、事業団以外の購入というのは、チルドのみを取り上げてみますと、プリマハムとか、日本ハムとか、日畜とか、丸紅とか、日商岩井、こういうところから二百七十三トンなんです。事業団からいっているのは全部合わせましても百八十トンなんです。こういうところから流れること自体が不正常なんですよ。ですから、以後はこういうことは絶対に起こりませんね。そうしてこういう本当に庶民が必要とするところには事業団の方からちゃんとお渡しになりますね、正規のルートで。いかがでしょうか。確認しておきます。
  121. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) 今後は、先ほど先生のお話にもございました八月通達のとおり、厳正に実施をいたす所存でございます。
  122. 安武洋子

    安武洋子君 厳正にといって、必要量はそういうところには出回ってまいりますね、正規のルートを通って、いままでのような不正常なルートでなくって。ですから値段も適正になりますね、そのことをお伺いしています。
  123. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) これは正常なルートで流れるようにいたしたいと考えております。
  124. 安武洋子

    安武洋子君 農林大臣にお伺いいたしますけれども、いままでの私の質問の中でいろいろとお感じだと思いますけれどもね、私は終始一貫平井ファミリーの問題を取り上げてきております。いままでこういうことをしていたという人たちに対して全然何のメスも入れないままで、改善をしました、うまくいきますと、こういうふうに御答弁を事務当局はなさっておられますけれども、農林大臣としても、全くこの人たちに対してはいまのままでおやりになるおつもりなんですか。
  125. 中川一郎

    国務大臣(中川一郎君) 肉の流れ方につきましては、他の食品と違いまして、歴史も浅く、いろいろ複雑なことがあったことは御指摘のとおりでございまして、しかし、それが全部悪いかというと、それはそれなりのむずかしい中にそれだけの任務は果たしてきたものだろうと存じます。したがいまして、間違った点あるいは不正な点はこれを改めるということで、要は今後消費者に適正な値段で行くということが確保されることがまず必要であろうと思いますので、今後厳重にやっていくことで対処したいと思います。
  126. 安武洋子

    安武洋子君 平井幸義氏が畜産振興事業団の審議会の特別委員を辞任されている理由は何です  か。
  127. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) 私どもの方では、一身上の理由としか伺っておりません。
  128. 安武洋子

    安武洋子君 では、伺いますけれども、平井幸義氏と息子の力氏、この方が公的な役職や農林省、それから畜産振興事業団ですね、こういうところの出資とか、あるいは補助団体、こういうところの役職についている組織がございますか、あったらお知らせいただきたいんですが。
  129. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) 農林省の役職は、先ほどお話のございました畜産振興審議会の委員だけでございましたが、これは辞任をいたしております。それから畜産振興事業団の理事、評議員そういうポストには一切ついておりません。それから畜産振興事業団から出資を受けております法人の役員になっているということもございません。補助の点につきましては、ちょっといま何ともわかりませんので、帰って調べてみます。
  130. 安武洋子

    安武洋子君 すぐお調べいただいて、資料をお出し願いとうございます。  それから、ついでに資料の件で申し上げますけれども、私どもはいままで再三再四いろんな資料の御要求を申し上げました。しかし、なかなか資料をお出しいただけない。その中には私どもが一月の二十五日以前に要求した資料、これすらもまだ出ていないのがあります。ですから、私はここで農林省に申し上げます。資料というのはすぐにお出しいただきたい。一つは兵庫県同和食肉事業協同組合連合会の組合員名簿です、単協名と。これは御要求申し上げておりますので御存じでしょう。それからもう一つは南畜の牛肉販売先、数量、これが三年間。三番目、農林省が補助金を出している食肉センター、との中で食肉加工メーカーが出資している食肉センター名、代表者名、所在地、出資額、お出しいただけますでしょうか。
  131. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) できるだけ出すようにいたしますが、できるだけと申しますのはちょっといまとっさのことでございますからあれでございますが、ひとつちょっとお断りをしておきたいと思いますのは、実はいまの同和食肉の関係でございますが、これは同和関係者の皆さんからはそういう名前を——これは何も食肉に限りませず、一般論としてそういうのは部落差別を助長するというふうな御批判が非常に強いものですから、そういうお名前を出すことの適否についてちょっと迷っておりますが、それ以外の点はもちろん喜んで御協力いたします。
  132. 安武洋子

    安武洋子君 迷われるといって、一月の二十五日以前からずっとお迷い続けで御返事いただけないというのはおかしいじゃないですか。なぜもう少し迅速に事を運んで、資料をお出しいただけないんですか。その点をはっきりしてください。一体いつまでに、そしてほかの資料もお出しいただけるのかと、この点についてもいつまでにお答えをいただけるのか、この席ではっきりしてください。
  133. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) 資料の提出のできるもの、できないものというのは、来週前半までにはお返事いたします。
  134. 安武洋子

    安武洋子君 いま私が申し上げましたように、私は南九州畜産興業株式会社、いわゆる南畜、この資料を御要求したわけです。ここは事業団が出資をして、それから農林省も補助金を出しておられる。そして、日本ハムの社長の大社義規氏が社長をしておられる食肉センターなんです。事業団が出資されている食肉センターというのは六つありますけれども、ここの中で、事業団が食肉加工メーカーと共同して出資をなさっているただ一つの食肉センターだと思うのですけれども、この資料を私は御要求いたしました。私はここで問題にしたいわけですけれども、この事業団の役員の中に、こういう大手のハム会社の社長さんである伊藤伝三氏、この方が非常勤にしろ理事になっておられる。業界の方が業界の利害にかかわるような問題を扱うところにおられるということは、大変問題があろうかと思うのです。あなたたちは、そういう利害にかかわる問題は知らせないようにしていると、こういうふうにおっしゃるかもわかりませんけれども、だれが考えたってそういう担保はないわけなんです。事業団と業界が癒着をしているというふうに見られても仕方がないんではないでしょうか。いろんな資料がなかなかお出し願えないのもそういうことではないかというふうに考えても仕方がないと思うのです。ですから、私は、こういう業界代表などは業者の利害にかかわるような問題、これが扱われるところからは当然除くべきだと、こういうふうに思いますけれども、これは農林大臣の御所見をお伺いいたします。
  135. 中川一郎

    国務大臣(中川一郎君) 私はちょっといま聞いただけでは判断に苦しみますから、専門家からお答え申し上げます。
  136. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) 御高承のとおり、畜産振興事業団は指定食肉の売買操作等、何といいますか、かなり商売の世界に入ります実務的な仕事をやっておりますので、そういう意味で、関係業界の実情に明るい有識者のお知恵もお借りしながらやらなければいけないという事情がございますので、そういう方が非常勤理事として参加していただくということは、私どもとしては必要だと思っているわけでございます。
  137. 安武洋子

    安武洋子君 入札価格などがこういう方に漏れる、そういうことだってあり得るわけでしょう。そういうことが漏れないという保証なんか全然ないわけなんですよ。ですから、私は大臣の政治判断を聞いているんです。こういう業界の方を業者の利害を扱うようなそういう団体に置いておくということはおかしいんじゃないかと、こういうことで大臣の政治判断をお伺いいたしております。
  138. 中川一郎

    国務大臣(中川一郎君) 漏れるか漏れないか、事務当局より答弁させます。
  139. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) その点は全然御心配をいただくに当たらないというふうに考えております。
  140. 安武洋子

    安武洋子君 心配をしていただくに当たらないと、こちらはそういう担保がないと言っているんですよ。幾ら非常勤にしろ漏らさないと言ったって、そういうことを扱うところで漏れちゃうということは、だれが考えたって常識なんです。だから除くべきじゃないかと言っているんです。そして、いま畜産振興事業団についても調整金の問題があります。この調整金の問題についても、本当に苦労されている畜産農家の方の役に立っているかという問題についてはたくさんの疑問が提出されているわけです。そのためにも私は南畜の資料を御要求したわけなんです。しかし、なかなかお出し願えなかった。ですから、私は、こういう問題も含めて、事業団の人事もえりを正さなければならない。国民の牛肉全体に対する疑惑にこたえるためには、農林省自身もえりを正していただかなければならないし、しかも、事業団の中にそういう業者代表というような人を非常勤にすら置いたら、だれが考えたって漏れないという担保はないわけなんです。事業団に対してもえりを正さすということをなさるべきじゃないですか。そのことがなければ、幾ら流通機構を正した、こうおっしゃっても、平井ファミリー一つにも手をおつけにならない、事業団のそういうことにも手をおつけにならない、これでは農林省の姿勢が疑われると思います。国民の大きな疑惑にこたえられない。大臣の一番最初の所信ともお違いになるんじゃございませんか。流通機構を正すということを目玉にすると、こうおっしゃった大臣なんです。ですから、私は大臣に御答弁をお願いいたします。
  141. 中川一郎

    国務大臣(中川一郎君) 牛肉が正しく消費者に渡されるということは国民的課題でもございますので、ただいま御指摘の点につきましては、えりを正すべきかどうかということについて、せっかくの御指摘ではありますが、ただいまの御指摘でございますので、判断はもう少し時間をかしていただきたいと存じます。
  142. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) ちょっと補足して御説明させていただきますが、入札予定価格等が議題になる理事会は、一切非常勤理事は排除して行われておりますので、その点補足しておきます。
  143. 安武洋子

    安武洋子君 何度も繰り返すようですけれども、それが漏れないという担保はどこにあるんですか、非常勤にしろその中におられるわけでしょう。ですから、私はそういう疑惑を招くようなことをすべきでないということを再三重ねて申し上げているんです。  時間が参ったようですから、私は、最後に指定店について、もっとこの指定店の枠をふやすとか、そして本当に皆が必要なところには正常に流れて、価格が正常にいくようにというふうなことでもっと御努力をしていただきたい。そして、今後こういうことの起こらないようにしていただきたいし、私は、さらに資料をいただきまして、こういう問題を追及してまいりたいと、こういうふうに思っておりますので、その点で大臣、いま、えりを正すべきかどうかわからないとおっしゃいましたけれども、そんなことはないと思うんですよ。ですから、ひとつこういう点、国民の疑惑を招かないようにという姿勢に立っていただいて牛肉問題を解明していただきたい。そういう決意のほどを伺って私の質問を終わらせていただきたいと思います。
  144. 中川一郎

    国務大臣(中川一郎君) 正しく肉が消費者に渡るという観点から正すべきか正すべからざるか、ただいま御指摘があった点についてよく調査をいたしまして判断をいたしたいと存じます。
  145. 安武洋子

    安武洋子君 そんなことをおっしゃったら質問をやめられないですよ、これだけ論議して。私の指摘したように、いままで牛肉が正しく流れていない。そして、私は、そういうのはいろんな機構的に問題がある、こういうことを言っていますでしょう。それに対して、えりを正すべきか正すべからざるか、また調査をしてと、なぜでしょう。国民の疑惑を招かないようにしなくちゃいけないということを言っているのに、そんなお答えをいただいて、私は質問をやめられないですよ。まだ資料がありますから、委員長のお許しを得て私はまだ質問を続けますけれども……
  146. 中川一郎

    国務大臣(中川一郎君) 前に質問要旨でもくれて、そうしてこの点についてというならばでありますが、ここへ来て急に、こういう人がこういうところにおって、これがどうだこうだと指摘されてすぐ判断できるとしたら、それは軽率な人で、私はそんな軽率な男でありませんから、研究をいたします。
  147. 安武洋子

    安武洋子君 きのう私の方は質問通告を申し上げました。質問取りにお越しにならないじゃありませんか。報告に来なさいといって申し上げても報告にもおいでにならぬじゃありませんか。けしからぬじゃありませんか。私は国会に参って、質問をするということで質問を取りに来てくださいというのに、来ないというお返事を聞いたのは今回が初めてです。ですから、そういう点を厳重に私は抗議を申し上げます。
  148. 佐野宏哉

    説明員(佐野宏哉君) 事実に反しますので訂正さしていただきます。私ども質問を取りに参上いたさせました。
  149. 安武洋子

    安武洋子君 お使いの方が来られただけですよ。私は南畜の件についてだけ説明に参りましたと。そうして、そのときに神戸の市場の件については調査中なのて報告できないから、安武先生の了解を得ておってくれ、こういうことでしょう。だから私はちゃんと質問を取りに来てくださいということを申し上げました。ですけれども、行けないと、こういうお返事だったじゃありませんか。そういうごまかしをなさるからだめなんです。そうして、いままでも中間報告でもいいから、何度も報告に来てください、そのことを申し上げました。それでも来られない。だから私はそういう姿勢こそ問題があるということを指摘申し上げたいんです。大臣、いかがお考えですか、こういうことは。
  150. 中川一郎

    国務大臣(中川一郎君) 行ったか行かないかは別として、その役員の人のことを前の日に知らしておったなんで言われても困ります。私がそのことは聞いておらない。ただいま聞いたばかりでございますから、いま判断しろと言われても困ります。今後は質問には十分答えるようにしたいと思いますから、行った、行かないの議論は別として、今後は十分答弁できるように事前にひとつ趣旨をお知らせ願えるようにお願いを申し上げておきます。
  151. 吉田忠三郎

    主査吉田忠三郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後一時五十七分散会      —————・—————