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政府委員(
大西昭一君) 第一点の
石狩湾新港地域への
進出希望、
先ほどもちょっと触れましたけれ
ども、昨年末の
調査では約百八十社ぐらいが
進出意向を持っておるということでございまして、このうち道内
企業は百五十でございますから、御
指摘のとおり大半は道内
企業でございます。
しかし、この百五十のうち約九十社は
札幌市内で操業しておる
企業でございまして、この百五十のうちの九十社が当
地区への進出を希望するということは、
先ほども触れました
札幌市の
都市機能の純化あるいは
高度化を図るという観点から、むしろ大変好ましいものであろうと考えられまして、道内の他
地域の過疎化につながることにはならない——これは
札幌市の中の移転でございますので、他の
地域での過疎化を
促進するとかいうようなことには少なくともこの九十社はならないだろうと考えております。
それから、その他の約六十社ばかりの道内
企業でございますけれ
ども、これも当
地域への進出の意図というのは、大半が
企業規模の拡張あるいは経営部門の多角化というふうなことを意図してこの
地域への進出を希望しておると聞いておりますので、これらの
企業の
立地に当たりましては、地方の過疎化を来たさないように十分配慮しながら対処していきたいというふうに考えております。
それから、先日閣議決定いたしました新北海道総合
開発計画では、御
指摘のとおり、地方の振興を一つの大きな柱として進めておりますが、それとの
関連におきましては、私
どもとしましては、
新規計画でも触れておりますように、
地域の特性に適合した産業の振興と適切な規模の人口の定住を図られるような総合
環境を形成するというふうな方針でおりますので、こういう基本方向に沿って、
先ほど申しました他
地域からの当
地区への進出に当たりましては、この点を十分配慮しながら、この基本線に沿って
立地誘導を図ってまいりたいというふうに考えております。
それから、第二点の
石狩湾新港と小樽港の関係、機能分担についてでございますが、現在
道央、これは広い意味での
道央でございますので室蘭、苫小牧を含みます。
道央圏における
港湾取り扱い貨物量は約七千万トンでございまして、それが六十年代前半にはその貨物はおおむね倍増するだろうというふうに私
どもで予想いたしております。そうしますと、既存の室蘭あるいは苫小牧、それから小樽等の
整備を
計画どおり進めてまいりましても、なお一千万トン
程度のものを新しい港に頼らなければいかぬというふうに考えられるわけであります。この分がいわば
石狩湾新港の果たす役割りになるわけでございます。ちなみに、隣の小樽港につきましては、現在取り扱い貨物が六百五十万トン
程度でありますが、これを約倍増に
見込みましても、
札樽圏における貨物を
処理するためにはどうしても一千万トン
程度の貨物を
処理する
流通港湾が必要になるわけでございます。
その性格につきましては、
石狩湾新港につきましては、これは
札幌圏を
中心としまして今後増大する物資流通等
消費財を
中心とした
先ほどの都市型
工業に直結する流通拠点としての役割りを
石狩湾新港に期待し、小樽につきましては、今日までの
投資によりまして大変恵まれた海域条件を持っておりますので、再
開発を進めながらさらに近代的な流通施設を
整備して、今日までも果たしてきた国際貿易港としての特性を持たして外貿貨物の取り扱いの拠点とするというふうな考え方をとっておりまして、そんな観点から、
石狩湾新港はどちらかと言えば
札幌圏に直結する
港湾であるし、小樽港はもっと広域的な勢力圏を持った
港湾だというふうな形で
整備を進めてまいりたいと考えております。