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1978-03-29 第84回国会 参議院 予算委員会第一分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年三月二十九日(水曜日)    午後四時二十二分開会     ―――――――――――――  昭和五十三年三月二十九日予算委員長におい  て、左のとおり本分科担当委員を指名した。                 糸山英太郎君                 亀井 久興君                 夏目 忠雄君                 鍋島 直紹君                 林  ゆう君                 宮田  輝君                目黒朝次郎君                 矢原 秀男君                 秦   豊君     ―――――――――――――    分科担当委員異動  三月二十九日     辞任         補欠選任     目黒朝次郎君     野口 忠夫君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     主 査         宮田  輝君     副主査         矢原 秀男君     分科担当委員                 糸山英太郎君                 亀井 久興君                 夏目 忠雄君                 鍋島 直紹君                 林  ゆう君                 野口 忠夫君                目黒朝次郎君                 秦   豊君    国務大臣        国 務 大 臣        (総理府総務長        官)        (沖繩開発庁長        官)      稻村左近四郎君        国 務 大 臣        (行政管理庁長        官)       荒舩清十郎君    政府委員        行政管理庁長官        官房審議官    加地 夏雄君        行政管理庁長官        官房会計課長   田畑 正夫君        行政管理庁行政        管理局長     辻  敬一君        行政管理庁行政        監察局長     佐倉  尚君    事務局側        事 務 総 長  植木 正張君    衆議院事務局側        事 務 総 長  大久保 孟君    裁判官弾劾裁判所事務局側        事 務 局 長  西村 健一君    裁判官訴追委員会事務局側        事 務 局 長  山崎 宏八君    国立国会図書館側        館     長  岸田  實君    説明員        大蔵省主計局主        計官       塚越 則男君        林野庁林政部林        政課長      後藤 康夫君        林野庁業務部業        務課長      高野 國夫君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○主査及び副主査互選昭和五十三年度一般会計予算内閣提出衆議  院送付) ○昭和五十三年度特別会計予算内閣提出衆議  院送付) ○昭和五十三年度政府関係機関予算内閣提出、  衆議院送付)     ―――――――――――――   〔年長者夏目忠雄主査席に着く〕
  2. 夏目忠雄

    夏目忠雄君 ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。  本院規則第七十五条により、年長のゆえをもちまして私が主査及び副主査選任につきその議事を主宰いたします。  これより正副主査選任を行いますが、選任は投票によらず、主宰者にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 夏目忠雄

    夏目忠雄君 御異議ないと認めます。  それでは、主査宮田輝君、副主査矢原秀男君を指名いたします。     ―――――――――――――   〔宮田輝主査席に着く〕
  4. 宮田輝

    主査宮田輝君) 一言ごあいさつを申し上げます。  ただいま皆様方の御推挽によりまして、矢原秀男先生が副主査に、私が主査選任されました。皆様方の御協力のもと、職責を全ういたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。  審査に入るに先立ち、議事の進め方についてお諮りいたします。  本分科会は、昭和五十三年度一般会計予算昭和五十三年度特別会計予算昭和五十三年度政府関係機関予算中、皇室費国会裁判所会計検査院内閣総理府本府、行政管理庁防衛庁沖繩開発庁法務省及び外務省所管並びに他分科会所管外事項審査することになっております。  本分科会は、本日より四月一日午前中まで審査を行い、四月一日午後の委員会において主査の報告を行うことになっております。  なお、本二十九日は行政管理庁及び国会、明三十日は外務省及び防衛庁、明後三十一日は会計検査院内閣皇室費総理府本府及び沖繩開発庁、四月一日は法務省及び裁判所という順序で審査を進めてまいりたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 宮田輝

    主査宮田輝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記をとめてください。   〔速記中止
  6. 宮田輝

    主査宮田輝君) 速記を起こしてください。     ―――――――――――――
  7. 宮田輝

    主査宮田輝君) それでは、昭和五十三年度総予算中、皇室費内閣総理府本府、行政管理庁防衛庁及び沖繩開発庁所管を一括して議題といたします。  政府からの説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 宮田輝

    主査宮田輝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、これより行政管理庁質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  9. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 予算一般質問も大分時間がかかっておくれたようでありますから、私の方でも議事に協力する意味で、四十分の時間になっておりますが、できるだけ要領よく短時間で終わりたい、こう思っております。  長官、今度の国会農林省設置法改正案政府から提案されまして、農林水産省という省名の変更と、それから営林局廃止縮小、こういう提案がされておるわけでありますが、この提案の骨格についてまずお伺いいたします。
  10. 辻敬一

    政府委員辻敬一君) ただいま御指摘がございましたように、今回農林省設置法改正法案を御提出申し上げまして御審議をお願いしておるわけでございますが、その骨子は、農林省の名称を農林水産省へ改める。それから、二百海里時代に対応いたしました水産庁機構の再編成を行うことといたしまして、水産庁振興部を設置するというようなことでございます。  一方、ただいまお話がございましたように、営林局機構につきまして改正合理化をいたしたいと考えております。北海道営林局再編整備を行いまして、四営林局――旭川、北見、帯広、函館につきましてはこれを支局といたします。一方、札幌営林局北海道営林局と改称してこれに統合する、かようなことを内容としているわけでございます。
  11. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうすると、水産の方は別枠として、当面、いまお話があった北海道の四営林局支局への格下げ、というかどうかわかりませんが、それから北海道営林局の創設、これで定員上どれぐらいの人員削減を考えていらっしゃるんですか。
  12. 辻敬一

    政府委員辻敬一君) 定員の問題につきましては、御承知のように、かねてから定員削減計画等によりまして合理化を図っているわけでございます。したがいまして、北海道の分でどのぐらいかということは、その合理化計画の実行でございますので、そのうち北海道にどのぐらい配分をいたしまして減少いたしますかということは、主として林野庁当局において取り扱われることでございます。御相談がございましたら、私どもといたしましても十分御協議申し上げたいと考えております。
  13. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうすると、林野庁の方ではどういう試算をしておられますか。
  14. 後藤康夫

    説明員後藤康夫君) ただいま、御承知のとおり農林省設置法の一部を改正する法律案提案をいたしております。この法律案の成立を待ちまして、私ども支局化いたします四局と、それから機構拡充をいたします現在の札幌営林局の部、課、係の中身を詰めまして、具体的な定員配分を決定をいたしたいというふうに考えておりますので、現在のところまだ検討中ということでございます。  ただ、申し上げておきたいことは、一方におきまして札幌営林局機構を充実をいたしまして、四局を支局化してある程度組織を簡素化するということにいたしておりますので、支局になります四営林局から札幌営林局に対しまして数十名程度の定員内職員の配置がえと申しますか、異動が必要であると見込んでおりますけれども、今回の措置によりまして、直ちに非常に多くの職員縮減を行うということにはならないであろうというふうに考えております。
  15. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうすると、行管の方ではまだわからない、林野庁の方でもいまから作業で、わからない。ということは、裏を返せば、この農林省設置法提案した段階で、具体的な定員措置というものについてはまだ触れていないと、こういうふうに理解をしていいんですか。どの段階で、どういう手続をとって定員の問題に関する措置をするのか。時間と時期と方法と、この三つについてぜひお聞かせ願いたいと、こう思うんです。
  16. 辻敬一

    政府委員辻敬一君) 定員の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、計画縮減等をいたしまして削減をいたしておるわけでございますが、もちろんこれは、いわゆる出血整理を前提とするものではございません。欠員発生の範囲内におきまして定員削減するわけでございます。  それから、それに伴います実際の人事でございますとか、職員の転勤問題でございますとか、そういうことにつきましては、林野庁当局におきまして、これからきめ細かい配慮をされて円滑な実施が行われるのではないか、かように考えております。  それから定員措置の方は、例年そうでございますけれども予算を成立さしていただきましたならば、政令措置をいたしたいと考えております。
  17. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 その政令措置する際の具体的な査定といいますか、人数の設定といいますか、それはどことどういう手続をして決められるのですか。
  18. 辻敬一

    政府委員辻敬一君) 国有林野事業につきましては、五十二年度末定員が三万五千八百二十九名でございますが、それから削減五百二十五と、別途定員で一条への振りかえが二十五名ございまして、合わせまして五百五十名を削減いたすことになっております。したがいまして、五十三年度末定員は三万五千二百七十九人になる。それの地域的配分につきましては、先ほど来申し上げておりますように、林野庁当局においてこれから十分検討される、こういうことでございます。
  19. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 念のため確認しますが、現在三万五千八百二十六、これを、五百二十五、さらに振りかえが二十五で五百五十の減。そうすると、来年度段階で三万五千二百七十九となる。この五百五十の具体的な配分については林野庁の方に任しておくと、こういうふうに理解していいんですか。
  20. 辻敬一

    政府委員辻敬一君) 五十二年度末定員は三万五千八百二十九でございます。あとはただいま御指摘のとおりでございます。
  21. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうしますと、私もまあわからないんですけれども、これは最初の作業林野庁中心作業をして、農林省の方の承認を得て、そして行管の方にいったと、こういうスケジュールなわけですが、その組み立て方が。この問題の発議が、林野庁の方で発議をして、農林大臣の了解を得て、そしてあの法案をつくって、そうしておたくの方にこれをお願いすると、こういう形になった。この問題の発想の出発点林野庁と、こういうふうに考えていいんですか。
  22. 辻敬一

    政府委員辻敬一君) 定員査定に当たりましては、当然林野庁当局からいろいろな資料の提出を受けまして、これに基づきまして審査をいたしまして、ただいまの数字を出すわけでございます。  それから、法令上の措置政令は当庁で所管をいたしておるわけでございます。
  23. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうしますと、やはりこの問題の出発点というのは林野庁にあると、こういうふうに理解をして、林野庁にお伺いするんですが、これは昭和四十六年五月ですね、農林水産委員会衆参両院を含めて、「林業振興に関する決議」をされておるわけでありますが、この決議の中で、山は荒れている。したがって早急に山の緑を回復するために人と金を措置しながらやっていく。それから、やっぱり日本林業の問題は外材の輸入にある。したがって、外材の問題については十分に調整するような努力をする。それから、民有林に対しても問題がある。こういう三点ぐらいが大体林業振興決議の筋道だとこう思うんですが、この決議といま提案されておる営林局廃止縮小あるいは機構改革という点とどういう関係があるのか、ひとつ林野庁の方から聞かしてもらいたい、こう思うんです。
  24. 高野國夫

    説明員高野國夫君) 国有林仕事の中で、造林事業という分野につきましては大変大切な分野であるというぐあいに私どもかねがね考えているわけでございます。したがいまして、将来にりっぱな森林を残したいという趣旨から、健全な森林の造成をしていきたい、こういうことで、予算執行等につきましても努力をいたしておるわけでございます。で、具体的には伐採跡地の更新でございますとか、それから下刈りつる切りといいますような保育の仕事でございますとか、さらには病虫害の予防、こういったことにつきましても努力をいたしているわけでございます。  ただ、最近国有林財政状態が大変厳しくなってきておりまして、昭和五十一年度から財政投融資資金をお借りをいたしまして仕事をするようになり、さらには今国会で御審議をいただいております五十三年度予算の中では、一般会計からお金を繰り入れをいたしまして造林仕事にもつぎ込んでいきたい、こういうような考え方で現在いるわけでございます。そういった考え方で、今後とも財投あるいは一般会計といいますような外部資金にも力をかしていただきながら仕事を進めていきたいと、こういうぐあいに考えているわけでございます。そういった観点から見まして、林業振興決議の中でなされました国有林造林問題につきましても、私どもなりに努力は続けているという考えでいるわけでございます。  それから、いま先生指摘ございました外材との問題があるわけでございますが、これは国有林民有林通じまして大変大きな問題ということで、重要な林政上の課題の一つと、こういうことで認識をいたしておりまして、昨年の秋以来林野庁の中に検討組織をつくりまして、鋭意検討を加えている段階でございます。できるだけ早い段階におきまして結論を得まして、外材問題のいわばコントロールをどのようにできるかと、そういった点について結論を見出しまして、日本林業外材との競争の中で発展していく道を見出していきたいと、このように考えている次第でございます。
  25. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 私は、この林業振興決議の問題と、林野庁が現に考えて行おうとする林政との間に大きなずれがあるんじゃないかというふうな気がするんです。行管長官材木専門屋さんだそうでありまして、いろいろこの前問題なども聞かしてもらいましたが、しかし、私は機会がありまして屋久島から北海道の果てまで、裏日本、表日本国会議員の中で私くらい山に入った男はいないというくらい私は、まあ選挙の問題も含めて、山を歩いてはおるんですが、率直に言って私みたいな素人が、非常に下刈りもしてあって、間伐もしてあってりっぱなところだなというところは大概民有林であって、もう枝ががたがたになっておってキツネでも出てくるような山は、大体ここは国有林だなと、こうわかるんですよ。これはね、やっぱり私は、同じ木であれば、まあ人間もきれいな女に育てるように、せっかく土地に植えた木は、民有林のようにすくすくといい木に育てられて、国民に利用されるということを木は望んでいると思うんですよ。私は、裏を返せばやっぱり林業振興ということは、国有林やり方が悪いのか人手が足りないのか、問題があるのか、そういう点について林野庁皆さんたちはどういう認識を持っていらっしゃるのか、ぜひこの際見解を聞かしてもらいたい。われわれ素人にも民有林国有林の差がわかるような林業の指導というのは一体どういうことなのか、ひとつ見解を聞かせてもらいたいとこう思うんです。
  26. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 目黒さんの御質問、大変的確な御批判でございます。山の経営に当たっては、まず伐採能率を上げること、それから木を切った後にどういう樹種を植えるかというような問題、第三番は、営林局がやっているんだからもうからないでもいいというわけではないと思うのです。  これはちょっと林野庁の人には耳が痛いかもしれないが、どの営林局も実際は、特に北海道は欠損なんです。これはもう経営については、きょうは議会ですから余り深刻なことも言えない。が、しかし、本当に何というか、経営根本を入れかえなければならないということ。そういう点からいたしまして、まずどうしたらいいかということ。まあ私も去年の暮れからですからまだこの方法がいいという目標はあいませんが、国有林がなぜ欠損するか。国有林が何で損するかというと、材木の売り方も何もまことにお役所仕事なんです。私も戦争中材木屋をやりまして、埼玉県の県木もやるし地方木材もやったんですが、材木埼玉県で定りなければ北海道へ行って買ってくるんです。そして売るというようなことをやりました。半数はこれは濶葉樹ですね。ところが、杉やヒノキのような針葉樹は、柱になるとか板になるとかいたしまして、これは売れ行きは非常にいいんです。いまでもそうです。しかし濶葉樹の分は、よほど上手に売らないと、売り切れないで何年も、何十年も材木が山をなしているんです。これは、商売人であれば、柱を何寸角の柱、板はどれだけのものをと、こう注文に来たときに、いやこればかり買われちゃ困るよ、こっちの方も買ってくれろということで、材木屋商売人ならそういうやり方があるんです。柱や板を買いに来れば、濶葉樹のものもまあ二割や三割持ってってくださいよというやり方がある。ところが、言い方はまずいかもしれないが、お役所仕事ですから、買いに来て注文を受けたやつだけ売っているんですよ。ここいらが私は経営がまことにまずいと思うんです、本当に。はっきり言えば、商売人から言えば零点です。  そこで、そういうことの統括的な指令をするように、林野庁次長をつくって、そして統括的な根本策を講ずべきだというので、まず次長をつくる。それから、全国に十四カ所の営林局がありますが、そのうち北海道は五つあるのです。そのうちのいわゆる本部北海道本部というようなことで、道庁所在地本部を置いて、あとの四カ所は支局にする。そうして、伐採方法も植えつけもその北海道のいわゆる本部で上手に指令をするようにする。それから販売方法なんかも根本から改善すべきだというようなことで、だんだん相談しましてこういう案をつくったわけです。これが果たして満点にいくかどうかわかりませんが、いま目黒さんのおっしゃるように、北海道へ行っても、個人の持っている山はりっぱに真っ黒になっている。どうも国有林の分に行くと、虫食いですね、山のところどころに木があったりなかったりするようなところがあって、それで濶葉樹の分は丸太が腐ってしまいはしないかと思うほど、何十年も野積みになっているようなところがあります。  だから、いま御指摘のように、今度のはあながち人員整理をするというのが目的じゃないのですよ。いかにしたら林野庁、いわゆる営林局能率、効率を向上できるかということでこういうことを相談したわけです。減らしてしまうというのが目的じゃないんです。あくまでも能率を上げるためにやろうじゃないか。まあ言葉はまずいかもしれないが、ひとつ道庁所在地師団司令部を置いて、そして支局へ一々こういうような指令を下せるようにしてもっと能率を上げることを考えなくちゃならない。  それから、外材が大分安いものも入ってきたしいろいろ入ってきますが、やり方によれば私はそんなに心配はない、もっと営林局本来の能率を上げるような方法をすれば改善が十分できるんじゃないかと思うのです。  まずそんなことを考えてこんな案をつくったわけですが、どうぞひとつよろしく御審議をお願いいたします。
  27. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 商売のやり方についてはそれなりに傾聴に値する方法だと思いますから、それはそれとしてまだ検討の余地はあると思うのですが、札幌に置くと、そういうおたくの話があったものですから、じゃ札幌の現営林署自体がどういう山の管理をしているのかという点ですが、悪いことを言えば、国道筋から見える山は国有林でもきれいです、国道筋は。ところが、最低三十キロぐらい入ると、どういうわけかね、国民に見せるべからざるようなはげ山があっちこっちにあるのですね。私はこの前、昨年十一月の十九、二十日行ったんですが、約四十キロ入って見ました。札幌営林局皆さんが、もう雪もありますし道路も悪いし先生遠慮をしたらどうですかと、事故でも起きたら大変ですからと、御親切に配慮をしてもらったんですけれども、やっぱり見ないとしようがないというので、土砂崩壊が三カ所ありましたが、おりて、私も含めて、土を払ってそして行ったんですがね。奥定山渓担当区百六十一班、これは代表ですが、ここに行くと、昭和三十五年に十四万三千六百本植えた。ところが、現に残っているのが一万四千本、それも私みたいな東北人で、小さいうち米を余り食わなかったものだから、何というか、成長不足というやつかね、成長不足の木が、こんなのもあればこんなのもあれば、一万四千本、十分の一。果たしてこれが育つかと言って営林署に聞いたら、さあ自信がないですねと。ですから、現に一万四千本あっても何年かたつと半分ぐらいになってしまう、こういうことなんだね。どうしてこうなったんですかと、いろいろ聞いたんですがね、結局国民には見えないからわからないですよ。われわれが入って行って初めて現地を見たんです。そういう林班区を全部で三十何カ所ですか、苫小牧営林署定山渓札幌営林署室蘭営林署をずっと見てきました。結論は、なぜこうなったんだろう。このままでおったら札幌の水も危ないです、これは。あのままでやったら、洪水になるか渇水になるか。それから、私はこの前の石狩川のはんらんについても行ってみた。そうすると、ずっとブルドーザーで山の中を荒らしておってね、それで雪が解ける、大水が来る、ばあっと石狩川に行ってはんらんしちゃった。そうしますと、私は、いま国有林を含めてそういうあっちこっちにはげ山が大分ありますから、これにやっぱり植林をする、そういうことをしないと、あれはもう長官のおっしゃるとおり二十年三十年かかるんですからね、成長するのに。私はそういう点ではもう林野庁が総点検をして、これらの問題について、やっぱり造林すると、そういうことが私は今日一番大事ではないか。これは農林大臣もこれは認めざるを得なかったね、現実に。じゃ、だれがどういう植え方をするかということになりますと、やっぱりそれを管轄している営林局営林署、この方々が相当綿密な調査をして、そして計画的に、段階的に三年なら三年、五年なら五年、そういう計画で私は植える必要がある、こう思うんですよ。北海道厳寒地で寒い、とても雪も多いというところであればあるほどそういう措置が必要だ。  そうしますと、長官、ここからちょっと見解が違うんですがね、札幌営林局が、自分のところの営林局満足にできなくて、今度は稚内の方から函館の裏の方から、現に自分のことさえも満足にできない機構がほかの管理を、全道をやるということは、言うにやすくなかなか実際的には私は不可能だと。だから、長官の言うとおり、販売面とか運用面とかという点はそれなりに十分な監督をするとしても、いま北海道に必要なのは、そういうはげ山をどういうふうにして調査をして植えるための努力をするかと、そういうことも私は必要ではないかと、こう思うんです。そういう点で、私は今日の段階で、四十六年の国会決議から踏まえていくと、ここで北海道営林局廃止をして支局にして云々という点は、人減らしにはなるけれども、本来の山づくりの問題にはならない、むしろ逆行すると、そういうように考えて、どうしてもこの面では、現に山を歩いてきた私としては承服できないと、こういうように思うんですよ。これは長官林野庁の両方に、私は現にこの目で見て承服できないと、こう思うんですから、御検討をお願いしたい、こう思うんです。
  28. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) おっしゃるとおりでございまして、よく山を見てもらって大変ありがたいことだと思うんですが、まあ比較的交通のいいところはかなりよく植林がありますが、中へ入るとおっしゃるとおりです。そこで、私もちょうど二十年ぐらい前に建設政務次官というのをやりまして、北海道で風倒木で、大変な大荒れがあったことがあります。農林政務次官と私がヘリコプターで回ったことがあります。それはもう想像外でありましてね。まあこんなことで、実際治山治水ということの鉄則から考えて、これでいいのかということで驚いたことがあります。その後も二度ヘリコプターで方々を回って見ました。植林についてはまさにおっしゃるとおりでございまして、このままで置いたらそれはもう大水害も起こる、それから山崩れも起こるというようなことを痛切に感じております。  それからもう一つは、どうも寒いところでありますから、いろいろ地層とそれから樹種関係で適地適作ができておらないということで、ひとつ思い切って司令部のようなものを置いて、そこで山をヘリコプターで回って見るように、そうして適地適作をやろうと、植林を第一に考えておる。そうして、いま林野庁にこれからいろんなことを頼もうと思いますが、三年や五年の計画じゃだめなんです。まず三十年から五十年計画で、そうして北海道を真っ青にする、北海道の山を全部真っ黒にするという計画を立ててもらうような案を注文してあるわけでございます。おっしゃるとおりで、交通のいいところは青くなっておりますが、交通の悪いところはもう虫食いで、ひどいところは全部枯れたままになっているところがあります。ですから、こういうのはやっぱり前線の働きよりその指令を下す方のやり方がまずいと、そう私は判断をしております。したがって、ひとつぜひ司令部で、ここにはこういうものを植えるがいい、ここにはこういう植え方をするがいいというようなことをひとつしっかり林野庁でやってもらうというところで、林野庁の中へ次長をつくって、その方は植林について徹底的に力を注いでもらうということです。それから、札幌の方は道庁所在地でもありますから、そこを司令部にいたしまして、そうしてひとつはげ山のないような、しかもこの地区にはこういう木を植えるというような指令を下すというようにしたいと思っております。しかし、全部なくしてしまうわけじゃないんで、支局にいたしまして、そこでやりますから――少しどころじゃない、うんとおくれておりますが、ひとつ今度は徹底的な植林計画をそこで立てる、そうして連絡を密にすると、こういうふうにしてみたいと考えておるわけでございます。
  29. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 かけ持ちの委員会なものですから、向こうが待っていると言いますから、なお引き続いて農水委員会なりで林野庁の方の考え方など聞きたいと、こう思っておりますが、ただ一言。  私も国鉄なんですけれども北海道は現在四局あるんです。あれを一回統合して北海道総局にした、いわゆる要員の削減能率化と、いろいろやってきたのだけれども、やっぱり北海道は広いということでまたもとに戻っちゃって、現に四つの管理局に変わっちゃった。そして総局はありますけれども、これは本当の四局の連絡調整機関、いわゆる長官の言うようないろんなアドバイスを与えるという連絡調整機関に、もとの機構に変わっちゃったんですよ。それはやっぱり北海道は広大だ、とても管理の手が届かぬという生きた経験が国鉄にありますから、それらの経験なども十分参考にして、慎重な配慮をお願いしたいということだけ要望をいたしまして、いま第五の方に声がかかりましたから、終わります。
  30. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) ありがとうございました。
  31. 宮田輝

    主査宮田輝君) 以上をもって目黒朝次郎君の質疑は終了いたしました。  次に、夏目忠雄君の質疑を行います。
  32. 夏目忠雄

    夏目忠雄君 きょうは荒舩長官がおいでになるということで、それじゃというので、予定外の飛び入りなんですが、時間が二十分しかありませんから、主として私がしゃべりますから、大臣はときどき相づちを打ってくだされば結構です。  えらい時期に行政管理庁長官を引き受けられたと思うんですが、もういまの国・地方を通じまして、こういう財政ですから、一度財政整理の時期は一、二年のうちには必至でございまして、その場合に、やはり大前提として、国が行政整理を積極的にやらなければ、これはもう国民の納得が得られっこないことは御存じのとおり。いまのお話をお聞きしましても、出血を前提としないんだなんというなまぬるいことを言っておられるんで、私は出血を予定しない行政整理ならやらぬ方がよっぽどましだというぐらいに考えておるんですが。そこで、すぐ出血するかしないかはこれまたその次に続く人事政策の問題ですから、直ちに出血するということはなしにしましても、とにかく現在の私が見ました国のこの行政には非常に大きなむだがある。そのむだを整理することによってと、こう思うわけです。  で、行政整理といいますると、農林省水産省と何とかという中央の、経済エネルギー省ですか、そういうようなのと、それから国の出先機関、これを整理される。この国の出先機関の整理は相当長官がおやりになったんで多といたしておりまするが、まあそんなことよりも、私が国会に出てきましてつくづく感ずるのは、国の機関が膨大過ぎてちっとも小回りがきかないから、いざというときちっとも身軽に適時適切の政策が打てない。これはもう膨大になり過ぎている。なぜ膨大になっているかというと、現在の事内政に関しましては、国・県・市町村、完全に三重行政になっている。これはもう本当に私はいろんな例で、いままで農道の問題を取り上げたり、保育所の問題を取り上げたり、学校建設の問題を取り上げて、いかに三重行政になっておるか。市町村でもって計画をすっかり立てておぜん立てを立てる、県の方へ行ってそれを順位をつけてあれをする、国へ持ってくると国でまたイロハのイからやり直しをして、そうしてああでもないこうでもないというくだらぬ注文をくっつけて、もしくはくだらぬあれをくっつけて微に入り細にわたって干渉して、そしてこうでもないああでもないと言う。私が市長時代に、よく例を出すんですが、農道なんか、あれは市町村に任してくれれば何層倍効率的にその金を使うか。農林省のお役人は市町村の農道のことがわかるはずがない。で、一番住民の身近なところで行政処理をなるべくやっていく。上の方は監督だけする。少なくとも監督はせにゃいかぬから、監督機関として徹してもらう。  そうなりますると、私が見まして文部省の学校建設なんかずいぶん大ぜいいるけれども、あれは何百人という人が要らなくなりますよ。保育所へ行ったって、私は保育所の方の係は確かに三十人ぐらいおられますが、大蔵省と折衝して予算をとるのは四、五人で、あとはみんな鉛筆削って、この保育所はちょっとでか過ぎるとか小さいとか、そんなようなことばっかりおやりになっている。そういう完全に三重行政になっているのを、まあ三重行政になってない部分もありますから、全部とは言いませんけれども、相当部分が三重行政になっているんですから、これを一重に直して、そして国なり何なりは――長官逃げられちゃうんですか。
  33. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) いえ、すぐ参ります。一分で済みますから、続けて。
  34. 夏目忠雄

    夏目忠雄君 ああそうですか。じゃ、ちょっと休憩します。
  35. 宮田輝

    主査宮田輝君) 速記をとめてください。   〔速記中止
  36. 宮田輝

    主査宮田輝君) 速記を起こしてください。
  37. 夏目忠雄

    夏目忠雄君 四十年の臨時行政調査会でもって一応結論を出した。だけれども、その後ほとんど実績は、聞くまでもない、私はよく知っていますが、枝葉末節の問題は相当整理は進んだけれども根本になるものは何一つ進んでおらない。  で、私はさっきの三重行政というものを直すには、国と地方との事務配分をはっきりするということなんです。しかしこれはもう何十年やってきたけれども、少しも進まない。で、昭和四十年のときの臨時行政調査会で出した結論は、いまの、今日の目から見ると非常に非今日的なんだな。その後もう補助金行政がだあっと出てきているものだから、補助金行政が進んじゃっているから、あの昭和四十年の、精神はいいけれども、四十年のやつはもう非常に時代おくれになっている。で、長官ね、お留守のときに、私は、三重行政を直すにはやっぱり国と地方との事務配分をきっちりする、これが私は行政整理の一番大きな眼目だと思うんですよ。新しい省が一つふえた減るなんていう問題よりは、国と地方との線を引っ張って事務配分をはっきりする、これが私は行政整理の一番大きな眼目だ。ことにこれからは地方自治というものを、生活優先というものが政治の大きな題目になってくる以上は、もう地方自治をできるだけ育てる、強くする、これをやらなきゃいかぬと思うんで、それについては、昭和四十年のではちょっと古いんで、私は、補助金行政の見直しを中心にした国と地方との事務配分をおやりになる御計画をぜひ持ってもらいたい、こう思うんです。  きょう持ってきませんでしたが、あそこの補助金要覧というのがありますな、こんな厚い。あれなんかちらっちらっと見ると、もう実に噴飯にたえないんですよ。たとえば一例だけ申し上げますと、定時制高校や通信高校の生徒に助成を出すというのはみんな出ている、予算に。くだらぬことをやっているなという感じですよ。それで、それも二分の一補助、三分の二補助、やった市町村にはそれだけ国は出す、やらないところには出さないというんだから。全国の定時制高校や通信高校生の援助制度なんだ。それをおやりにならなければいけないと国が思ったら全額国の事業としておやりになればいい。市町村にお任せするということになれば、市町村に補助金までひっくるめてあげちゃって、あと監督だけおやりになる。こういうふうに、三重行政を断ち切るには、補助金を中心として、あの厚い本を私実は一人でやりかけたんだけれども、一人であんな厚い本をやったってとてもじゃないがらち明かない。幸い行政管理庁の方はたくさん人手がおありのようだから、あの補助金行政の見直しということを主軸として、そしてこれは国でどうしてもやらなきゃならない事業だ、これは市町村でもってやった方が適切だというのをぱっぱぱっぱと区分けする作業をおやりになることを切に望んで、一応私の最初の話は終わりますが、大臣ひとつ。
  38. 辻敬一

    政府委員辻敬一君) ただいま御指摘のございました国と地方との行政事務の配分の問題これはきわめて重要な問題であるわけでございます。先ほどお話が出ておりました臨時行政調査会の昭和三十九年の答申の中にも、行政事務の配分に関する意見がございました。私どももこれに基づきましていろいろな改革を進めてきたところでございます。臨時行政調査会の指摘事項のうち約半数は実施に移しているところでございます。なおまた今回の行政改革におきましても、主として許認可の整理合理化という面からこの問題を取り上げておりまして、国の機関から都道府県知事への権限委譲を推進することにいたしております。合計二十八事項について行うことにしているわけでございます。  それから補助金の問題も、これも大変重要な問題でございますが、御承知のように一つは補助金の整理合理化、これは今回御審議をいただいております予算におきまして、五十三年度千四百二十二億円の整理合理化を行っているわけでございますが、なおまた事務手続の改善につきましても、いろいろ申請、交付、精算等の手続が複雑になっておりますので、これを見直すことにいたしておりまして、近く成案を得て整理合理化を進めていきたい、かように考えているところでございます。
  39. 夏目忠雄

    夏目忠雄君 比較的抵抗の少ないやつはおやりになっていることは私も認めます。ところが、ちょっと抵抗の強いやつには手も足も出ない。  たとえば一例だけ申し上げますと、昭和四十年のあれには、百貨店なんかのあれは県知事の方へ移管しろと書いてある。ところが今日に至るまでも、私はいま大店舗法の改正のあれを一生懸命やっていますが、通産省はなかなかうんと言わぬ。ところがこれがこっけいなんで、もうあのときに千五百平米以上は通産大臣が許可するというふうになっているんだが、地方の都市によっては二千平米だって結構ですというところも、いまはもうないけれどもその時分はあった。二千平米だってぜひ来てくださいという都市もあるし、一千平米以下でもおれの都市はもういっぱいだから困るという都市もあるし、いろいろあるんで、そういうことが一番わかるのは現地の地方自治体の長なんです。ところが、これが通産大臣の権限というふうに書いてあるもんだから、おれの方で言えば長野市なんかまだいい、名古屋といろいろ取引があるから。ところがちょっと奥へ入った飯山だなんとかというところは、さあ百貨店が出てくるわ、ごたごたが起きるわと言ったって、県庁の商工部長のところへ行ったって話が全然通じないで、名古屋の通産局へ行くんだ。通産大臣と書いてあるけれども、実際には名古屋の通産局。名古屋の通産局のやつが長野の奥の町の事情なんかわかりっこない。  で、私はどうしても思い切って、荒舩さんにお願いしたいんだが、思い切っていろいろな権限をくっつけて、補助金までくっつけて地方の方へお任せをするというような心組みで私は行政整理に当たってもらいたい、こういうふうに思うんです。いかがでしょう。
  40. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) おっしゃるとおりでございます。もうおっしゃるとおりです。私も若いとき村長を九年やりまして、幾らかそういう状況はわかっております。国の機構というものがもう少し合理的に簡単にできないものかということをつくづく考えております。ですから、二重行政、三重行政といいますが、その上に反対と賛成とめちゃくちゃにあるんです、それは。そういうときに、さっきもおっしゃるとおり行政管理庁なんという仕事を仰せつかって、実は大変なことだと私は思っております。けれども、だれかがやらなくちゃならない。それで、まあ悪役ですが、悪役をやるわけですが、やっぱり地方に、いわゆる町村に任すべきものは一括してこう持っていけば能率が上がるんですよ。だけどいまの国の制度からいったら、そんなことをすれば大変なことになるんで、まあ順次御趣旨に沿ったような、気持ちの上から言えば全く同じですが、努力をしてみたいと考えております。
  41. 夏目忠雄

    夏目忠雄君 私も大変なことだと思っていますから、なかなか補助金を中心にしましてこうやって分けてみましても、作文とあれはできるでしょうが、いざ実行に移すときに大変なかなか困難が多い。  で、私はもうしようがないですから、ねらい打ちをひとつやろうじゃないですか、ねらい打ちを各省の中で。私に言わせれば、農林省だったら農道なんか一番いい。建設省なら地方道の問題、文部省なら学校、厚生省なら保育所、幼稚園、こういったもののどれか一つをねらい打ちして、百貨店がいまちょうど先生御存じのようにそうなりつつあるわけなんだ。あれも二審制度、いまの改正案なんですが、一審は県知事でやって、それに不服なのが通産大臣というふうにいま練っているわけです。あれも私は二審なんかの必要はないけれども、なかなか一遍じゃ譲らないから、まあいいや、二審制度でも。第一審にはもう言うこと聞きますからね。これで不平だなんか言って通産大臣に持っていったって、現地の首長の反対を侵してまでやれないから二審制度でもいい。ですから、私は百歩譲って、なかなか離さないから、最終の権限は大臣にありますよ、中央の大臣にありますよ、しかし第一審は地方自治体の大将がやるんだという、あの大店法の改正でいま私どもがねらっておるのを、先ほど申し上げましたような農道だとか学校だとかにひとつねらい打ちで突破口を開いていく、こういう考え方に御協力を願えないだろうか、こういうことでございます。
  42. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 趣旨はよくわかります。まあ最近に起こっておりますデパートの進出で、どの町もひっくり返るような、特に東京に近いところ、まあ私ども埼玉県ですが、埼玉県あたりはどの町も大騒動ができて、そっちへも仲裁に入ってくれ、こっちへも仲裁に入ってくれというようなことで、それで、千五百平米以上は通産大臣の権限。通産大臣が地方の町々の情勢なんぞわかりっこない、それは。
  43. 夏目忠雄

    夏目忠雄君 通産大臣なんて、通産局なんだ。なおわからない。
  44. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) そういうようなことも含めて、改正すべきところがたくさんありますから、まあひとつ本気になってやりますから、どうぞ御支援をお願いいたします。
  45. 夏目忠雄

    夏目忠雄君 ありがとうございます。終わります。
  46. 宮田輝

    主査宮田輝君) 以上をもって夏目忠雄君の質疑は終了いたします。  次に、矢原秀男君の質疑を行います。
  47. 矢原秀男

    矢原秀男君 行政管理庁が勧告しております中で、医薬品等の規制に関する行政監察結果、これに基づく勧告の内容、まずこれについて簡単にお伺いしたいと思います。
  48. 佐倉尚

    政府委員(佐倉尚君) 医薬品の行政監察を行った結果、医薬品につきましては種々世間でもかなり薬品公害等の問題もこれあり、あるいは厚生省等の薬品の安全性というものに対する認識の仕方、そういう点で私ども主に見たわけでございます。それで、いま申し上げましたように国民の健康を守るべき薬について薬品公害等があることは非常に逆でございますから、その辺のところをいろいろと厚生省に申し上げたというのが趣旨であります。
  49. 矢原秀男

    矢原秀男君 いまお話がありましたように、薬品公害、まあ悲しい歴史になりますけれども、数多く社会問題になっております。またそれは生命の尊厳から見ても、安全性というものは非常に大事なことであります。そういう立場の中で、薬品の見直し作業、これはどのような経過をたどっておりますか、お伺いいたします。
  50. 佐倉尚

    政府委員(佐倉尚君) ちょっと突然のお尋ねでございましたので、いまちょっと資料を取り寄せておりますので、ちょっとお待ちいただきたいと思います。
  51. 矢原秀男

    矢原秀男君 じゃ、時間の都合がありますので、次に伺いますけれども、薬品の見直し作業は、皆さんの連絡を聞いておりますと約四万の品目、これを対象に四十六年から実施していらっしゃるわけでございます。五十一年の七月現在、約九千六百品目しか終わっていないとの実態と伺っておるわけでございますが、このとおりでございますか。
  52. 佐倉尚

    政府委員(佐倉尚君) ただいまの数字、ちょっと資料に当たらないとわかりませんが、多分そうだろうと考えております。
  53. 矢原秀男

    矢原秀男君 ここで私は少し疑問に思いますのは、四十六年から約四万の品目が生命安全の立場の中から薬品の見直し作業に移っておりながら、まる五年も経過するそういう段階の中で、九千六百品目しか終わっていないというこの実態は、どこにこういうふうに非常に成果が上がらない原因があるのか、その点をお伺いします。
  54. 佐倉尚

    政府委員(佐倉尚君) ただいまのお尋ねの、九千しか終わってないということでございますが、薬品の問題、これが人体にどう影響を及ぼすかという点は、かなりいろいろな点から検査なり試験なりというものをやらなくてはならないので、そういう点でなかなか思うように品目数が伸びないのかと、そういうふうに考えております。
  55. 矢原秀男

    矢原秀男君 まあ私も市会、県会、国会を通して、イタイイタイ病とか、直接参加をさしていただきまして、行政の博士の方々といろいろ折衝した段階では、因果関係というものが、賛成、反対に分かれて非常に長く経過が出ない、結論が。そういう中で水俣のような形、そういうふうないろんなものが出てくるわけでございますが、これは厚生省が非常に責任問題になるわけでございますが、ここで荒舩長官にお伺いをしたいと思うんでございますが、こういう遅々として進まないような実態、これは行管の立場でどういうふうにお感じになっていらっしゃるのか、まずお伺いをしたいと思います。
  56. 佐倉尚

    政府委員(佐倉尚君) 確かに先生指摘のとおり、なかなか思うように進捗しないという事実があるわけでございます。  先ほどの数字でございますけれども、四万品目のうち五十一年度までには六千九百余りという数字が手元にございますけれども、いずれにせよ、先生の御指摘よりもあるいはまだ少ないのかもしれません。それで、そういう点につきましては、非常にやはり遺憾であるので、薬品の再評価の促進ということをやはりわれわれとしては、厚生省に対して、勧告の重要な項目として掲げているわけでございます。でございますので、先生もよく御承知のとおり、いろいろな機関を通じて、各種の先生方のお考えもそれぞれあるわけでございますが、そういうものも含めまして、なるべく早く再評価を促進していくべきであるということが勧告に盛られているわけでございます。
  57. 矢原秀男

    矢原秀男君 いまあなたから答弁がございましたように、まあ再評価の促進、これは厚生省に厳しく指摘をしていただかなくちゃいけません。また反面、薬の間違った使用法、これはまたとうとい生命を無残に終わらせる、そういう要因にもなることも明らかでございます。こういうふうなことでございますから、長官にお尋ねをするわけでございますが、現在の薬事法に対して、薬の成分や効能を審査するという簡単な規定だけでは足らないと私は思うわけでございます。こういう点についてはどのようにお考えか、伺いたいと思います。
  58. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 私は薬品のことについてはまことに素人でございまして、詳しいことはよくわかりませんが、しかし、いまこの薬品ばかりじゃありませんが、いろいろな効能書きが大変書いてあって、飲んでみると効かないようなものもあるようだし、また薬によっては副作用が起こるというような問題もあります。したがいまして、たくさん数あると思いまするけれども、行政監査の上でひとつ十分こういう点について、いやしくも人命、健康、そういうことに直接つながりがありますので、ひとつ引き続いて監査をしてみたいと思っております。
  59. 矢原秀男

    矢原秀男君 そこで、私も食品公害の問題とか、国民の代表の各部門の方々と、伺ったり、この薬事の問題とか、しておりますけれども、なかなからちが明かない。こういうことでございますので、いま質問をいたしておりますこの一つの過程の中においても、これは長官より厚生大臣にも厳しくこれの法改正を促進する、また検討する用意があるのかどうか、これは荒舩長官よりやはりひとつ声をかけていただかなくちゃいけない、こういうふうに考えるわけでございますけれども、その点どうでございますか。
  60. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 承知いたしました。そういうことで、厚生省に対しましてただいまの御趣旨のようなことを勧告することにいたします。
  61. 矢原秀男

    矢原秀男君 私が、この行政管理庁が勧告をしている医薬品等の規制に関する行政監察、そういうものが四十六年に約四万品目もありながら、五十一年七月現在で約九千六百しかできない。こういうふうな形の中で、もう一回長官にお願いをしたいことは、行政監理委員会設置法の第四条の中に「委員会は、所掌事務に関し、必要があると認めるときは、長官を通じて、内閣総理大臣に意見を述べることができる。」と、こういう第四条があるわけでございます。で、私は現在の新聞報道の中で、水俣であるとか、カネミであるとか、そうして遠くは幾多のいろんな薬品公害が出ている段階の中で、いま私が指摘をしている問題、このことについては第四条を通して見ても、これは行政監理委員会法の第四条の精神に基づいても、長官から総理大臣に、この薬の件において諮問をしたことがあるのかどうか。あるとすればいつどういう段階でされたのか、こういう点をお伺いしたいと思います。
  62. 佐倉尚

    政府委員(佐倉尚君) 行政監理委員会に対しましては、この医薬品に関する勧告を出す際に行政監理委員会に報告し、承認を得ております。
  63. 矢原秀男

    矢原秀男君 長官、この件で最後になりますけれども、非常に厚生省としてもこの薬品公害に対して、こういう薬関係に対して、私の感じとしては、行政管理庁から指摘があってもなかなか腰を上げない、こういうふうな姿というものは、国民の生命、安全の立場から大変な私は怠慢になると指摘をされてもやむを得ない、こういうふうに厚生省に対して感じるわけでございます。そういう意味において、これは行管長官としても決して軽く見てはいけない、そういうふうに私感じるわけです。そういう意味で、長官の姿勢というものを最後に伺いたいと思います。
  64. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 御指摘のような点、全くそのとおりでありますので、厚生省に厳重そういうことを注意をいたします。
  65. 矢原秀男

    矢原秀男君 では、次の点に移りますが、昭和五十二年九月の二日に、閣議了解のもとで行政改革に関する基本の方針が定まったわけでございます。昭和五十三年度は定員削減と増員についてどう計画を持たれておられるのか。また政治責任の上から、この基本方針を断行することに対して異論はないのか。この点、長官に確かめたいと思います。
  66. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 人員削減につきましては、昭和五十二年から四カ年のうちに二万八千人の公務員の削減をすることに閣議で決定をしております。その線に沿って実行いたします。     ―――――――――――――
  67. 宮田輝

    主査宮田輝君) この際、分科担当委員異動について御報告いたします。  本日、目黒朝次郎君が分科担当委員を辞任され、その補欠として野口忠夫君が分科担当委員選任されました。     ―――――――――――――
  68. 矢原秀男

    矢原秀男君 いま長官から御答弁いただきましたように、その線で予定どおりがっちりお願いをしたいと思います。  それから、五十二年七月二十七日行政監理委員会の検査検定業務等の合理化方策についての答申に沿って推進をやはり図ると述べられておりますが、どのように検査検定の合理化を図るのか、長官としてどのように五十三年は具現されるのか、お伺いしたいと思います。
  69. 佐倉尚

    政府委員(佐倉尚君) 検査検定につきましては、いま御指摘のように、行政監理委員会にもかけまして御答申を得ております。中身は、輸出検査とそれから生糸検査、それから米穀検査、それから車の車検の問題、この辺が主なものでございます。それぞれ各省と詰めて、具体的な措置についてはいろいろと考えている最中でございます。
  70. 矢原秀男

    矢原秀男君 それから、行政管理庁が四十九年の六月に勧告しておりますところの海外経済協力に関する行政監察結果に基づく勧告について、結論的に申し上げますと、技術協力行政の運営面の改善の必要大であると述べられております。また、経済援助の面においても、援助がきちっとその使命を果たしているのか、そういう疑問もあるわけでございますけれども、そういう面での行政監察、どういうふうな分析をされていらっしゃるのか伺います。
  71. 佐倉尚

    政府委員(佐倉尚君) 一番のポイントと考えておりますのは、やはりその技術援助なり経済援助なりに対する各省間の連携の問題、特に外務省とその他の各省庁の連携の問題、この辺が一番問題であろうと考えておりまして、勧告の中にもその点を中心に勧告しておるわけでございます。
  72. 矢原秀男

    矢原秀男君 最後に、長官に決意を伺いたいわけでございますけれども、いずれにいたしましても、行政機構がスムーズにむだなく、国民に納得のいく状態をつくっていかなくてはいけない形態ですね、そういうことで、廃止するもの、そうして残すもの、いずれにいたしましても国民生活に沿ったところの行政改革、これを目指すべきであると思います。そういう意味で、長官の決意を伺いたいと思います。
  73. 荒舩清十郎

    国務大臣荒舩清十郎君) 昨年の十二月二十三日に閣議で決定をいたしまして、まあこれはなかなかいろいろ範囲が広いのですが、特に特殊法人の問題等についてはいろいろな点がありまして、現在みんなで二十一を削減合理化することにしておりますが、もうすでに決定をしたものもありまして、あと十四に対しまして削減合理化をするようにやっております。  また、特殊法人のお役人の横すべりとかなんとか、いろんな問題があります。まあこういうものは厳重に処理をする。それからなお、退職金がとてつもない高い退職金である。それは東京都で範を示してそれに右へならえというようなものもあります。したがいまして、これは二割削減をすると、そういうことも決定をしたわけでございます。  また、特に長い期間心がけておりますが、なかなかうまくいっておりませんが、これは中央及び地方も含めてでございますが、定年制をしくということで、これも閣議で決定をいたしまして定年制をしくことに決めました。これは必ず実行して、それからまあ中央にならって地方でもそういう状況をやってもらうと、こういうふうにやってもらう、こういうような点を特に主眼点に置きましてやっておるわけでございます。  なお、中央官庁、各省に非常に課が多いのですが、五十一を二年間のうちに削減をするというようなことも実行いたします。  それから、地方の出先をひとつ約千カ所削減をする、切るということでございます。  それから、さっきも話がありましたが、補助金を千四百二十二億削減をすると、そういうようなことを主眼点にやっております。  なおまた、地方事務官制度の、大変地方と中央との繁雑な行政になっておりまして、まず、運輸省の陸運関係の二千数百人でありますが、これをひとつ中央に持ってくるということにいたしました。まあしかし、目下自治省との話し合いをつけておりますから、やがて来週には法案がまとまると思っております。  なお、厚生省の社会保険関係、労働省の雇用保険関係、こういうものも二年間のうちにこれを廃止をするというような決定をしております。  まあ、そういう線に沿って鋭意努力をしておるところでございます。
  74. 宮田輝

    主査宮田輝君) 以上をもって、矢原秀男君の質疑は終了いたしました。  他に御発言もないようですので、行政管理庁所管質疑はこれをもって終了したものと認めます。     ―――――――――――――
  75. 宮田輝

    主査宮田輝君) 次に、昭和五十三年度総予算中、国会関係を議題といたします。  国会当局からの説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載したいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  76. 宮田輝

    主査宮田輝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  それでは、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  77. 野口忠夫

    野口忠夫君 まず、冒頭に大蔵省にお尋ねいたしたいと思いますが、改めて申し上げるまでもないことなんですけれども――大蔵省、あなたの方に冒頭に敬意を表して、大蔵省から始めるんです。国会というところは、国民の信託にこたえて、国の最高機関としての万全の活動を求められているところであります。国会に籍を置く私ども国会議員も、私どもの活動の万全を願って働いている国会職員も、全く国民の信託の責任の重さを負って、その共通の責任を果たすため、国会というところで一体になって働いているものであります。大蔵省も国会のこうした立場を十分認識して、その万全の活動を期待しながら、その整備のために、常に特段の配慮をもって臨まれているものと推量いたしますが、いかがでございますか。
  78. 塚越則男

    説明員(塚越則男君) 先生指摘のとおり、国会が国権の最高機関であるということは、近代民主国家の基本理念でございますので、私どもといたしましても、国会予算の作成に当たりましては、そのことを十分に念頭に置きまして、国会の御意見を尊重しながら予算編成に当たっているわけでございます。  従来から、例年国会予算につきましては、御要求の趣旨を詳細に承りまして、そして一方、その予算編成の立場を十分に御理解いただくことによりまして、最終的には国会の御了解を得て予算を作成しているというような次第でございます。
  79. 野口忠夫

    野口忠夫君 私は、今回初めてこの予算委員会国会質問をするわけでございますが、問題点等もあろうというので、会議録ども読ましてもらったのでございますが、全く同じことの繰り返しにこれが終わっているわけでありますね。こうあったらと思うようなことがすでに前の人が御質問になって、それ相当の御返事をいただきながら、また同じ状態のものを繰り返している。どうも繰り返しているということは、少しも前進がなかったことを示すのではなかろうかと思います。まあ経済大国とか、世界のチャンピオンとかということを言われているわけでございますが、何か国会の中はどうも春の光が――春風駘蕩として、遅々として進まないような、そういうことを感ずるわけであります。で、その原因が国会の事務当局にあるのか、大蔵省にあるかについては、私としては、そのどっちかはこれから申し上げたいと思うのですけれども、もうこの辺で繰り返しは打ち切りたいと思うのです。きょうの私の申し上げる質問の御答弁は、この繰り返しをもうやめる、そして国会の、国民の信託にこたえるその崇高な使命のための、ひとつ国会の運営の御協力も大蔵省にもお願いしたい、こういうことで申し上げるわけでございますが、よろしくひとつお願いしたいと思います。大変結構な答弁をいただきましてありがとうございました。この御返答に違背ないようにしていただきたい。  事務局の方にお願いしたいんですけれども、いま参議院は、参議院の新たな改革というような問題について、党派を超えて問題が提起され、いま着々と進行中でございます。これは戦後三十年、長い間の参議院のあり方について厳しい反省を加えながら、より充実した国民の信託にこたえる国会にしていこうとする、私としては歴史的な問題ではないかと思うのですけれども、この参議院改革という新しい事実の前で、当然新しい正副議長のもとで、参議院の当局としても、この検討に対して十分やっているんではないか。現在のところ、どのような方向でこれが進んでいるか、お伺いしたいと思うわけであります。
  80. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 参議院の改革の問題につきましては、ただいま各党からそれぞれの改革の意見が出されております。私もその内容を拝見いたしましたけれども、事務局に関係する問題といたしましては、審議の充実という問題、それに伴っての調査室機能の拡充強化という問題がうたわれております。私ども、その点は、一つは人間の、職員の質の問題と適正な人数の問題、もう一つは金銭的な予算の裏づけの問題と、この三つであろうと思います。  で、いま調査室の機能拡充ということが一番の当面の問題として出されております。その点に関しましては、実は私ども、本年一月も、私ども職員と国立国会図書館の調立の職員にお願いいたしまして、アメリカの方の実態の調査に行かしております。要は、参議院の改革の協議会でこの問題がいかように扱われ、いかように処理されるかということにかかってくるわけでございますが、われわれといたしましては、それに対応して即応できるように現在そういう面の下勉強中でございます。
  81. 野口忠夫

    野口忠夫君 大変この改革の問題に取り組んでおられるお話をいまお聞きしましたが、やはりこの辺で、国会が完全に機能するために事務局体制はどうあるべきか、必要としないかどうか、あるいはまた調査体制――国会調査の体制づくりというのは国会活動の基盤であろうと私は考えるものでありますけれども、これの編成充実についてさらに前進させるものはないか。あるいはまた、国会に働く職員皆さんは、いわばそうしたような高い理想の前に立ってお働きの方でございましょうから、これらの方々に対する温かい手当て等を考えながら、明るい健康な職場をつくらせて、その中で働いていけるような労働条件、身分等の確保を考えていく必要もあるのではなかろうか。全般的にやはり国会がこの辺でどのくらいの体制で、どのような状態で進めていくべきかというようなことを当局みずからがひとつお求めになって――私も外国の方ではどういうふうになっているのかというようなことを実は考えたわけですけれども、いまアメリカの方に調査に行っていられると、大変結構なことでございますが、この歴史的な変革の時期に、本当に国会が機能できるような、そういうための御努力をひとつお願いしたいと思うわけであります。  次の質問に入りたいんですけれども、ただいま申し上げましたように、国民の信託にこたえるための国会活動の基底というものは国政調査の活動にあるということは、これはもう申すまでもないと思いますが、この国政調査活動をより実効あらしめるためには、それを補佐する事務局の体制というものを整備することはもう当然のことだと思います。ところが、どうも当局はいつも後手後手と、何かその場しのぎの対策で終わっているように思われてならないわけです。先ほど申し上げましたような国会の特殊性は尊重されなければならないということ、これはお題目に終わってはならないわけだと私は思います。必要な定員の増、職務に見合った職員の待遇改善等が具体的に実現されることによって、国民の信託にこたえるべき国会の特殊性が尊重されたということになると私は考えるものであります。  行政府の場合、いわば事業がふえていくという、行政府の立場で言いますと、この業務量の増大というようなことによって必要な人員を確保するというようなことが行政当局などではやられているわけでございますけれども、どうも国会の場合は単純な業務量の増大では定員増がないというようなことで、どうもさっき言ったように、国会の場合はそういう意味では他の行政府がとっているようなものがとれていない。  こんなことでは、先ほど申し上げましたような国会の特殊的なものというものは浮かび上がってこないのではないかというように思うわけでありますが、ちょっと私は今日の国会の情勢を見まして、保革伯仲なんというようなことになって、議員立法というようなことも相当多くなってきたようだし、あるいは請願の出願というようなものも大分多くなってくる。この請願の取り扱いなども、さらに慎重にやらねばならぬというような問題も起こっている。国会審議ども、特別委員会等もこれは随時開いてひとつ充実しようではないかとか、常任委員会のあり方はどうかというようなことで、どうも業務量はまことに多くなってきていると思うのです。それに伴っての定員増というのは当然あるべきですけれども、残念ながら五十三年度の定員の純増はゼロであった。どうもこれは、こうしたような国会のあり方に対する事務当局の認識不足と責任感のなさの結果であるのではないかというような指摘をせざるを得ないわけでありますが、大蔵省折衝の場合いろいろなことがあったと思うのですけれども国会の特殊的立場というようなことの強調と現状の理解というような点から、毅然たる態度で大蔵省に臨んで、あるべき定員というようなものはとっていくというようなものでなければならぬと思うのですが、いかがでしょう。
  82. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 仰せのとおり、職員の増員の問題といたしましては、第一に新規事業に伴う必要人員、第二に既存の組織の拡充強化に要する人員、第三に既存の組織で事務量の増加に伴う必要人員と、こういうふうに大きく分けられると思うのでございます。前の二者につきましては、過去に、分館ができたとか、いろいろ事情がございましたときに大蔵要求をいたしまして、それぞれ必要な新規増員はとっておるわけでございます。問題は、一般的な事務量の増加ということに対して新規の増員をとるということが、実際問題としてなかなか大蔵当局の理解も得にくい面があったと、その結果がなかなか純増ができないというのが事実でございます。  私ども、本年、事務局の全組織の見直しということをいま作業いたしております。その作業の結果、適正な組織で適正な人員配分、それにもかかわらず事務量の増加ということがあれば、それは論理的、科学的に明確な根拠を持って今後大蔵省に人員増を要求していくと、こういう方向で新規に考え直してやっていこうと、いま考えておるところでございます。従来のやり方ではなかなか実現はむずかしいところでございますから。
  83. 野口忠夫

    野口忠夫君 いろいろ御努力になっておるようでございますが、私はそこでお尋ねいたしたいのですが、国会というところは、行政官庁とは違って、新規の事業というものはないんですよね、新規の事業というのは。行政関係の方で新規の事業が出てくるに従って、結局これは国会が受け取っていくのは人だということになると思うんですよ。したがって、この人員増について単なる事務量の増大だけでは認められないなんということであったのでは、これの大蔵省の考え方に従っている限りにおいては、国会というのはどうにもできないです。結果的には、新規の事業というのが、行政府でつくっていったそのことが全部はね返ってこちらへ来て、それが国民との関係でどうかということでわれわれはやっていくわけだとすれば、そこでやはり組織的にも体制的にもそれに見合ったようなものになっていくということでの――これは事務量というよりも、何というか……。ところが、大蔵当局の見解は、そういう事務量の増大は認めないということになって、新規の事業は増してやろうと、こうなってしまうと、国会はどうにもできない。  国会の民主化とか、民意の反映というような国民の声にこたえていくためには、国会活動が活発化していくのは当然であります。そのために国会事務局の事務量の増大は必然であります。これは政府にあっての新規事業に匹敵するものではないでしょうか。これこそが私はまさしく国会の特殊性だと思うのですよね。参議院当局が大蔵省に説明するときに、参議院の特殊性の上に立って根強く定数増を図っていくべきでなかったかと思うのですけれども、昨年、ことしと続いて定員増はゼロであったということですね。どうもその辺が、国会という場に立っての考え方での当局の姿勢がやや弱いように思うのですけれども、いかがでございましょうか。
  84. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 私が新規事業の増に伴うものと申し上げましたのは、たとえば、国会で言えば先般事務局庁舎の第二別館をつくりました。この第二別館に必要な保守の要員その他ということは、新規増で大蔵省からいただいておるということでございます。  で、事務量の増加の問題につきましては、職員の勤務の状態その他を見まして、事務局としての既存の定数の中の調整ということはいたしておりますが、昨年も前の事務総長が申されましたように、もはやそういう状況ではなかなか賄っていけない。したがって、そういう事態のもとでもう一度全般的に、組織機構人員配置を見直して、それで根拠ある一つの要求の基礎をつくって要求しようと、こういう考えでございます。
  85. 野口忠夫

    野口忠夫君 参議院としては昨年度十七名増を要求してゼロになった。今回はそれを自発的に十三名に減らされましたね。昨年十七で、ことし十三名に減らされた。私は、いま事務総長が新規事業の場合は増員されたようなお話がございましたけれども、これは別館とか委員長室を言うのだと思うのだが、委員長室は二十二あるでしょう。あれで何名配置されたかですね。半分きり配置されません。庁内のやりくりでやられた。新規事業の場合でも、何か知らぬけれどもそういう状態で、ほかの方はそうではない、各省は。この辺のところに、どうも去年、ことしと二年間続いて定員増がゼロであったということですね。先ほど事務総長も言うように、昨年の分科会で、前総長、いまの図書館長さんが純増をとるという約束をなさっているわけだ。国会で答弁なさった。しかも、この約束の前提としては、もう部内操作はすでに限界に来ていると発言をなさっているわけであります。この純増をとるということは、これは何が何でもとるという発言であったわけでございます。これが、総長さんがかわったからといって簡単にほごにされる性質のものではないと思う。この分科会においてそういう発言がなされておるわけですね。しかし、二年間も純増ゼロであったというこの問題は、どうもこういう国会の答弁をほごにした。部内操作は限界である、純増をとるということが、最高責任者である総長の国会におけるこれは約束であるわけです。  この実現のためには、私は大蔵省折衝の従来の行きがかりはわかりませんけれども、この国会公約をなすった総長さんの責任からも、やはり大蔵折衝というものを総長さんとか次長さんおやりになって、そうして熱意を込めてやっぱりこれをやっていただかなくちゃならぬのじゃないだろうか。これが国会に対する皆さん方の御答弁の責任であり、あるいは国会に働く全職員に対する事務局側としての責任を果たすことになるのじゃなかろうか。聞くところによると、いろいろ事情があるのか知りませんけれども、この点では余り総長さんたちお出かけにならぬというのですけれども国会で約束をして、そして純増をとると言ったのが二年間だめだったというようなことは、これはやっぱり許されないことではないかと私は思うのです。そういう意味では、ことしの予算の場合は、総長さんいかがでございますか、これはなくなっちまったんではないと私は思っているんですけれどもね。総長がかわったらその言葉はなくなっちゃったというほどこの中がよくなっているわけではないでしょうから、前総長の言を受けて今度の総長もこの実現のためには努力してもらわなくちゃならぬと思うのです。  さらに、私はこれ、言いたいんですけれども、先ほど職員の労働管理の問題、労務管理の問題についてお述べになりましたが、五十二年度中に参議院の現職の職員が六名も不幸にして亡くなっているわけであります。このことは、労務管理の上で過重な労働のあらわれではないのか。これは総長の真剣な受けとめ方を、この職員の死の前に立って、やっぱり持たなきゃいかぬと思うんですよ。参議院職員の今回の死亡者の比率を言いますと、大体〇・五%という数字でございますが、非現業の一般行政機関の平均死亡率は〇・一七五%。参議院は〇・五。余りにもこれは差があり過ぎるように思うわけです。もちろん、死因はいろいろいろあるだろうと思いますが、特に問題なのは、職場で中心になってフルに働いている方々ばかりに亡くなった方があるということでございます。老衰ではないんですね。こうしたような状態を考えた事実の前に立って、何といっても労務管理の上での過酷な労働過重の条件の解消を管理者は十分図っていくべきではないだろうかと思います。  何か、次長名によって一片の通牒が出て、職員の健康管理の呼びかけもあるようですけれども、実はそこに行く暇もないほど忙しいというのが実態ではないですか。仕事が次々と来るという状態の中では、とても健康診断も受ける暇はないと。ですから、健康診断もさることながら、その前にあるこの労働過重になっている状態をやっぱりもっと分けてやるという立場で定員というものはこれはかち取らなきゃならぬのじゃないかと思うのです。当局の立場としては、国会の業務はだんだん過重になる中で、労働過重になっていくであろう職員に対してこれを緩和してやるという意味でも、定員増というのはどうも必至の課題のように私は思われるわけです。ぜひこの辺、国会で公約なさった、そういう死亡が出ている、その中で業務量がだんだん増大してくるという中で、ことしはゼロの査定を受けてしまったんですけれども、この次、定員増の場合には、もうゼロなんということはあってはならないと私は思うのですけれども、新たな決意の中で事務総長がこれに臨まれるかどうか、あなたの決意をひとつお述べ願いたいと思うのです。
  86. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 前の総長が言われましたことを、私がかわりまして全然それを受け継がないということではございません。ただ、いままでの対大蔵の交渉をいろいろ振り返って反省してみまして、たとえば一般の事務量増加ということの人員増の問題にしても、いかにして大蔵当局の御理解を得てその定数がふえるかという問題について、もう一度真剣に考え直してこれから事に当たろうということを申し上げておるわけでございます。そのためにも、いまの組織その他を全面的に見直して、事務量増加の必要な根拠を明確にして、それで大蔵交渉に臨みたいという考えでございます。
  87. 野口忠夫

    野口忠夫君 私の聞いているのは、そういう実態をよく調査するということを聞いているんじゃないんです。もう二年間も純増ゼロで、それで〇・五%の死亡率がこの国会の中にあるという事実の前に立って、来年は、もし実態調査して必要なものがあったら必ずとるという決意でお臨みになるかどうかについて私お尋ねしたわけですから、そこをひとつおっしゃってください。
  88. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) もちろん、私ども作業を始めておりますのはそういうことで、新規の人員が必要だということであれば、これは全力を挙げてその実現に努めるという気持ちでおります。
  89. 野口忠夫

    野口忠夫君 この次は純増ゼロなんという惨めな姿はつくらないということで努力していくといういま決意をお聞きしましたが、大蔵省に申し上げたいわけなんですが、先ほど申し上げましたように、大蔵省の態度は、財政硬直などを恐れるせいですか、人件費の増大を恐れるんですか、新規事業の人員増ということはいいと、しかしどうも業務量増大というようなことになってくると、これはその増員はだめだということが一つの壁になっている。この大蔵省の壁の前に立ちますと、この基本的態度の前に立った国会の特殊的状態というのは、新規事業はないということなんです。そして、行政省あたりの仕事がふえるに従って、こちらの方ではやらねばならない仕事がいっぱいあるということなんですよ。しかし、ふやす的がないんだよ、あんたの方の言うことを聞くと。業務量の増大に伴っては、定員削減の時代だから、これはもうなるべく人員整理しなくちゃならぬのだから、これはおれの方でやっているんだからあんたの方はやれないと、これで来るわけだ。それだから長い間一つも増がないんですよ、純増というのは。ふえた特別委員長室の数も半分ですよ。別館五名でしょう。新規事業も、何だか知らないけれども、公務員の削減はやらないなんと言ってるようですけれども、何か大蔵省は陰の方で国会の方に圧力をかけて、そっちで削減をやってるんじゃないのか、これ。何だか口では特殊的な性格を持つ国会であるから人員削減なんというのは一般公務員のようにはいかないんだと言っているけれども、じゃ、なぜ二十二の委員長室ができたときに二十二人の定数をふやさなかったのか。  ですから、先ほど事務総長の方から――私大分強く責めましたので、二回もゼロだったことについて非常なおひどい立場だともぼくは言った。それは国会で公約されているんだな。部内調整はできない、純増は必ずとります、でなければ国会はだめなんだと、こう言っているわけよ。それを相変わらず、あなた方の基本方針で国会の場合ももし今後もやるということになれば、先ほどあなたが、一番最初に私聞いたときに、国会を尊重しているなんとおっしゃったことはうそや、こういうことになるおそれがあります。ですから、来年に向けていろいろ調査もして、どうしても必要な定数は要るであろうときに、大蔵省はその点で十分考えて、そして国会の特殊的な立場というものを考えて、これに御協力を願うようにお願いしたいわけなんですけれども、いかがですか。
  90. 塚越則男

    説明員(塚越則男君) 確かに国政業務に対する需要がふえまして、行政機関等の事務量が大幅にふえているというような状況は一般的に見られるわけでございますが、一方におきまして、やはり国民の税金をもって仕事をしている職員でございますから、やはり極力効率的に仕事をしなければならないということもまた事実であろうと思うのです。そういう要請に立って行政改革のような話が出てきたわけでございますが、行政府につきましては第四次の定員削減計画というのを五十二年度からやっておりまして、で、各行政機関に定員削減の割り当てを行っているわけであります。国会の場合にはこれは適用がございませんけれども、やはり国会職員は特別ではございますけれども、やはり現下の情勢に顧みまして、やはり効率的な職場配置とか、そういうことを考えていただかなければならないことは当然であろうかと私どもも思っています。そこで、そういうような状況をいろいろ考え合わせまして、国会職員につきましても、切実な事由のあるものに限定いたしまして増員をし、一方で定員削限について自主的な御協力を得ましてやっていただくというような形をとりまして、従来、国会につきましても純増ゼロというような形になったわけでございますが、今後ともまた同じような考え方で効率的な運用はやはりお願いしていかざるを得ないというふうに考えております。
  91. 野口忠夫

    野口忠夫君 どうも、そういう立場であなたが物をはっきり言えないなら、分科会に出てくる責任ないな。一般的な行政の整理の中で各省は整理されていますと。かわりに新規事業があればふえているんですよ。一般行政はそうでしょう。国会はそうじゃない、新規事業なんていうものは全然ございませんから。ただ、それだけでもってこられたのでは……。だから、いままで約十年間の間に国会でふえた数というのは、この間の別館の五名と十二名だけですよ、定数の上でふえたのは。これだけ日本の国が前進して、国政が進展して、あるいは価値の多様化と言われるようなこういう中で、住民からの要求なども非常に上がってくる中で、国会議員皆さん方非常にお苦しみになっている。それと一緒になっている国会内の体制というものがそういう一般論だけで押さえられちまうと、これは百年たってもふえないということになっちゃうんです。だから、一般的な公務員の立場というもの、これはいろいろと整理されたものもあれば、新規事業が出てくると必ずふえてくるわけですよ。ふやす面があるわけでしょう。そのふやす面が国会にはないということですよ。あったのは、この間の別館と、それから委員長室と、これだけなんです。それっきりふやしてくれない。あと、中で病人が出て、五人六人も死んでいるという現状の上に事務総長立ちながら、いろんなやりくりを中でやりながら、職員の問題を処理しているという立場の中にある国会というものに対して、あなたのいまの答弁は、どうもしゃくし定規的な大蔵官僚の言葉っきり聞こえない、ぼくは。そんなに冷たいものですか。働き盛りの人が、一生懸命国会で働いている人が〇・五%、あなた方の役所の人たちよりもはるかに多い数で死んだということ。いろいろ死因はあるだろう。しかし、これは責任はやっぱり労務管理的な責任を事務総長負わざるを得ないと私は思うんですよ。直接間接を問わず、労働者を使っている立場から言えば、そうだろうと私は思うんですよ。そのことについて何か一般的な論だけを先ほどからおっしゃっているとなれば、あなたにはそういうことの発言の権限がないのか、何ともそれは言いようがないのかと。  まあ時間がもうなくなってしまいましたんで相済みませんが、あなたも、いまここでもう質問が終わったらそれで終わりなんていう考えではないでしょうね。そうではないでしょう。どうも国会質問と答弁というやつは、そのとき質問するのをやって、せいせいしたみたいだしなあ。答える方も、それで答えて終わったみたいなかっこうになっているのが、こういう形式主義の、国会の中の人間の苦しみや人間の問題を一つも触れてこないところに問題が残るわけだ。あなたひとつ、その国会の、あなたの個人的なお気持ちとして受け取った中にも、なるほどなあということが頭の中にお入りになったと思うから、これからお帰りになって、やはりそういう国会の一つの特殊的な条件というものについて、十分ひとつ大蔵省の中でしかるべくお話しを願っておきたい。あなたの御努力によって必ず来年は定数がぴしっと来るように、ぼくは期待します。もしできなかったら、あなたか何も言わなかったということに――ぼくはそうは考えないけれども、きょう出席なすってぼくに答弁をしたんだから、先ほど。大蔵はひとつその辺のところを十分考えていただきたいと思うんですよ。何ともどうもお話しできないようですがね。固い話だけでなく、ああそうだったのか、それはもっともだと、こういうことにはいかぬか。事務総長は、来年はひとつ定数増がもし必要であった場合にはこの実現のために一生懸命やって必ずこれは来年は取ると言ってるんだね。これは国会で公約したから言わざるを得ないのですよ。この国会の公約について大蔵省は一つも返事できない。国会軽視もはなはだしい。金のことになるというと、国会の言うことなど何でもかまわぬというようなかっこうになっているんじゃないかというように思うんだけれどもね。口が悪いけれども、もともと生まれつきなんだから勘弁してくださいよ。気持ちは至っていい男なんですからね。  次に、行(二)表について伺いたいと思うのですが、もういろいろな歴史的な経過については、もう十分ここで繰り返し繰り返し言われておりますので結構でございます。  この行(二)表の撤廃について参議院としては撤廃を続けるということになっておるようですけれども、何か前分科会の答弁などを見ますと、衆議院と参議院との差ができるのじゃないかみたいな心配の中で、どうもはっきりとしたお話が出てこないで、仕方なしにやるみたいな話でございますが、庶務小委員会でこれはぴしっとやることになっているんですから、これは実現するために御努力になることになっていると思うのですが、いかがでございますか。
  92. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 経過は特にくだくだしく申し上げませんが、現在行(二)の定数として残っておりますのは十三名でございます。当初二百名から出発いたしまして、十三名残っておるという形でございます。この撤廃が実現した場合の一つの問題点、これは初任給の格付けをどうするかという問題、それからもう一つの問題は、行(二)から移った人たちの昇格基準その他をどう設定して、どう扱い運用するかという、これは非常にむずかしい問題が残っております。   〔主査退席、副主査着席〕 いずれにしましても、撤廃の暁にはそういう問題を解決して撤廃ということにせざるを得ない。残念ながら昇格基準その他の問題は非常に困難な問題でございまして、まだその案というようなものの、とても見通しがつかないという状態でおります。いずれにしましても、現状の十三というのを撤廃という姿勢は今後も続けていくつもりでおります。
  93. 野口忠夫

    野口忠夫君 撤廃するような、しないような考え方ですけれどもね、私としては撤廃の方向で進んでいくと、そういうふうに受け取りたいと思います。行(二)表撤廃ということは、やはり同じ働く勤労者の中に、行(一)、行(二)というような給与における差が職種によって出てきたりしているんだと思うのですけれどもね。まあ行(二)適用の皆さん方が、こういう職種によって差別されることについては反対だろうと思うので、皆さんそう思っておると思うのですけれども、行(一)表にこれは移行という措置をとっておられますね。どうもしかし行(一)表に移行ということがどうも本物でないように思われるわけですね。何か撤廃ができないものだから行(一)にやったと言うのですが、確かに行(二)表から行(一)表の技術職に給料表は変わりましたけれども、これの運用が行(二)表見合いで運用されておる。本当の行(一)表に移行した処遇の改善というのはなされていない。行(一)表技術職枠は定数として四等級から七等級までありますが、これは行(二)表の特一等級以下に対応した等級であります。行(一)表に移行しても、技術職枠の中で運用されている現状では、名前を変えただけで何ら処遇は変わらないのではないでしょうか。どうもこれは移行という措置によっては当初のねらいというものから外れているように思われるのですけれども、その辺がどうも……。  時間がないので続けますが、もし参議院が行(一)表に移行して処遇改善を期するというならばですね、過去に専門職が上は三等級まできりなかったんですね、専門職が。いまでは一等級まで定数があるように改善を見ております。これにならって、技術職にも行(一)二、三等級をつくるということを少なくともやっていくべきではないかと思うのですが、もしそれができないならば、やはり行(一)表の技術職枠を撤廃して、行(一)表の一般職員と同じ運用をすべきではなかろうか。こういうことを考えられるわけですけれども、いかがでございますか。   〔副主査退席、主査着席〕
  94. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 御存じのように、現在の給料表の基本的考え方が、その職務の責任の度合いと困難性ということによって上位等級に上がっていくという基本的考え方がございます。  で、いまの技術職員でございますが、もちろん、移りました技術職員が、そういう仕事の変わり方によって昇格していくということは当然あってしかるべき問題でございます。ただ、同じ業務をしておりまして、それがそういう原則の給料表のもとで、同じ業務のもとに上へ上がっていくというところに一つの問題があるわけでございます。それは処遇改善ということに尽きるわけでございます。運転手の四等級昇格の場合にも非常にその問題が議論されております。結局、処遇改善ということで、運転手でそのまま四等級に上がれるという形に現在なっておるわけでございます。  で、仮にこういう面を全部外して、全部行(一)職の経験年数なり、在級年数なりを当てはめて処理するということになりますと、高年齢の行(二)から来た方々で、経験年数もあり、あるいは高年齢の方というのが、そういう職務の責任の度合いとか重要性ということを抜きにして、非常に高位の等級に格づけせざるを得ない。これは一方から見ますと一つの矛盾でございます。そのようなことで、いまは残念ながら、行(二)の歩みを見つつ、処遇改善の要素を入れて、行(一)でできるだけの措置をしていくという形でおるわけでございます。先ほど申し上げましたように、この技術職員の昇格基準なり何なりを設定するということは非常にむずかしいと申し上げましたのも、実はそういう問題の矛盾点をどう調和さしていくかという問題にあるわけでございます。
  95. 野口忠夫

    野口忠夫君 非常に問題が至難な面もあるかと思います。しかしですね、やはり国会における職員の身分というものを考えていく中では、ある職種によって頭が打たれていると、こういうことについては、やっぱりその窓あけをしてやるような方向をたどっていくべきではなかろうか。特に速記職、いまおやりになっていますけれども、これは非常な過重負担のお仕事をなすっておるように聞いております。時間がなくなってしまって具体的に申し上げることができませんが、もう十分御承知であろうと思うのですが、この速記職の方がやっぱり頭打ちになって終わってしまう。やっぱりこの辺に専門職的な立場での頭抜きを速記の場合も考えてやるべきではなかろうか。運転の皆さん方もそうですね。何か技術に携わっている者は低いみたいなかっこうで見られているようなあり方では、長い間あれだけの、夜昼なしに働いていらっしゃいまして、で、ぼくらの方はその車に命を預けて歩いているわけでございましょう。そういう運転手さんの立場が、あるところまでいくと頭が打ってあって、あとはだめなんだと。なぜ運転手さんは運転手さんとして、一等級の運転手さんをつくらぬかということです、ぼくは。そのときに初めて下の運転手さんも、何か人間的に差別のないというような感じの中で喜んで働くことになるんではありませんか。何か一般職の高い人だけが、事務的な職にあるような人だけがどんどんいかれて、これは議警職の場合もそういうことが言えると思います。いろいろ御苦労なすっているのはよくわかるんですよ。わかるけれども、何か国会というところで重要な仕事をやっている方が頭打ちの中で、身分的にあるいは待遇的に頭打ちを受けるようなかっこうというものは、これは抜かねばならぬと思うわけでございますが、だんだん段階的であってもいいと思うんですがね、一遍にいかなくとも。まあ四等までいったんだったら三等に今度上げてやる、その定数を何とか確保すると、こういうふうな状態をいままでもおやりになってきたようですけれども、その点でのやっぱり前進をこれはひとつお願いしておきたいというふうに思うわけであります。  時間が三十分ほど切られておったものですから、十分言うことができなくなってしまいましたが、ぜひひとつ国会という場において働く職員に対する御協力を、単なる職員の身分とか何かの問題ではなしに、国民の信託にこたえる国会議員の本当に手足となって働いているという意味での自信と、それから将来への展望を持ったようなあり方での状態をぜひおつくりになっていただきたい。  それから国会図書館の方にお聞きしたいんですが、国会図書館には非常勤というのがあるんだそうですね。どうもこの非常勤という職は一体何であるかについて、まことに疑問なんでございますけれども、少なくとも最高の権威機関である国会国会図書館の中に非常勤という職があるということについて、非常にこれ問題だと思うのですけれども、七十名くらいいらっしゃるそうですね。もう十年近くも非常勤で働いている。常勤というのと非常勤とがあって、十年近くも働いているんだそうですが、どうもこれは……、これ、いなくちゃ困るからいるんだろうと思うんですよ。何で非常勤という名をつけるんだろう。その仕事の内容などもどもお話を聞いたりなにかしているんですけれども、この仕事の内容はたくさんあるようでございますけれども、これはあれですね、一人前の仕事ではないでしょうか。国会の中での仕事があるときに、これは一人前の仕事をしているんじゃなかろうかと思うんですね。だが名前は非常勤。この非常勤という名がつくことによって十八日で切られてしまい、三カ月間で任用がえを行われている。絶えず身分が不安定な状態に置かれながら、しかも、十八日間働きますが、やっぱりアルバイトなんということにいけないとすれば、これも待遇の問題なども、大学卒が多いそうでございますけれども、やっぱりこの非常勤という体制は望ましくないと思うんですけれども、しかし、非常勤は置かねばならない状態にいまあるんでしょう。働いている方もいらっしゃる。私は、この非常勤が常勤に採用される窓あけですね、これをひとつ御工夫になることはどうだろうという考えがするわけですよ。  それも、国会職員というのは、きのうおとといの人が来て急にできる仕事ではございませんよ。ここにいらっしゃる速記の方々だって、宝物ですよ。お一人いなくなったら大変なことになる。国会議員も大変だけどな。いや、いなくなってはいけないけれども、しかし、実際、職員皆さん方のお仕事というのは技術を要するし、長い間の経験が必要だ。国会などで働いている方の非常勤の方にも窓あけする問題もあるだろう。それからまた、常勤職員との差ですね、これを余りつけない方法はないだろうか、でき得る限り。私も人事院の給与法の解釈本などちょっと拝見したんですけれども、やはり人事院の給与法の中における解釈としては、予算の範囲内ということはございます。しかし、その監督の庁の長の皆さん方が、やはり常勤職員とあわせてその均衡を守るように手当あるいは休息あるいは休暇等を考えることが望ましいみたいな考え方がありますね。通勤手当はちょっとあれなようなこともありますが、常勤職員と余りそういう点では違わないような待遇措置も考えねばいかぬじゃないだろうか。国会にいっている常勤職員というのは手当をもらっている、生理休暇もある、こういう状態で非常勤職員が働いているんだような条件整備はだれがやるといったら、国会図書館長が長としてやり得る範囲だということです。問題は館長の良識によるということなんですね、これは、法の解釈は。それを予算ということになればこっちとの問題になりますが、そのときには自分の働いている者に対しての温かいあれとして御努力願うべきではなかろうかと、こういうふうに思うわけでございますがね。  これもいろいろ内容をお聞きしたかったんですけれども、本当に時間が三十分足りなくなったもんですから、以上になってしまいましたが、私がお聞きしたのはあっちこっちになりましたけれども、もう願うところはただ一つです。われわれも選挙されて出てきて、国会へ来て、背中には国民の信託というのを背負っておるんだと。その私が秘書だけ相手にして仕事をやっていくわけにはいかぬ。国会職員挙げて私に御協力を願いたい。そのための体制をやっぱりつくってもらう。国会図書館の中でもそういう職員皆さんがいて御協力願いたい、そうして、全国民に対して信じられるような国会のあり方に持っていきたいという願いの中で、大分口が強く申した面もございましたけれども、そんな気持ちだけで申し上げておるわけですから、御了承いただいて、ひとつ皆さんに与えられた仕事の上で全責任を持ってやっていただきたい。以上お願いして、私の質問を終わりたいと思います。
  96. 宮田輝

    主査宮田輝君) 以上をもって野口忠夫君の質疑は終了いたしました。  次に、矢原秀男君の質疑を行います。
  97. 矢原秀男

    矢原秀男君 国会図書館の別館建設関係の件でございますが、質問の一点は、昭和五十三年度の予算書、計画調査費二百万円増としか出ておりません。これでは、昨年と同じ計画調査費ということになりますので、全然進展しないと見ているわけでございますけれども、この点はいかがでございますか。
  98. 岸田實

    ○国立国会図書館長(岸田實君) 国立国会図書館におきましては、昭和四十九年の三月に将来計画調査会というものを館内に設けまして、別館計画の基本的な構想を検討いたしたわけでございます。それで、その調査会の中間答申といたしまして、別館の計画におきましては、単に書庫が狭隘になったという、書庫の問題を解決するというのにとどまらず、わが館の本来の機能である国政審議のためのデータバンクとして、あるいは国立図書館、国の中央図書館として、わが国の文献情報センターとしての機能を果たし得るように、そしてしかも相当長期の見通しを立てまして、二十一世紀前半にかけて十分に機能できるような施設をつくりたいということで計画をいたしておるわけでございます。  それによりますと、三十六年に両院の議院運営委員会で御決定をいただきました現在の図書館の東側の土地、ただいまでは国会見学バスの駐車場になっております、あの場所の約八千平方メートルの敷地に、延べ四万平方メートルの別館を昭和五十七年に使用可能となるようにつくりたいという案を一応内定しておるわけでございます。昭和五十一年度の予算におきましては、この将来計画につきまして外部から建築専門家の委員に参加していただくということで、その費用、ごく少額でございますが、約七十万円を計上いたし、それから、五十二年度におきましては調査費三百万円を計上いたしました。引き続いて調査をいたしておるわけでございます。昭和五十三年度予算におきましては、同じく調査に充てる経費として約五百万円を計上していただいておりまして、これをもちましてさらに具体的な計画を調査したいという考えでおります。  将来の見通しといたしましては、昭和五十四年度におきましては、設計に必要な諸経費を予算に計上していただき、昭和五十五年から着工できるように所要の予算を計上していただきたいという考え方でおるわけでございます。
  99. 矢原秀男

    矢原秀男君 確かにいま御答弁いただきましたように、和図書の関係についても五十三年九月、洋図書昭和五十四年五月、雑誌関係昭和五十五年から五十六年にはそれぞれ満杯になるというふうに伺っております。その上最近の蔵書の伸びによって――年間十数万点に及ぶと聞いております。そうすれば、いまあなたからも御答弁ございましたように、あと二、三年すればすべての資料が満杯になる。その時点で別館が完成していないということになりますと、これは大変なことになるわけでございます。国民のサービス、そしてまた私たち議員といたしましても、私もアメリカに二年前に行きまして、議員に対する調査能力、議員が当選する段階で十七人の専門家がついている、議員立法ができる、こういう段階日本の国が国民の幸せのために対処する、日本の将来に対処する、こういうことになりますと、国会職員皆さんにいろんな分野で図書館も含めてわれわれは協力をいただかないことには、先ほども野口委員からもお話がございましたように、議員に単なる二名の秘書、こういうことではとうてい調査能力もすべてにも――私たちは一〇〇のうち二%か三%ぐらいしか私たちの闘いができない、こういうことで、いまからの質問をすべてそういう立場から進めておるわけでございますが、そういうことで、私はいまあなたがお話しになりましたように、調査費が上積み五百万と言われておりましたけれども、五十五年の着工、そして五十七年の完成、こういうふうな段階での予算措置、これは大丈夫ですか。
  100. 岸田實

    ○国立国会図書館長(岸田實君) この予算は相当に高額の予算を要しますので、大丈夫かとお聞きになられますと非常に私も重大な責任を感ずるわけでございますが、私といたしましては、もうすでに書庫が満杯近くなっておるわけでございますから、この機を外しましては図書館の運営ができなくなる段階に到達しておる現状からいたしまして、最善を尽くしてこの予算の獲得に努力をいたしたい。大蔵省方面には格別の御理解と御配慮をお願いし、また、国会関係におきましても図書館運営小委員会等を通じまして現在の図書館の現状等も十分に御説明申し上げ、この計画が実現できるように努力いたしたい、かように考えておる次第でございます。
  101. 矢原秀男

    矢原秀男君 確かに書庫の満杯ということになれば大変な状態になります。私たち国会議員といたしましても、やはり調査等に利用する場合におきましても、こういう現状のままで続いていけばいろいろめんどうなことも考えられます。衆議院の別館とか議員宿舎の建設等々もあるように伺っておりますけれども、並行して進行するか、また、図書館というものを私自体から考えれば優先してでも早くやってもらわなくちゃいけない、こういう立場から考えまして、再度、五十七年完成のための予算、こういう裏づけをきちっとする場合には、どことどこにあなたは手を打たれて、そうして五十七年の完成、これに対するプログラムというものがあるのか、それを重ねて明確に答えていただきたい。
  102. 岸田實

    ○国立国会図書館長(岸田實君) 国立国会図書館の業務につきましては、両院に図書館運営小委員会というものが議院運営委員会の小委員会として設けられております。この小委員会におきまして図書館の重大な方針の決定等につきましては御決定を願うというたてまえになっておりますから、まずさしあたっては、図書館運営小委員会に、私どもの具体的な計画が固まりましたならば、これを御提示申し上げまして、そこで御検討を願い、御承認を願って、その上で大蔵当局の方に交渉をするということに段取りとしてはなろうかと思います。
  103. 矢原秀男

    矢原秀男君 私たち議員の方でも全力を挙げたいと思いますので、強力に進めていただきたいと思います。  次は調査室関係に移りたいと思います。  最近、保革伯仲の背景で、国会議員が国政調査活動の活発化の中で調査室の方々に大変御苦労を願っているわけでございます。そういう意味で、また先ほどのアメリカの実態を私調査いたしまして、どうしても調査室の方々に喜んで活躍をしていただきたい、協力を願いたい、これが私たち調査に行った議員の心からの願いでございます。ところが、現在の調査室は、いずれも七、八人の調査員で構成されており、少ない人数で国政全般の議員のレファレンスにこたえていただいておる困難な状況にあります。最大限の努力をしていただいておりますので、申しわけない気持ちでいっぱいでございますが、専門的な知識をより充実してもらうためには調査員の処遇を十分に行わなければいけない。  そういう観点の中から伺いたいわけでございますけれども、具体的には、管理職でない一等級調査員の実現、少人数の調査室の中で、室長、主任調査員が管理職でございますけれども、これ以上管理職をふやすよりも、スタッフ的におのおのの調査員にさらに喜んで働いていただく、仕事をしていただく、そういう立場の中で、管理能力よりもむしろ本来の調査研究能力が望まれるわけであります。二十年以上も調査員としてそれぞれの分野で幅広い知識を身につけて、議員の要望に的確にこたえていかれるように、こういうようにがんばっていらっしゃる。そういう方々が、主任にならなくても、二等級頭打ちといったことのないような、そういう処遇を改善するのが肝心ではないかと思うわけでございます。そういう意味では一等級の調査員を実現していただきたい。また、調査員全員の願いでもあろうかと思うわけでございます。実際に、じみにこつこつ知識を蓄積していただく、そうして、一定の分野で専門家になれば、管理者にならなくとも十分な待遇が与えられる、こういうことになれば、現在の若手の調査員の立場から見ても非常な励みになり、日夜研さんに努めることになろうかと思います。こういうふうな点から、一等級の調査員の実現を強く希望するものでございますけれども、この点いかがでございましょうか。
  104. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 昨年、この調査員の一等級問題に絡みまして、考え方として、現在の主任調査員を複数制にするという考え方と、一等級の調査員をつくるという考え、両方ございました。  私ども、率直な考え方から言えば、むしろ質的な問題あるいは処遇改善の問題を含めて、一等級の調査員をこの際実現すべく努力したいということで、実は予算要求もしたのでございますが、残念ながら実現するに至っておりません。私どもとしては、今後ともできれば現在の調査員のままで一等級に行ける道、これを開くべく今後も努力したいというふうに考えております。
  105. 矢原秀男

    矢原秀男君 今年から専門職の一等級実現を見たようですから、いまあなたが言われておりますようにさらに拡大をして、一等級の調査員、これにも運用すべきではないか、こういうことは意見一致しているようでございます。今後とも私たちも努力をしますので、強力に進めていただきたいと思います。専門職の四等級には調査室で資料整備等していただいている参事の方々がおられますし、運用で使う場合、制度的にも問題があるということはあり得ないと思います。要は大蔵に当局がよく説明をして定数を認めてもらう、そういうふうなことだろうと思います。そういう意味で、大蔵省に対しても根強く進めていただきたいと思います。  じゃ、次に移りますが、次は定員増との関係でありますけれども、現在物価とロッキードという特別委員会の調査室、これを設置して、常設化して国政調査の拡充に貢献をしていただいております。この特別委員会のために各常任委員会の調査室から兼務の形で派遣をされて調査事務に当たっておられるわけでありますけれども、派遣された調査員自身もかけ持ちというきわめて不安定な状態で両方の仕事をしておられます。そういうふうなことで、労働的な過重問題もありますし、兼務の調査員という方々が現在九名にものぼっておられます。また一方派遣した調査室でも、一つの部屋で五十人もいるのなら一名派遣してもいいわけですけれども、多いところで七名、少ないところで五名、こういう調査員の中から一名減ということでは、その影響が非常に大きく、労働的にも大変でございます。しかも、参議院当局で事務局、法制局からも応援を頼んでやっていただいておりますけれども、応援に出した方でも仕事が減っているわけではなく、与野党接近の中で、議員の国政活動が非常に活発化しておりますので、仕事の量が増大しております。とてもよそへ人を割くような状態ではないということは、私たちもいろいろ仕事を、調査をお願いしておりましても非常に気の毒だなという感じでいっぱいでございます。大蔵省の方では、新規事業の場合には定員増を認めるということですから、新設時に純増で手当てすべきものであろうかと思います。本来兼務で対処すべきものでないと私は思うわけです。そういうふうな立場で特別委員会にも十分な定員を確保するように、これは総長にお願いをしたいわけです。で、特別委員会の調査室の実態を見ておりましても、ロッキード問題の調査特別委員会、八名ほど室長以下出ておりますけれども、皆兼任なんですね。調査員の方一人だけが専任でやっていただいている。これじゃもう大変だと思うんですね。物価の方でもやっと三人が専任になっていらっしゃいますが、二名が兼任、こういうことで、非常に大変な状態でございますので、今後どのような改善をしていただくのか、総長のお考えを聞きたいと思います。
  106. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 御存じのように、常任委員会の調査員は、その所属するところの委員会の調査事務のみならず、全議員の方の調査依頼に応じて仕事をするというたてまえになっております。したがいまして、総体的に言えば、特別委員会ができましても、その調査の事務は格段に増加するということは理論上は余り言えないわけでございますが、しかし実態においては、特別委員会ができれば相当の主力的な力をそちらに注ぐということで、どうしても全体的に無理がくるということは事実でございます。また、特別委員会というのは、御存じのように毎国会の設置でございます。現在はまあ引き続いておりますが、本来のたてまえはその国会、その国会という形になっています。そこいらのところを総合的に考えまして、特別委員会の調査室という問題につきましては、特にロッキードと物価につきましては、議運の理事会の決定で、一つの部屋をつくる、あとの特別委員会には関係の調査室が調査協力するというのが現状でございます。したがいまして、その現状を踏まえまして、一体特別委員会の調査員を増加するのがいいのか、調査室全体を見てそれをふやすのがいいのかという問題がございます。われわれといたしましては、できれば常任委員会調査室全員の増ということで、特別委員会にも対処し得るという方策が一番理想的ではないかと考えております。まあ、現状は先生のおっしゃるとおりでございます。これではとてもわれわれ、先生方の期待に沿うようなことにはまいらぬということはよく存じております。今後、いずれこの調査室の機能拡充の問題は当然いろいろ御論議されることと思いますので、その機会に私どもとしても十分の考え方をその場で申し上げたいというふうに考えております。
  107. 矢原秀男

    矢原秀男君 ぜひこの件、よろしくお願いをいたします。  じゃ、次に移りますが、成田空港が現在こういう形で、予測は立ちませんけれども、参議院もこの新しい国際空港とは無縁ではないと思うわけです。まあ国会で議員の海外派遣、外国議員団の議長招待業務、そういうようなことの影響、羽田に比べると非常に、数倍遠距離でございますし、交通事情もよくない。羽田なら半日で済むでしょうけれども、成田なら一日がかりで、フライトによってはやむなく宿泊、あるいは一晩じゅう送迎車の運転ということも予測をされるかと思います。しかも現在の状況では、この状態でいきますと、きょうの本会議質疑でも、新聞紙上等でも出ておりますけれども職員の方も、従事され担当される方々も、現在の状況では生命の危険するも予測されかねない、こういう状態になると思うんですね。  このための対策としては、参議院としても検討中であろうと思いますけれども、業務量増加に対する職員の労働強化、これを来さぬように、人員の面、そうして宿泊の施設、手当て、十分な配慮が必要だろうと思います。まあ今後こういう意味では、職員組合とも話し合いを総長がされながら十分な措置――まあ成田も五月ごろからは行われると思いますけれども、ああいう大変な騒動というものは私今後相当年月続くんではないか。そういう観点の中から、話し合い、そうして検討措置をしていただきたい。これについて見解を伺いたいと思います。
  108. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 現在私ども検討いたしておりますのは、公務で海外に出張される議員の方々の成田に対する方法をどうするかということについて、いろいろただいま検討中でございます。率直に申し上げまして、まだ職員の方を具体的にどうするかというところまでいっておりませんが、まあ議員の方が大ぜいおいでになりますころは国会も閉会のころが多うございますから、従来も若干やっておりましたが、単に渉外だけの担当者でなく、ほかの部課からの応援というようなことも十分考えまして、御迷惑をかけないような方法をとっていきたいというふうに考えております。
  109. 矢原秀男

    矢原秀男君 その点よろしくお願いします。  時間がございませんので、私、一方的に話をしますので、簡潔に答えていただきたいと思います。  実は用務課に在職する労務職員の処遇について伺いたいと思います。  労務関係では、特に合理化ということで、四十七年に五十一名おられましたが、現在は四十三名と、八名減で、労働の過重を強いられております。このような労働条件にあって、その処遇がどうかと見ておりますと、現在年齢が四十歳前後で入りますと、行(二)の五等級の高位号給で採用されますけれども、これを参議院当局では初任給が有利だと称しているわけでございますけれども、十万円弱で、決して有利とは言えない状態です。その後、行(二)の四等級に昇格をしてから行(一)の七等級に移行をしますけれども、すでに二けた号給でありまして、この間いずれも間差は三千円弱であります。一年に一回定期昇給をすると、一年に三千円以下しか給料が上がらないことになります。現在七等級に在級する方々を見ても、二十四人のうちで十五人は二千七百円以下しか、しかも、このうちで四人は一年に二千円しか上がらない。これではベースアップと合わせても物価の上昇にも追いつけない待遇であります。六等級の定数をふやして改善をしてきているとはいっても、いま八名おられる中で、すべての方が間差ダウンのところに在級をしております。ここも一年に三千円台の昇給でありまして、一年ごとに昇給額が減ってくるといったありさまでは、将来何を希望して働いていけと言われるのか、こういう悩みがあるわけでございます。速やかに五等級に昇格を促進実現すべきだと私は思うわけです。この点、総長の意思を伺っておきたいと思います。
  110. 植木正張

    ○事務総長(植木正張君) 用員の給与の実態につきましては、ただいまお話がございましたとおりでございます。そもそも用員を採用いたしますのは三十五歳から四十歳と、高年齢の採用でございます。したがいまして、行(二)の初任給もそれだけ幅をとって、高くとれるという形で採用しておるわけでございます。行(二)から行(一)へ移ることによりまして、少なくとも行(二)の給料表を歩くよりは有利な給料表を歩いておるということは事実でございます。で、いまは行(一)の七等級を歩きまして、これがいわゆるマル特と申しますか、そういう状態になりましたら、これは処遇改善ということで六等級に上げるという運用をしております。また、五等級につきましても、従来は作業主任とか、いろいろ役付でなければ昇格ができなかった道を、処遇改善的に五等級に上がる道ということをやっております。ただ、それが全員に大ぜいいくというような形にはいまなっておりませんので、その辺は将来の検討事項として、十分いま御指摘のような低給料でないように検討してまいりたいと思っております。
  111. 矢原秀男

    矢原秀男君 総長、私、先ほども申し上げましたように、いま四、五点の質問をいたしましたが、これは私国民の負託を受けた国会議員として、アメリカに渡って、そうして調査活動の中で本当に悲しい思いをした。そういう中で私いま申し述べているわけでございますが、該当の職員皆さんから見れば、何だ矢原は本当にわれわれの気持ちの百分の一ぐらいしかわかってないじゃないかと、こういう感じであろうかと私は痛感するわけでございます。どうか私、議員の立場で、手前みその立場の中で主張いたしておりますけれども職員の方々は数百倍のそういう苦しい思いの中で努力をされていらっしゃると思いますので、せめてこの点については鋭意努力をしていただきたいことを要望いたします。  時間がございませんので、図書館関係、一点だけお伺いしますが、ロッキード裁判の公判記録に対して、国会図書館としてこの記録を要求しておられるのかが一点。  そうして第二点目には、公判記録を、国会としてどうしても必要であるとの見地から、裁判のおのおのの公判日より終了しているものについてはなるべく早く要求をしていくべきではないか、こういうふうに考えるわけでございますけれども、この二点お伺いをして、終わりたいと思います。
  112. 岸田實

    ○国立国会図書館長(岸田實君) 国立国会図書館の資料収集の対象となりますものは、いわゆる図書館資料、すなわち公に刊行せられた文献を主とするものでございます。ただいまお話にありました裁判所の訴訟関係の資料等は、いわば司法部内におきまする公文書でございまして、これは図書館の収集すべき対象に入っておりません。したがいまして、私どもとしては、訴訟書類を図書館に出していただくように要求するということは、図書館としては考えておりません。  それから調査立法考査局、いわゆる国会審議の手助けをする調立の立法資料としてこれを収集するかどうかという問題がございますが、これはたとえば国会関係の諸先生方から御要求がございましたならば、調立といたしましては最高裁判所の方に、こういう御要求がありましたということを連絡いたしまして、その資料の提示ができるかどうかということを聞くということになります。しかしながら、この問題につきましては、立法府と司法府との関係がございまして、司法権の独立の原則という憲法上の一つの大きな原則を踏まえてこの問題を処理しなけりゃならぬということになりますので、これを私の方からたとえ連絡いたしましても、提出するかどうかということは、これは最高裁判所の方のお考えによって決められるべき問題で、私の方から館長の権限としてそれを出してほしいということは言えないというふうに考えておる次第でございます。  なお、ロッキード裁判等につきまして公に刊行せられました新聞、雑誌その他の文献は、私どもといたしましては、これは大きな事件の一つでございますので、極力収集しておることは当然でございますが、訴訟書類そのものを図書館の方に求めるという立場にはないということをお答え申し上げます。
  113. 宮田輝

    主査宮田輝君) 以上をもって矢原秀男君の質疑は終了いたしました。  他に御発言もないようですので、国会関係質疑はこれをもって終了したものと認めます。  明日は午前十時から分科会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後七時四分散会      ―――――・―――――